JP3247519B2 - 液晶表示装置の調整方法 - Google Patents

液晶表示装置の調整方法

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JP3247519B2 JP26303493A JP26303493A JP3247519B2 JP 3247519 B2 JP3247519 B2 JP 3247519B2 JP 26303493 A JP26303493 A JP 26303493A JP 26303493 A JP26303493 A JP 26303493A JP 3247519 B2 JP3247519 B2 JP 3247519B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置の駆動電
圧の調整方法に関し、さらに詳しくはスイッチング素子
を画素に具備した、アクティブマトリクス液晶パネルの
駆動電圧の調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブマトリクス液晶パネルのスイ
ッチング素子としてよく用いられる素子に、TFT(Th
in film transistor)素子等の3端子型とTFD(Th
in film diode )素子等の2端子型非線形素子がある。
TFT素子は使用半導体の違いでa−Si型、p−Si
型等に分類されるがいずれも透明基板面に薄膜形成技術
を駆使して集積形成される。TFD素子は導電体層間に
薄膜の絶縁層を積層して得られ、双方向ダイオード特性
がある。このTFD素子を用いた駆動方法として、走査
電極に二つの選択電圧と二つの保持電圧を印加する4レ
ベル駆動法が開示されている(特公平5−714)。図
6にこの方法の走査電極側の出力波形を示す。Va+は正
極性の選択(以下正選択と呼称する)電圧でTFD素子
の順方向ダイオードを導通(以下オンと呼称する)状態
にし、Va-は負極性の選択(以下負選択と呼称する)電
圧でTFD素子の逆方向ダイオードをオン状態にする。
また、Vb+は正選択時に書き込まれた電荷の保持(以下
正保持と呼称する)に必要な電圧で、Vb-は負選択時に
書き込まれた電荷の保持(以下負保持と呼称する)に必
要な電圧である。
【0003】各画素に対してTFD素子を形成する方法
として、Taの電極配線の表面を酸化し、酸化膜を介し
てTaの電極配線と重なるようにITOの画素を形成
し、積層部にTFD素子を形成する方法がある。この方
法は素子側のガラス基板に必要なホトリソグラフィ工程
がTaとITO用の二回だけで済むため製造コストが低
いという利点がある。ところがTa−Ta25−ITO
構造のTFD素子では、Ta→ITO方向のダイオード
(以下、TFD+)と、ITO→Ta方向のダイオード
(以下、TFD−)ではアノードとカソードの物質が異
なるため特性に差が生じる。図5は、横軸を電圧、縦軸
を電流としてTFD+とTFD−の電流−電圧特性を示
したものであるが、TFD素子はGNDレベルに対して
強い非対称特性を持つことがわかる。
【0004】図5において選択期間に各画素のTFD素
子へ流す電流をIon、保持期間の電流をIoff とし、T
FD+を介して画素に電流Ionを流し込むときにTFD
素子へ印加する電圧をVsel+、TFD−を介して画素か
ら電流Ionを流し出すときにTFD素子へ印加する電圧
をVsel-、TFD+を介して画素から電流Ioff を流し
出すときにTFD素子へ印加する電圧をVhold+ 、TF
D−を介して画素に電流Ioff を流し込むときにTFD
−へ印加する電圧をVhold- とする。4レベル駆動法で
はTFD+とTFD−の書き込み特性を揃えるため、正
選択期間では電圧Va+を電圧Vsel+に、負選択期間では
電圧Va-を電圧Vsel-に一致させる。また正保持期間で
は電圧Vb+を電圧Vhold+ に、負保持期間では電圧Vb-
を電圧Vhold- にする。このようにして画素内の液晶に
直流の印加を避けるため正と負の選択時に同量の電荷を
入出させている。このとき電圧Vsel+と電圧Vsel-が異
なる値をとるので、選択用の電圧Va+,Va-を対称な走
査電極の選択波形とオフセット電圧を用いて作成するの
が一般的である。また保持のための電圧Vb+,Vb-も同
様である。
