JPH07321447A - 電子部品搭載用基板及びその製造方法、並びに電子部品搭載用基板製造用の金属板材及び接合防止マスク - Google Patents

電子部品搭載用基板及びその製造方法、並びに電子部品搭載用基板製造用の金属板材及び接合防止マスク

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JPH07321447A
JPH07321447A JP6107132A JP10713294A JPH07321447A JP H07321447 A JPH07321447 A JP H07321447A JP 6107132 A JP6107132 A JP 6107132A JP 10713294 A JP10713294 A JP 10713294A JP H07321447 A JPH07321447 A JP H07321447A
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JP
Japan
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metal plate
manufacturing
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electronic component
plate material
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JP6107132A
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Kazuhiro Maeno
一弘 前野
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
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    • H01L2224/47Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
    • H01L2224/48Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
    • H01L2224/4805Shape
    • H01L2224/4809Loop shape
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    • HELECTRICITY
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    • H01L2224/48Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
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    • H01L2224/48151Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
    • H01L2224/48221Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
    • H01L2224/48225Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation
    • H01L2224/48227Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation connecting the wire to a bond pad of the item

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  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 材料や設備等に要するコストが比較的少ない
にもかかわらず、信頼性向上、工程簡略化及び高密度化
を達成できる電子部品搭載用基板の製造方法を提供す
る。 【構成】 配線パターン状をなす断片11を備えた金属
板材27を基材4の上面に配置する。断片11の一部に
外部接続端子であるリード3として使用されうる未接合
部が設けられるように、共晶法により金属板材27を接
合する。次に断片11の未接合部に対して折り曲げ加工
を施す。すると、未接合部に所定形状のリード3が形成
され、それ以外の部分が配線パターン5等になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部との電気的接続を
図るための構造に特徴を有する電子部品搭載用基板及び
その製造方法、並びに電子部品搭載用基板製造用の金属
板材及び接合防止マスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、配線パターンが形成された樹
脂、セラミックス、金属、ガラス等を材料とした基板上
に、1個または2個以上の半導体チップ、抵抗、コンデ
ンサ等の電子部品を搭載してなる各種の配線基板が知ら
れている。
【0003】この種の配線基板は、ポッティング、キャ
スティングあるいはディッピング等の種々のパッケージ
等により封止される。そして、このように封止された配
線基板には、外部配線との電気的接続を図るための何ら
かの接続構造が必要になる。
【0004】従来における接続構造としては、例えば次
のようなものがある。その1つは、基板の端部に形成さ
れた複数のランドにリードフレームをはんだ付けした
後、フレーム部を切り離し、残ったリードの先端を外部
配線基板の端子あるいはランドにはんだ付けするという
接続構造である。別のものとしては、基板の端部に形成
された複数のランドと外部配線側のランドとをワイヤボ
ンディングするという接続構造である。つまり、前者で
はリードが外部接続端子としての役割を果たし、後者で
はボンディングワイヤが外部接続端子としての役割を果
たしている。
