JPH0977961A - 遠赤外線放射性ポリエステル組成物 - Google Patents

遠赤外線放射性ポリエステル組成物

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JPH0977961A
JPH0977961A JP26240195A JP26240195A JPH0977961A JP H0977961 A JPH0977961 A JP H0977961A JP 26240195 A JP26240195 A JP 26240195A JP 26240195 A JP26240195 A JP 26240195A JP H0977961 A JPH0977961 A JP H0977961A
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JP
Japan
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mica
polyester
polyester composition
infrared emitting
far
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JP26240195A
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English (en)
Inventor
Satoko Hayashi
聰子 林
Mitsuharu Shinoki
光治 篠木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた遠赤外線放射性を有し、かつ、繊維及
び繊維製品を操業性良く製造することのできる遠赤外線
放射性ポリエステル組成物を提供する。 【解決手段】 ポリエステルに平均粒径 2.5〜5.0 μm
の雲母Aと平均粒径 8.0〜13.0μm の雲母Bとを重量比
4/6〜8/2の割合で合計で3〜8重量%含有させた
遠赤外線放射性ポリエステル組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣料用繊維用とし
て有用な遠赤外線放射性ポリエステル組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、遠赤外線放射性ポリエステル繊維
は、よく知られており、この繊維を用いた衣料は保温性
に優れていると共に、これを着用すると、人体に遠赤外
線が照射され、身体の内部に充血作用が起こり、血行が
促進され、医療効果や健康増進効果が奏されるといわれ
ている。
【0003】遠赤外線放射性ポリエステル繊維として
は、アルミナ、マグネシア、ジルコニア及びこれらの複
合体等のセラミックス粒子を含有させたものが一般的で
ある (例えば、特開昭62−238811号) 。しかし、このよ
うなセラミックス粒子は、硬度が大きく、これを繊維に
多量に含有させようとすると、紡糸時の口金パックの昇
圧速度が非常に大きく、口金パックの交換周期を短くし
なければならないのみならず、糸切れが多発するという
問題があった。また、遠赤外線放射性粒子を繊維の表層
部に含有させると、繊維表面に露出した粒子により、紡
糸機、延伸機、織機、編機等のローラやガイド類の摩耗
が著しいという問題もあった。
【0004】また、遠赤外線放射性粒子として、セリサ
イト(絹雲母)を含有させた遠赤外線放射性ポリエステ
ル繊維も提案されている(特開平2−300313号) 。しか
し、この繊維でも上記のような問題の解決には不十分で
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた遠赤
外線放射性を有し、かつ、繊維及び繊維製品を操業性良
く製造することのできる遠赤外線放射性ポリエステル組
成物を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するもので、その要旨は、ポリエステルに平均粒径
2.5〜5.0 μm の雲母Aと平均粒径 8.0〜13.0μm の雲
母Bとを重量比4/6〜8/2の割合で合計で3〜8重
量%含有させた遠赤外線放射性ポリエステル組成物にあ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0008】本発明において、ポリエステルとしては、
ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタ
レートが好ましく用いられるが、これらを主体とし、少
量の共重合成分を含有するものでもよく、共重合成分と
