JPH07323020A - Mrイメージング装置 - Google Patents
Mrイメージング装置Info
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- JPH07323020A JPH07323020A JP6142549A JP14254994A JPH07323020A JP H07323020 A JPH07323020 A JP H07323020A JP 6142549 A JP6142549 A JP 6142549A JP 14254994 A JP14254994 A JP 14254994A JP H07323020 A JPH07323020 A JP H07323020A
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- JP
- Japan
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- pulse
- signal
- magnetic field
- presaturation
- gradient magnetic
- Prior art date
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- Pending
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- Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 化学シフトを利用して非関心組織からの信号
を抑制するプリサチュレーション法でプリサチュレーシ
ョン用RFパルス照射時間を短くし、静磁場の均一度の
影響を受けにくくする。 【構成】 プリサチュレーション用RFパルスとして、
非抑制対象の分子の共鳴周波数に実質的に一致する搬送
波信号を、F(t)=A{cos(ωt)-cos(εωt)}/tあるいはG
(t)=A{sin(ωt)-sin(εωt)}/tなる関数F(t)あるい
は関数G(t)で表わされた波形を持つ変調信号で振幅
変調して得たRF信号を使用する。
を抑制するプリサチュレーション法でプリサチュレーシ
ョン用RFパルス照射時間を短くし、静磁場の均一度の
影響を受けにくくする。 【構成】 プリサチュレーション用RFパルスとして、
非抑制対象の分子の共鳴周波数に実質的に一致する搬送
波信号を、F(t)=A{cos(ωt)-cos(εωt)}/tあるいはG
(t)=A{sin(ωt)-sin(εωt)}/tなる関数F(t)あるい
は関数G(t)で表わされた波形を持つ変調信号で振幅
変調して得たRF信号を使用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、NMR(核磁気共
鳴)現象を利用してイメージングを行うMRイメージン
グ装置に関し、とくに化学シフトを利用して非関心組織
からの信号を抑制するプリサチュレーション法を行なう
MRイメージング装置に関する。
鳴)現象を利用してイメージングを行うMRイメージン
グ装置に関し、とくに化学シフトを利用して非関心組織
からの信号を抑制するプリサチュレーション法を行なう
MRイメージング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】MRイメージング装置は、原子核の共鳴
現象を利用し、生体内各組織におけるスピンの緩和時間
差を捉えて画像化するもので、緩和時間差を表わす優れ
たコントラストの画像を得ることができることから医療
の形態診断の分野においてきわめて有用なものとなって
いる。
現象を利用し、生体内各組織におけるスピンの緩和時間
差を捉えて画像化するもので、緩和時間差を表わす優れ
たコントラストの画像を得ることができることから医療
の形態診断の分野においてきわめて有用なものとなって
いる。
【0003】このMRイメージング装置において、化学
シフトを利用したプリサチュレーション法が、一般に、
脂肪抑制画像を撮像するのに用いられている。この場
合、従来では、プリサチュレーションパルスとして、脂
肪などの抑制対象の分子の共鳴周波数に一致する周波数
の搬送波信号を狭帯域のSINC波形あるいはガウス波
形の変調信号で振幅変調したものや、非抑制対象の分子
の共鳴周波数に一致する周波数の搬送波信号を2項パル
ス(Binomial Pulse)の変調信号で振幅変調したものな
どが用いられる。このプリサチュレーションパルスを通
常の撮像シーケンスの各々の繰り返し期間の先頭におい
