JPH0732038B2 - 計器へ電線を結線する端末アダプター - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、積算電力計等の接続端
子部へ、その端子径よりも太径の電線を結線させる場合
に使用する端末アダプターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、計器の接続端子部に電線を結
線する場合に、電線端末の導電部がばらけて隣接の電線
等に接触して短絡し、危険を招くのを防護することが行
なわれている。例えば、実公昭５８−２５５６２号公報
に開示されているものは、長手方向に分割して先細テー
パ状に形成した半割り円筒体に電線の導電部を挿貫し、
これを計器の接続端子部に挿着してビスを直交状に螺締
させてその先端で半割り円筒体を押し潰すことで固定さ
せている。また、計器の使用を一時的に休廃止した場合
に、絶縁保護と盗電防止を行なわせる目的で、電線の被
覆部を嵌挿する大径筒部の先端に計器の接続端子部に挿
着する小径棒部を一体に延設し、大径筒部の奥に連通状
に設けた細径部に電線の導電部を臨ませ、大径筒部の他
端と電線の被覆部とを跨ぐようにテープ巻きするものが
実公平１−１９３３２号公報に開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように従来のもの
は、電線の端末処理に随分と手間が掛かり作業能率の低
いものであった。それ故に本発明の目的は、このような
手間が掛からず、ワンタッチ的に電線が結線できる端末
アダプターを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の端末アダプター
は、計器の接続端子部に挿着させる小径の棒体と電線の
先端を結線させる結線部とからなり、該結線部は円筒体
を長手方向に複数に分割した形状に形成すると共に、該
結線部の内側面に多数の凹凸を周回状に設け、さらに該
結線部に円筒状の絶縁キャップを被着した構成より成
る。また、前記絶縁キャップの内周面に金属製のパイプ
を挿着するようにした構成より成る。

【０００５】

【作用】結線部への電線の結線は、絶縁キャップをずら
して拡開フリーとした結線部に対し、電線先端の絶縁被
覆を剥離して露出させた導電部を挿し込み、この結線部
をさらに絶縁キャップに押込んで被覆させることで行な
える。このようにして結線された電線は導電部の周囲に
結線部の内側面に周回状に設けた多数の凹凸が食い込む
状態に絶縁キャップで保持され、抜脱することなく確実
に固定される。また、絶縁キャップの内周面に挿着した
金属製のパイプは、円筒体を長手方向に複数に分割して
形成した各結線部が熱を持つことで外方へ開き易くなる
のを開かせることなく保持させる。

【０００６】

【実施例】以下に本発明の一実施例を図面と共に説明す
る。図において１は後述する積算電力計１０の接続端子
部１１に挿着させる小径の棒体であり、該棒体１の後端
に電線２を結線させる結線部３を一体に連設して導電体
により形成される。結線部３は円筒体を長手方向に四分
割した形状で、その内側面に多数の凹凸４を周回状に設
けて形成される。

【０００７】５は円筒状に形成した合成樹脂製の絶縁キ
ャップであり、その一方端に設けた通孔６を棒体１に摺
動可能に挿通させる。該絶縁キャップ５は前記結線部３
を十分に被覆する長さに形成し、その開放端の内側面に
テーパ７を設けて電線２の絶縁被覆８を引入れ易くして
ある。

【０００８】次にこのように形成した本発明の端末アダ
プターＡの使用について説明する。図に示すように電線
２の先端の絶縁被覆８を結線部３と同じ長さ剥離して導
電部９を露出させる。そして、図３に示すように絶縁キ
ャップ５をずらして結線部３を拡開フリーとした状態で
該結線部３に電線先端の導電部９を挿し込み、さらに結
線部３を絶縁キャップ５に押込んでやれば図２に示すよ
うに導電部９の周囲に結線部３の内側面に多数設けた凹
凸４が食い込み、結線部３の長さ全体で保持され、さら
に、この導電部９に隣接した絶縁被覆８が絶縁キャップ
５で支持される。

【０００９】そして、このようにして電線２を結線した
端末アダプターＡの棒体１を図４に示される積算電力計
１０の接続端子部１１に嵌挿させ、取付ねじ１２，１２
で締付け使用される。

【００１０】また、本実施例では図２及び図３に示すよ
うに、絶縁キャップ５の内周面に金属製のパイプ１３を
嵌挿している。この金属製のパイプ１３は、合成樹脂で
形成された絶縁キャップ５、さらに円筒体を長手方向に
複数に分割されている各結線部３が熱を帯びて外方に開
き易くなるのを、開かせることなく管形状に保持させる
のに有効である。

【００１１】

【発明の効果】以上に述べたように本発明の端末アダプ
ターは、円筒体を長手方向に分割して形成した結線部に
電線の先端に露出させた導電部を挟ませ、該結線部を絶
縁キャップに押込むことでワンタッチ的に結線すること
ができ、しかも、結線部の内側面に設けた多数の凹凸が
前記導電部の周囲に食い込んで抜脱することはなく、確
実な結線状態を維持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】電線を結線した状態の正面図。

【図２】図１の縦断面図。

【図３】電線を挿着する前の断面図。

【図４】積算電力計に装着する状態を説明するための斜
視図。

【符号の説明】

１ 棒体 ２ 電線 ３ 結線部 ４ 凸凹 ５ 絶縁キャップ １０ 積算電力計 １１ 接続端子部 Ａ 端末アダプター １３ 金属製のパイプ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 計器の接続端子部に挿着させる小径の棒
   体と、電線の先端を結線させる結線部とからなり、該結
   線部は円筒体を長手方向に複数に分割した形状に形成す
   ると共に、該結線部の内側面に多数の凹凸を周回状に設
   け、さらに該結線部に円筒状の絶縁キャップを被着して
   構成した計器へ電線を結線する端末アダプター。
2. 【請求項２】 絶縁キャップの内周面に金属製のパイプ
   を挿着した請求項１記載の計器へ電線を結線する端末ア
   ダプター。