JPH08269773A - 摺動面構成体 - Google Patents
摺動面構成体Info
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- JPH08269773A JPH08269773A JP9959295A JP9959295A JPH08269773A JP H08269773 A JPH08269773 A JP H08269773A JP 9959295 A JP9959295 A JP 9959295A JP 9959295 A JP9959295 A JP 9959295A JP H08269773 A JPH08269773 A JP H08269773A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sliding surface
- crystal
- crystals
- aggregate
- pyramidal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高硬度で、且つ耐焼付き性の優れた摺動面構
成体を提供する。 【構成】 摺動面構成体4は金属結晶の集合体より構成
され、摺動面4aにおける六角錐状金属結晶6の面積率
AがA≧40%であり、また集合体におけるCo含有量
がCo≧13重量%である。摺動面4aは、多数の六角
錐状金属結晶6の存在により入組んだ様相を呈するので
良好な保油性を有し、またCo含有に伴う高硬度化によ
り各六角錐状金属結晶6の摩耗が抑制されるので前記保
油性が維持される。
成体を提供する。 【構成】 摺動面構成体4は金属結晶の集合体より構成
され、摺動面4aにおける六角錐状金属結晶6の面積率
AがA≧40%であり、また集合体におけるCo含有量
がCo≧13重量%である。摺動面4aは、多数の六角
錐状金属結晶6の存在により入組んだ様相を呈するので
良好な保油性を有し、またCo含有に伴う高硬度化によ
り各六角錐状金属結晶6の摩耗が抑制されるので前記保
油性が維持される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は摺動面構成体、特に、金
属結晶の集合体より構成され、高い硬さを有する摺動面
構成体に関する。
属結晶の集合体より構成され、高い硬さを有する摺動面
構成体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種摺動面構成体としては、例
えば内燃機関用ピストンピンにおいて、鋼製パイプ状母
材の外周面に、耐摩耗性の向上を狙って設けられるFe
メッキ層が知られている。
えば内燃機関用ピストンピンにおいて、鋼製パイプ状母
材の外周面に、耐摩耗性の向上を狙って設けられるFe
メッキ層が知られている。
【0003】しかしながら、内燃機関が高速、且つ高出
力化の傾向にある現在の状況下では、従来の摺動面構成
体はその摺動面が比較的平滑であることに起因してオイ
ル保持性、つまり保油性が十分でなく、耐焼付き性が乏
しいという問題があった。
力化の傾向にある現在の状況下では、従来の摺動面構成
体はその摺動面が比較的平滑であることに起因してオイ
ル保持性、つまり保油性が十分でなく、耐焼付き性が乏
しいという問題があった。
【0004】そこで、本出願人は先に、摺動面構成体と
してその摺動面に多数の角錐状金属結晶を有するものを
開発した(例えば、特開平6−174089号公報参
照)。
してその摺動面に多数の角錐状金属結晶を有するものを
開発した(例えば、特開平6−174089号公報参
照)。
【0005】このように構成すると、相隣る両角錐状金
属結晶は相互に食込んだ状態を呈し、したがって摺動面
は、多数の微細な山部と、それら山部の間に形成された
多数の微細な谷部と、山部相互の食込みに因る多数の微
