JPH07316919A - ポリエステル再生樹脂及びそれを原料としてポリエステル成形品を製造する方法 - Google Patents
ポリエステル再生樹脂及びそれを原料としてポリエステル成形品を製造する方法Info
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- JPH07316919A JPH07316919A JP14213594A JP14213594A JPH07316919A JP H07316919 A JPH07316919 A JP H07316919A JP 14213594 A JP14213594 A JP 14213594A JP 14213594 A JP14213594 A JP 14213594A JP H07316919 A JPH07316919 A JP H07316919A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 成形物等の屑、特に使用済みの成形品から
回収されたポリエステル樹脂を原料として、IVの高
い、成形性ならびに性能の優れた再生樹脂を得る。 【構成】 使用済みのポリエステル成形物等から回収
された樹脂に重縮合触媒を添加して溶融し、再成形した
再生樹脂ペレットを固相重合して、IVの平均値を0.
05以上増大させる。
回収されたポリエステル樹脂を原料として、IVの高
い、成形性ならびに性能の優れた再生樹脂を得る。 【構成】 使用済みのポリエステル成形物等から回収
された樹脂に重縮合触媒を添加して溶融し、再成形した
再生樹脂ペレットを固相重合して、IVの平均値を0.
05以上増大させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形品から回収されたポ
リエチレンテレフタレートもしくはポリエチレンテレフ
タレート共重合物樹脂(以下、これらをポリエステル樹
脂と略称する)を原料として製造する成形品用の再生樹
脂、ならびに該再生樹脂を原料とするポリエステル樹脂
成形品の製造方法に関する。本発明の方法によるポリエ
ステル成形品は特に繊維、ブロー成形されたボトル、真
空成形もしくはホットスタンピング成形用の非晶質シー
ト、射出成形品として好適な性能を有する。
リエチレンテレフタレートもしくはポリエチレンテレフ
タレート共重合物樹脂(以下、これらをポリエステル樹
脂と略称する)を原料として製造する成形品用の再生樹
脂、ならびに該再生樹脂を原料とするポリエステル樹脂
成形品の製造方法に関する。本発明の方法によるポリエ
ステル成形品は特に繊維、ブロー成形されたボトル、真
空成形もしくはホットスタンピング成形用の非晶質シー
ト、射出成形品として好適な性能を有する。
【0002】本発明は比較的分子量ないし極限粘度(以
降IVと略称する)が低いため、成形特性が従来のポリ
エステル樹脂と異なる、成形時に発生する屑や使用後の
成形品から回収された樹脂を主要な原料とする、成形性
や製品性能が優れた再生樹脂、ならびに該再生樹脂を原
料として製品性能や均整度の高いポリエステル成形品を
製造する方法である。
降IVと略称する)が低いため、成形特性が従来のポリ
エステル樹脂と異なる、成形時に発生する屑や使用後の
成形品から回収された樹脂を主要な原料とする、成形性
や製品性能が優れた再生樹脂、ならびに該再生樹脂を原
料として製品性能や均整度の高いポリエステル成形品を
製造する方法である。
【0003】本発明の方法により製造されるポリエステ
ル成形品の中で、繊維は、フィラメントあるいはステー
プルとして性能の優れた捲縮を付与することができ、し
かも成形時に発生する屑や使用後の成形品から回収され
た安価なポリエステル樹脂を原料としているため、コス
ト競争力に優れており、タフテッドカーペット等のカー
ペットのフェースヤーン、ニードルパンチカーペット、
詰め綿、不織布として、敷物、自動車内装、布団、キル
ティング、クッション材料、フィルター等の種々の用途
に使用することができる。
ル成形品の中で、繊維は、フィラメントあるいはステー
プルとして性能の優れた捲縮を付与することができ、し
かも成形時に発生する屑や使用後の成形品から回収され
た安価なポリエステル樹脂を原料としているため、コス
ト競争力に優れており、タフテッドカーペット等のカー
ペットのフェースヤーン、ニードルパンチカーペット、
詰め綿、不織布として、敷物、自動車内装、布団、キル
ティング、クッション材料、フィルター等の種々の用途
に使用することができる。
【0004】本発明の方法により製造されるポリエステ
ル成形品の中でブロー成形されたボトルは、適当な重縮
合触媒を選べば十分食品容器としての使用が可能なもの
であり、非食品容器の場合には広い範囲の重縮合触媒を
選択することが可能である。しかも成形時に発生する屑
や使用後の成形品から回収された安価なポリエステル樹
脂を原料としているためコスト競争力に優れている利点
がある。
ル成形品の中でブロー成形されたボトルは、適当な重縮
合触媒を選べば十分食品容器としての使用が可能なもの
であり、非食品容器の場合には広い範囲の重縮合触媒を
選択することが可能である。しかも成形時に発生する屑
や使用後の成形品から回収された安価なポリエステル樹
脂を原料としているためコスト競争力に優れている利点
がある。
【0005】本発明の方法により製造されるポリエステ
ル成形品の中で真空成形もしくはホットスタンピング成
形される非晶質シートは、成形時に発生する屑や使用後
の成形品から回収される安価なポリエステル樹脂を原料
とするため、競合するポリスチレン樹脂等に対してコス
ト競争力に優れている利点がある。
ル成形品の中で真空成形もしくはホットスタンピング成
形される非晶質シートは、成形時に発生する屑や使用後
の成形品から回収される安価なポリエステル樹脂を原料
とするため、競合するポリスチレン樹脂等に対してコス
ト競争力に優れている利点がある。
【0006】本発明の方法により製造されるポリエステ
ル成形品の中で射出成形される成形品は、成形時に発生
する屑や使用後の成形品から回収される安価なポリエス
テル樹脂を原料とするため、競合するポリスチレン樹脂
