JP2774953B2 - カーペット用ポリエステル長繊維の製造方法 - Google Patents

カーペット用ポリエステル長繊維の製造方法

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JP2774953B2
JP2774953B2 JP7197435A JP19743595A JP2774953B2 JP 2774953 B2 JP2774953 B2 JP 2774953B2 JP 7197435 A JP7197435 A JP 7197435A JP 19743595 A JP19743595 A JP 19743595A JP 2774953 B2 JP2774953 B2 JP 2774953B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、原料に樹脂成形
品廃材の粉砕品を利用したカーペット用ポリエステル長
繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カーペット用繊維として、旧来よ
り汎用されていたウールの如き天然繊維や合成短繊維
(ステープル)に代わり、合成長繊維(フィラメント)
が多用されるようになっている。とりわけ、合成短繊維
は、その製造において切断、染色、紡績、撚糸といった
多数の工程を必要とするため、合成長繊維に比べてコス
ト的に合わなくなっており、また合成短繊維を使用した
カーペットは、毛羽が多く発生するため、メンテナンス
や衛生面において問題があることによるものである。
【0003】しかして、従来におけるカーペット用の合
成長繊維材料としてはナイロンやポリプロピレンが一般
的であったが、最近ではポリエステルも比較的に原料コ
ストが安いという利点から捲縮を付与し、かつ交絡させ
た形態で使用され始めている。ところが、ポリエステル
は、ナイロンやポリプロピレンよりも比重が大きいこと
から、使用重量当たりではカーペット表面の被覆性にや
や劣るという難点がある。このため、ポリエステル繊維
を使用する場合は、上記被覆性を補う手段として、目付
を増やしたり、断面の異形化や高捲縮化によって嵩高に
する方法が採用されている。
【0004】しかしながら、上記のように目付を増やせ
ば被覆面積当たりの使用量が増大し、また断面の異形化
や高捲縮化には特殊な紡糸口金を使用せねばならず、い
ずれにしてもカーペット製造のコストアップに繋がり、
原料コストが低いというポリエステルの利点を活かせ
ず、他の合成長繊維に対する価格競争力の低下を招くこ
とになる。なお、工程の高速化や生産規模の拡大による
コスト低減手段もあるが、カーペット用繊維は衣料等に
用いられる一般的な繊維よりも総デニールが大きく、高
速化するほど交絡が均一にかかりにくくなるという難点
があるため、現状以上に高速化を進めることは困難であ
り、また生産規模もポリエステルでは既に高水準に達し
ているので、更なる量産化によるコスト低減は殆ど期待
できない。
【0005】一方、最近では、大量に発生するプラスチ
ック成形製品の使用済廃棄物の処理が大きな問題となっ
ており、その対策として、また資源再利用の観点から
も、量的に多いボトルやフィルム等を分別回収して再び
合成樹脂原料としてリサイクル利用することが推奨され
る。とりわけ液状飲食品用ボトルは、殆どがポリエチレ
ンテレフタレート製であって材質的に安定し、無論のこ
と安価であることから、前記したカーペット用ポリエス
テル繊維のコスト低減を可能にするポリエステル原料と
して有用である。
【0006】しかして、従来において分別回収されたポ
リエチレンテレフタレート製のボトルやフィルムをポリ
エステル原料として再利用する場合、小片状に粉砕した
のち、アルカリ洗浄剤を用いて洗浄し、乾燥処理を経た
上で、再溶融してペレット化し、この再生ペレットとバ
ージン樹脂ペレットとを混合して使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
な再生ペレットを含むポリエステル原料は、分子量の低
下、極限粘度(IV)のばらつきや低下、カルボキシル
末端基の増加等を生起し易く、これらに起因して溶融紡