【0005】次に、それぞれの電圧調整法について説明
する。図7にTFD素子を用いた液晶パネルを使用する
液晶表示装置のブロック図を示す。信号電極駆動回路1
06と走査電極駆動回路105はそれぞれ液晶パネル1
04内の信号電極と走査電極を駆動する。走査電極駆動
回路105は電圧発生器501の出力する電圧Va+、V
a-、Vb+、Vb-をマルチプレクスし、正選択期間では電
圧Va+、負選択期間では電圧Va-、正保持期間では電圧
Vb+、負保持期間では電圧Vb-を走査電極に印加する。
また、ボリュームVR+,VR−は選択用の対称電圧と
オフセット電圧の調整用であり、電圧Va+,Va-を作成
する。電圧計P504,N505はそれぞれ電圧Va+,
Va-のモニター用である。
【0006】図7において、電圧Va+,Va-はそれぞれ
図5の電圧Vsel+,Vsel-に、電圧Vb+,Vb-は図5の
電圧Vhold+ 、Vhold- に設定する。この際、電圧Va
+,Va-を電圧計P504,N505でモニターし、そ
れぞれ図5における電圧Vsel+,Vsel-になるようにボ
リュームVR+,VR−で微調整する。また電圧Vb+、
Vb-はそれぞれ電圧Vhold+ 、Vhold- の近傍になるよ
うに電圧発生器501内で粗く設定されている。
【0007】ところで、選択時と保持時で必要とされる
電圧精度が異なっているが、保持時で粗くてよいのは、
電流Ioff が非常に小さいため、電圧Vb+,Vb-が多少
最適値からずれても、液晶パネルの駆動に影響が小さい
ためである。しかし、オン状態付近では電流−電圧特性
が急峻であり、TFD素子のオン電流Ionは選択電圧V
a+、Va-が多少でも最適値からずれると電流値が大きく
変動するため、正と負選択期間で画素に出入する電荷の
絶対値が大きく異なるようになり、蓄積された電荷が画
素内の液晶に直流成分を印加してしまう。この結果、イ
オンの遍在などで液晶の劣化が起きるため、電圧発生機
501の電圧Va+,Va-の微調整が必要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術では、
製造ロットごとにTFDのモニター素子の特性を測定
し、図5の電圧Vsel+、Vsel-を算出して選択用の電圧
Va+、Va-を得ている。しかし、実際には同一ロット内
でも素子特性が不均一であったり、液晶パネルの配線抵
抗の影響でオン電流Ionがモニター用素子から得られた
ものと異なってしまう。このため特性と合わない選択電
圧で液晶パネルが駆動されるということが生じ、直流電
圧の印加による液晶の劣化が起こるという問題がある。
【0009】この対策とし液晶パネルごとに素子特性を
測定し、各駆動電圧を算出すれば精度よく最適化できる
と考えられる。ところが液晶パネル組立後に素子特性を
測定するのは一般に困難であり、仮に測定できても、こ
の方法には量産上の負荷を増大させるという問題があ
る。
【0010】従来から素子特性に合わない駆動電圧で液
晶パネルを表示すると垂直走査周期で輝度変化(以下フ
リッカと呼称する)が起きることが知られている。しか
しながらこの性質を利用して簡単に調整できる有効な方
法はない。
【0011】本発明の目的は、直流電圧印加による液晶
の劣化を抑圧するため、個々の液晶パネルの素子ばらつ
きや配線抵抗等の影響に対応しながら、フリッカを利用
して駆動電圧を最適値に設定する簡単な調整方法を提供
することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、スイッチング素子を具備した画素から成
る液晶表示パネルを備えた液晶表示装置の各画素に、走
査電極と信号電極を介して印加する電圧を、該非線形素
子の特性に応じて調整する液晶表示装置の調整方法にお
いて、調整時に前記液晶パネルにフリッカを顕著に生じ
させる表示制御手段と、該フリッカを検出する手段を設
け、検出されるフリッカが最小になるように画素に印加
する電圧を調整することを特徴とする。
【0013】
【作用】素子特性の非対称性などが原因となり第一と第
二の垂直走査期間(以下フィールドと呼称する)で画素
に印加する電圧の絶対値が異なるとフリッカが発生す
る。そこであらかじめ輝度測定領域の表示図形が垂直走
査周期の第一と第二フィールドでそれぞれ正選択と負選
択パルスによって書き込まれるように画像データを作成
