JPH07321508A - 帯域通過ろ波器及びこの帯域通過ろ波器を用いて成る共用器 - Google Patents
帯域通過ろ波器及びこの帯域通過ろ波器を用いて成る共用器Info
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- JPH07321508A JPH07321508A JP13644994A JP13644994A JPH07321508A JP H07321508 A JPH07321508 A JP H07321508A JP 13644994 A JP13644994 A JP 13644994A JP 13644994 A JP13644994 A JP 13644994A JP H07321508 A JPH07321508 A JP H07321508A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】段間結合が磁気結合又は容量結合の何れの結合
も実現可能で、共振素子の中心間隔を変えることなく結
合係数を変えることができ、生産性に優れた帯域通過ろ
波器及びこの帯域通過ろ波器より成る共用器を実現す
る。 【構成】共通の誘電体ブロック内に配設され、段間結合
が本来磁気結合である隣接共振素子間に段間結合用容量
素子を設けてある。この容量素子の容量と隣接共振素子
間における等価段間結合インダクタンスより成る段間結
合用並列共振回路のインピ−ダンスは、共振周波数より
低い周波数領域において誘導性で、段間結合が磁気結合
となり、可変容量素子の容量を変えることにより磁気結
合係数を変えることができる。又、段間結合用並列共振
回路のインピ−ダンスは、共振周波数より高い周波数領
域において容量性で、段間結合が容量結合となり、可変
容量素子の容量を変えることにより容量結合係数を変え
ることができる。
も実現可能で、共振素子の中心間隔を変えることなく結
合係数を変えることができ、生産性に優れた帯域通過ろ
波器及びこの帯域通過ろ波器より成る共用器を実現す
る。 【構成】共通の誘電体ブロック内に配設され、段間結合
が本来磁気結合である隣接共振素子間に段間結合用容量
素子を設けてある。この容量素子の容量と隣接共振素子
間における等価段間結合インダクタンスより成る段間結
合用並列共振回路のインピ−ダンスは、共振周波数より
低い周波数領域において誘導性で、段間結合が磁気結合
となり、可変容量素子の容量を変えることにより磁気結
合係数を変えることができる。又、段間結合用並列共振
回路のインピ−ダンスは、共振周波数より高い周波数領
域において容量性で、段間結合が容量結合となり、可変
容量素子の容量を変えることにより容量結合係数を変え
ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無線通信装置又は移動
通信装置等の構成素子として好適な誘電体帯域通過ろ波
器及びこの帯域通過ろ波器を用いて成る共用器に関する
ものである。
通信装置等の構成素子として好適な誘電体帯域通過ろ波
器及びこの帯域通過ろ波器を用いて成る共用器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図23は、従来の誘電体帯域通過ろ波器
の要部を示す断面図で、111 ないし114 は共振素子、12
1 ないし124 は固体誘電体、1312、1323及び1334は段間
シ−ルド板、14は段間結合容量形成電極の支持用誘電体
板で、固体誘電体121 ないし124 の上部に取り付けてあ
る。図24は、電極の支持用誘電体板14の表面(図23
と同様の面)を示す拡大図、図25はその裏面を示す拡
大図で、1412、1423及び1434は誘電体板14の表面に設け
た段間結合容量形成電極で、電極1412は共振素子111 の
頂部に、電極1423は共振素子112 の頂部に、電極1434は
共振素子113 の頂部に、それぞれ電気的に接続してあ
る。1421、1432及び1443は誘電体板14の裏面に設けた段
間結合容量形成電極で、電極1421は共振素子112 の頂部
に、電極1432は共振素子113 の頂部に、電極1443は共振
素子114 の頂部に、それぞれ電気的に接続してある。
尚、図23には、共通のシ−ルドケ−ス、入出力結合素
子、入出力端子及び共振周波数の微調整素子等を図示す
るのを省略してある。
の要部を示す断面図で、111 ないし114 は共振素子、12
1 ないし124 は固体誘電体、1312、1323及び1334は段間
シ−ルド板、14は段間結合容量形成電極の支持用誘電体
板で、固体誘電体121 ないし124 の上部に取り付けてあ
る。図24は、電極の支持用誘電体板14の表面(図23
と同様の面)を示す拡大図、図25はその裏面を示す拡
大図で、1412、1423及び1434は誘電体板14の表面に設け
た段間結合容量形成電極で、電極1412は共振素子111 の
頂部に、電極1423は共振素子112 の頂部に、電極1434は
共振素子113 の頂部に、それぞれ電気的に接続してあ
る。1421、1432及び1443は誘電体板14の裏面に設けた段
間結合容量形成電極で、電極1421は共振素子112 の頂部
に、電極1432は共振素子113 の頂部に、電極1443は共振
素子114 の頂部に、それぞれ電気的に接続してある。
尚、図23には、共通のシ−ルドケ−ス、入出力結合素
子、入出力端子及び共振周波数の微調整素子等を図示す
るのを省略してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図23に要部を示した
従来の帯域通過ろ波器においては、共通のシ−ルドケ−
ス(図示していない)の一部と共振素子111 及び固体誘
電体121 によって初段の共振器が、共通のシ−ルドケ−
スの一部と共振素子112 及び固体誘電体122 によって次
段の共振器が、共通のシ−ルドケ−スの一部と共振素子
113 及び固体誘電体123 によって第3段の共振器が、共
通のシ−ルドケ−スの一部と共振素子114及び固体誘電
体124 によって終段の共振器が、それぞれ形成され、段
間に挿入されたシ−ルド板1312、1323及び1334によって
段間の磁気結合が遮断され、誘電体板14の表裏面に設け
た電極1412と1421によって初段と次段の共振器間が、電
極1423と1432によって次段と第3段の共振器間が、電極
1434と1443によって第3段と終段の共振器間が、それぞ
