JPH07318904A - 液晶表示装置の駆動方法 - Google Patents

液晶表示装置の駆動方法

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JPH07318904A
JPH07318904A JP10690694A JP10690694A JPH07318904A JP H07318904 A JPH07318904 A JP H07318904A JP 10690694 A JP10690694 A JP 10690694A JP 10690694 A JP10690694 A JP 10690694A JP H07318904 A JPH07318904 A JP H07318904A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 非線形抵抗素子の電流−電圧特性が温度によ
り変化する非線形抵抗素子をマトリクス状に配置し、非
線形抵抗素子に走査信号および表示信号を介してオンと
オフ、あるいは階調表示の表示を行うアクティブマトリ
クス型の液晶表示装置の駆動方法は、表示信号のオンと
オフの電圧振幅を温度により制御し、その電圧振幅は、
低温側では小さく、中間の温度において最大値を有し、
高温側では小さくする。 【効果】 広い温度範囲にて、良好な表示品質を得るこ
とが可能となり、さらに液晶の応答速度の低下による画
像切り換え時の尾引き現象を低減でき、フリッカによる
画像のチラツキ現象、および画像の焼き付き現象を防止
し、液晶表示パネルの表示品質を向上することが可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非線形抵抗素子の電流
−電圧(I−V)特性が温度により変化し、温度の上昇
により、電流値が大きくなる方向に変化する非線形抵抗
素子を有する液晶表示装置の駆動方法、および非線形抵
抗素子の電流−電圧(I−V)特性の非対称性が温度に
より異なる非線形抵抗素子を有する液晶表示装置の駆動
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示パネルを用いる液晶表示
装置は、大容量化の一途をたどっている。そして、単純
マトリクス構成の表示装置にマルチプレクス駆動を用い
る方法は、高時分割化するにしたがって、コントラスト
の低下、あるいは応答速度の低下が生じる。このため、
200本程度の走査線を有する液晶表示装置では、充分
なコントラストを得ることが難しくなる。
【0003】そこで、このような上述の欠点を除去する
ために、個々の画素にスイッチング素子を設けるアクテ
ィブマトリクス液晶表示パネルが採用されている。
【0004】アクティブマトリクス液晶表示パネルは、
大別すると薄膜トランジスタを用いる三端子系と、非線
形抵抗素子を用いる二端子系とがある。そして、構造
や、製造工程が簡単な点で、二端子系が優れている。
【0005】この二端子系には、ダイオード型や、バリ
スタ型や、MIM(メタル−インシュレータ−メタル)
型などが開発されている。このなかでとくにMIM型は
構造が簡単で、しかも製造工程が短い特徴を有してい
る。
【0006】図17の回路図は、非線形抵抗素子を用い
た液晶表示パネルのパネル構成を示したものである。
【0007】走査電極S1〜SNと、信号電極D1〜D
Nとは、それぞれ2枚のガラス基板の対向面に設けられ
ている。さらにそれぞれの走査電極と信号電極との交差
部に非線形抵抗素子41と、液晶画素42とからなる表
示画素を形成している。
【0008】液晶画素42を「オン」にする駆動電圧が
印加されたときは、非線形抵抗素子41の抵抗は小さ
く、小さな時定数で液晶画素を「オン」にする。これに
対して駆動電圧がオフになると、非線形抵抗素子41の
抵抗は大きい値を示し、大きい時定数で放電する。
【0009】この結果、「オン」、「オフ」時の液晶に
印加する電圧の実効値の比率が大きくなり、高密度のマ
ルチプレクス駆動が可能となる。
【0010】ところで、非線形抵抗素子には、使用する
環境温度により、非線形抵抗素子の電流−電圧特性が変
化し、温度の上昇により、電流が流れやすくなるときが
がある。
【0011】このとき、「オン」時の書き込み期間の電
流であるオン電流は、流れやすくなるために良好にな
る。しかしながら、とくに問題となるのが、「オフ」時
の保持期間の非線形抵抗素子の抵抗が小さくなり、「オ
ン」時に非線形抵抗素子を介して液晶画素に蓄積した電
荷を、つぎの「オン」になるまでの期間の保持期間に、
非線形抵抗素子を介して変化させてしまうことである。
【0012】さらにマトリクス表示を行うため、走査電
極に選択電圧として時分割的に走査信号を印加し、それ
ぞれの走査信号の書き込み期間は、それぞれの液晶画素
に、表示内容に応じた表示信号を信号電極に印加する。
【0013】マトリクス表示のときには、複数の走査電
極を有するため、同一の信号電極に複数の画素が接続し
ている構造となる。そのため、信号電極には、保持期間
に、自分の液晶画素以外の画素の表示を行うための表示
信号を印加する。
【0014】非線形抵抗素子の「オフ」時の電流のオフ
電流の増加により、液晶に印加された電圧は、短時間で
放電し電圧の減少量がおこり、そして電圧の減少量は、
表示信号に依存してしまいう。この現象は、他の画素の
表示内容の影響を受けて目的の表示と異なった表示にな
るため、クロストークと呼ばれている。
【0015】さらにまた、温度の上昇によって液晶中の
イオンの挙動が活発になり、さらにイオンの濃度も上昇
する。このため、液晶表示パネルを構成する液晶と、こ
の液晶を規則正しく配向するための処理層である配向膜
によるイオンの蓄積、あるいは直流電圧の印加による片
寄りが大きくなる。
【0016】このため、一定期間、同一の画像表示を行
った後に、画像を変えても以前の固定画像が残像として
残ってしまう、いわゆる画像焼き付きが発生して液晶表
示装置の表示品質の低下をもたらす。