する(ないし駆動条件を設定する)。調整時にこの画像
データ(ないし駆動条件)で液晶パネルの表示をおこな
うと、フィールド間で画素に印加する電圧の絶対値がず
れている場合には、測定領域の輝度変化としてフリッカ
がはっきり現れる。この表示状態で走査電極駆動電圧
(ないし信号電極駆動電圧)を調整してフリッカを最小
化すると、スイッチング素子の特性のばらつきや配線抵
抗等の影響までを含めたかたちで液晶パネルに印加され
る直流分が除去される。
【0014】
【実施例】
<実施例1>以下、本発明による実施例1をスイッチン
グ素子としてTFD素子を用いた場合について図1と図
2を用いて説明する。図1は実施例1のブロック図であ
る。電圧発生器101はグランドレベルに対して対称な
直流の電圧Vawとオフセット用の電圧Vaoffから選択用
の電圧Va+、Va-を演算し、同時に保持用の直流電圧V
b+、Vb-とあわせて走査電極駆動回路105に出力す
る。ボリュームVRWとVRFでそれぞれ電圧Vaw,V
aoffを調整する。フォトセンサ108は液晶パネル10
4の輝度を測定し、その測定値はフォトセンサ駆動回路
102で電圧に変換されモニターされる。表示回路10
7は、走査電極駆動回路105と信号駆動回路106に
それぞれ駆動用信号群φ1、φ2を出力する。また表示
回路107には図7の従来例ではなかったフリッカチェ
ックの設定端子109がある。
【0015】まず電圧発生器101と表示回路107の
動作を説明する。電圧発生器101の電圧Vaw,Vaof
f,Va+,Va-,Vb+,Vb-は次の式に従う。 Va+ = Vaw + Vaoff Va- =−Vaw + Vaoff Vb+ = Vhold+ Vb- = Vhold- ここで、,は保持期間に走査電極へ印加しておく電
圧Vb+、Vb-と、TFD+,TFD−にオフ電流Ioff
を流すときの図5の電圧Vhold+ ,Vhold-が等しいこ
とを示している。,は電圧Va+,Va-が電圧Vaw,
−Vawにオフセット電圧Vaoffを加えて作成されること
に対応する。電圧Vawは図5のTFD+とTFD−にオ
ン電流Ionを流すときの電圧Vsel+とVsel-を用いて次
のように設定される。 Vaw = Vsel+ − (Vsel+ + Vsel-)/2 この電圧Vawを高く設定すれば液晶パネル104内の画
素に出入する電流が増し、反対に低くすれば電流が減
る。この性質を利用して電圧Vawを液晶パネル104の
透過率調整(ブライトネス調整)に使用する。オフセッ
ト用の電圧Vaoffは次式のように設定する。 Vaoff = (Vsel+ + Vsel-)/2
【0016】表示回路107から走査電極駆動回路10
5と信号電極駆動回路106にそれぞれ出力される駆動
信号群φ1、φ2は走査電極駆動回路105と信号電極
駆動回路106を制御し、通常はテレビ等の表示を行
う。フリッカチェックモード設定端子109により駆動
電圧の調整工程に入ると、まず第一のフィールドで液晶
パネル104内の全走査電極を順次選択していく際に、
信号群φ1は全走査電極に対して選択期間中の印加電圧
がTFD+のオンする電圧Va+になるように走査電極駆
動回路105を制御する(正選択)。同様に第二のフィ
ールドではTFD−がオンする電圧Va-に(負選択)す
る(以下第一と二のフィールドを+と−のフィールドと
呼称する)。これに対応して表示回路107は調整用に
画素の透過率を50%程度にするため、あらかじめ作成
しておいた画像データを信号電極駆動回路106に出力
する。なお画像データは+と−フィールドの両方におい
て共通であり、信号群φ2に含まれている。また通常の
表示時では1ないし2本の走査電極を選択するごとに選
択波形の極性を反転させ、かつフィールド間でも選択極
性を反転させる駆動(ライン反転)を行うことが多い
が、本実施例では調整時に選択極性をフィールド間だけ
で反転させるように変更するのが特徴的である。
【0017】以上の調整方法を図2の波形図を使用して
さらに詳しく説明する。(a)は各フィールドにおける
1番目の走査電極に印加する信号波形、(b)は2番目
の走査電極極に印加する信号波形であり、それぞれ図1
の信号電極駆動回路105から出力される。(c)は全
信号電極に印加される信号電極駆動回路106の出力波
形である。(c)において、正選択時に信号電極から電