て照射することによって、化学シフトにより共鳴周波数
がずれている非関心組織の分子のみを選択的に励起して
あらかじめ飽和させることにより、非関心組織からの信
号を抑制する。
シフトを利用したプリサチュレーション法が、一般に、
脂肪抑制画像を撮像するのに用いられている。この場
合、従来では、プリサチュレーションパルスとして、脂
肪などの抑制対象の分子の共鳴周波数に一致する周波数
の搬送波信号を狭帯域のSINC波形あるいはガウス波
形の変調信号で振幅変調したものや、非抑制対象の分子
の共鳴周波数に一致する周波数の搬送波信号を2項パル
ス(Binomial Pulse)の変調信号で振幅変調したものな
どが用いられる。このプリサチュレーションパルスを通
常の撮像シーケンスの各々の繰り返し期間の先頭におい
て照射することによって、化学シフトにより共鳴周波数
がずれている非関心組織の分子のみを選択的に励起して
あらかじめ飽和させることにより、非関心組織からの信
号を抑制する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ようにガウス波形やSINC波形を用いて振幅変調しプ
リサチュレーションパルスを得る場合には、励起周波数
帯域を脂肪などの抑制対象の分子の共鳴周波数に一致し
た十分に狭いものとするためには、RFパルスの照射時
間を長く設定しなければならないという問題がある。ま
た、2項パルスを用いて振幅変調しプリサチュレーショ
ンパルスを得る場合には、その励起周波数特性は励起周
波数帯域近傍の非励起周波数帯域が狭いものとなり、静
磁場の均一度の影響を受けやすいという問題がある。
ようにガウス波形やSINC波形を用いて振幅変調しプ
リサチュレーションパルスを得る場合には、励起周波数
帯域を脂肪などの抑制対象の分子の共鳴周波数に一致し
た十分に狭いものとするためには、RFパルスの照射時
間を長く設定しなければならないという問題がある。ま
た、2項パルスを用いて振幅変調しプリサチュレーショ
ンパルスを得る場合には、その励起周波数特性は励起周
波数帯域近傍の非励起周波数帯域が狭いものとなり、静
磁場の均一度の影響を受けやすいという問題がある。
【0005】この発明は上記に鑑み、RFパルス照射時
間を短くしながら、励起周波数帯域を抑制対象の分子の
共鳴周波数に一致した十分に狭いものとすることがで
き、かつその励起周波数帯域近傍の非励起周波数帯域を
広いものとして静磁場の均一度の影響を受けにくくする
ことができるように改善したMRイメージング装置を提
供することを目的とする。
間を短くしながら、励起周波数帯域を抑制対象の分子の
共鳴周波数に一致した十分に狭いものとすることがで
き、かつその励起周波数帯域近傍の非励起周波数帯域を
広いものとして静磁場の均一度の影響を受けにくくする
ことができるように改善したMRイメージング装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明によるMRイメージング装置においては、
プリサチュレーション用RFパルスとして、非抑制対象
の分子の共鳴周波数に実質的に一致する搬送波信号を、 F(t)=A{cos(ωt)-cos(εωt)}/t なる関数F(t)で表わされた波形を持つ変調信号で振
幅変調して得たRF信号を使用することが特徴となって
いる。
め、この発明によるMRイメージング装置においては、
プリサチュレーション用RFパルスとして、非抑制対象
の分子の共鳴周波数に実質的に一致する搬送波信号を、 F(t)=A{cos(ωt)-cos(εωt)}/t なる関数F(t)で表わされた波形を持つ変調信号で振
幅変調して得たRF信号を使用することが特徴となって
いる。
【0007】また、上記の関数F(t)の代わりに G(t)=A{sin(ωt)-sin(εωt)}/t なる関数G(t)で表わされた波形を持つ変調信号で、
非抑制対象の分子の共鳴周波数に実質的に一致する搬送
波信号を振幅変調して得たRF信号を、プリサチュレー
ション用RFパルスとして用いてもよい。
非抑制対象の分子の共鳴周波数に実質的に一致する搬送
波信号を振幅変調して得たRF信号を、プリサチュレー
ション用RFパルスとして用いてもよい。
【0008】さらに、上記の関数F(t)またはG
(t)に所定の窓関数を乗じたものが包絡線となるよう
振幅変調してもよい。
(t)に所定の窓関数を乗じたものが包絡線となるよう
振幅変調してもよい。
【0009】
【作用】非抑制対象の分子の共鳴周波数に実質的に一致