細な沢部とからなる入組んだ様相を呈するので、摺動面
構成体の保油性が良好となる。これにより摺動面構成体
の耐焼付き性の向上が図られる。
属結晶は相互に食込んだ状態を呈し、したがって摺動面
は、多数の微細な山部と、それら山部の間に形成された
多数の微細な谷部と、山部相互の食込みに因る多数の微
細な沢部とからなる入組んだ様相を呈するので、摺動面
構成体の保油性が良好となる。これにより摺動面構成体
の耐焼付き性の向上が図られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記摺動面
構成体について種々検討を加えたところ、その摺動面構
成体は硬さが比較的低く、したがって、より苛酷な摺動
環境に対応するためには、摺動面構成体の硬さを高め、
その摺動環境における各角錐状金属結晶の摩耗を抑制し
て摺動面構成体に良好な保油性を維持させることが必要
である、ということが判明した。
構成体について種々検討を加えたところ、その摺動面構
成体は硬さが比較的低く、したがって、より苛酷な摺動
環境に対応するためには、摺動面構成体の硬さを高め、
その摺動環境における各角錐状金属結晶の摩耗を抑制し
て摺動面構成体に良好な保油性を維持させることが必要
である、ということが判明した。
【0007】本発明は前記要望を満足することが可能な
高い硬さを有する前記摺動面構成体を提供することを目
的とする。
高い硬さを有する前記摺動面構成体を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る摺動面構成
体は、金属結晶の集合体より構成され、摺動面における
角錐状金属結晶の面積率Aが40%≦A≦100%であ
り、また前記集合体におけるCo含有量が13重量%≦
Co≦55重量%であることを特徴とする。
体は、金属結晶の集合体より構成され、摺動面における
角錐状金属結晶の面積率Aが40%≦A≦100%であ
り、また前記集合体におけるCo含有量が13重量%≦
Co≦55重量%であることを特徴とする。
【0009】
【作用】角錐状金属結晶の面積率Aを前記のように設定
すると、相隣る両角錐状金属結晶は相互に食込んだ状態
を呈し、したがって摺動面は、多数の微細な山部と、そ
れら山部の間に形成された多数の微細な谷部と、山部相
互の食込みに因る多数の微細な沢部とからなる入組んだ
様相を呈する。
すると、相隣る両角錐状金属結晶は相互に食込んだ状態
を呈し、したがって摺動面は、多数の微細な山部と、そ
れら山部の間に形成された多数の微細な谷部と、山部相
互の食込みに因る多数の微細な沢部とからなる入組んだ
様相を呈する。
【0010】また集合体におけるCo含有量を前記のよ
うに設定すると、摺動面構成体の硬さを大幅に高めると
共に摩擦係数μを低くすることが可能である。
うに設定すると、摺動面構成体の硬さを大幅に高めると
共に摩擦係数μを低くすることが可能である。
【0011】このような摺動面構成体においては、それ
が苛酷な摺動環境に置かれても各角錐状金属結晶の摩耗
が抑制されるので、潤滑下では、摺動面構成体の保油性
が良好に維持され、一方、無潤滑下では、多数の微細な
角錐状金属結晶により摺動荷重の分散が図られる。これ
により摺動面構成体は、潤滑下および無潤滑下におい
て、優れた耐焼付き性を発揮する。
が苛酷な摺動環境に置かれても各角錐状金属結晶の摩耗
が抑制されるので、潤滑下では、摺動面構成体の保油性
が良好に維持され、一方、無潤滑下では、多数の微細な
角錐状金属結晶により摺動荷重の分散が図られる。これ
により摺動面構成体は、潤滑下および無潤滑下におい
て、優れた耐焼付き性を発揮する。
【0012】なお、角錐状金属結晶の面積率AがA<4
0%では摺動面が単純化傾向となるので望ましくない。
またCo含有量がCo<13重量%では摺動面構成体の
硬さ向上度合が低くなる。一方、Co>55重量%では