【0017】このため、非線形抵抗素子のオフ電流を充
分に小さくするとともに、過剰な電圧を液晶に印加する
ことを防止する必要がある。
【0018】また、非線形抵抗素子の電流−電圧特性
は、低い温度ではオフ電流を充分小さくでき、大きな表
示信号の電圧振幅を用いても、液晶画素に印加された電
圧を長時間保持することが可能となる。
【0019】しかし、液晶は温度の低下により粘度が大
きくなる。そのため、たとえば白表示から黒表示に表示
内容が切り替わるために必要な時間である応答時間が大
きくなる。
【0020】このため、必要以上に表示信号の電圧振幅
(以下信号電圧と記載する)を大きくすることは、表示
の切り替わり時に大きな残像現象、あるいは大きな尾引
き現象となって現れるために液晶表示装置の表示品質を
悪くする。
【0021】また、デジタル的に中間調表示を行うとき
に、過剰な信号電圧を印加すると、階調の切り替わり時
の変化が大きく、階調に切り替わりが見えてしまう。こ
のため、なだらかな画像が再現できなくなる。
【0022】さらに、過剰な信号電圧の印加を可能にす
るためには、信号電圧を印加する駆動用回路である半導
体集積回路装置(IC)の耐圧を大きくする必要があ
る。このため、半導体集積回路装置チップの大型化を招
き、液晶表示装置が高価になってしまう。
【0023】さらに、非線形抵抗素子の電流−電圧特性
には、対称な素子特性を示すものと印加電圧の極性によ
って非対称な非線形抵抗特性を示すものもある。
【0024】この非対称な電流−電圧特性を示す理由
は、MIM素子のインシュレータ層である非線形抵抗層
の上層と下層との接合構造が異なることがその要因であ
る。
【0025】図18のグラフを用いて非対称な非線形特
性を示す非線形抵抗素子の電流−電圧特性を示す。図1
8は、非線形抵抗素子特性の主要な特性である電圧−電
流特性を示すグラフである。
【0026】図18のグラフに示すように、非線形抵抗
素子の電流−電圧特性は、印加する電圧の方向に対し
て、大きな非対称特性を示している。
【0027】この図18のグラフにおいて、曲線Aは正
側素子特性を示しており、曲線Bは負側素子特性を示し
ている。
【0028】ここで非線形抵抗素子は、図18のグラフ
に示すように、正電圧側と負電圧側とで非対称な非線形
特性を示し、液晶画素に印加される電圧を見ると、正電
圧側と負電圧側とで非線形抵抗素子に印加される電圧が
異なる。
【0029】このため、液晶画素に印加される電圧が、
正側のときと負側のときとで異なってしまう。したがっ
て、フリッカによる画像のチラツキ現象や、画像の液晶
中のイオンの偏りによる残像現象である画像の焼き付き
が生じ、液晶表示装置の表示品質が著しく低下する。
【0030】これに対して、この非対称な非線形抵抗素
子特性を補償し、表示品質を向上させる駆動方法が提案
されている。この非対称性を補償する例を、駆動波形を
示す図19と、電流−電圧特性を示す図18とを用いて
説明する。
【0031】図18の非線形抵抗素子における電流−電
圧特性を示すグラフ上で、駆動電圧から決まる書き込み
期間の非線形抵抗素子のオン電流と、非書き込み期間の
非線形抵抗素子のオフ電流とを設定する。
【0032】そして、オン電流に対応するオフセット電
圧であるオン・オフセット電圧として、正電圧側と負電
圧側との電圧の中点P1とゼロ電圧との差に相当する電
圧を求め、これをVoff3とする。同様にオフ電流に
対応するオフセット電圧であるオフ・オフセット電圧と
して、正側と負側との電圧の中点P2とゼロ電圧との差
に相当する電圧を求め、これをVoff2とする。
【0033】つぎに、図19の駆動波形図に示すよう
に、図18に示す走査電極に書き込み期間と非書き込み
期間とにおいて、図18を用いて説明したオフセット電
圧、すなわちオフセット電圧Voff2と、オフセット
電圧Voff3を印加する。このことにより、液晶画素
への直流電圧の印加を防止する。
【0034】つぎに、非線形抵抗素子の電流−電圧特性
の温度依存性に関して、図20のグラフを用いて説明す
る。図20に示す電流−電圧特性は、非線形抵抗素子の
温度25℃と、40℃の特性を示してる。そして、それ
ぞれ温度25℃の正側素子特性を曲線A、負側素子特性
を曲線Bにて示し、温度40℃の正側素子特性を曲線
M、負側素子特性を曲線Nにて示す。
【0035】図20に示すように、温度が25℃のとき
には、オン・オフセット電圧は中点P3とゼロ電圧との
差分としてVoff3となり、オフ・オフセット電圧は
中点P2とゼロ電圧との差分としてVoff2となる。
【0036】これに対して温度が40℃のときには、オ
ン・オフセット電圧は中点P5とゼロ電圧との差分とし
てVoff5となり、オフ・オフセット電圧は中点P4
とぜろ電圧との差分としてVoff4となる。
【0037】温度25℃と40℃のそれぞれのオフセッ
ト電圧は、等しくない。このため、たとえば、25℃の
オフセット電圧であるVoff2とVoff3を40℃
にて用いると、25℃と40℃のそれぞれのオフセット
の差分である、中点P3と中点P5の差分と、中点P2
と中点P4の差分とに起因する直流電圧が液晶に印加さ
れてしまう。
【0038】そのため、図19の駆動波形図に示すそれ
ぞれのオフセット電圧を温度により補償することによ
り、液晶への直流電圧の印加を防止することが可能とな
る。
【0039】しかしながら、液晶表示装置の表示品質の
向上を行うときには、信号電圧の温度による効率的な制
御方法が要求される。
【0040】一定の信号電圧を使用すると、たとえばと
くに液晶に対する直流電圧の印加を防止しなくては行け
ない高温度領域で、液晶への直流電圧の印加を防止を行
ったときには、非線形抵抗素子は温度依存性を有る。
【0041】このために、中温度領域から低温度領域に
なるにしたがってコントラストの低下が発生し、液晶へ
の直流電圧の印加量が増加してしまう。
【0042】そのため広い温度範囲において、コントラ
