JP3611581B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は非線形抵抗素子をスイッチング素子とするアクティブマトリクス形の液晶表示装置に関し、特に印加される電圧の極性により、非対称な非線形特性を示す非線形抵抗素子を備えた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年液晶表示パネルは大容量化の一途をたどっているが、単純マトリクス構成の液晶表示パネルにマルチプレクス駆動を用いる方式は、高時分割化するに従ってコントラストの低下を生じ、200本程度以上の走査線を有する場合では、十分なコントラストを得ることが難しくなってくる。そこで、このような欠点を除去するために、個々の液晶画素にスイッチング素子を設けたアクティブマトリクス形の液晶表示パネルが採用されてきている。アクティブマトリクス形の液晶表示パネルは大別すると薄膜トランジスタを用いる三端子系と非線形抵抗素子を用いる二端子系とがあるが、構造や製造工程が簡単な点で二端子系が優れている。また、二端子系にはダイオード型、バリスタ型、MIM(Metal−Insulator−Metal)型等が開発されているがMIM型は特に構造が簡単で製造工程が短いという特徴がある。
【0003】
図4は非線形抵抗素子を用いた液晶表示パネルのパネル構成を示したものである。走査電極S1〜SN、信号電極D1〜DNはそれぞれ2枚のガラス基板の対向面に設けられている。各走査電極、信号電極の交差部に非線形抵抗素子41、液晶画素42から成る表示画素が形成されている。液晶画素42をオンにする駆動電圧が印加された時は、非線形抵抗素子の抵抗は小さく、小さな時定数で液晶画素をオンにし 、駆動電圧がオフになると、非線形抵抗素子の抵抗は大きい値を示し、大きい時定数で放電する。結果的にオン、オフ時の液晶に印加される電圧の実効値の比率が大きくなり、高密度のマルチプレクス駆動が可能になる。
【0004】
ところで、非線形抵抗素子には、印加電圧の極性により、非対称な非線形特性を示すものがある。すなわち、図2の書き込み電圧に対する透過率特性に示されるように、正側特性と負側特性が非線形抵抗素子の非対称な非線形特性に起因して、非対称な特性を示している。ここで、正側とは、表示画素を非線形抵抗素子と液晶画素が直列に接続された等価回路とみたとき、非線形抵抗素子側に正の電圧がかかる場合であり、負側とは負の電圧がかかる場合である。また、図5は非線形特性の主要な特性である電圧−電流特性であるが、印加される電圧の方向に対して大きな非対称特性を示している。曲線Aは正側素子特性を示しており、曲線Bは負側素子特性を示している。液晶表示パネルをマルチプレクス駆動する場合、通常液晶画素に書き込む電圧をフィールド(同一ラインの、ある走差から次の走差までの期間)毎に反転したり、ライン毎に反転する交流駆動法により行われる。しかし、ここで用いられる非線形抵抗素子が上記のように正側と負側で非対称な非線形特性の場合に、液晶画素にかかる電圧をみると、正側と負側で非線形抵抗素子にかかる電圧が異なるため、結果的に液晶画素にかかる電圧が異なり、フリッカや画像の液晶中のイオン等の偏りによる残像現象である画像の焼き付きが生じ表示品質が著しく低下する。
【0005】
これに対して、この非対称な非線形特性を補償し、表示品質を向上させる試みが、特願平1−181229に示されている。図6および図5を用いて、ここに示されている駆動方法を説明する。この駆動方法の特徴は、図6に示すように走査電極に書き込み時と非書き込み時に異なるオフセット電圧、即ちVoff3、Voff2を印加することである。ここで、各オフセット電圧は次のようにして設定する。まず、図5の非線形抵抗素子の電圧−電流特性図の上に駆動電圧から決まる書き込み時の素子のオン電流と非書き込み時の素子のオフ電流を設定する。オン電流に対応する正側と負側の電圧の中点P1に相当する電圧を求め、これをVoff3とする。同様にオフ電流に対応する正側と、負側の電圧の中点P2に相当する電圧を求め、これをVoff2とする。このように、単にオフセット電圧を印加するだけではなく、書き込み時と非書き込み時で独立にオフセット電圧を設定することにより、非線形抵抗素子の正側と負側の電圧−電流特性に、より正確に対応した駆動をすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の走査信号のオフセット電圧を調整する方法は、非線形抵抗素子の非対称特性に起因する表示品質の低下を改善できるが、データ信号の振幅が一定であるため、書き込み電圧に対する液晶画素の透過率変調範囲が正側と負側で異なり十分とはいえない。