糸して得られたポリエステル繊維の品質が低下するとい
う難点があり、特に極限粘度の低下は繊維の強伸度を低
下させるため、カーペット用繊維に用いた場合、カーペ
ット使用中に受ける強い摩擦によって糸が急速にフィブ
リル化(ささくれ状になること)して、カーペット表面
に塵埃が溜まり易くなったり、見かけが淡色になって耐
光堅牢度の低下をきたしたように見えるといった問題が
あった。
【0008】この発明は、上述の状況に鑑み、原料に樹
脂成形品廃材の粉砕品を利用し、かつペレット化しない
状態でそのまま用い、もって価格競争力があり、しかも
高品質であってカーペット用繊維としての適性に優れた
ポリエステル長繊維を能率よく製造できる方法を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明者らは、上記目
的を達成するために、まず従来における再生ペレットを
含むポリエステル原料をした場合に得られるポリエステ
ル繊維の品質が低下する原因について検討を重ねた。そ
の結果、従来では、樹脂成形品廃材の粉砕品を洗浄後に
高温乾燥する際、粉砕片の尖った部分や薄い部分、微小
粉等が過乾燥となり、この過乾燥部分が再生ペレット中
で部分的に高い極限粘度を有する粘度斑となって、紡糸
性を低下させたり毛羽の発生を助長させ、また再溶融に
よるペレット化時に加水分解による全体的な極限粘度の
低下ならびにカルボキシル末端基の増加を生起し、繊維
物性の悪化を招くことが判明した。
【0010】そこで、上記知見に基づいて更に鋭意検討
を重ねた結果、樹脂成形品廃材の粉砕品を乾燥処理を施
すことなく該粉砕品を単独で、もしくはバージン樹脂ペ
レットと共に特定の押出機に供給して溶融紡糸すると共
に、原料中の水分を該押出機のシリンダに設けられた特
定構成のベント部より減圧吸引により除去する方法によ
れば、延伸、捲縮、交絡を経て高品質でカーペット用繊
維としての適用性に優れたポリエステル長繊維をより低
コストで能率よく製造できることを見出し、この発明を
なすに至った。
【0011】すなわち、請求項1の発明に係るカーペッ
ト用ポリエステル長繊維の製造方法は、ポリエステル系
樹脂を主体とした樹脂成形品廃材の粉砕品が20〜10
0重量%含まれるポリエステル系樹脂原料を、乾燥処理
を経ずに二軸押出機の原料供給口に供給し、該押出機の
シリンダ内で加熱溶融させると共に、このシリンダの下
流側に送り方向に隔てて設けられた複数箇所のベント部
からの減圧吸引により水分を除去しつつ紡糸し、続いて
延伸したのち、加熱気体によりスタッフィングボックス
内に押し込めて捲縮を付与し、かつ交絡させることを特
徴とするものである。
【0012】また、請求項2の発明に係る製造方法は、
ポリエステル系樹脂を主体とした樹脂成形品廃材の粉砕
品が20重量%以上100重量%未満含まれ、残部がポ
リエステル系樹脂ペレットからなるポリエステル系樹脂
原料を、乾燥処理を経ずに、かつ該粉砕品とペレットと
を非混合状態にして二軸押出機の原料供給口に供給し、
該押出機のシリンダ内で加熱溶融させると共に、このシ
リンダに送り方向に隔てて設けられた複数箇所のベント
部からの減圧吸引により水分を除去しつつ紡糸し、続い
て延伸したのち、加熱気体によりスタッフィングボック
ス内に押し込めて捲縮を付与し、かつ交絡させることを
特徴とするものである。また、上記請求項1または2
カーペット用ポリエステル長繊維の製造方法において、
溶融紡糸から捲縮、交絡までを連続工程で行う構成を請
求項の発明、同じくベント部の真空度を1.5kPa
以下に設定する構成を請求項の発明、としている。
【0013】一方、請求項5の発明は、上記請求項1〜
4のカーペット用ポリエステル長繊維の製造方法におい
て、2基以上の二軸押出機より溶融紡糸された複数本の
糸を合糸し、続いて延伸したのち、捲縮を付与し、かつ
交絡させることにより、混繊糸を得ることを特徴として
いる。また請求項6の発明は、この請求項5の発明にお
ける混繊糸が色合いの異なる糸を含む多色混繊糸である
ことを特徴としている。
【0014】更に上記請求項1〜6のカーペット用ポリ
エステル長繊維の製造方法における樹脂成形品廃材とし
て、請求項7の発明ではポリエチレンテレフタレート製