【0005】しかし、上記の接続構造を採用した場合、
基板の端部に複数のランドを形成する必要があることか
ら配線パターンのレイアウトスペースが制約され、基板
の小型化や高密度化が充分に達成することができない。
また、リードと基板側のランド、またはボンディングワ
イヤと基板側のランドとの接合部分の強度が不充分であ
ると、信頼性の低下につながってしまう。さらに、リー
ドのはんだ付けを行う場合、後に洗浄等の問題が生じて
しまう。上記のいくつかの問題があることから、基板の
端部にランドを形成する必要のない接続構造が望まれて
いた。また、大量生産向きかつ低コスト化が可能な接続
構造も望まれていた。
【0006】そこで、上記の問題を解消しうる接続構造
として、例えば特開昭63−150952号公報、特開
昭51−148358号公報及び特開平2−11356
4号公報に開示されたものがある。
【0007】特開昭63−150952号公報では、樹
脂製基板に貼着された銅箔をエッチングして配線パター
ンを形成した後、基板外周部を研削加工して配線パター
ンの一部を側方に突出させ、それらを外部接続端子とし
て用いている。
【0008】特開昭51−148358号公報では、ス
パッタによってシリコン製基板上に配線パターンを形成
し、エッチングによって基板外周部を食刻して配線パタ
ーンの一部を側方に突出させ、それらを外部接続端子と
して用いている。
【0009】特開平2−113564号公報では、まず
所定の配線パターンとなるように打ち抜かれたリードフ
レームを溶融したガラスで部分的にモールドしている。
このとき、硬化したガラスの表面(即ち、パッケージ底
表面)から配線パターンが露出し、かつ同ガラスの側方
からリードが突出する。そして、この突出したリードを
切断・加工することによって、外部接続端子を形成して
いる。以下、説明の便宜上、これらの接続構造を順に
「第1の従来技術」、「第2の従来技術」、「第3の従
来技術」と呼ぶ。
【0010】第1〜第3の従来技術は、いずれも配線パ
ターンと外部接続端子とが一体になっている。ゆえに、
基板の端部にランドを設ける必要がないという共通点が
ある。また、外部接続端子が基板の側方から突出してい
るという共通点もある。さらに、第1の従来技術と第2
の従来技術については、基板外周部を除去することによ
って配線パターンの一部を突出させる点が共通してい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、第1〜第3
の従来技術には、以下に示すようないくつかの問題点が
あった。
【0012】第1の従来技術の場合、基板外周部を研削
加工によって除去することから、材料ロスが多く、材料
コストの点で不利であった。また、研削加工を行うこと
は加工コストの点で不利であるとともに、樹脂基板等の
軟質材料に適用できてもセラミックス基板や金属基板等
の硬質材料に適用しにくいという問題があった。さら
に、加工精度が悪いと、研削工具が銅箔を傷つけてしま
うことがあった。
【0013】第2の従来技術の場合も、第1の従来技術
と同じく基板外周部を除去することから材料ロスが多
く、材料コストの点で不利であった。また、エッチング
法であるため、適用可能な基板材料がおのずと限定され
ていた。さらに、スパッタでは厚い配線パターンを形成
することが困難なため、外部接続端子の強度を確保する
ことができないという欠点があった。勿論、実施にあた
ってスパッタ装置が必要となり、設備コストが高くなる
という欠点もあった。
【0014】第3の従来技術には、ガラス等のような低
融点材料を基板材料としたときのみにしか適用できない
という欠点があった。また、配線パターン表面に硬化し
たガラスが付着し、後に除去作業を要する場合があっ
た。さらに、この従来技術の方法を実施するためには、
専用の金型を備えた加熱押出機が必要となり、設備コス
トが高くなるという欠点があった。また、製造に使用さ
れるリードフレームについても最終的に不要部分として
除去される部分があることから、材料ロスをより少なく
することが望まれていた。
【0015】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものであり、その第1の目的は、材料や設備等に要
するコストが比較的少ないにもかかわらず、信頼性向
上、工程簡略化及び高密度化を達成することができる電
子部品搭載基板及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0016】本発明の第2の目的は、前記のような優れ
た基板を製造するうえで好適な電子部品搭載用基板製造
用の金属板材及び接合防止マスクを提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、配線パターン状をな
す断片を備えた金属板材を基材に接合することにより、
基材上に所定の配線パターンを形成する電子部品搭載用
基板の製造方法であって、前記断片の一部に外部接続端
子として使用されうる未接合部が設けられるように、前
記金属板材を接合する電子部品搭載用基板の製造方法を
その要旨としている。
【0018】請求項2に記載の発明では、配線パターン
状をなす断片を備えた金属板材を基材に接合することに
より、基材上に所定の配線パターンを形成する電子部品
搭載用基板の製造方法であって、前記断片の一部に外部
接続端子として使用されうる未接合部が設けられるよう
に前記金属板材を接合した後、前記未接合部に対する折
り曲げ加工によって、当該部分に外部接続端子を形成す
る電子部品搭載用基板の製造方法をその要旨としてい
る。
【0019】請求項3の発明では、請求項2において、
前記基材の上面に位置している前記断片の未接合部を折
り曲げ加工することによって、基材のほぼ上方に向かっ
て突出した外部接続端子を形成する電子部品搭載用基板
の製造方法をその要旨としている。
【0020】請求項4の発明では、請求項1乃至3のい
ずれか1項において、前記基材と前記金属板材とを熱硬
化性接着剤を介して接合する電子部品搭載用基板の製造
方法をその要旨としている。
【0021】請求項5に記載の発明では、請求項1乃至
4のいずれか1項において、銅を主成分とする金属板材