ストの必要以上な低下を起こし、さらに低温度領域にて
画像焼き付きが発生し、液晶表示装置の表示品質の低下
を起こしてしまう。
【0043】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶表
示装置は使用環境の温度変化が生じるため、非線形抵抗
素子の電流−電圧特性は変化する。
【0044】このため、とくに高温度領域では液晶への
直流電圧の印加を小さくする必要がある。
【0045】しかしながら、信号電圧を一定にしたとき
には、非線形抵抗素子の温度変化に対して充分な表示品
質の改善が達成できず、コントラストの低下や、画像焼
き付きを防止することはできず、表示品質を広範囲の使
用温度に対して対応することができないという欠点があ
る。
【0046】また、高温度領域から低温度領域に至る広
い使用温度では、液晶への直流電圧を充分に小さくでき
ない。このために、良好な画像品質を得ることができな
い。
【0047】また、非線形抵抗素子のパネル毎の特性差
があるため、それぞれの液晶表示パネルに適した電圧を
温度により選択する必要があるという問題点もある。
【0048】本発明の目的は、上記課題を解決して、良
好な画像品質を有する液晶表示装置の駆動方法を提供す
ることである。
【0049】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の液晶表示装置の駆動方法においては、下記
記載の駆動方法を採用する。
【0050】本発明の液晶表示装置の駆動方法は、非線
形抵抗素子の電流−電圧特性が温度により変化する非線
形抵抗素子をマトリクス状に配置し、非線形抵抗素子に
走査信号および表示信号を介してオンとオフ、あるいは
階調(中間調)表示の表示を行うアクティブマトリクス
型の液晶表示装置の駆動方法は、表示信号のオンとオフ
の電圧振幅を温度により制御し、その電圧振幅は、低温
側では小さく、中間の温度において最大値を有し、高温
側では小さくすることを特徴とする。
【0051】本発明の液晶表示装置の駆動方法は、非線
形抵抗素子の電流−電圧特性が温度により変化する非線
形抵抗素子をマトリクス状に配置し、非線形抵抗素子に
走査信号および表示信号を介してオンとオフ、あるいは
階調(中間調)表示の表示を行い、中間調の表示を電圧
パルス幅により制御するアクティブマトリクス型の液晶
表示装置の駆動方法は、表示信号のオンとオフの電圧振
幅を温度によって制御し、その電圧振幅は、低温側では
小さく、中間の温度において最大値を有し、高温側では
小さくし、しかも中間調のパルス幅を温度により制御す
ることを特徴とする。
【0052】本発明の液晶表示装置の駆動方法は、非線
形抵抗素子の非対称な電流−電圧特性を有する非線形抵
抗素子を有し、電流−電圧特性が、温度により変化する
非線形抵抗素子をマトリクス状に配置し、非線形抵抗素
子に走査信号および表示信号を介してオンとオフ、ある
いは階調(中間調)表示の表示を行うアクティブマトリ
クス型の液晶表示装置の駆動方法は、走査信号、あるい
は表示信号に非対称な電流−電圧特性を補償するための
オフセット電圧を印加し、補償するための電圧を温度に
より変え、さらに表示信号のオンとオフの電圧振幅を温
度によって制御し、その電圧振幅は、低温側では小さ
く、中間の温度において最大値を有し、高温側では小さ
くすることを特徴とする。
【0053】本発明の液晶表示装置の駆動方法は、非線
形抵抗素子の非対称な電流−電圧特性を有する非線形抵
抗素子を有し、電流−電圧特性が温度により変化する非
線形抵抗素子をマトリクス状に配置し、非線形抵抗素子
に走査信号および表示信号を介してオンとオフ、あるい
は階調(中間調)表示の表示を行い、中間調の表示を電
圧幅(パルス幅)により制御するアクティブマトリクス
型の液晶表示装置の駆動方法は、表示信号のオンとオフ
の電圧振幅を温度によって制御し、その電圧振幅は、低
温側では小さく、中間の温度において最大値を有し、高
温側では小さくし、しかも中間調のパルス幅を温度によ
り制御することを特徴とする。
【0054】
【作用】本発明の駆動方法は、電流−電圧特性が、温度
により変化する非線形抵抗素子を利用したアクティブ・
マトリクス型の液晶表示装置において、表示信号のオン
とオフの電圧の信号電圧振幅を温度により制御し、その
電圧振幅を低温側では小さく、中間の温度において最大
値を有し、高温側では小さくする手法を利用している。
【0055】このため、低温度領域から中間の温度領域
と、さらに高温度領域とにおいて、非線形抵抗素子のオ
フ電流を一定以下にすることが可能となり、さらに液晶
への直流電圧の印加を防止することができる。
【0056】この結果、とくに非線形抵抗素子のオフ電
流の増加が起こる高温度領域において、画像焼き付き、
クロストークを無くし、しかもコントラストを良好にす
ることが可能となる。
【0057】さらに、低温度領域から中間の温度領域に
おいても、画像焼き付きや、クロストークを無くし、し
かもコントラストが良好になり、表示品質が良好な液晶
表示装置を提供することが可能となる。
【0058】
【実施例】以下に本発明の実施例における液晶表示装置
の駆動方法を図面に基づいて説明する。なお本発明の実
施例に用いる液晶表示装置の構成は、図17に示す構成
と同じである。
【0059】まず本発明の第1の実施例を説明する。第
1の実施例に用いる非線形抵抗素子の構造を、図1を用
いて説明する。図1は、非線形抵抗素子の構造を示す断
面図である。
【0060】図1に示すように、絶縁性を有する基板1
上に、タンタル(Ta)膜からなる下電極2を設け、こ
の下電極2表面に非線形抵抗層3としてTa膜の実体酸
化膜である酸化タンタル(Ta25 )を設け、さらに
非線形抵抗層3上に上電極4としてクロム(Cr)膜を
設ける。そして、表示電極5として透明導電膜である酸
化インジウムスズ(ITO)膜を用いている。
【0061】非線形抵抗素子6は、下電極2と非線形抵
抗層3と上電極4とからなる。さらにこの非線形抵抗素