圧−Vd が印加されるとTFD+がオン状態になり、画
素は正書き込みされる。同様に負選択時に信号電極から
電圧+Vd が印加されるとTFD−がオン状態になり、
画素は負書き込みされる。(d)に1番目の走査電極上
のTFD素子を含めた画素に印加される電圧波形を示
す。これは波形(a)と(c)の差である。(d)で+
フィールド(正選択期間)では、次式の電圧値がTF
D素子を含む画素に印加されるとTFD+がオン状態に
なり正書き込みが行われる。 Va+ + Vd −フィールドも同様に次式の電圧値でTFD−がオン
状態になり負書き込みが行われる。 Va- − Vd ,の電圧値は正と負の選択期間の先頭から途中まで
成立している。これはTFD素子を経由して画素へ充電
する時間を透過率と対応付けて制御するものでパルス変
調と呼ばれる手法であり、本実施例では透過率が50%
になるようにしている。なお選択期間の残りの部分では
書き込み(充電)は行われない。また、保持期間は、 Vb+ ± Vd Vb- ± Vd 10 の電圧がTFD素子を含む画素に印加されており、各選
択期間に書き込まれたデータが保持される。(d)では
1番目の走査電極上のTFD素子を含む画素について示
したが、そのほかの各走査電極にも(a)、(b)の如
く順次走査を行い、同様に各画素に透過率50%の書き
込み動作を行う。なお50%の透過率とは液晶パネルの
最大透過率の半分を意味している。このデータは(d)
ではパルス幅に変調されており、信号電極駆動回路から
信号電極に印加される。
【0018】以上の動作を液晶パネル104の全体から
眺めると、+フィールドでは正選択によるTFD+の電
流−電圧特性に従った表示を行い、−フィールドでは負
選択によるTFD−の電流−電圧特性に従った表示を行
うことになる。
【0019】次に、上記の駆動を行ったときの透過率の
変化をフォトセンサ108で測定する。図2(e)にフ
ォトセンサ108の出力波形を示す。(c)の+フィー
ルドでは液晶パネル109の背面に取り付けた照明から
の透過光として輝度レベルVT+が得られる。これは式
の電圧値でTFD+素子をオン状態として書き込んだも
のである。同様に−フィールドでは、式で示される電
圧で書き込まれた輝度レベルVT-が得られる。調整前の
初期状態として選択用の電圧Va+,Va-は、式に設
定する。このときオフセット用の電圧Vaoffは代表的な
TFD素子の特性値に合わせて設定する。しかし従来技
術で述べたようにTFD素子特性は個々の液晶パネル1
04ごとにばらつくので、初期状態の電圧によりTFD
素子を駆動するとTFD+とTFD−のそれぞれのオン
電流が異るので、+と−のフィールド間で画素が保持す
る電圧の絶対値に差が現れる。このため液晶パネル10
4の表示状態は+と−フィールドでは異なった輝度VT
+、VT-となりフリッカが生じる。印加電圧を上昇させ
ると透過率が上昇するタイプの液晶パネル(通称ノーマ
リィブラック)を例にすると、電圧Vaoffが最適な値よ
り高く設定されている場合はTFD+のオン電流が増え
てTFD−のオン電流が減るので+フィールドの輝度レ
ベルが−フィールドの輝度レベルより高くなる。反対に
電圧Vaoffが最適な値より低く設定されている場合は逆
に+フィールドの輝度レベルが−フィールドの輝度レベ
ルより低くなる。なおフリッカが顕著に現れる表示状態
として透過率を50%にしているのはダイナミックレン
ジの中央で調整できるからである。
【0020】このようにして電圧Vaoffが最適値からず
れるとフォトセンサ108の出力レベルは+と−フィー
ルドで変化する。そこで、フォトセンサ108の出力レ
ベルの変化量が最も小さくなるようにボリュームVRF
によって電圧Vaoffを調整する。この結果TFD+とT
FD−のオン電流がほぼ等しくなり、画素内の液晶に直
流印加が解消され最適な駆動電圧が得られる。(f)に
最適な駆動電圧に調整したときのフォトセンサ108の
出力レベルVT を示す。オフセット電圧が合うと、VT+
とVT-の中央付近でフォトセンサの出力電圧が揃う。
【0021】以上の調整作業は出荷時に1度だけ行えば
よく、個々の液晶パネルの素子特性に対応した駆動電圧
を簡単に設定できる。また、この調整は製造工程のばら
つきを吸収できるので、安定した品質を得ることが出来
る。
【0022】<実施例2>実施例1はフィールド毎に正