さらに階調表示においても問題がある。図7は階調表示をパルス幅変調により行う場合のデータ信号波形を示したものである。電圧がVd1の期間fとVd2の期間eの比率を階調に応じて変え階調表示をする。ここで、図7に示すように、正側フィールドと負側フィールドを同じ比率のパルスにより駆動した時の状態をみると、非線形抵抗素子の非線形特性が電圧の極性方向に対して大きく非対称特性になっていると、図8に示すように正側フィールドと負側フィールドによる透過率は中間透過率のある一点gだけで等しくなり、その点以外の透過率領域では異なる。よって、この場合もフリッカおよび焼き付き現象等の画像品質の低下を十分には解消できない。本発明は、このような信号電極から印加するパルス波形に起因する不都合を取り除いた、表示品質の高いパルス幅変調書き込み方式による液晶表示パネルの駆動方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、印加電圧の極性により非対称な非線形特性を有する非線形抵抗素子を、液晶画素を駆動するスイッチング素子として用いるアクティブマトリクス形の液晶表示パネルに、走査信号とデータ信号を印加して表示データの書き込みをする液晶表示装置において、走査信号は少なくとも書き込み時にオフセット電圧を有し、前記液晶画素に正の電圧を印加して前記表示データを書き込む時と、負の電圧を印加して前記表示データを書き込む時とで、前記データ信号の振幅を、前記非線形抵抗素子の非線形特性に応じて変えて駆動することを特徴としている。
【0008】
また、本発明は、前記データ信号のパルス幅を、階調により変化させて階調表示を行うことを特徴としている。さらに、本発明は、前記データ信号のパルス幅を変化させて階調表示を行う場合に於いて、前記データ信号のパルス幅は、前記液晶画素に正の電圧を印加して前記表示データを書き込む時と、負の電圧を印加して前記表示データを書き込む時とで個別に設定することを特徴としている。
【0009】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本実施例に用いる液晶表示パネルの構成は従来の駆動方法で用いている図4の構成である。また、非線形抵抗素子も従来の駆動方法で用いられているものと同じ特性のもので、その電圧−電流特性は図5に示されている特性である。この液晶表示パネルの走査電極に図1に示す走査信号を、信号電極に図のデータ信号を印加して駆動する。以下にこれらの信号波形について詳細に説明する。 走査信号の非書き込み時における電圧c、dはバイアス電圧Vbias1、Vbias2に図6のオフセット電圧Voff2を加えたものである。このバイアス電圧を印加すると駆動能力が増加し、オフセット電圧を印加すると非書き込み時における素子の非対称特性が比較的補償されることは公知である。
【0010】
走差信号の書き込み時の電圧は次のように設定する。図2はデータ信号の電圧を0Vとし、書き込み時において正側フィールドと負側フィールドで同量の透過率となるよう両フィールドの画素書き込み時印加電圧を求め、各透過率に対する書き込み時印加電圧特性として表した図である。ここで透過率の変調範囲をT1〜T2と設定すると、それに対応する書き込み時印加電圧変調量は、正側フィールドにおいてはa2、負側フィールドにおいてはb2となる。本発明では図1のように信号電極からパルス幅変調方法により透過率を変調するため、書き込み時における走査電極からの印加電圧は透過率T1、T2に対応する電圧の中心点とする。即ち正側フィールドにおいては(Va1+Va2)/2=a1、負側フィールドにおいては(Vb1+Vb2)/2=b1となる。よって書き込み時のオフセット電圧はa1とb1の差、即ちa1−b1がVoff1となる。このオフセット電圧はこのようにパルス幅変調用に最適化でき、従来技術で公知のオフセット電圧の特殊な場合となる。
【0011】
またデータ信号の振幅は、図2の透過率の変調範囲T1〜T2に対応した電圧値にする。すなわち、正側フィールドにおいてはa2、負側フィールドにおいてはb2の電圧を印加する。図3は4諧調の階調表示をする時の各階調におけるデータ信号を示したものである。TaおよびTdが図2のT2およびT1に相当し、Tb、Tcはその中間の透過率である。このように各階調における透過率が正側と負側フィールドで等しくなるように正側と負側フィールドで個別に調整したパルス幅のデータ信号を用いる。
【0012】
本実施例の駆動方法を用いることにより、正側フィールドと負側フィールドにおいて液晶層への印加電圧が同量になり、結果として直流成分の印加が防止されフリッカーおよび画像の焼き付き現象のない表示を実現することができた。
【0013】
【発明の効果】
本発明の液晶表示パネルの駆動方法によれば、データ信号の信号レベルを非線形抵抗素子の非線形特性に応じて変えるため、より正確に正側、負側の透過率変調範囲に対応した書き込み電圧を液晶画素に印加できるので、フリッカや焼き付き現象の少ない表示を得ることができる。また、パルス幅変調を用いて階調表示する場合においても、非線形特性に応じてパルス幅を調整するので、正側と負側の液晶層への印加電圧を等しくでき、フリッカーや焼き付き現象の少ない階調表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動方法を示す信号波形図である。