する搬送波信号を振幅変調してその包絡線が F(t)=A{cos(ωt)-cos(εωt)}/t または G(t)=A{sin(ωt)-sin(εωt)}/t で表わされるような波形になっているRF信号をプリサ
チュレーション用RFパルスとして用いると、このプリ
サチュレーションパルスの励起周波数特性は、広い非励
起周波数帯域の前後に2つの狭い励起周波数帯域を有す
るようなものとなる。そして、その非励起周波数帯域の
中心周波数は搬送波信号の周波数となり、励起周波数帯
域は上記関数F(t)またはG(t)のパラメータを適
宜定めることにより任意のものとすることができる。そ
のため、非抑制対象の分子の共鳴周波数近傍における非
励起周波数帯域を広くして、静磁場の均一度が悪い場合
でも、非抑制対象の分子がこのプリサチュレーションパ
ルスで励起されないようにできる。さらに、2つの励起
周波数帯域は狭いものであるため、それらの一方を脂肪
などの抑制対象の分子の共鳴周波数に一致した十分に狭
いものとすることが容易であり、しかもRFパルス照射
時間を長くしなくても済む。
する搬送波信号を振幅変調してその包絡線が F(t)=A{cos(ωt)-cos(εωt)}/t または G(t)=A{sin(ωt)-sin(εωt)}/t で表わされるような波形になっているRF信号をプリサ
チュレーション用RFパルスとして用いると、このプリ
サチュレーションパルスの励起周波数特性は、広い非励
起周波数帯域の前後に2つの狭い励起周波数帯域を有す
るようなものとなる。そして、その非励起周波数帯域の
中心周波数は搬送波信号の周波数となり、励起周波数帯
域は上記関数F(t)またはG(t)のパラメータを適
宜定めることにより任意のものとすることができる。そ
のため、非抑制対象の分子の共鳴周波数近傍における非
励起周波数帯域を広くして、静磁場の均一度が悪い場合
でも、非抑制対象の分子がこのプリサチュレーションパ
ルスで励起されないようにできる。さらに、2つの励起
周波数帯域は狭いものであるため、それらの一方を脂肪
などの抑制対象の分子の共鳴周波数に一致した十分に狭
いものとすることが容易であり、しかもRFパルス照射
時間を長くしなくても済む。
【0010】上記の関数F(t)またはG(t)に所定
の窓関数(たとえばハミング窓)を乗じたものが包絡線
となるように、非抑制対象の分子の共鳴周波数に実質的
に一致する周波数の搬送波信号を振幅変調することによ
りプリサチュレーションパルスを得れば、パルスの時間
的な打ち切りによる励起特性のひずみを改善でき、より
実際的な包絡線波形のプリサチュレーションパルスが得
られる。
の窓関数(たとえばハミング窓)を乗じたものが包絡線
となるように、非抑制対象の分子の共鳴周波数に実質的
に一致する周波数の搬送波信号を振幅変調することによ
りプリサチュレーションパルスを得れば、パルスの時間
的な打ち切りによる励起特性のひずみを改善でき、より
実際的な包絡線波形のプリサチュレーションパルスが得
られる。
【0011】
【実施例】以下、この発明の好ましい一実施例について
図面を参照しながら詳細に説明する。この発明の一実施
例にかかるMRイメージング装置では、図1に示すよう
なパルスシーケンスを図2に示すような構成で行なう。
図1におけるプリサチュレーションパルス63の包絡線
の波形はたとえば図3に示すようになっている。プリサ
チュレーションパルス63は図1に示すように通常の撮
像シーケンスの各々の繰り返し期間の先頭において与え
られる。
図面を参照しながら詳細に説明する。この発明の一実施
例にかかるMRイメージング装置では、図1に示すよう
なパルスシーケンスを図2に示すような構成で行なう。
図1におけるプリサチュレーションパルス63の包絡線
の波形はたとえば図3に示すようになっている。プリサ
チュレーションパルス63は図1に示すように通常の撮
像シーケンスの各々の繰り返し期間の先頭において与え
られる。
【0012】まず、このMRイメージング装置の構成を
説明すると、図2において、マグネットアセンブリ11
には、静磁場を発生するための主マグネットと、この静
磁場に重畳する傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイルが含
まれる。傾斜磁場は、傾斜磁場コイルにより、X、Y、
Zの3軸方向に磁場強度がそれぞれ傾斜するものとして
発生させられる。これら3軸方向の傾斜磁場の1つを選
択し、あるいはそれらを組み合わせて、後述のスライス
選択用傾斜磁場Gs、読み出し及び周波数エンコード用
傾斜磁場Gr、位相エンコード用傾斜磁場Gpが任意の
方向のものとされる。