を、少なくとも上面に酸化層を有するセラミックス製の
基材に密着させるようにして配置するとともに、前記金
属板材の断片のうち後に未接合部となる箇所と前記基材
との間に、非酸化物セラミックス等の前記基材及び金属
板材と接合しない材質よりなる接合防止マスクを介在さ
せ、共晶法または活性金属法によって前記金属板材の断
片を前記基材の上面に部分的に接合させる電子部品搭載
用基板の製造方法をその要旨としている。
【0022】請求項6に記載の発明では、請求項1乃至
4のいずれか1項において、銅を主成分としかつ断片の
うち後に未接合部となる箇所に段差を備える金属板材
を、少なくとも上面に酸化層を有するセラミックス製の
基材に密着させるようにして配置し、共晶法または活性
金属法によって前記金属板材の断片を前記基材の上面に
部分的に接合させる電子部品搭載用基板の製造方法をそ
の要旨としている。
【0023】請求項7に記載の発明では、請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の電子部品搭載用基板の製造方
法によって製造された電子部品搭載用基板をその要旨と
している。
【0024】請求項8に記載の発明では、請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の電子部品搭載用基板の製造方
法に用いられる金属板材であって、配線パターン状をな
す複数の断片と、断片間に配置されるとともに、各々の
断片の相対的な位置関係を保持しながら各断片を連結す
る連結部とからなる電子部品搭載用基板製造用の金属板
材をその要旨としている。
【0025】請求項9に記載の発明では、請求項8にお
いて、銅を主成分として含む厚さ100μm〜1000
μmの電子部品搭載用基板製造用の金属板材をその要旨
としている。
【0026】請求項10に記載の発明では、請求項5に
記載の電子部品搭載用基板の製造方法に用いられる接合
防止マスクであって、炭化珪素焼結体製かつ板状の電子
部品搭載用基板製造用の接合防止マスクをその要旨とし
ている。
【0027】
【作用】請求項1,3〜7に記載の発明によると、あら
かじめ配線パターン状をなす断片を備えた金属板材を基
材上に接合しているため、エッチングや研削加工等とい
った基材の除去を伴なわずに所望の配線パターンが形成
される。
【0028】特に請求項2〜7に記載の発明によると、
あらかじめ配線パターン状をなす断片を備えた金属板材
を基材上に接合しているため、エッチングや研削加工等
といった基材の除去を伴なわずに所望の配線パターンが
形成される。また、接合された断片の一部に形成された
未接合部に対する折り曲げ加工によって、配線パターン
に直接つながった部分に所望形状の外部接続端子が容易
に形成される。
【0029】請求項4に記載の発明によると、基材を比
較的低い温度条件で処理することによって、硬化した熱
硬化性接着剤を介して基材と金属板材とが容易にかつ確
実に接合される。
【0030】請求項5に記載の発明によると、酸化層を
有する基材上に金属板材を配置して加熱すると、銅と酸
素との反応によってできる層を介して基材と金属板材と
が接合される。この場合、金属板材のうち接合防止マス
クを配置した箇所には前記反応層ができないことから、
当該箇所に外部接続端子となりうる未接合部が形成され
る。
【0031】請求項6に記載の発明によると、酸化層を
有する基材上に金属板材を配置して加熱すると、銅と酸
素との反応によってできる層を介して基材と金属板材と
が接合される。この場合、金属板材の断片のうち段差が
設けられた箇所は基材から浮いた状態となっているた
め、当該箇所には前記反応層ができることはない。従っ
て、段差が設けられた箇所に外部接続端子となりうる未
接合部が形成される。
【0032】請求項8,9に記載の発明によると、連結
部によって複数の断片が所定の位置関係に保持されてい
るため、基材上に金属板材を接合した後に連結部を除去
することにより、正確にかつ容易に配線パターンが形成
される。また、除去される部分が断片間に位置する連結
部のみであるため、タイバーを有する通常のリードフレ
ーム等と比べて材料ロスが少なくなる。
【0033】請求項9に記載の発明によると、主成分と
して銅を含む金属板材であることから、配線パターンが
導電性に優れたものとなる。また、所定厚さの金属板材
であることから、高コスト化や取扱性の悪化等が回避さ
れる。
【0034】請求項10に記載の発明によると、酸化物
セラミックスと金属板材との間に配置した状態で加熱す
ると、当該部分における反応層の形成が阻害される。従
って、断片の一部に外部接続端子となりうる未接合部が
容易にかつ正確に形成される。
【0035】
【実施例】
〔実施例1〕以下、本発明を具体化した一実施例におけ
る電子部品搭載用基板及びその製造方法を図1,図2に
基づき詳細に説明する。
【0036】この実施例の電子部品搭載用基板1は、S
IP(Single inline package )タイプの配線基板を構
成するためのものである。図1(b),図2に示される
ように、この基板1は直線状かつ一列に形成された外部
接続端子としてのリード3を備えている。リード3は、
基板1の主体材料である基材4の一側面から外方に(詳
細には基材4の厚み方向と直交する方向に)突出するよ
うに形成されている。基材4の上面には、所定形状の配
線パターン5が形成されている。配線パターン5の一部
は、ダイパッド6及びボンディング用のランド7となっ
ている。ダイパッド6上には、電子部品としてのLSI
チップ8が1つ搭載されている。LSIチップ8上に設
けられた図示しないボンディングパッドと、基板1側の
ランド7とは、ボンディングワイヤ9を介して電気的に
接続されている。
【0037】次に、前記配線基板用の基板1を製造する
手順について説明する。この実施例では、アルミナ製の
基材(外形寸法70mm×50mm,厚さ0.635mm)4
が選択されている。図1(a),図2に示されるよう
に、基材4の上面には、銅製の金属板材10が共晶法に
よって接合される。
【0038】金属板材10は、所定厚さの銅箔を必要部
分のみを残して化学的エッチングまたは金型加工するこ