【図2】書き込み電圧と透過率の関係を示す図である。
【図3】本発明に基づく実施例のデータ信号の波形図である。
【図4】非線形抵抗素子を備えた液晶パネルの構成を示す図である。
【図5】非対称な非線形特性を有する非線形抵抗素子の電圧−電流特性である。
【図6】従来の駆動方法における走差信号の波形図である。
【図7】従来の駆動方法におけるデータ信号の波形図である。
【図8】従来のパルス幅変調駆動法におけるパルス幅と透過率の関係を示す図である。
【符号の説明】
a1 正側フィールドにおける書き込み時の走査信号の信号レベル
b1 負側フィールドにおける書き込み時の走査信号の信号レベル
a2 正側フィールドにおける書き込み時のデータ信号の振幅
b2 負側フィールドにおける書き込み時のデータ信号の振幅
【産業上の利用分野】
本発明は非線形抵抗素子をスイッチング素子とするアクティブマトリクス形の液晶表示装置に関し、特に印加される電圧の極性により、非対称な非線形特性を示す非線形抵抗素子を備えた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年液晶表示パネルは大容量化の一途をたどっているが、単純マトリクス構成の液晶表示パネルにマルチプレクス駆動を用いる方式は、高時分割化するに従ってコントラストの低下を生じ、200本程度以上の走査線を有する場合では、十分なコントラストを得ることが難しくなってくる。そこで、このような欠点を除去するために、個々の液晶画素にスイッチング素子を設けたアクティブマトリクス形の液晶表示パネルが採用されてきている。アクティブマトリクス形の液晶表示パネルは大別すると薄膜トランジスタを用いる三端子系と非線形抵抗素子を用いる二端子系とがあるが、構造や製造工程が簡単な点で二端子系が優れている。また、二端子系にはダイオード型、バリスタ型、MIM(Metal−Insulator−Metal)型等が開発されているがMIM型は特に構造が簡単で製造工程が短いという特徴がある。
【0003】
図4は非線形抵抗素子を用いた液晶表示パネルのパネル構成を示したものである。走査電極S1〜SN、信号電極D1〜DNはそれぞれ2枚のガラス基板の対向面に設けられている。各走査電極、信号電極の交差部に非線形抵抗素子41、液晶画素42から成る表示画素が形成されている。液晶画素42をオンにする駆動電圧が印加された時は、非線形抵抗素子の抵抗は小さく、小さな時定数で液晶画素をオンにし 、駆動電圧がオフになると、非線形抵抗素子の抵抗は大きい値を示し、大きい時定数で放電する。結果的にオン、オフ時の液晶に印加される電圧の実効値の比率が大きくなり、高密度のマルチプレクス駆動が可能になる。
【0004】
ところで、非線形抵抗素子には、印加電圧の極性により、非対称な非線形特性を示すものがある。すなわち、図2の書き込み電圧に対する透過率特性に示されるように、正側特性と負側特性が非線形抵抗素子の非対称な非線形特性に起因して、非対称な特性を示している。ここで、正側とは、表示画素を非線形抵抗素子と液晶画素が直列に接続された等価回路とみたとき、非線形抵抗素子側に正の電圧がかかる場合であり、負側とは負の電圧がかかる場合である。また、図5は非線形特性の主要な特性である電圧−電流特性であるが、印加される電圧の方向に対して大きな非対称特性を示している。曲線Aは正側素子特性を示しており、曲線Bは負側素子特性を示している。液晶表示パネルをマルチプレクス駆動する場合、通常液晶画素に書き込む電圧をフィールド(同一ラインの、ある走差から次の走差までの期間)毎に反転したり、ライン毎に反転する交流駆動法により行われる。しかし、ここで用いられる非線形抵抗素子が上記のように正側と負側で非対称な非線形特性の場合に、液晶画素にかかる電圧をみると、正側と負側で非線形抵抗素子にかかる電圧が異なるため、結果的に液晶画素にかかる電圧が異なり、フリッカや画像の液晶中のイオン等の偏りによる残像現象である画像の焼き付きが生じ表示品質が著しく低下する。
【0005】
これに対して、この非対称な非線形特性を補償し、表示品質を向上させる試みが、特願平1−181229に示されている。図6および図5を用いて、ここに示されている駆動方法を説明する。この駆動方法の特徴は、図6に示すように走査電極に書き込み時と非書き込み時に異なるオフセット電圧、即ちVoff3、Voff2を印加することである。ここで、各オフセット電圧は次のようにして設定する。まず、図5の非線形抵抗素子の電圧−電流特性図の上に駆動電圧から決まる書き込み時の素子のオン電流と非書き込み時の素子のオフ電流を設定する。オン電流に対応する正側と負側の電圧の中点P1に相当する電圧を求め、これをVoff3とする。同様にオフ電流に対応する正側と、負側の電圧の中点P2に相当する電圧を求め、これをVoff2とする。このように、単にオフセット電圧を印加するだけではなく、書き込み時と非書き込み時で独立にオフセット電圧を設定することにより、非線形抵抗素子の正側と負側の電圧−電流特性に、より正確に対応した駆動をすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の走査信号のオフセット電圧を調整する方法は、非線形抵抗素子の非対称特性に起因する表示品質の低下を改善できるが、データ信号の振幅が一定であるため、書き込み電圧に対する液晶画素の透過率変調範囲が正側と負側で異なり十分とはいえない。
