JPH07323813A - トング係止機構及び同機構を用いたバックル装置 - Google Patents

トング係止機構及び同機構を用いたバックル装置

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JPH07323813A
JPH07323813A JP6141172A JP14117294A JPH07323813A JP H07323813 A JPH07323813 A JP H07323813A JP 6141172 A JP6141172 A JP 6141172A JP 14117294 A JP14117294 A JP 14117294A JP H07323813 A JPH07323813 A JP H07323813A
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tongue
latch
locking mechanism
ejector
plate
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JP6141172A
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Hideki Shimizu
秀基 清水
Mikimasa Yamaoka
幹昌 山岡
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Takata Corp
Original Assignee
Takata Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トングを機械的に引き込むようにして係止
し、コンパクトで使用時の安全性、操作性の良いバック
ル装置を提供する。 【構成】 トング挿入路4に挿入されたトングプレート
2のラッチ孔3にその一部が係止し、連結されたリンク
33を介して駆動され支持軸15回りに回動してトング
プレート2をトング挿入路4内のラッチ位置まで引き込
み可能なフックレバー14と、リンク33にプランジャ
31を介して直動運動を入力可能なソレノイド40と、
ラッチ位置でトング挿入路4に進出してラッチ孔3に係
合可能なラッチ爪10Bを備えたラッチプレート10
と、ラッチプレート10でのラッチ状態を保持するロッ
クピン12と、リンク33に連結され、31プランジャ
の直動運動によりロックピン12に係止し、トングのラ
ッチ状態を解除するワンウェイフック34とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトング係止機構及び同機
構を用いたバックル装置に係り、特にシートベルト装置
のウェビングに取り付けられたトングを内蔵されたソレ
ノイドにより機械的に引き込んで係止保持できるように
したトング係止機構と、このトング係止機構を組み込ん
だバックル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】乗用車等に装備されているような一般の
シートベルト装置では、たとえばフロント席にすわった
乗員がシートベルトを装着するには、まずウェビングの
一部に取り付けられているトングを手に取り、ピラー内
のウェビング巻取装置に巻回収容されているウェビング
をピラー内から引き出す。そしてトングを運転席と助手
席との間にあるセンターコンソール近傍に固着されたバ
ックル装置まで持っていき、バックル装置に形成された
トング挿入口を確認してこのトング挿入口にトングプレ
ートを押し込むように挿入してトングをバックル装置に
固定するようになっている。しかし、このような一連の
動作はウェビングで上半身を締め付けながら行わなけれ
ばならないため、不自然な姿勢をとりながらの作業とな
る上、バックル装置のトング挿入口を探して確認しなが
らトングを押し込まなくてはならず、シートベルト装着
時の操作性が劣るという問題があった。
【0003】そこで、出願人はこのような問題を解決す
るために既に図22及び図23に示したようなシートベ
ルトのトング係止装置を開発している(特開平5−18
5902号公報参照)。このシートベルトのトング係止
装置はトング挿入路に進出自在なラッチ爪101を有す
る係止機構100と、このラッチ爪101が係合するラ
ッチ孔220を有したトング200とからなる。係止機
構100は略コ字形に屈曲加工されたベースプレート1
03に固定された円筒形状のソレノイド104を有し、
このソレノイド104は励磁した際にプランジャ105
を吸引し、このプランジャ105に連結されたリンク機
構106によりアーム107に所定の間欠回動運動を生
じさせるようになっている。このアーム107は回動運
動によりトングプレート201の挿入方向に2列に形成
されたラッチ孔210に係合した状態でトング200を
挿入路内の所定位置まで引き込むことができるようにな
っている。すなわちトングプレート201の先端201
aがバックル装置のトング挿入口に所定量だけ差し込ま
れると第1のリミットスイッチ110がONとなり、ソ
レノイド104に通電されて励磁され、プランジャ10
5が引き込まれ、リンク106を介してアーム107が
矢印A方向に回動して2本のアーム107の先端部分が
各ラッチ孔210に係止した状態でトングプレート20
1を挿入路に沿って奥に引き込むようになっている。そ
してトング200は所定位置まで引き込まれるとラッチ
爪101がトング挿入路に進出してトングプレート20
1のラッチ孔220に係合するとともに、第2のリミッ
トスイッチ112がON状態になり、ソレノイド104
への通電が停止し、ソレノイド104が消磁する。
【0004】一方、トング解離時の動作もインスツルメ
ントパネルに取り付けられたリリーススイッチをON動
作により行うことができる。すなわち、プランジャの同
一吸引動作によってトングの装着と解離とを交互に実現
できる。これは係止機構にトング引き込み動作とラッチ
解除動作とを切り替え可能な機構が設けられているため
である。すなわちベースプレート103にはプランジャ
105の引き込み動作に連動して所定角度ごとに刻み回
動動作可能なカムホィール114が装着されている。こ
のカムホィール114の内面にはピンを配設した刻み連
動機構(図示せず)が形成され、さらにこの刻み連動機
構にはラッチ爪101から延設されたレバー116の先
端が当接しており、カムホィールの所定回動動作ごとに
ラッチ爪101のトング挿入路への進退動作を切り替え
ることができるようになっている。これによりトング2
00をバックル装置に引き込む動作と解離動作の交互動
作をソレノイドへのプランジャの引き込み動作で実現す
ることができる。
【0005】図23は図22に示したトング係止機構1
00を組み込んだバックル装置300を示したもので、
カバーの端面310にはトング挿入口311が形成され
