JPH07316844A - 高強度金属皮膜 - Google Patents

高強度金属皮膜

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JPH07316844A
JPH07316844A JP12828994A JP12828994A JPH07316844A JP H07316844 A JPH07316844 A JP H07316844A JP 12828994 A JP12828994 A JP 12828994A JP 12828994 A JP12828994 A JP 12828994A JP H07316844 A JPH07316844 A JP H07316844A
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crystal
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貴浩 郡司
Kenji Dousaka
健児 堂坂
Katsumune Tabata
勝宗 田畑
Kenji Hirose
謙治 広瀬
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度な金属皮膜を提供する。 【構成】 金属皮膜4は、母材2から成長した多数の柱
状金属結晶5,6を有する金属結晶集合体より構成され
る。金属結晶集合体はBを含有し、そのB含有量はB≧
0.01重量%に設定される。特定量のBは、相隣る両
柱状金属結晶5,6の粒界8を強化し、また柱状金属結
晶5,6の微細化に寄与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度金属皮膜、特に、
母材表面から成長した多数の柱状金属結晶を有する金属
結晶集合体より構成されると共に高強度化を達成された
金属皮膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種金属皮膜としては、耐焼付
き性等の摺動特性を向上させるため、摺動部材におい
て、その母材表面にメッキ処理によって形成される摺動
面構成体が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記金属皮膜におい
て、摺動に伴う摩擦熱を効率良く放散させるべく、その
熱伝導性を良好にするためには、金属皮膜を粒状金属結
晶の集合体より構成するよりも、多数の柱状金属結晶を
有するように構成する方が有利である。これは、各柱状
金属結晶が母材への良好な熱伝達媒体となるからであ
る。
【0004】しかしながら、多数の柱状金属結晶を構成
要素とする金属皮膜においては、その柱状金属結晶の成
長方向と平行に粒界が存在するため、その成長方向と交
差する方向に引張り荷重が作用した場合粒間割れを生じ
易い、という問題がある。また柱状金属結晶はその粒径
が比較的大きくなり易く、したがって金属皮膜の硬さを
十分に高めることができない、といった問題もある。
【0005】本発明は前記に鑑み、特定の元素を含有さ
せることによって、柱状金属結晶の粒界を強化し、また
柱状金属結晶の径方向成長を抑制してその微細化を図
り、これにより高強度化を達成された前記金属皮膜を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、母材から成長
した多数の柱状金属結晶を有する金属結晶集合体より構
成された金属皮膜において、前記金属結晶集合体がBを
含有し、そのB含有量はB≧0.01重量%に設定され
ることを特徴とする。
【0007】
【作用】金属結晶集合体に、前記のように特定量のB
(ホウ素)を含有させると、Bは相隣る両柱状金属結晶
の粒界に優先的に析出してその粒界を強化する。また前
記粒界への優先的析出により相隣る両柱状金属結晶の径
方向成長が抑制されるので、それら柱状金属結晶が微細
化され、その結果、金属皮膜の高硬度化が図られる。こ
のようにして金属皮膜の高強度化が達成される。
【0008】ただし、B含有量がB<0.01重量%で
は、粒界強化能および径方向成長抑制能が低くなるた
め、金属皮膜を高強度化することができない。B含有量
の上限値はB=3.7重量%であることが望ましく、B
>3.7重量%では粒界にB系金属間化合物が析出する
ため金属皮膜の強度が著しく低下する。
【0009】
