JPH073228Y2 - 天井用換気扇 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、換気扇本体を、室内側より天井の開口部を通
し天井裏に位置させてその天井の開口部縁に取付ける構
成とした天井用換気扇に関する。

（従来の技術） 従来より、天井用換気扇としては、第５図に示される構
成としたものがある。即ち、１は換気扇本体であり、こ
れは、下面を開放した外箱２の内部に、モータ３および
羽根４を有して成る送風機５等を備えた構成である。上
記外箱２の下端縁部にはフランジ６が形成されている。
７は排気ダクト８に接続される接続管である。上記換気
扇本体１は、天井に開口部Ａの挿通されて該天井裏に配
置されており、この場合、外箱２のフランジ６を開口部
Ａの縁部である木枠Ｂに取付けられている。その取付手
段および取付方法について述べる。まず、換気扇本体１
を開口部Ａに室内Ｒ側から挿入しフランジ６を木枠Ｂの
下面にあてがい、この状態で、仮固定用の蝶ボルト９を
外箱２の内部から側壁のねじ孔部（図示せず）を通して
木枠Ｂの側壁に押圧して、該換気扇本体１を仮固定す
る。そして、木ねじ10を、フランジ６に形成したねじ挿
通孔（図示せず）を通して木枠Ｂに捩じ込むことにより
該フランジ６を該木枠Ｂに取付けている。なお、この
後、開口部Ａを覆うべくグリル11を換気扇本体１に取付
ける。

（考案が解決しようとする課題） ところが、上記従来のものでは、蝶ねじ９によって換気
扇本体１を仮固定する場合、換気扇本体１が落ちないよ
うにこれを支える作業と、ねじ締め作業とを一人の作業
者で行なうことができず、どうしても二人の作業者を必
要とする不具合があった。また、木ねじ10,10によるね
じ締め作業は、木ねじ10を木枠Ｂに直接捩じ込むため、
かなりの力をを要する問題があり、総じて換気扇本体１
の取付けが非常に面倒であった。

従って本考案の目的は、天井開口部への換気扇本体の取
付けを容易に行なうことができる天井用換気扇を提供す
るにある。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 本考案は、下端縁部にフランジを有する外箱の内部に送
風機等を備えて成る換気扇本体を、室内側より天井の開
口部を通し天井裏に位置させてその天井の開口部縁に取
付ける構成としたものにおいて、前記換気扇本体の外箱
の側壁に上下方向に延びるように形成したガイド孔部
と、このガイド孔部を貫通するねじを有し前記外箱の側
壁外面に前記ガイド孔部に沿って上下移動可能に設けら
れ前記外箱内からのねじ締めによって任意の移動位置に
固定される移動体と、この移動体に前記外箱外方へ張り
出す張出位置と該外箱に沿う退避位置との間で回動可能
に設けられ前記退避位置側への回動により前記開口部に
対する通過が可能で前記張出位置にて前記開口部縁の上
面に対して掛合可能な掛合体と、該掛合体を常時は前記
張出位置へ回動付勢し前記開口部への換気扇本体の挿入
時に該掛合体の退避位置への回動を許容し挿入後には前
記開口部縁上方にて張出位置へ復帰させるばねとを具備
し、前記掛合体と前記フランジとで前記天井の開口部縁
を挟んで前記換気扇本体を天井に取付けて成るものであ
る。

（作用） 掛合体は常時はばねによって外箱外方へ張り出す張出位
置に保持されている。この状態で換気扇本体を天井の開
口部に室内から挿入すると、掛合板は退避位置に回動を
伴いながら開口部を通過し、そしてこの換気扇本体の挿
入後にはばねによって張出位置に復帰する。この結果、
掛合体は張出した状態で開口部縁の上方に位置すること
になり、従って、換気扇本体に対する支えを作業者が解
除したとしても掛合体が開口部縁上に掛合されるから、
換気扇本体が落ちることはない。この後、この外箱のフ
ランジと掛合体とで天井開口部縁を挟むべく掛合体を移
動体ごと適宜移動させることを行なうが、この移動作業
およびその後の固定のためのねじ締め作業は、換気扇本
体が落ち止めされていることから、一人の作業者による
作業で済む。また、移動体の固定のためのねじ締めは移
動体が備えたねじによるねじ締めであるから、かなりの
力の要る木ねじのねじ締めとは違って労力の軽減が図れ
る。

