JPH07324084A - オキソピリジニルキノキサリン誘導体 - Google Patents

オキソピリジニルキノキサリン誘導体

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JPH07324084A
JPH07324084A JP7078028A JP7802895A JPH07324084A JP H07324084 A JPH07324084 A JP H07324084A JP 7078028 A JP7078028 A JP 7078028A JP 7802895 A JP7802895 A JP 7802895A JP H07324084 A JPH07324084 A JP H07324084A
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正美 永業
Kazuo Kawasaki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中枢神経細胞に存在する興奮性アミノ酸のN
MDA受容体およびAMPA受容体の各々に拮抗作用を
示す、オキソピリジニルキノキサリン誘導体、それを含
有する拮抗剤、および中枢神経疾患治療剤を提供する。 【構成】 次式で表されるオキソピリジニルキノキサリ
ン誘導体またはその製薬上許容される塩類: 【化1】 ここで、R1は、水素、ハロゲン、ニトロ、またはトリ
ハロゲン化メチルであり;R2は、水素、ハロゲン、ニ
トロ、シアノ、トリハロゲン化メチル、低級アルキルに
より置換されていてもよいカルバモイル、または低級ア
ルキルにより置換されていてもよいスルファモイルであ
り;R3は、水素、ニトロ、またはハロゲンであり;R4
は、水素、置換されていてもよい低級アルキル、または
置換されていてもよい低級シクロアルキルであり;各R
5は、同一または異なり、ハロゲン、ニトロ、シアノ、
低級アルキル、および低級アルキルにより置換されてい
てもよいカルバモイルからなる群から選択される置換基
であり;そしてnは0〜4の整数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中枢神経細胞のグルタ
メート受容体、特にNMDA受容体およびAMPA受容
体に対して拮抗作用を示すオキソピリジニルキノキサリ
ン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】L-グルタミン酸、L-アスパラギン酸など
のアミノ酸は、中枢神経系における神経伝達物質として
神経細胞活性化のために重要である。しかし、これら興
奮性アミノ酸の細胞外での過剰な蓄積は、神経細胞の過
度な刺激を誘引し、パーキンソニスムス、老人性痴呆
症、ハンチントン舞踏病、てんかんなどの種々の脳神経
学的疾患、ならびに、酸素欠乏時、虚血症、低血糖状態
時、頭部または脊髄損傷時などに見られるような精神お
よび運動機能の欠失を引き起こすと考えられている(Mc
Geerら、Nature、263、517-519(1976)、Simonら、Scien
ce、226、850-852(1984)、Wieloch、Science、230、681
-683(1985)、Fadenら、Science、244、798-800(1989)、
Turskiら、Nature、349、414-418(1991))。
【0003】上記興奮性アミノ酸の中枢神経細胞に対す
る活性は、神経細胞上に存在するグルタメート受容体を
介して作用することが知られている。従って、このよう
な受容体への上記興奮性アミノ酸の結合に拮抗する物質
は、上記疾患および症状の治療薬剤、例えば、抗てんか
ん薬、虚血性脳障害予防薬、抗パーキンソン病薬として
有用であると考えられている。このようなグルタメート
受容体が果たす重要な役割については、特開平6-2529
4、特開平6-239747、特開平6-228112(山之内製薬)、W
O93/8173(SCHERING)、EP5725852A1(BASF)などにも報告
されている。
【0004】上記グルタメート受容体は、イオンチャン
ネル型と代謝型とに分類され、さらにイオンチャンネル
型は、アゴニストに対する選択性に基づいて、3種に分
類される。これらは各々、N-メチル-D-アスパラギン酸
(NMDA)受容体、2−アミノ−3−(3−ヒドロキ
シ−5−メチルイソキサゾール−4−イル)プロパン酸
(AMPA)受容体およびカイネート受容体と呼ばれ
る。
【0005】NMDA受容体は、NMDA、イボテン酸
などのアゴニストによって選択的に活性化される。この
NMDA受容体の強い刺激は、大量のカルシウムイオン
の神経細胞への流入を引き起こし、これが神経細胞死の
原因の一つと考えられている。このNMDA受容体に対
する選択的アンタゴニストとして、これまでにD-2−ア
ミノ−5−ホスホバレリン酸(D-AP5)、3−[2−
カルボキシピペラジン−4−イル]プロピル−1−リン
酸(CPP)などが知られている。
【0006】AMPA受容体は、AMPA、グルタミン
酸およびキスカル酸などのアゴニストによって選択的に
活性化される。AMPA受容体に対するアンタゴニスト
として、6,7−ジニトロキノキサリン−2,3−ジオ
ン(DNQX)(Ferrosan)、6−シアノ−7−ニトロ
キノキサリン−2,3−ジオン(CNQX)、2,3−
ジヒドロキシ−6−ニトロ−7−スルファモイルベンゾ
(f)キノキサリン(NBQX)(Ferrosan)および6−
イミダゾリル−7−ニトロキノキサリン−2,3−(1
H,4H)−ジオン(YM900)(山之内製薬)のよ
うなキノキサリンを基本骨格とする誘導体の開発が進め
られてきている(Honoreら、Science、241、701-703(19
88)、Sheardownら、Eur.J.Pharmacol.、174、197-204(1
989)、国際公開番号WO92/07847、1992年5月14日公
開)。上記誘導体のいくつかのタイプがこれまでに報告
されている:特開昭63-83074、特開昭63-258466、特開
平1-153680、特開平2-48578、特開平2-221263、および
特開平2-221264。
【0007】NMDA受容体は、上記アゴニストを認識
する部位の他に、グリシンが結合するアロステリック部
位を有する。このアロステリック部位へのグリシンの結
合によって、NMDA受容体機能が著しく増強されるこ
とが知られている。最近は、NMDA受容体に対して上
記のようにアロステリックに作用する、グリシン結合部
位に対するアンタゴニストまたはモジュレーターの開発
にも関心が向けられている。このようなグリシン結合部
位へのアンタゴニストとして、5,7−ジクロロキヌレ
ン酸、HA966(Eur.J.Pharmacol.、151、161-163(1
988))などが知られている。
【0008】上記DNQXおよびCNQXは、AMPA
受容体に加え、上記NMDA受容体のグリシン結合部位
にも拮抗作用を有することが確認されている(Birch
ら、Eur.J.Pharmacol.、156、177-180(1988)、Drejer
ら、Neurosci.Lett.、98、333-338(1989)、Sheardown
ら、Science、247、571-574(1990))。ジオキソテトラ
ヒドロキノリン類もまた、グリシン結合部位およびAM
PA受容体のいずれにも拮抗作用を示すことが知られて
いる。しかし一般的にこれら化合物は、NMDA受容体
またはAMPA受容体のどちらか一方に対しては効果的
に拮抗作用を示すが、他方に対しては、それほど顕著な