ており、このトング挿入口311にトングプレートの先
端201aを持っていき、トング挿入口311に僅かに
差し込むだけでトング200が前述の係止機構によって
引き込まれて確実にバックル装置に係止することができ
る。また、トングが装着されている状態でカバーの上面
にはプレスボタン312が設けられており、プレスボタ
ン312を押下して内部のラッチ爪の係止を解除させる
ことができ、トングを解離させることもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述したト
ング係止装置を備えたバックル装置では以下のような形
状上、構造上、使い勝手の面から以下のような問題点が
挙げられている。 (1)カバー内に内蔵されたソレノイドの形状寸法やカム
ホィールの配置関係により図23に示したようにバック
ル装置はある程度高さのある略直方体形状にする必要が
ある。このためセンターコンソール位置に収まりにくく
なってしまい、バックル装置を所定位置に取り付けるに
はシート部分を一部改造しなければならない。 (2)トングプレートにラッチ用の孔と引き込み用の孔と
が3コ必要であるため、図23に示したようにトングプ
レート部分が大きくなり、その分トングプレートを内部
に挿入して係止するトング係止機構とバックル装置も大
きくなってしまう。 (3)図22、図23に示したバックル装置ではトングプ
レートをトング挿入口にあてがい、僅かにトングプレー
トの先端を内蔵されたイジェクタスプリングに抗して押
し込む動作が必要であった。すなわち自動引き込み機構
でありながら、依然としてトングプレートの先端がトン
グ挿入口にちょうど一致するように確認して位置決めし
てからトングを押し込むという動作が必要であり、従来
のバックル装置に比べて特に操作性が向上するとまでい
かず、装置化の効果が十分活かされていない。 (4)トングが途中位置で引っかかってしまった場合に内
蔵されたソレノイドが励磁されたままになり、ソレノイ
ドのコイルが焼き切れてしまうというおそれがある。 (5)バックル装置のトング挿入口が常に開口状態にある
ので、ゴミが混入するおそれがあるとともに、異物でイ
ジェクタが押されるとソレノイドが内部のリミットスイ
ッチがON状態になり、ソレノイドが励磁してプランジ
ャが引き込まれ、トングが挿入されていない状態でラッ
チ状態になっていしまう。このため次にトングを挿入し
てもトングが引き込まれないことになる。 (6)バックル装置のソレノイド内に比較的質量の大きな
プランジャがスライド自在に収容されているため、所定
の慣性力が作用し、このプランジャにいわゆる逆Gが作
用すると、プランジャが引き込まれたのと同じ動作にな
り、ラッチが解除されトングが解離するように動作して
しまうおそれがある。 (7)図22に示したようなラッチ爪ではトングを押し出
す内蔵バネのプッシュアウト力とイジェクタのはずれ
力、ラッチの下がり力等との摩擦力がつり合ってしま
い、トングが滑らかに解離されない。 等の問題がある。
【0007】そこで、本発明の目的は前述した従来の技
術が有する数々の問題点を解消し、コンパクトで確実に
動作可能なトング係止機構と、このトング係止機構を用
いたバックル装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、特定発明としての本発明によるトング係止機構はト
ング挿入路に挿入されたトングプレートのラッチ孔にそ
の一部が係止し、連結されたリンクを介して駆動され支
持軸回りに回動して前記トングプレートを前記トング挿
入路内のラッチ位置まで引き込み可能なレバー部材と、
前記リンクにプランジャを介して直動運動を入力可能な
ソレノイドと、前記ラッチ位置で前記トング挿入路に進
出して前記ラッチ孔に係合可能なラッチ爪を備えたラッ
チ部材と、該ラッチ部材でのラッチ状態を保持するロッ
ク部材と、前記リンクに連結され、前記プランジャの直
動運動により前記ロック部材の一部に係止し、前記ラッ
チ部材によるラッチ状態を解除するワンウェイフックと
を備えたことを特徴とするものである。
【0009】また、バックル装置としての本発明は前述
のトング係止機構が組み込まれ、前記トングプレートが
該トング係止機構のトング挿入口から所定量だけ挿入さ
れたことを位置検知する第1の検知部と、前記トングプ
レートが該トング係止機構内のラッチ位置まで到達した
ことを位置検知する第2の検知部と、前記第1の検知部
からの位置検知信号を受けて前記ソレノイドを作動させ
るとともに、前記第2の検知部からの位置検知信号を受
けて前記ソレノイドを作動停止する作動切替え手段とに
よりトングの引き込み、係止保持を行うようにしたこと
を特徴とするものである。
【0010】前記トングは手動にて押下部材を操作して
前記ロック部材をロック解除経路に沿って作動させるこ
とでラッチ状態を解除させて解離できるようにすること
が好ましい。
【0011】前記プランジャは断面形が偏平長円形であ
るとともに、先端部がコーン形状をなし、該プランジャ
の断面形に倣って、前記ソレノイドのコイルが偏平形状
に巻回形成することが好ましい。
【0012】前記トング挿入路には第1のイジェクタス
プリングで連結された第1のイジェクタと第2のイジェ
クタとが該トング挿入路に沿って直列に配置され、前記
第2のイジェクタはさらに第2のイジェクタスプリング
で位置保持させることが好ましい。このとき前記第1の
イジェクタスプリングのバネ定数は前記第2のイジェク
タスプリングのバネ定数より小さく設定され、前記トン
グプレートが前記トング挿入路に挿入された際に前記第
1のイジェクタが該第1のイジェクタスプリングを圧縮
させながら移動し、前記第1の検知部に到達した際に前
記ソレノイドが作動させるのが良い。また、前記第1の
イジェクタは前記トング挿入口を覆うように前記第1の
イジェクタスプリングで付勢されて配置されるのが好ま
しい。
【0013】前記ロック部材は入力慣性力により作動す
るロック状態保持部材によりロック解除経路が閉塞させ
ることが好ましい。
【0014】
【作用】特定発明としての本発明によるトング係止機構
によれば、トング挿入路に挿入されたトングプレートの
ラッチ孔にその一部が係止し、連結されたリンクを介し
て駆動され支持軸回りに回動して前記トングプレートを
前記トング挿入路内のラッチ位置まで引き込み可能なレ
バー部材と、前記リンクにプランジャを介して直動運動
を入力可能なソレノイドと、前記ラッチ位置で前記トン
グ挿入路に進出して前記ラッチ孔に係合可能なラッチ爪
を備えたラッチ部材と、該ラッチ部材でのラッチ状態を
保持するロック部材と、前記リンクに連結され、前記プ
ランジャの直動運動により前記ロック部材の一部に係止
し、前記ラッチ部材によるラッチ状態を解除するワンウ
ェイフックとを備えたので、前記トングが挿入された際
に前記ソレノイドが励磁され、前記プランジャが吸引さ
れることにより前記リンクを介して前記レバー部材でト