子6は、画素電極5と、外部から非線形抵抗素子を介し
て液晶に電圧を印加するための走査電極7との間に配置
する。
【0062】この図1に示す非線形抵抗素子6の電流−
電圧特性は、下電極2と非線形抵抗層3との接合と、非
線形抵抗層3と上電極4との接合は対称な構造をもち、
電流−電圧特性は図2のグラフに示すような対称な素子
特性を有する。図2は、非線形抵抗素子の電流−電圧特
性の温度依存性を示すグラフである。
【0063】図2のグラフに示すように、非線形抵抗素
子の電流−電圧特性は、温度によって変化する。
【0064】ここで温度25℃の正側素子特性を曲線C
に示し、負側素子特性を曲線Dにて示し、さらに温度4
0℃の正側素子特性を曲線Eに示し、負側素子特性を曲
線Fにて示す。
【0065】書き込み期間に液晶に所定の電圧を印加す
るために必要な電圧は、温度25℃のときには電圧VA
と電圧VBであり、温度40℃のときには、電圧VMと
電圧VNである。
【0066】そして対称な電流−電圧特性のため、正側
素子特性に付いて着目すると、温度25℃と40℃で
は、大きな電圧差(ΔV)がある。
【0067】また、書き込み期間に液晶に印加した電荷
をつぎの書き込み期間まで保持するために重要な低電流
領域の特性では、保持に必要な電圧V1と電圧V2に対
し、温度25℃での電流値(I1)と、40℃の電流値
(I2)とでは、大きな電流値の差(ΔI)が発生す
る。
【0068】図3は、電圧差(ΔV)と温度(T)の関
係、および電流値の差(ΔI)と温度(T)の関係を模
式的に示すグラフである。
【0069】電圧差(ΔV)と温度(T)の関係を曲線
Gに示す。図3に示すように曲線Gは、温度の上昇によ
り大きく減少する。また、電流値の差(ΔI)と温度
(T)の関係を曲線Hに示す。曲線Hは、温度の上昇に
より大きく増加する。
【0070】このため、書き込み期間に一定の電荷を液
晶に印加するためには、曲線Gから明かなように、電圧
を小さくすることが必要であり、また印加した電荷を保
持するためにも、曲線Hより電圧を小さくすることが必
要である。
【0071】図4と図5とは、本発明の実施例において
使用する駆動波形を示す波形図であり、図4は一般的な
液晶表示装置を駆動するために走査電極に印加する走査
信号を示し、図5は信号電極に印加するための表示信号
を示す。
【0072】走査信号は、画素電極の液晶に順次的に選
択電圧を印加するための、書き込み期間(Ts)と、他
の画素電極を選択している期間に液晶に蓄積した電荷を
保持するための保持期間(Th)を有する。
【0073】さらに、液晶への直流電圧の印加を防止
し、交流駆動を行うために、正側フィールドと負側フィ
ールドにより、交流化を行う。そして、それぞれ書き込
み期間(Ts)には、電圧a1と電圧a2の電圧を基準
電圧(ゼロ)に対して対称に印加し、保持期間(Th)
には、電圧c1と電圧c2とを印加する。
【0074】書き込み期間(Ts)では、それぞれの画
素電極の表示内容にしたがった表示を行うために、表示
信号は、図5に示すように、基準電圧Vd0から対称に
電圧Vd1と電圧Vd2を印加する。
【0075】これに対して、走査信号の書き込み期間
(Ts)では、たとえば電圧Vd1を印加する期間をT
1とし、電圧Vd2を印加する期間をT2とし、期間T
1と期間T2との時間比率を変える方法を、本発明の駆
動方法において採用する。
【0076】表示信号の電圧振幅(g1)は、電圧Vd
1と電圧Vd2との差であり、本発明の実施例のよう
に、それぞれの表示内容に応じた信号を、電圧振幅(g
1)を変化せずに、期間T1と期間T2の時間比率を変
える方法を採用する。
【0077】このことにより、とくに液晶の容量と非線
形抵抗素子の容量の比率が小さいときや、あるいは非線
形抵抗素子の低電流を維持するための電圧、たとえば図
2に示した電圧V1、あるいは電圧V2が小さいとき
に、電圧振幅(g1)を変化する方法に比較し、電圧振
幅(g1)の電圧が2値しかない。
【0078】したがって、電圧依存性が小さくなり、電
圧振幅(g1)に依存したクロストークが減少し、良好
な表示性能を有する液晶表示装置を得ることが可能とな
る。
【0079】一般的な液晶の透過率の応答速度(τ)の
温度(T)依存性を示すグラフを図6に示す。
【0080】図6に示すように、応答時間(τ)は、温
度がゼロ℃、あるいはさらに低温側にてきわめて大きく
なってしまう。そのため低温領域にて、コントラストを
大きくすると表示の切り替わりが遅くなり、尾引き現象
や、あるいは残像現象が起きてしまう。
【0081】そこで、図7に本発明の実施例にて採用す
る表示信号の電圧振幅(g1)と温度(T)との関係を
示すグラフを示す。
【0082】温度としては、応答速度の低下する低温度
領域(T10)、最もコントラストを大きくする領域と
して中温度領域(T20)と、非線形抵抗素子の低電流
を維持するための電圧が減少する高温度領域(T30)
とに区分する。
【0083】低温度領域(T10)では、応答速度の減
少による尾引き減少を防止するために、電圧振幅(g
1)を温度の低下により、小さくしている。
【0084】そして中温度領域(T20)では、最大の
コントラストを得るために、電圧振幅(g1)を最大値
を取るように大きくしている。
【0085】高温度領域(T30)では、非線形抵抗素
子の保持電圧の減少によるコントラストの低下を防止
し、しかも過剰な電圧振幅(g1)の印加によるクロス
トークの発生を防止するために、電圧振幅(g1)を温
度の増加により、小さくしている。
【0086】それぞれの温度領域に対する表示信号の電
圧振幅(g1)の補正を行ったときのコントラストと温
度(T)との関係を図8のグラフに示す。
【0087】図8に示すように、コントラストは、電圧
振幅(g1)にしたがって低温度側から徐々に増加し、
中温度領域にて最大値をもち、そして温度の増加により
減少する。
【0088】本発明の第1の実施例においては、表示信