（実施例） 以下、本考案の一実施例につき第１図ないし第４図を参
照して説明する。

まず、第１図において、21は換気扇本体であり、これ
は、下面を解放した外箱22の内部に、モータ23および羽
根24を有して成る送風機25等を備えた構成であり、外箱
22の下端縁部にはフランジ26が形成されている。27は排
気ダクト28に接続される接続管、29は天井の開口部Ａを
覆うためのグリルである。

上記換気扇本体21は室内Ｒ側より天井の開口部Ａを通し
天井裏に位置されて開口部縁である木枠Ｂに取付けられ
ており、その取付構成について述べる。30,30はガイド
孔部であり、これは、前記換気扇本体21の外箱22の対向
側壁22a,22aにそれぞれ上下方向に延びるように形成さ
れている。このガイド孔部30,30にはそれぞれ換気扇本
体21取付けのための同一構成部品が設けられており、従
って一方例えば左のガイド孔部30における構成部品につ
いて述べる。第２図および第３図において、31は移動体
としての移動板であり、これには前記ガイド孔部30を貫
通するねじ32が取着されており、該移動板31は外箱22の
外面に該ガイド孔部30に沿って上下移動可能に設けられ
ている。33はねじ挿通孔33aを形成した遮蔽板であり、
これは外箱22の内面側において前記移動板31と対向し且
つ前記ガイド孔部30を遮蔽するように位置されており、
この場合、そのねじ挿通孔33aに前記ねじ32が挿通され
ている。34は前記ねじ32にあって遮蔽板33から突出する
部分に螺合された蝶ナットであり、これは外箱22内から
締めることによって前記移動板31を任意の移動位置に固
定できるようになっている。

35は掛合体としての掛合板であり、これは、前記移動板
31の上部に軸36を介して回動可能に設けられており、こ
れは外箱22外方へ張り出す張出位置（第２図実線位置）
と外箱22に沿う退避位置（同図二点鎖線位置）との間で
回動するものであり、張出位置から上方への回動は、移
動板31に形成されたストッパ37によって阻止されるよう
になっている。さらに、この掛合板35は退避位置側への
回動により天井の開口部Ａに対する通過が可能であり、
また、張出位置で木枠Ｂの上面に対して掛合が可能とな
っている。38は上記軸36に巻回されたばねで、このばね
38により前記掛合板35を常時は張出位置に回動付勢する
ようになっている。

さて、上記構成において、換気扇本体21を木枠Ｂに取付
ける場合について述べる。まず、第２図に示すように、
移動板31を移動調節して掛合板35を外箱22のフランジ26
からある距離Ｌ離しておく。この距離Ｌは木枠Ｂの厚み
と掛合板35の幅Ｌと合わせた寸法以上としておく。この
後、換気扇本体21を開口部Ａに挿入する。このとき張出
位置にある掛合板35は木枠Ｂに当接するが、ばね38は該
掛合板35の退避位置側への回動を許容するから、結局掛
合板35は退避位置側へ回動しつつ該木枠Ｂ部分を通過
し、そして通過後つまり換気扇本体21の挿入後（第４図
参照）には、掛合板35はばね38のばね力によって張出位
置へ復帰される。この結果、該掛合板35は張出した状態
で開口部縁の上方に位置することになり、従って、換気
扇本体21に対する支えを作業者が解除したとしても該掛
合板35が開口部Ａ縁たる木枠Ｂ上に掛合されるから、該
換気扇本体21が落ちることはない。この後、この外箱22
のフランジ26と該掛合板35とで木枠Ｂを挟むべく掛合板
35を移動板31ごと適宜移動（この場合下方へ移動）させ
ることを行なうが、この移動作業およびその後の固定の
ためのねじ締め作業は、換気扇本体21が落ち止めされて
いることから、一人の作業者による作業で済む。また、
移動板31の固定のためのねじ締めは移動板31が備えたね
じ32に対する蝶ナット34によるねじ締めであるから、か
なりの力が要る木ねじのねじ締めとは違って労力の軽減
を図ることができ、総じて、換気扇本体21の取付作業を
きわめて容易に行なうことができる。なお、この換気扇
本体21の取付け後、グリル29を換気扇本体21に取付け
る。