説明すると、図2において、マグネットアセンブリ11
には、静磁場を発生するための主マグネットと、この静
磁場に重畳する傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイルが含
まれる。傾斜磁場は、傾斜磁場コイルにより、X、Y、
Zの3軸方向に磁場強度がそれぞれ傾斜するものとして
発生させられる。これら3軸方向の傾斜磁場の1つを選
択し、あるいはそれらを組み合わせて、後述のスライス
選択用傾斜磁場Gs、読み出し及び周波数エンコード用
傾斜磁場Gr、位相エンコード用傾斜磁場Gpが任意の
方向のものとされる。
【0013】この静磁場及び傾斜磁場が加えられる空間
には図示しない被検体が配置される。この被検体には、
RFパルスを被検体に照射するとともにこの被検体で発
生したNMR信号を受信するためのRFコイル12が取
り付けられている。
には図示しない被検体が配置される。この被検体には、
RFパルスを被検体に照射するとともにこの被検体で発
生したNMR信号を受信するためのRFコイル12が取
り付けられている。
【0014】マグネットアセンブリ11の傾斜磁場コイ
ルに加えられる傾斜磁場用電流は磁場制御回路21によ
って制御され、図1に示すような波形のパルスとされた
各傾斜磁場Gs、Gp、Grが発生するようにされる。
そのパルス波形の各々は波形発生回路53で発生されて
磁場制御回路21に与えられる。この傾斜磁場の各パル
ス波形に関する情報は、あらかじめコンピュータ51か
ら波形発生回路53にセットされる。
ルに加えられる傾斜磁場用電流は磁場制御回路21によ
って制御され、図1に示すような波形のパルスとされた
各傾斜磁場Gs、Gp、Grが発生するようにされる。
そのパルス波形の各々は波形発生回路53で発生されて
磁場制御回路21に与えられる。この傾斜磁場の各パル
ス波形に関する情報は、あらかじめコンピュータ51か
ら波形発生回路53にセットされる。
【0015】RF発振回路31で発生したRF信号は振
幅変調回路32に送られ、これが搬送波となり、波形発
生回路53から送られてくる波形信号に応じて振幅変調
される。この振幅変調後のRF信号は、RF電力増幅器
33を経て増幅された後、RFコイル12に加えられ
る。このRF発振回路31の発振周波数波はコンピュー
タ51によって制御される。上記の変調信号の波形に関
する情報はコンピュータ51から波形発生回路53にあ
らかじめ与えられる。波形発生回路53やRF発振回路
31のタイミングはシーケンスコントローラ52により
定められる。
幅変調回路32に送られ、これが搬送波となり、波形発
生回路53から送られてくる波形信号に応じて振幅変調
される。この振幅変調後のRF信号は、RF電力増幅器
33を経て増幅された後、RFコイル12に加えられ
る。このRF発振回路31の発振周波数波はコンピュー
タ51によって制御される。上記の変調信号の波形に関
する情報はコンピュータ51から波形発生回路53にあ
らかじめ与えられる。波形発生回路53やRF発振回路
31のタイミングはシーケンスコントローラ52により
定められる。
【0016】RFコイル12によって受信されたNMR
信号は前置増幅器41を経て位相検波回路42に送られ
て位相検波される。この位相検波のためのリファレンス
信号として上記のRF発振回路31からのRF信号が送
られている。位相検波によって得られた信号は、シーケ
ンスコントローラ52によって制御されたA/D変換器
43により所定のサンプリングタイミングでサンプルさ
れ、デジタルデータに変換される。A/D変換器43か
ら得られたデータはコンピュータ51に取り込まれる。
コンピュータ51は、収集したデジタルデータから画像
を再構成する処理などを行なう。またこのコンピュータ
51は、種々の撮像スキャンを構成するパルスシーケン
スに応じて、上記の通り、シーケンスコントローラ52
や波形発生回路53に必要なデータをセットするととも
に、RF発振回路31を制御してその周波数を定め、ま
た前置増幅器41や位相検波回路42を制御してこれら
のゲインなどを定め、さらにA/D変換器43をコント
ロールする。
信号は前置増幅器41を経て位相検波回路42に送られ
て位相検波される。この位相検波のためのリファレンス
信号として上記のRF発振回路31からのRF信号が送
られている。位相検波によって得られた信号は、シーケ
ンスコントローラ52によって制御されたA/D変換器
43により所定のサンプリングタイミングでサンプルさ
れ、デジタルデータに変換される。A/D変換器43か
ら得られたデータはコンピュータ51に取り込まれる。