ングプレートを容易に装置内に引き込むことができ、引
き込みが完了した段階でラッチ部材によりラッチされる
とともに、ラッチ状態がロック部材により確実に保持さ
れるので、トングを確実に係止保持することができる。
一方、再び前記ソレノイドが励磁されるとトングのラッ
チをロックしているロック部材を前記ワンウェイフック
が引っかけるようにしてロック解除するのでトングの解
離も容易に行うことができる。
【0015】また、バックル装置としての本発明は前述
のトング係止機構が組み込まれ、前記トングプレートが
該トング係止機構のトング挿入口から所定量だけ挿入さ
れたことを位置検知する第1の検知部と、前記トングプ
レートが該トング係止機構内のラッチ位置まで到達した
ことを位置検知する第2の検知部と、前記第1の検知部
からの位置検知信号を受けて前記ソレノイドを作動させ
るとともに、前記第2の検知部からの位置検知信号を受
けて前記ソレノイドを作動停止する作動切替え手段とに
よりトングの引き込み、係止保持を行うようにしたの
で、トングをバックル装置のトング挿入口に軽くあてが
って挿入するだけでトングを確実に引きこんで係止保持
することができる。
【0016】前記トングを手動にて押下部材を操作して
前記ロック部材をロック解除経路に沿って作動させるこ
とでラッチ状態を解除させて解離できるようにしたの
で、電気系統のトラブル等によりソレノイドが不動作状
態となってもトングをバックル装置から解離させること
ができる。
【0017】前記プランジャの断面形を偏平長円形にす
るとともに先端部をコーン形状にし、該プランジャの断
面形に倣って、前記ソレノイドのコイルが偏平形状に巻
回形成したので、装置の薄型化を図ることができ、ま
た、前記プランジャの吸引能力を最大にすることができ
る。
【0018】前記トング挿入路に第1のイジェクタスプ
リングで連結された第1のイジェクタと第2のイジェク
タとが該トング挿入路に沿って直列に配置し、前記第2
のイジェクタをさらに第2のイジェクタスプリングで位
置保持させ、また前記第1のイジェクタスプリングのバ
ネ定数を前記第2のイジェクタスプリングのバネ定数よ
り小さく設定し、前記トングプレートが前記トング挿入
路に挿入された際に前記第1のイジェクタのみを該第1
のイジェクタスプリングを圧縮させながら移動させるよ
うにし、前記第1の検知部に到達した際に前記ソレノイ
ドが作動させるようにしたので、トングを挿入する際に
ごく軽い力でトング挿入口にあてがうだけでトングの先
端をソレノイドが作動開始する位置まで持っていくこと
ができ、装着時の操作性を向上させることができる。ま
た、前記第1のイジェクタは前記トング挿入口を覆うよ
うに前記第1のイジェクタスプリングで付勢して配置し
たので、トング挿入口から異物等が混入するのを防止す
ることができる。
【0019】前記ロック部材を入力慣性力により作動す
るロック状態保持部材によりロック解除経路が閉塞する
ようにしたので、トング装着時にトングを解離させるよ
うな方向の慣性力がバックル装置に作用してもトングの
ラッチを解離する方向にロック部材が作動するのを阻止
してトングが不用意に解離するのを防止することができ
る。
【0020】
【実施例】以下、特定発明としてのトング係止機構及び
このトング係止機構を組み込んだバックル装置のいくつ
かの実施例を添付図面を参照して説明する。 (第1の実施例)図1〜図13を参照して前述の問題点
を解決したトング係止機構及び同機構を組み込んだバッ
クル装置についてその構成と動作とを説明する。図1は
トング係止機構の全体構成を示した斜視図を示してお
り、バックル装置として組み込まれたトング係止機構の
各部の構成を理解するために図2において分解斜視図を
示した。したがって図2によりトング係止機構の組み立
てを説明し、その後各部の動作について説明する。
【0021】図2において、符号1はベースプレートを
示しており、このベースプレート1はバックル装置を車
体の一部に取り付けるための取付用アイホール1Aと、
ソレノイド40を所定位置に固定する固定フランジ1B
及びトング係止部の本体部品を支持するための支持フラ
ンジ1Cからなり、支持フランジ1Cはトングプレート
2が挿入されるトング挿入路4が形成される底面部を挟
んで同形のフランジを平行位置が保持されるようにコ字
形に屈曲して形成されている。この両側の支持フランジ
1Cで各部材の回動支持部を構成することができるよう
になっている。さらに支持フランジ1Cの後端にはスプ
リングホルダ5が固着されている。このスプリングホル
ダ5にはプレスボタン6のプレス動作をガイドするとと
もに、プレスボタン6を初期状態に付勢保持するボタン
スプリング7を支持するガイドロッド5aが形成されて
おり、このガイドロッド5aにボタンスプリング7を遊
嵌してプレスボタン6の案内部を挿通させるようになっ
ている。
【0022】支持フランジ1Cに支持される部材として
はラッチプレート10、ロックピン12及びレバーピン
15がある。このうちラッチプレート10は図2に示し
たように両側の支持フランジ1Cに掛け渡されるように
形成され、軸支部1aに回動可能に支持される枢軸部1
0Aと、この枢軸部10A回りの回動によりベースプレ
ート1の底面部に形成された開口1dに先端が進出する
ラッチ爪10Bとからなる。このラッチ爪10Bは図2
に示したようにL型の立て爪状をなし、トングプレート
2のラッチ孔3に係合してトング2をバックル装置内に
係止させる役割を果たしている。さらにラッチ爪10B
を上方から覆うようにロックピンホルダ16がラッチス
プリング18を介してラッチプレート10のラッチ爪1
0B上部に配置されている。このロックピンホルダ16
にはロックピン12が挿通されており、ロックピン12
の両端は支持フランジ1Cに形成されたスライド孔1b
に支持されている。このスライド孔1bは図1及び図2
に示したように水平部分とこの水平部分から斜め後方に
延びた部分とからなる屈曲形状をなす。ロックピン12
は支持フランジ1Cの底面部に配置されたイジェクタ機
構20が初期状態にある場合には図1に示したようにス
ライド孔1bの後方位置にある。
【0023】ここで、イジェクタ機構20の構成につい
て説明する。イジェクタ機構20はバックル装置内のト
ング挿入路4にトングプレート2が挿入され、バネ部等
の付勢手段が押し縮められ、所定位置でトングがラッチ
されている状態からトング解離時にラッチが解除された
トングを付勢手段により外部に押し出すように機能する
トングをバックル装置外に排出する機構である。イジェ
クタ機構20は図2に示したようにトング挿入口54を
塞ぐように配置された第1のイジェクタ21と、この第
1のイジェクタ21の後方に装着され第1のイジェクタ
21を支持する第1のイジェクタスプリング22と、こ
の第1のイジェクタスプリング22の一端を保持すると
ともに、第2のイジェクタスプリング24により他端が
