JP2694153B2 - 再生ポリエステル樹脂からのカーペット用繊維 - Google Patents

再生ポリエステル樹脂からのカーペット用繊維

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形品から回収されたポ
リエチレンテレフタレート樹脂を原料として製造する、
ポリエステル連続繊維のカーペット用繊維に関する。本
発明のカーペット用繊維は特にタフテッドカーペットの
フェースヤーンとして好適な性能を有する。本発明は成
形品から回収された、分子量ないし極限粘度(以降IV
と略称する)が比較的低く、白度や色彩特性が良くない
ポリエチレンテレフタレート樹脂を主要な原料として製
造する、強度伸度が優れており、概して耐光性が優れ
た、白度や色彩特性の良好なポリエステル系のカーペッ
ト用連続繊維である。
【0002】本発明のカーペット用繊維は、従来のポリ
エステル系のカーペット用連続繊維とほぼ同等の優れた
加工性を有しており、タフテッドカーペットのフェース
ヤーン、ウィルトンカーペット等に使用できる。本発明
のカーペット用繊維は、フィラメントとして性能の優れ
た捲縮を付与することができ、しかも成形品から回収さ
れた安価なポリエチレンテレフタレート樹脂を原料とし
ているため、他種の繊維に対するコスト競争力に優れて
いる。
【0003】
【従来の技術】ポリエステル繊維は耐光性、耐摩耗性等
の耐久性が優れ、風合いが良好であるためカーペットと
して優れた品質のものが得られるが、カーペットとして
使われるナイロン、ポリプロピレン等の、他種の樹脂あ
るいは羊毛等の天然繊維に比べて比重が大きいため、カ
ーペットのフェースヤーンとしての被覆力がやや小さい
欠点がある。この問題を解決するには従来からフェース
ヤーンの量を多くすることが良いとされて来ているが、
これに対応するにはポリエステル繊維の価格が低いこと
が要請される。
【0004】被覆力がやや小さい問題に対応するため
に、従来からカーペット用のポリエステル繊維は、繊維
断面形状を非円形化して被覆力を改善したり、加工工程
を短縮するなどの種々の方法によるコストダウンが図ら
れている。コストの低減には製造工程の合理化の外に、
省力化や原材料の価格の低減などが考えられる。しか
し、ポリエステル繊維に関しては既に生産の高速化が高
度に進んでおり、またラージパッケージ化が高度に進ん
でいるため、省力化を進めてもそれほど大きなコスト低
減効果が得られないのが実情である。一方原材料の価格
については、すでにポリエステル繊維の生産規模が充分
大きくなっているため、更に大規模化しても現在の水準
を越えて更に低減することは難しい。また新規な製造工
程の採用によるコストダウンは、研究の歴史が長いこと
もあって、新規な開発の方向が見いだせないのが現状で
ある。
【0005】このような現状にあって注目すべき原料と
して、成形品屑からの回収樹脂がある。この原料は最近
のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやP
ETボトルの発展により、かなりの資源量が期待できる
までに成長している。しかし回収樹脂は種類が多いうえ
に品質の変動が大きく、一種類だけ選別して集めない限
り、染色するような用途には使用困難であり、特に捲縮
を有する連続繊維糸条(一般的にBCFと呼称される)
などのフィラメント糸の原料としては好適ではないもの
と、従来から考えられている。
【0006】PET樹脂は繊維形成性が極めて優れてい
るため、回収操作により多少変質しても繊維が作り難く
なることは考えられないが、従来PET樹脂には造膜性
の改良や成形性の改良のために種々の変性が行われてお
り、そのため回収樹脂を繊維化すると種々の好ましくな
い性質が現れる。例えばブロー成形用の樹脂には成形操