効果は認められない(Larsenら編、EXCITATORY AMINO A
CID RECEPTORS、11章、ELLIS HORWOOD刊(1992))。ま
た、これらの化合物は脳への移行性が悪いことから、中
枢神経薬として実用化されていない。
【0009】興奮性アミノ酸に起因する神経細胞死また
は変性から神経細胞を保護し、上記の疾患および症状に
効果的な治療剤として用いられる化合物は、上記NMD
A受容体およびAMPA受容体のいずれに対してもアン
タゴニストとして効果的に機能することが必要(Mosing
erら、Exp.Neurol.、113、10-17(1991))とされる。従
って、そのような化合物の開発が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の課題を解決するものであり、その目的は中枢神経細胞
に存在する、NMDA受容体およびAMPA受容体に対
して優れた拮抗作用を示す、キノキサリン誘導体を提供
することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、オキソピ
リジニルキノキサリン誘導体類が、中枢神経細胞に存在
するNMDA受容体のグリシン結合部位およびAMPA
受容体に対して拮抗作用を有するため、興奮性アミノ酸
による神経細胞の過度な刺激によって引き起こされる前
述のような疾患および症状に効果的であることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0012】本発明のオキソピリジニルキノキサリン誘
導体は以下の式Iで表される。
【0013】
【化2】
【0014】ここで、R1は、水素、ハロゲン、ニト
ロ、またはトリハロゲン化メチルであり、R2は、水
素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、トリハロゲン化メチ
ル、低級アルキルにより置換されていてもよいカルバモ
イル、または低級アルキルにより置換されていてもよい
スルファモイルであり、R3は、水素、ニトロ、または
ハロゲンであり、R4は、水素、置換されていてもよい
低級アルキル、または置換されていてもよい低級シクロ
アルキルであり、各R5は、同一または異なり、ハロゲ
ン、ニトロ、シアノ、低級アルキル、および低級アルキ
ルにより置換されていてもよいカルバモイルからなる群
から選択される置換基であり、そしてnは、0〜4の整
数(すなわちn=0、1、2、3または4)である。
【0015】本発明の化合物(I)においては、キノキ
サリン骨格の6位または7位に置換されていてもよいオ
キソピリジニル基を導入した点が、特に構造上新規な部
分であり、薬理活性上重要である。
【0016】上記ハロゲンとしては、塩素、フッ素、臭
素、ヨウ素などが挙げられる。トリハロゲン化メチルと
しては、トリフルオロメチルなどが挙げられる。本明細
書中で、低級アルキルは、炭素数が1から6までの直鎖
状または分岐状のアルキル基を意味し、代表的には、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基またはイソプ
ロピル基である。低級シクロアルキルは、炭素数が3か
ら6までのシクロアルキル基を意味し、代表的には、シ
クロプロピル基またはシクロブチル基である。上記R4
の置換された低級アルキル、または低級シクロアルキル
の置換基としては、ハロゲン、アミノ基、カルボキシル
基などが挙げられる。
【0017】好ましくは、上記R1およびR3は、同一ま
たは異なり水素またはニトロであり、さらに好ましく
は、R1およびR3は各々水素である。好ましくは、上記
2はハロゲン、ニトロ、シアノ、トリハロゲン化メチ
ル、カルバモイル、低級アルキルにより置換されたカル
バモイル、スルファモイル、または低級アルキルにより
置換されたスルファモイルであり、さらに好ましくは、
ハロゲン、ニトロ、シアノ、またはトリハロゲン化メチ
ルであり、最も好ましくはニトロである。好ましくは、
4は水素または低級アルキルであり、さらに好ましく
は水素である。好ましくはR1、R3、およびR4は各々
水素である。
【0018】好ましくは、各R5は、同一または異な
り、ハロゲン、ニトロ、および低級アルキルからなる群
から選択される置換基であり、さらに好ましくは各R5
は、同一または異なりハロゲンおよびニトロからなる群
から選択される置換基である。上記nは0〜4の整数で
あり得る。nが0の場合、R5は存在せず、オキソピリ
ジニル基は無置換である。あるいは、nは1、2、3ま
たは4であり得る。従って本発明のオキソピリジニルキ
ノキサリン誘導体のオキソピリジニル基上の(R5)n
は、種々の置換基の組み合わせであり得、かつ2、3、
5および6位のいずれの位置が置換されいてもよい。置
換基の組合せとしては、nが4であって、かつ各R5
いずれもハロゲン;nが2であって、各R5がいずれも
ハロゲンであり、そして3位および5位を置換する;n
が1であって、R5がハロゲンであり、そして3位を置
換する;nが1であって、R5が低級アルキルであり、
そして2位を置換する;nが1であってR5がニトロで
あり、そして3位を置換する;などの例が挙げられる。
好ましくは、nは0である。
【0019】本発明の好ましいオキソピリジニルキノキ
サリン誘導体では、R1およびR3が、同一または異なり
水素またはニトロであり、R2がハロゲン、ニトロ、シ
アノ、トリハロゲン化メチル、カルバモイル、低級アル
キルにより置換されたカルバモイル、スルファモイル、
または低級アルキルにより置換されたスルファモイルで
あり、R4が水素または低級アルキルであり、各R5が、
同一または異なりハロゲン、ニトロ、および低級アルキ
ルからなる群から選択される置換基であり、そしてn
は、0〜4の整数である;本発明のより好ましいオキソ
ピリジニルキノキサリン誘導体では、R1およびR3が各
々水素であり、R2がハロゲン、ニトロ、シアノ、また
はトリハロゲン化メチルであり、R4が水素または低級
アルキルであり、各R5が、同一または異なりハロゲン
およびニトロからなる群から選択される置換基であり、
そしてnは、0〜4の整数であり;本発明のさらに好ま
しいオキソピリジニルキノキサリン誘導体では、R1
3、およびR4が各々水素であり;R2がニトロであ
り;そしてnが0である。本発明の化合物の代表例を表
1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】本発明は上記化合物Iの製薬上許容される
塩をも包含する。これら塩類には、上記化合物と塩酸、
臭化水素酸、硫酸、リン酸などの無機酸との塩、または
酢酸、酒石酸、フマル酸、スルホン酸などの有機酸との
塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基
との塩(すなわちナトリウム塩、カリウム塩など)、あ
るいはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、コリ
ンなどの有機塩基との塩を包含する。
【0022】上記化合物Iは、とり得る置換基によっ
て、立体異性体および互変体が存在し得る。さらに、本
発明の化合物Iまたはその塩は、1水和物、2水和物な
どの水和物の形態をとる場合もある。これらもまた本発
明の範囲内である。
【0023】本発明の化合物は、例えば以下の反応式で
示される合成法1または2によって製造され得る。
【0024】(1)合成法1
【0025】
【化3】
【0026】(式中のXは、ハロゲンを意味し、R1
2、R3、R4および(R5)nは、上記で定義されたもの