と負の選択を切り換えて表示し、フリッカーを検出する
ものであるが、本実施例は、フィールド毎に正負を切り
替えるとともに、各走査線毎に、書き込みの極性を交互
に正負に切り替えて走査し、さらに表示データも2種類
用意し、走査線毎に交互に切り替えて表示し、その時の
フリッカを検出する方式である。図3と図4を用いて本
実施例を説明する。図3において、+フィールドでは奇
数番目の走査線を正選択、偶数番目の走査線を負選択し
ており、走査線毎に正負選択極性が切り換えられる。−
フィールドでは+フィールドのときの極性を正負反転
し、奇数番目と偶数番目の走査線はそれぞれ負と正の選
択がなされる。
【0023】本実施例のブロック構成は実施例1と共通
であるが、制御信号に差があるので図1を用いて説明す
る。走査電極駆動回路105を制御する信号群φ1は表
示回路107のフリッカチェックモード設定端子109
の設定に関わらず通常の表示時と調整時で同一のもであ
るので、走査電極駆動回路105は同じ選択信号を発生
する。一方フリッカチェックモード(調整時)が設定さ
れると表示回路107は、信号電極駆動回路106を制
御する信号群φ2を画像データが走査電極毎に0%と5
0%の透過率に切り換わるものに変更する。これで得ら
れる液晶パネル104の表示状態を図4に示す。図4で
は+と−フィールドの書き込み極性は信号群φ1が変わ
らないので図3の通常表示時と同じものになる。表示パ
ターンは信号群φ2により偶数番目と奇数番目の走査線
毎にそれぞれ0%と50%の透過率になる。
【0024】次に図4の表示状態でフォトセンサ108
を用いて透過率変化を測定する。+フィールドでは、フ
ォトセンサ108の出力は正書き込みの透過率50%領
域(奇数番目の走査電極)と負書き込みの透過率0%領
域(偶数番目の走査電極)の輝度の和となる。同様に−
フィールドでは、フォトセンサ108の出力が負書き込
みの透過率50%領域(奇数番目の走査電極)と正書き
込みの透過率0%領域(偶数番目の走査電極)の輝度の
和となる。しかし一般に液晶パネルの透過率が0%(黒
表示)になる付近ではT−V特性(透過率−印加電圧)
が緩慢に変化するようになるので、この表示状態におい
ても駆動電圧が若干ばらついても偶数番目の走査電極部
のフリッカは目立たない。このため、おもに50%の透
過率で書き込んだ奇数番目の走査電極部がフリッカに寄
与することになり、フォトセンサ108の出力として得
られる。
【0025】調整方法は実施例1と同様であり、オフセ
ット電圧調整用のボリュームVRFによりフォトセンサ
108の変化量を最小化し電圧Vaoffを得る。
【0026】以上のように実施例2では走査線毎とフィ
ールド毎に書き込み極性を正負切り換えて液晶パネル1
04を駆動し、走査線毎に透過率0%と50%表示を行
っている。これは通常の表示制御および駆動条件に画像
データだけの変更で済むので、回路構成が比較的簡易に
なる。さらに隣接する画素や配線などから影響される電
界分布が通常の駆動時と似ているため、実施例1と較べ
るとより適切な調整が行える。
【0027】実施例1、実施例2では輝度変化の測定に
フォトセンサを使用しているが、NTSC方式のテレビ
信号の場合はフィールド周波数が60Hzであるので、
交流化周波数は30Hzとなるため、目視でも輝度変化
をフリッカとしてとらえることができる。発明者の実験
によると目視による調整でもフォトセンサと同程度の精
度の調整ができた。
【0028】<実施例3>実施例2では液晶パネル10
4に表示を実施するときに液晶パネル104の表示領域
の全面に表示しているが、フォトセンサなどを用いる場
合はフリッカを認識するのに必要な領域だけ実施例2の
駆動方法を実施すればよい。
【0029】本実施例を図8を用いて説明する。走査電
極の選択極性は実施例2の図3と同様にフィールド毎に
正負を切り換えるとともに、各走査線毎に、書き込みの
極性を交互に正負に切り換えて走査する。
【0030】本実施例のブロック構成は実施例2と共通
であるが、制御信号に差があるので図1を用いて説明す
る。フリッカチェックモード(調整時)が設定される
と、表示回路107は、信号電極駆動回路106を制御
する信号群φ2を画像データがフォトセンサ108の特
性に合わせて定めた走査電極数だけ、走査電極毎に0%
と50%の透過率になり、残りの部分は0%の透過率に