の液状飲食品用ボトルを主体とするものを使用する構成
を採用している。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明では、カーペット用ポリ
エステル長繊維の原料としてポリエステル系樹脂を主体
とした樹脂成形品廃材の粉砕物が含まれるものを使用す
るが、これを乾燥処理を経ずに直接に二軸押出機の原料
供給口に供給する。
【0016】すなわち、通常のバージン樹脂ペレットの
みを原料とする場合には、極限粘度の低下による繊維物
性の悪化を回避するために、ペレットを結晶化させたの
ち、露点の極めて低い乾燥した加熱空気によってペレッ
ト中の水分を除去し、最終的に50ppm(好ましくは
30ppm)以下の水分量として溶融押出に供する。し
かるに、この発明のように樹脂成形品廃材の粉砕品を含
む原料では、乾燥処理すると、粉砕片の尖った部分や薄
い部分、微小粉等が過乾燥となり、この過乾燥部分が高
い極限粘度となって原料中に粘度斑を生じるため、紡糸
性が低下すると共に使用中のカーペット繊維に毛羽を発
生させる要因となる。
【0017】一方、上記粉砕品を再溶融によりペレット
化した形で用いると、その全体の極限粘度が低下し、得
られた繊維を用いたカーペットの糸が早期にフィブリル
化し、カーペット表面に塵埃が溜まり易くなったり、色
合いが見かけ上で光劣化したように淡色化し易くなり、
また溶融ペレット化のための工程を必要とするから、そ
れだけ設備コスト及びエネルギーコストが高くなると共
に製造効率も低下することになる。
【0018】この発明においては、上記の樹脂成形品廃
材の粉砕物は、原料のポリエステル系樹脂中の20重量
%以上とする必要があり、20重量%未満では繊維価格
の低下に寄与できるほどには原料コストが低減しないた
め、樹脂成形品廃材を利用する意味合いが失われる。従
って、カーペット用ポリエステル長繊維を特に安価に製
造する目的においては、ポリエステル系樹脂原料の全量
(100重量%)を上記粉砕物とすることが推奨され
る。このように上記粉砕物のみを原料としても、得られ
るポリエステル長繊維はカーペット用として充分な性能
を具備するものとなる。
【0019】しかして、ポリエステル系樹脂原料の全量
を上記の樹脂成形品廃材の粉砕物とした場合は剛性のあ
る腰の強いポリエステル長繊維が得られるのに対し、該
原料として上記粉砕物とポリエステル系樹脂ペレットと
を併用すれば、該ペレットの比率が多くなるほど得られ
るポリエステル長繊維の柔軟性が高くなる傾向がある。
従って、カーペット製品の種類によって繊維にソフト感
が要求される場合には、その程度に応じた比率で上記ペ
レットを併用すればよい。なお、ポリエステル系樹脂ペ
レットとしては、通常はバージン樹脂のペレットを使用
するが、再生樹脂のぺレットも使用可能である。また、
上記粉砕物及びペレットのポリエステル系樹脂として
は、特に制約はないが、汎用性の面よりポリエチレンテ
レフタレートが好適である。
【0020】この発明でポリエステル系樹脂原料として
用いる樹脂成形品廃材は、ポリエステル系樹脂を主体と
するものであれば特に制約はなく、様々な形態の樹脂成
形品の使用済み廃材の他、これら成形品の製造工程より
生じる成形不良品や成形屑等も利用できるが、とりわけ
量的に多く分別回収によって安定した品質のものを入手
し易いポリエチレンテレフタレート製の液状飲食品用ボ
トル、例えば清涼飲料水、ジュース類、紅茶、緑茶等の
ペットボトルが好適である。
【0021】なお、上記ペットボトルの如き液状飲食品
用ボトルは、ポリエチレンテレフタレート製であっても
ベースカップ部や印刷ラベルにポリエチレンの如き他の
樹脂を用いたものが多いが、ポリエステル系樹脂原料中
にこれらに由来する他の樹脂が微量混入しても差し支え
ない。ただし、一部にはポリ塩化ビニル製ボトルも存在
し、このポリ塩化ビニルは少量でもポリエステル系樹脂
原料中に混入すると得られる繊維の黄変を生じる恐れが
あるが、現在では蛍光X線を利用した選別技術によって
ポリ塩化ビニルの混入は確実に防止できるようになって
いる。また一般に、回収された樹脂成形品廃材は粉砕後
にアルカリ洗浄により付着物を除去するため、洗浄後の
粉砕品に苛性アルカリが残留すると溶融押出中にポリエ