しては、無水フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸、アジピン酸、セバチン酸、ジエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ポリアルキレ
ングリコール等が挙げられる。また、ポリエステルは、
染料、顔料等の着色剤、安定剤、制電剤、難燃剤等の添
加剤を含有していてもよい。
【0009】本発明においては、遠赤外線放射性粒子と
して、平均粒径 2.5〜5.0 μm の雲母Aと平均粒径 8.0
〜13.0μm の雲母Bとを用いる。平均粒径が 2.5μm 未
満の雲母は、微粒子が多いためポリエステル中への分散
性が悪く、凝集して粗大粒子を形成しやすく、一方、平
均粒径が13.0μm を超える雲母は、粗大粒子が存在する
ため、繊維中に含有させることが困難である。
【0010】平均粒径の小さい雲母Aのみを用いると、
微粒子が凝集して粗大粒子を形成しやすく、製糸性が悪
い。一方、平均粒径の大きい雲母Bのみを用いると、粒
子の凝集の問題はないが、雲母の比表面積が小さいた
め、同量の添加では遠赤外線放射効果が低くなる。ま
た、雲母は、硬度が大きいうえ、形状が扁平であるた
め、平均粒径の大きい雲母Bのみで必要量を添加する
と、繊維表面に雲母の粒子による突起が形成され、機器
類の摩耗が著しくなる。
【0011】雲母Aと雲母Bとは、重量比で4/6〜8
/2の割合で用いることが必要であり、これにより、平
均粒径が 2.5〜13.0μm の雲母を用いるよりも、雲母が
ポリエステル中に均一に分散し、微粒子の凝集による粗
大粒子の生成や比較的大きい粒子による繊維表面での突
起形成が少なくなり、製糸時の糸切れが減少し、機器の
摩耗が少なくなる。
【0012】雲母の配合量は、雲母Aと雲母Bとの合計
でポリエステル組成物全体の3〜8重量%とすることが
必要である。この配合量が3重量%未満であると、遠赤
外線放射効果が不十分となり、8重量%を超えると遠赤
外線放射効果が飽和するばかりでなく、粒子の分散状態
が不良となり、製糸性が悪化すると同時に機器の摩耗が
著しくなる。
【0013】雲母の種類は、遠赤外線放射性を有するも
のであれば、特に限定されないが、雲母Aとして白雲母
(マスコバイト)、雲母Bとして絹雲母 (セリサイト)
が好ましく用いられる。
【0014】本発明のポリエステル組成物は、ポリエス
テルと雲母とを混練することによって得ることもできる
が、ポリエステルの製造工程において雲母を添加する方
法で得る方が雲母を均一に分散させることができて望ま
しい。
【0015】ポリエステルの製造工程において雲母を添
加する場合、雲母をグリコールスラリーとし、重縮合反
応の初期までに添加することが好ましい。
【0016】例えば、ポリエチレンテレフタレート組成
物の場合、次のようにして得ることができる。ビス(β
−ヒドロキシエチル)テレフタレートの存在するエステ
ル化反応缶にテレフタル酸とエチレングリコールとのモ
ル比1/1.6 のスラリーを供給し、温度 220〜260 ℃、
圧力 0.5〜2.5MPaの条件で5〜8時間反応させ、エステ
ル化反応率90〜96%のエステル化反応物を得る。このエ
ステル化反応物に雲母を5/20重量%の濃度で分散させ
たエチレングリコールスラリーと三酸化アンチモン等の
重縮合触媒を添加し、13 hPa以下の減圧下、 260〜280
℃の温度で高重合度のポリエステルが得られるまで重縮
合反応を行う。
【0017】本発明のポリエステル組成物を常法によっ
て製糸することにより遠赤外線放射性ポリエステル繊維
を得ることができる。この場合、ポリエステル組成物を
単独で紡糸してもよいし、雲母を比較的多量に含有した
ポリエステル組成物を用い、雲母を含有しないポリエス
テルと共に複合紡糸してもよい。
【0018】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、測定、評価法は次のとおりである。 (a) 極限粘度〔η〕 フエノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て、温度20℃で測定した。 (b) 平均粒径及び粗大粒子数 高速画像処理解析型の粒度分布測定装置であるNIRECO社
製ルーゼックスIII Uを用いて測定した。顕微鏡で観察
した画面をモニターに取り込み、その画面について、試
料の区別のための色分け処理、重なった粒子の分離処理
を行った後、粒径(粒子の外接円を直径)及び粒子数を
計測して求めた。直径15μm 以上の粒子を粗大粒子と
し、粗大粒子数は、溶融ポリマー6mgを用いて測定し
た。 (c) 昇圧度 溶融押出機の先端に1480メッシュと 600メッシュのフィ
ルターを装着した口金パック昇圧試験装置を用い、 285
℃に加熱したポリマーを押し出す操作を12時間行い、そ