コンピュータ51は、収集したデジタルデータから画像
を再構成する処理などを行なう。またこのコンピュータ
51は、種々の撮像スキャンを構成するパルスシーケン
スに応じて、上記の通り、シーケンスコントローラ52
や波形発生回路53に必要なデータをセットするととも
に、RF発振回路31を制御してその周波数を定め、ま
た前置増幅器41や位相検波回路42を制御してこれら
のゲインなどを定め、さらにA/D変換器43をコント
ロールする。
【0017】このようなMRイメージング装置におい
て、コンピュータ51及びシーケンスコントローラ52
の制御の下にたとえば図1に示すようなプリサチュレー
ション法による撮像スキャンが行なわれる。この図1に
示す例では、撮像スキャンを構成するパルスシーケンス
としてグラジェントエコー法が採用されている。すなわ
ち、励起パルス(90°パルス)61を印加すると同時
にスライス選択用傾斜磁場Gsのパルスを加え、その
後、読み出し及び周波数エンコード用傾斜磁場Grのパ
ルスを加えるとともにスイッチングさせて、エコー信号
62を発生させる。このエコー信号62の発生前に位相
エンコード用傾斜磁場Gpのパルスを加える。このよう
なパルスシーケンスを位相エンコード用傾斜磁場Gpの
パルスの大きさを少しずつ変化させながら、画像マトリ
クスに対応した数だけ繰り返すことにより撮像スキャン
が行なわれる。
て、コンピュータ51及びシーケンスコントローラ52
の制御の下にたとえば図1に示すようなプリサチュレー
ション法による撮像スキャンが行なわれる。この図1に
示す例では、撮像スキャンを構成するパルスシーケンス
としてグラジェントエコー法が採用されている。すなわ
ち、励起パルス(90°パルス)61を印加すると同時
にスライス選択用傾斜磁場Gsのパルスを加え、その
後、読み出し及び周波数エンコード用傾斜磁場Grのパ
ルスを加えるとともにスイッチングさせて、エコー信号
62を発生させる。このエコー信号62の発生前に位相
エンコード用傾斜磁場Gpのパルスを加える。このよう
なパルスシーケンスを位相エンコード用傾斜磁場Gpの
パルスの大きさを少しずつ変化させながら、画像マトリ
クスに対応した数だけ繰り返すことにより撮像スキャン
が行なわれる。
【0018】このような撮像スキャンの各々の繰り返し
期間の先頭でプリサチュレーションパルス63をスライ
ス選択用傾斜磁場Gsのパルスとともに照射する。この
プリサチュレーションパルス63は、包絡線がたとえば
図3に拡大表示されているようなものとなっている。こ
の図3に示す波形は、つぎに示す関数G(t) G(t)=A{sin(ωt)-sin(εωt)}/t に適当な窓関数を乗じて得た関数Hs(t)を表わすも
のである。なお、ここでは、自由水の共鳴周波数ω0に
対して共鳴周波数ω1が−3.5ppm化学シフトした
脂肪の信号を抑制した画像を得るため、 ε=1.2、ω=2π(150Hz)、-30π/11≦ωt≦3
0π/11 とし、窓関数として 1−0.49cos(ωt) のハミング窓を用いている。
期間の先頭でプリサチュレーションパルス63をスライ
ス選択用傾斜磁場Gsのパルスとともに照射する。この
プリサチュレーションパルス63は、包絡線がたとえば
図3に拡大表示されているようなものとなっている。こ
の図3に示す波形は、つぎに示す関数G(t) G(t)=A{sin(ωt)-sin(εωt)}/t に適当な窓関数を乗じて得た関数Hs(t)を表わすも
のである。なお、ここでは、自由水の共鳴周波数ω0に
対して共鳴周波数ω1が−3.5ppm化学シフトした
脂肪の信号を抑制した画像を得るため、 ε=1.2、ω=2π(150Hz)、-30π/11≦ωt≦3
0π/11 とし、窓関数として 1−0.49cos(ωt) のハミング窓を用いている。
【0019】この図3で示すような波形の包絡線を持つ
プリサチュレーションパルスは照射時間が約18msecと
なり、静磁場強度が1テスラであるとしてBlochの
方程式に基づくシミュレーションによれば、励起周波数
特性は図4の実線のようになる。この図4で、ω0は搬
送波信号の周波数であり、この周波数ω0を中心として
広い非励起周波数帯域が存在し、その前後の周波数ω
1、ω2を中心とする2つの狭い励起周波数帯域が存在
することがわかる。そこで、ω0が非抑制対象の分子の
共鳴周波数に一致し、かつω1(またはω2)が抑制対
象の分子の共鳴周波数に一致するように、上記関数のパ
ラメータを定めれば、このプリサチュレーションパルス
の照射によって、その共鳴周波数がω1(またはω2)