さらに階調表示においても問題がある。図7は階調表示をパルス幅変調により行う場合のデータ信号波形を示したものである。電圧がVd1の期間fとVd2の期間eの比率を階調に応じて変え階調表示をする。ここで、図7に示すように、正側フィールドと負側フィールドを同じ比率のパルスにより駆動した時の状態をみると、非線形抵抗素子の非線形特性が電圧の極性方向に対して大きく非対称特性になっていると、図8に示すように正側フィールドと負側フィールドによる透過率は中間透過率のある一点gだけで等しくなり、その点以外の透過率領域では異なる。よって、この場合もフリッカおよび焼き付き現象等の画像品質の低下を十分には解消できない。本発明は、このような信号電極から印加するパルス波形に起因する不都合を取り除いた、表示品質の高いパルス幅変調書き込み方式による液晶表示パネルの駆動方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、印加電圧の極性により非対称な非線形特性を有する非線形抵抗素子を、液晶画素を駆動するスイッチング素子として用いるアクティブマトリクス形の液晶表示パネルに、走査信号とデータ信号を印加して表示データの書き込みをする液晶表示装置において、走査信号は少なくとも書き込み時にオフセット電圧を有し、前記液晶画素に正の電圧を印加して前記表示データを書き込む時と、負の電圧を印加して前記表示データを書き込む時とで、前記データ信号の振幅を、前記非線形抵抗素子の非線形特性に応じて変えて駆動することを特徴としている。
【0008】
また、本発明は、前記データ信号のパルス幅を、階調により変化させて階調表示を行うことを特徴としている。さらに、本発明は、前記データ信号のパルス幅を変化させて階調表示を行う場合に於いて、前記データ信号のパルス幅は、前記液晶画素に正の電圧を印加して前記表示データを書き込む時と、負の電圧を印加して前記表示データを書き込む時とで個別に設定することを特徴としている。
【0009】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本実施例に用いる液晶表示パネルの構成は従来の駆動方法で用いている図4の構成である。また、非線形抵抗素子も従来の駆動方法で用いられているものと同じ特性のもので、その電圧−電流特性は図5に示されている特性である。この液晶表示パネルの走査電極に図1に示す走査信号を、信号電極に図のデータ信号を印加して駆動する。以下にこれらの信号波形について詳細に説明する。 走査信号の非書き込み時における電圧c、dはバイアス電圧Vbias1、Vbias2に図6のオフセット電圧Voff2を加えたものである。このバイアス電圧を印加すると駆動能力が増加し、オフセット電圧を印加すると非書き込み時における素子の非対称特性が比較的補償されることは公知である。
【0010】
走差信号の書き込み時の電圧は次のように設定する。図2はデータ信号の電圧を0Vとし、書き込み時において正側フィールドと負側フィールドで同量の透過率となるよう両フィールドの画素書き込み時印加電圧を求め、各透過率に対する書き込み時印加電圧特性として表した図である。ここで透過率の変調範囲をT1〜T2と設定すると、それに対応する書き込み時印加電圧変調量は、正側フィールドにおいてはa2、負側フィールドにおいてはb2となる。本発明では図1のように信号電極からパルス幅変調方法により透過率を変調するため、書き込み時における走査電極からの印加電圧は透過率T1、T2に対応する電圧の中心点とする。即ち正側フィールドにおいては(Va1+Va2)/2=a1、負側フィールドにおいては(Vb1+Vb2)/2=b1となる。よって書き込み時のオフセット電圧はa1とb1の差、即ちa1−b1がVoff1となる。このオフセット電圧はこのようにパルス幅変調用に最適化でき、従来技術で公知のオフセット電圧の特殊な場合となる。
【0011】
またデータ信号の振幅は、図2の透過率の変調範囲T1〜T2に対応した電圧値にする。すなわち、正側フィールドにおいてはa2、負側フィールドにおいてはb2の電圧を印加する。図3は4諧調の階調表示をする時の各階調におけるデータ信号を示したものである。TaおよびTdが図2のT2およびT1に相当し、Tb、Tcはその中間の透過率である。このように各階調における透過率が正側と負側フィールドで等しくなるように正側と負側フィールドで個別に調整したパルス幅のデータ信号を用いる。
