JPH0731780A

JPH0731780A - 下糸自動供給装置におけるボビン交換部のボビン着脱装置

Info

Publication number: JPH0731780A
Application number: JP20040793A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Tomioka; 宏之富岡
Original assignee: Juki Corp
Current assignee: Juki Corp
Priority date: 1993-07-19
Filing date: 1993-07-19
Publication date: 1995-02-03

Abstract

(57)【要約】【目的】下糸自動供給装置のボビン交換部において、縫
製装置又は下糸巻回位置にある中釜に対するボビンケー
ス及びボビンの着脱を大きな力を要することなく、簡単
になし得るようにする。【構成】Ｌ字型溝と被操作片4bを有する円筒状リング及
びボビンを収容したボビンケース２をＬ字型溝と係合す
るピンが内側に立設された中釜に対して着脱するもであ
り、ボビン交換部のベース９に回転可能に支持されボビ
ン交換部の前進時にボビンケース端部の凹部内に進入し
所定角度の回転によってボビンケース２を掛止する先端
部7aを有する保持軸７と、それと一体であり前進時に被
操作片4bと係合するフォーク状部8bを有する操作レバー
８とよりなっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、縫製中に別位置にあ
るボビンに下糸を巻き、そのボビンと縫製位置にある下
糸のなくなったボビンとを入れ換える本縫いミシンの下
糸自動供給装置におけるボビン交換部のボビン着脱装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】下糸自動供給装置として、従来、図８に
示すものが知られている。その下糸自動供給装置は、一
対の電磁石吸着ヘッド３を有し、２点鎖線で示す縫製位
置にある釜１の中釜に対してボビン及びボビンケース２
を着脱するボビン着脱位置とボビンに下糸を巻付ける下
糸巻回位置との間を同期的に回動する共に前進、後退を
行うボビン交換部Ｉと、糸巻Ｂから繰り出される糸Ｙの
先端部を保持し、下糸巻回位置にあるボビンに下糸を巻
回する下糸巻回部IIとを備えたものである。この下糸自
動供給装置において、ボビン交換部Ｉが前進するときに
は、下糸の巻かれたボビン及びボビンケース２がボビン
着脱位置で縫製位置にある釜１の中釜にセットされると
共に、空ボビン及びボビンケース２が下糸巻回位置で下
糸巻回部IIにセットされる。また、ボビン交換部Ｉが後
退するときには、縫製位置にある釜１の中釜及び下糸巻
回部IIからそれぞれのボビン及びボビンケース２が退避
させる。

【０００３】そのボビン交換部Ｉのボビン着脱装置とし
て、従来、前述した図８に示す電磁石吸着ヘッド３の外
に、図９に示す機械式のものが知られている（特開昭６
１−１６８３８７公報）。後者の機械式ボビン着脱装置
は、ボビン交換部Ｉのベース９に筒状の基部１２ａが固
定され、先端部１２ｂが短冊状に複数分離すると共に先
端付近の内側にテーパー状部を有するチャック１２と、
チャック１２の内部に進退可能に収容され、先端にテー
パー状部を有するチャック開閉体１３とよりなってい
る。このボビン着脱装置においては、縫製位置又は下糸
巻回部IIにあるボビンケース２及びボビン５にチャック
１２の先端を衝合した状態でチャック開閉体１３を前進
させると、チャック１２はそのテーパー状部がチャック
開閉体１３のテーパー状部に押されて先端部が開き、ボ
ビンケース２及びボビン５は、チャック１２に把持され
る。

【０００４】一方、中釜６には、図１０（１）に示すよ
うに、底部中央に永久磁石１４を固定したり、図１０
（２）に示すように、板バネ１５を設け、収容されるボ
ビンケース２及びボビン５を保持するようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】高速回転する本縫いミ
シンにおける縫製中のボビン５は、一針毎に上糸と擦れ
合うので、ボビンケース２は、その上糸によって大きな
外力を受ける。従って、中釜６の限られたスペース内の
限られた大きさの永久磁石１４や板バネ１５によって
は、前記外力によりボビンケース２が振動したり、時に
は、中釜６から外れ落ちることがある。また、前記外力
に充分に耐え得る力で中釜６がボビンケース２を保持す
ることができたとしても、その場合は、中釜６からボビ
ンケース２を取出すときに、中釜６がボビンケース２を
保持する力以上の力でボビン着脱装置がボビンケース２
及びボビン５を把持する必要があり、そのためにはボビ
ン着脱装置が大型化し、ミシンの釜回りの少ない空間に
ボビン着脱装置を取付けることが困難となる。

【０００６】この発明は、下糸自動供給装置のボビン交
換部において、縫製装置又は下糸巻回位置にある中釜に
対するボビンケース及びボビンの着脱を大きな力を要す
ることなく、簡単になし得るようにすることを目的とし
ている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の下糸自動供給装置におけるボビン交換部
のボビン着脱装置は、端部に開くＬ字型溝が形成され収
容状態でボビンケース外に突出する被操作片を有する円
筒状リング及びボビンを収容したボビンケースを前記Ｌ
字型溝と係合するピンが内側に立設された中釜に対して
着脱するものにして、ボビン交換部のベースに回転可能
に支持されボビン交換部の前進時にボビンケース端部の
凹部内に進入し所定角度の回転によってボビンケースを
掛止する先端部を有する保持軸と、それと一体であり前
進時に上記被操作片と係合するフォーク状部を有する操
作レバーとよりなるものである。

