JPH0634108Y2 - インクジェットプリンタのインクカートリッジ接続構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はインクジェットプリンタのインクカートリッジ
接続構造に係り、特にインクカートリッジ交換時にチュ
ーブ先端部の針を適正に挿入することができ、インクを
確実に印字ヘッドに供給することを可能としたインクジ
ェットプリンタのインクカートリッジ接続構造に関す
る。

〔従来の技術〕

従来から、複数本の印字ワイヤを突出入させてドット印
字を行なうワイヤドット式プリンタや、発熱部を有する
サーマルヘッドによりインクリボンのインクを溶融させ
て印字を行なうサーマルプリンタが多く用いられている
が、近年、これらのプリンタの他に、印字ヘッドのノズ
ルからインクを噴射して印字を行なうインクジェットプ
リンタが用いられるようになってきた。

第２図は従来のインクジェットプリンタの概要を示した
もので、印字ヘッド１の先端面には、用紙にインクを噴
射する複数のノズル２が形成されており、前記印字ヘッ
ド１は、２本のシャッタ3,3上に配設され、前記シャッ
タ３に沿って往復動自在に形成されている。また、前記
印字ヘッド１の後端面には、前記印字ヘッド１にインク
を供給するチューブ４の一端が接続され、このチューブ
４の他端は、インクが充填されたインクカートリッジ５
に接続されている。

また、第３図は前記チューブ４とインクカートリッジ５
との接続部分の構造を示したもので、チューブ４の端部
には、内部が中空とされ先端部が鋭角状に形成された針
６が接続されており、この針６の中途部には、この針６
を支持する針支持台７が取付けられている。前記インク
カートリッジ５の先端面には、インクカートリッジ５内
部のインク充填部８に連通するゴム部９が配設されてお
り、さらに、前記針支持台７の針先端側面には、前記針
６の位置決めを行なう係合突起10が一体に形成され、前
記インクカートリッジ５の先端面には、前記針６が前記
ゴム部９に位置するように位置決めするため前記針支持
台７の係合突起10に対応する係合凹部11が形成されてい
る。

前記従来のインクジェットプリンタにおいては、インク
カートリッジ５内のインクをチューブ４を介して印字ヘ
ッド１に供給し、図示しない制御装置からの印字指令に
基づいて、前記印字ヘッド１のノズル２からインクを用
紙に噴射することにより、所望の文字、記号等を印字す
るようにしている。

また、前記インクカートリッジ５内のインクがなくな
り、インクカートリッジ５を交換する場合は、チューブ
４の端部からインクカートリッジ５を引き抜き、第３図
に示すように、針支持台７の係合突起10を新しいインク
カートリッジ５の係合凹部11に係合させることにより、
前記針６の先端部をインクカートリッジ５のゴム部９を
貫通してインク充填部８に導通される。これにより、前
記針６の内部を通って新しいインクカートリッジ５のイ
ンク充填部８内のインクをチューブ４を介して再び印字
ヘッド１に供給することができるものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、前記従来のプリンタにおいては、針６が針支持
台７に固定されており、針６自体に弾性があるので、前
記針６をインクカートリッジ５のゴム部９に挿入する
際、第４図鎖線に示すように、針６の先端部が湾曲して
しまい、前記ゴム部９に適正に挿入されないおそれがあ
るという問題を有している。また、前記針６の先端部が
鋭角状に形成されているので、ゴム部９に針６を挿入す
る際に針６が斜めに挿入されてしまうという問題を有し
ている。このことは、インクカートリッジ５のインクの
供給が適正に行なわれなくなる原因となっていた。

本考案はこれらの点に鑑みてなされたものであり、針を
適正にインクカートリッジに挿入することができ、イン
クカートリッジを交換時に確実にインクを供給すること
のできるインクジェットプリンタのインクカートリッジ
接続構造を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

前記目的を達成するため本考案に係るインクジェットプ
リンタのインクカートリッジ接続構造は一端部に複数の
インク噴射ノズルを有する印字ヘッドが接続されたチュ
ーブの他端部に針を接続し、この針をインクカートリッ
ジのインク充填部に連通するゴム部に挿入してなるイン
クジェットプリンタのインクカートリッジ接続構造にお
いて、前記針の中途部に前記針を回転自在に支持する針
支持台を配設し、前記針の前記針支持台より先端側に、
前記針を貫通させてインクカートリッジに対して適正に
案内する針ガイド板を前記針に沿って摺動自在に配設し
て構成されている。