とによって得られる。金属板材10は、配線パターン状
をなす複数の断片11と、断片11間に配置される連結
部としてのタイバー12とからなる。タイバー12は、
各断片11よりも若干上方に屈曲しながら各断片11の
相対的な位置関係を保持している。この実施例では、前
記断片11の幅は0.5mm〜2.0mm程度に、タイバー
12の幅は0.2mm〜0.8mm程度になっている。な
お、後工程において除去する際の便宜を考慮して、タイ
バー12の基端部の両脇には凹部13が形成されてい
る。
【0039】金属板材10の厚さは100μm〜100
0μmであることが好ましく、200μm〜500μm
であることがより好ましく、さらには250μm〜35
0μmであることが特に好ましい。金属板材10が薄す
ぎると、全体の機械的強度が小さくなり、断片11が変
形しやすくなるおそれがある。ゆえに、金属板材10の
取扱性の悪化や配線パターン精度等の悪化につながって
しまう。また、同様の理由から、リード3が変形しやす
くなり、外部配線基板への実装が困難になるおそれがあ
る。一方、金属板材10が厚すぎると、機械的強度に関
して特に問題がない反面、コスト高になるおそれがあ
る。以上のようなことから、この実施例では、厚さ30
0μmの銅箔を材料とした金属板材10を選択してい
る。
【0040】共晶法による金属板材10の接合において
は、まず基材4の上面に金属板材10を密着させるよう
にして配置する。その際、図1(a)に示されるよう
に、金属板材10の一部を基材4の一側面から所定の長
さだけ突出させておく。次に、基材4を炉内にセット
し、銅と酸素との共晶温度である1065℃より若干高
い温度(但し、銅の融点である1083℃未満の温度)
に加熱する。
【0041】なお、「共晶」とは、混合液体中の各含有
結晶が同時に晶出する混合結晶を意味する。銅と酸化銅
とはこの共晶体を形成し、かつアルミナに対して濡れ性
がよい。従って、この実施例では、金属板材10と基材
4との間に銅と酸化銅との共晶体からなる層(図示略)
が形成されることになる。また、本実施例では炉内を不
活性ガス雰囲気にした状態で加熱が行われるため、酸化
銅中の酸素は主として金属板材10の表面酸化層及び基
材4内から供給される。
【0042】この共晶層による濡れによって、断片11
のうちタイバー12を除く基材4上に位置していた部分
が、基材4上面に対して強固に接合される。即ち、断片
11における接合部が配線パターン5、ダイパッド6及
びランド7となり、基材4の一側面から突出している未
接合部がリード3となる。
【0043】次に、ニッパー等を用いてタイバー12を
基材4から除去し、各々の配線パターン5を独立させ
る。その結果、所望の電子部品搭載用基板1が得られ
る。さらに、接着剤等を用いてダイパッド6上にLSI
チップ8を接合した後、ワイヤボンダによってワイヤボ
ンディング等を実施する。すると、図1(b)に示され
るようなSIPタイプの配線基板を最終的に得ることが
できる。上記のようにして得られた配線基板は、外部配
線基板に対してほぼ垂直に実装された状態で使用され
る。
【0044】さて、上述した実施例1の電子部品搭載用
基板1及びその製造方法では、配線パターン状をなす断
片11を備えた金属板材10を共晶法によって基材4上
に接合するという手法を採っている。ゆえに、エッチン
グや研削加工等といった基材4の除去を伴なう従来の手
法とは大きく相違している。従って、基材4側の材料ロ
スが皆無であるにもかかわらず、所望の配線パターン5
を形成することができる。また、従来方法における研削
加工のための設備や加工のための制御プログラム等が不
要であるというメリットがある。なお、ガラスの溶融を
行う従来方法と比較した場合、専用の金型を備えた加熱
押出機が不要、付着したガラスの除去作業が不要という
点において本実施例の製造方法のほうが有利である。ま
た、共晶法による金属板材10の接合によると、装置も
比較的簡単なものでよいというメリットや、強固な結合
が得られる等のメリットがある。
【0045】この実施例の製造方法によると、従来とは
異なり基材4の端部に複数のランドを形成する必要がな
いため、配線パターン5のレイアウトスペースに制約を
受けることもない。よって、基板1の小型化や高密度化
を充分に達成することができる。また、配線パターン5
とリード3とが同じ導電材料によって連続していること
から、両者間に接続不良等が発生するおそれもない。ゆ
えに、信頼性に優れており、しかも電流ロスが極めて少
ない。よって、出力の大きなLSIチップ8を備えた配
線基板として好適なものとなる。さらに、基材4の端面
に形成されたランドと外部配線基板側とを接続するため
のワイヤボンディング工程等が不要であることから、全
体として工程簡略化を図ることができる。しかも、この
製造方法の場合、直線状のリード3を採用しているた
め、リードフォーミング工程が不要であるというメリッ
トがある。
【0046】本実施例の金属板材10によると、タイバ
ー12によって各々の断片11が所定の位置関係に保持
されている。このため、基材4上に金属板材10を接合
した後にタイバー12を除去するだけで、正確な位置に
かつ容易に配線パターン5等を形成することができる。
また、除去される部分が断片11間に位置する小さなタ
イバー12のみであるため、タイバーを有する通常のリ
ードフレーム等と比べて材料ロスが少ない。
【0047】さらに、銅製の金属板材10であることか
ら、導電性に優れた配線パターン5を得ることができ
る。また、金属板材10を所定の厚さに設定しているた
め、金属板材10自身の高コスト化や取扱性の悪化等も
避けられる。このため、基板1全体の高コスト化や工程
複雑化を確実に回避することができる。従って、この金
属板材10は、基板1を製造するうえで有利な材料であ
るといえる。 〔実施例2〕次に、実施例2の電子部品搭載用基板及び
その製造方法を図3,図4に基づき詳細に説明する。
【0048】この実施例の電子部品搭載用基板20は、
実施例1と同様にSIPタイプの配線基板を構成するた
めのものである。図3(b),図4に示されるように、
この基板20は、基材22の一側面から外方に向かって