ステルの分子量低下を生じる懸念があるが、現在の洗浄
技術では上記苛性アルカリの残留も確実に防止されるよ
うになっている。
【0022】なお、回収された樹脂成形品廃材の粉砕品
は、その重量基準の分布中心が長径5〜20mm程度の
フレーク状となる大きさが好ましい。また樹脂成形品廃
材中にはその成形性を改善するための各種添加剤成分が
多量に含まれることが多いため、その粉砕品をポリエス
テル系樹脂原料として用いる際、上記添加剤成分による
繊維性能の低下を紡糸する目的で該粉砕品に紫外線吸収
剤や酸化防止剤を適宜配合することが望ましい。また該
粉砕品及びバージン樹脂ペレット共に、必要に応じて着
色剤その他の添加剤を適宜加えることができる。
【0023】以下、この発明によるポリエステル系長繊
維の製造工程について、図1を参照して説明する。同図
において、1は二軸押出機であり、水平に平行配置して
相互に噛み合う2本のスクリュー軸2,2を収めたシリ
ンダ3の送り方向上流側に、上向きに開設された原料供
給口30を有すると共に、該シリンダ3の下流側には送
り方向に隔たった2ヵ所に真空吸引管4に接続したベン
ト部31a,31bが設けてあり、また該シリンダ3の
出口側がギヤポンプ5及びスクリーンチェンジャー6を
介して紡糸ヘッド7のノズル7aに接続している。また
原料供給口30上には一対の原料保管ホッパー8a,8
bが配置しており、各々のホッパー出口はそれぞれ重量
式計量機9a,9bを介して原料供給口30に接続して
いる。10は減速機11を介してスクリュー軸2,2を
回転駆動させる駆動モーターである。
【0024】ポリエステル系樹脂原料として前記した樹
脂成形品廃材の粉砕物を単独で使用する場合は、これを
未乾燥状態のまま原料保管ホッパー8a,8bの一方又
は両方に収容し、二軸押出機1の原料供給口30に飢餓
状態において供給する。また、該原料として上記粉砕物
と前記ペレットとを併用する場合は、両者を予め混合す
ることなく、それぞれ未乾燥状態のまま原料保管ホッパ
ー8a,8bに個別に収容し、両原料の配合比が一定の
割合になるように重量式計量機9a,9bにて計量し、
二軸押出機1の原料供給口30に飢餓状態において供給
する。これは、両原料を予め混合した状態で上記原料供
給口30へ続くホッパー内に滞留させると、両原料の形
状の違いから滞留中に分級を生じ、原料の混合状態が不
均一になって溶融時の粘度斑を生じ易く、この粘度斑に
よって得られる繊維の物性低下を招くことによる。
【0025】しかして、原料供給口30に供給された原
料は、シリンダ3内で加熱溶融され、2本のスクリュー
軸2,2の噛み合い回転により、均一に混練されながら
加圧されてシリンダ出口側へ送られる。この過程で原料
中に含まれていた水分がポリエステル系樹脂から遊離す
るが、この水分はシリンダ3の下流側において2ヵ所の
ベント部31a,31bからの減圧吸引によって真空吸
引管4を通してシリンダ3外へ排除される。
【0026】ここで、シリンダ3の加熱温度は、ポリエ
チレンテレフタレートでは280〜300℃程度に設定
するのがよい。また、ベント部31a,31bの真空度
は1.5kPa(キロパスカル)以下に設定すべきであ
り、この真空度が1.5kPaを越えると水分を充分に
除去できず、最終的に得られるポリエステル繊維の物性
低下を招くことになる。なお、シリンダのベント部は、
その送り方向に隔たった2ヵ所以上に設ける必要があ
り、1ヵ所のみでは水分を充分に除去できない。またベ
ント部の位置はシリンダの下流側が望ましい。
【0027】かくして水分を除去された原料樹脂は、均
一な溶融混合状態でシリンダ出口に達し、ギヤポンプ5
にて更に昇圧されると共に計量され、スクリーンチェン
ジャー6を経て紡糸ヘッド7に至り、そのノズル7aよ
りフィラメントとして導出される。しかして、この溶融
押出には押出混練能力の高い二軸押出機1を用いている
ため、原料とした樹脂成形品廃材の粉砕品の形状による
食い込み不良やブリッジ形成による送り不良を生じず、
原料が均一に混練されて粘度斑を発生せず、しかも水分
が効率よく除去されることから、高品質のフィラメント
を安定して製出できる。
【0028】上記の二軸押出機1は望ましくは同様構成