等に対してコスト競争力に優れている利点がある。
ル成形品の中で射出成形される成形品は、成形時に発生
する屑や使用後の成形品から回収される安価なポリエス
テル樹脂を原料とするため、競合するポリスチレン樹脂
等に対してコスト競争力に優れている利点がある。
【0007】
【従来の技術】ポリエステル樹脂の成形品は強度が大き
く、耐薬品性、耐光性、耐摩耗性等の耐久性が優れてお
り、繊維およびフィルムとしての消費量が大きいことか
ら、量産効果により比較的低価格で販売されるようにな
っている。このためブロー成形によって成形されたボト
ルによる飲料、液体食品の容器や、真空成形された食品
トレー等が汎用プラスチックと並んで広く用いられるよ
うになった。これに伴い、近年では使用ずみのポリエス
テルボトルやトレーが、廃棄物として多量に排出される
ことが問題になっている。ポリエステルの成形屑は、既
に繊維製造やフィルム製造工程から多量に排出されてお
り、それらの有効利用に関しては技術が確立している。
多くの場合、このような屑は繊維に再成型され、後工程
で染色されない用途に使用されている。
く、耐薬品性、耐光性、耐摩耗性等の耐久性が優れてお
り、繊維およびフィルムとしての消費量が大きいことか
ら、量産効果により比較的低価格で販売されるようにな
っている。このためブロー成形によって成形されたボト
ルによる飲料、液体食品の容器や、真空成形された食品
トレー等が汎用プラスチックと並んで広く用いられるよ
うになった。これに伴い、近年では使用ずみのポリエス
テルボトルやトレーが、廃棄物として多量に排出される
ことが問題になっている。ポリエステルの成形屑は、既
に繊維製造やフィルム製造工程から多量に排出されてお
り、それらの有効利用に関しては技術が確立している。
多くの場合、このような屑は繊維に再成型され、後工程
で染色されない用途に使用されている。
【0008】しかしボトルやトレーの廃棄物は、食品な
どが付着しているほか、種々の汚染物を含有するため、
そのまま溶融すると激しい熱分解を起こす問題があり、
何段階もの洗浄工程を通して加工することが必要とされ
ている。実際にポリエステル樹脂がボトルやトレーに成
形されて、食品等を充填されて流通し、家庭内で長期間
保存された後廃棄されると、その間に樹脂はかなりの劣
化を起こしている。これを更に激しい条件で洗浄し、乾
燥すると、樹脂の分子量は新しい成形品として十分な性
能を発揮できないほど低下する場合がある。
どが付着しているほか、種々の汚染物を含有するため、
そのまま溶融すると激しい熱分解を起こす問題があり、
何段階もの洗浄工程を通して加工することが必要とされ
ている。実際にポリエステル樹脂がボトルやトレーに成
形されて、食品等を充填されて流通し、家庭内で長期間
保存された後廃棄されると、その間に樹脂はかなりの劣
化を起こしている。これを更に激しい条件で洗浄し、乾
燥すると、樹脂の分子量は新しい成形品として十分な性
能を発揮できないほど低下する場合がある。
【0009】このように劣化を起こした樹脂を回収し、
再生利用する方法として、従来から新しい樹脂の中に回
収した樹脂を混練して、平均的な性能低下を抑制する方
法が広く行われている。この方法は多くの樹脂に共通し
て実施できる利点を有するが、新しい樹脂の所要量が回
収段階での樹脂の損耗量を上回ると、回収樹脂が余って
来る間題が発生する。こうなると運営を余程うまくやら
ないと、回収樹脂に不良在庫を生じて、廃棄物の回収シ
ステムを破壊してしまう恐れがある。
再生利用する方法として、従来から新しい樹脂の中に回
収した樹脂を混練して、平均的な性能低下を抑制する方
法が広く行われている。この方法は多くの樹脂に共通し
て実施できる利点を有するが、新しい樹脂の所要量が回
収段階での樹脂の損耗量を上回ると、回収樹脂が余って
来る間題が発生する。こうなると運営を余程うまくやら
ないと、回収樹脂に不良在庫を生じて、廃棄物の回収シ
ステムを破壊してしまう恐れがある。
【0010】ポリエステル樹脂のような重縮合タイプの
樹脂では、特殊な条件で熱処理することにより、分子の
枝分かれを増加させることなく、樹脂の分子量を増大さ
せることが可能なものが多い。ポリエステル樹脂も例外
ではなく、分子量の増大が可能である。この熱処理はポ
リエステルの場合、固相重合と呼ばれていて、ポリエス
テルの新しい成形用樹脂ペレットであれば問題なく分子
量を増大させることができる。しかし実際に再生樹脂を
固相重合させようとすると、新しいペレットのようには
容易に固相重合が進まないことがあることが知られてい
る。この理由は従来から分子鎖の末端にあるグリコール
エステルが熱分解して、末端基が大部分カルボキシル基
に変化してしまうため、反応性が失われるためと考えら
れている。
樹脂では、特殊な条件で熱処理することにより、分子の
枝分かれを増加させることなく、樹脂の分子量を増大さ
せることが可能なものが多い。ポリエステル樹脂も例外
ではなく、分子量の増大が可能である。この熱処理はポ
リエステルの場合、固相重合と呼ばれていて、ポリエス
テルの新しい成形用樹脂ペレットであれば問題なく分子
量を増大させることができる。しかし実際に再生樹脂を
固相重合させようとすると、新しいペレットのようには
容易に固相重合が進まないことがあることが知られてい
る。この理由は従来から分子鎖の末端にあるグリコール
エステルが熱分解して、末端基が大部分カルボキシル基
に変化してしまうため、反応性が失われるためと考えら
れている。
【0011】従来からポリエステル繊維は風合いが良好
であるため、種々の繊維製品として優れた品質のものが
得られている。しかし、ナイロン、アクリル、ポリプロ
ピレン等の、他の合成繊維あるいは羊毛等の低比重の天
然繊維に比べると比重が大きいため、被覆力がやや小さ
い欠点がある。このため従来から、主に比重の大きい木
綿、麻、レーヨンの分野に、混紡品もしくは100%品
として用いられている。比重が大きく被覆力が小さい問
題を解決するには、従来から繊維使用量を多くすること
が良いとされている。この問題に対応してポリエステル
の固有の市場が形成されていない分野に参入するには、
ポリエステル繊維の価格が低いことが要請される。この