突設された直線状かつ一列のリード3を備えている。ま
た、配線パターン5、ダイパッド6及びランド7につい
ては基本的に実施例1の構成と相違がないため、ここで
は詳細な説明を省略する。前記基板20とダイパッド6
上に搭載されたLSIチップ8とは、ボンディングワイ
ヤ9を介して電気的に接続されている。なお、この実施
例では、基材22の材質及び金属板材10の接合方法が
実施例1と相違している。
【0049】次に、前記配線基板用の基板20を製造す
る手順について説明する。この実施例では、前記セラミ
ックス製の基材4の代わりに、配線板材料として一般的
なガラスエポキシ製の基材(外形寸法70mm×50mm,
厚さ1.2mm)22が選択されている。図1(a),図
2に示されるように、基材22の上面には、熱硬化性接
着剤としてのエポキシ系接着剤23を介して、実施例1
において使用した銅製の金属板材10が接合される。
【0050】ここでの金属板材10の接合においては、
まず基材22の上面にエポキシ系接着剤23を塗布した
後、その上に金属板材10を仮固定する。その際、図3
(a)に示されるように、金属板材10の一部を基材2
2の一側面から所定の長さだけ突出させておく。次に、
炉内において、基材22をエポキシ系接着剤23の硬化
温度である100℃〜200℃程度の温度に加熱する。
上記のような加熱の結果、断片11のうちタイバー12
を除く基材22上に位置していた部分が、基材22の上
面に対して接合される。即ち、断片11における接合部
が配線パターン5、ダイパッド6及びランド7となり、
基材22の一側面から突出している未接合部がリード3
となる。
【0051】次に、ニッパー等を用いてタイバー12を
基材22から除去し、各々の配線パターン5を独立させ
る。このようにして得られた電子部品搭載用基板20に
対して、さらにダイパッド6上へのLSIチップ8の接
合、ワイヤボンディング等を実施すると、SIPタイプ
の配線基板が得られる。
【0052】さて、上述した実施例2の電子部品搭載用
基板20及びその製造方法によると、基本的には前記実
施例1のときとほぼ同様の作用効果を得ることができ
る。つまり、配線パターン状をなす断片11を備えた金
属板材10を基材22上に接合する手法であるため、基
材22側の材料ロスが皆無になるからである。従って、
研削加工や専用の金型等を必要とする従来方法特有の問
題が起こることもない。勿論、基板20の小型化や高密
度化、信頼性の向上及び全体としての工程簡略化等も確
実に達成することができる。
【0053】特に、本実施例によると、基材22を比較
的低い温度条件で処理することによって、エポキシ系接
着剤23を硬化させることができる。そして、その硬化
したエポキシ系接着剤23を介して基材22と金属板材
10とを容易にかつ確実に接合することができる。勿
論、この程度の加熱温度であれば、熱に弱い基材22を
選択したときでもそれ自体に悪影響がでることもない。
従って、電子部品搭載用基板20を作製する場合、基材
22材料の選択の余地が広くなる。また、この方法であ
れば既存の装置等を用いて実施することが可能であるた
め、特に設備コスト等もかからない。
【0054】さらに、本実施例では樹脂系材料であるガ
ラスエポキシ製の基材22を使用しているため、基板2
0全体の低コスト化を図ることができる。 〔実施例3〕次に、実施例3の電子部品搭載用基板及び
その製造方法を図5,図6に基づき詳細に説明する。
【0055】この実施例の電子部品搭載用基板25は、
DIP(Dual inline package )タイプの配線基板を構
成するためのものである。図3(c),図4に示される
ように、この基板25では、前記実施例1,2とは異な
り、基材4の二側面から外方に向かってリード3を突出
させている。また、各リード3は、一箇所においてほぼ
90°ほど屈曲されている。従って、各リード3の先端
はいずれも同じ方向(基材4を基準としたときの下方
向)を向いている。配線パターン5、ダイパッド6及び
ランド7については基本的に実施例1の構成と相違がな
いため、ここでは詳細な説明を省略する。前記基板25
とダイパッド6上に搭載されたLSIチップ8とは、ボ
ンディングワイヤ9を介して電気的に接続されている。
【0056】この実施例では、実施例1において詳述し
た共晶法による接合に代えて、活性金属法による接合を
行っている。なお、基材4材料にはアルミナが選択さ
れ、金属板材27材料には銅が選択されている。金属板
材27の厚さは、実施例1と同じく300μmに設定さ
れている。
【0057】基板25を製造する場合、まず基材4の上
面に金属板材27を密着させるようにして配置する。そ
の際、図5(a)に示されるように、金属板材27の一
部を基材4の二側面から所定の長さだけ突出させてお
く。次に、従来公知の活性金属法に準じて基材4を所定
温度に加熱する。その結果、図5(b)に示されるよう
に、断片11のうちタイバー12を除く基材4の上面に
位置していた部分が、基材4上面に対して接合される。
次に、タイバー12を除去した後、断片11における未
接合部に対する折り曲げ加工を行う。その結果、図5
(c)に示されるように、未接合部にリード3が形成さ
れる。このようにして得られた電子部品搭載用基板25
に対して、さらにダイパッド6上へのLSIチップ8の
接合、ワイヤボンディング等を実施すると、DIPタイ
プの配線基板が得られる。
【0058】さて、上述した実施例3の電子部品搭載用
基板25及びその製造方法であっても、基本的には前記
実施例1のときとほぼ同様の作用効果を得ることができ
る。つまり、配線パターン状をなす断片11を備えた金
属板材10を基材4上に接合する手法であるため、基材
4側の材料ロスが皆無になるからである。従って、研削
加工や専用の金型等を必要とする従来方法特有の問題が
起こることもない。勿論、基板25の小型化や高密度
化、信頼性の向上及び全体としての工程簡略化等も確実
に達成することができる。特にこの製造方法によると、
未接合部に対する簡単な折り曲げ加工によって、所望形
状のリード3を容易に形成することができるというメリ
ットがある。 〔実施例4〕次に、実施例4の電子部品搭載用基板及び