摺動面において金属結晶が粒状化し易くなる。
0%では摺動面が単純化傾向となるので望ましくない。
またCo含有量がCo<13重量%では摺動面構成体の
硬さ向上度合が低くなる。一方、Co>55重量%では
摺動面において金属結晶が粒状化し易くなる。
【0013】
【実施例】図1において、内燃機関用ピストンピン1は
鋼よりなるパイプ状母材2を有し、その母材2の外周面
3にメッキ処理により層状摺動面構成体4が形成され
る。
鋼よりなるパイプ状母材2を有し、その母材2の外周面
3にメッキ処理により層状摺動面構成体4が形成され
る。
【0014】摺動面構成体4は、実施例では図2に示す
ように体心立方構造(bcc構造)を持つ金属結晶の集
合体より構成され、また集合体におけるCo含有量は1
3重量%≦Co≦55重量%に設定される。その集合体
は、図3に示すように、母材2より柱状に成長し、且つ
ミラー指数で(hhh)面を、摺動面4a側に向けた多
数の(hhh)配向性金属結晶5、または母材2より柱
状に成長し、且つミラー指数で(2hhh)面を摺動面
4a側に向けた多数の(2hhh)配向性金属結晶の少
なくとも一方を有する。
ように体心立方構造(bcc構造)を持つ金属結晶の集
合体より構成され、また集合体におけるCo含有量は1
3重量%≦Co≦55重量%に設定される。その集合体
は、図3に示すように、母材2より柱状に成長し、且つ
ミラー指数で(hhh)面を、摺動面4a側に向けた多
数の(hhh)配向性金属結晶5、または母材2より柱
状に成長し、且つミラー指数で(2hhh)面を摺動面
4a側に向けた多数の(2hhh)配向性金属結晶の少
なくとも一方を有する。
【0015】前記のようにbcc構造を持つ金属結晶の
集合体がミラー指数で(hhh)面を摺動面4a側に向
けた多数の(hhh)配向性金属結晶5を有する場合、
それら(hhh)配向性金属結晶5の先端部を、図4に
明示するように摺動面4aにおいて六角錐状金属結晶
(角錐状金属結晶)6にすることができる。
集合体がミラー指数で(hhh)面を摺動面4a側に向
けた多数の(hhh)配向性金属結晶5を有する場合、
それら(hhh)配向性金属結晶5の先端部を、図4に
明示するように摺動面4aにおいて六角錐状金属結晶
(角錐状金属結晶)6にすることができる。
【0016】それら六角錐状金属結晶6の少なくとも一
部は、図4,図5(a)に示すように異形六角錐状金属
結晶7であり、各異形六角錐状金属結晶7は、少なくと
も1つ、図示例では6つの稜線対応領域R1 の少なくと
も一部、図示例では略全長に亘るように稜線伸長方向と
同方向に延びる少なくとも1つ、図示例では1つの細溝
8を有する。
部は、図4,図5(a)に示すように異形六角錐状金属
結晶7であり、各異形六角錐状金属結晶7は、少なくと
も1つ、図示例では6つの稜線対応領域R1 の少なくと
も一部、図示例では略全長に亘るように稜線伸長方向と
同方向に延びる少なくとも1つ、図示例では1つの細溝
8を有する。
【0017】また異形六角錐状金属結晶7は、少なくと
も1つ、図示例では6つの斜面対応領域R2 を、裾部側
より頂部側に向って開口幅が漸次狭くなるV形溝9に形
成されている。
も1つ、図示例では6つの斜面対応領域R2 を、裾部側
より頂部側に向って開口幅が漸次狭くなるV形溝9に形
成されている。
【0018】六角錐状金属結晶6には、図4,5(b)
に明示するように稜線rに前記細溝8を持たない正常六
角錐状金属結晶10も含まれる。この正常六角錐状金属
結晶10は、その少なくとも1つの斜面pを前記同様に
V形溝9に形成されることもある。
に明示するように稜線rに前記細溝8を持たない正常六
角錐状金属結晶10も含まれる。この正常六角錐状金属
結晶10は、その少なくとも1つの斜面pを前記同様に
V形溝9に形成されることもある。
【0019】(hhh)配向性金属結晶である三角錐状