問題を解決するために、従来から繊維断面形状を非円形
化したり、中空繊維化したり、高度な捲縮により繊維間
の空間を拡大して体積当たりのコストを削減することが
行われている。また加工工程を短縮するなど、種々の方
法により生産面からコストダウンが図られている。
であるため、種々の繊維製品として優れた品質のものが
得られている。しかし、ナイロン、アクリル、ポリプロ
ピレン等の、他の合成繊維あるいは羊毛等の低比重の天
然繊維に比べると比重が大きいため、被覆力がやや小さ
い欠点がある。このため従来から、主に比重の大きい木
綿、麻、レーヨンの分野に、混紡品もしくは100%品
として用いられている。比重が大きく被覆力が小さい問
題を解決するには、従来から繊維使用量を多くすること
が良いとされている。この問題に対応してポリエステル
の固有の市場が形成されていない分野に参入するには、
ポリエステル繊維の価格が低いことが要請される。この
問題を解決するために、従来から繊維断面形状を非円形
化したり、中空繊維化したり、高度な捲縮により繊維間
の空間を拡大して体積当たりのコストを削減することが
行われている。また加工工程を短縮するなど、種々の方
法により生産面からコストダウンが図られている。
【0012】コストの低減には、製造工程の合理化のほ
かに省力化や原材料の価格の低減などが考えられる。し
かしポリエステル繊維の生産では、既に高速化やラージ
パッケージ化が高度に進んでいるため、省力化を進めて
もそれほど大きなコスト低減効果が得られない。一方原
材料の価格については、すでにポリエステル繊維の生産
規模が充分大きくなっているため、更に大規模化しても
現在の水準を越えて更に低減することは難しいと考えら
れる。また新規な製造工程の採用によるコストダウン
は、研究の歴史が長いこともあって、開発の方向が見い
だせないのが現状である。
かに省力化や原材料の価格の低減などが考えられる。し
かしポリエステル繊維の生産では、既に高速化やラージ
パッケージ化が高度に進んでいるため、省力化を進めて
もそれほど大きなコスト低減効果が得られない。一方原
材料の価格については、すでにポリエステル繊維の生産
規模が充分大きくなっているため、更に大規模化しても
現在の水準を越えて更に低減することは難しいと考えら
れる。また新規な製造工程の採用によるコストダウン
は、研究の歴史が長いこともあって、開発の方向が見い
だせないのが現状である。
【0013】このような現状にあって注目すべき原料と
して、成形品屑からの回収樹脂がある。この原料は最近
のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやP
ETボトルの発展により、かなりの資源量が期待できる
までに成長している。更に最近では使用済みの成形品を
回収して再生樹脂を作り、繊維化することが求められる
ようになっている。しかし成形品の成形、流通、回収、
再生過程での環境による劣化や、溶融固化を繰り返すた
めに起こるIVの低下、カルボキシル基の増大など、繊
維性能の低下の原因となる変質が多く発生していること
は、前述の通りである。
して、成形品屑からの回収樹脂がある。この原料は最近
のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやP
ETボトルの発展により、かなりの資源量が期待できる
までに成長している。更に最近では使用済みの成形品を
回収して再生樹脂を作り、繊維化することが求められる
ようになっている。しかし成形品の成形、流通、回収、
再生過程での環境による劣化や、溶融固化を繰り返すた
めに起こるIVの低下、カルボキシル基の増大など、繊
維性能の低下の原因となる変質が多く発生していること
は、前述の通りである。
【0014】品質の低下の中で、IVの低下は繊維の強
度伸度を低下させ、特にカーペットのような強い摩擦を
受ける用途では、使用時に繊維のフィブリル化が急速に
進行する問題を生じる。特にIVの変動が大きい場合、
それにより部分的にフィブリル化を生じ易い製品ができ
るため、その部分の品質差が目立つために予想外の品質
クレームを生じる。また産業資材として使用される織物
や不織布の場合には、引っ張り強度、破裂強度、耐疲労
性が低下するが、IVの変動の増大はこれらの製品につ
いても品質問題を生じる。
度伸度を低下させ、特にカーペットのような強い摩擦を
受ける用途では、使用時に繊維のフィブリル化が急速に
進行する問題を生じる。特にIVの変動が大きい場合、
それにより部分的にフィブリル化を生じ易い製品ができ
るため、その部分の品質差が目立つために予想外の品質
クレームを生じる。また産業資材として使用される織物
や不織布の場合には、引っ張り強度、破裂強度、耐疲労
性が低下するが、IVの変動の増大はこれらの製品につ
いても品質問題を生じる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステル繊維の製
造コストの低減のために、再生樹脂の利用は有力な手段
である。しかし再生原料が従来から使用されている成形
屑から、使用済みの成形品に移行する方向にあり、成形
から回収までの環境劣化と溶融固化の繰り返しにより、
ポリエステル樹脂のIVは低下し、カルボキシル末端基
の増加が起こって再生成形品の性能の低下を生じる。ま
た紡糸性や成形性が顕著に低下する傾向が認められ、工
程の安定化のために樹脂IVの上昇が強く望まれてい
る。
造コストの低減のために、再生樹脂の利用は有力な手段
である。しかし再生原料が従来から使用されている成形
屑から、使用済みの成形品に移行する方向にあり、成形
から回収までの環境劣化と溶融固化の繰り返しにより、
ポリエステル樹脂のIVは低下し、カルボキシル末端基
の増加が起こって再生成形品の性能の低下を生じる。ま
た紡糸性や成形性が顕著に低下する傾向が認められ、工
程の安定化のために樹脂IVの上昇が強く望まれてい
る。
【0016】成形用ポリエステル樹脂のIVを上昇させ
るために、しばしば固相重合が行なわれる。ところが使
用済みの成形品を原料とする場合、新しいペレットや成
形屑と比較して、固相重合の反応速度が顕著に小さい問