となっている抑制対象の分子のみを選択的に励起するこ
とができることがわかる。また、周波数ω0付近の非励
起周波数帯域は広いものであるため、静磁場の均一度が
多少悪いものであっても、共鳴周波数ω0の非抑制対象
の分子は励起されないこともわかる。
プリサチュレーションパルスは照射時間が約18msecと
なり、静磁場強度が1テスラであるとしてBlochの
方程式に基づくシミュレーションによれば、励起周波数
特性は図4の実線のようになる。この図4で、ω0は搬
送波信号の周波数であり、この周波数ω0を中心として
広い非励起周波数帯域が存在し、その前後の周波数ω
1、ω2を中心とする2つの狭い励起周波数帯域が存在
することがわかる。そこで、ω0が非抑制対象の分子の
共鳴周波数に一致し、かつω1(またはω2)が抑制対
象の分子の共鳴周波数に一致するように、上記関数のパ
ラメータを定めれば、このプリサチュレーションパルス
の照射によって、その共鳴周波数がω1(またはω2)
となっている抑制対象の分子のみを選択的に励起するこ
とができることがわかる。また、周波数ω0付近の非励
起周波数帯域は広いものであるため、静磁場の均一度が
多少悪いものであっても、共鳴周波数ω0の非抑制対象
の分子は励起されないこともわかる。
【0020】参考までに、従来のSINC波形の包絡線
を持つプリサチュレーションパルスでは、励起周波数特
性は図4の点線で示すようなものとなる。ここでは、 ω=2π(50Hz)、−π≦ωt≦π のSINC波形を用い、静磁場強度が1テスラであると
してBlochの方程式に基づくシミュレーションによ
り求めている。このプリサチュレーションパルスの照射
時間は20msecとなり上記のプリサチュレーションパル
スとあまり変わらないが、点線と実線との比較からわか
るように、励起周波数帯域が広いものとなってしまう。
を持つプリサチュレーションパルスでは、励起周波数特
性は図4の点線で示すようなものとなる。ここでは、 ω=2π(50Hz)、−π≦ωt≦π のSINC波形を用い、静磁場強度が1テスラであると
してBlochの方程式に基づくシミュレーションによ
り求めている。このプリサチュレーションパルスの照射
時間は20msecとなり上記のプリサチュレーションパル
スとあまり変わらないが、点線と実線との比較からわか
るように、励起周波数帯域が広いものとなってしまう。
【0021】上記の関数G(t)の代わりに関数F
(t) F(t)=A{cos(ωt)-cos(εωt)}/t を用い、これに窓関数を乗じた関数Hc(t)により表
わされる波形は図5のようになるが、このような波形の
包絡線を持つプリサチュレーションパルスを用いた場
合、その励起周波数特性は上記の関数G(t)の場合と
同様に図4の実線で示したようなものとなることは、B
lochの方程式に基づくシミュレーションあるいはフ
ーリエ変換による簡単な近似によって容易にわかる。
(t) F(t)=A{cos(ωt)-cos(εωt)}/t を用い、これに窓関数を乗じた関数Hc(t)により表
わされる波形は図5のようになるが、このような波形の
包絡線を持つプリサチュレーションパルスを用いた場
合、その励起周波数特性は上記の関数G(t)の場合と
同様に図4の実線で示したようなものとなることは、B
lochの方程式に基づくシミュレーションあるいはフ
ーリエ変換による簡単な近似によって容易にわかる。
【0022】これらの関数F(t)、G(t)におい
て、パラメータε、ωの値は励起周波数帯域と非励起周
波数帯域とに関連するものであって、静磁場強度および
所望の励起周波数帯域と非励起周波数帯域に応じて定め
るべきものである。またAについてはフリップアングル
の設定によって決定すべきものである。すなわち、関数
F(t)、G(t)におけるパラメータε、ωの値を任
意に設定することにより、任意の非励起周波数帯域およ
び任意の励起周波数帯域が得られるので、所望の非抑制
対象分子はプリサチュレートせず、所望の抑制対象分子
のみを選択的にプリサチュレートすることができる。
て、パラメータε、ωの値は励起周波数帯域と非励起周
波数帯域とに関連するものであって、静磁場強度および
所望の励起周波数帯域と非励起周波数帯域に応じて定め
るべきものである。またAについてはフリップアングル
の設定によって決定すべきものである。すなわち、関数
F(t)、G(t)におけるパラメータε、ωの値を任
意に設定することにより、任意の非励起周波数帯域およ
び任意の励起周波数帯域が得られるので、所望の非抑制
対象分子はプリサチュレートせず、所望の抑制対象分子
のみを選択的にプリサチュレートすることができる。