作を容易にするため、かなり多くのジエチレングリコー
ル(DEG)を共重合しており、これは回収後繊維に加
工されたとき、光による黄変や染色堅牢度の大幅な低下
の原因となる。また食品用のボトル用の樹脂にはアルデ
ヒドの毒性を避けるために、残留するアルデヒド量を極
めて小さくすることが求められており、アルデヒド生成
の原因であるグリコール末端量の大きいものよりも、カ
ルボキシル末端量の大きいものが好ましいとされている
が、カルボキシル末端基は繊維に加工されたときに、熱
老化を促進する問題がある。
【0007】再生ポリエステルは回収操作の間に溶融を
繰り返すため、IVの低下、カルボキシル基の増大な
ど、繊維性能の低下の原因となる変質が発生することが
多い。とくにIVの低下は繊維の強度伸度を低下させ、
特にカーペットのような強い摩擦を受ける用途では、使
用時に繊維のフィブリル化が急速に進行する問題を生じ
る。このフィブリル化によりカーペットの表面にゴミが
たまり易くなり、汚れ易くなる問題を生じるほか、繊維
の淡色化を生じて見掛け上耐光堅牢度が低下したような
状況を示す問題がある。
【0008】カーペットは他の床材に比べて歩行者の帯
電が多いことが従来から指摘されている。この問題は冷
暖房が普及し、生活環境が低湿度化するにつれて深刻化
する傾向がある。この問題点を解決するために、繊維に
導電性樹脂を塗布したり、導電性繊維を混合して加工す
ることが行われている。これらの方法は確かにかなりの
効果を示しているが、カーペットのコストを上昇させる
問題があり、また概して帯電防止効果が永続的でない問
題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は比重の関係で
やや被覆力が劣るポリエステル繊維を、BCFの形でカ
ーペットのフェースヤーンとして用いる際、価格を低く
抑える必要があるという課題の解決、ならびにそれに伴
う品質問題を解決することを目的とする。
【0010】本発明はまた、PET成形品から回収され
た樹脂からPET繊維を製造し、この繊維をBCFに加
工してカーペットにする場合、従来のPET繊維と同等
以上の、優れた性能の繊維を得る必要があるという課
題、例えばカルボキシル末端が多いにもかかわらず劣化
を少なくする課題、あるいは静電気の発生を軽減する効
果を有する等の性能を付与するという課題を解決するこ
とを目的とする。特に再熔融の繰り返しによる、IVの
低下とカルボキシルの増大の生じた樹脂を再熔融時の添
加物により改質し、繊維性能の劣化を抑制することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決する手段】本発明は原料の少なくとも20
重量%が再生ポリエステル樹脂であり、含有する二塩基
酸が主としてテレフタル酸であり、二塩基酸の0.2〜
15モル%が炭酸であり、25mm当たり3〜15個の
捲縮を有する連続糸であることを特徴とする再生ポリエ
ステル樹脂からのカーペット用繊維である。
【0012】本発明において原料の中の再生樹脂が20
重量%以下の場合には、原料の安価さが十分にコストに
寄与しないので好ましくない。また再生樹脂を混合する
ことによる品質の低下は、混合する樹脂の性質を変える
ことにより殆ど完全に防止することができるので、本発
明を利用する必要性は少ない。
【0013】本発明において捲縮数が25mm当たり3
個以下の場合、十分な嵩高性が得られず、糸房が倒れ易
いので好ましくない。また15個以上の場合には、糸房
が柔らかくなるため敷物としての腰が弱くなうえ、他の
繊維と絡み付く力が強くなり、カーペットとしての使用
時に汚れ易くなるので好ましくない。捲縮を付与する方
法はどのようなものでも良いが、スタフィングボックス
式が高速加工性に優れているので好ましい。中でも気流
を用いる方法が特に高速化に適している。