れ容量結合されるように構成してあるので、特に、固体
誘電体121 ないし124 が各独立に形成され、段間の磁気
結合を遮断するためにシ−ルド板1312、1323及び1334を
設ける必要のあることが主たる原因となって部品数が多
くなり、組み立て及び調整に多くの時間と労力を必要と
し、コスト高となるのを免れることができない。
従来の帯域通過ろ波器においては、共通のシ−ルドケ−
ス(図示していない)の一部と共振素子111 及び固体誘
電体121 によって初段の共振器が、共通のシ−ルドケ−
スの一部と共振素子112 及び固体誘電体122 によって次
段の共振器が、共通のシ−ルドケ−スの一部と共振素子
113 及び固体誘電体123 によって第3段の共振器が、共
通のシ−ルドケ−スの一部と共振素子114及び固体誘電
体124 によって終段の共振器が、それぞれ形成され、段
間に挿入されたシ−ルド板1312、1323及び1334によって
段間の磁気結合が遮断され、誘電体板14の表裏面に設け
た電極1412と1421によって初段と次段の共振器間が、電
極1423と1432によって次段と第3段の共振器間が、電極
1434と1443によって第3段と終段の共振器間が、それぞ
れ容量結合されるように構成してあるので、特に、固体
誘電体121 ないし124 が各独立に形成され、段間の磁気
結合を遮断するためにシ−ルド板1312、1323及び1334を
設ける必要のあることが主たる原因となって部品数が多
くなり、組み立て及び調整に多くの時間と労力を必要と
し、コスト高となるのを免れることができない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、共通の誘電体
ブロック内に適宜間隔を隔ててコムライン形に配設さ
れ、隣り合う素子相互が磁気結合される共振素子と、共
振素子のうち、隣り合う共振素子間に介装された段間結
合容量素子とを備えた帯域通過ろ波器を実現することに
よって、従来の誘電体帯域通過ろ波器の欠点を除こうと
するものである。
ブロック内に適宜間隔を隔ててコムライン形に配設さ
れ、隣り合う素子相互が磁気結合される共振素子と、共
振素子のうち、隣り合う共振素子間に介装された段間結
合容量素子とを備えた帯域通過ろ波器を実現することに
よって、従来の誘電体帯域通過ろ波器の欠点を除こうと
するものである。
【0005】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を示す断面図で、
図1(a)は、図1(b)のB−B断面図、図1(b)
は、図1(a)のA−A断面図、図1(c)は、図1
(a)のC−C断面図で、1は共通のシ−ルドケ−ス、
2は共通の誘電体ブロック、31ないし34は共通の誘電体
ブロック2の長手方向に適宜間隔を隔てて上下方向に穿
った貫通孔、41ないし44は共振素子で、貫通孔31ないし
34の各内周面に付着させた銀又は銅等の金属薄層で形成
するか、貫通孔31ないし34内に嵌入した金属棒又は筒状
の金属体で形成する。5は銀又は銅等の金属薄層で、共
通の誘電体ブロック2の両側壁面、両端壁面及び下壁面
に付着させてある。尚、共通の誘電体ブロック2の下壁
面に付着させた金属薄層5と共振素子41ないし44の各下
端部とを電気的に接続し、共通の誘電体ブロック2の上
壁面には金属薄層を付着させることなく、共通の誘電体
ブロック2の地肌を直接露出させてある。したがって、
共振素子41ないし44の各上端部が開放端となり、各下端
部が短絡端となる。次に、6は入出力結合容量形成電
極、段間結合容量形成電極及び共振周波数微調整容量形
成電極の支持用誘電体板で、共振素子41ないし44の各開
放端の上部に設けてある。図2は、電極の支持用誘電体
板6の表面[図1(b)と同様の面]を示す拡大図で、
601 、612 、623 、634 及び645 は結合容量形成電極
で、電極601 は電極612 を介して共振素子41の開放端
に、電極623 は共振素子42の開放端に、電極63 4 は共振
素子43の開放端に、電極645 は共振素子44の開放端に、
それぞれ接続してある。61ないし64は共振周波数微調整
容量形成電極で、それぞれ金属薄層5を介して接地して
ある。図3は、電極の支持用誘電体板6の裏面を示す拡
大図で、610 、621 、632 、643 及び645 は結合容量形
成電極で、電極610 は入力(又は出力)端子を形成する
同軸接栓70の内部導体に、電極621 は共振素子42の開放
端に、電極632 は共振素子43の開放端に、電極643 は共
振素子44の開放端に、電極654 は出力(又は入力)端子
を形成する同軸接栓75の内部導体に、それぞれ接続して
ある。60は共振周波数微調整容量形成電極で、共振素子
41の開放端に接続してある。電極612 ないし645 及び60
ないし643 と共振素子41ないし44の各開放端との電気的
接続を確実にするため、共振素子41ないし44を金属棒又
は筒状の金属体で形成した場合には、共振素子41ないし
44の各開放端が共通の誘電体ブロック2の上壁面から適
宜の高さだけ上方へ突出するように共通の誘電体ブロッ
ク2の高さを選び、電極の支持用誘電体板6の下縁、し
たがって、電極の支持用誘電体板6の表裏面に設けた電
極612 ないし645 及び60ないし643 の各下縁に共振素子
41ないし44の各開放端が接触するように形成し、電極6
12 ないし645 及び60ないし643の各下縁と共振素子41な
いし44の各開放端との間を半田付け等の手段によって電
気的に接続する。共振素子41ないし44を共通の誘電体ブ
ロック2の高さとほぼ等しい軸長を有する筒状の金属体
又は貫通孔31ないし34の各内周面に付着させた金属薄層
で形成した場合には、図1に示すように、側面から見た
断面形状が逆凸字型の電極81ないし84を共振素子41ない
し44の各開放端に嵌合し、電極81ないし84の各上端面
が、電極の支持用誘電体板6の下縁、したがって、電極
の支持用誘電体板6の表裏面に設けた電極612 ないし6
45 及び60ないし643 の各下縁に接触するように形成
し、電極612 ないし645 及び60ないし643 の各下縁と電
極81ないし84の各上端面との間を半田付け等の手段によ
って電気的に接続する。共振素子41ないし44の各開放端
又は電極81ないし84の各上端面と電極の支持用誘電体板
6の表裏面に設けた電極の各下縁とを半田付け等の手段
によって電気的に接続することによって、電極の支持用
誘電体板6を共振素子41ないし44の上部に十分な機械的