その製造方法を図7〜図9に基づき詳細に説明する。
【0059】この実施例の電子部品搭載用基板30は、
QFP(Quad flat gullwing-leaded package )タイプ
の配線基板を構成するためのものである。図7(c),
図8に示されるように、この基板30では、前記実施例
1〜3とは異なり、基材4の四つの側面全てから外方に
向かってリード3を突出させている。各リード3は、2
箇所を屈曲させることによって、いわゆるガルウィング
状にフォーミングされている。図中、上記実施例1〜3
において用いた番号と同一の番号を付した部材について
は、詳細な説明を割愛する。なお、基材4の材料はアル
ミナであり、金属板材32の材料は銅である。
【0060】本実施例では、実施例1において詳述した
共晶法により金属板材32が接合される。その後、タイ
バー12の除去及び断片11における未接合部に対する
折り曲げ加工が行われる。その結果、図7(c)に示さ
れるように、未接合部にガルウィング状のリード3が形
成される。さらにLSIチップ8の接合やワイヤボンデ
ィング等を実施すると、QFPタイプの配線基板が得ら
れる。上記のようにして得られた配線基板は、リフロー
ソルダリング等を経て外部配線基板上に表面実装され
る。上述した実施例4の電子部品搭載用基板30及びそ
の製造方法であっても、基本的には前記実施例1のとき
とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0061】勿論、未接合部を折り曲げる位置や角度等
を変更することにより、例えば図9(a)に示されるよ
うに、QFJ(Quad flat J-leaded package)タイプの
配線基板用の基板33を得ることができる。また、図9
(b)に示されるように、フェイスダウン型かつQFP
タイプの配線基板用の基板34を得ることもできる。 〔実施例5〕次に、実施例5の電子部品搭載用基板及び
その製造方法を図10,図11に基づき詳細に説明す
る。
【0062】この実施例の基板35では、基材4,22
の側面からリード3を突出させた実施例1〜4とは異な
り、基材4の上面からリード3を突出させている。図
中、上記実施例において用いた番号と同一の番号を付し
た部材については、構成上基本的な差異はないため、詳
細な説明を割愛する。なお、基材4の材料はアルミナで
あり、金属板材37の材料は銅である。
【0063】ここでは共晶法によって金属板材37の接
合が行われる。まず、図10(a)のような金属板材3
7を基材4の上面に密着させるようにして配置する。こ
のとき、図10(b)に示されるように、断片11のう
ち後に未接合部となる箇所と基材4との間に、板状の接
合防止マスク38を介在させる。
【0064】接合防止マスク38の厚さは500μm以
下であることがよい。接合防止マスク38が厚すぎる
と、金属板材37と基材4との間に隙間ができることに
なり、パターン形成精度に悪影響を及ぼすおそれがある
からである。一方、接合防止マスク38が薄すぎると、
接合防止マスク38自体の形成が困難になる。この実施
例では、炭化珪素焼結体製かつ厚さ400μmの接合防
止マスク38が使用されている。炭化珪素焼結体には、
2000℃以上の温度でも融解することがなく耐熱性
に優れる、高硬度であるため肉薄にしても破損しにく
い等の利点がある。
【0065】次に、不活性ガスで満たされた炉内に基材
4をセットし、銅と酸化銅との共晶温度である1065
℃より若干高い温度に加熱する。すると、接続防止マス
ク38を配置していない部分にのみ共晶層が形成され
る。そして、この共晶層による濡れによって、断片11
の大部分と基材4とが強固に接合される。一方、接合防
止マスク38を配置した部分については共晶層の形成が
阻害されるため、結果として断片11の一部に未接合部
が形成される。
【0066】次に、接合防止マスク38を取り外しかつ
タイバー12を除去した後、未接合部の基端部を90°
ほど折り曲げる。この折り曲げ加工によって、図10
(c)に示されるように、基材4の上方に向かって突出
したリード3が基材4の上面中央部に形成される。次
に、ダイパッド6上へのLSIチップ8の接合、ワイヤ
ボンディング等を実施する。
【0067】図11に示されるように、得られた電子部
品搭載用基板35は、所定のケース41内に収容された
状態で使用される。ケース41の上部開口には、封止の
ために樹脂製の蓋39が装着される。蓋39の内部に
は、一体成形によって略L字状の配線パターン40が埋
め込まれている。配線パターン40の基端部は蓋39の
側面から突出しており、先端部は蓋39の下面中央部か
つリード3に対応する位置から突出している。この先端
部とリード3とは、抵抗溶接等によって接合されるよう
になっている。その結果、基板35、蓋39及びケース
41によって、1つの配線基板が構成される。なお、こ
の配線基板においては、前記配線パターン40の基端部
が実際上の外部接続端子となる。そして、上述した実施
例5の電子部品搭載用基板35及びその製造方法であっ
ても、基本的には前記実施例1等のときとほぼ同様の作
用効果を得ることができる。
【0068】さらに、接合防止マスク38を用いた共晶
法による接合の場合、加熱する際に所定の位置に接合防
止マスク38を配置しておくだけで、断片11の一部に
比較的容易にかつ正確に未接合部を形成することができ
る。このため、共晶法により電子部品搭載用基板35を
製造するときでも、工程の煩雑化を確実に回避すること
ができる。従って、この接合防止マスク38は、基板3
5を製造するうえで有利な器具であるといえる。 〔実施例6〕次に、実施例6の電子部品搭載用基板及び
その製造方法を図12に基づき詳細に説明する。
【0069】図12(a)に示されるように、この実施
例では、実施例1において詳述した共晶法による接合を
行うことにより、基材4上面にリード3を突出させてい
る。基材4材料にはアルミナが選択され、金属板材46
材料には銅が選択されている。また、金属板材46の厚
さは300μmに設定されている。なお、共通の部材番
号を付したものについては詳細な説明を割愛する。
【0070】本実施例の金属板材46の場合、断片11