と同じ意味である。) この方法では、ハロゲン化キノキサリン化合物(II)と
4−ヒドロキシピリジン化合物(III)とを反応させ
る。この反応は通常、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキサイド、アセトニトリル、アセトン、およびテ
トラヒドロフランのような有機溶媒中で、好ましくは約
80〜180℃で加温して行われる。上記反応を促進するた
めに種々の塩基類が添加し得る。好ましい塩基は、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、および炭酸カリウムで
ある。
【0027】(2)合成法2
【0028】
【化4】
【0029】(式中のR1、R2、R3および(R5)nは、
上記で定義されたものと同じ意味である。) 上記方法では、オキソピリジニル-o-フェニレンジアミ
ン誘導体(IV)と、等モルまたは過剰なモル量のシュウ
酸とを室温またはそれ以上の加温条件下で反応させる。
シュウ酸の代用としてシュウ酸の反応性誘導体を上記反
応に使用し得、好ましい該誘導体は、塩類、エステル
類、水和物、無水物、酸クロリドなどである。上記反応
は、通常水性またはアルコール溶媒中で行われる。上記
反応を促進するために種々の酸が添加し得る。好ましい
酸は、塩酸である。この反応によって得られる化合物
I’は、化学式IにおいてR4が水素である本発明の化
合物である。
【0030】本発明の化合物は、上記の製造法で得られ
た本発明の化合物に新たな置換基を導入し、あるいはこ
の化合物を置換することによっても製造され得る。例え
ば、R2がニトロ基である本発明の化合物I−2は、以
下の反応式で示されるように、R2が水素原子である本
発明の化合物I−1をニトロ化することによっても得ら
れる。
【0031】
【化5】
【0032】(式中のR1、R3、R4および(R5)nは、
上記で定義されたものと同じ意味である。) このニトロ化は、R2が水素である本発明のキノキサリ
ン誘導体(I−1)を、硫酸または無水酢酸−酢酸酸性
条件下、または硫酸−無水酢酸−酢酸酸性条件下で、硝
酸またはその塩で処理する方法で行なわれ、あるいはス
ルホランのような有機溶媒中で、化合物I−1をニトロ
ニウムテトラフルオロボレートとともに加熱する方法な
どによっても行なわれ得る。
【0033】あるいは、上記と同様の酸性条件下、以下
の反応式で示されるように、式(I-3)の化合物をク
ロロスルホン酸またはその塩で処理することによって、
クロロスルホニル基を導入し、さらにアンモニアまたは
アンモニウム塩で処理することにより、R2としてスル
ファモイル基を導入することも可能である。
【0034】
【化6】
【0035】本発明化合物の各受容体との結合能は、3
Hで標識したグリシンまたはAMPAを用いた結合競合
試験により測定され得る。本発明の化合物は、さらにラ
ットを用いた動物実験において、脳神経細胞傷害に対し
て有効な保護作用を示すことが確認された。
【0036】NMDA受容体のグリシン部位に対する本
化合物の結合能は、例えば、以下のようなインビトロに
おける競合試験で測定され得る。
【0037】ラット大脳皮質を緩衝液とともにホモジナ
イズし、遠沈そして再懸濁を繰り返し、膜標本を作成す
る。この膜標本を[3H]グリシンおよび目的とする化合物
を含む溶液と混合し、一定時間インキュベーションした
後、希釈と濾過(濾紙を用いる)によって反応を停止さ
せ、濾紙上の放射活性を液体シンチレーション・カウン
ターで測定する。非特異的結合は1mMの非放射性グリシ
ンを用いて行ない、IC50値を算出する。
【0038】AMPA受容体に対する本化合物の結合能
は、例えば、以下のような競合試験で測定され得る。
【0039】ラット大脳皮質を緩衝液とともにホモジナ
イズし、遠沈そして再懸濁を繰り返し、膜標本を作成す
る。この膜標本を[3H]AMPAおよび目的とする化合物
を含む溶液と混合し、一定時間のインキュベーション
後、希釈と濾過(濾紙を用いる)によって反応を停止さ
せ、濾紙上の放射活性を液体シンチレーション・カウン
ターで測定する。非特異的結合は1mMの非放射性グルタ
メートを用いて行ない、IC50値を算出する。
【0040】本発明のオキソピリジニルキノキサリン誘
導体は、中枢神経のNMDA受容体、特にグリシン結合
部位およびAMPA受容体への興奮性アミノ酸の結合に
起因する中枢神経疾患に対する有用な治療剤であり、被
験体に経口的にまたは非経口的に投与することができ
る。本治療剤の形状として、注射可能な溶液または懸濁
液、好ましくは水溶液が非経口的投与に適し、錠剤、ま
たはカプセルが経口的投与に適している。これら治療剤
は、種々の濃度で本発明の化合物を含有し得、薬学上許
容し得る、生理食塩水、アルコール類、ひまし油、ゼラ
チン、ラクトース、デンプン、タルクなどの有機または
無機の賦形剤が添加され得る。本治療剤にはさらに、所
望の場合に、潤滑剤、安定化剤、乳化剤などの種々の補
助剤が添加され得る。
【0041】本発明の化合物は経口または非経口(特に
静脈内投与)でヒトに投与し得る。本発明の化合物の投
与量は、被験体の年齢、体重、症状、治療効果、投与方
法、処理時間などにより変化し得るが、通常の成人の場
合、経口投与では1日当り、約1〜1000mg、好ましくは
10〜500mgの範囲であり、非経口投与では、約1〜500mg
の範囲である。投与は、1日1回または数回に分けて投
与されるか、あるいは持続投与である。
【0042】以下の実施例にて、本発明をさらに詳細に
説明するが、これらはなんら本発明を限定するものでは
ない。
【0043】
【実施例】実施例中の、化合物の性質を示す記号のう
ち、NMRは、核磁気共鳴スペクトル、IRは、赤外ス
ペクトルを示す。
【0044】実施例で使用する主な原料化合物の製造例
を参考例1〜6として説明する。
【0045】参考例1
【0046】
【化7】
【0047】2−ニトロ−5−(4−オキソ−4H−ピ
リジン−1−イル)−アニリン 5−クロロ−2−ニトロアニリン8.628g、4−ヒドロキ
シピリジン7.161g、および粉砕した水酸化カリウム4.89
2gを乾燥ジメチルスルホキシド60mlに加え、窒素気流下
で130℃、3時間攪拌した。反応液に氷水200mlを加え、
4N-塩酸を用いて中和し、30分間攪拌後、析出する沈
澱物を濾取、水洗した。この沈澱物をシリカゲルカラム
クロマトを用いて精製し、20%メタノール−塩化メチレ
ンによって溶出された分画をメタノールから再結晶化し
て2−ニトロ−5−(4−オキソ−4H−ピリジン−1
−イル)−アニリンの黄橙色の結晶11.868gを得た。
【0048】融点:298〜303℃ 元素分析(C11H9N3O3・1/5H2Oとして) 計算値:C,56.27;H,4.03;N,17.90(%) 実験値:C,56.21;H,4.01;N,17.79(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:6.26(2H,d,J=7.8H
z)、6.81(1H,dd,J=9.4,2.8Hz)、7.08(1H,d,J=2.8H
z)、7.61(2H,br.s)、7.99(2H,d,J=7.8Hz)、8.12
(1H,d,J=9.4Hz)。
【0049】4−(4−オキソ−4H−ピリジン-1-イ
ル)−1,2−フェニレンジアミン 鉄粉7.975g、水20ml、およびエタノ−ル78mlの懸濁液
に、2−ニトロ−5−(4−オキソ−4H−ピリジン−
1−イル)−アニリン5.515gを加え、続いて2N塩酸2ml
を加えた後、6時間の加熱還流を行った。次いで鉄粉1.