号の電圧振幅(g1)を温度により制御する。
【0089】すなわち、低温度領域では電圧振幅(g
1)を温度の減少により減少させ、中温度領域では、電
圧振幅(g1)を最大にし、高温度領域では、温度の増
加により電圧振幅(g1)を減少させる。
【0090】このことにより、低温領域で起こる液晶の
応答速度の低下による尾引き減少を低下させる効果をも
ち、高温度領域で起こるクロストークの発生を防止する
ことができる。
【0091】したがって、広範囲な使用環境温度におい
て、良好な表示性能を有する液晶表示装置を得ることが
可能となる。
【0092】以下に本発明の第2の実施例における液晶
表示装置の駆動方法を図面に基づいて説明する。本発明
の第2の実施例に用いる液晶表示装置の構成は、図17
に示す構成と同じである。
【0093】本発明の第2の実施例に用いる非線形抵抗
素子の構造を図9に基づいて説明する。図9は非線形抵
抗素子の構造を示す断面図である。
【0094】図9に示すように、絶縁性を有する基板3
1上に、下電極32としてタンタル(Ta)膜を設け、
非線形抵抗層33としてTa膜の実体酸化膜である酸化
タンタル(Ta25 )を下電極32の表面に設け、さ
らに非線形抵抗層33上に上電極34と表示電極35と
して透明導電膜である酸化インジウムスズ(ITO)膜
を設けている。
【0095】非線形抵抗素子36は、下電極32と非線
形抵抗層33と上電極34とからなる。そして、非線形
抵抗素子36は、表示電極35と、外部から非線形抵抗
素子36を介して液晶に電圧を印加するための走査電極
37との間に配置する。
【0096】この非線形抵抗素子36は、下電極34と
非線形抵抗層33と、非線形抵抗層33と上電極34と
の接合の非対称性構造を有する。このために、得られる
電流−電圧特性は、非対称性をもつ。
【0097】図10は、図9に示すような非対称接合構
造をもつ非線形抵抗素子36の電流−電圧特性を示し、
電流−電圧特性の温度依存性を示すグラフである。そし
て図11は、液晶表示パネルの走査電極に印加する走査
信号波形を示し、温度25℃と40℃のときの、走査信
号波形を示している。図12は、信号電極に印加する表
示信号波形を示す駆動波形図である。さらに図13は、
表示信号に対応する液晶画素の透過率の変化を示すグラ
フである。図14は、温度によるコントラストの変化を
示すグラフである。図15は、温度による画像焼き付き
の変化を示すグラフである。図16は、コントラストお
よび焼き付き量の測定使用する電圧の温度依存性を示す
グラフである。以下、図10と図11と図12と図13
と図14と図15と図16とを交互に用いて本発明の第
2の実施例を説明する。
【0098】なおこの図10に示す非線形抵抗素子の電
流−電圧特性は、図20に示す従来例の非対称性を有す
る非線形抵抗素子の電流−電圧特性と同一である。
【0099】図10のグラフに示すように、非線形抵抗
素子の非対称な電流−電圧特性の正側特性は、温度25
℃のときの特性を示す曲線Aと、温度40℃のときの特
性を示す曲線Mとでは、温度により同じ電圧に対応する
電流値が異なる。
【0100】またさらに、非線形抵抗素子の電流−電圧
特性の負側素子特性においても、温度25℃のときの特
性を示す曲線Bと、温度40℃のときの特性を示す曲線
Nとでは、同じ電圧に対応する電流値が異なる。
【0101】すなわち正側素子特性においては曲線Aと
曲線Mとの差分Pが発生し、負側素子特性においては曲
線Bと曲線Nとの差分Qが発生している。
【0102】さらに、正側素子特性と負側素子特性とで
は、温度による電流の変化量が等しくない。すなわち正
側素子特性における曲線Aと曲線Mとの差分Pと、負側
素子特性における曲線Bと曲線Nとの差分Qとは等しく
ない。
【0103】電流−電圧特性を示すグラフにおける駆動
電圧から決まる書き込み時の非線形抵抗素子のオン電流
に対応する正側と負側の電圧の中点は温度25℃のとき
P3に相当し、オフセット電圧はVoff3となる。
【0104】さらに温度40℃のときは、オン電流に対
応する正側と負側との電圧の中点はP5に相当し、オフ
セット電圧はVoff5となる。
【0105】したがって、温度25℃と40℃とにおけ
るオン電流に対応するオフセット電圧Voff3とオフ
セット電圧Voff5とは、等しくない。
【0106】つぎに、電流−電圧特性を示すグラフにお
ける駆動電圧から決まる非書き込み時の素子のオフ電流
に対応する正側と負側の電圧の中点は温度25℃のとき
P2に相当し、オフセット電圧はVoff2となる。
【0107】さらに温度40℃のときは、オフ電流に対
応する正電圧側と負電圧側との電圧の中点はP4に相当
し、オフセット電圧はVoff4となる。
【0108】したがって、温度25℃と40℃における
オフ電流に対応するオフセット電圧Voff2とオフセ
ット電圧Voff4とは、等しくない。
【0109】すなわち、本発明の実施例においては、オ
ン電流を得るための電圧値は、温度が25℃と40℃で
は大きな差があり、オン電流に対応するオフセット電圧
も温度が25℃と40℃とでは大きな差がある。
【0110】またさらにオフ電流を得るための電圧値
は、温度が25℃と40℃では大きな差があり、オフ電
流に対応するオフセット電圧も温度が25℃と40℃と
では大きな差がある。
【0111】図11の駆動波形図にこの液晶表示パネル
を駆動するための温度25℃のときと40℃のときとに
おける走査信号の駆動波形を示し、図12に、表示信号
の駆動波形を示す。
【0112】図11に示す駆動波形の概要は、従来例に
て説明した図19の駆動波形に、温度依存性を付加する
ものである。
【0113】本発明の実施例においては、走査信号側
に、非線形抵抗素子の温度による補償を行うための電圧
を付加している。まずはじめに、温度が25℃のときに
関して説明する。
【0114】走査信号の書き込み期間の電圧は、正側フ
ィールドはa1、負側フィールドはb1である。
【0115】走査信号の保持期間における電圧c1(正