【実施例】図1において、内燃機関用ピストンピン1は
鋼よりなるパイプ状母材2を有し、その母材2の外周面
3に、メッキ処理により層状摺動面構成体(金属皮膜)
4が形成される。
【0010】図2に示すように、摺動面構成体4は、実
施例では体心立方構造(bcc構造)を持つ金属結晶集
合体より構成される。金属結晶集合体はB(ホウ素)を
含有し、その金属結晶集合体におけるB含有量はB≧
0.01重量%に設定される。
【0011】金属結晶集合体は、この実施例では図3に
示すように、母材2の外周面3より成長した多数の二種
の柱状金属結晶5,6と多数の粒状金属結晶7とより構
成される。
【0012】金属結晶集合体に、前記のように特定量の
Bを含有させると、Bは相隣る両柱状金属結晶5,6等
の粒界8に優先的に析出してその粒界8を強化する。ま
た前記粒界8への優先的析出により相隣る両柱状金属結
晶5,6の径方向成長が抑制されるので、それら柱状金
属結晶5,6が微細化され、その結果、摺動面構成体4
の高硬度化が図られる。このようにして摺動面構成体4
の高強度化が達成される。
【0013】摺動面構成体4の縦断面(図3参照)にお
いて、柱状金属結晶5,6、したがって柱状金属結晶全
体の面積率A1 は、その摺動面構成体4の熱伝導性を良
好にすべく、A1 ≧30%(A1 =100%を含む)に
設定される。
【0014】bcc構造を持つ柱状金属結晶5,6に
は、ミラー指数で(hhh)面を、摺動面4a側に向け
た(hhh)配向性金属結晶、ミラー指数で(2hh
h)面を摺動面4a側に向けた(2hhh)配向性金属
結晶、またはミラー指数で(h00)面を摺動面4a側
に向けた(h00)配向性金属結晶の少なくとも一種が
含まれる。
【0015】一種の柱状金属結晶5が(hhh)配向性
金属結晶である場合、その先端部を、図4に示すように
摺動面4aにおいて三角錐状金属結晶(または六角錐状
金属結晶)9に形成することができる。また他種の柱状
金属結晶6が(2hhh)配向性金属結晶である場合、
その先端部を、図4に示すように摺動面4aにおいて小
角錐状金属結晶10に形成することができる。さらに柱
状金属結晶が(h00)配向性金属結晶である場合、そ
の先端部を摺動面において四角錐状金属結晶に形成する
ことができる。
【0016】三角錐状金属結晶9等の、摺動面4aにお
ける面積率A2 はA2 ≧40%(A2 =100%を含
む)であることが望ましい。このように面積率A2 を設
定すると、例えば、図4に示すように、相隣る三角錐状
金属結晶9相互ならびに三角錐状金属結晶9および小角
錐状金属結晶10相互がそれぞれ食込んだ状態となり、
これにより摺動面4aは、表面積を拡大され、また多数
の微細な山部11と、それら山部11の間に形成された
多数の微細な谷部12と、山部11相互の食込みによる
多数の微細な沢部13とからなる非常に入組んだ様相を
呈する。
【0017】このような摺動面構成体4の場合、苛酷な
摺動環境においても、その硬度向上効果により各三角錐
状、小角錐状金属結晶9,10の摩耗が抑制されるの
で、潤滑下においては、摺動面構成体4の良好な保油性
が維持され、一方、無潤滑下においては、無数の微細な
三角錐状、小角錐状金属結晶9,10により摺動荷重の
分散が図られる。これにより摺動面構成体4は、潤滑下
および無潤滑下において、優れた耐焼付き性を発揮す
る。
【0018】さらに微細な三角錐状、小角錐状金属結晶
9,10によって、局部的な高面圧化を回避すると共に
摺動荷重の微細分化を達成することができ、これにより
摺動面構成体4は、潤滑下では勿論のこと、無潤滑下に
おいても優れた耐摩耗性を発揮する。
【0019】図5に示すように、摺動面4aに沿う仮想
面14に対する(hhh)面の傾きは柱状金属結晶5の
傾きとなって現われるので、摺動面構成体4の保油性お
よび耐摩耗性に影響を与える。そこで、(hhh)面が
仮想面14に対してなす傾き角θは0°≦θ≦15°に
設定される。この場合、(hhh)面の傾き方向につい
ては限定されない。傾き角θがθ>15°になると、摺
動面構成体4の保油性および耐摩耗性が低下する。この
傾き角θは(2hhh)面および(h00)面について
も同じである。
【0020】bcc構造を持つ金属結晶としては、F
e、Cr、Mo、W、Ta、Zr、Nb、V等の単体ま
たは合金の結晶を挙げることができる。
【0021】摺動面構成体4を形成するためのメッキ処