の間の上昇圧力を測定した。 (d) 摩耗性 図1に示す装置を用いて評価した。図1において、1は
試料糸条のパッケージ、2は張力調整器、3は筒編針
(GROZ-BECKERT社製 70.41-G01型) 、4は巻取機を示
す。糸条を糸速50m/分、張力10gの条件で10分間走行
させ、筒編針3の摩耗の状況を顕微鏡で観察して、1
(摩耗が殆どない)〜5(摩耗が著しい)の5段階で評
価した。 (e) 糸切れ数 ポリエステル組成物1t当たりの紡糸時の糸切れ数を測
定した。 (f) 温熱効果 試料の平織布地を50℃にコントロールした熱板上に貼
り、布地表面温度を日本電子社製サーモビュア (波長8
〜13μm で測定) で観察して、雲母を含有しない布地と
の布地表面温度差を求めた。
【0019】実施例1 ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートの存在す
るエステル化反応缶にテレフタル酸とエチレングリコー
ルとのモル比1/1.6 のスラリーを供給し、温度260
℃、圧力2.5MPaの条件で8時間反応させ、エステル化反
応率95%のエステル化反応物を得た。このエステル化反
応物に三酸化アンチモン2×10-4モル/酸成分モル、雲
母Aとして平均粒径 3.2μm の白雲母(レプコ社製M-X
F) と雲母Bとして平均粒径10.2μm の絹雲母(斐川鉱
業社製Z201R)との重量比5/5の混合物を濃度13重量%
のエチレングリコールスラリーとしたものを、生成ポリ
エステルに対して雲母の合計量が5重量%となる量で添
加し、1.3hPaの減圧下、 280℃の温度で3時間重縮合反
応を行い、極限粘度0.67のポリエステル組成物を得た。
得られたポリエステル組成物を、紡糸温度 290℃、吐出
量 280g/分、引取速度1000m/分の条件で紡糸孔数 1
39の紡糸口金から紡出した。冷却、固化した糸条にエマ
ルジョン油剤を付与して約 180万dのトウ状に集束し、
50℃の供給ローラと90℃の延伸ローラとの間で 3.0倍に
延伸し、押し込み捲縮装置で捲縮を付与し、 140℃の熱
処理ローラを通して熱処理し、60℃で乾燥した後、長さ
32mmに切断して、単繊維繊度6dの短繊維を得た。得ら
れた短繊維を20番手の紡績糸とし、摩耗性の評価を行っ
た。
【0020】実施例2〜7及び比較例1〜11 雲母A及び雲母Bの平均粒径及び添加量を変更したこと
以外は実施例1と同様に実施した。上記実施例及び比較
例の結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、優れた遠赤外線放射性
を有し、かつ、繊維及び繊維製品を操業性良く製造する
ことのできる遠赤外線放射性ポリエステル組成物が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩耗性の評価に使用した装置の説明図である。
【符号の説明】
1 試料糸条のパッケージ 2 張力調整器 3 筒編針 4 巻取機

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルに平均粒径 2.5〜5.0 μm
    の雲母Aと平均粒径8.0〜13.0μm の雲母Bとを重量比
    4/6〜8/2の割合で合計で3〜8重量%含有させた
    遠赤外線放射性ポリエステル組成物。
JP26240195A 1995-09-14 1995-09-14 遠赤外線放射性ポリエステル組成物 Pending JPH0977961A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0897879A1 (en) * 1997-08-19 1999-02-24 Ogasawara Hitoshi Far infrared rays-generating article
KR19990016735A (ko) * 1997-08-19 1999-03-15 히또시 오가사와라 원적외선 발생물품
WO2004101870A3 (en) * 2003-05-14 2005-04-07 Shikibo Ltd Laser-markable fibers or fiber products
CN100406517C (zh) * 2006-11-08 2008-07-30 东华大学 一种高固含量负离子粉体母粒制备方法
JP2015071847A (ja) * 2013-10-04 2015-04-16 ユニチカトレーディング株式会社 保温性布帛
JP2015074863A (ja) * 2013-10-11 2015-04-20 ユニチカトレーディング株式会社 保温性布帛

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