JPH07318119A - 空気加熱加湿装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 調理，空気調和等種々の分野に利用でき、装
置自体が小型で、しかも所定温度の多湿空気を的確に生
成できる空気加熱加湿装置を提供すること。 【構成】 電磁コイル３を備えた電磁誘導加熱機と、電
磁誘導作用により自らを発熱する磁性体ダクト１と、ダ
クト１内に一端口から他端口に向かう空気の流れを生成
する送風機２と、ダクト１内の上流位置に水又は温水の
微粒子を供給する噴霧ノズル５とを具備しているので、
電磁誘導作用によりダクト１自らを発熱させ該熱で空気
を加熱し水微粒子を蒸発させることができ、所定温度の
多湿空気を簡単に得ることができる。また、１つの熱源
で空気加熱と蒸気発生を行わせているので、従来装置に
比べて格段小型化できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、調理，空気調和等に有
用な高温多湿空気を生成する空気加熱加湿装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】温度が高く且つ湿度の高い空気、所謂高
温多湿空気の応用範囲は広く、様々な分野で利用されて
いる。例えば、調理の分野では、高温多湿空気を用いて
冷凍品の解凍や蒸し等の調理が行われている。また、空
気調和の分野では、温室やサウナ室等の空間を一定温度
及び湿度に保つために高温加湿空気を該空間内に供給し
ている。

【０００３】従来、調理分野で高温多湿空気を得る方法
としては、ボイラー等で水を加熱沸騰させて水蒸気を発
生させる方法や、電気ヒータ等で加熱した面に水を滴下
して水蒸気を発生させる方法や、これらの方法で得た水
蒸気をさらに電気ヒータ等によって加熱する方法等が採
用されている。

【０００４】また、空気調和の分野で高温多湿空気を得
る方法としては、超音波加湿器により加湿した空気を電
気ヒータ等で加熱する方法や、水を加熱蒸散する方法
や、加熱空気を用いて水又は温水を自然蒸発させる方法
や、高温蒸気を低温空気中に混同させる方法等が採用さ
れている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法中、調理分野で採用されている水蒸気発生方法ではボ
イラー等の装置は必要となり装置が大型化、且つ複雑化
する問題点がある。また、空調分野で採用されている超
音波加湿や加熱蒸散や自然蒸発の方法では温度の高い多
湿空気を得ることができず、これを得ようとすると蒸気
発生と空気加熱に個別の熱源を要するために装置が大型
になる問題点がある。

【０００６】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、調理，空気調和等種々の
分野に利用でき、装置自体が小型で、しかも所定温度の
多湿空気を的確に生成できる空気加熱加湿装置を提供す
ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１の発明は、電磁コイルを備えた電磁誘導加
熱機と、電磁誘導作用により自らの少なくとも一部を発
熱するダクトと、ダクト内に一端口から他端口に向かう
空気の流れを生成する送風機と、ダクト内の上流位置に
水又は温水の微粒子を供給する水微粒子供給機とを具備
したことを特徴としている。

【０００８】請求項２の発明は、請求項１記載の空気加
熱加湿装置において、電磁コイルが平板状に形成され、
ダクトが該電磁コイルと平行な面を有することを特徴と
している。

【０００９】請求項３の発明は、請求項２記載の空気加
熱加湿装置において、電磁コイルと平行な仕切板をダク
ト内に設け、該仕切板をダクトと共に発熱させるように
したことを特徴としている。

【００１０】請求項４の発明は、請求項１記載の空気加
熱加湿装置において、ダクトが管状に形成され、電磁コ
イルが該ダクトの周囲に巻回されていることを特徴とし
ている。

【００１１】

【作用】請求項１，２及び４の発明では、ダクト内を流
れる空気に水又は温水の微粒子を混合し、電磁誘導作用
により自らを発熱するダクトの熱によって該混合空気を
加熱して水微粒子を蒸発させ、加温，加湿後の空気を吹
き出すことができる。

【００１２】請求項３の発明では、ダクト内の仕切板を
も発熱面として利用できる。他の作用は請求項２の発明
と同様である。

【００１３】

【実施例】図１及び図２は本発明の第１実施例に係るも
ので、図１には装置概略図を、図２にはダクトの部分斜
視図を夫々示してある。

【００１４】本実施例装置は、ダクト１と、送風機２
と、電磁コイル３及びその電源ユニット４とからなる電
磁誘導加熱機と、噴霧ノズル５と、圧力ポンプ６とから
構成されている。

【００１５】ダクト１は鉄，ニッケル等の磁性材或いは
磁性を持つステンレス等から形成されており、Ｌ字形に
屈曲した内部流路を備え、屈曲端に吸込口１ａを他端に
吹出口１ｂを有している。内部流路は断面が横長矩形状
であり、屈曲部分を除く流路内にはダクトと同一材料で
形成された２枚の仕切板１ｃが上・下壁と平行に配置さ
れ、同部を上下方向で３等分している。

