JPH0732049Y2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ヘッドモジュールが載置してあるキャリッジ
にインクカートリッジを交換可能に装着するようにした
インクジェットプリンタに関するものである。

［従来の技術］ インクジェットプリンタは、液体のインクをキャリッジ
の上のヘッドモジュールへ導いて所定手段により、その
インクを吐出させて、印字を行うものであるが、従来、
インクはプリンタ本体側に備えられたタンク等に蓄えて
あり、これより可撓性チューブ等によりヘッドモジュー
ルへ導いていた。

しかし、この構成では、可撓性チューブ等を用いなけれ
ばならず、本体内が煩雑であった。

そこで可撓性チューブを用いないために、ヘッドモジュ
ールとインクカートリッジとを一体に構成し、これをキ
ャリッジ上に着脱可能に装着したものがある。

［解決しようとする課題］ しかし、これはヘッドモジュールとインクカートリッジ
とが一体であるために、インクがなくなるとこれを一体
に取り外して、新しいものを装着するために、ヘッドモ
ジュールは一回限りの使い捨てであり、経済的でなかっ
た。

そこで本考案の目的は、ヘッドモジュールとインクカー
トリッジとをキャリッジ上に載置し、かつインクカート
リッジのみを取り外し可能にすることにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案のインクジェットプ
リンタは、背面にインク供給用のニードルを設けてある
ヘッドモジュールと、ヘッドモジュールを載置してある
キャリッジと、前面にインク取出部を設けてあり、両側
面の下端部に被係合手段を設けてあるインクカートリッ
ジと、キャリッジに回転可能に設けてあり、内側面の下
端部にインクカートリッジ両側面の被係合手段と係合可
能な係合手段を有する１対のアームを備えたレバーとを
有している。被係合手段と係合手段のうちの一方は、下
方に向けて開口している係合溝であり、他方は係合溝に
挿通可能な係合突起である。レバーを回転させることに
より、係合手段を前進させ係合溝の側面と係合突起を係
合させて被係合手段を前方に押圧しインクカートリッジ
を前進させ、ニードルをインク取出部に結合するように
したことを特徴とする。

また、上記の両アーム部がキャリッジに設けられた１対
のレバー支持体に回転可能に取り付けてあり、アームの
少なくとも一方の外側面とレバー支持体内面との一方に
クリック突起が、その他方にクリック溝が設けてあるこ
とを特徴とする。

［作用］ インクカートリッジの両側面に設けてある被係合手段を
１対のアームの係合手段に係合させて、レバーを回転す
ると、レバーはキャリッジに対する回転軸を中心として
回転し、てこの原理により、１対のアームの係合手段は
インクカートリッジの被係合手段をヘッドモジュール方
向へ押圧するために、インクカートリッジが前進し、イ
ンク取出部がヘッドモジュールに設けてあるニードルと
結合する。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第1,2図示において、キャリッジ１には、前方及び後方
にそれぞれ円筒体1a及び筒体1bが設けてあり、円筒体1a
及び筒体1bにはプリンタ本体に設けてあるガイド部材が
挿入される（図示省略）。筒体1bの上面両側部には後方
へ突出したガイド突起1cが設けてあり、後述のインクカ
ートリッジが装着される際の上下方向のガイドとなる。

キャリッジ１の上面前方部にはヘッドモジュール２が取
り付けてある。ヘッドモジュール２は所定手段により前
面2aに設けてあるノズル（図示省略）よりインクを記録
媒体等に吐出するものであり、後面下方部に設けてある
ニードル３によりインクが供給される。また後面上方部
には廃インクを取り出すためのチューブ４が設けてあ
る。

キャリッジ１の上面のヘッドモジュール２の後方位置に
は、レバー支持体５が固着してある。レバー支持体５は
直方体の箱の上面と背面の２面を除いた形状となってお
り、ニードル３部には所定径の孔5aが開けられ、後述の
インクカートリッジのセプタムをニードル３に結合可能
となっている。レバー支持体５の両側部5bにはレバー支
持孔5cが貫通して設けてあり、また後述するようにレバ
ーを上げた状態及び下げた状態を保持するためのクリッ
ク孔（クリック溝）5d及び5eが所定深さで設けてある。