支持され、トングプレート2の押し込みにより第1のイ
ジェクタ21とともにトング挿入路4をスライド可能な
第2のイジェクタ23とから構成されている。この第1
のイジェクタスプリング22のバネ定数は第2のイジェ
クタスプリング24のバネ定数に対して約1/20程度
に設定されている。このため乗員がトングを僅かな力で
トング挿入口に差し込むとほとんど第1のイジェクタス
プリング22のみが押し縮められ、その後ソレノイドが
励磁されて第1のイジェクタ21と第2のイジェクタ2
3とが一体的にトング挿入路4内を奥部に向けてスライ
ドする(後に詳述する)。
【0024】このとき第1のイジェクタ21の下側には
検知スイッチを構成するスライドスイッチ25が配置さ
れている。このスライドスイッチ25は第1のイジェク
タ21の下面に連結されたスライダ26がイジェクタの
移動とともにプリントベース28上をスライドして接点
を切り替えることによりその位置を検知するものであ
る。トングがトング挿入路4内に所定量だけ挿入された
ことを検知し、ソレノイド(詳細は後述する)を励磁さ
せる第1の検知スイッチと、ソレノイドによるトング引
き込み動作によりトングの挿入完了を検知し、ソレノイ
ドを消磁させる第2の検知スイッチとから構成されてい
る。なお、プリントベース28はロアカバー51の所定
位置に形成されたボス52に固定できるようになってい
る。
【0025】次に、ソレノイドの励磁動作によりトング
をトング挿入路4内に引き込むフックレバー14と、ラ
ッチ爪10Bによりラッチされているトングを解離させ
るために先端のフックでロックピン12をかき込むよう
に動作するワンウェイフック34の構成について図2を
参照して説明する。図2において、符号31はプランジ
ャを示しており、このプランジャ31は図示したように
断面形が横長に偏平な長円形状をなす鉄心で、先端部分
31aは偏平な略長円形を断面としたコーン状に尖った
形状となっている。一方、このプランジャ31が挿入さ
れるソレノイド40は平面形状がU字形をなすヨーク4
1とプランジャ31が挿入されるガイドを形成したフロ
ントヨーク42とから囲まれたコイル部43からなり、
このコイル43が巻回されているボビン(図示せず)は
プランジャ31が挿入された際にスライド可能な程度の
寸法に設定されている(後に詳述する)。
【0026】プランジャ31のプレスボタン6側の端面
には連結ピン32を介してリンクバー33とフック34
とが揺動可能に取着されており、リンクバー33の先端
にはフックレバー14の作用点が回動可能にリベット止
め35されている。このフックレバー14上端にはレバ
ーピン15が固着されており、フックレバー14を矢印
A方向に付勢するトーションスプリング36がレバーピ
ン15に装着されている。フックレバー14はこのトー
ションスプリング36のねじり力で付勢されているため
プランジャ31の吸引によりリンクバー33が引き込ま
れる場合以外は図1に示した初期位置を保持できるよう
になっている。
【0027】図2に示した構成部品から組み立てられた
トング係止機構の動作状態を図1及び図3を参照して説
明する。なお、トング装着動作及びトング解離動作の作
動フローは後述する。図1はトング係止機構にトングプ
レート2を係止する前の状態を示したもので、係止機構
を説明するために支持フランジ1Cの一部が切り欠かれ
た状態で示されている。同図に示したようにトングプレ
ート2が挿入されるトング挿入路4の前面位置には第1
のイジェクタ21が第1のイジェクタスプリング22に
より付勢された状態で配置されている。このとき第2の
イジェクタスプリング(図示せず)で付勢されている第
2のイジェクタ23がラッチ爪10Bが回動するのを阻
止している。このためラッチプレート10は所定傾き角
を保持している。
【0028】一方、図3はトングプレート2がトング係
止機構に係止された状態を示した状態を示しており、ト
ングプレート2の先端で第1のイジェクタ21及び第2
のイジェクタ23をトング挿入路4の奥部に押し込んだ
状態が示されている。このときラッチプレート10はラ
ッチスプリング18の付勢力により回動し、ラッチ爪1
0Bがトングのラッチ孔3に係止された状態にある。さ
らにラッチプレート10の反対向きへの回動はスライド
孔1bの先端位置にスライドしたロックピン12により
阻止されている。
【0029】図4は前述のトング係止機構を組み込んだ
バックル装置50の全体を示した斜視図である。図示し
たようにトング係止機構をソレノイド形状やスイッチの
形状により偏平に仕上げることができたので、バックル
装置としても偏平な形状のカバーにより構成することが
できた。このとき同図(b)に示したようにトング挿入
口54に対してロアカバー51が曲面形をなすようにく
り抜かれている。トングプレート2をアッパカバー53
及びプレスボタン6の下面6aに当接させることでトン
グプレートの先端を容易にトング挿入口54に誘導する
ことができる。これにより乗員はいちいち狭いトング挿
入口54を確認しながらトングをバックル装置に差し込
まなくても良く、トング装着時の操作性を向上させるこ
とができる。
【0030】図5〜図7は図1及び図2に示した各部材
の詳細を示した部品説明図である。図5にはトングプレ
ート2のラッチ孔3に係止された状態のラッチプレート
10が示されている。従来のラッチ爪10Bは図22及
び図23に示したようにプレートの一部を押し抜いて形
成された比較的偏平な形状をなしている上、2本のアー
ムでトングを引き込むようになっていたためトングプレ
ートの幅を細くすることができず、トングが比較的大き
なものになってしまい、扱いづらかったのに対して本発
明によるトングのトングプレート2はラッチプレート1
0のラッチ爪10Bを同図(a)に示したように2本の
立て爪形状とするとともに、同図(b)に示したように
トングを引き込むフックレバー14をラッチ孔3のほぼ
中央位置に配置している。これによりトングプレート2
に形成するラッチ孔3を1孔にでき、従来のものよりも
幅を狭くすることができる。
【0031】図6は前述のスライドスイッチ25の接点
とトングプレート2の先端との位置関係を示した模式図
である。なお、実際はトング先端は第1のイジェクタ2
1の端面に当接し、この第1のイジェクタ21のスライ
ドに伴って連結されているスライダ26がプリントベー
ス28上をスライドするが、同図では説明のためにトン
グ先端がスライダ26に当接しているように示してい
る。このスライダ26内には図2に示したように導電性
の接点プレート27が収容されており、このスライダ2
6がプリントベース28上をスライドし、内部の接点プ
レート27とプリントベース28上に形成されたプリン
ト配線29とを接続することにより所定の回路が導通状
態となる。
【0032】スライダ26の位置Aはトングがトング挿
入口54にある状態を示しており、この状態から第1の
イジェクタ21をトング先端で軽く押し込み、第1のイ