092gおよび2N塩酸2mlを追加し、さらに1時間還流し
た。反応後、セライトを用いて熱時濾過を行い、不溶物
を温エタノールを用いて充分に洗浄した。母液および洗
液を合わせて濃縮乾固し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに供し、5%メタノール−クロロホルムで
溶出される画分をイソプロパノール−メタノール(1:
1)を用いて再結晶化を行い、4−(4−オキソ−4H
−ピリジン−1−イル)−1,2−フェニレンジアミン
の橙色の結晶物4.137gを得た。
【0050】融点:257〜259.5℃ 元素分析(C11H11N3Oとして) 計算値:C,65.66;H,5.51;N,20.88(%) 実験値:C,65.51;H,5.58;N,20.63(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:4.76(2H,br.s)、4.85
(2H,br.s)、6.15(2H,d,J=7.6Hz)、6.46(1H,dd,J=
8.2,2.4Hz)、6.57(2H,m)、7.75(2H,d,J=7.6Hz)。
【0051】参考例2
【0052】
【化8】
【0053】2−ニトロ−4−フルオロ−5−(4−オ
キソ−4H−ピリジン−1−イル)−アニリン 2−ニトロ−4−フルオロ−5−クロロ−アニリン3.81
1g、4−ヒドロキシピリジン2.473g、および粉砕した水
酸化カリウム1.827gを用いて、上記参考例1と同様に窒
素気流下で130℃、3時間反応させることにより2−ニ
トロ−4−フルオロ−5−(4−オキソ−4H−ピリジ
ン-1-イル)−アニリン1.125gを得た。
【0054】融点:>305℃(分解) 元素分析(C11H8N3O3Fとして) 計算値:C,53.02;H,3.24;N,16.86;F,7.62(%) 実験値:C,52.63;H,3.46;N,16.64;F,7.44(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:6.27(2H,d,J=7.8H
z)、7.18(1H,d,JFH=7.0Hz)、7.57(2H,br.s)、7.87
(2H,d,J=7.8Hz)、8.07(1H,d,JFH=11.2Hz)。
【0055】4−フルオロ−5−(4−オキソ−4H−
ピリジン−1−イル)−1,2−フェニレンジアミン 2−ニトロ−4−フルオロ−5−(4−オキソ−4H−
ピリジン−1−イル)−アニリン1.065gをジメチルホル
ムアミド45mlに加温溶解し、10%パラジウム−炭素触媒1
95mgを用いて常圧接触還元を行った。反応後の反応液を
セライトを用いて濾過して触媒を除き、母液を濃縮乾固
した。残渣をシリカゲル30gを用いたカラムクロマトグ
ラフィーで精製した。塩化メチレン−メタノール(20:
1)溶液で溶出された画分をエタノ−ルから再結晶化し
て4−フルオロ−5−(4−オキソ−4H−ピリジン-
1-イル)−1,2−フェニレンジアミン802mgを得た。
【0056】融点:227〜229.5℃ 元素分析(C11H10N3OFとして) 計算値:C,60.27;H,4.60;N,19.17;F,8.67(%) 実験値:C,60.38;H,4.76;N,19.01;F,8.62(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:6.24(2H,d,J=7.8H
z)、6.50(1H,d,JFH=12.6Hz)、6.58(1H,d,JFH=7.8H
z)、7.70(2H,d,J=7.8Hz)。
【0057】参考例3
【0058】
【化9】
【0059】4−クロロ−3−(4−オキソ−4H−ピ
リジン−1−イル)−6−ニトロアニリン 3,4−ジクロロ−6−ニトロアニリン14.3g、4−ヒ
ドロオキシピリジン9.01g、86%水酸化カリウム5.87g、
およびジメチルスルホキシド70mlの混合物を130℃の油
浴上で3.5時間加熱後、冷却し、氷水を加えて析出した
結晶を濾過した。この粗結晶16.9gをシリカゲル100gで
精製し、10%メタノール−クロロホルム混液で溶出し、
濃縮して結晶を濾過後、4−クロロ−3−(4−オキソ
−4H−ピリジン−1−イル)−6−ニトロアニリンの
結晶9.78g(融点:288〜291℃(分解))を得た。この結
晶300mgをメタノ−ルより再結晶化し、4−クロロ−3
−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−イル)−6−ニ
トロアニリンの結晶268mgを得た。
【0060】融点:290〜293℃(分解) 元素分析(C11H8N3O3Clとして) 計算値:C,49.73;H,3.04;N,15.82;Cl,13.35
(%) 実験値:C,49.52;H,3.20;N,15.66;Cl,13.08
(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:6.22(2H,dd,J=6Hz,J=2
Hz)、7.19(1H,s)、7.73(2H,br.s)、7.78(2H,dd,J
=6Hz,J=2Hz)、8.23(1H,s)。
【0061】4−クロロ−5−(4−オキソ−4H−ピ
リジン−1−イル)−1,2−フェニレンジアミン 4−クロロ−3−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−
イル)−6−ニトロアニリン3.0g、鉄粉3.78g、水10m
l、エタノ−ル90ml、および2N塩酸1.15mlの混合物を油
浴上で3時間加熱還流した。次いでエタノール135mlを
加え、不溶物をハイフロスーパーセル(登録商標)を用
いて濾別し、溶媒を除去した。得られた粗結晶をシリカ
ゲル30gを用いて精製、20%メタノール−クロロホルム混
液で溶出し、メタノール/イソプロパノールより再結晶
化し、4−クロロ−5−(4−オキソ−4H−ピリジン
−1−イル)−1,2−フェニレンジアミンの結晶2.04
gを得た。
【0062】融点:260〜261℃(分解) 元素分析(C11H10N3OClとして) 計算値:C,56.06;H,4.28;N,17.83;Cl,15.05
(%) 実験値:C,56.05;H,4.30;N,17.75;Cl,15.17
(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:4.97(2H,s)、5.12(2
H,s)、6.12(2H,d,J=8Hz)、6.58(1H,s)、6.64(1H,
s)、7.57(2H,d,J=8Hz)。
【0063】参考例4
【0064】
【化10】
【0065】4−シアノ−3−(4−オキソ−4H−ピ
リジン−1−イル)−6−ニトロアニリン 3−クロロ−4−シアノ−6−ニトロアニリン1.0g、4
−ヒドロオキシピリジン507mg、86%水酸化カリウム330
mg、およびジメチルスルホキシド5mlの混合物を110℃の
油浴上で3時間加熱した。以後の処理は参考例3と同様
に行い、4−シアノ−3−(4−オキソ−4H−ピリジ
ン−1−イル)−6−ニトロアニリンの結晶836mgを得
た。
【0066】融点:354〜357℃(分解) 元素分析(C12H8N4O3として) 計算値:C,56.25;H,3.15;N,21.87(%) 実験値:C,56.25;H,3.27;N,21.83(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:6.28(2H,d,J=8Hz)、
7.13(1H,s)、7.92(2H,d,J=8Hz)、8.24(2H,br.