題がある。このため、使用済みの成形品の回収利用に、
非常に大きな困難性を生じている。
るために、しばしば固相重合が行なわれる。ところが使
用済みの成形品を原料とする場合、新しいペレットや成
形屑と比較して、固相重合の反応速度が顕著に小さい問
題がある。このため、使用済みの成形品の回収利用に、
非常に大きな困難性を生じている。
【0017】
【課題を解決する手段】本発明は、少なくとも20重量
%が再生樹脂であるポリエステル樹脂に重縮合触媒を添
加して溶融した後、ペレット等の均一な形状に成形し、
固相重合を行って該ペレットの極限粘度を成形後よりも
0.05以上増加させたことを特徴とする成形品原料用
のポリエステル再生樹脂である。
%が再生樹脂であるポリエステル樹脂に重縮合触媒を添
加して溶融した後、ペレット等の均一な形状に成形し、
固相重合を行って該ペレットの極限粘度を成形後よりも
0.05以上増加させたことを特徴とする成形品原料用
のポリエステル再生樹脂である。
【0018】本発明の再生樹脂を原料とするポリエステ
ル成形品はどのようなものであってもよいが、とくに繊
維、ブロー成形されたボトル、真空成形もしくはホット
スタンピング成形用の非晶質のシート、および射出成形
された成形品であることが好ましい。
ル成形品はどのようなものであってもよいが、とくに繊
維、ブロー成形されたボトル、真空成形もしくはホット
スタンピング成形用の非晶質のシート、および射出成形
された成形品であることが好ましい。
【0019】本発明において、ポリエステル樹脂に添加
する重縮合触媒は、通常のポリエステルの重縮合の際に
原料もしくはモノマーに添加する形態のものではなく、
グリコール類に溶解したものであることが好ましい。こ
の理由は明確ではないが、多くのポリエステル用の重縮
合触媒が単体もしくはイオンの形でなく、グリコールと
反応した形で活性を持つことを示しているのではないか
と推定される。具体的な重縮合触媒としては酸化アンチ
モン、酸化ゲルマニウム、亜鉛塩類、カルシウム塩類、
マンガン塩類、スズ酸化合物、チタン酸化合物等が使用
可能であるが、いずれもグリコールに溶解して添加する
必要がある。酸化物や塩の粉末で添加しても、固相重合
の促進効果が不十分である。食品容器として再成形する
場合には、重縮合触媒としては毒性の小さいゲルマニウ
ム化合物、亜鉛化合物、チタン酸化合物を用いることが
好ましい。
する重縮合触媒は、通常のポリエステルの重縮合の際に
原料もしくはモノマーに添加する形態のものではなく、
グリコール類に溶解したものであることが好ましい。こ
の理由は明確ではないが、多くのポリエステル用の重縮
合触媒が単体もしくはイオンの形でなく、グリコールと
反応した形で活性を持つことを示しているのではないか
と推定される。具体的な重縮合触媒としては酸化アンチ
モン、酸化ゲルマニウム、亜鉛塩類、カルシウム塩類、
マンガン塩類、スズ酸化合物、チタン酸化合物等が使用
可能であるが、いずれもグリコールに溶解して添加する
必要がある。酸化物や塩の粉末で添加しても、固相重合
の促進効果が不十分である。食品容器として再成形する
場合には、重縮合触媒としては毒性の小さいゲルマニウ
ム化合物、亜鉛化合物、チタン酸化合物を用いることが
好ましい。
【0020】本発明はまた、少なくとも20重量%が再
生樹脂であるポリエステル樹脂を溶融し、成形品を製造
する際に該再生樹脂に重縮合触媒を添加して溶融した
後、ペレット等の均一な形状に成形し、固相重合を行っ
て該ペレットの極限粘度を成形後よりも0.05以上増
加させたものを用いて、成形することを特徴とする再生
樹脂を原料としてポリエステル成形品を製造する方法で
ある。
生樹脂であるポリエステル樹脂を溶融し、成形品を製造
する際に該再生樹脂に重縮合触媒を添加して溶融した
後、ペレット等の均一な形状に成形し、固相重合を行っ
て該ペレットの極限粘度を成形後よりも0.05以上増
加させたものを用いて、成形することを特徴とする再生
樹脂を原料としてポリエステル成形品を製造する方法で
ある。
【0021】本発明において、成形品の製造に使用する
ポリエステル樹脂は、少なくとも15重量%の固相重合
した再生樹脂を含有するものであることが好ましい。ま
た該ポリエステル樹脂は、少なくとも2O重量%の回収
ボトルを洗浄した物を含有するものであることが更に好
ましい。本発明において原料の中の固相重合した再生樹
脂の含有量が15%以下の場合には、成形に使用する樹
脂全体の中で再生樹脂の割合を大きくすることが困難に
なり、原料の安価さが十分に寄与しないので好ましくな
い。また再生樹脂の含有量が20重量%以下の場合に
は、やはり原料の安価さが十分にコストに寄与しないの
で好ましくない。
ポリエステル樹脂は、少なくとも15重量%の固相重合
した再生樹脂を含有するものであることが好ましい。ま
た該ポリエステル樹脂は、少なくとも2O重量%の回収
ボトルを洗浄した物を含有するものであることが更に好
ましい。本発明において原料の中の固相重合した再生樹
脂の含有量が15%以下の場合には、成形に使用する樹
脂全体の中で再生樹脂の割合を大きくすることが困難に
なり、原料の安価さが十分に寄与しないので好ましくな
い。また再生樹脂の含有量が20重量%以下の場合に
は、やはり原料の安価さが十分にコストに寄与しないの
で好ましくない。
【0022】本発明において、成形品の製造に使用する
ポリエステル樹脂は、酸化防止剤、紫外線吸収剤の群か
ら選ばれた1種もしくはそれ以上の添加剤を、0.01
〜2%含有するものであることが好ましい。本発明にお
いて、添加量が0.01%未満の場合、添加剤の効果の
永続性に問題があり、2%以上の場合には成形の際に樹
脂と添加剤の接触によって、樹脂の着色が顕著になるの
で好ましくない。成形用のポリエチレンテレフタレート
樹脂には、成形性を改良するためにポリエステル繊維に
は多量に含まれないような成分を多量に含有しているこ
とが多い。再生樹脂の成形品が繊維の場合、この成分を
再生樹脂ペレットから除去することは困難であるため、
この成分による性能の低下を酸化防止剤もしくは紫外線
吸収剤の添加により防止することが好ましい。
ポリエステル樹脂は、酸化防止剤、紫外線吸収剤の群か