切り替わるものに変更する。これで得られる液晶パネル
104の表示状態を図8に示す。図8では信号群φ2に
より中央の数本の走査線だけ走査線毎に0%と50%の
透過率になり、残りの部分は0%の透過率になる。
【0031】次に図8の表示状態でフォトセンサ108
を用いて透過率変化を測定する。測定方法は実施例2と
同様であり、走査線毎に0%と50%の透過率で切り換
えている部分を測定すれば、50%の透過率で書き込ん
だ走査電極部がフリッカに寄与し、フォトセンサ108
の出力に得られる。その出力をもとに実施例2と同様に
オフセット調整用のボリュームVRFにより、フォトセ
ンサ108の変化量を最小化し、電圧Vaoffを得る。
【0032】以上のように実施例3ではフォトセンサ1
08の特性に合わせて、フリッカを検出するのに必要な
領域を走査線毎に透過率0%と50%表示を行い、それ
以外の領域では透過率0%の表示を行っている。実施例
2の場合は液晶パネル108全面において透過率0%と
50%表示を行っている。一般に、走査線毎に書き込み
極性を正負切り換えて駆動している液晶パネルに走査線
毎に明暗を繰り返す画像データを表示するとクロストー
ク現象が顕著に現れる。従って実施例2の場合は、液晶
パネル内でクロストーク現象が相互に作用し、このクロ
ストークによる透過率変位分も一緒にフォトセンサ10
8で読みとって調整することになる。しかし、実際のテ
レビなどの映像信号中に走査線毎に明暗が切り替わる信
号は極めて少なく、映像中に明暗が不規則に出現しクロ
ストークは相殺されてしまう。従って実施例2のクロス
トーク現象が現れた状態で調整するより、実施例3の様
に一部だけ走査線毎に透過率を切り換え、他の部分は同
じ透過率にしてクロストーク現象を極力抑えた状態で調
整した方が適切な調整が行える。
【0033】本実施例で、フォトセンサ108で測定す
る部分以外の領域を0%の透過率で表示したが、クロス
トーク現象が現れないような表示データであれば何でも
よい。
【0034】また、本実施例では走査電極方向に領域を
設けたが走査電極によるクロストークが影響される場合
は信号電極方向にも領域を設けて、ウィンドウを切った
状態で、そのウインドウ内のみ表示データを走査電極毎
に切り換えて、ウインドウの外は一種類の表示データに
してもよい。
【0035】<実施例4>以上、スイッチング素子にT
FD素子を用いた場合について述べた。TFT素子など
の3端子型の場合にもフリッカが発生するので同様の手
法を用いることができる。TFT素子はTFD素子に比
べてスイッチング特性に優れているが、TFD素子と同
様に薄膜技術を駆使して形成されるため、ゲートと画素
間の容量結合を避けることができないうえ、この影響が
パネル間でばらつく。この結果、TFD素子と同様に液
晶に直流電圧を印加する。液晶に直流電圧を印加すると
焼き付き等の原因となり、品質を著しく劣化させること
は上述の如くである。
【0036】TFT素子の場合もTFD素子のように正
書き込みと負書き込みを交互に繰り返して交流駆動を行
う。図9にTFT素子の駆動電圧のタイミングチャート
を示す。図9のV+は正書き込み時にTFT素子のドレ
イン端子に印加される電圧、V−は負書き込み時のドレ
イン電圧である。VGDは、TFT素子を形成した基板
から液晶を挟んだ対向の基板の共通電極に印加する電圧
である。液晶への直流成分印加防止から、この共通電極
の電圧VGDに対して、TFT素子の構造や素子特性を
補正するように各ドレイン電圧V+、V−を正負対称に
調整しなければならない。
【0037】ところが、ドレイン電圧V+、V−を補正
し、液晶層に印加される電圧が完全に正負対称になるよ
うな電圧を設定してもパネル間のばらつきがあるため、
量産上この補正値を一定に保つのは非常に困難である。
【0038】以上のようにTFT素子においてもTFD
素子とその素子構造は異にするが、液晶への直流成分印
加防止に関しての共通の課題がある。
【0039】そこで、TFT素子の場合もTFD素子と
駆動方法については大きな相違はないことから、先に述
べたTFD素子の場合と同様の方法で調整することによ
り液晶への直流成分印加を最小限に抑えることができ
る。実施方法は、TFD素子の方法から容易に推測でき
るようにフリッカを顕著に発生させ、TFD素子のとき