のものを複数基設置しておき、その各々から上記同様に
して紡糸ヘッド7を介して図示のように導出された複数
本のフィラメントF1〜F3をそれぞれオイリングロー
ラー12にて油剤を塗布した上で合糸し、これをゴデッ
トローラー13〜17を通過させ、そのローラー14,
15にて予熱すると共にローラー16,17で加熱延伸
し、続いて加熱気体を介してスタッフィングボックス1
8内に押し込めて捲縮を付与したのち、冷却装置19を
経て、好ましくは更に交絡付与装置20を通して交絡処
理を施した上で巻取り機21に巻取り、混繊糸からなる
カーペット用ポリエステル長繊維を得る。22,23は
交絡付与装置20の前後の走行行程に介在する送りロー
ラーである。
【0029】なお、延伸時の予熱温度は75〜100℃
程度、延伸温度は100〜200℃程度、捲縮に用いる
加熱気体の温度は150〜230℃程度とするのがよ
い。この加熱気体としては、一般に加熱空気又は加熱水
蒸気が使用される。また、上記の溶融紡糸から捲縮を付
与するまでは連続工程で行うことが望ましく、不連続の
延伸巻取り工程と捲縮工程とすることは工程が冗長化す
るだけで製造効率の低下を招くことになる。更に、上記
のように複数基の二軸押出機1を介して導出される複数
本のフィラメントF1〜F3を合糸する場合、これら色
合いの異なる糸を用いることにより、カーペット用繊維
として好適な多色混繊糸が得られる。
【0030】
【実施例】以下に、この発明の実施例を比較例と対比し
て具体的に説明する。
【0031】実施例1 四塩化エタンとフェノールの等重量混合物を溶媒として
測定した極限粘度(以下同様)が0.75であるポリエ
チレンテレフタレート製ペットボトルの使用済み回収品
のフレーク状粉砕品(重量基準の分布中心が長径約10
mm、水分量0.3重量%)を、図面に示す二軸押出機
1(シリンダ3の内径46mm)の原料保管ホッパー8
aに収容し、シリンダ3の原料供給口30に飢餓状態に
おいて供給し、シリンダ温度295℃、スクリュー回転
数150rpm、押出量80kg/時、ベント部31
a,31bの真空度1kPaの条件で溶融紡糸する方法
において、同様構成で同じ条件に設定した3基の二軸押
出機1を介して溶融紡糸された3本のフィラメントF1
〜F3を、それぞれオイリングローラー12にて油剤を
塗布した上で合糸し、これをゴデットローラー13〜1
7を通過させて85℃にて予熱、150℃にて延伸し、
続いて180の加熱水蒸気によりスタッフィングボック
ス18内に押し込めて捲縮を付与したのち、冷却装置1
9を経て、交絡付与装置20にて交絡処理を施した上で
巻取り機21に巻取った結果、糸切れすることなく、3
000d/192fの剛性のある混繊糸からなるカーペ
ット用ポリエステル連続長繊維が得られた。この繊維の
極限粘度は0.735であり、極めて高い極限粘度の保
持率であった。また、この繊維を用い、タフトの列間隔
1/10インチ、ステッチ55回/10cmでループカ
ーペットを作製したが、光沢や捲縮異常による筋斑は認
められなかった。
【0032】実施例2 実施例1で用いたものと同じフレーク状粉砕品と、極限
粘度が0.62である繊維用ポリエチレンテレフタレー
トの着色剤入りバージン樹脂ペレット(平均粒度約3m
m、水分量0.3重量%)とを、実施例1と同じ二軸押
出機1の原料保管ホッパー8a,8bに個別に収容し、
原料全量中のフレーク状粉砕品が70重量%になるよう
に重量式計量機9a,9bにて計量して、シリンダ3の
原料供給口30に飢餓状態において供給し、以降は実施
例1と同様にして溶融紡糸、合糸、延伸、捲縮、交絡、
巻取りを行ったところ、糸切れすることなく3000d
/192fの多色混繊糸からなるカーペット用ポリエス
テル連続長繊維が得られた。この繊維は実施例1で得ら
れた繊維よりも柔軟性があり、その極限粘度は0.70
であり、原料の平均極限粘度0.71からして極限粘度
の保持率は極めて高かった。また、この繊維を用いて実
施例1と同様にしてループカーペットを作製したが、光
沢や捲縮異常による筋斑は認められなかった。
【0033】実施例3 極限粘度が0.85であるポリエチレンテレフタレート
製ペットボトルの使用済み回収品のフレーク状粉砕品