【0014】本発明においてポリエステルに含有してい
る二塩基酸の中の炭酸が0.2モル%以下の場合には、
従来のポリエチレンテレフタレート樹脂と性能的な差異
がなく、各種の性能に対して再熔融による劣化が顕著に
現れるので好ましくない。また増粘剤としての炭酸エス
テルの効果が顕著に現れないので好ましくない。また1
5モル%以上の場合には、樹脂の軟化点が極端に下がっ
て、熱固定性が悪くなるため、スタフィングボックス式
の捲縮の付与が難しくなり、捲縮の安定性が悪くなるの
で好ましくない。
【0015】本発明のポリエステル樹脂は、好ましくは
炭酸エステルを添加して再熔融したものであり、再熔融
後のIVが乾燥前のIVよりも0.01〜0.25大き
いものである。再熔融後のIVの増加が0.01以下の
場合には、ポリエチレンテレフタレート樹脂と炭酸との
反応が十分に進行していないので、改質効果が乏しいの
で好ましくない。また0.25以上増加している場合、
共重合化が進むため結晶性や融点が低下し、耐熱性や熱
固定性がカーペットとして好ましくない範囲まで低下す
るので好ましくない。なお本発明において使用するIV
はフェノール、テトラクロルエタンの等重量混合物を溶
媒として、30℃で測定したものである。
【0016】本発明において再熔融の前に添加する炭酸
エステルは、低級アルコールの炭酸エステル、フェノー
ル類の炭酸エステルである。これらには二価以上の多価
アルコール、もしくは二価以上の多価フェノールのエス
テルも含まれる。具体的には低級アルコールの炭酸エス
テルとしてはジエチルカーボネート、ジブチルカーボネ
ート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート
など、フェノール類の炭酸エステルとしてはジフェニル
カーボネート等が使用できる。
【0017】また本発明の別の実施態様として、ポリエ
ステル繊維は100〜170℃の加熱により単繊維間に
5〜25%の寸法差を生じるものであることが好まし
い。このような寸法差により本発明の連続繊維には紡績
糸に似た外観を付与することができ、高級感を与える。
また、糸に生じた染色むらを目立たなくすることができ
る。寸法その付与には共重合比率、IV、延伸倍率、熱
処理温度等が異なる2種以上の連続繊維を混合すること
によることが好ましい。
【0018】本発明のポリエステル繊維には酸化防止
剤、紫外線吸収剤の群から選ばれた1種もしくはそれ以
上の添加剤を、0.01〜2%含有することが好まし
い。成形用のポリエチレンテレフタレート樹脂には、成
形性を改良するためにポリエステル繊維には多量に含ま
れないような成分を多量に含有していることが多い。こ
の成分を再生ペレットから除去することは困難であるた
め、この成分による性能の低下を酸化防止剤もしくは紫
外線吸収剤の添加により防止することが好ましい。
【0019】具体的な添加剤の例としては、酸化防止剤
としてはトコフェロール、3,5−ジブチルヒドロキシ
トルエン、2,4,6−トリ−t−ブチルフエノールあ
るいは3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ルリン酸ジエチルエステルのようなヒンダードフェノー
ル型の化合物、あるいはトリフェニルフォスファイトの
ようなフォスファイト類、トリメチルフォスフェートの
ようなフォスフェート類が使用できる。しかしゴムの酸
化防止に有力な芳香族アミン類はポリエステルと反応し
て着色物質を生じるので、使用できない。
【0020】紫外線吸収剤としては吸収する波長が28
0〜310mμのものが使用できる。その中でもベンゾ
フェノン系もしくはベンゾトリアゾール系のような、三
重項消光剤タイプのものが好ましい。
【0021】これらの添加剤にはフェノール性水酸基、
アルコール性水酸基、カルボキシル基、アミノ基のよう