ジェクタスプリング22が縮んで位置Bに達した時に回
路(x−y)が導通する。すなわち、位置Bは第1の検
知部としてのフロントスイッチ(FrSW)を構成し、
このフロントスイッチがON状態になる。これによりソ
レノイド40に通電されて励磁し、プランジャ31の吸
引動作によりトングがトング挿入路4に沿って引き込ま
れる。このとき第2のイジェクタ23も第1のイジェク
タ21と一体的にトングに押されるようにしてスライド
し、スライダ26は位置Cに達する。このとき回路(x
−z)が導通する。すなわち、位置Cは第2の検知部と
してのリヤスイッチ(RrSW)を構成し、このリヤス
イッチがON状態になると反転回路によりソレノイド4
0への通電が停止され、ソレノイド40が消磁する。こ
のように従来2個のリミットスイッチを縦列に配置して
行っていたソレノイド40の通電切り替えを薄型の板状
の1枚のスライドスイッチで実現できるので、バックル
装置の厚さを薄くすることができるという利点がある。
【0033】図6(b)はトング挿入路4の壁面4aに
沿って2個の検知スイッチSW1、SW2を設け、論理
回路Lによりこの2個の検知スイッチSW1、SW2の
論理積(AND)をとって位置のソレノイド40の通電
切り替えを行うようにした変形例を示したものである。
このように2個の検知スイッチSW1、SW2を配置し
て位置検出を行うことによりトングプレート2が正常な
状態で挿入された場合以外は検知スイッチは作動しな
い。したがって、万一、硬貨等の異物がトング挿入口5
4に押し込まれてもソレノイド40へ通電されることが
ない。
【0034】図7はソレノイド40のコイル部43の断
面を示した部分断面図であり、このコイル部43に長円
形断面のプランジャ31が一部吸引されている状態が示
されている。プランジャ31は前述のように先端31a
が断面が偏平な長円形であるコーン状をなしている。こ
れに対してソレノイド40のボビン44内の最奥部には
このコーン状の先端31aを収容可能な凹状のコーン受
け45aが形成されたコア45が固着されている。この
ようにプランジャ31の先端をコーン状にし、コア45
に凹状のコーン受け45aを形成することによりソレノ
イド40が励磁した際の磁束を大きくとることができ、
また本実施例ではプランジャ31のコーンのなす角度
(図7に示したプランジャ31を側面から見たときの角
度)を約20°に設定している。これによりソレノイド
励磁時のプランジャ吸引方向の推力分力を最大にするこ
とができる。
【0035】次に、図8のフローチャート及び図9、図
10動作状態図を参照してトング係止機構の作動フロー
を説明する。まず、トングプレート2の先端をバックル
装置のトング挿入口54を囲むように形成された案内面
にあてがい(図9(a))、この案内面に沿ってトング
先端をトング挿入口54に導き、トング挿入口54を塞
ぐように装着されている第1のイジェクタ21にトング
プレート2の先端を軽く押し当ててトング先端をトング
挿入口54に差し込む。このとき第1のイジェクタ21
が所定量(本実施例では6.85mmに設定されてい
る)だけ挿入され、その分第1のイジェクタ21がスラ
イドした状態でフロントスイッチ(SW1)がON状態
となる(ステップ110、図9(b))。
【0036】この状態でソレノイド40に通電されソレ
ノイド40が励磁し(ステップ120)、プランジャ3
1が吸引されプランジャ31の一端に連結されたリンク
33を介してフックレバー14がレバーピン15回りに
回動し、フックレバー14の先端がトングプレート2の
ラッチ孔3の一部に係止され、プランジャ31が吸引さ
れるのに伴って、フックレバー14によりトングが約1
5.3mm奥に引き込まれる(ステップ130)。この
とき第2のイジェクタ23も同時にスライドし、第2の
イジェクタスプリング24が圧縮される(図9
(c))。トングの引き込みが完了すると同時にラッチ
スプリング18の伸長動作によりラッチプレート10が
回動し、ラッチ爪10Bの先端がトングのラッチ孔3に
係止される(ステップ140、図9(d))。同時にリ
ヤスイッチ(SW2)がON状態になり、ソレノイド4
0への通電が停止し、ソレノイド40は消磁する(ステ
ップ150、170)。
【0037】このときトングの引き込みが完了しても誤
動作等でリヤスイッチがON状態にあり、ソレノイド4
0が励磁されたままになることを防止するためにリヤス
イッチがONになってから、所定時間でソレノイド40
への通電が停止するようにタイマが組み込まれている
(本実施例ではリミットタイムを200msに設定して
いる)。したがってリヤスイッチがON状態のままでも
タイマが作動してソレノイド40への通電を停止させる
ことができるようになっている(ステップ180)。ト
ングがラッチ爪10Bにより係止されると同時にレバー
ピン15に装着されているトーションスプリング36の
戻り力によりフックレバー14とリンクとが前方に付勢
され、リンクが復帰して初期状態となり(ステップ19
0、図9(e))、トングのバックル装置への装着が完
了する。
【0038】次に図8(b)の作動フローチャートと図
10の動作状態図とによりトング解離時の作動フローに
ついて説明する。本発明によるトング係止機構はリリー
スボタンとプレスボタンのいずれの操作によってもトン
グを解離させることができる。トング装着時において、
トングを係止しているラッチ爪10Bにはラッチ爪10
Bを起きあがる方向に回動させるように第2のイジェク
タスプリング24の伸長力が負荷されているが、ロック
ピン12により回動動作が阻止されている(図10
(a))。この状態でトングを解離させるには、まずイ
ンスツルメントパネル等に取り付けられたリリースボタ
ン(SW3、図示せず)をON動作させる(ステップ2
00)。ソレノイド40が励磁され(ステップ21
0)、ソレノイド40のプランジャ31が吸引され、プ
ランジャ31に連結されているリンクを介してワンウェ
イフック34がロックピン12を引っかけるようにして
引き込んでスライド孔1bに沿って移動させ、ラッチ爪
10Bのロックを解除する(ステップ230、240、
図10(b))。これによってラッチプレート10が起
きあがるように回動し、トングプレート2は第2のイジ
ェクタスプリング24の伸長力によりトング挿入路4を
外側に向けて押し出され、同時にリンクが復帰する(ス
テップ260、図10(c))。この間にソレノイド4
0はタイマ動作により通電停止され、消磁されるように
なっている(ステップ220、250、270)。最終
的にトングはバックル装置50から外部にプッシュアウ
トされ、各イジェクタ21、23が初期位置に復帰する
(ステップ280、図10(d))。
【0039】図11は図1に示したトング係止機構の変
形例を示した斜視図である。図11に示されたトング係
止機構は、インナプリテンショナ等のようにバックル装