はフリッカが最小になるようにオフセット電圧を調整す
るが、TFT素子の場合は共通電極の電圧VGD、ある
いは、ドレイン電圧V+、V−をフリッカが最小になる
ように調整すればよい。また、対向基板上に走査電極を
形成しオフセット調整を行う型式のTFTパネルでも、
フリッカ調整に対して同様の手法が適用できる。
【0040】
【発明の効果】本発明の液晶表示装置では、フリッカを
利用して液晶パネルの走査電極駆動電圧を設定する。こ
のためにフォトセンサ程度の装置で調整システムを簡単
に構成できる。また素子ばらつきや配線抵抗等の影響ま
で含んだかたちで画素内の液晶に印加する電圧調整を行
っているので、個々の液晶パネルごとに最適な駆動電圧
を与えることができ、液晶に印加する直流成分を著しく
低下させられる。この結果、劣化の少ない、安定した品
質の液晶パネルを供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のブロック図である。
【図2】(a)〜(f)実施例1の信号波形図である。
【図3】実施例2の液晶パネルの交流駆動時の書き込み
極性である。
【図4】実施例2の液晶パネルのフリッカチェックモー
ド時の表示状態である。
【図5】TFD素子の代表的な電流−電圧特性である。
【図6】従来の駆動方法である4レベル駆動方法のタイ
ミングチャートである。
【図7】従来の液晶表示装置のブロック図である。
【図8】実施例3の液晶パネルのフリッカチェックモー
ド時の表示状態である。
【図9】実施例4のTFT素子の駆動タイミングチャー
トである。
【符号の説明】
φ1 走査電極駆動回路105を制御する信号群 φ2 信号電極駆動回路106を制御する信号群 Va+ 電圧発生器501から出力される正選択期間中
の電圧 Va- 電圧発生器501から出力される負選択期間中
の電圧 Vb+ 電圧発生器501から出力される正保持期間中
の電圧 Vb- 電圧発生器501から出力される負保持期間中
の電圧 +Vd 信号電極に出力される正側の電圧 −Vd 信号電極に出力される負側の電圧値 VT+ 正書き込みのときにフォトセンサ108で測定
したときの出力電圧 VT- 負書き込みのときにフォトセンサ108で測定
したときの出力電圧 Vsel+ Ionを流すときのTFD+に印加する電圧 Vsel- Ionを流すときのTFD−に印加する電圧 Vhold+ Ioff を流すときのTFD+に印加する電圧 Vhold- Ioff を流すときのTFD−に印加する電圧 Vaw ボリュームVRWによって設定された電圧 Vaoff ボリュームVRFによって設定された電圧

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチング素子を具備した画素から成
    る液晶パネルを備えた液晶表示装置の各画素に、走査電
    極と信号電極を介して印加する電圧を、該スイッチング
    素子の特性に応じて調整する液晶表示装置の調整方法で
    あって、調整時に前記液晶パネルにフリッカを顕著に生
    じさせる表示制御手段と、該フリッカを検出する手段を
    設け、検出されるフリッカが最小になるように画素に印
    加する電圧を調整する液晶表示装置の調整方法におい
    て、前記表示制御手段は、液晶パネルに第一のフィール
    ドと第二のフィールドを交互に繰り返す表示をし、各フ
    ィールドでは、表示データを少なくとも2種類用意し、
    フリッカを検出する手段の検出領域では、該表示データ
    のうちの2つのデータを、走査電極毎に交互に変えて選
    択し、各信号電極に印加し、走査電極毎に書き込み極性
    を反転させてデータの書き込みを行い、該液晶パネルの
    有効表示領域内の残りの領域では、該表示データの任意
    の表示データを信号電極に印加し、走査電極毎に書き込
    み極性を反転させてデータの書き込みを行い、データの
    表示を行うことを特徴とする液晶表示装置の調整方法
  2. 【請求項2】 走査電極と信号電極を介して印加する
    圧の調整は、走査電極に印加する選択電圧のオフセット
    電圧を調整することを特徴とする請求項1に記載の液晶
    表示装置の調整方法
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