側フィールド)とd1(負側フィールド)とは、それぞ
れバイアス電圧Vbias1と、バイアス電圧Vbia
s2とにオフセット電圧Voff2を加えたものであ
る。
【0116】このバイアス電圧を印加することにより、
保持期間に非線形抵抗素子に印加される電圧が、バイア
ス電圧を印加しないときに比べて、同一な表示信号の電
圧振幅(g1)を加えても小さくできる。このため、非
線形抵抗素子の抵抗を大きく保つことができる。
【0117】そのため、書き込み期間に、液晶に蓄積し
た電荷を補遺期間に素子を介して、放電(リーク)する
ことがなくなる。このために、オン時、オフ時の液晶に
印加する電圧の実効値の比率が大きくなり、高密度のマ
ルチプレクス駆動が可能となる。
【0118】ここでバイアス電圧は、非線形抵抗素子を
もたない液晶表示パネルを使用したときの液晶画素の透
過率が、50%となる電圧を用いている。
【0119】今回の表示信号は、Vd0を中心にVd1
(Vd4)〜Vd2(Vd3)の電圧振幅(g1)で、
書き込み期間にパルス幅を変えることにより諧調表示を
行う方法を使用する。
【0120】つぎに、本発明の液晶表示装置の駆動方法
における温度40℃のときに関して説明する。
【0121】走査信号の書き込み期間の電圧は、図2に
示すように正側フィールドはa2、負側フィールドはb
2である。
【0122】走査信号の保持期間における電圧c2(正
側フィールド)とd2(負側フィールド)とは、それぞ
れバイアス電圧Vbias3とバイアス電圧Vbias
4とにオフセット電圧Voff4を加えたものである。
【0123】ここでバイアス電圧は、温度が25℃と4
0℃では、異なるため温度により補償を行っている。
【0124】以上により、それぞれの駆動電圧である書
き込み期間の電圧と、オフセット電圧と、バイアス電圧
とのそれぞれの温度による最適化を行うことができる。
【0125】つぎに、信号電圧の電圧振幅を温度により
補償を行ったときと、補償を行わなかったときの差に関
して、図13と図14と図15とを用いて説明する。
【0126】図13は、たとえば表示信号の電圧を、中
心電圧43を中心に低電圧側から高電圧側へ変化したと
きの液晶画素の透過率変化を示すグラフである。曲線4
1は温度25℃のにおける信号電圧と透過率の関係を示
しており、曲線42は、温度40℃における信号電圧と
透過率の関係を示している。液晶パネルの表示モード
は、ノーマリー白である。なおノーマリー白は液晶に印
加する電圧が小さいときに、白表示を行い、電圧の増加
により黒に変化するモードである。
【0127】なお温度25℃のときには、最大透過率
(t1)は最大表示信号電圧45で得られる。そしてこ
の最大表示信号電圧45よりも電圧を小さくすると非線
形抵抗素子の抵抗が小さくなり、液晶に蓄積した電荷が
保持期間に変化するため、透過率はふたたび減少してし
まう。
【0128】つぎに最少透過率(t4)は、最少表示信
号電圧46にて得ることができる。そしてこの最少表示
信号電圧46よりも電圧を大きくすると、非線形抵抗素
子に大きな電圧が印加されることになり、非線形抵抗素
子の抵抗が小さくなり液晶に蓄積した電荷が保持期間に
変化するため、透過率はふたたび増加してしまう。最大
表示信号電圧45と最少表示信号電圧46との差分が、
最大表示信号電圧振幅49となる。
【0129】同じように、温度40℃のときに関して説
明すると、最大透過率(t3)は最大表示信号電圧47
で得られる。そしてこの最大表示信号電圧47よりも電
圧を小さくすると温度が高いために、非線形抵抗素子の
抵抗が急激に小さくなり、液晶に蓄積した電荷が保持期
間に急激に変化するため、透過率は急激に減少してしま
う。
【0130】最少透過率(t3)は、最少表示信号電圧
48にて得ることができる。そしてこの最少表示信号電
圧48よりも電圧を大きくすると温度が高いために、非
線形抵抗素子の抵抗が急激に小さくなり、液晶に蓄積し
た電荷が保持期間に急激に変化するため、透過率は急激
に増加してしまう。最少表示信号電圧47と最少表示信
号電圧48との差分が、最大表示信号電圧振幅50とな
る。
【0131】液晶表示装置の表示品質としては、コント
ラストと明るさとがある。25℃の温度のときに関して
説明する。コントラストは、図13において、最大の透
過率を示す最大表示信号電圧45の透過率(t1)と、
最少の透過率を示す最少表示信号電圧46の透過率(t
4)との比(t1/t4×100%)で示すことができ
る。
【0132】明るさは、最大透過率(t1)の大きさに
より示すことができる。
【0133】温度25℃と40℃での最大表示信号電圧
振幅は異なるため、たとえば25℃の最大表示信号電圧
振幅49を40℃に使用すると、非線形抵抗素子の抵抗
が急激に小さくなり最大透過率の低下がおこる。このた
め、液晶表示パネルの明るさの急激な低下や、あるいは
最少透過率の増加が発生し、コントラストの低下が生じ
る。
【0134】さらに、25℃と40℃での最大表示信号
電圧振幅の中心電圧43、44は、異なる。このため、
温度25℃の中心電圧43を温度40℃に使用すると、
非線形抵抗素子の非対称性による非対称な抵抗値の変化
のために、中心電圧差による液晶への直流電圧の印加が
起きてしまう。
【0135】この様子を図14と図15を用いて説明す
る。図14は、温度とコントラストの関係を示すグラフ
であり、図15は、温度と画像焼き量の関係を示すグラ
フである。
【0136】画像焼き付き量は、図15に示すように液
晶への直流電圧の印加量に依存し、液晶に印加する直流
電圧が増加すると大きくなり、また一定の直流電圧のと
きには、温度の増加により液晶内の可動イオン量が増加
するため大きくなる。
【0137】なお画像焼き付き量は、最初に中間調表示
(透過率:50%)を10分間表示し、つぎに黒表示を
10分間行い、ふたたび中間調(透過率:50%)に戻
し、初期と再表示を行ったときの中間調表示の透過率差
とした。
【0138】図14のコントラストの温度依存性を示す