s)、8.68(1H,s)。
【0067】4−シアノ−5−(4−オキソ−4H−ピ
リジン−1−イル)−1,2−フェニレンジアミン 4−シアノ−3−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−
イル)−6−ニトロアニリン490mg、鉄粉642mg、水4m
l、エタノ−ル16ml、および2N塩酸0.2mlの混合物を油浴
上で1時間、加熱還流した。以後の処理は参考例3と同
様に行い、得られた粗結晶405mgをメタノール/イソプ
ロパノールより再結晶化し、4−シアノ−5−(4−オ
キソ−4H−ピリジン−1−イル)−1,2−フェニレ
ンジアミンの結晶274mgを得た。
【0068】融点:321〜323℃(分解) 元素分析(C12H10N4Oとして) 計算値:C,63.70;H,4.46;N,24.77(%) 実験値:C,63.57;H,4.59;N,24.41(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:5.21(2H,s)、5.90(2
H,s)、6.17(2H,d,J=8Hz)、6.59(1H,s)、6.82(1H,
s)、7.73(2H,d,J=8Hz)。
【0069】参考例5
【0070】
【化11】
【0071】4−ジメチルスルファモイル−3−(4−
オキソ−4H−ピリジン−1−イル)−6−ニトロアニ
リン 3−クロロ−4−ジメチルスルファモイル−6−ニトロ
アニリン3.0g、4−ヒドロオキシピリジン1.39g、86%
水酸化カリウム0.91g、およびジメチルスルホキシド20m
lの混合物を130℃の油浴上で1.5時間加熱した。以後の
処理は参考例3と同様に行い、4−ジメチルスルファモ
イル−3−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−イル)
−6−ニトロアニリンの結晶1.675gを得た。
【0072】融点:344〜347℃(分解) 元素分析(C13H14N4O5Sとして) 計算値:C,46.15;H,4.17;N,16.56;S,9.48(%) 実験値:C,46.11;H,4.22;N,16.36;S,9.37(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:2.56(6H,s)、6.16(2
H,d,J=8Hz)、7.09(1H,s)、7.71(2H,d,J=8Hz)、8.2
5(2H,br.s)、8.51(1H,s)。
【0073】4−ジメチルスルファモイル−5−(4−
オキソ−4H−ピリジン−1−イル)−1,2−フェニ
レンジアミン 4−ジメチルスルファモイル−3−(4−オキソ−4H
−ピリジン−1−イル)−6−ニトロアニリン1.50g、
鉄粉1.49g、水9ml、エタノ−ル36ml、および2N塩酸0.45
mlの混合物を油浴上で45分間、加熱還流した。以後の処
理は参考例3と同様に行い、得られた粗結晶をメタノ−
ル/イソプロパノ−ルより再結晶化し、4−ジメチルス
ルファモイル−5−(4−オキソ−4H−ピリジン−1
−イル)−1,2−フェニレンジアミンの結晶1.30gを
得た。
【0074】融点:334〜336℃(分解) 元素分析(C13H16N4O3Sとして) 計算値:C,50.63;H,5.23;N,18.17;S,10.40(%) 実験値:C,50.43;H,5.28;N,18.16;S,10.58(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:2.51(6H,s)、5.21(2
H,s)、5.90(2H,s)、6.17(2H,d,J=8Hz)、6.59(1H,
s)、6.82(1H,s)、7.73(2H,d,J=8Hz)。
【0075】参考例6
【0076】
【化12】
【0077】4−アミノ−5−ニトロ−2−(4−オキ
ソ−4H−ピリジン−1−イル)−ベンゾトリフルオリ
4−アミノ−2−クロロ−5−ニトロベンゾトリフルオ
リド2.40g、4−ヒドロオキシピリジン2.0g、86%水酸
化カリウム684mg、およびジメチルスルホキシド15mlの
混合物を70℃の油浴上で2時間、加熱した。冷却後、氷
水を加えて析出した結晶を濾過した。得られた粗結晶を
メタノール/酢酸エチルエステルで再結晶化し、4−ア
ミノ−5−ニトロ−2−(4−オキソ−4H−ピリジン
−1−イル)−ベンゾトリフルオリドの結晶2.69gを得
た。
【0078】融点:274〜275℃ 元素分析(C12H8N3O3F3として) 計算値:C,48.17;H,2.70;N,14.04;F,19.05(%) 実験値:C,48.12;H,2.78;N,13.98;F,19.11(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:6.19(2H,d,J=8Hz)、
7.17(1H,s)、7.74(2H,d,J=8Hz)、8.17(2H,br.
s)、8.38(1H,s)。
【0079】4−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−
イル)−5−トリフルオロメチル−1,2−フェニレン
ジアミン 4−アミノ−5−ニトロ−2−(4−オキソ−4H−ピ
リジン−1−イル)−ベンゾトリフルオリド2.56g、鉄
粉2.87g、水14.4ml、エタノール57.6ml、および2N塩酸
0.86mlの混合物を油浴上で45分間、加熱還流した。以後
の処理は参考例3と同様に行い、4−(4−オキソ−4
H−ピリジン−1−イル)−5−トリフルオロメチル−
1,2−フェニレンジアミンの結晶1.73gを得た。
【0080】融点:264〜266℃(分解) 元素分析(C12H10N3OF3として) 計算値:C,53.53;H,3.74;N,15.61;F,21.17(%) 実験値:C,53.55;H,3.87;N,15.52;F,21.30(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:5.23(2H,br.s)、5.53
(2H,br.s)、7.57(2H,d,J=8Hz)、6.09(2H,d,J=8H
z)、6.54(1H,s)、6.86(1H,s)。
【0081】実施例1
【0082】
【化13】
【0083】6−ニトロ−7−(4−オキソ−4H−ピ
リジン−1−イル)−1,4−ジヒドロキノキサリン−
2,3−ジオン 7−フルオロ−6−ニトロ−1,4−ジヒドロキノキサ
リン−2,3−ジオン9.007g、4−ヒドロキシピリジン
7.611g、および粉砕した水酸化カリウム5.219gを乾燥ジ
メチルスルホキシド120mlに加え、窒素気流下で130℃、
2時間撹拌した。反応液に氷水50mlおよび4N-塩酸30ml
を加えて弱酸性(pH3〜4)に調整し、析出する黄色の沈
澱物を濾取し、水洗した。この沈澱物を次いで、水560m
lおよび濃アンモニア水56mlの混合液に加温溶解した。
この溶解液に活性炭1gを加えて撹拌した後、濾別し
た。この濾液を濃塩酸を用いて中和し、氷冷後、析出し
た結晶を濾取した。水、メタノール、エタノールで順次
洗浄した後、乾燥して6−ニトロ−7−(4−オキソ−
4H−ピリジン−1−イル)−1,4−ジヒドロキノキ
サリン−2,3−ジオン(以下Iaと略す)7.56gを得
た。
【0084】融点:>300℃ 元素分析(C13H8N4O5として) 計算値:C,52.01;H,2.69;N,18.66(%) 実験値:C,51.83;H,2.89;N,18.69(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:6.22(2H,d,J=7.4H
z)、7.21(1H,s)、7.78(2H,d,J=7.4Hz)、8.00(1H,
s) IR(Nujol):3080、2920、2580、17
30、1695、1635、1595cm−1 上記化合物の硫酸塩: 融点:>300℃ 元素分析(C13H8N4O5・1/2H2SO4・H2Oとして) 計算値:C,42.51;H,3.02;N,15.25;S,4.36(%) 実験値:C,42.27;H,3.10;N,15.65;S,4.36(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:6.81(2H,d,J=7.6H
z)、7.33(1H,s)、8.05(1H,s)、8.30(2H,d,J=7.4H
z)。
【0085】上記化合物Iaのコリン塩を以下のように
して得る。6−ニトロ−7−(4−オキソ−4H−ピリ
ジン−1−イル)−1,4−ジヒドロキノキサリン−
2,3−ジオン2.70g(9.0mmol)にアセトン30mlを加え攪
拌した。コリンハイドロキシド50%水溶液2.25ml(10.0mm
ol、1.1当量)を加えて攪拌を行い、1.5時間後、析出し
た沈殿を濾取、アセトンにて洗浄する。得られた赤橙色
沈殿をエタノール200mlに加温溶解し、活性炭処理す
る。濾液を3/4量まで濃縮、放冷し、析出晶を濾取し、
コリン塩の結晶3.58g、収率88.9%を得る。
【0086】融点: 230-233℃ 元素分析(C13H7N4O5・C5H14NO・2.5 H2Oとして) 計算値:C, 48.21; H, 5.84; N, 15.62; H2O, 10.04