のうち後に未接合部となる箇所に、あらかじめ段差47
が形成されている。段差47は、例えば金属板材46の
形成時にプレス等によって同時に形成される。
【0071】この金属板材46を接合する際には、まず
金属板材46を基材4の上面に密着させるようにして配
置する。このとき、金属板材46の断片11のうち段差
47が設けられた箇所(詳細にはそれよりも先端の箇所
も含む)は、基材11から浮いた状態となる。
【0072】次に、不活性ガスで満たされた炉内に基材
4をセットし、銅と酸化銅との共晶温度である1065
℃より若干高い温度に加熱する。すると、断片11のう
ち基材4に接していた部分にのみ共晶層が形成される。
そして、この共晶層による濡れによって、断片11の大
部分と基材4とが強固に接合される。一方、基材4から
浮いていた部分については共晶層ができず、結果として
当該部分に未接合部が形成される。
【0073】次に、タイバー12を除去した後、未接合
部の基端部を90°ほど折り曲げる。この折り曲げ加工
によって、基材4の上方に向かって突出したリード3が
基材4の上面中央部に形成される。次に、ダイパッド6
上へのLSIチップ8の接合、ワイヤボンディング等を
実施する。
【0074】即ち、上記のような金属板材46を用いた
共晶法による接合であると、接合防止マスクを使用しな
くても未接合部を形成することができるというメリット
がある。
【0075】なお、図12(b)に示される電子部品搭
載用基板48のように、未接合部が長い場合には、金属
板材50の先端に支持屈曲部49を設けておくことがよ
い。この構成であると、未接合部となるべき箇所が支持
屈曲部49によって支持される。また、支持屈曲部49
の先端は基材4に接合したとしても、その面積は僅かな
ものである。このため、接合した支持屈曲部49の先端
は、後工程において基材4から容易に引き剥がすことが
できる。よって、リード部3の形成に何ら支障はない。
また、図12(c)に示される電子部品搭載用基板51
のように、金属板材53のエッチングによって肉薄部5
2を形成し、それをもって段差47としてもよい。
【0076】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
ることはなく、例えば次のように変更することが可能で
ある。 (1) 基材4の材料は、例えば窒化アルミニウム等の
ような非酸化物セラミックスの上面に酸化層を形成した
ものでもよい。これらの基材4に対しては、例えば実施
例1等において詳述した共晶法によって金属板材10等
を接合することが可能である。
【0077】(2) 実施例2のような熱硬化製接着剤
による接合の場合、ガラスエポキシ製の基材22に代え
て、ポリイミド等といったその他の樹脂製材料を選択す
ることも可能である。また、樹脂製材料に限定されるこ
とはなく、ガラス、金属、前記各種セラミックス等を選
択することも可能である。
【0078】(3) 基材4として、例えばあらかじめ
内層に導体回路が形成されている多層板等を使用しても
よい。 (4) 金属板材10,27…は必ずしも平坦なもので
ある必要はなく、リード3となるべき部分にあらかじめ
折り曲げ加工が施されていてもよい。この場合、リード
3となるべき部分を外部と接続しやすい形状に加工し、
当該部分をバスバーとして用いてもよい。
【0079】(5) 基材4の上面のほぼ全体にわたり
リード3を突設することによって、いわゆるPGA(Pi
n grid array)に相当する配線基板を構成することも可
能である。
【0080】(6) 前記各実施例1〜5のような銅製
の金属板材10,27…に代えて、他の金属や合金から
なる金属板材10,27…を使用してもよい。なお、フ
レーム部を有する通常のリードフレームを使用したとき
でも、本発明の製造方法に従って基板1,20…を作製
することが可能である。
【0081】(7) 炭化珪素焼結体製の接合防止マス
ク38に代えて、例えば炭化珪素焼結体に近い耐熱性等
を有する他の非酸化物セラミックスからなる接合防止マ
スク38を使用してもよい。
【0082】(8) タイバー12等を用いて各断片1
1を連結することなく、あらかじめ各断片11を個別に
形成しておき、それらをマウンタ等を用いて基板1,2
0…上に載置することも可能である。
【0083】ここで、特許請求の範囲に記載された技術
的思想のほかに、前述した実施例及び別例によって把握
される技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。 (1) リードの位置にバスバーを備えた請求項7の電
子部品搭載用基板。この構成であると、外部との接続を
より容易にすることができる。
【0084】(2) その上面から突出するリードを有
する電子部品搭載用基板と、基板を収納するためのケー
スと、配線パターンを備えた蓋とからなり、前記配線パ
ターンの両端を蓋から部分的に突出させ、かつその一端
をリードに接続し、他端を外部接続端子とした配線基
板。この構成であると、コスト性や信頼性等に優れた配
線基板を比較的簡単に実現できる。
【0085】なお、本明細書中において使用した技術用
語を次のように定義する。 金属板材: 銅単体からなる板材をいうほか、例えばタ
フピッチ電解銅のように酸素を含む板材や、銅−ニッケ
ル、銅−コバルト、銅−クロム等のように銅合金からな
る板材や、さらには鉄、クロム、ニッケル、コバルト、
銀等やこの種の金属の合金(例えばコバールや42アロ
イ等)からなる板材をも含む。
【0086】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜7の電
子部品搭載用基板及びその製造方法によれば、材料や設
備等に要するコストが比較的少ないにもかかわらず、信
頼性向上、工程簡略化及び高密度化を達成することがで
きる。
【0087】請求項8,9の電子部品搭載用基板製造用
の金属板材によれば、前記基板の製造時において高コス
ト化や工程複雑化を確実に回避することができる。請求
項10の電子部品搭載用基板製造用の接合防止マスクに
よれば、共晶法等による接合を行うときでも工程複雑化