【００１６】送風機２はシロッコタイプのものであり、
その吹出口をダクト１の吸込口１ａに気密に接続されて
いる。

【００１７】電磁コイル３は平板状に形成されており、
その上面をダクト１の下壁と接触或いは僅かな隙間を介
して平行に対峙している。電源ユニット４は電磁コイル
３の下側に配置され、電磁コイル３に所定電力を供給す
る。

【００１８】噴霧ノズル５はダクト１の屈曲部分側壁に
貫通配置され、その噴霧口を仕切板１ｃに対峙してい
る。圧力ポンプ６は吐出口を噴霧ノズル５に接続され、
吸込口を水又は温水を貯留したタンク（図示省略）に接
続されている。

【００１９】本実施例装置における高温多湿空気の生成
は、電磁コイル３に所定電力を供給し、且つ送風機２及
び圧力ポンプ６を作動させることにより行われる。

【００２０】電磁コイル３への電力供給では、該電磁コ
イル３からの磁束が該電磁コイル３と平行なダクト下壁
と仕切板１ｃとダクト上壁を通過し、これによりダクト
上・下壁及び仕切板１ｃの内部に渦電流が生まれて固有
抵抗に基づくジュール熱が発生し同部分が発熱する。

【００２１】送風機２の作動によってダクト１内に送り
込まれた空気には、圧力ポンプ６の作動によって噴霧ノ
ズル５からダクト１内に噴霧された水又は温水の微粒子
が混合され、該混合空気はダクト１内を吹出口１ｂに向
かって流れる過程で上記発熱部分から発せられる熱によ
り加熱され、該加熱により水微粒子が蒸発する。つま
り、ダクト１の吹出口１ｂからは加温され且つ加湿され
た後の空気が吹き出されることになる。

【００２２】本実施例装置では、電磁誘導作用によりダ
クト１自らの発熱させ、該熱で空気を加熱し水微粒子を
蒸発させているので、所定温度の多湿空気、例えば１０
０℃を越える多湿空気を簡単に得られる利点がある。

【００２３】また、１つの熱源で空気加熱と蒸気発生を
行わせているので、従来装置に比べて格段小型化でき、
調理機器の機構部として好適に使用できる利点がある。

【００２４】更に、電磁誘導作用によるダクト発熱が瞬
時に行われるので、ボイラーのような立ち上がり時間が
不要であり、必要時に高温多湿空気をすぐに得られる利
点がある。

【００２５】更にまた、ダクト１内の仕切板１ｃをも発
熱面として利用できるので、上記の加熱処理を広い面積
下で効率よく行える利点がある。

【００２６】更にまた、吹き出される高温多湿空気の温
度を送風量や電磁コイル３への電力量によって、またそ
の湿度を噴霧量によって簡単にコントロールできる利点
がある。

【００２７】図３には本発明の第２実施例に係る装置概
略図を示してある。

【００２８】本実施例装置は、第１実施例のダクト１内
の上流位置に流路断面積の小さな狭窄部１ｄを形成し、
噴霧ノズル５及び圧力ポンプ６の代わりに超音波式霧化
機７の吐出口を狭窄部１ｄに臨ませてある。霧化機７は
内部に振動子７ａを備え、該振動子７ａにより貯留水を
超音波振動で霧化する。他の構成は第１実施例と同じで
あるため同一符号を用いその説明を省略する。

【００２９】本実施例装置における高温多湿空気の生成
は、電磁コイル３に電源ユニット４から所定電力を供給
し、且つ送風機２，圧力ポンプ６及び霧化機７を作動さ
せることにより行われる。

【００３０】ダクト１の狭窄部１ｄを流れる空気の速度
が高いため、霧化機７内で生成された水微粒子はその吐
出口を通じて狭窄部１ｄに内に吸い込まれ、流通空気に
混合する。この混合空気はダクト１内を吹出口１ｂに向
かって流れる過程でダクト発熱部分から発せられる熱に
より加熱され、該加熱により水微粒子が蒸発する。つま
り、ダクト１の吹出口１ｂからは第１実施例と同様に加
温され且つ加湿された後の空気が吹き出されることにな
る。

【００３１】本実施例装置では水微粒子の供給手段を異
にするが、第１実施例と同様の作用，効果を得ることが
できる。

【００３２】図４には本発明の第３実施例に係る装置概
略図を示してある。

【００３３】本実施例装置は、ダクト１１と、電磁コイ
ル１２と、送風機１２と、噴霧ノズル１４と、圧力ポン
プ１５とから構成されている。

【００３４】ダクト１１は鉄，ニッケル等の磁性材或い
は磁性を持つステンレス等から管状に形成されており、
螺旋状に周回した断面円形の内部流路を備え、一端に吸
込口１１ａを他端に吹出口１１ｂを有している。