な、官能基を持つものが多いが、本発明に使用する添加
剤を溶融紡糸の際に練り込んで添加する場合には、この
ような官能基を持たないもの、あるいはポリエステルと
の反応が立体障害等により抑制されているもの、あるい
はポリエステルと反応後もその機能を失わないものであ
ることが好ましい。これらの添加剤は溶融紡糸時に樹脂
に練り込んで添加する代わりに、繊維形成後に染色工程
のような処理方法で繊維内に浸透させてもよい。
【0022】本発明のポリエステル繊維が含有するカル
ボキシル末端基は、好ましくは30〜70マイクロ等量
/gである。また全末端基に対するカルボキシル末端基
の比率は、好ましくは30〜85%である。カルボキシ
ル末端基の含有率が高いポリエステル繊維は、カーペッ
トとして長期に使用した場合に、歩行者の帯電が少ない
利点がある。カルボキシル末端基はポリエステルの劣化
を促進する傾向を有するが、炭酸を共重合したものはカ
ルボキシル末端基を多く含有していても劣化が比較的少
ない利点がある。
【0023】
【作用】線状ポリエステルの熔融時の熱安定性はそれほ
ど良好ではないので、一度成形工程を通過した樹脂はか
なり変質し、再度の成形を行うとさらに大きな変質を引
き起こす。このようなポリエステルから繊維を製造した
場合、新しいポリエステルから製造したものとは強度や
弾性率については大差ないものの、伸度、耐久性、染色
堅牢度等についてはかなり劣っている。
【0024】このような線状ポリエステルの変質の機構
は、不純物として共重合しているジエチレングリコール
のエーテル結合の酸化され易さと、末端のカルボキシル
基による加水分解の促進が、主要なものと推定される。
炭酸エステルの結合は、このような機構の変質に対し
て、テレフタル酸エステルよりも強いため、その共重合
により変質が抑制されるものと考えられる。
【0025】ポリエチレンテレフタレートのような線状
ポリエステル樹脂は通常の高分子物とは異なり、特定の
条件下で強力に脱水させると分子量が大きくなり、分子
末端基が変化する性質を有している。特に樹脂の熱分解
が進んでいない状態では、かなりの程度の分子量の上昇
が起こる。しかし樹脂の熱分解が進行すると、末端基の
中のカルボキシル基と水酸基の割合が変化し、分子量の
増加が抑制される。このような熱分解が進行した樹脂に
対して炭酸エステルのような化合物を添加して溶融する
と、反応系内のカルボキシル基と水酸基のバランスが変
化して、分子量の増加する反応が促進される。この時に
同時に低沸点物が生成するので、それを系外に排出させ
れば分子量が増加し、ポリマーの安定性が向上し、繊維
性能が改善される。
【0026】再生樹脂を原料とするポリエステルは概し
てカルボキシル末端基を多く含有する傾向を有する。カ
ルボキシル末端基はポリエステルの熱安定性を損なう欠
点を持つ反面、繊維等の表面に導電性の層を作り易い傾
向を与える。この層の存在により、カーペットとしての
使用時の帯電を少なくするものと考えられる。
【0027】
【実施例】以下実施例により更に詳細かつ具体的に説明
する。
【0028】実施例 1 極限粘度0.54、カルボキシル末端基含有量52マイ
クロ等量/gの、フィルム成形屑から回収したPETペ
レットを32部、極限粘度0.52、カルボキシル末端
基含有量70マイクロ等量/gの、ボトル屑から回収し
たペレットを48部、極限粘度0.65、カルボキシル
末端基含有量21マイクロ等量/gの重合後ペレットを
20部をいずれも乾燥した後、ジフェニルカーボネート
2部とともに均一混合したものを、ホッパー下から18
D(Dはシリンダー内径)の所にベント孔を有するスク
リュー押出機を用いて溶融した。この際にベント孔より
吸引し、絶対圧で70mmHg程度の減圧を行った。
【0029】乾燥前のペレットの平均の極限粘度は0.