強度で取り付けることができる。尚、電極の支持用誘電
体板6の表裏面に設けた電極612 ないし645 及び60ない
し643 並びに電極61ないし64は、電極の支持用誘電体板
6の表裏面に金属薄層を付着させるか、金属板を貼付し
て形成する。次に、図1において、912 、923 及び934
は容量性の不要モ−ドの阻止用接地導体で、共通の誘電
体ブロック2の上壁面のうち、共振素子41と42の間、42
と43の間、43と44の間の壁面の一部に、この壁面を横幅
方向に横断するように、適宜幅の細長い金属薄層を付着
させるか、金属板を取り付け、各金属薄層又は金属板の
両端又は一端を共通の誘電体ブロック2の側壁面に付着
させた金属薄層5に電気的に接続してある。本発明誘電
体帯域通過ろ波器を構成する各段の共振器間を信号が結
合伝送する際に生じた容量性の不要モ−ドは、接地導体
912 、923 及び934 を介して地気に吸収除去される。
図1(a)は、図1(b)のB−B断面図、図1(b)
は、図1(a)のA−A断面図、図1(c)は、図1
(a)のC−C断面図で、1は共通のシ−ルドケ−ス、
2は共通の誘電体ブロック、31ないし34は共通の誘電体
ブロック2の長手方向に適宜間隔を隔てて上下方向に穿
った貫通孔、41ないし44は共振素子で、貫通孔31ないし
34の各内周面に付着させた銀又は銅等の金属薄層で形成
するか、貫通孔31ないし34内に嵌入した金属棒又は筒状
の金属体で形成する。5は銀又は銅等の金属薄層で、共
通の誘電体ブロック2の両側壁面、両端壁面及び下壁面
に付着させてある。尚、共通の誘電体ブロック2の下壁
面に付着させた金属薄層5と共振素子41ないし44の各下
端部とを電気的に接続し、共通の誘電体ブロック2の上
壁面には金属薄層を付着させることなく、共通の誘電体
ブロック2の地肌を直接露出させてある。したがって、
共振素子41ないし44の各上端部が開放端となり、各下端
部が短絡端となる。次に、6は入出力結合容量形成電
極、段間結合容量形成電極及び共振周波数微調整容量形
成電極の支持用誘電体板で、共振素子41ないし44の各開
放端の上部に設けてある。図2は、電極の支持用誘電体
板6の表面[図1(b)と同様の面]を示す拡大図で、
601 、612 、623 、634 及び645 は結合容量形成電極
で、電極601 は電極612 を介して共振素子41の開放端
に、電極623 は共振素子42の開放端に、電極63 4 は共振
素子43の開放端に、電極645 は共振素子44の開放端に、
それぞれ接続してある。61ないし64は共振周波数微調整
容量形成電極で、それぞれ金属薄層5を介して接地して
ある。図3は、電極の支持用誘電体板6の裏面を示す拡
大図で、610 、621 、632 、643 及び645 は結合容量形
成電極で、電極610 は入力(又は出力)端子を形成する
同軸接栓70の内部導体に、電極621 は共振素子42の開放
端に、電極632 は共振素子43の開放端に、電極643 は共
振素子44の開放端に、電極654 は出力(又は入力)端子
を形成する同軸接栓75の内部導体に、それぞれ接続して
ある。60は共振周波数微調整容量形成電極で、共振素子
41の開放端に接続してある。電極612 ないし645 及び60
ないし643 と共振素子41ないし44の各開放端との電気的
接続を確実にするため、共振素子41ないし44を金属棒又
は筒状の金属体で形成した場合には、共振素子41ないし
44の各開放端が共通の誘電体ブロック2の上壁面から適
宜の高さだけ上方へ突出するように共通の誘電体ブロッ
ク2の高さを選び、電極の支持用誘電体板6の下縁、し
たがって、電極の支持用誘電体板6の表裏面に設けた電
極612 ないし645 及び60ないし643 の各下縁に共振素子
41ないし44の各開放端が接触するように形成し、電極6
12 ないし645 及び60ないし643の各下縁と共振素子41な
いし44の各開放端との間を半田付け等の手段によって電
気的に接続する。共振素子41ないし44を共通の誘電体ブ
ロック2の高さとほぼ等しい軸長を有する筒状の金属体
又は貫通孔31ないし34の各内周面に付着させた金属薄層
で形成した場合には、図1に示すように、側面から見た
断面形状が逆凸字型の電極81ないし84を共振素子41ない
し44の各開放端に嵌合し、電極81ないし84の各上端面
が、電極の支持用誘電体板6の下縁、したがって、電極
の支持用誘電体板6の表裏面に設けた電極612 ないし6
45 及び60ないし643 の各下縁に接触するように形成
し、電極612 ないし645 及び60ないし643 の各下縁と電
極81ないし84の各上端面との間を半田付け等の手段によ
って電気的に接続する。共振素子41ないし44の各開放端
又は電極81ないし84の各上端面と電極の支持用誘電体板
6の表裏面に設けた電極の各下縁とを半田付け等の手段
によって電気的に接続することによって、電極の支持用
誘電体板6を共振素子41ないし44の上部に十分な機械的
強度で取り付けることができる。尚、電極の支持用誘電
体板6の表裏面に設けた電極612 ないし645 及び60ない
し643 並びに電極61ないし64は、電極の支持用誘電体板
6の表裏面に金属薄層を付着させるか、金属板を貼付し
て形成する。次に、図1において、912 、923 及び934
は容量性の不要モ−ドの阻止用接地導体で、共通の誘電
体ブロック2の上壁面のうち、共振素子41と42の間、42
と43の間、43と44の間の壁面の一部に、この壁面を横幅
方向に横断するように、適宜幅の細長い金属薄層を付着
させるか、金属板を取り付け、各金属薄層又は金属板の
両端又は一端を共通の誘電体ブロック2の側壁面に付着
させた金属薄層5に電気的に接続してある。本発明誘電
体帯域通過ろ波器を構成する各段の共振器間を信号が結
合伝送する際に生じた容量性の不要モ−ドは、接地導体
912 、923 及び934 を介して地気に吸収除去される。
【0006】図4は、図1ないし図3について説明した
本発明帯域通過ろ波器の等価回路図で、L1は、共振素子
41、その周りの固体誘電体(共通の誘電体ブロック2の
一部)、共通のシ−ルドケ−ス1の一部によって形成さ
れる初段(又は終段)の共振回路のインダクタンス分、
C1は初段(又は終段)の共振回路の容量分、電極61及び
60によって形成される共振周波数の微調整容量、電極6
10 及び601 によって形成される入力(又は出力)結合
容量の合成容量である。L2は、共振素子42、その周りの