【０００８】

【作用】上記のように構成された下糸自動供給装置に
おけるボビン交換部のボビン着脱装置において、保持軸
を所定角度回転させ、ボビン交換部と共にベースが前進
すると、保持軸の先端部がボビンケースの凹部内へ進入
すると共に、操作レバーのフォーク状部がボビンケース
外に突出している被操作片と係合する。この状態で保持
軸及び操作レバーを所定角度逆回転させると、保持軸の
先端部がボビンケースの凹部内で回動し、ボビンケース
が保持軸の先端部に固定される。一方、操作レバーのフ
ォーク状部の回転は、被操作片を介して円筒状リングに
伝わり、そのＬ字型溝と中釜ピンとの係合が解除され
る。そして、保持軸が後退すると、ボビンケースが中釜
から取り外される。

【０００９】また、ボビン交換部が前進してボビンケー
スが中釜内に挿入され、保持軸及び操作レバーが所定角
度回転されると、操作レバーのフォーク状部の回動によ
り被操作片を介して円筒状リングが回転し、そのＬ字型
溝と中釜のピンとが係合する。一方、保持軸の回転によ
り先端部とボビンケースの凹部の開口部の方向が一致し
て非係合状態となる。そして、保持軸が後退すると、ボ
ビンケースは中釜内に装着状態で残される。

【００１０】

【実施例】図１ないし図７を参照し、この発明の下糸自
動供給装置におけるボビン交換部のボビン着脱装置の実
施例について説明する。

【００１１】このボビン着脱装置は、図３に示す円筒状
リング４及びボビン５を収容したボビンケース２を図２
に示す中釜６に対して着脱するものであり、図５に示す
保持軸７及び図６に示す操作レバー８を有し、図１に示
すごとく構成されている。

【００１２】ボビンケース２の端部の中央には、図４に
示すような凹部２ａ、即ち、後述する保持軸７の先端部
７ａを挿入し得る先端部７ａと同形状の開口部２ａ’
と、その奥に形成され、保持軸７を回転させたときに先
端部７ａの両端部が係合する鍔部を有する円板状空間２
ａ”とよなる凹部２ａが形成されている。

【００１３】リング４は、図３に示すようにほぼ円筒状
であり、その周部には、円周方向に沿う主要部とその端
部より屈曲して一方の端部に開くＬ字型の溝４ａ及びボ
ビンケース２の内側に突設されたピン２ｃを案内する孔
４ｃが形成されている。また、円筒状リング４の周部に
は、半径方向外側に突出する被操作片４ｂが設けられて
いる。

【００１４】このように構成された円筒状リング４は、
図４に示すように、ボビンケース２内に回動可能に収容
され、その中にボビン５が収容される。その状態で被操
作片４ｂは、ボビンケース２の外部に突出している。従
って、外部より操作レバー８のフォーク状部８ｂによっ
て操作することにより、円筒状リング４をボビンケース
内で回動することができる。なお、ボビンケース２の周
部には、被操作片４ｂのＬ字型溝４ａ内での移動範囲よ
り大きな孔（不図示）が形成されている。

【００１５】中釜６の内側には、円筒状リング４のＬ字
型溝４ａと係合するピン６ａが立設されている。

【００１６】保持軸７は、図８に示すボビン交換部Ｉに
おける電磁石吸着ヘッド３を取付けている部材に相当す
るベース９（図１参照）に回転可能に、且つ、縫製位置
ないしは下糸巻回部II側の方向に向けて支持されてい
る。その先端部７ａは、図５に示すように、円板を両側
より切除した形状となっている。そして、図８に示すボ
ビン着脱位置又は下糸巻回位置と対応する位置にベース
９が回転して前進したときに、その先端部７ａは、ボビ
ンケース２の凹部２ａ内へ進入し、保持軸７を所定角度
回転させることによってボビンケース２を掛止すること
ができる。

【００１７】操作レバー８は、図６に示すように、基部
８ａと、それに連接されるほぼＬ型に折り曲げられた先
端がフォーク状の部分８ｂとよりなっている。その基部
８ａは、図１に示すように、ベース９の裏側に突出する
保持軸７にカラー１０を介して一体化されている。そし
て、図８に示すボビン着脱位置又は下糸巻回位置と対応
する位置にベース９が回転して前進したときに、フォー
ク状部８ｂが各位置にあるボビンケース２から突出する
被操作片４ｂと係合するようになっている。また、ベー
ス９には、エアーシリンダー１１が取付けられており、
そのロッド１１ａの伸縮によって保持軸７及び操作レバ
ー８が回転する。