(%) 実験値:C, 48.40; H, 5.80; N, 15.86; H2O, 10.20
(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ: 3.11(9H, s)、 3.41(2H, t, J=4.6
Hz)、 3.85(2H, m)、 6.14(2H, d, J=7.4Hz)、 6.87(1
H, s)、 7.71(2H,d, J=7.8Hz)、 7.82(1H,s)。
【0087】実施例2
【0088】
【化14】
【0089】6−ニトロ−7−(3−クロロ−4−オキ
ソ−4H−ピリジン−1−イル)−1,4−ジヒドロキ
ノキサリン−2,3−ジオン 7−フルオロ−6−ニトロ−1,4−ジヒドロキノキサ
リン−2,3−ジオン267mg、3−クロロ−4−ヒドロ
キシピリジン171mg、および粉末の水酸化カリウム92mg
を乾燥ジメチルスルホキシド3mlに加え、窒素気流下で1
30℃、80分間反応させた。反応液に氷水および4N塩酸
を加えてpHを約2に調整し、析出する黄色沈殿物を濾取
そして水洗した。この沈殿物をジメチルホルムアミドお
よび水から再結晶化し、黄白色の6−ニトロ−7−(3
−クロロ−4−オキソ−4H−ピリジン-1-イル)−
1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオン376mg
を得た。
【0090】融点:>300℃ 元素分析(C13H7N4O5Cl・C3H7NO・H2O) 計算値:C,45.13;H,3.79;N,16.45;Cl,8.33
(%) 実験値:C,45.14;H,3.46;N,16.33;Cl,8.57
(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:6.38(1H,d,J=7.8Hz)、
7.27(1H,s)、7.86(1H,dd,J=7.8,2.4Hz)、8.02(1H,
s)、8.42(1H,d,J=2.4Hz)、12.43(2H,br.s)。
【0091】実施例3
【0092】
【化15】
【0093】6−ニトロ−7−(3−ニトロ−4−オキ
ソ−4H−ピリジン−1−イル)−1,4−ジヒドロキ
ノキサリン−2,3−ジオン 7−フルオロ−6−ニトロ−1,4−ジヒドロキノキサ
リン−2,3−ジオン677mg、4−ヒドロキシ−3−ニ
トロピリジン840mg、および粉末の水酸化カリウム403mg
を乾燥ジメチルスルホキシド6mlに加え、窒素気流下で1
30℃、2時間反応させた。以後の処理は実施例2と同様
に行い、ジメチルホルムアミドおよび水から再結晶化
し、6−ニトロ−7−(3−ニトロ−4−オキソ−4H
−ピリジン−1−イル)−1,4−ジヒドロキノキサリ
ン−2,3−ジオンの赤色結晶672mgを得た。
【0094】融点:>300℃ 元素分析(C13H7N5O7として) 計算値:C,45.23;H,2.04;N,20.29(%) 実験値:C,45.25;H,2.82;N,20.20(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:6.62(1H,d,J=7.8H
z)、7.40(1H,s)、7.96(1H,dd,J=7.8,2.0Hz)、8.06
(1H,s)、9.11(1H,d,J=2.0Hz)。
【0095】実施例4
【0096】
【化16】
【0097】6−ニトロ−7−(3,5−ジクロロ−4
−オキソ−4H−ピリジン−1−イル)−1,4−ジヒ
ドロキノキサリン−2,3−ジオン 7−フルオロ−6−ニトロ−1,4−ジヒドロキノキサ
リン−2,3−ジオン1.129g、3,5−ジクロロ−4−
ヒドロキシピリジン1.648g、および粉砕した水酸化カリ
ウム672mgを乾燥ジメチルスルホキシド10mlに加え、窒
素気流下で130℃、3時間反応させた。以後の処理は実
施例2と同様に行い、得られた沈殿をジメチルホルムア
ミドを用いて加温溶解し、活性炭を用いて脱色処理し
た。次いで、同量の水を加えて一夜放置し、析出した6
−ニトロ−7−(3,5−ジクロロ−4−オキソ−4H
−ピリジン−1−イル)−1,4−ジヒドロキノキサリ
ン−2,3−ジオンの結晶物1.473gを得た。
【0098】融点:>300℃ 元素分析(C13H6N4O5Cl2・1/2H2Oとして) 計算値:C,41.29;H,1.87;N,14.82;Cl,18.75
(%) 実験値:C,41.47;H,1.84;N,15.08;Cl,19.01
(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:7.39(1H,s)、8.06(1
H,S)、8.55(2H,s)。
【0099】実施例5
【0100】
【化17】
【0101】6−フルオロ−7−(4−オキソ−4H−
ピリジン−1−イル)−1,4−ジヒドロキノキサリン
−2,3−ジオン 4−フルオロ−5−(4−オキソ−4H−ピリジン−1
−イル)−1,2−フェニレンジアミン4.266gおよびシ
ュウ酸1.927gを4N塩酸48mlに加え、2.5時間加熱還流し
た。反応後、析出した結晶を濾取し、水洗乾燥して6−
フルオロ−7−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−イ
ル)−1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオン
3.920gを得た。
【0102】融点:>300℃ 元素分析(C13H8N3O3F・0.2H2Oとして) 計算値:C,56.40;H,3.06;N,15.18;F,6.86(%) 実験値:C,56.21;H,3.19;N,15.24;F,6.93(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:6.23(2H,d,J=7.8H
z)、7.13(1H,d,JFH=16Hz)、7.17(1H,d,JFH=12.6H
z)、7.80(1H,d,J=6.4Hz)、12.09(1H,br.s)、12.15
(1H,br.s)。
【0103】実施例6
【0104】
【化18】
【0105】6−クロロ−7−(4−オキソ−4H−ピ
リジン−1−イル)−1,4−ジヒドロキノキサリン−
2,3−ジオン 4−クロロ−5−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−
イル)−1,2−フェニレンジアミン1.93g、シュウ酸
2.21g、および2N塩酸40mlの混合物を油浴上で2時間加熱
還流した。冷却後、析出した結晶を濾過し、6−クロロ
−7−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−イル)−
1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオンの粗結
晶(融点:>400℃)2.1gを得た。この粗結晶500mgをジ
メチルホルムアミド/水から再結晶化し、6−クロロ−
7−(4−オキソ−4H−ピリジン-1-イル)−1,4
−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオン299mgを得
た。
【0106】融点:420〜445℃(分解) 元素分析(C13H8N3O3Cl・1/4H2Oとして) 計算値:C,53.07;H,2.91;N,14.28;Cl,12.05
(%) 実験値:C,53.09;H,2.83;N,14.24;Cl,12.36
(%) H1-NMR(D2O-HNO3)δ:7.46(2H,d,J=8Hz)、7.57
(1H,s)、7.59(1H,s)、8.57(2H,d,J=8Hz)。
【0107】実施例7
【0108】
【化19】
【0109】6−シアノ−7−(4−オキソ−4H−ピ
リジン−1−イル)−1,4−ジヒドロキノキサリン−
2,3−ジオン 4−シアノ−5−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−
イル)−1,2−フェニレンジアミン246mg、シュウ酸2
94mg、および2N塩酸5mlの混合物を油浴上で2時間加熱還
流した。冷却後、析出した結晶を濾過した。得られた粗
結晶284mgをさらに2N塩酸から再結晶化し、6−シアノ
−7−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−イル)−
1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオン201mg
を得た。
【0110】融点:410〜415℃(分解) 元素分析(C14H8N4O3・3/4H2Oとして) 計算値:C,57.23;H,3.26;N,19.07(%) 実験値:C,57.54;H,3.33;N,19.10(%) H1-NMR(D2O-HNO3)δ:7.50(2H,d,J=8Hz)、7.68
(1H,s)、7.88(1H,s)、8.72(2H,d,J=8Hz)。
【0111】実施例8
【0112】
【化20】
【0113】6−ジメチルスルファモイル−7−(4−
オキソ−4H−ピリジン−1−イル)−キノキサリン−
2,3−ジオン 4−ジメチルスルファモイル−5−(4−オキソ−4H
−ピリジン−1−イル)−1,2−フェニレンジアミン