固体誘電体、共通のシ−ルドケ−ス1の一部によって形
成される次段(又は第3段)の共振回路のインダクタン
ス分、C2は次段(又は第3段)の共振回路の容量分、電
極62及び621 によって形成される共振周波数の微調整容
量の合成容量である。L3は、共振素子43、その周りの固
体誘電体、共通のシ−ルドケ−ス1の一部によって形成
される第3段(又は次段)の共振回路のインダクタンス
分、C3は第3段(又は次段)の共振回路の容量分、電極
63及び632 によって形成される共振周波数の微調整容量
の合成容量である。L4は、共振素子44、その周りの固体
誘電体、共通のシ−ルドケ−ス1の一部によって形成さ
れる終段(又は初段)の共振回路のインダクタンス分、
C4は終段(又は初段)の共振回路の容量分、電極64及び
643 によって形成される共振周波数の微調整容量、電極
645 及び654 によって形成される出力(又は入力)結合
容量の合成容量である。C12 は電極612 及び621 によっ
て形成される段間結合容量、C23 は電極623 及び632 に
よって形成される段間結合容量、C34 は電極634 及び6
43 によって形成される段間結合容量、M12 、M23 及びM
34 は段間磁気結合係数、T0は入力(又は出力)端子、T
5は出力(又は入力)端子である。
本発明帯域通過ろ波器の等価回路図で、L1は、共振素子
41、その周りの固体誘電体(共通の誘電体ブロック2の
一部)、共通のシ−ルドケ−ス1の一部によって形成さ
れる初段(又は終段)の共振回路のインダクタンス分、
C1は初段(又は終段)の共振回路の容量分、電極61及び
60によって形成される共振周波数の微調整容量、電極6
10 及び601 によって形成される入力(又は出力)結合
容量の合成容量である。L2は、共振素子42、その周りの
固体誘電体、共通のシ−ルドケ−ス1の一部によって形
成される次段(又は第3段)の共振回路のインダクタン
ス分、C2は次段(又は第3段)の共振回路の容量分、電
極62及び621 によって形成される共振周波数の微調整容
量の合成容量である。L3は、共振素子43、その周りの固
体誘電体、共通のシ−ルドケ−ス1の一部によって形成
される第3段(又は次段)の共振回路のインダクタンス
分、C3は第3段(又は次段)の共振回路の容量分、電極
63及び632 によって形成される共振周波数の微調整容量
の合成容量である。L4は、共振素子44、その周りの固体
誘電体、共通のシ−ルドケ−ス1の一部によって形成さ
れる終段(又は初段)の共振回路のインダクタンス分、
C4は終段(又は初段)の共振回路の容量分、電極64及び
643 によって形成される共振周波数の微調整容量、電極
645 及び654 によって形成される出力(又は入力)結合
容量の合成容量である。C12 は電極612 及び621 によっ
て形成される段間結合容量、C23 は電極623 及び632 に
よって形成される段間結合容量、C34 は電極634 及び6
43 によって形成される段間結合容量、M12 、M23 及びM
34 は段間磁気結合係数、T0は入力(又は出力)端子、T
5は出力(又は入力)端子である。
【0007】図5は、図1における共通のシ−ルドケ−
ス1、金属薄層5、電極の支持用誘電体板6、同軸接栓
70及び75、容量性の不要モ−ドの阻止用接地導体912 、
923及び934 を省き、隣り合う任意の2個の共振素子を
含む共通の誘電体ブロック2の一部分を示す断面図で、
図5(a)は、図5(b)のB−B断面図、図5(b)
は、図5(a)のA−A断面図、図5(c)は、図5
(b)のC−C断面図で、2は共通の誘電体ブロック、
4k及び4k+1は共振素子で、図1には共振素子が4個、即
ち、帯域通過ろ波器の次数が4の場合を例示したが、次
数はこれを適宜増減して本発明を実施することができる
から、一般的にはk=1、2、3、・・・・・(n−
1)である。但し、nは任意の正の整数である。Sk,k+1
は隣り合う共振素子の中心間隔、dは共振素子の直径、
Wは共通の誘電体ブロック2の横幅である。図5(a)
において、矢印を付した実線は電界分布、矢印を付した
破線は磁界分布を示す。共振素子4k及び4k+1の特性イン
ピ−ダンスZOは、次式で求められる。
ス1、金属薄層5、電極の支持用誘電体板6、同軸接栓
70及び75、容量性の不要モ−ドの阻止用接地導体912 、
923及び934 を省き、隣り合う任意の2個の共振素子を
含む共通の誘電体ブロック2の一部分を示す断面図で、
図5(a)は、図5(b)のB−B断面図、図5(b)
は、図5(a)のA−A断面図、図5(c)は、図5
(b)のC−C断面図で、2は共通の誘電体ブロック、
4k及び4k+1は共振素子で、図1には共振素子が4個、即
ち、帯域通過ろ波器の次数が4の場合を例示したが、次
数はこれを適宜増減して本発明を実施することができる
から、一般的にはk=1、2、3、・・・・・(n−
1)である。但し、nは任意の正の整数である。Sk,k+1
は隣り合う共振素子の中心間隔、dは共振素子の直径、
Wは共通の誘電体ブロック2の横幅である。図5(a)
において、矢印を付した実線は電界分布、矢印を付した
破線は磁界分布を示す。共振素子4k及び4k+1の特性イン
ピ−ダンスZOは、次式で求められる。
【数1】 ε:共通の誘電体ブロック2の比誘電率 本発明帯域通過ろ波器はコムライン形ろ波器であるか
ら、共振素子4k及び4k+1の軸長は、ほぼ0.95λg/4 に選
ぶこととなるので、共振素子の分布インダクタンス分L
は、次式で求めることができる。
ら、共振素子4k及び4k+1の軸長は、ほぼ0.95λg/4 に選
ぶこととなるので、共振素子の分布インダクタンス分L
は、次式で求めることができる。
【数2】
【0008】図1に示した電極の支持用誘電体板6の表
裏面に設けた段間結合容量形成電極612 ないし634 及び
621 ないし643 を省いた状態においては、共振素子41な
いし44の各段間結合は磁気結合となる。今、上記のよう
に、電極の支持用誘電体板6の表裏面に設けた段間結合
容量形成電極612 ないし634 及び621 ないし643 を省い
た状態を想定して共振素子41及び42の各分布インダクタ
ンス分L1及びL2と、共振素子41及び42間の磁気結合係数
M12 に着目した場合の基本等価回路は図6で示され、図
6の等価回路は、一般に図7の等価回路で示される。図
7の等価回路は、図8に示す等価回路に変換し得るが、
これを図9及び図10について説明する。図9における