曲線51は、図16に示すように、温度25℃(T1)
の最大表示信号電圧振幅(g10)をすべての温度領域
において使用したとき、図16の直線58にて示すよう
であり、曲線52は図15に示す温度40℃(T2)の
最大表示信号電圧振幅(g11)をすべての温度領域に
おいて使用したとき、図16の直線59にて示すようで
あって曲線53は最大表示信号電圧振幅を非線形抵抗素
子のもっともコントラストの得られる温度領域(T0)
にて極大値にし、低温側にて小さくし、高温側にて低温
側よりも急峻に小さくする方法、図16の曲線60にて
示す手段を使用するときである。
【0139】また、それぞれの最大表示信号電圧振幅に
対する焼き付き量を示す曲線は、最大表示信号電圧振幅
として直線58を使用したときの焼き付き量は曲線55
になり、直線59に対応する焼き付き量は曲線56とな
り、最大表示信号電圧振幅を非線形抵抗素子のもっとも
コントラストの得られる温度領域(T0)にて極大値に
し、低温側にて小さくし、高温側にて低温側よりも急峻
に小さくする曲線60にしたがって温度により制御した
ときの焼き付き量を曲線57にて示す。
【0140】曲線51は、最大表示信号電圧振幅が曲線
52に比較し大きな値を使用しているためコントラスト
は大きくできるが、T1よりも高温側にて過剰な最大表
示信号電圧振幅を用いている、このために、急激な非線
形抵抗素子の抵抗の減少により、コントラストの急激な
減少と、曲線55に見られるように非対称性が増加する
ことによる焼き付き量の急激な増加が起きてしまう。
【0141】曲線52は、小さな最大表示信号電圧振幅
が小さいため、曲線56に見られるように、非線形抵抗
素子の抵抗の急激な低下と過剰な最大表示信号電圧振幅
による非対称性の増加が防止できる。このため焼き付き
量は、小さく抑えることができるが、40℃(T2)以
下の温度にて、コントラストを増加させることができな
い。
【0142】本発明の実施例に使用する最大表示信号電
圧振幅を、非線形抵抗素子の最もコントラストの得られ
る温度領域(T0)にて極大値にし、低温側にて小さく
し、高温側にて低温側よりも急峻に小さくする曲線60
にしたがって温度により制御することにより、温度25
℃、あるいは45℃の最大表示信号電圧振幅をすべての
温度範囲に利用したときに比較し、広い温度範囲にて同
等以上のコントラストが得られる。
【0143】さらに、焼き付き量に関しても、広い温度
範囲でも非常に小さくすることができる。
【0144】第2の実施例においても第1の実施例と同
様に、液晶の応答速度は低温側にて遅くなる。このた
め、低温側にて最大表示信号電圧振幅を減少することに
より、画像の切り替わりに起こる画像の尾引き現象を抑
えることができる。
【0145】以上の実施例に示すように、それぞれの電
圧を温度により補償を行うことにより、電流−電圧特性
の非対称性が温度により異なる非線形抵抗素子において
も、コントラストの低下を防止することができる。
【0146】以上説明した本発明の実施例においては、
非線形抵抗素子の非線形抵抗層として酸化タンタル(T
a2O5)を使用したが、酸化シリコン(SiOx)、
あるいは窒化シリコン膜(SiNx)、あるいは酸化タ
ンタル(Ta2O5)と窒化シリコン(SiNx)、あ
るいは酸化膜と半導体膜の多層膜でもよい。
【0147】さらに本発明の実施例においては、非線形
抵抗素子を画素電極と走査電極間に設けたが、画素電極
と信号電極間に設けてもよい。
【0148】
【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明の
液晶表示装置の駆動方法においては、非線形抵抗素子の
電流−電圧特性に温度依存性があるとき、温度により最
大表示信号電圧振幅を制御し、その制御方法を、非線形
抵抗素子の抵抗が充分大きく、最もコントラストの得ら
れる温度領域にて極大値を設定し、低温側にて電圧振幅
を小さくし、高温側にて、低温側よりも急峻に電圧振幅
を小さくする方法を採用する。
【0149】このことにより、広い温度範囲にて良好な
表示品質を得ることが可能となる液晶表示装置を提供す
ることができる。
【0150】さらに、液晶の応答速度の低下による画像
切り換え時の尾引き現象を低減することができる。
【0151】またさらに、非対称な電流−電圧特性を有
し、温度により非対称性が異なる非線形抵抗素子のとき
には、液晶に印加する直流電圧を防止できる。このた
め、フリッカによる画像のチラツキ現象や、画像の焼き
付き現象を防止することができる。すなわち、液晶表示
装置の表示品質を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動方
法を適用する非線形抵抗素子を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動方
法を適用する非線形抵抗素子の電流−電圧特性の温度依
存性を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動方
法を適用する非線形抵抗素子の電圧差(△V)と温度
(T)との関係と、電流値の差(△I)と温度(T)と
の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動方
法における走査電極に印加する走査信号波形を示す駆動
波形図である。
【図5】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動方
法における走査電極に印加する信号電極側に印加する表
示信号波形を示す駆動波形図である。
【図6】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動方
法における応答速度の温度依存性を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動方
法における最大表示信号の電圧振幅の温度依存性を示す