ら選ばれた1種もしくはそれ以上の添加剤を、0.01
〜2%含有するものであることが好ましい。本発明にお
いて、添加量が0.01%未満の場合、添加剤の効果の
永続性に問題があり、2%以上の場合には成形の際に樹
脂と添加剤の接触によって、樹脂の着色が顕著になるの
で好ましくない。成形用のポリエチレンテレフタレート
樹脂には、成形性を改良するためにポリエステル繊維に
は多量に含まれないような成分を多量に含有しているこ
とが多い。再生樹脂の成形品が繊維の場合、この成分を
再生樹脂ペレットから除去することは困難であるため、
この成分による性能の低下を酸化防止剤もしくは紫外線
吸収剤の添加により防止することが好ましい。
【0023】具体的な添加剤の例としては、酸化防止剤
としてはトコフェロール、3,5−ジブチルヒドロキシ
トルエン、もしくは2,4,6−トリ−t−ブチルフエ
ノールあるいは3,5ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジルリン酸ジエチルエステルのようなヒンダードフ
ェノール型の化合物、もしくはトリフェニルフォスファ
イトのようなフォスファイト類、もしくはトリメチルフ
ォスフェートのようなフォスフェート類が使用できる。
しかしゴムの酸化防止に有力な芳香族アミン類はポリエ
ステルと反応して着色物質を生じるので、使用できな
い。
としてはトコフェロール、3,5−ジブチルヒドロキシ
トルエン、もしくは2,4,6−トリ−t−ブチルフエ
ノールあるいは3,5ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジルリン酸ジエチルエステルのようなヒンダードフ
ェノール型の化合物、もしくはトリフェニルフォスファ
イトのようなフォスファイト類、もしくはトリメチルフ
ォスフェートのようなフォスフェート類が使用できる。
しかしゴムの酸化防止に有力な芳香族アミン類はポリエ
ステルと反応して着色物質を生じるので、使用できな
い。
【0024】紫外線吸収剤としては吸収する波長が28
0〜310mμのものが使用できる。その中でもベンゾ
フェノン系もしくはベンゾトリアゾール系のような、三
重項消光剤タイプのものが好ましい。
0〜310mμのものが使用できる。その中でもベンゾ
フェノン系もしくはベンゾトリアゾール系のような、三
重項消光剤タイプのものが好ましい。
【0025】これらの添加剤にはフェノール性水酸基、
アルコール性水酸基、カルボキシル基、アミノ基のよう
な、官能基を持つものが多いが、本発明に使用する添加
剤を成形の際に練り込んで添加する場合には、このよう
な官能基を持たないもの、あるいはポリエステルとの反
応が立体障害等により抑制されているもの、あるいはポ
リエステルと反応後もその機能を失わないものであるこ
とが好ましい。
アルコール性水酸基、カルボキシル基、アミノ基のよう
な、官能基を持つものが多いが、本発明に使用する添加
剤を成形の際に練り込んで添加する場合には、このよう
な官能基を持たないもの、あるいはポリエステルとの反
応が立体障害等により抑制されているもの、あるいはポ
リエステルと反応後もその機能を失わないものであるこ
とが好ましい。
【0026】これらの添加剤は成形品が繊維の場合に
は、溶融紡糸時に樹脂に練り込んで添加する代わりに、
繊維形成後に染色工程のような処理方法で繊維内に浸透
させてもよい。
は、溶融紡糸時に樹脂に練り込んで添加する代わりに、
繊維形成後に染色工程のような処理方法で繊維内に浸透
させてもよい。
【0027】本発明によって製造される成形品であるポ
リエステル繊維は、好ましくはステープルファイバーで
ある。この繊維は、好ましくは25mm当たり3〜15
個の捲縮を含有するものである。この繊維はカーペット
のフェースヤーン、不織布、ふとん綿、詰め綿類として
優れた性能を示す。
リエステル繊維は、好ましくはステープルファイバーで
ある。この繊維は、好ましくは25mm当たり3〜15
個の捲縮を含有するものである。この繊維はカーペット
のフェースヤーン、不織布、ふとん綿、詰め綿類として
優れた性能を示す。
【0028】本発明によって製造される成形品であるポ
リエステル繊維はまた、好ましくは嵩高性を有する連続
糸である。この連続糸は好ましくは25mm当たり3〜
15個の捲縮を有するものであり、種々の用途に対して
優れた性能を示すが、特にカーペットのフェースヤーン
として優れている。この連続糸は紡糸からタフティング
までの工程数を少なくすることが出来る利点を有してお
り、最近ECFと呼ばれてカーペットに使われることが
多くなって来ている。この範囲の捲縮数を有することは
ECFの場合特に好ましい。このポリエステルフィラメ
ントは、ECFとしてカーペットのフエースヤーン用に
用いる際に捲縮数が25mm当たり3個未満の場合は、
糸房の嵩が低いためカバリング特性が悪く、また糸房が
倒れ易いので好ましくない。捲縮数が25mm当たり1
5個以上の場合は糸房が柔らかくなるため、敷物として
の腰が弱くなり、糸房間が絡んでつぶれ易く、耐久性が
低いので好ましくない。
リエステル繊維はまた、好ましくは嵩高性を有する連続
糸である。この連続糸は好ましくは25mm当たり3〜
15個の捲縮を有するものであり、種々の用途に対して
優れた性能を示すが、特にカーペットのフェースヤーン
として優れている。この連続糸は紡糸からタフティング
までの工程数を少なくすることが出来る利点を有してお
り、最近ECFと呼ばれてカーペットに使われることが
多くなって来ている。この範囲の捲縮数を有することは
ECFの場合特に好ましい。このポリエステルフィラメ
ントは、ECFとしてカーペットのフエースヤーン用に
用いる際に捲縮数が25mm当たり3個未満の場合は、
糸房の嵩が低いためカバリング特性が悪く、また糸房が
倒れ易いので好ましくない。捲縮数が25mm当たり1
5個以上の場合は糸房が柔らかくなるため、敷物として
の腰が弱くなり、糸房間が絡んでつぶれ易く、耐久性が
低いので好ましくない。
【0029】
【作用】使用済みの成形品から回収された再生樹脂を主
要な原料としてポリエステル繊維を製造する際には、成
形、使用、回収の過程で劣化を生じて、IVの低下を招