各回路定数をZ1、Z2及びZ3、図10における各回路定数
をZA、ZB及びZCとすると、これらの間には等価変換公式
によって次の各式が成立する。
裏面に設けた段間結合容量形成電極612 ないし634 及び
621 ないし643 を省いた状態においては、共振素子41な
いし44の各段間結合は磁気結合となる。今、上記のよう
に、電極の支持用誘電体板6の表裏面に設けた段間結合
容量形成電極612 ないし634 及び621 ないし643 を省い
た状態を想定して共振素子41及び42の各分布インダクタ
ンス分L1及びL2と、共振素子41及び42間の磁気結合係数
M12 に着目した場合の基本等価回路は図6で示され、図
6の等価回路は、一般に図7の等価回路で示される。図
7の等価回路は、図8に示す等価回路に変換し得るが、
これを図9及び図10について説明する。図9における
各回路定数をZ1、Z2及びZ3、図10における各回路定数
をZA、ZB及びZCとすると、これらの間には等価変換公式
によって次の各式が成立する。
【数3】 図8における各回路定数をZAL 、ZBL 及びZCL とする
と、図8における各回路定数と図7における各回路定数
L1−M12 、L2−M12 及びM12 との関係は、式(3)ない
し式(5)から次の各式で表わされる。
と、図8における各回路定数と図7における各回路定数
L1−M12 、L2−M12 及びM12 との関係は、式(3)ない
し式(5)から次の各式で表わされる。
【数4】 図8に示した各回路定数を、式(6)ないし式(8)で
示した関係を有するように選ぶことによって、図7の等
価回路は、図8の等価回路で表わされることとなる。
尚、L1、L2及びM12 の間には、 M12 ≪L1≒L2 ・・・・(9) の関係があるので、式(8)における
示した関係を有するように選ぶことによって、図7の等
価回路は、図8の等価回路で表わされることとなる。
尚、L1、L2及びM12 の間には、 M12 ≪L1≒L2 ・・・・(9) の関係があるので、式(8)における
【数5】 の値は極めて大となる。
【0009】図6ないし図10について説明した等価変
換手法に基づいて図4に示した等価回路をπ型回路に変
換した等価回路は、図11で示される。図11における
L12 は図8におけるZCL に対応するインダクタンスで、
容量C1 2 と共に共振素子41及び42間の結合用並列共振回
路を形成する。L23 は、容量C23 と共に共振素子42及び
43間の結合用並列共振回路を形成するインダクタンス、
L34 は、容量C34 と共に共振素子43及び44間の結合用並
列共振回路を形成するインダクタンスで、他の符号は、
図4と同様である。図11における各段間結合用並列共
振回路を一般的に図12に示すように表わすと、その合
成リアクタンス −jxT は、
換手法に基づいて図4に示した等価回路をπ型回路に変
換した等価回路は、図11で示される。図11における
L12 は図8におけるZCL に対応するインダクタンスで、
容量C1 2 と共に共振素子41及び42間の結合用並列共振回
路を形成する。L23 は、容量C23 と共に共振素子42及び
43間の結合用並列共振回路を形成するインダクタンス、
L34 は、容量C34 と共に共振素子43及び44間の結合用並
列共振回路を形成するインダクタンスで、他の符号は、
図4と同様である。図11における各段間結合用並列共
振回路を一般的に図12に示すように表わすと、その合
成リアクタンス −jxT は、
【数6】 式(10)においてxL >xC であれば、−jxT は容量
性となり、図12は図13のように表わすことができ、
したがって、図11は図14(符号は、図11と同じ)
のように表わすことができる。図1に示した電極の支持
用誘電体板6の表裏面に設けた段間結合容量形成電極6
12 ないし634 及び621 ないし643 を省いた状態におい
ては共振素子41ないし44の各段間結合が磁気結合となる
こと前述のとおりであるが、この場合における各段間の
磁気結合損失(誘導性リアクタンス)の大きさL
M(k,k+1) は、次式で求められる。
性となり、図12は図13のように表わすことができ、
したがって、図11は図14(符号は、図11と同じ)
のように表わすことができる。図1に示した電極の支持
用誘電体板6の表裏面に設けた段間結合容量形成電極6
12 ないし634 及び621 ないし643 を省いた状態におい
ては共振素子41ないし44の各段間結合が磁気結合となる
こと前述のとおりであるが、この場合における各段間の
磁気結合損失(誘導性リアクタンス)の大きさL
M(k,k+1) は、次式で求められる。
【数7】 又、図12に示した −jxC 及びjxL を−jx
C(k,k+1)及びjxL(k,k+1)で表わすと、xL(k,k+1)は式
(11)におけるLM(k,k+1) を用いて、次式で表わされ
る。
C(k,k+1)及びjxL(k,k+1)で表わすと、xL(k,k+1)は式
(11)におけるLM(k,k+1) を用いて、次式で表わされ
る。
【数8】 図12に示した −jxC 及びjxL を上記のように−
jxC(k,k+1)及びjxL(k,k+1)で表わすと、式(10)は
次式で表わされる。
jxC(k,k+1)及びjxL(k,k+1)で表わすと、式(10)は
次式で表わされる。
【数9】 式(13)においてxL(k,k+1)>xC(k,k+1)である場合に
は、−jxT(k,k+1)は容量性となるので、
は、−jxT(k,k+1)は容量性となるので、
【数10】 したがって、
【数11】 式(14)におけるxT(k,k+1)は、本発明帯域通過ろ波器
における各段間結合用並列共振回路の回路定数で、その
大きさは回路設計から求めることができる。式(14)に
おけるxL(k,k+1)は、式(12)に示すように LM(k,k+1)
から求めることができ、 LM(k,k+1)は式(11)に示すよ
うに、隣り合う共振素子の中心間隔Sk,k+1 、共振素子
の直径d、共通の誘電体ブロック2の横幅W及びその比
誘電率ε、伝送信号の自由空間波長λから求めることが
できる。式(14)におけるxC(k,k+1)は、次式で求めら
れる。
における各段間結合用並列共振回路の回路定数で、その
大きさは回路設計から求めることができる。式(14)に
おけるxL(k,k+1)は、式(12)に示すように LM(k,k+1)
から求めることができ、 LM(k,k+1)は式(11)に示すよ