金属結晶には、図6に示す正常三角錐状金属結晶11お
よび図示しない異形三角錐状金属結晶も含まれる。
金属結晶には、図6に示す正常三角錐状金属結晶11お
よび図示しない異形三角錐状金属結晶も含まれる。
【0020】正常、異形六角錐状金属結晶10,7は、
正常、異形三角錐状金属結晶に比べて平均粒径が小さ
く、且つ粒径も略均一である。正常、異形六角錐状金属
結晶10,7等において、粒径と高さとの間には相関関
係があり、したがって粒径が略均一である、ということ
は高さも略等しいということである。
正常、異形三角錐状金属結晶に比べて平均粒径が小さ
く、且つ粒径も略均一である。正常、異形六角錐状金属
結晶10,7等において、粒径と高さとの間には相関関
係があり、したがって粒径が略均一である、ということ
は高さも略等しいということである。
【0021】またbcc構造を持つ金属結晶の集合体が
ミラー指数で(2hhh)面を摺動面4a側に向けた多
数の(2hhh)配向性金属結晶を有する場合、角錐状
金属結晶には正常小角錐状金属結晶および異形小角錐状
金属結晶が含まれる。
ミラー指数で(2hhh)面を摺動面4a側に向けた多
数の(2hhh)配向性金属結晶を有する場合、角錐状
金属結晶には正常小角錐状金属結晶および異形小角錐状
金属結晶が含まれる。
【0022】正常六、三、小角錐状金属結晶および異形
六、三、小角錐状金属結晶といった角錐状金属結晶の、
摺動面4aにおける面積率Aは40%≦A≦100%に
設定される。
六、三、小角錐状金属結晶といった角錐状金属結晶の、
摺動面4aにおける面積率Aは40%≦A≦100%に
設定される。
【0023】このように面積率Aを設定すると、例え
ば、図4に示すように正常、異形六角錐状金属結晶1
0,7において、相隣るものは相互に食込んだ状態とな
る。これにより摺動面4aは、正常、異形三角錐状金属
結晶より形成される場合に比べて表面積を拡大され、ま
た多数の極微細な山部12と、それら山部12の間に形
成された多数の極微細な谷部13と、山部12相互の食
込みに因る多数の極微細な沢部14とからなる非常に入
組んだ様相を呈する。またその入組み方は、細溝8およ
びV形溝9を持つ異形六角錐状金属結晶7の存在により
倍加される。
ば、図4に示すように正常、異形六角錐状金属結晶1
0,7において、相隣るものは相互に食込んだ状態とな
る。これにより摺動面4aは、正常、異形三角錐状金属
結晶より形成される場合に比べて表面積を拡大され、ま
た多数の極微細な山部12と、それら山部12の間に形
成された多数の極微細な谷部13と、山部12相互の食
込みに因る多数の極微細な沢部14とからなる非常に入
組んだ様相を呈する。またその入組み方は、細溝8およ
びV形溝9を持つ異形六角錐状金属結晶7の存在により
倍加される。
【0024】その上、集合体におけるCo含有量を前記
のように設定すると、摺動面構成体4の硬さを大幅に高
めると共に摩擦係数μを低くすることが可能である。
のように設定すると、摺動面構成体4の硬さを大幅に高
めると共に摩擦係数μを低くすることが可能である。
【0025】このような摺動面構成体4においては、そ
れが苛酷な摺動環境に置かれても各正常、異形六角錐状
金属結晶10,7の摩耗が抑制されるので、潤滑下で
は、摺動面構成体4の保油性が良好に維持され、一方、
無潤滑下では、多数の極微細な正常、異形六角錐状金属
結晶10,7により摺動荷重の分散が図られる。これに
より摺動面構成体4は、潤滑下および無潤滑下におい
て、優れた耐焼付き性を発揮する。
れが苛酷な摺動環境に置かれても各正常、異形六角錐状
金属結晶10,7の摩耗が抑制されるので、潤滑下で
は、摺動面構成体4の保油性が良好に維持され、一方、
無潤滑下では、多数の極微細な正常、異形六角錐状金属
結晶10,7により摺動荷重の分散が図られる。これに
より摺動面構成体4は、潤滑下および無潤滑下におい