理において、電気Feメッキ処理を行う場合のメッキ浴
条件は、表1の通りである。
【0022】
【表1】 B含有添加剤としては、Bを含み、且つ水溶性であるも
のが用いられ、例えばホウ酸、ホウ酸アンモニウム等が
該当する。
【0023】通電法としては、パルス電流法または直流
法が適用される。パルス電流法においては、図6に示す
ように、メッキ用電源の電流Iは、その電流Iが最小電
流Imin から立上って最大電流Imax に至り、次いで最
小電流Imin へ下降するごとく、時間Tの経過に伴いパ
ルス波形を描くように制御される。
【0024】そして、電流Iの立上り開始時から下降開
始時までの通電時間をTONとし、また先の立上り開始時
から次の立上り開始時までを1サイクルとして、そのサ
イクル時間をTC としたとき、通電時間TONとサイクル
時間TC との比、即ち、時間比TON/TC はTON/TC
≦0.45に設定される。また最大陰極電流密度CDm
axはCDmax≧2A/dm2 に、また平均陰極電流密
度CDmはCDm≧1A/dm2 にそれぞれ設定される。
【0025】このようなパルス電流法を適用すると、メ
ッキ浴内において電流が流れたり、流れなかったりする
ことに起因して陰極近傍のイオン濃度が均一化され、こ
れにより摺動面構成体4の組成を安定化させることがで
きる。
【0026】直流法において、陰極電流密度CDはCD
≦10A/dm2 に設定される。
【0027】前記電気Feメッキ処理において、メッキ
浴条件および通電条件を変えることによって(hhh)
配向性Fe結晶等の析出、その存在量等を制御する。ま
た摺動面構成体4におけるB含有量は極めて少ないの
で、その量を正確に制御すると共に均一に分散させるた
め、電気Feメッキ処理中、メッキ浴と同一組成および
同一温度に調整された補充液を陽、陰極間に所定の供給
量にて供給する。これを行わない場合には、メッキ浴に
おけるB含有添加剤濃度にばらつきが生じるため、摺動
面構成体4におけるB含有量の制御が困難となる。
【0028】メッキ処理としては、電気メッキ処理の外
に、例えば気相メッキ法であるPVD法、CVD法、ス
パッタ法、イオンプレーティング等を挙げることができ
る。スパッタ法によりW、Moメッキを行う場合の条件
は、例えばAr圧力 0.2〜1Pa、平均Ar加速電
力 直流1〜1.5kW、母材温度 150〜300℃
である。CVD法によりWメッキを行う場合の条件は、
例えば原材料 WF6、ガス流量 2〜15cc/min 、
チャンバ内圧力 50〜300Pa、母材温度400〜
600℃、ArFエキシマレーザの平均出力 5〜40
Wである。
【0029】以下、具体例について説明する。
【0030】鋼(JIS SCM420)よりなるパイ
プ状母材2の外周面3に、電気Feメッキ処理を施すこ
とによりFe結晶の集合体より構成された厚さ20μm
の摺動面構成体4を形成して複数の内燃機関用ピストン
ピン1を製造した。
【0031】摺動面構成体の各例において、表2は例1
〜6の、表3は例7〜10の、表4は例11〜14の、
表5は例15〜18の電気Feメッキ処理条件をそれぞ
れ示す。なお、メッキ処理時間は、例1〜18における
厚さを前記のように20μmに設定すべく、10〜60
分間の範囲内で種々変化させた。また前記補充液の供給
量は0.5リットル/min に設定された。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】 表6は例1〜6、表7は例7〜10、表8は例11〜1
4、表9は例15〜18に関する摺動面の結晶形態、各
例の縦断面における柱状Fe結晶の面積率A1および粒
径、各配向性Fe結晶の存在率S、B含有量ならびに各
例の縦断面における硬さをそれぞれ示す。
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】
【0039】
【表9】 柱状Fe結晶の面積率A1 は、縦断面の面積をa、その
縦断面において全部の柱状Fe結晶が占める面積をbと
したとき、A1 =(b/a)×100(%)として求め
られた。また柱状Fe結晶の粒径は、各例の縦断面にお
いて、柱状Fe結晶の成長方向と交差する方向、即ち、
径方向の最大長さである。B含有量の測定に当っては、
各例より1gの試料を採取し、各試料についてプラズマ
発光分析法(ICP法)を適用した。例1,7,11,
15におけるB含有量は、メッキ浴中にホウ酸が添加さ