55、平均のカルボキシル末端基含有量は54マイクロ
等量/gであった。溶融押出後の融液を用いて、常法に
より溶融紡糸し、延伸および捲縮加工を行い3975デ
ニール/272フィラメントのBCFを得た。得られた
繊維は極限粘度0.63、炭酸エステルの共重合比率は
0.5モル%、カルボキシル末端基含有量32マイクロ
等量/gであった。
【0030】この繊維はカーペット用糸として十分な強
度、伸度を有しており、色相、白度、黄変性、染色性、
均染性の点で通常のPET繊維に対して遜色なく、また
染色堅牢度についても多くの染料に関して同等であり、
一部の染料について0.5級ないし1級低いものであっ
た。この値は通常の敷物用途に関して、概して満足出来
るものと思われる。
【0031】比較例 1 IV=0.52、カルボキシル末端基含有量、48マイ
クロ等量/g、DEG含有率3.2モル%のボトル屑か
ら回収したPETペレットを通常の乾燥条件(空気露点
温度=−15℃、140℃、25分)で乾燥した後、押
出機により溶融し、常法により溶融紡糸した後、延伸お
よび捲縮加工を行い3900デニール/272フィラメ
ントのBCFを得た。紡糸後のIVは0.51、カルボ
キシル末端基含有量55マイクロ等量/gであった。
【0032】この繊維はカーペット用糸として加工可能
な強度、伸度を有しており、色相、白度の点で通常のP
ET繊維に対して遜色なく、一部の染料では常圧での浸
染が可能であるなど、低温での染色性に関してはむしろ
優れていた。しかし染色堅牢度については多くの染料に
関して0.5級ないし2級低く、2.5級程度低い染料
も見られた。また繊維の耐摩耗性を調べたところ通常の
ポリエステルに比べて劣っており、極めてフィブリル化
し易い事が分かった。これらの特性値は通常の敷物用途
に関して、概して不十分であると思われた。
【0033】実施例 2 実施例1と同じ混合ペレットを用い、ジフェニルカーボ
ネートの添加量を変えて溶融押出しした後のIV、カル
ボキシル末端基含有量、炭酸エステル含有量および繊維
性能を調べた。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】実施例 3 実施例1と同様の原料ポリエステルを用い、ジフェニル
カーボネートの代わりに、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、ジエチルカーボネートをそれぞれ
添加して溶融し、同様にして繊維化したところ、同様に
優れた性能の繊維が得られた。
【0036】実施例 4 実施例1と同様な回収ペレットを主体とする原料ポリエ
ステルにジフェニルカーボネートを添加したものに、さ
らにヒンダードフェノール型酸化防止剤、テトラキス
[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−
ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン]を0.0
5%、紫外線吸収剤、o,o’−ジオキシベンゾフェノ
ンを0.07%添加して実施例1と同様な条件で乾燥
し、溶融押出して紡糸し、同様にして3600デニール
/280フィラメントのBCFを得た。
【0037】得られた繊維のカルボキシル末端基の含有
量は24マイクロ等量/g、IVは0.62であった。
この繊維の染色物の耐光堅牢度は、酸化防止剤および紫
外線吸収剤を添加しなかったものと比較して、多くの染
料に対して約1級優れており、熱老化性も良好であっ
た。
【0038】
【発明の効果】本発明のカーペット用繊維は特にタフテ
ッドカーペットのフェースヤーンとして好適な性能を有
する。本発明は成形品から回収された、分子量ないしI
Vが比較的低く、白度や色彩特性が良くないポリエチレ
ンテレフタレート樹脂を主要な原料として製造する、強
度伸度が優れており、概して耐光性が優れた、白度や色
彩特性の良好なポリエステル系のカーペット用連続繊維
である。
【0039】本発明のカーペット用繊維は、従来のポリ
エステル系のカーペット用連続繊維とほぼ同等の優れた
加工性を有しており、タフテッドカーペットのフェース
ヤーン、ウィルトンカーペット等に使用できる。本発明
のカーペット用繊維は、フィラメントとして性能の優れ
た捲縮を付与することができ、しかも成形品から回収さ
れた安価なポリエチレンテレフタレート樹脂を原料とし
ているためコスト競争力に優れている。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料の少なくとも20重量%が再生ポリ
    エステル樹脂であり、含有する二塩基酸が主としてテレ
    フタル酸であり、二塩基酸の0.2〜15モル%が炭酸
    であり、25mm当たり3〜15個の捲縮を有する連続
    糸であることを特徴とする再生ポリエステル樹脂からの
    カーペット用繊維。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリエステル樹脂が、炭
    酸エステルを添加して再熔融したものであり、再熔融後
    の極限粘度が乾燥前の極限粘度よりも0.01〜0.2
    5大きいものであることを特徴とする再生ポリエステル
    樹脂からのカーペット用繊維。
  3. 【請求項3】 請求項1および2記載のポリエステルが
    酸化防止剤、紫外線吸収剤の群から選ばれた1種もしく
    はそれ以上の添加剤を、0.01〜2%含有することを
    特徴とする再生ポリエステル樹脂からのカーペット用繊
    維。
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