を確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は実施例1の電子部品搭載用基
板の製造工程を示す概略断面図である。
【図2】実施例1の電子部品搭載用基板及び金属板材を
示す部分概略斜視図である。
【図3】(a),(b)は実施例2の電子部品搭載用基
板の製造工程を示す概略断面図である。
【図4】実施例2の電子部品搭載用基板を示す部分概略
斜視図である。
【図5】(a)〜(c)は実施例3の電子部品搭載用基
板の製造工程を示す概略断面図である。
【図6】実施例3の電子部品搭載用基板を示す部分概略
斜視図である。
【図7】(a)〜(c)は実施例4の電子部品搭載用基
板の製造工程を示す概略断面図である。
【図8】実施例4の電子部品搭載用基板及び金属板材を
示す部分概略斜視図である。
【図9】(a),(b)は実施例4の電子部品搭載用基
板の変形例を示す概略断面図である。
【図10】(a)は実施例5の電子部品搭載用基板を形
成するための金属板材を示す部分概略斜視図であり、
(b),(c)は実施例5の電子部品搭載用基板の製造
工程を示す部分概略斜視図である。
【図11】実施例5の電子部品搭載用基板を構成要素と
する配線基板全体を示す概略断面図である。
【図12】(a)は実施例6の電子部品搭載用基板を示
す部分概略断面図であり、(b),(c)は同じくその
変形例を示す部分概略断面図である。
【符号の説明】
1,20,25,30,33,34,35,45,4
8,51…電子部品搭載用基板、3…外部接続端子とし
てのリード、4,22…基材、5…配線パターン、1
0,27,32,37,46,50,53…金属板材、
11…断片、12…連結部としてのタイバー、38…接
合防止マスク、47…段差。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配線パターン状をなす断片を備えた金属板
    材を基材に接合することにより、基材上に所定の配線パ
    ターンを形成する電子部品搭載用基板の製造方法であっ
    て、前記断片の一部に外部接続端子として使用されうる
    未接合部が設けられるように、前記金属板材を接合する
    電子部品搭載用基板の製造方法。
  2. 【請求項2】配線パターン状をなす断片を備えた金属板
    材を基材に接合することにより、基材上に所定の配線パ
    ターンを形成する電子部品搭載用基板の製造方法であっ
    て、前記断片の一部に外部接続端子として使用されうる
    未接合部が設けられるように前記金属板材を接合した
    後、前記未接合部に対する折り曲げ加工によって、当該
    部分に外部接続端子を形成する電子部品搭載用基板の製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記基材の上面に位置している前記断片の
    未接合部を折り曲げ加工することによって、基材のほぼ
    上方に向かって突出した外部接続端子を形成する請求項
    2に記載の電子部品搭載用基板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記基材と前記金属板材とを熱硬化性接着
    剤を介して接合する請求項1乃至3のいずれか1項に記
    載の電子部品搭載用基板の製造方法。
  5. 【請求項5】銅を主成分とする金属板材を、少なくとも
    上面に酸化層を有するセラミックス製の基材に密着させ
    るようにして配置するとともに、前記金属板材の断片の
    うち後に未接合部となる箇所と前記基材との間に接合防
    止マスクを介在させ、共晶法または活性金属法によって
    前記金属板材の断片を前記基材の上面に部分的に接合さ
    せる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子部品搭
    載用基板の製造方法。
  6. 【請求項6】銅を主成分としかつ断片のうち後に未接合
    部となる箇所に段差を備える金属板材を、少なくとも上
    面に酸化層を有するセラミックス製の基材に密着させる
    ようにして配置し、共晶法または活性金属法によって前
    記金属板材の断片を前記基材の上面に部分的に接合させ
    る請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子部品搭載
    用基板の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電
    子部品搭載用基板の製造方法によって製造された電子部
    品搭載用基板。
  8. 【請求項8】請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電
    子部品搭載用基板の製造方法に用いられる金属板材であ
    って、配線パターン状をなす複数の断片と、断片間に配
    置されるとともに、各々の断片の相対的な位置関係を保
    持しながら各断片を連結する連結部とからなる電子部品
    搭載用基板製造用の金属板材。
  9. 【請求項9】銅を主成分として含む厚さ100μm〜1
    000μmの請求項8に記載の電子部品搭載用基板製造
    用の金属板材。
  10. 【請求項10】請求項5に記載の電子部品搭載用基板の
    製造方法に用いられる接合防止マスクであって、炭化珪
    素焼結体製かつ板状の電子部品搭載用基板製造用の接合
    防止マスク。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014090048A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Nippon Steel & Sumikin Electronics Devices Inc パワーモジュール用基板
CN114107893A (zh) * 2021-08-26 2022-03-01 达运精密工业股份有限公司 形成金属遮罩的方法与金属遮罩

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