うに、隣り合う共振素子の中心間隔Sk,k+1 、共振素子
の直径d、共通の誘電体ブロック2の横幅W及びその比
誘電率ε、伝送信号の自由空間波長λから求めることが
できる。式(14)におけるxC(k,k+1)は、次式で求めら
れる。
【数12】 L:式(2)で示した共振素子の分布インダクタンス分 段間結合容量Ck,k+1 (図14におけるC12 、C23 及び
C34 )は、次式で求められる。
C34 )は、次式で求められる。
【数13】 以上は、本発明を無極形の帯域通過ろ波器に実施した場
合について説明したが、その通過域がチェビシェフ特性
となるように構成した場合、その伝送特性は、次式で求
めることができる。
合について説明したが、その通過域がチェビシェフ特性
となるように構成した場合、その伝送特性は、次式で求
めることができる。
【数14】 ATT :伝送損失 Tn(x) :チェビシェフの多項式で、x<1 の場合、 Tn(x) = cos(n cos-1x) x>1 の場合、 Tn(x) =cosh(n cosh-1 x) x:基準化周波数で、
【数15】 f0 :帯域通過ろ波器の通過域における中心周波数 f:任意の伝送周波数 BWr:帯域通過ろ波器の許容通過周波数帯域幅 S:通過帯域内における許容電圧定在波比(VSWR) 図15は、上記本発明帯域通過ろ波器の伝送特性を示す
図で、横軸は周波数、縦軸は減衰量である。図16は、
図11に等価回路を示した本発明無極形帯域通過ろ波器
に副結合回路を設けることによって、有極形帯域通過ろ
波器を構成した一例を示す等価回路で、C0M 及びCM5 は
副結合容量、M05 は副磁気結合係数で、他の符号は図1
1と同様である。図16に示すように、2個又はその整
数倍の個数の共振回路を隔てた共振回路相互間を副結合
することによって、有極形帯域通過ろ波器を構成するこ
とができる。図16に示した本発明有極形帯域通過ろ波
器において通過域がチェビシェフ特性となるように構成
した場合、その伝送特性は、次式で求めることができ
る。
図で、横軸は周波数、縦軸は減衰量である。図16は、
図11に等価回路を示した本発明無極形帯域通過ろ波器
に副結合回路を設けることによって、有極形帯域通過ろ
波器を構成した一例を示す等価回路で、C0M 及びCM5 は
副結合容量、M05 は副磁気結合係数で、他の符号は図1
1と同様である。図16に示すように、2個又はその整
数倍の個数の共振回路を隔てた共振回路相互間を副結合
することによって、有極形帯域通過ろ波器を構成するこ
とができる。図16に示した本発明有極形帯域通過ろ波
器において通過域がチェビシェフ特性となるように構成
した場合、その伝送特性は、次式で求めることができ
る。
【数16】 図16に示したように回路次数nが4、即ち、nが偶数
の場合は、
の場合は、
【数17】 次数nが奇数の場合は、
【数18】 fp:許容電圧定在波比を与えるバンドエッジの周波数 上式においてReは実数部をとるの意、Imは虚数部をとる
の意である。図17は、図16に示した本発明有極形帯
域通過ろ波器の伝送特性を示す図で、横軸及び縦軸は図
15と同様である。
の意である。図17は、図16に示した本発明有極形帯
域通過ろ波器の伝送特性を示す図で、横軸及び縦軸は図
15と同様である。
【0010】図18は、本発明帯域通過ろ波器を用いて
構成した共用器を示す図で、BPF・Cは入出力結合が容量
結合で、段間結合が容量結合である無極形又は有極形の
本発明帯域通過ろ波器、即ち、式(10)においてxL >
xC とし、図12に示した段間結合用並列共振回路を容
量性とした本発明帯域通過ろ波器、BPF・M は入出力結合
が容量結合で、段間結合が磁気結合である無極形又は有
極形の本発明帯域通過ろ波器、即ち、式(10)において
xL <xC とし、図12に示した段間結合用並列共振回
路を誘導性とした本発明帯域通過ろ波器、ZMはインピ−
ダンス整合用のインダクタンス素子、TC共通の入力(又
は出力)端子、TL及びTHは出力(又は入力)端子であ
る。図19は、図18に示した本発明共用器を構成する
帯域通過ろ波器BPF・C 及びBPF・M をそれぞれ無極形に形
成した場合における伝送特性を示す図、図20は、図1
8に示した本発明共用器を構成する帯域通過ろ波器BPF・
C 及びBPF・M をそれぞれ有極形に形成した場合における
伝送特性を示す図で、図19及び図20の各横軸は周波
数、各縦軸は減衰量である。図19及び図20から明ら
かなように、段間結合が容量結合である帯域通過ろ波器
BPF・C においては、共振周波数fHより低い周波数領域に
おける減衰特性曲線の勾配が急峻で、共振周波数fHより
高い周波数領域における減衰特性曲線の勾配が緩やかで
あり、段間結合が磁気結合である帯域通過ろ波器BPF・M
においては、共振周波数fLより高い周波数領域における
減衰特性曲線の勾配が急峻で、共振周波数fLより低い周
波数領域における減衰特性曲線の勾配が緩やかである。
したがって、段間結合が磁気結合である帯域通過ろ波器
BPF・M の共振周波数fLを、段間結合が容量結合である帯
域通過ろ波器BPF・C の共振周波数fHより低くなるように
設定すれば、各帯域通過ろ波器BPF(C)及びBPF(M)の各次
数を少なくして減衰域における減衰量を大にすることが
でき、挿入損失の小さい共用器を実現することができ
る。
構成した共用器を示す図で、BPF・Cは入出力結合が容量
結合で、段間結合が容量結合である無極形又は有極形の
本発明帯域通過ろ波器、即ち、式(10)においてxL >
xC とし、図12に示した段間結合用並列共振回路を容
量性とした本発明帯域通過ろ波器、BPF・M は入出力結合
が容量結合で、段間結合が磁気結合である無極形又は有
極形の本発明帯域通過ろ波器、即ち、式(10)において
xL <xC とし、図12に示した段間結合用並列共振回
路を誘導性とした本発明帯域通過ろ波器、ZMはインピ−
ダンス整合用のインダクタンス素子、TC共通の入力(又
は出力)端子、TL及びTHは出力(又は入力)端子であ
る。図19は、図18に示した本発明共用器を構成する
帯域通過ろ波器BPF・C 及びBPF・M をそれぞれ無極形に形
成した場合における伝送特性を示す図、図20は、図1
8に示した本発明共用器を構成する帯域通過ろ波器BPF・
C 及びBPF・M をそれぞれ有極形に形成した場合における
伝送特性を示す図で、図19及び図20の各横軸は周波
数、各縦軸は減衰量である。図19及び図20から明ら
かなように、段間結合が容量結合である帯域通過ろ波器