き易い。このような回収樹脂は固相重合によってIVを
回復させることが困難である。本発明はこのような回収
樹脂のペレット成形時に触媒を添加することにより、固
相重合の反応性を向上させ、固相重合によるIVの回復
をさせることを可能とするものである。
要な原料としてポリエステル繊維を製造する際には、成
形、使用、回収の過程で劣化を生じて、IVの低下を招
き易い。このような回収樹脂は固相重合によってIVを
回復させることが困難である。本発明はこのような回収
樹脂のペレット成形時に触媒を添加することにより、固
相重合の反応性を向上させ、固相重合によるIVの回復
をさせることを可能とするものである。
【0030】
【実施例】以下実施例により更に詳細かつ具体的に説明
する。
する。
【0031】実施例 1 原料としてそれぞれ次に示す破砕物ペレットを十分乾燥
し、平均のIVが0.52になるように混合した後、酸
化アンチモンをグリコールに濃度1.5%に溶解したも
のを、破砕物ペレットに対して2%添加し、混合した後
ベント式押出機を用いて再熔融して直径2.5mm、長
さ2.5mmの円柱状ペレットに成形した。 (1)IV=0.504、カルボキシル末端基72μe
q/gのボトル屑系のペレット (2)IV=0.528、カルボキシル末端基74μe
q/gのボトル屑系のペレット (3)IV=0.593、カルボキシル末端基68μe
q/gのボトル屑系のペレット 得られたペレットのIVは0.388、カルボキシル末
端基は46μeq/gであった。
し、平均のIVが0.52になるように混合した後、酸
化アンチモンをグリコールに濃度1.5%に溶解したも
のを、破砕物ペレットに対して2%添加し、混合した後
ベント式押出機を用いて再熔融して直径2.5mm、長
さ2.5mmの円柱状ペレットに成形した。 (1)IV=0.504、カルボキシル末端基72μe
q/gのボトル屑系のペレット (2)IV=0.528、カルボキシル末端基74μe
q/gのボトル屑系のペレット (3)IV=0.593、カルボキシル末端基68μe
q/gのボトル屑系のペレット 得られたペレットのIVは0.388、カルボキシル末
端基は46μeq/gであった。
【0032】得られたペレットを不活性ガス中で215
℃、3時間加熱処理して固相重合を行った。得られたペ
レットの平均のIVは0.631、カルボキシル末端基
は39μeq/gであった。得られたペレットは繊維原
料として十分な大きさのIVを持っており、カルボキシ
ル末端基含有量も少なく良好な品質を持っていた。この
ペレットを溶融紡糸して得た繊維は、カーペット用糸と
して十分な強度、伸度を有しており、色相、白度、染色
性、均染性の点で通常のPET繊維に対して遜色なく、
また染色堅牢度についても多くの染料に関して同等であ
った。
℃、3時間加熱処理して固相重合を行った。得られたペ
レットの平均のIVは0.631、カルボキシル末端基
は39μeq/gであった。得られたペレットは繊維原
料として十分な大きさのIVを持っており、カルボキシ
ル末端基含有量も少なく良好な品質を持っていた。この
ペレットを溶融紡糸して得た繊維は、カーペット用糸と
して十分な強度、伸度を有しており、色相、白度、染色
性、均染性の点で通常のPET繊維に対して遜色なく、
また染色堅牢度についても多くの染料に関して同等であ
った。
【0033】比較例 1 実施例1において、破砕物ペレットを円柱状ペレットに
再成形する際に、酸化アンチモンのグリコール溶液を添
加しなかったところ、得られたペレットは平均のIV=
0.522、カルボキシル末端基含有量74μeq/g
であった。このペレットを実施例1と同様にして固相重
合を行ったところ、顕著なIVの上昇が認められなかっ
た。固相重合条件を変更して不活性ガス温度を220
℃、反応時間を24時間としたところ、得られたペレッ
トの平均のIVは0.563であった。得られたペレッ
トを実施例1と同様の押出機により溶融し、同様の紡糸
条件により繊維に形成したが、繊維性能は実施例1のも
のよりはるかに劣っており、新品樹脂を多量に配合しな
いと満足な性能が得られないと推定された。
再成形する際に、酸化アンチモンのグリコール溶液を添
加しなかったところ、得られたペレットは平均のIV=
0.522、カルボキシル末端基含有量74μeq/g
であった。このペレットを実施例1と同様にして固相重
合を行ったところ、顕著なIVの上昇が認められなかっ
た。固相重合条件を変更して不活性ガス温度を220
℃、反応時間を24時間としたところ、得られたペレッ
トの平均のIVは0.563であった。得られたペレッ
トを実施例1と同様の押出機により溶融し、同様の紡糸
条件により繊維に形成したが、繊維性能は実施例1のも
のよりはるかに劣っており、新品樹脂を多量に配合しな
いと満足な性能が得られないと推定された。
【0034】実施例 2 実施例1に用いた破砕物ペレットと同じものを用い、重
縮合触媒として酸化ゲルマニウムをグリコールに2%の
濃度に溶解したものを使用した。また添加量としては破
砕物ペレットに対して1.6%で混合した。得られた円
柱状ペレットを実施例1と同様にして固相重合によりI
Vの上昇を行った。不活性ガス温度を215℃として、
反応時間を3時間としたところ、得られたペレットの平
均のIVは0.625であった。また反応時間を8時間
としたところ、得られたIVは0.818であった。得
られたIV=0.818のペレットをブロー成形機によ
り、ボトルに成形したところ、新品のペレットとほぼ同
様の成形性を示し、特に目立った欠陥は認められなかっ
た。
縮合触媒として酸化ゲルマニウムをグリコールに2%の
濃度に溶解したものを使用した。また添加量としては破
砕物ペレットに対して1.6%で混合した。得られた円
柱状ペレットを実施例1と同様にして固相重合によりI
Vの上昇を行った。不活性ガス温度を215℃として、
反応時間を3時間としたところ、得られたペレットの平
均のIVは0.625であった。また反応時間を8時間
としたところ、得られたIVは0.818であった。得
られたIV=0.818のペレットをブロー成形機によ
り、ボトルに成形したところ、新品のペレットとほぼ同