【0023】この実施例では、コンピュータ51により
上記の関数F(t)またはG(t)を求めるとともに、
これらに窓関数を乗じて関数Hc(t)またはHs
(t)を得、波形データを求め、その波形データをあら
かじめ波形発生回路53に与える。そして撮像スキャン
の実行時に、この波形データに応じて波形発生回路53
から関数Hs(t)の波形(図3)の信号または関数H
c(t)の波形(図5)の信号を出力させて、これによ
り、振幅変調回路32において、RF発振回路31から
送られる搬送波信号を振幅変調する。こうして図1に示
すようなプリサチュレーション法によるパルスシーケン
スを行ない、脂肪等の非関心組織の信号を抑制した画像
を得る。
上記の関数F(t)またはG(t)を求めるとともに、
これらに窓関数を乗じて関数Hc(t)またはHs
(t)を得、波形データを求め、その波形データをあら
かじめ波形発生回路53に与える。そして撮像スキャン
の実行時に、この波形データに応じて波形発生回路53
から関数Hs(t)の波形(図3)の信号または関数H
c(t)の波形(図5)の信号を出力させて、これによ
り、振幅変調回路32において、RF発振回路31から
送られる搬送波信号を振幅変調する。こうして図1に示
すようなプリサチュレーション法によるパルスシーケン
スを行ない、脂肪等の非関心組織の信号を抑制した画像
を得る。
【0024】なお、上記のωtの範囲やε、ωの値は一
例であって種々に定め得ることはもちろんである。また
上記の実施例では撮像スキャンとしてグラジェントエコ
ー法に基づくパルスシーケンスを例示したが、他にスピ
ンエコー法などのあらゆる種類の撮像用パルスシーケン
スを採用できる。
例であって種々に定め得ることはもちろんである。また
上記の実施例では撮像スキャンとしてグラジェントエコ
ー法に基づくパルスシーケンスを例示したが、他にスピ
ンエコー法などのあらゆる種類の撮像用パルスシーケン
スを採用できる。
【0025】
【発明の効果】以上実施例について説明したように、こ
の発明のMRイメージング装置によれば、化学シフトを
利用したプリサチュレーション法を実行する際に、プリ
サチュレーション用RFパルス照射時間が短いものであ
りながら、励起周波数帯域を抑制対象の分子の共鳴周波
数に一致した十分に狭いものとすることができ、かつそ
の励起周波数帯域近傍の非励起周波数帯域を広いものと
して静磁場の均一度の影響を受けにくくして、脂肪等の
非関心組織の信号を抑制した画像を安定に得ることがで
きる。
の発明のMRイメージング装置によれば、化学シフトを
利用したプリサチュレーション法を実行する際に、プリ
サチュレーション用RFパルス照射時間が短いものであ
りながら、励起周波数帯域を抑制対象の分子の共鳴周波
数に一致した十分に狭いものとすることができ、かつそ
の励起周波数帯域近傍の非励起周波数帯域を広いものと
して静磁場の均一度の影響を受けにくくして、脂肪等の
非関心組織の信号を抑制した画像を安定に得ることがで
きる。
【図1】この発明の一実施例において行なうパルスシー
ケンスを示すタイムチャート。
ケンスを示すタイムチャート。
【図2】同実施例にかかるMRイメージング装置のブロ
ック図。
ック図。
【図3】同実施例にかかるプリサチュレーションパルス
の包絡線の波形を示すグラフ。
の包絡線の波形を示すグラフ。
【図4】図3の包絡線を持つプリサチュレーションパル
スの励起周波数特性を表わすグラフ。
スの励起周波数特性を表わすグラフ。
【図5】他の実施例にかかるプリサチュレーションパル
スの包絡線の波形を示すグラフ。
スの包絡線の波形を示すグラフ。
11 マグネットアセンブリ 12 RFコイル 21 磁場制御回路 31 RF発振回路 32 振幅変調回路 33 RF電力増幅器 41 前置増幅器 42 位相検波回路 43 A/D変換器 51 コンピュータ 52 シーケンスコントローラ 53 波形発生回路 61 励起パルス 62 エコー信号 63 プリサチュレーションパルス
Claims (2)
- 【請求項1】 静磁場を発生する手段と、スライス選択
用、読み出し用及び位相エンコード用の各々の傾斜磁場
を発生する手段と、RF信号を照射する手段と、NMR
信号を受信する手段と、受信したNMR信号からデータ
を収集する手段と、これらを制御し、励起用RFパルス
とともにスライス選択用傾斜磁場パルスを印加し、さら
に読み出し用傾斜磁場パルスと位相エンコード用傾斜磁
場パルスとを加え、発生したNMR信号を受信してデー
タを収集するというパルスシーケンスを上記位相エンコ
ード用傾斜磁場を変化させながら繰り返すとともに、こ