BPF・C においては、共振周波数fHより低い周波数領域に
おける減衰特性曲線の勾配が急峻で、共振周波数fHより
高い周波数領域における減衰特性曲線の勾配が緩やかで
あり、段間結合が磁気結合である帯域通過ろ波器BPF・M
においては、共振周波数fLより高い周波数領域における
減衰特性曲線の勾配が急峻で、共振周波数fLより低い周
波数領域における減衰特性曲線の勾配が緩やかである。
したがって、段間結合が磁気結合である帯域通過ろ波器
BPF・M の共振周波数fLを、段間結合が容量結合である帯
域通過ろ波器BPF・C の共振周波数fHより低くなるように
設定すれば、各帯域通過ろ波器BPF(C)及びBPF(M)の各次
数を少なくして減衰域における減衰量を大にすることが
でき、挿入損失の小さい共用器を実現することができ
る。
【0011】以上は、入出力結合容量素子及び段間結合
容量素子を図1に示すように、電極の支持用誘電体板6
の表裏面に設けた金属薄層又は金属板より成る電極で形
成した場合を例示したが、図21(a)に、図21
(b)のB−B断面図を、図21(b)に、図21
(a)のA−A断面図を各示すように、共振素子41ない
し44の開放端に直接、又は図示のように電極81ないし84
に取り付けた棒状又は板上の対向電極6B1 ないし6B6 の
各対向間隙間に形成される容量を段間結合容量とし、入
出力結合容量は集中定数形の固定又は可変コンデンサ6
C01及び6C45で形成するか、図22に要部の断面図を示
すように、入出力結合容量素子及び段間結合容量素子を
それぞれ集中定数形の固定又は可変コンデンサ6C01、6
C12、6C23、6C34及び6C45で形成するようにしても本発
明を実施することができる。尚、図21及び図22の説
明において言及することのなかった他の符号及び構成
は、図1と同様である。
容量素子を図1に示すように、電極の支持用誘電体板6
の表裏面に設けた金属薄層又は金属板より成る電極で形
成した場合を例示したが、図21(a)に、図21
(b)のB−B断面図を、図21(b)に、図21
(a)のA−A断面図を各示すように、共振素子41ない
し44の開放端に直接、又は図示のように電極81ないし84
に取り付けた棒状又は板上の対向電極6B1 ないし6B6 の
各対向間隙間に形成される容量を段間結合容量とし、入
出力結合容量は集中定数形の固定又は可変コンデンサ6
C01及び6C45で形成するか、図22に要部の断面図を示
すように、入出力結合容量素子及び段間結合容量素子を
それぞれ集中定数形の固定又は可変コンデンサ6C01、6
C12、6C23、6C34及び6C45で形成するようにしても本発
明を実施することができる。尚、図21及び図22の説
明において言及することのなかった他の符号及び構成
は、図1と同様である。
【0012】
【発明の効果】従来の帯域通過ろ波器が、共振素子の周
りの固体誘電体が共振素子毎に分割され、共振素子間の
磁気結合を遮断するために分割された固体誘電体の境界
にシ−ルド板を介在させて、部品数の増加を招いている
のに対して、本発明帯域通過ろ波器は、共振素子の周り
の固体誘電体が各共振素子に共通の1個の誘電体ブロッ
クより成り、段間の磁気結合を遮断するためのシ−ルド
板を設ける必要もないから、それだけ従来に比し部品数
が少なく、組み立て調整も容易である。本発明帯域通過
ろ波器においては、段間結合容量の大きさに応じて段間
を容量結合又は磁気結合の何れの結合をも選択実施する
ことができ、段間結合容量の大きさを適当に変えること
によって、共振素子相互の中心間隔を一定に保ったま
ま、容量結合係数又は磁気結合係数を変えて所要の電気
的特性を持たせることが可能であるから、共通の部品及
び金型等を用いて各種所要の電気的特性を有する帯域通
過ろ波器を実現することができ、生産性を著しく高める
ことができる。式(8)及び式(9)で説明したよう
に、ZCL の値、即ち、図11におけるL1 2 ないしL34 の
値が極めて大であるから、L12 ないしL34 と共に段間結
合用並列共振回路を形成するC12 ないしC34 の値を極め
て小に選んでも段間結合係数の調整を自在に行うことが
できるから、コストを低く抑えることができる。本発明
帯域通過ろ波器を組み合わせて共用器を構成する場合、
共振周波数の高い帯域通過ろ波器の段間結合を容量結合
とし、共振周波数の低い帯域通過ろ波器の段間結合を磁
気結合とすることによって、各帯域通過ろ波器の次数を
比較的少なくして減衰量を大にすることができるから、
挿入損失の小さい共用器を実現することが可能である。
りの固体誘電体が共振素子毎に分割され、共振素子間の
磁気結合を遮断するために分割された固体誘電体の境界
にシ−ルド板を介在させて、部品数の増加を招いている
のに対して、本発明帯域通過ろ波器は、共振素子の周り
の固体誘電体が各共振素子に共通の1個の誘電体ブロッ
クより成り、段間の磁気結合を遮断するためのシ−ルド
板を設ける必要もないから、それだけ従来に比し部品数
が少なく、組み立て調整も容易である。本発明帯域通過
ろ波器においては、段間結合容量の大きさに応じて段間
を容量結合又は磁気結合の何れの結合をも選択実施する
ことができ、段間結合容量の大きさを適当に変えること
によって、共振素子相互の中心間隔を一定に保ったま
ま、容量結合係数又は磁気結合係数を変えて所要の電気
的特性を持たせることが可能であるから、共通の部品及
び金型等を用いて各種所要の電気的特性を有する帯域通
過ろ波器を実現することができ、生産性を著しく高める
ことができる。式(8)及び式(9)で説明したよう
に、ZCL の値、即ち、図11におけるL1 2 ないしL34 の
値が極めて大であるから、L12 ないしL34 と共に段間結
合用並列共振回路を形成するC12 ないしC34 の値を極め
て小に選んでも段間結合係数の調整を自在に行うことが
できるから、コストを低く抑えることができる。本発明
帯域通過ろ波器を組み合わせて共用器を構成する場合、
共振周波数の高い帯域通過ろ波器の段間結合を容量結合
とし、共振周波数の低い帯域通過ろ波器の段間結合を磁
気結合とすることによって、各帯域通過ろ波器の次数を
比較的少なくして減衰量を大にすることができるから、
挿入損失の小さい共用器を実現することが可能である。
【図1】本発明の一実施例を示す図である。
【図2】本発明帯域通過ろ波器の要部の構成を示す図で
ある。
ある。
【図3】本発明帯域通過ろ波器の要部の構成を示す図で
ある。
ある。