グラフである。
【図8】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動方
法におけるそれぞれの最大表示信号電圧振幅を使用した
ときのコントラストの温度依存性を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動方
法を適用する非線形抵抗素子を示す断面図である。
【図10】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動
方法を適用する非線形抵抗素子の電流−電圧特性の温度
依存性を示すグラフである。
【図11】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動
方法の走査電極に印加する走査信号波形を示す駆動波形
図である。
【図12】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動
方法の信号電極側に印加する表示信号波形を示す駆動波
形図である。
【図13】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動
方法の信号電圧と透過率の関係を示すグラフである。
【図14】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動
方法のそれぞれの最大表示信号電圧振幅を使用したとき
のコントラストの温度依存性を示すグラフである。
【図15】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動
方法のそれぞれの最大表示信号電圧振幅を使用したとき
の焼き付き量の温度依存性を示すグラフである。
【図16】本発明の実施例における液晶表示装置の駆動
方法のそれぞれの最大表示信号電圧振幅の温度依存性を
示すグラフである。
【図17】非線形抵抗素子を備える液晶表示装置の駆動
方法を適用する液晶表示装置の構成を示す回路図であ
る。
【図18】従来例における非線形抵抗素子の電流−電圧
特性を示すグラフである。
【図19】従来例の液晶表示装置の駆動方法における走
査信号を示す駆動波形図である。
【図20】従来例における液晶表示装置の駆動方法を適
用する非線形抵抗素子の電流−電圧特性の温度依存性を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 下電極 3 非線形抵抗層 4 上電極 5 表示電極 6 非線形抵抗素子 7 走査電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形抵抗素子の電流−電圧特性が温度
    により変化する非線形抵抗素子をマトリクス状に配置
    し、非線形抵抗素子に走査信号および表示信号を介して
    オンとオフ、あるいは階調表示の表示を行うアクティブ
    マトリクス型の液晶表示装置の駆動方法は、表示信号の
    オンとオフの電圧振幅を温度により制御し、その電圧振
    幅は、低温側では小さく、中間の温度において最大値を
    有し、高温側では小さくすることを特徴とする液晶表示
    装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】 非線形抵抗素子の電流−電圧特性が、温
    度により変化する非線形抵抗素子をマトリクス状に配置
    し、非線形抵抗素子に走査信号および表示信号を介して
    オンとオフ、あるいは階調表示の表示を行い、中間調の
    表示を電圧パルス幅により制御するアクティブマトリク
    ス型の液晶表示装置の駆動方法は、表示信号のオンとオ
    フの電圧振幅を温度により制御し、その電圧振幅は、低
    温側では小さく、中間の温度において最大値を有し、高
    温側では小さくし、しかも中間調のパルス幅を温度によ
    り制御することを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  3. 【請求項3】 非線形抵抗素子の非対称な電流−電圧特
    性を有する非線形抵抗素子を有し、電流−電圧特性が温
    度により変化する非線形抵抗素子をマトリクス状に配置
    し、非線形抵抗素子に走査信号および表示信号を介して
    オンとオフ、あるいは階調表示の表示を行うアクティブ
    マトリクス型の液晶表示装置の駆動方法は、走査信号、
    あるいは表示信号に非対称な電流−電圧特性を補償する
    ためのオフセット電圧を印加し、補償するための電圧を
    温度により変え、さらに表示信号のオンとオフの電圧振
    幅を温度により制御し、その電圧振幅は、低温側では小
    さく、中間の温度において最大値を有し、高温側では小
    さくすることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  4. 【請求項4】 非線形抵抗素子の非対称な電流−電圧特
    性を有する非線形抵抗素子を有し、電流−電圧特性が温
    度により変化する非線形抵抗素子をマトリクス状に配置
    し、非線形抵抗素子に走査信号および表示信号を介して
    オンとオフ、あるいは階調表示の表示を行い、中間調の
    表示を電圧パルス幅により制御するアクティブマトリク
    ス型の液晶表示装置の駆動方法において、表示信号のオ
    ンとオフの電圧振幅を温度により制御し、その電圧振幅
    は、低温側では小さく、中間の温度において最大値を有
    し、高温側では小さくし、しかも中間調のパルス幅を温
    度により制御することを特徴とする液晶表示装置の駆動
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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