【0012】
本実施例の駆動方法を用いることにより、正側フィールドと負側フィールドにおいて液晶層への印加電圧が同量になり、結果として直流成分の印加が防止されフリッカーおよび画像の焼き付き現象のない表示を実現することができた。
【0013】
【発明の効果】
本発明の液晶表示パネルの駆動方法によれば、データ信号の信号レベルを非線形抵抗素子の非線形特性に応じて変えるため、より正確に正側、負側の透過率変調範囲に対応した書き込み電圧を液晶画素に印加できるので、フリッカや焼き付き現象の少ない表示を得ることができる。また、パルス幅変調を用いて階調表示する場合においても、非線形特性に応じてパルス幅を調整するので、正側と負側の液晶層への印加電圧を等しくでき、フリッカーや焼き付き現象の少ない階調表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動方法を示す信号波形図である。
【図2】書き込み電圧と透過率の関係を示す図である。
【図3】本発明に基づく実施例のデータ信号の波形図である。
【図4】非線形抵抗素子を備えた液晶パネルの構成を示す図である。
【図5】非対称な非線形特性を有する非線形抵抗素子の電圧−電流特性である。
【図6】従来の駆動方法における走差信号の波形図である。
【図7】従来の駆動方法におけるデータ信号の波形図である。
【図8】従来のパルス幅変調駆動法におけるパルス幅と透過率の関係を示す図である。
【符号の説明】
a1 正側フィールドにおける書き込み時の走査信号の信号レベル
b1 負側フィールドにおける書き込み時の走査信号の信号レベル
a2 正側フィールドにおける書き込み時のデータ信号の振幅
b2 負側フィールドにおける書き込み時のデータ信号の振幅
Claims (3)
- 印加電圧の極性により非対称な非線形特性を有する非線形抵抗素子を、液晶画素を駆動するスイッチング素子として用いるアクテイブマトリクス形の液晶表示パネルに、走査信号とデータ信号を印加して表示データの書き込みをする液晶表示装置において、
走査信号は少なくとも書き込み時にオフセット電圧を有し、前記液晶画素に正の電圧を印加して前記表示データを書き込む時と、負の電圧を印加して前記表示データを書き込む時とで、前記データ信号の振幅を、前記非線形抵抗素子の非線形特性に応じて変えて駆動することを特徴とする液晶表示装置。 - 前記データ信号のパルス幅を、階調により変化させて階調表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記データ信号のパルス幅を変化させて階調表示を行う場合に於いて、前記データ信号のパルス幅は、前記液晶画素に正の電圧を印加して前記表示データを書き込む時と、負の電圧を印加して前記表示データを書き込む時とで個別に設定することを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27874891A JP3611581B2 (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27874891A JP3611581B2 (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0594157A JPH0594157A (ja) | 1993-04-16 |
JP3611581B2 true JP3611581B2 (ja) | 2005-01-19 |
Family
ID=17601654
Family Applications (1)
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JP27874891A Expired - Fee Related JP3611581B2 (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 液晶表示装置 |
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JP3906665B2 (ja) * | 2001-10-05 | 2007-04-18 | カシオ計算機株式会社 | 液晶駆動装置 |
KR100840672B1 (ko) * | 2001-12-29 | 2008-06-24 | 엘지디스플레이 주식회사 | 액정표시장치의 감마 기준 전압 셋팅 장치 및 이를 이용한셋팅 방법 |
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1991
- 1991-09-30 JP JP27874891A patent/JP3611581B2/ja not_active Expired - Fee Related
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