れていないことから不純物と思われる。
【0040】存在率Sは、例1〜18のX線回折図(X
線照射方向は摺動面に対して直角方向)に基づいて次の
ような方法で求められたものである。一例として、例3
について説明すると、図7は例3のX線回折図であり、
各配向性Fe結晶の存在率Sは次式から求められた。な
お、例えば{110}配向性Fe結晶とは、{110}
面を摺動面4a側に向けた配向性Fe結晶を意味する。 {110}配向性Fe結晶:S110 ={(I110 /IA
110 )/T}×100、 {200}配向性Fe結晶:S200 ={(I200 /IA
200 )/T}×100、 {211}配向性Fe結晶:S211 ={(I211 /IA
211 )/T}×100、 {310}配向性Fe結晶:S310 ={(I310 /IA
310 )/T}×100、 {222}配向性Fe結晶:S222 ={(I222 /IA
222 )/T}×100 ここで、I110 、I200 、I211 、I310 、I222 は各
結晶面のX線反射強度の測定値(cps)であり、また
IA110 、IA200 、IA211 、IA310 、IA222
ASTMカードにおける各結晶面のX線反射強度比で、
IA110 =100、IA200 =20、IA211 =30、
IA310 =12、IA222 =6である。さらにTは、T
=(I110 /IA110 )+(I200 /IA200 )+(I
211 /IA211 )+(I310 /IA310 )+(I222
IA222 )である。
【0041】図8は例3における摺動面の結晶構造を示
す顕微鏡写真であり、また図9は縦断面の結晶構造を示
す顕微鏡写真である。図8において、多数の三角錐状F
e結晶、小角錐状Fe結晶および粒状Fe結晶が観察さ
れる。図9において、白色部分は柱状Fe結晶、また黒
色部分は粒状Fe結晶である。三角錐状Fe結晶は(h
hh)面、したがって{222}面を摺動面側に向けた
{222}配向性Fe結晶であり、また小角錐状Fe結
晶は(2hhh)面、したがって{211}面を摺動面
側に向けた{211}配向性Fe結晶である。
【0042】図10は、例3のBについてオージエ電子
分光法(AES)による分析を行った場合の結果を示
す。分析に当っては、例3より1個の柱状Fe結晶を採
取し、その側面に高速電子線を照射して深さ方向におけ
るBの濃度を測定する、という方法を採用した。図10
より、柱状Fe結晶側面においてBの濃度が高くなって
おり、したがって柱状Fe結晶の粒界にBが優先的に析
出していることが判る。
【0043】また表6〜9から明らかなように、柱状F
e結晶の面積率A1 がA1 ≧30%である例1〜14に
おいて、B含有量をB≧0.01重量%に設定すると、
例3,4,6,9,10,13,14のごとく、柱状F
e結晶の粒径が微細化されて、例3等の硬さが急激に上
昇する。
【0044】例15〜18の場合、柱状Fe結晶の面積
率A1 がA1 =5%であることから柱状Fe結晶が隣接
して成長する機会が少なくなり、その結果、B析出によ
る径方向成長抑制効果が小さいためB含有量をB≧0.
01重量%に設定しても粒径変化が殆どなく、また硬さ
向上程度も低い。
【0045】次に、各例1〜18について引張りテスト
を行ったところ、表10の結果を得た。引張りテストに
当っては、母材より各例1〜18を剥がし、それらに柱
状Fe結晶の成長方向と交差する方向に引張り荷重を付
与する、という方法を採用した。テストピースの寸法
は、前記交差する方向の長さ50mm、幅40mm、厚さ2
0μmである。
【0046】
【表10】 図11は、例1〜18におけるB含有量と引張強さとの
関係をグラフ化したものである。図中、点(1)〜(1
8)は例1〜18にそれぞれ対応する。図11より、B
含有量をB≧0.01重量%に設定すると、引張強さが
比較的急激に上昇することが判る。この場合、柱状Fe
結晶の面積率A1 ≧30%において、B含有量をB≧
0.01重量%に設定すると、強度向上度合が急峻とな
る。
【0047】次に、例2,3,5,6を有するチップを
作製し、それらについて、潤滑下でチップオンディスク
方式による焼付きテストを行って、焼付き発生荷重を測
定したところ、図12の結果を得た。テスト条件は次の
通りである。ディスクの材質Al−10重量%Si合
金、ディスクの回転速度 15m/sec 、給油量 0.