置が所定方向に急激に移動するような場合に所定の慣性
力が各部材に作用してもトング解離動作が起こらないよ
うにしたものである。通常、インナプリテンショナ等が
作動した場合にはいわゆる逆Gがプレスボタンやラッチ
部に作用することが知られている。ところで、本発明に
よるトング係止機構ではプランジャ31の質量が他の部
品より大きいためこのプランジャ31に逆Gが作用する
とあたかもプランジャ31が吸引されたのと同様の動作
を示すことが考えられる。すなわち、シートベルト装着
時(トング係止時)に逆Gが作用し、プランジャ31が
ソレノイド40内に入り込むようにスライドすると、プ
ランジャ31に連結されているリンクバー33を介して
ワンウェイフック34がロックピン12を捉えてトング
解離方向へ引き込むように動作する。また、プレスボタ
ン6自体に逆Gが作用してもプレスボタン6があたかも
押されたように移動するので、ロックピン12を直接解
除方向へ押してしまうおそれもある。
【0040】そこで、ラッチをロック状態に保持するロ
ックピン12がラッチ解除方向にスライド孔1b内を移
動するのを阻止するようにしたのが図12に示したロッ
ク状態保持部材としてのGフック60である。このGフ
ック60は図示したようにスプリングホルダ5の上部5
bに支持軸63が軸支された2本の爪状部材61からな
り、この爪状部材61はトーションスプリング62のね
じり力により図11及び図13(a)に示した位置が初
期状態となるように設定されている。図13は逆G作用
時のGフック60の作動状態を示した説明図である。図
13(a)はトング装着時のロックピン12、Gフック
60の位置関係を示しており、この状態でプレスボタン
6、ロックピン12、プランジャ31に逆Gが作用する
と、ロックピン12は図示したようにスライド孔1b内
をロック解除方向に移動する。このときGフック60は
僅かな慣性力が重心位置gを作用点として作用した場合
に支持軸63回りに回動できる程度にトーションスプリ
ング62のねじりバネ定数が設定されている。
【0041】この状態でバックル装置に逆Gが入力され
ると、図13(b)に示したようにGフック60の重心
位置gに作用する慣性力G1により爪状部材61が支持
軸63回りに回動し、爪状部材61の先端61aがスラ
イド孔1bの一部を塞いでしまう。したがってロックピ
ン12に慣性力G2が同時に発生し、ロックピン12が
解除方向にスライドしようとしても爪状部材61の先端
61aがスライド孔1bを塞いでいるので、ロックピン
12はこの部分に当接してスライドは阻止されロックは
解除されない。これにより逆Gが作用しても不用意にト
ングが解離してしまうのを防止することができる。
【0042】次に、異なる構造のワンウェイフック及び
ラッチ機構を用いたトング係止機構について第2の実施
例及び第3の実施例の2実施例を挙げて説明する。 (第2の実施例)図14は第2の実施例のトング係止機
構の全体を示した斜視図である。同図において、ベース
プレート1には第1の実施例とほぼ同形のプランジャ3
1を吸引可能なソレノイド40が固着されており、プラ
ンジャ31の端面にはリンク33を介してレバーピン1
5に軸支されたフックレバー14が揺動可能に連結され
ている。さらにプランジャ31端面にはワンウェイフッ
ク70を支持するフックホルダ71がリベット止めされ
ている。このワンウェイフック70は軸部に装着された
トーションスプリング72によりほぼ水平を保持するよ
うに付勢されている。また、本実施例ではトングプレー
ト2のラッチ孔3に係止するラッチプレート73は板材
の一部に凸状のラッチ部を形成したタイプが使用されて
おり、ラッチ状態を保持させるためにロックプレート7
4が一体的に装着されている。このロックプレート74
には図示したレバー爪76が一体的に形成されており、
このレバー爪76をワンウェイフック70の先端フック
70aで引っかけて引き込むようにしてラッチのロック
状態を解除することができるようになっている。
【0043】ここで、図15でワンウェイフック70と
レバー爪76との位置関係を示して説明し、図16及び
図17を参照して本実施例によるトング係止機構を組み
込んだバックル装置によるトングの装着及び解離動作に
ついて説明する。図15において、ワンウェイフック7
0はトーションスプリング72の保持力によりほぼ水平
を保持してフックホルダ71を介してプランジャ31の
端面(図示せず)に連結されている。このときロックプ
レート74のレバー爪76はワンウェイフック70の先
端フック70aより僅かに上側に僅かに傾いた状態でフ
ックホルダ71寄りに位置している。この状態で図14
に示したソレノイド40が励磁されるとプランジャ31
が吸引され、フックホルダ71が矢印方向にスライドす
る(図15(a)参照)。
【0044】フックホルダ71がソレノイド40のフロ
ントヨーク42に密着するまでプランジャ31が引き込
まれると、ラッチプレート73がトングのラッチ孔3に
係止するように倒れ込み、レバー爪76が先端フック7
0aの前方下方へスライドし、ラッチ爪10Bによる係
止が完了する(図15(b)参照)。この状態から復帰
スプリングによりプランジャ31及びリンクが復帰す
る。このときワンウェイフック70の先端フック70a
はラッチプレート73のレバー爪76をかわすようにし
て前進し(図15(c)参照)、プランジャ31が初期
状態になる(図15(d)参照)。さらにこの状態から
再度プランジャ31が吸引されるとロックプレート74
のレバー爪76が引っかけられた状態で矢印方向に引き
寄せられ、ラッチのロックが解除される(図15(e)
参照)。
【0045】ここで、図16と図17とにより前述のト
ング係止機構を用いたバックル装置の作動フローについ
て説明する。トングをバックル装置50のトング挿入口
54に軽く差し込むとイジェクタ77が押し込まれ、フ
ロントスイッチ(図示せず)がON状態となり、ソレノ
イド40が通電され励磁し、プランジャ31を吸引し、
リンク33の動作を介してフックレバー14がトングプ
レート2をトング挿入路4内に引き込む(図16(a)
参照)。トングプレート2はフックレバー14のかき込
む動作によりイジェクタスプリング78に抗しながらバ
ックル装置内部に引き込まれ(図16(b)参照)、ト
ングプレート2のラッチ孔3がラッチ位置まで引き込ま
れたら、ラッチプレート73が回動してラッチし、同時
にロックプレート74がラッチスプリング(図示せず)
により付勢され、スライドしてロック状態が保持される
(図16(c)参照)。トングプレート2がラッチされ
るとリヤスイッチ(図示せず)によりソレノイド40へ
の通電が停止され、プランジャ31は復帰スプリングに
より初期位置に復帰する。その際、ワンウェイフック7
0の先端フック70aはロックプレート74のレバー爪
76をかわして前方にスライドする(図16(d)参
照)。さらにプランジャ31が初期位置まで復帰してト