レバー６は１対のアーム6aの一端部を連絡部6bでつない
だ形状となっており、１対のアーム6aの内端距離はイン
クカートリッジの幅と同じかまたは僅かに大である。両
アーム6aの他端部近傍には外方に向かって支持突起6cが
突設してあり、レバー支持孔5cに回転可能に嵌合してい
る。また両アーム6aにはクリック孔5d,5eに選択的に嵌
合するクリック突起6dが外方に向かって設けてある。両
アーム6aの他端部の支持突起6cよりもさらに前方寄りの
下端部には、内方に向かって係合突起（係合手段）6eが
設けてあり、後述するインクカートリッジの係合溝7aと
挿通可能に係合する。このために連絡部6bをヘッドモジ
ュール後方向に倒して、レバー６を回転させたときに
は、てこの原理により係合突起6eは前進し、反対に連絡
部6bを前方向に倒してレバー６を回転させたときには、
係合突起6aは後退する。連絡部6bの下面には、はり6fが
設けてある。

インクカートリッジ７は内部が２段に別れており、下段
には未使用インキ、上段には廃インキがそれぞれ所定手
段により、蓄えられる（図示省略）。インクカートリッ
ジ７の前面下方部にはインク取出部として、ゴム等の弾
性体を使って封止したセプタム８が設けてあり、前面上
方部にはチューブ４を嵌入させるための孔（図示省略）
が設けてある。インクカートリッジ７の両側面の前方下
端部には、インクカートリッジ７の側面を内側にプレス
する等により、係合溝7a（被係合手段）が設けてある。
係合溝7aは下方に向かって開口している。またインクカ
ートリッジ７を上方より挿入して係合突起6eを係合溝7a
と係合するときに係合し易いように、係合溝7aは係合突
起6eに対して十分に大きい横幅を有しており、挿入時に
インクカートリッジ７の前面でニードル３を傷つけない
ように係合溝7aの位置が定められている。インクカート
リッジ７の下面の後端位置には左右に、ガイド突起1cに
嵌合する袋部7bが設けてある。

次に作用について説明する。

第３図示のようにレバー６を支持突起6cを中心に時計方
向に回転させてその連絡部6bを前方へ倒し、クリック突
起6dをクリック孔5dに嵌合させた状態とする。インクカ
ートリッジ７を連絡部6bの後方において上方より下方に
挿入し、係合突起6eを係合溝7aに係合させる。この際、
係合溝7aがインクカートリッジ７の側面の所定位置に設
けてあるため、インクカートリッジ７でニードル３等を
傷つけない。

次にインクカートリッジ７をキャリッジ１の上面に当接
したことを確認した後、レバー６を反時計方向に回転さ
せて後方向に倒す。すると係合突起6eが前進して係合溝
7aの前方側面7cに当接・係合し、てこの作用により係合
溝7aを押圧して、軽い力でインクカートリッジ７を前進
させる。そしてニードル３がセプタム８に貫入し、また
チューブ４がインクカートリッジ７の上方部に開けられ
た孔と嵌合し、さらにガイド突起1cが袋部7bに嵌入し、
連絡部6bの下面のはり6fがインクカートリッジ７の上面
に当接することによりインクカートリッジ７の前進が止
まり、クリック突起6dがクリック孔5eと嵌合してインク
カートリッジ７の装着が完了する（第１図，第２図）。
そして使用者にこの嵌合によるクリック感により装着が
完了したのを知らせる。はり6fがインクカートリッジ７
の上面に当接することによりレバー６がそれ以上回転で
きないため、インクカートリッジ７が必要以上にヘッド
ブロック２側に押し付けられるのを防止する。またレバ
ー６の回転中には、クリック突起6dがクリック孔5dより
外れて、レバー支持体５の両側部5bの内側面と接した状
態となるために、１対のアーム6aは内方へたわんでイン
クカートリッジ７の両側を挟持した状態となるので、イ
ンクカートリッジ７の左右方向の位置決めが行われ、正
しい位置でニードル３はインク取出部８に係合する。ガ
イド突起1cが袋部7bに嵌入しているためにインクカート
リッジ７のキャリッジ１上における装着状態を確固なも
のとしている。