(重量基準の分布中心が長径約12mm、水分量0.3
重量%)と、実施例1と同じバージン樹脂ペレットと
を、実施例1と同じ二軸押出機1の原料保管ホッパー8
a,8bに個別に収容し、原料全量中のフレーク状粉砕
品が25重量%になるように重量式計量機9a,9bに
て計量して、シリンダ3の原料供給口30に飢餓状態に
おいて供給し、以降は実施例1と同様にして溶融紡糸、
合糸、延伸、捲縮、交絡、巻取りを行ったところ、糸切
れすることなく3000d/192fの多色混繊糸から
なるカーペット用ポリエステル連続長繊維が得られた。
この繊維は実施例2で得られた繊維よりも更に柔軟性が
大きく、その極限粘度は0.66であり、原料の平均極
限粘度0.68からして極限粘度の保持率が極めて高か
った。また、この繊維を用いて実施例1と同様にしてル
ープカーペットを作製したが、光沢や捲縮異常による筋
斑は認められなかった。
【0034】比較例1 一方のベント部31bを減圧しなかった以外は実施例3
と同様の条件で溶融紡糸し、延伸、捲縮、交絡を行った
ところ、糸切れが多発した。そして、得られたカーペッ
ト用ポリエステル連続長繊維の極限粘度は0.62と低
下しており、この繊維を用いて実施例1と同様にしてル
ープカーペットを作製したが、毛羽等でパイルの補修を
多く必要とし、且つ光沢斑が著しくカーペットとしての
品質を付与できなかった。
【0035】比較例2 二軸押出機に代えて一軸押出機(シリンダ内径75m
m)を使用し、実施例3と同じフレーク状粉砕品とバー
ジン樹脂ペレットとを、除湿乾燥ホッパーに収容して乾
燥後、原料全量中のフレーク状粉砕品が25重量%にな
るように計量して、シリンダの原料供給口に供給し、シ
リンダ温度295℃、スクリュー回転数75rpm、押
出量80kg/時で溶融紡糸する方法において、同様構
成で同じ条件に設定した3基の一軸押出機を介して溶融
紡糸された3本の異色のフィラメントを、それぞれ油剤
を塗布した上で合糸し、以降は実施例1と同様にして延
伸、捲縮、交絡を行ったところ、糸切れが多発した上に
シリンダ内での喰い込み不良も多発した。そして、得ら
れたカーペット用ポリエステル連続長繊維の極限粘度は
0.61と著しく低下しており、この繊維を用いて実施
例1と同様にしてループカーペットを作製したが、光沢
斑や捲縮不良による縦筋が発生しており、商品価値に乏
しいものであった。
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、カーペット用
ポリエステル長繊維の製造方法として、溶融紡糸するポ
リエステル系樹脂原料に樹脂成形品廃材を利用できる
上、その再溶融によるペレット化を必要とせず、粉砕品
を直接に使用でき、しかも原料の乾燥工程を省略できる
ことから、従来に比較して材料コスト、エネルギーコス
ト、設備コストをいずれも著しく低減でき、もって製造
コストが安く高い価格競争力を備え、しかも高品質であ
ってカーペット用繊維としての適性に優れたポリエステ
ル長繊維を能率よく製造でき、資源の再利用にも貢献で
きる方法が提供される。
【0037】請求項2の発明によれば、上記効果に加え
て、高品質で柔軟性のあるポリエステル長繊維を得るこ
とができる
【0038】請求項3の発明によれば、上記のカーペッ
ト用ポリエステル長繊維の製造方法において、特に溶融
紡糸後の工程が能率化し、高い製造効率が得られるとい
う利点がある
【0039】請求項4の発明によれば、上記のカーペッ
ト用ポリエステル長繊維の製造方法において、得られる
ポリエステル長繊維の物性等の品質がより向上するとい
う利点がある
【0040】請求項5の発明によれば、上記のカーペッ
ト用ポリエステル長繊維の製造方法において、より嵩高
でカーペット表面の被覆性に優れたポリエステル長繊維
が得られるという利点がある。
【0041】請求項6の発明によれば、上記のカーペッ
ト用ポリエステル長繊維の製造方法において、嵩高でカ
ーペット表面の被覆性に優れる上に色合い面でカーペッ
ト用としての適性がより高いポリエステル長繊維が得ら
れるという利点がある。
【0042】請求項7の発明によれば、上記のカーペッ
ト用ポリエステル長繊維の製造方法において、原料に用
いる樹脂成形品廃材は、供給面での制約がない上、品質