ングの装着が完了する(図16(e)参照)。
【0046】図17によりトング解離動作について説明
する。図示しないリリーススイッチによりソレノイド4
0に通電されると、トング装着状態からプランジャ31
が引き込まれ、ワンウェイフック70の先端フック70
aがロックプレート74のレバー爪76に係止し、この
レバー爪76を引っかけてスライドさせる(図17
(a)、(b)参照)。これによりロックプレート74
が引き起こされるようにスライドしてラッチプレート7
3のラッチのロックが解除され、イジェクタスプリング
78によりロックプレート74及びラッチプレート73
が跳ね起き、これと同時にイジェクタスプリング78の
復帰動作によりトングがイジェクタ77によってバック
ル装置外にプッシュアウトされ、トングが解離される
((d)参照)。本実施例ではこのようにプランジャ3
1の吸引動作をロックプレートに形成されたレバー爪を
引き込む動作と、ワンウェイフックを引き込む動作とを
交互に行ってトングの係止動作と解離動作とを確実に実
現することができる。
【0047】(第3の実施例)次に、爪車形状のワンウ
ェイフックを使用してロックプレートの一部に形成され
たレバー爪を引っかけてラッチのロックを解除できるよ
うにした第3の実施例について図18〜図21を参照し
て説明する。同図において、ベースプレート1には第
1、第2の実施例とほぼ同形のプランジャ31を吸引可
能なソレノイド40が固着されており、プランジャ31
の端面にはリンクを介してレバーピン15に軸支された
フックレバー14が揺動可能に連結されている。さらに
プランジャ31端面からリンクと平行に延設された取付
ブラケット81に爪車形状のワンウェイフック82がフ
ックホルダ83を介してリベット止めされている。この
ワンウェイフック82は図19に示したように一部に爪
状フック84が形成された爪車で、軸部85に装着され
たトーションスプリング86によりフック端面84aが
ほぼ鉛直面を保持するように付勢されている。なお、本
実施例でもラッチプレート87には板材の一部に凸状の
ラッチ部を形成したタイプが使用されており、ラッチ状
態を保持させるためにロックプレート88が一体的に装
着されている。このロックプレート88の後端には図1
9に示したレバー爪89が一体的に屈曲形成されてお
り、ワンウェイフック82の爪状フック84でこのレバ
ー爪89を引っかけてソレノイド40側に引き込むよう
にしてラッチのロック状態を解除することができるよう
になっている。
【0048】ここで、図19でワンウェイフック82を
構成する爪車とロックプレート88のレバー爪89との
位置関係を示して説明し、図20及び図21を参照して
本実施例によるトング係止機構を組み込んだバックル装
置によるトングの装着及び解離動作について説明する。
図18、図19において、爪状フック84はトーション
スプリング86の保持力により端面84aがほぼ鉛直面
を保持するようにフックホルダ83に軸支されている。
また、爪状フック84の後端84bはフックホルダ83
に当接して矢印方向には回動しないようになっている。
一方、ロックプレート88のレバー爪89の上端89a
は爪状フック84の下端84bより僅かに下側に所定の
クリアランスをとって僅かに傾いた状態で爪状フック8
4とソレノイド40のフロントヨーク(図示せず)との
間に位置している。この状態でソレノイド40が励磁さ
れるとプランジャ31が吸引され、フックホルダ83が
矢印方向にスライドする(細部は図19(a)参照)。
【0049】フックホルダ83が所定位置にくるまでプ
ランジャ31が引き込まれると、ラッチプレート87が
トングのラッチ孔3に係止するように倒れ込み、ロック
プレート88のレバー爪89が起きあがって水平状態に
なるとともに前方へスライドし、ラッチ爪10Bによる
係止が完了する(図19(b)参照)。この状態から復
帰スプリング(図示せず)によりプランジャ31及びリ
ンクが復帰する。このとき爪車の爪状フック84の先端
84bはレバー爪89をかわすように回動して前進し
(図19(c)参照)、プランジャ31が初期状態にな
る。さらにこの状態から再度プランジャ31が吸引され
ると、爪状フック84によりレバー爪89が引っかけら
れた状態で矢印方向に引き寄せられ、ラッチのロックが
解除される(図19(d)参照)。
【0050】ここで、図20と図21とにより前述のト
ング係止機構を用いたバックル装置の作動フローについ
て説明する。トングプレート2をバックル装置50のト
ング挿入口54に軽く差し込むとイジェクタが押し込ま
れ、フロントスイッチ(図示せず)がON状態となり、
ソレノイド40が通電され励磁し、プランジャ31を吸
引し、リンクの動作を介してフックレバー14がトング
をトング挿入路4内に引き込む(図20(a)参照)。
トングはフックレバー14のかき込むような動作により
イジェクタスプリングに抗しながら内部に引き込まれ
(図20(b)参照)、トングプレート2のラッチ孔3
がラッチ位置まで引き込まれたら、ラッチプレート87
が倒れるように回動してラッチし、同時にロックプレー
ト88がラッチスプリングにより付勢され、スライドし
てロック状態が保持される(図20(c)参照)。トン
グプレート2がラッチされるとリヤスイッチ(図示せ
ず)によりソレノイド40への通電が停止され、プラン
ジャ31は復帰スプリングにより初期位置に復帰する。
その際、ワンウェイフック82はロックプレート88の
レバー爪89をかわすように回動して前方にスライドす
る(図20(d)参照)。さらにプランジャ31が初期
位置まで復帰してトングの装着が完了する(図20
(e)参照)。
【0051】図21によりトング解離動作について説明
する。図示しないリリーススイッチによりソレノイド4
0に通電されると、トング装着状態からプランジャ31
が引き込まれ、ワンウェイフック82の爪状フック84
がロックプレート88のレバー爪89に係止され、この
レバー爪89を引っかけてスライドさせる(図21
(a)、(b)参照)。これによりロックプレート88
が引き起こされるようにスライドしてラッチプレート8
7のラッチのロックが解除され、イジェクタスプリング
91によりロックプレート88及びラッチプレート87
が跳ね起き、これと同時にイジェクタスプリング91の
復帰動作によりトングプレート2がイジェクタ90を介
してバックル装置外にプッシュアウトされ、トングが解
離される((d)参照)。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、トング挿入口に軽く挿入されたトングを確実
に引き込み、係止することができ、コンパクトで使用時
の安全性、操作性の高いバックル装置を提供できるとい
う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトング係止機構の第1の実施例を
示した斜視図。
【図2】図1に示したトング係止機構の分解斜視図。