500mg、シュウ酸438mg、および2N塩酸10mlの混合物を油
浴上で3時間、加熱還流した。冷却後、アンモニア水で
アルカリ性とし、析出結晶を濾過した。得られた粗結晶
534mgをさらにジメチルホルムアミド/水から再結晶化
し、6−ジメチルスルファモイル−7−(4−オキソ−
4H−ピリジン-1-イル)−1,4−ジヒドロキノキサ
リン−2,3−ジオン201mgを得た。
【0114】融点:400〜405℃(分解) 元素分析(C15H14N4O5S・1/4H2Oとして) 計算値:C,49.11;H,3.98;N,15.27;S,8.74(%) 実験値:C,49.22;H, 4.10; N, 15.37; S, 8.72(%) H1-NMR(D2O-HNO3)δ:2.17(6H,s)、6.91(2H,
d,J=7Hz)、7.13(1H,s)、7.37(1H,s)、8.10(2H,d,
J=7Hz)。
【0115】実施例9
【0116】
【化21】
【0117】6−ニトロ−7−(4−オキソ−4H−ピ
リジン−1−イル)−1−(n−プロピル)−1,4−
ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオン 7−フルオロ−6−ニトロ−1−(n−プロピル)−
1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオン1.244
g、4−ヒドロキシピリジン952mg、および粉末の水酸化
カリウム711mgを乾燥ジメチルスルホキシド10mlを窒素
気流下で130℃、3.5時間攪拌した。この反応液に水50ml
を加え、4N塩酸を用いて酸性(PH2〜3)に調整し、黄色沈
殿を濾取した。これをジメチルホルムアミドから再結晶
化して6−ニトロ−7−(4−オキソ−4H−ピリジン
−1−イル)−1−(n−プロピル)−1,4−ジヒド
ロキノキサリン−2,3−ジオン1.08gを得た。
【0118】融点:>300℃ 元素分析(C16H14N4O5・0.2H2Oとして) 計算値:C,55.56;H,4.20;N,16.20(%) 実験値:C,55.63;H,4.29;N,16.37(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:0.94(3H,t,J=7.2H
z)、1.65(2H,m)、4.10(2H,m)、6.21(2H,d,J=7.6H
z)、7.77(2H,d,J=7.6Hz)、7.86(1H,s)、8.02(1H,
s)。
【0119】実施例10
【0120】
【化22】
【0121】6−ニトロ−7−(3−ニトロ−4−オキ
ソ−4H−ピリジン−1−イル)−1−(n−プロピ
ル)−1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオン 7−フルオロ−6−ニトロ−1−(n−プロピル)−
1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオン803m
g、3−ニトロ−4−ヒドロキシピリジン700mg、および
水酸化カリウム365mgを実施例9と同様に乾燥ジメチル
スルホキシド中で130℃、4.5時間反応させ、6−ニトロ
−7−(3−ニトロ−4−オキソ−4H−ピリジン−1
−イル)−1−(n−プロピル)−1,4−ジヒドロキ
ノキサリン−2,3−ジオン1.059gを得た。
【0122】融点:>300℃ 元素分析(C16H13N5O7・0.3H2Oとして) 計算値:C,48.94;H,3.49;N,17.83(%) 実験値:C,49.02;H,3.68;N,17.92(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:0.94(3H,t,J=7.4H
z)、1.66(2H,m)、4.06(2H,m)、6.64(1H,d,J=7.8H
z)、7.98(1H,m)、8.00(1H,s)、8.10(1H,s)、9.12
(1H,d,J=1.8Hz)、12.46(1H,br.s)。
【0123】実施例11
【0124】
【化23】
【0125】6−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−
イル)−1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオ
4−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−イル)−1,
2−フェニレンジアミン4.849gおよびシュウ酸2.402gを
4N塩酸60mlに加え、窒素気流下で2.5時間、加熱還流し
た。冷却後、析出した結晶を濾取し、ジメチルホルムア
ミドから再結晶化して6−(4−オキソ−4H−ピリジ
ン−1−イル)−1,4−ジヒドロキノキサリン−2,
3−ジオン4.786gを得た。
【0126】融点:>300℃ 元素分析(C13H9N3O3として) 計算値:C,61.18;H,3.55;N,16.46(%) 実験値:C,60.94;H,3.62;N,16.37(%)。
【0127】6−ニトロ−7−(4−オキソ−4H−ピ
リジン−1−イル)−1,4−ジヒドロキノキサリン−
2,3−ジオン 6−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−イル)−1,
4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオン510mgを濃
硫酸5mlに氷冷下で加え、溶解した。この溶液中へ硝酸
カリウム253mgを加え、60℃で3時間、加温攪拌した。
次いで氷水20mlを加え、4N水酸化ナトリウム水溶液を用
いてpH5に調整し、析出した黄色結晶を濾取した。この
結晶物を水洗後に乾燥して、6−ニトロ−7−(4−オ
キソ−4H−ピリジン−1−イル)−1,4−ジヒドロ
キノキサリン−2,3−ジオン426mgを得た。
【0128】融点:>300℃ H1-NMR(d6-DMSO)δ:6.20(2H,d,J=7.8H
z)、7.20(1H,s)、7.76(2H,d,J=7.8Hz)、7.99(1H,
s) H1-NMRおよびHPLCによって、実施例11で得られた
化合物6−ニトロ−7−(4−オキソ−4H−ピリジン
−1−イル)−1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3
−ジオンは実施例1で得られた化合物(Ia)と同じ物
質であることを確認した。
【0129】実施例12
【0130】
【化24】
【0131】6−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−
イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロキ
ノキサリン−2,3−ジオン 4−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−イル)−5−
トリフルオロメチル−1,2−フェニレンジアミン300m
g、シュウ酸301mg、および2N塩酸6mlの混合物を油浴上
で7時間、加熱還流した。冷却後、析出した結晶を濾過
した。得られた粗結晶333mgをジメチルホルムアミド/
水から再結晶化して6−(4−オキソ−4H−ピリジン
−1−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒ
ドロキノキサリン−2,3−ジオン216mgを得た。
【0132】融点:410〜420℃ 元素分析(C14H8N3O3F3・1/4H2O) 計算値:C,51.31;H,2.61;N,12.82;F,17.39(%) 実験値:C,51.36;H,2.87;N,13.04;F,17.11(%) H1-NMR(d6-DMSO)δ:6.18(2H,d,J=8Hz)、
7.22(1H,s)、7.55(1H,s)、7.70(2H,d,J=8Hz)、1
2.33(2H,br)。
【0133】実施例136−ニトロ−7−(3−フルオロ−4−オキソ−4H−
ピリジン−1−イル)−1,4−ジヒドロキノキサリン
−2,3−ジオン
【0134】
【化25】
【0135】7−フルオロ−6−ニトロ−1,4−ジヒ
ドロキノキサリン−2,3−ジオン127mg、3−フルオ
ロ−4−ヒドロキシピリジン96mg および粉末の水酸化
カリウム55mgを乾燥ジメチルスルホキシド12mlへ加え窒
素気流下130 ℃にて3時間攪拌する。反応液に氷水50ml
を加えたのち2N塩酸で中和し析出する沈殿を濾取水洗す
る。この沈殿を1N水酸化ナトリウム3mlに溶解し、活性
炭にて処理し、濾液を濃塩酸で中和する。析出晶を濾取
乾燥し、6−ニトロ−7−(3−フルオロ−4−オキソ
−4H−ピリジン−1−イル)−1,4−ジヒドロキノ
キサリン−2,3−ジオン147mgを得る。
【0136】融点:>300℃ 元素分析(C13H7N4O5F・0.3H2Oとして) 計算値:C, 48.25; H, 2,37; N, 17.31; F, 5.87
(%) 実験値:C, 48.09; H, 2.61; N, 17.49; F, 6.27
(%) H1-NMR(d6-DMSO) δ:6.46(1H, dd, J=9.0, 7.4H
z)、 7.28(1H, s)、 7.85(1H, dd, J=7.6, 2.0Hz)、 8.