様の成形性を示し、特に目立った欠陥は認められなかっ
た。
【0035】実施例 3 実施例1と同様な回収ペレット混合物に、重縮合触媒の
グリコール溶液を添加して円柱状ペレットに再成形する
際に、さらにヒンダードフェノール型酸化防止剤、テト
ラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン]を
0.05%、紫外線吸収剤、o,o’−ジオキシベンゾ
フェノンを0.07%添加してペレット化した後、実施
例1と同様な条件で固相重合を行った。得られたペレッ
トの平均のIVは0.625であった。
グリコール溶液を添加して円柱状ペレットに再成形する
際に、さらにヒンダードフェノール型酸化防止剤、テト
ラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン]を
0.05%、紫外線吸収剤、o,o’−ジオキシベンゾ
フェノンを0.07%添加してペレット化した後、実施
例1と同様な条件で固相重合を行った。得られたペレッ
トの平均のIVは0.625であった。
【0036】このペレットを溶融押出して紡糸し、常法
により3600デニール/280フィラメントのBCF
を得た。得られた繊維の強度等の性能は新品のペレット
から得た繊維と同等であり、この繊維の染色物の耐光堅
牢度は、酸化防止剤および紫外線吸収剤を添加しなかっ
たものと比較して、多くの染料に対して約1級優れてお
り、熱老化性も良好であった。
により3600デニール/280フィラメントのBCF
を得た。得られた繊維の強度等の性能は新品のペレット
から得た繊維と同等であり、この繊維の染色物の耐光堅
牢度は、酸化防止剤および紫外線吸収剤を添加しなかっ
たものと比較して、多くの染料に対して約1級優れてお
り、熱老化性も良好であった。
【0037】
【発明の効果】本発明は成形品から回収されたポリエス
テル樹脂を原料として製造する、成形品用の再生樹脂、
ならびに該再生樹脂を原料とするポリエステル樹脂成形
品の製造方法に関する。本発明の方法によるポリエステ
ル成形品は特に繊維、ブロー成形されたボトル、真空成
形もしくはホットスタンピング成形用の非晶質シート、
射出成形品として好適な性能を有する。
テル樹脂を原料として製造する、成形品用の再生樹脂、
ならびに該再生樹脂を原料とするポリエステル樹脂成形
品の製造方法に関する。本発明の方法によるポリエステ
ル成形品は特に繊維、ブロー成形されたボトル、真空成
形もしくはホットスタンピング成形用の非晶質シート、
射出成形品として好適な性能を有する。
【0038】本発明は比較的IVが低いため、成形特性
が従来のポリエステル樹脂と異なる、成形時に発生する
屑や使用後の成形品から回収された樹脂を主要な原料と
する、成形性や製品性能が優れた再生樹脂、ならびに該
再生樹脂を原料として製品性能や均整度の高いポリエス
テル成形品を製造する方法である。
が従来のポリエステル樹脂と異なる、成形時に発生する
屑や使用後の成形品から回収された樹脂を主要な原料と
する、成形性や製品性能が優れた再生樹脂、ならびに該
再生樹脂を原料として製品性能や均整度の高いポリエス
テル成形品を製造する方法である。
【0039】本発明の方法により製造されるポリエステ
ル成形品の中で、繊維は、フィラメントあるいはステー
プルとして性能の優れた捲縮を付与することができ、し
かも成形時に発生する屑や使用後の成形品から回収され
た安価なポリエステル樹脂を原料としているため、コス
ト競争力に優れており、タフテッドカーペット等のカー
ペットのフェースヤーン、ニードルパンチカーペット、
詰め綿、不織布として、敷物、自動車内装、布団、キル
ティング、クッション材料、フィルター等の種々の用途
に使用することができる。
ル成形品の中で、繊維は、フィラメントあるいはステー
プルとして性能の優れた捲縮を付与することができ、し
かも成形時に発生する屑や使用後の成形品から回収され
た安価なポリエステル樹脂を原料としているため、コス
ト競争力に優れており、タフテッドカーペット等のカー
ペットのフェースヤーン、ニードルパンチカーペット、
詰め綿、不織布として、敷物、自動車内装、布団、キル
ティング、クッション材料、フィルター等の種々の用途
に使用することができる。
【0040】本発明の方法により製造されるポリエステ
ル成形品の中でブロー成形されたボトルは、適当な重縮
合触媒を選べば十分食品容器としての使用が可能なもの
であり、非食品容器の場合には広い範囲の重縮合触媒を
選択することが可能である。しかも成形時に発生する屑
や使用後の成形品から回収された安価なポリエステル樹
脂を原料としているためコスト競争力に優れている利点
がある。
ル成形品の中でブロー成形されたボトルは、適当な重縮
合触媒を選べば十分食品容器としての使用が可能なもの
であり、非食品容器の場合には広い範囲の重縮合触媒を
選択することが可能である。しかも成形時に発生する屑
や使用後の成形品から回収された安価なポリエステル樹
脂を原料としているためコスト競争力に優れている利点
がある。
【0041】本発明の方法により製造されるポリエステ
ル成形品の中で真空成形もしくはホットスタンピング成
形される非晶質シートは、成形時に発生する屑や使用後
の成形品から回収される安価なポリエステル樹脂を原料
とするため、競合するポリスチレン樹脂等に対してコス
ト競争力に優れている利点がある。
ル成形品の中で真空成形もしくはホットスタンピング成
形される非晶質シートは、成形時に発生する屑や使用後
の成形品から回収される安価なポリエステル樹脂を原料
とするため、競合するポリスチレン樹脂等に対してコス
ト競争力に優れている利点がある。
【0042】本発明の方法により製造されるポリエステ
ル成形品の中で射出成形される成形品は、成形時に発生
する屑や使用後の成形品から回収される安価なポリエス
テル樹脂を原料とするため、競合するポリスチレン樹脂
等に対してコスト競争力に優れている利点がある。
ル成形品の中で射出成形される成形品は、成形時に発生
する屑や使用後の成形品から回収される安価なポリエス
テル樹脂を原料とするため、競合するポリスチレン樹脂