【図3】図1に示したトング係止機構でトングを係止し
た状態を示した斜視図。
【図4】トング係止機構を組み込んだバックル装置の全
体を示した斜視図。
【図5】トングプレートの係止手段、引き込み手段の一
例を示した部分斜視図。
【図6】バックル装置内に設けられた位置検知スイッチ
の一例を示した動作説明図。
【図7】ソレノイドとプランジャの構造の一例を説明し
た部分断面図。
【図8】トング装着時及びトング解離時の各部の作動フ
ローを示した作動フローチャート。
【図9】トング装着時のトング係止機構の各部材の動作
状態を示した動作状態図。
【図10】トング解離時のトング係止機構の各部材の動
作状態を示した動作状態図。
【図11】逆G発生時のロック解除防止手段をトング係
止機構に組み込んだ変形例を示した斜視図。
【図12】図11に示したロック解除防止手段の一例を
示した斜視図。
【図13】図12に示したロック解除防止手段の逆G作
用時における動作状態を示した動作状態図。
【図14】本発明によるトング係止機構の第2の実施例
を示した斜視図。
【図15】第2の実施例におけるワンウェイフックの動
作順序を示した動作フロー図。
【図16】トング装着時のトング係止機構の各部材の動
作状態を示した動作状態図。
【図17】トング解離時のトング係止機構の各部材の動
作状態を示した動作状態図。
【図18】本発明によるトング係止機構の第3の実施例
を示した斜視図。
【図19】第3の実施例におけるワンウェイフックの動
作順序を示した動作フロー図。
【図20】トング装着時のトング係止機構の各部材の動
作状態を示した動作状態図。
【図21】トング解離時のトング係止機構の各部材の動
作状態を示した動作状態図。
【図22】従来のトング引き込み係止機構の一例を示し
た斜視図。
【図23】図22を組み込んだバックル装置の一例を示
した斜視図。
【符号の説明】
1 ベースプレート 1b スライド孔 2 トングプレート 3 ラッチ孔 4 トング挿入路 6 プレスボタン 10,73,87 ラッチプレート 10B ラッチ爪 12 ロックピン 14 フックレバー 18 ラッチスプリング 20 イジェクタ機構 21 第1のイジェクタ 22 第1のイジェクタスプリング 23 第2のイジェクタ 24 第2のイジェクタスプリング 25 検知スイッチ 31 プランジャ 33 リンクバー 34,70,82 ワンウェイフック 36,62,72 トーションスプリング 40 ソレノイド 43 コイル 50 バックル装置 60 Gフック 61 爪状部材 74 ロックプレート 76,89 レバー爪 84 爪状フック

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トング挿入路に挿入されたトングプレート
    のラッチ孔にその一部が係止し、連結されたリンクを介
    して駆動され支持軸回りに回動して前記トングプレート
    を前記トング挿入路内のラッチ位置まで引き込み可能な
    レバー部材と、 前記リンクにプランジャを介して直動運動を入力可能な
    ソレノイドと、 前記ラッチ位置で前記トング挿入路に進出して前記ラッ
    チ孔に係合可能なラッチ爪を備えたラッチ部材と、 該ラッチ部材でのラッチ状態を保持するロック部材と、 前記リンクに連結され、前記プランジャの直動運動によ
    り前記ロック部材の一部に係止し、前記ラッチ部材によ
    るラッチ状態を解除するワンウェイフックとを備えたこ
    とを特徴とするトング係止機構。
  2. 【請求項2】請求項1のトング係止機構が組み込まれ、 前記トングプレートが該トング係止機構のトング挿入口
    から所定量だけ挿入されたことを位置検知する第1の検
    知部と、 前記トングプレートが該トング係止機構内のラッチ位置
    まで到達したことを位置検知する第2の検知部と、 前記第1の検知部からの位置検知信号を受けて前記ソレ
    ノイドを作動させるとともに、前記第2の検知部からの
    位置検知信号を受けて前記ソレノイドを作動停止する作
    動切替え手段とによりトングの引き込み、係止保持を行
    うようにしたことを特徴とするバックル装置。
  3. 【請求項3】前記トングは手動にて押下部材を操作して
    前記ロック部材をロック解除経路に沿って作動させるこ
    とでラッチ状態を解除させて解離できるようにしたこと
    を特徴とする請求項2記載のバックル装置。
  4. 【請求項4】前記プランジャは断面形が偏平長円形であ
    るとともに、先端部がコーン形状をなし、該プランジャ
    の断面形に倣って、前記ソレノイドのコイルが偏平形状
    に巻回形成されたことを特徴とする請求項1記載のトン
    グ係止機構。
  5. 【請求項5】前記トング挿入路には第1のイジェクタス
    プリングで連結された第1のイジェクタと第2のイジェ
    クタとが該トング挿入路に沿って直列に配置され、前記
    第2のイジェクタはさらに第2のイジェクタスプリング
    で位置保持されていることを特徴とする請求項1記載の
    トング係止機構。
  6. 【請求項6】前記第1のイジェクタスプリングのバネ定
    数は前記第2のイジェクタスプリングのバネ定数より小
    さく設定され、前記トングプレートが前記トング挿入路
    に挿入された際に前記第1のイジェクタが該第1のイジ
    ェクタスプリングを圧縮させながら移動し、前記第1の
    検知部に到達した際に前記ソレノイドが作動するように
    した請求項5記載のトング係止機構。
  7. 【請求項7】前記第1のイジェクタは前記トング挿入口
    を覆うように前記第1のイジェクタスプリングで付勢さ
    れて配置されたことを特徴とする請求項6記載のトング
    係止機構。
  8. 【請求項8】前記ロック部材は入力慣性力により作動す
    るロック状態保持部材によりロック解除経路が閉塞され
    るようにしたことを特徴とする請求項1記載のトング係
    止機構。
JP6141172A 1994-05-30 1994-05-30 トング係止機構及び同機構を用いたバックル装置 Pending JPH07323813A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100885405B1 (ko) * 2007-11-27 2009-02-27 주식회사 삼송 쇼크프루프 장치가 구비된 시트벨트의 버클

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100885405B1 (ko) * 2007-11-27 2009-02-27 주식회사 삼송 쇼크프루프 장치가 구비된 시트벨트의 버클

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