次にインクがなくなった等によりインクカートリッジ７
を取り外すときには、レバー６を引き上げて前方に倒し
て回転させる。すると係合突起6eが係合溝7aの後方側面
7dを押圧するためにインクカートリッジ７が後退して、
ニードル３がセプタム８より抜け、またチューブ４がイ
ンクカートリッジ７の孔より外れて、第３図の状態とな
り、このとき、クリック突起6dと、クリック孔5dは嵌合
し、このクリック感により使用者にインクカートリッジ
７が外れたことを知らせる。そののちインクカートリッ
ジ７を上方へ引き上げればよい。係合突起6eが係合溝7a
の後方側面7dを押圧するときに、ガイド突起1cと袋部7b
とは嵌合しているために、インクカートリッジ７の後端
部の持ち上がり等が防止されている。

上記実施例ではインクカートリッジ７の被係合手段及び
レバーの１対のアーム6aの係合手段をそれぞれ係合溝7a
及び係合突起6eとしたが、インクカートリッジの被係合
手段側を係合突起とし、レバーの係合手段を係合溝等と
してもよい。またインクカートリッジ７の進行方向のガ
イド手段を筒体に設けられたガイド突起1c及びインクカ
ートリッジ７の下面側に設けられた袋部7bにより構成し
たが、逆にキャリッジ１側を袋部にし、インクカートリ
ッジ７側をガイド突起にする等でもよい。

また上記実施例ではクリック突起6dを両方のアーム6aに
設けて、レバー６を倒した際両方のアーム6aを内方へ曲
げたが、クリック突起を一方のアームのみに設けて、レ
バー６を倒した際一方のアーム6aのみを内方へ曲げて、
インクカートリッジ７を他方のアーム側へ押しつけるこ
とによりインクカートリッジ７の位置決めを行ってもよ
い。さらにアームにクリック溝を設け、レバー支持体に
クリック突起を設けてもよい。

［効果］ 本考案は、インクカートリッジに設けた被係合手段をレ
バーに設けた係合手段と係合させて、レバーを回転する
ことによりインクカートリッジのみを前進させてキャリ
ッジ上に装着するものであるため、インクカートリッジ
のみを交換可能に装着でき、ヘッドモジュールを使い捨
てにしなくてよく、経済的であり、また上記構成によ
り、装着に力を要せず、また確実に正しい位置に装着可
能である。また構成が簡単であり、組立てコストを安く
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図はインク
カートリッジを装着した状態の側面図、第２図は第１図
の一部破断平面図、第３図はインクカートリッジを装着
する様子を示す側面図である。 １…キャリッジ、２…ヘッドブロック（ヘッドモジュー
ル）、３…ニードル、５…レバー支持体、5d,5e…クリ
ック溝,6…レバー、6a…アーム、6d…クリック突起、6e
…係合手段（係合突起）、７…インクカートリッジ、7a
…被係合手段（係合溝）、7c…係合溝の側面（前方側
面）、８…インク取出部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 井上 晴夫 東京都墨田区太平４丁目１番１号 株式会 社精工舎内 (72)考案者 パラカッシュ デサイ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 95054 サンタクララ スコットブールー バード 3350 ビルディング 21 オン ターゲット テクノロジー インコーポレ イテッド内 (72)考案者 ジョー ワーニング アメリカ合衆国 カリフォルニア州 95054 サンタクララ スコットブールー バード 3350 ビルディング 21 オン ターゲット テクノロジー インコーポレ イテッド内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】背面にインク供給用のニードルを設けてあ
   るヘッドモジュールと、 上記ヘッドモジュールを載置してあるキャリッジと、 前面にインク取出部を設けてあり、両側面の下端部に被
   係合手段を設けてあるインクカートリッジと、 上記キャリッジに回転可能に設けてあり、内側面の下端
   部に上記インクカートリッジ両側面の上記被係合手段と
   係合可能な係合手段を有する１対のアームを備えたレバ
   ーとを有し、 上記被係合手段と係合手段のうちの一方は、下方に向け
   て開口している係合溝であり、他方は上記係合溝に挿通
   可能な係合突起であり、 上記レバーを回転させることにより、上記係合手段を前
   進させ上記係合溝の側面と上記係合突起とを係合させて
   上記被係合手段を前方に押圧し上記インクカートリッジ
   を前進させ、上記ニードルを上記インク取出部に結合す
   るようにした ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
2. 【請求項２】請求項１において、上記両アーム部が上記
   キャリッジに設けられた１対のレバー支持体に回転可能
   に取り付けてあり、 上記アームの少なくとも一方の外側面と上記レバー支持
   体内面との一方にクリック突起が、その他方にクリック
   溝が設けてある ことを特徴とするインクジェットプリンタ。