【００３５】電磁コイル１２はダクト１１の周囲に巻回
配置されている。図示を省略したが電磁コイル１２は第
１実施例と同様の電源ユニットから電力供給を受ける。

【００３６】送風機１３はシロッコタイプのものであ
り、その吹出口をダクト１１の吸込口１１ａに気密に接
続されている。

【００３７】噴霧ノズル１４はダクト１１の吸込口近傍
に貫通配置され、その噴霧口を内部流路中央に位置して
いる。圧力ポンプ１５は吐出口を噴霧ノズル１４に接続
され、吸込口を水又は温水を貯留したタンク（図示省
略）に接続されている。

【００３８】本実施例装置における高温多湿空気の生成
は、電磁コイル１２に所定電力を供給し、且つ送風機１
３及び圧力ポンプ１５を作動させることにより行われ
る。

【００３９】電磁コイル１２への電力供給では、該電磁
コイル１２からの磁束が該電磁コイル１２に近接するダ
クト壁を通過し、これによりダクト壁の内部に渦電流が
生まれて固有抵抗に基づくジュール熱が発生しコイル巻
回部分全体が発熱する。

【００４０】送風機１３の作動によってダクト１１内に
送り込まれた空気には、圧力ポンプ１５の作動によって
噴霧ノズル１４からダクト１１内に噴霧された水又は温
水の微粒子が混合され、該混合空気はダクト１１内を吹
出口１１ｂに向かって流れる過程で上記発熱部分から発
せられる熱により加熱され、該加熱により水微粒子が蒸
発する。つまり、ダクト１１の吹出口１１ｂからは加温
され且つ加湿された後の空気が吹き出されることにな
る。

【００４１】本実施例装置ではダクト及び電磁コイルの
形状を異にするが、第１実施例と同様の作用，効果を得
ることができる。勿論、上記の噴霧ノズル及びポンプは
第２実施例に例示した霧化機で代用してもよい。

【００４２】尚、上記各実施例では、ダクト全体を磁性
体材料から形成したものを示したが、電磁コイルに対応
する部分のみを磁性体材料から形成し該部分を発熱部と
して構成してもよい。また、本発明は調理機器以外の用
途、例えば加湿暖房を行う空調機器の機構部としても広
く利用できる。

【００４３】

【発明の効果】以上詳述したように、請求項１乃至３の
発明によれば、電磁誘導作用によりダクト自らを発熱さ
せ、該熱で空気を加熱し水微粒子を蒸発させているの
で、所定温度の多湿空気を簡単に得ることができる。ま
た、１つの熱源で空気加熱と蒸気発生を行わせているの
で、従来装置に比べて格段小型化でき、調理機器等の機
構部として好適に使用できる。更に、電磁誘導作用によ
る発熱が瞬時に行われるので、ボイラーのような立ち上
がり時間が不要であり、必要時に高温多湿空気をすぐに
得られる。

【００４４】請求項４の発明によれば、ダクト内の仕切
板をも発熱面として利用できるので、上記の加熱処理を
広い面積下で効率よく行える。他の効果は請求項１，２
及び４と同様である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る装置概略図

【図２】ダクトの部分斜視図

【図３】本発明の第２実施例に係る装置概略図

【図４】本発明の第３実施例に係る装置概略図

【符号の説明】

１…ダクト、２…送風機、３…電磁コイル、４…電源ユ
ニット、５…噴霧ノズル、７…霧化機、１１…ダクト、
１２…電磁コイル、１３…送風機、１４…噴霧ノズル。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電磁コイルを備えた電磁誘導加熱機と、 電磁誘導作用により自らの少なくとも一部を発熱するダ
   クトと、 ダクト内に一端口から他端口に向かう空気の流れを生成
   する送風機と、 ダクト内の上流位置に水又は温水の微粒子を供給する水
   微粒子供給機とを具備した、 ことを特徴とする空気加熱加湿装置。
2. 【請求項２】 電磁コイルが平板状に形成され、ダクト
   が該電磁コイルと平行な面を有する、 ことを特徴とする請求項１記載の空気加熱加湿装置。
3. 【請求項３】 電磁コイルと平行な仕切板をダクト内に
   設け、該仕切板をダクトと共に発熱させるようにした、 ことを特徴とする請求項２記載の空気加熱加湿装置。
4. 【請求項４】 ダクトが管状に形成され、電磁コイルが
   該ダクトの周囲に巻回されている、 ことを特徴とする請求項１記載の空気加熱加湿装置。