3ml/min 、チップの摺動面の面積 1cm2
【0048】図12において、例2,3を比較すると、
それらは三角錐状Fe結晶等の面積率A2 が同一であっ
て、当初同等の保油性を有するが、例3はB含有量がB
≧0.01重量%であって例2よりも硬さが高く、した
がって例3は、優れた耐摩耗性を発揮するのでその保油
性が維持され、その結果、例2よりも優れた耐焼付き性
を有する。一方、例6は例5に比べて硬さは高くなって
いるが、両者は摺動面の結晶形態に起因して保油性が低
く、その結果、例5,6の耐焼付き性は例2,3に比べ
て大幅に低下する。
【0049】なお、本発明はピストンピン1に限らず、
ピストンのスカート部等各種摺動部材に適用される。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、前記のように特定量の
Bを含有させることによって、相隣る両柱状金属結晶の
粒界強化および柱状金属結晶の微細化を達成し、これに
より高強度な金属皮膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピストンピンの要部斜視図である。
【図2】体心立方構造およびその(hhh)面、(2h
hh)面を示す斜視図である。
【図3】摺動面構成体の要部縦断面図である。
【図4】摺動面構成体の要部平面図である。
【図5】体心立方構造における(hhh)面の傾きを示
す説明図である。
【図6】電気メッキ用電源の出力波形図である。
【図7】摺動面構成体のX線回折図である。
【図8】摺動面の結晶構造を示す顕微鏡写真である。
【図9】摺動面構成体の縦断面における結晶構造を示す
顕微鏡写真である。
【図10】スパッタリング深さとBの相対濃度の関係を
示すグラフである。
【図11】B含有量と引張強さの関係を示すグラフであ
る。
【図12】四例の焼付き発生荷重を示すグラフである。
【符号の説明】
2 母材 4 摺動面構成体(金属皮膜) 5,6 柱状金属結晶 9 三角錐状金属結晶(角錐状金属結晶) 10 小角錐状金属結晶(角錐状金属結晶)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】メッキ処理としては、電気メッキ処理の外
に、例えば気相メッキ法であるPVD法、CVD法、ス
パッタ法、イオンプレーティング等を挙げることができ
る。スパッタ法によりW、Moメッキを行う場合の条件
は、例えばAr圧力 0.2〜1Pa、平均Ar加速電
力 直流1〜1.5kW、母材温度 150〜300℃
である。この場合、5%のジボラン(B2 6 )を含む
水素ガスを、0.1〜5SCCM(cc/min )にて母材
表面に吹付けることによって摺動面構成体4にBを含有
させることができる。CVD法によりWメッキを行う場
合の条件は、例えば原材料 WF6 、ガス流量 2〜1
5cc/min 、チャンバ内圧力 50〜300Pa、母材
温度400〜600℃、ArFエキシマレーザの平均出
力 5〜40Wである。この場合、5%のジボランを含
む水素ガスを、1〜10SCCM(cc/min )にてチャ
ンバ内に流すことよって摺動面構成体4にBを含有させ
ることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】ピストンピンの要部破断斜視図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 謙治 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材(2)から成長した多数の柱状金属
    結晶(5,6)を有する金属結晶集合体より構成された
    金属皮膜において、前記金属結晶集合体はBを含有し、
    そのB含有量はB≧0.01重量%に設定されることを
    特徴とする高強度金属皮膜。
  2. 【請求項2】 前記柱状金属結晶(5,6)の面積率A
    1 がA1 ≧30%である、請求項1記載の高強度金属皮
    膜。
  3. 【請求項3】 前記柱状金属結晶(5,6)の先端部
    は、角錐状金属結晶(9,10)に形成されている、請
    求項1または2記載の高強度金属皮膜。
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