等に対してコスト競争力に優れている利点がある。
Claims (10)
- 【請求項1】 少なくとも20重量%が成形品から回収
した樹脂であるポリエステル樹脂に重縮合触媒を添加し
て溶融した後、ペレット等の均一な形状に成形し、固相
重合を行って該ペレットの極限粘度を成形後よりも0.
05以上増加させたことを特徴とするポリエステル再生
樹脂。 - 【請求項2】 請求項1記載のポリエステル成形品が繊
維であることを特徴とする、ポリエステル再生樹脂。 - 【請求項3】 請求項1記載のポリエステル成形品がブ
ロー成形されたボトルであることを特徴とする、ポリエ
ステル再生樹脂。 - 【請求項4】 請求項1記載のポリエステル成形品が真
空成形もしくはホットスタンピング成形用の非晶質のシ
ートであることを特徴とする、ポリエステル再生樹脂。 - 【請求項5】 請求項1記載のポリエステル成形品が射
出成形された成形品であることを特徴とする、ポリエス
テル再生樹脂。 - 【請求項6】 請求項1記載のポリエステル樹脂に添加
する重縮合触媒がグリコール類に溶解したものであるこ
とを特徴とする、ポリエステル再生樹脂。 - 【請求項7】 少なくとも20重量%が成形品から回収
した樹脂であるポリエステル樹脂を溶融し、成形品を製
造する際に該再生樹脂に重縮合触媒を添加して溶融した
後、ペレット等の均一な形状に成形し、固相重合を行っ
て該ペレットの極限粘度を成形後よりも0.05以上増
加させたものを用いて、成形することを特徴とする再生
樹脂を原料としてポリエステル成形品を製造する方法。 - 【請求項8】 請求項7記載のポリエステル樹脂が少な
くとも15重量%の固相重合した再生樹脂を含有するも
のであることを特徴とする、再生樹脂を原料としてポリ
エステル成形品を製造する方法。 - 【請求項9】 請求項7ないし8記載のポリエステル樹
脂が少なくとも20重量%の回収ボトル洗浄物を含有す
るものであることを特徴とする、再生樹脂を原料として
ポリエステル成形品を製造する方法。 - 【請求項10】 請求項7ないし9記載のポリエステル
が酸化防止剤、紫外線吸収剤の群から選ばれた1種もし
くはそれ以上の添加剤を、0.01〜2%含有すること
を特徴とする、再生樹脂を原料としてポリエステル成形
品を製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14213594A JPH07316919A (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | ポリエステル再生樹脂及びそれを原料としてポリエステル成形品を製造する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14213594A JPH07316919A (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | ポリエステル再生樹脂及びそれを原料としてポリエステル成形品を製造する方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07316919A true JPH07316919A (ja) | 1995-12-05 |
Family
ID=15308189
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14213594A Pending JPH07316919A (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | ポリエステル再生樹脂及びそれを原料としてポリエステル成形品を製造する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07316919A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1651804A2 (en) * | 2003-07-10 | 2006-05-03 | COOMBS, Timothy S. | Yarns, particularly yarns incorporating recycled material, and methods of making them |
KR20220009061A (ko) | 2020-07-15 | 2022-01-24 | 효성첨단소재 주식회사 | 산업용 고강도 재생 폴리에스테르 원사의 제조방법 |
KR20230095332A (ko) * | 2021-12-22 | 2023-06-29 | 주식회사 휴비스 | 재생 폴리에스테르 중공 복합섬유 및 그 제조방법 |
-
1994
- 1994-05-19 JP JP14213594A patent/JPH07316919A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1651804A2 (en) * | 2003-07-10 | 2006-05-03 | COOMBS, Timothy S. | Yarns, particularly yarns incorporating recycled material, and methods of making them |
EP1651804A4 (en) * | 2003-07-10 | 2011-03-23 | Timothy S Coombs | YARNS, PARTICULARLY YARNS COMPRISING RECYCLED MATERIAL, AND METHODS OF MAKING SAME |
KR20220009061A (ko) | 2020-07-15 | 2022-01-24 | 효성첨단소재 주식회사 | 산업용 고강도 재생 폴리에스테르 원사의 제조방법 |
KR20230095332A (ko) * | 2021-12-22 | 2023-06-29 | 주식회사 휴비스 | 재생 폴리에스테르 중공 복합섬유 및 그 제조방법 |
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