【００１８】次に、以上のように構成された下糸自動供
給装置におけるボビン交換部のボビン着脱装置によっ
て、縫製位置又は下糸巻回位置にある中釜６に装着され
ているボビンケース２を取出す過程を説明する。

【００１９】ボビンケース２が中釜６に装着されている
ときには、ボビンケース２内の円筒状リング４は、図４
に示すＡ方向に移動しており、そのＬ字型溝４ａに中釜
６のピン６ａが係合している。この状態で、ボビン交換
部のエアーシリンダー１１のロッド１１ａを上方へ動作
させて保持軸７の先端部７ａをボビンケース２の凹部２
ａに合わせる（イ方向）。次に、縫製位置又は下糸巻回
位置にボビン交換部のベース９が前進すると、保持軸７
の先端部７ａがボビンケースの凹部２ａ内へ進入すると
共に、フォーク状部８ｂが縫製位置又は下糸巻回位置に
あるボビンケース２から突出している被操作片４ｂと係
合する。この係合状態でエアーシリンダー１１のロッド
１１ａを下方へ動作させると、保持軸７の先端部７ａが
ボビンケース２の凹部２ａの円板状空間２ａ”内で回動
し、ボビンケース２が保持軸７の先端部７ａ、即ち、ボ
ビン交換部側に固定される。また、このエアーシリンダ
ー１１のロッド１１ａの下方への動作によって操作レバ
ー８が回転し、フォーク状部８ｂより被操作片４ｂを介
してボビンケース２内の円筒状リング４が図１（３）に
示すロ方向へ回転し、Ｌ字型溝４ａと中釜６のピン６ａ
との係合が解除される。そして、ボビン交換部の後退動
作によってボビンケース２が中釜６から取り外される。

【００２０】また、ボビン着脱装置に保持されているボ
ビンケース２を縫製位置又は下糸巻回位置にある中釜６
に装着する過程は、次のとおりである。

【００２１】エアーシリンダー１１のロッド１１ａを下
方へ動作させた状態を維持し、ボビン交換部が縫製位置
又は下糸巻回位置側へ前進すると、ボビンケース２が中
釜６内に挿入される。この状態でエアーシリンダー１１
のロッド１１ａを上方へ動作させると、操作レバー８の
フォーク状部８ｂがロ方向に回動し、被操作片４ｂを介
してボビンケース２内の円筒状リング４がＡ方向に回転
し、中釜６のピン６ａと円筒状リング４のＬ字型溝４ａ
とが係合する。また、このエアーシリンダー１１のロッ
ド１１ａの上方への動作によって、保持軸７も共に回転
して先端部７ａとボビンケース２の凹部２ａの開口部２
ａ’の方向が一致し、先端部７ａとボビンケース２が非
係合状態となる。そして、ボビン交換部と共に保持軸７
が後退すると、ボビンケース２は、中釜６内に装着状態
で残される。その後、エアーシリンダー１１のロッド１
１ａは下方へ移動される。

【００２２】

【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。

【００２３】即ち、リングを介してボビンケースを中釜
に固定するようにしたので、装置が小型であるにも係わ
らず、ボビンケース及びボビンを中釜に対して、大きな
力を要することなく、容易に、着脱することができるよ
うになった。しかも、ミシンの高速運転時においても、
安定してボビンケースを保持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のボビン着脱装置の図であり、（１）
は正面図、（２）は左側から見た側面図、（３）は右側
から見た側面図である。

【図２】この発明のボビン着脱の対象となる中釜の断面
図である。

【図３】この発明のボビン着脱の対象となる円筒状リン
グの断面図である。

【図４】この発明のボビン着脱の対象となるボビンケー
スの図であり、（１）は正面図、（２）は断面図であ
る。

【図５】保持軸の図であり、（１）は正面図、（２）は
側面図である。

【図６】操作レバーの図であり、（１）は正面図、
（２）は側面図、（３）は先端部の平面図である。

【図７】この発明のボビン着脱装置によるボビンケース
の取出し及び装着過程を示すフローチャートである。

【図８】下糸自動供給装置の概略を示す正面図である。

【図９】従来のボビン着脱装置の断面図である。

【図１０】従来のボビン着脱装置のボビン着脱の対象と
なる中釜の断面図である。

【符号の説明】

２ボビンケース２ａ凹部４円筒状リング４ａＬ字型溝４ｂ被操作片５ボビン６ピン６ａ中釜７保持軸７ａ先端部８操作レバー８ｂフォーク状部９ベース

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】端部に開くＬ字型溝が形成され収容状態
でボビンケース外に突出する被操作片を有する円筒状リ
ング及びボビンを収容したボビンケースを前記Ｌ字型溝
と係合するピンが内側に立設された中釜に対して着脱す
るものにして、ボビン交換部のベースに回転可能に支持
されボビン交換部の前進時にボビンケースを掛止する先
端部を有する保持軸と、それと一体であり前進時に上記
被操作片と係合する係合部を有する操作レバーとよりな
る下糸自動供給装置におけるボビン交換部のボビン着脱
装置。