【図4】本発明帯域通過ろ波器の等価回路図である。
【図5】本発明帯域通過ろ波器の電磁界分布を示す図で
ある。
ある。
【図6】本発明帯域通過ろ波器の構成原理を説明するた
めの等価回路図である。
めの等価回路図である。
【図7】本発明帯域通過ろ波器の構成原理を説明するた
めの等価回路図である。
めの等価回路図である。
【図8】本発明帯域通過ろ波器の構成原理を説明するた
めの等価回路図である。
めの等価回路図である。
【図9】本発明帯域通過ろ波器の構成原理を説明するた
めの等価回路図である。
めの等価回路図である。
【図10】本発明帯域通過ろ波器の構成原理を説明する
ための等価回路図である。
ための等価回路図である。
【図11】本発明帯域通過ろ波器の等価回路図である。
【図12】本発明帯域通過ろ波器の作動説明のための等
価回路図である。
価回路図である。
【図13】本発明帯域通過ろ波器の作動説明のための等
価回路図である。
価回路図である。
【図14】本発明帯域通過ろ波器の等価回路図である。
【図15】本発明帯域通過ろ波器の伝送特性を示す図で
ある。
ある。
【図16】本発明の他の実施例を示す等価回路図であ
る。
る。
【図17】本発明帯域通過ろ波器の伝送特性を示す図で
ある。
ある。
【図18】本発明を共用器に実施した一例を示す図であ
る。
る。
【図19】本発明共用器の伝送特性を示す図である。
【図20】本発明共用器の伝送特性を示す図である。
【図21】本発明の他の実施例を示す図である。
【図22】本発明の他の実施例を示す図である。
【図23】従来の帯域通過ろ波器の要部を示す図であ
る。
る。
【図24】従来の帯域通過ろ波器の要部を示す図であ
る。
る。
【図25】従来の帯域通過ろ波器の要部を示す図であ
る。
る。
【符号の説明】 1 共通のシ−ルドケ−ス 2 共通の誘電体ブロック 31〜34 貫通孔 41〜44、4k、4k+1 共振素子 5 金属薄層 6 電極の支持用誘電体板 601 、610 電極 612 、621 電極 623 、632 電極 634 、643 電極 645 、654 電極 60〜64 電極 70、75 同軸接栓 81〜84 電極 912 、923 、934 容量性の不要モ−ドの阻止用接地導
体 BPF・C 、BPF・M 本発明帯域通過ろ波器 ZM インダクタンス素子 TC、TL、TH 端子 6B1 〜6B6 電極 6C01、6C45 コンデンサ 6C12、6C23、6C34 コンデンサ 111 〜114 共振素子 121 〜124 固体誘電体 1312、1323、1334 段間シ−ルド板 14 電極の支持用誘電体板 1412、1421 電極 1423、1432 電極 1434、1443 電極
体 BPF・C 、BPF・M 本発明帯域通過ろ波器 ZM インダクタンス素子 TC、TL、TH 端子 6B1 〜6B6 電極 6C01、6C45 コンデンサ 6C12、6C23、6C34 コンデンサ 111 〜114 共振素子 121 〜124 固体誘電体 1312、1323、1334 段間シ−ルド板 14 電極の支持用誘電体板 1412、1421 電極 1423、1432 電極 1434、1443 電極
Claims (3)
- 【請求項1】共通の誘電体ブロック内に適宜間隔を隔て
てコムライン形に配設され、隣り合う素子相互が磁気結
合される共振素子と、 前記共振素子のうち、隣り合う共振素子間に介装された
段間結合容量素子とを備えたことを特徴とする帯域通過
ろ波器。 - 【請求項2】共通の入出力端子に接続される帯域通過ろ
波器を、 共通の誘電体ブロック内に適宜間隔を隔ててコムライン
形に配設され、隣り合う素子相互が磁気結合される共振
素子と、 前記共振素子のうち、隣り合う共振素子間に介装された
段間結合容量素子とを備えた帯域通過ろ波器で形成した
ことを特徴とする共用器。 - 【請求項3】共通の入出力端子に接続される帯域通過ろ
波器を、 共通の誘電体ブロック内に適宜間隔を隔ててコムライン
形に配設され、隣り合う素子相互が磁気結合される共振
素子と、 前記共振素子のうち、隣り合う共振素子間に介装された
段間結合容量素子とを備えた帯域通過ろ波器で形成し、 共振周波数の低い方の帯域通過ろ波器の段間結合を磁気
結合形に、共振周波数の高い方の帯域通過ろ波器の段間
結合を容量結合形に形成したことを特徴とする共用器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13644994A JPH07321508A (ja) | 1994-05-26 | 1994-05-26 | 帯域通過ろ波器及びこの帯域通過ろ波器を用いて成る共用器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13644994A JPH07321508A (ja) | 1994-05-26 | 1994-05-26 | 帯域通過ろ波器及びこの帯域通過ろ波器を用いて成る共用器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07321508A true JPH07321508A (ja) | 1995-12-08 |
Family
ID=15175376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13644994A Pending JPH07321508A (ja) | 1994-05-26 | 1994-05-26 | 帯域通過ろ波器及びこの帯域通過ろ波器を用いて成る共用器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07321508A (ja) |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPS6477302A (en) * | 1987-09-18 | 1989-03-23 | Alps Electric Co Ltd | Demultiplexer |
JPH05275905A (ja) * | 1992-03-25 | 1993-10-22 | Oki Electric Ind Co Ltd | 分波器の実装構造 |
-
1994
- 1994-05-26 JP JP13644994A patent/JPH07321508A/ja active Pending
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19970624 |