尚、本考案は、上記し且図面に示す実施例のみに限定さ
れるものどはなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更
して実施し得るものである。

［考案の効果］ 本考案は、以上の記述にて明らかなように、下端縁部に
フランジを有する外箱の内部に送風機等を備えて成る換
気扇本体を、室内側より天井の開口部を通し天井裏に位
置させてその天井の開口部縁に取付ける構成としたもの
において、前記換気扇本体の外箱の側壁に上下方向に延
びるように形成したガイド孔部と、このガイド孔部を貫
通するねじを有し前記外箱の側壁外面に前記ガイド孔部
に沿って上下移動可能に設けられ前記外箱内からのねじ
締めによって任意の移動位置に固定される移動体と、こ
の移動体に前記外箱外方へ張り出す張出位置と該外箱に
沿う退避位置との間で回動可能に設けられ前記退避位置
側への回動により前記開口部に対する通過が可能で前記
張出位置にて前記開口部縁の上面に対して掛合可能な掛
合体と、該掛合体を常時は前記張出位置へ回動付勢し前
記開口部への換気扇本体の挿入時に該掛合体の退避位置
への回動を許容し挿入後には前記開口部縁上方にて張出
位置へ復帰させるばねとを具備し、前記掛合体を前記フ
ランジとで前記天井の開口部縁を挟んで前記換気扇本体
を天井に取付けて成るものであり、これにて、換気扇本
体を開口部に挿入するだけで該換気扇本体を落ち止めで
きるから換気扇本体の取付作業を一人で行なうことが可
能となり、また、労力を要する木ねじのねじ締め作業も
行なわずに済み、総じて、天井開口部縁に対する換気扇
本体の取付けをきわめて容易に行なうことができるとい
った効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の一実施例を示し、第１図
は換気扇本体取付状態における全体の縦断面図、第２図
は要部の拡大縦断面図、第３図は移動板および掛合板部
分の斜視図、第４図は取付手順を説明するための縦断面
図である。第５図は従来例を示す第１図相当図である。 図中、21は換気扇本体、22は外箱、25は送風機、26はフ
ランジ、30はガイド孔部、31は移動板（移動体）、32は
ねじ、35は掛合板（掛合体）、37はストッパ、38はばね
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下端縁部にフランジを有する外箱の内部に
   送風機等を備えて成る換気扇本体を、室内側より天井の
   開口部を通し天井裏に位置させてその天井の開口部縁に
   取付ける構成としたものにおいて、前記換気扇本体の外
   箱の側壁に上下方向に延びるように形成したガイド孔部
   と、このガイド孔部を貫通するねじを有し前記外箱の側
   壁外面に前記ガイド孔部に沿って上下移動可能に設けら
   れ前記外箱内からのねじ締めによって任意の移動位置に
   固定される移動体と、この移動体に前記外箱外方へ張り
   出す張出位置と該外箱に沿う退避位置との間で回動可能
   に設けられ前記退避位置側への回動により前記開口部に
   対する通過が可能で前記張出位置にて前記開口部縁の上
   面に対して掛合可能な掛合体と、該掛合体を常時は前記
   張出位置へ回動付勢し前記開口部への換気扇本体の挿入
   時に該掛合体の退避位置への回動を許容し挿入後には前
   記開口部縁上方にて張出位置へ復帰させるばねとを具備
   し、前記掛合体と前記フランジとで前記天井の開口部縁
   を挟んで前記換気扇本体を天井に取付けて成る天井用換
   気扇。