08(1H, s)、 8.37(1H, dd, J=7.8, 2.0Hz)。
【0137】試験例1 6−ニトロ−7−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−
イル)−1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオ
ン(Ia)のNMDA受容体グリシン結合部位に対する
結合競合試験 Slc-Wistar系ラット(体重250〜300g)の大脳皮質を、2
0倍量の5mMトリス酢酸緩衝液(1mM EGTA、0.1mM PMSF
および0.01%バシトラシンを含む、pH7.4)でホモジナ
イズし、50,000×g、30分間の遠沈そして再懸濁を4回
繰り返した。最終懸濁液を、-80℃で実験時まで保存し
た。この懸濁液の凍結物を室温条件下で融解し、0.08%
トリトンX-100液で2℃、10分間のインキュベーション
を行った後、2回洗浄し、50mMトリス酢酸緩衝液(pH7.
4)に懸濁して膜標本とした。この膜標本を100nM[3H]グ
リシンおよび実施例1で得た化合物(Ia)の種々の濃
度の溶液と混合し、0℃で10分間インキュベーションを
行った。これを希釈、濾過(Whatman GF/C濾紙を用い
る)することによって反応を停止させ、濾紙上の3Hの放
射活性を液体シンチレーション・カウンターで測定し
た。非特異的結合は1mMの非放射性グリシンを用いて試
験し、IC50値を算出した。対照として、YM900を
用いて上記と同様にIC50値を算出した。結果を表2に
示す。
【0138】
【表2】
【0139】化合物(Ia)は、対照に用いたYM90
0のほぼ10倍強い拮抗作用を示した。
【0140】試験例2 6−ニトロ−7−(4−オキソ−4H−ピリジン−1−
イル)−1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオ
ン(Ia)のAMPA受容体に対する結合競合試験 Slc-Wistar系ラット(体重250〜300g)の大脳皮質を、1
0倍量の30mMトリス酢酸緩衝液(2.5mM CaCl2を含む、pH
7.1)でホモジナイズし、30,000×g、15分間の遠沈そ
して再懸濁を3回繰り返した。最終懸濁液を、-80℃で
実験時まで保存した。この懸濁液の凍結物を室温条件下
で融解し、30mMトリス酢酸緩衝液(2.5mM CaCl2および1
00mM KSCNを含む、pH7.1)に懸濁して膜標本とした。こ
の膜標本を30nM[3H]AMPAおよび上記化合物(Ia)
の種々の濃度の溶液と混合し、0℃で30分間インキュベ
ーションを行った。これを希釈、濾過(Whatman GF/C濾
紙を用いる)することによって反応を停止させ、濾紙上
3Hの放射活性を液体シンチレーション・カウンターで
測定した。非特異的結合は1mMの非放射性グルタメート
を用いて試験し、IC50値を算出した。対照として、Y
M900を用いて上記と同様にIC50値を算出した。結
果を表3に示す。
【0141】
【表3】
【0142】本発明によれば、中枢神経細胞のNMDA
受容体およびAMPA受容体に対して優れた拮抗作用を
示す新規化合物である、オキソピリジニルキノキサリン
誘導体が提供される。この化合物は、興奮性アミノ酸が
NMDA受容体またはAMPA受容体に結合するのを阻
害するため、該興奮性アミノ酸に起因する中枢神経疾患
の治療剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C07D 401/04 213:68 241:44)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I)で表されるオキソピリジニル
    キノキサリン誘導体またはその製薬上許容される塩類: 【化1】 ここで、R1は、水素、ハロゲン、ニトロ、またはトリ
    ハロゲン化メチルであり;R2は、水素、ハロゲン、ニ
    トロ、シアノ、トリハロゲン化メチル、低級アルキルに
    より置換されていてもよいカルバモイル、または低級ア
    ルキルにより置換されていてもよいスルファモイルであ
    り;R3は、水素、ニトロ、またはハロゲンであり;R4
    は、水素、置換されていてもよい低級アルキル、または
    置換されていてもよい低級シクロアルキルであり;各R
    5は、同一または異なり、ハロゲン、ニトロ、シアノ、
    低級アルキル、および低級アルキルにより置換されてい
    てもよいカルバモイルからなる群から選択される置換基
    であり;そしてnは、0〜4の整数である。
  2. 【請求項2】 前記R1およびR3が、それぞれ独立して
    水素またはニトロであり;R2がハロゲン、ニトロ、シ
    アノ、トリハロゲン化メチル、低級アルキルにより置換
    されていてもよいカルバモイル、または低級アルキルに
    より置換されていてもよいスルファモイルであり;R4
    が水素または低級アルキルであり;各R5が、同一また
    は異なり、ハロゲン、ニトロ、および低級アルキルから
    なる群から選択される置換基であり;そしてnが0〜4
    の整数である、請求項1に記載のオキソピリジニルキノ
    キサリン誘導体またはその製薬上許容される塩類。
  3. 【請求項3】 前記R1およびR3が各々水素であり、R
    2がハロゲン、ニトロ、シアノ、またはトリハロゲン化
    メチルであり;R4が水素または低級アルキルであり;
    各R5が、同一または異なり、ハロゲンおよびニトロか
    らなる群から選択される置換基であり;そしてnが0〜
    4の整数である、請求項1に記載のオキソピリジニルキ
    ノキサリン誘導体またはその製薬上許容される塩類。
  4. 【請求項4】 nが0である、請求項1に記載のオキソ
    ピリジニルキノキサリン誘導体またはその製薬上許容さ
    れる塩類。
  5. 【請求項5】 6−ニトロ−7−(4−オキソ−4H−
    ピリジン−1−イル)−1,4−ジヒドロキノキサリン
    −2,3−ジオンである、請求項1に記載のオキソピリ
    ジニルキノキサリン誘導体またはその製薬上許容される
    塩類。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4、または5に記載の
    化合物を含有する、グルタメート受容体拮抗剤。
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