〔作用〕

本考案によれば、インクカートリッジを交換する場合
に、針ガイド板をインクカートリッジに当接させなが
ら、針の先端部をゴム部に挿入させ、前記針を常にガイ
ド板で案内支持するようにしているので、針挿入時に針
が湾曲したり、斜めに挿入されることを防止するとがで
き、その結果、インクの不吐出がなく、適正にインクを
供給することが可能となるものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図を参照し、第２図から第
４図と同一部分には同一符号を付して説明する。

第１図は本考案に係るインクジェットプリンタのインク
カートリッジ接続部分の一実施例を示したもので、チュ
ーブ４の一端部に接続された針６の中途部には、針支持
台７が取付けられており、前記針６と針支持台７との間
には、球状ゴム12が介設されており、これにより、前記
針６は、針支持台７に回転自在に支持されている。ま
た、前記針６の前記針支持台７より先端側には、針６を
貫通させて案内する針ガイド板13が針６に沿って摺動自
在に配設されており、この針ガイド板13の先端面には、
インクカートリッジ５の先端面に形成された係合凹部11
に係合される位置決め用の係合突起10が一体に形成され
ている。前記針ガイド板13の後面には、他端部が前記針
支持台７に接続されたばね14の一端部が接続されてお
り、前記針ガイド板13を針６の先端側に付勢するように
なされている。

その他の構成は前記従来のものと同様である。

本実施例においては、インクカートリッジ５を交換する
場合、針ガイド板13の係合突起10をインクカートリッジ
５の係合凹部11に係合させながら、針６の先端部をゴム
部９に挿入させる。そして、さらに前記針６を挿入する
ことにより、針支持台７および針６は、ばね14の付勢力
に抗して移動する。このとき、前記針６は、インクカー
トリッジ５の先端面に当接した状態の針ガイド板13によ
りインクカートリッジ５に対して適正関係を保持しなが
ら案内される。更に、針６は球状ゴム12を介して針支持
台７に対して回転自在に支持されているので、針ガイド
板13に無理なく案内される。そして、針６を挿入して針
６をインクカートリッジ５のインク充填部８に連通させ
ることにより、チューブ４を介して印字ヘッドにインク
を供給するようにしている。

したがって、本実施例においては、インクカートリッジ
５の交換時に常に針ガイド板13により針６が適正に案内
支持されることになるので、針挿入時に針６が湾曲した
り、斜めに挿入されることを防止することができ、その
結果、インクの不吐出がなく、適正にインクを供給する
ことが可能となる。

なお、本考案は前記実施例に限定するものではなく、必
要に応じて変更することができる。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案に係るインクジェットプリンタ
のインクカートリッジ接続構造は、針ガイド板をインク
カートリッジに当接させながら、針の先端部をゴム部に
挿入させ、前記針を常に針ガイド板で適正に案内支持す
るようにしているので、針挿入時に針が湾曲したり、針
が斜めに挿入されることを防止して適正に針を挿入する
ことができる。その結果、インクの不吐出がなく、印字
ヘッドに適正にインクを供給することができる等の効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のインクジェットプリンタのインクカー
トリッジ接続構造の一実施例を示す一部の縦断面図、第
２図から第４図はそれぞれ従来のインクジェットプリン
タを示したもので、第２図は斜視図、第３図はインクカ
ートリッジ接続部分の縦断面図、第４図は針の湾曲状態
の説明図である。 ４……チューブ、５……インクカートリッジ、６……
針、７……針支持台、８……インク充填部、９……ゴム
部、10……係合突起、11……係合凹部、13……針ガイド
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一端部に複数のインク噴射ノズルを有する
   印字ヘッドが接続されたチューブの他端部に針を接続
   し、この針をインクカートリッジのインク充填部に連通
   するゴム部に挿入してなるインクジェットプリンタのイ
   ンクカートリッジ接続構造において、前記針の中途部に
   前記針を回転自在に支持する針支持台を配設し、前記針
   の前記針支持台より先端側に、前記針を貫通させてイン
   クカートリッジに対して適正に案内する針ガイド板を前
   記針に沿って摺動自在に配設したことを特徴とするイン
   クジェットプリンタのインクカートリッジ接続構造。