的に安定して且つカーペット用繊維に適したものを利用
できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るカーペット用ポリエステル長
繊維の製造工程を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 ・・・二軸押出機 2 ・・・スクリュー軸 3 ・・・シリンダ 30 ・・・原料供給口 31a,31b・・・ベント部 4 ・・・真空吸引管 5 ・・・ギヤポンプ 6 ・・・スクリーンチェンジャー 7 ・・・紡糸ヘッド 7a ・・・ノズル 8a,8b ・・・原料保管ホッパー 9a,9b ・・・重量式計量機 18 ・・・スタッフィングボックス F1〜F3・・・フィラメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 6/62

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系樹脂を主体とした樹脂成
    形品廃材の粉砕品が20〜100重量%含まれるポリエ
    ステル系樹脂原料を、乾燥処理を経ずに二軸押出機の原
    料供給口に供給し、該押出機のシリンダ内で加熱溶融さ
    せると共に、このシリンダの下流側に送り方向に隔てて
    設けられた複数箇所のベント部からの減圧吸引により水
    分を除去しつつ紡糸し、続いて延伸したのち、加熱気体
    によりスタッフィングボックス内に押し込めて捲縮を付
    与し、かつ交絡させることを特徴とするカーペット用ポ
    リエステル長繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリエステル系樹脂を主体とした樹脂成
    形品廃材の粉砕品が20重量%以上100重量%未満含
    まれ、残部がポリエステル系樹脂ペレットからなるポリ
    エステル系樹脂原料を、乾燥処理を経ずに、かつ該粉砕
    品とペレットとを非混合状態にして二軸押出機の原料供
    給口に供給し、該押出機のシリンダ内で加熱溶融させる
    と共に、このシリンダに送り方向に隔てて設けられた複
    数箇所のベント部からの減圧吸引により水分を除去しつ
    つ紡糸し、続いて延伸したのち、加熱気体によりスタッ
    フィングボックス内に押し込めて捲縮を付与し、かつ交
    絡させることを特徴とするカーペット用ポリエステル長
    繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶融紡糸から捲縮、交絡までを連続工程
    で行うことを特徴とする請求項1または2に記載のカー
    ペット用ポリエステル長繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 ベント部の真空度を1.5kPa以下に
    設定する請求項1〜3のいずれかに記載のカーペット用
    ポリエステル長繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 2基以上の二軸押出機より溶融紡糸され
    た複数本の糸を合糸し、続いて延伸したのち、捲縮を付
    与し、かつ交絡させることにより、混繊糸を得ることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカーペット
    用ポリエステル長繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 混繊糸が色合いの異なる糸を含む多色混
    繊糸である請求項5記載のカーペット用ポリエステル長
    繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 樹脂成形品廃材がポリエチレンテレフタ
    レート製の液状飲食品用ボトルを主体とするものである
    請求項1〜6のいずれかに記載のカーペット用ポリエス
    テル長繊維の製造方法。
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