の各パルスシーケンスにおいて、上記励起用RFパルス
に先立ち、包絡線が F(t)=A{cos(ωt)-cos(εωt)}/t で表わされる関数F(t)となるように非抑制対象の分
子の共鳴周波数に実質的に一致する搬送波信号を振幅変
調して得たRF信号をプリサチュレーション用RFパル
スとして照射するようにコントロールする手段とを備え
ることを特徴とするMRイメージング装置。 - 【請求項2】 静磁場を発生する手段と、スライス選択
用、読み出し用及び位相エンコード用の各々の傾斜磁場
を発生する手段と、RF信号を照射する手段と、NMR
信号を受信する手段と、受信したNMR信号からデータ
を収集する手段と、これらを制御し、励起用RFパルス
とともにスライス選択用傾斜磁場パルスを印加し、さら
に読み出し用傾斜磁場パルスと位相エンコード用傾斜磁
場パルスとを加え、発生したNMR信号を受信してデー
タを収集するというパルスシーケンスを上記位相エンコ
ード用傾斜磁場を変化させながら繰り返すとともに、こ
の各パルスシーケンスにおいて、上記励起用RFパルス
に先立ち、包絡線が G(t)=A{sin(ωt)-sin(εωt)}/t で表わされる関数G(t)となるように非抑制対象の分
子の共鳴周波数に実質的に一致する搬送波信号を振幅変
調して得たRF信号をプリサチュレーション用RFパル
スとして照射するようにコントロールする手段とを備え
ることを特徴とするMRイメージング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6142549A JPH07323020A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | Mrイメージング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6142549A JPH07323020A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | Mrイメージング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07323020A true JPH07323020A (ja) | 1995-12-12 |
Family
ID=15317939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6142549A Pending JPH07323020A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | Mrイメージング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07323020A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5395059A (en) * | 1993-03-23 | 1995-03-07 | Satake Corporation | Spacer for abrasive roll of abrasive type grain milling machine |
US5413034A (en) * | 1993-08-06 | 1995-05-09 | Satake Corporation | Resistance member adjusting mechanism of abrasive type grain milling machine |
-
1994
- 1994-05-31 JP JP6142549A patent/JPH07323020A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5395059A (en) * | 1993-03-23 | 1995-03-07 | Satake Corporation | Spacer for abrasive roll of abrasive type grain milling machine |
US5413034A (en) * | 1993-08-06 | 1995-05-09 | Satake Corporation | Resistance member adjusting mechanism of abrasive type grain milling machine |
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