て、優れた耐焼付き性を発揮する。
【0026】さらに正常、異形六角錐状金属結晶10,
7の均一微細化に伴い、局部的な高面圧化を回避すると
共に摺動荷重の微細分化を達成することができ、これに
より摺動面構成体4は、潤滑下では勿論のこと、無潤滑
下においても優れた耐摩耗性を発揮する。
7の均一微細化に伴い、局部的な高面圧化を回避すると
共に摺動荷重の微細分化を達成することができ、これに
より摺動面構成体4は、潤滑下では勿論のこと、無潤滑
下においても優れた耐摩耗性を発揮する。
【0027】図7に示すように、摺動面4aに沿う仮想
面15に対する(hhh)面の傾きは正常、異形六角錐
状金属結晶10,7等の傾きとなって現われるので、摺
動面構成体4の保油性および耐摩耗性に影響を与える。
そこで、(hhh)面が仮想面15に対してなす傾き角
θは0°≦θ≦15°に設定される。この場合、(hh
h)面の傾き方向については限定されない。傾き角θが
θ>15°になると、摺動面構成体4の保油性および耐
摩耗性が低下する。この傾き角θは(2hhh)面につ
いても同じである。
面15に対する(hhh)面の傾きは正常、異形六角錐
状金属結晶10,7等の傾きとなって現われるので、摺
動面構成体4の保油性および耐摩耗性に影響を与える。
そこで、(hhh)面が仮想面15に対してなす傾き角
θは0°≦θ≦15°に設定される。この場合、(hh
h)面の傾き方向については限定されない。傾き角θが
θ>15°になると、摺動面構成体4の保油性および耐
摩耗性が低下する。この傾き角θは(2hhh)面につ
いても同じである。
【0028】前記摺動面構成体4は、CsCl型構造
(bcc構造)であるCuZn型(L2型)の規則格子
を形成するFe−Co規則合金結晶の集合体より構成さ
れる。この場合、異形六角錐状金属結晶7は、FeとC
oとが規則格子を形成し、その規則格子が、メッキ処理
時最もエネルギの高い稜線対応領域R1 に集中すること
によって形成されるものと考えられる。
(bcc構造)であるCuZn型(L2型)の規則格子
を形成するFe−Co規則合金結晶の集合体より構成さ
れる。この場合、異形六角錐状金属結晶7は、FeとC
oとが規則格子を形成し、その規則格子が、メッキ処理
時最もエネルギの高い稜線対応領域R1 に集中すること
によって形成されるものと考えられる。
【0029】摺動面構成体4を形成するためのメッキ処
理において、電気メッキ処理によりFe−Co規則合金
結晶の集合体を形成する場合のメッキ浴条件は、表1の
通りである。
理において、電気メッキ処理によりFe−Co規則合金
結晶の集合体を形成する場合のメッキ浴条件は、表1の
通りである。
【0030】
【表1】
【0031】Co含有添加剤としては、Coを含み、且
つ水溶性であるものが用いられ、例えば硫酸コバルト、
硫酸コバルトアンモニウム、塩化コバルト、ホウフッ化
コバルト等が該当する。
つ水溶性であるものが用いられ、例えば硫酸コバルト、
硫酸コバルトアンモニウム、塩化コバルト、ホウフッ化
コバルト等が該当する。
【0032】通電法としては、主としてパルス電流法が
適用される。パルス電流法においては、図8に示すよう
に、メッキ用電源の電流Iは、その電流Iが最小電流I
minから立上って最大電流Imax に至り、次いで最小電
流Imin へ下降するごとく、時間Tの経過に伴いパルス
波形を描くように制御される。
適用される。パルス電流法においては、図8に示すよう
に、メッキ用電源の電流Iは、その電流Iが最小電流I
minから立上って最大電流Imax に至り、次いで最小電
流Imin へ下降するごとく、時間Tの経過に伴いパルス
波形を描くように制御される。
【0033】そして、電流Iの立上り開始時から下降開
始時までの通電時間をTONとし、また先の立上り開始時
から次の立上り開始時までを1サイクルとして、そのサ
イクル時間をTC としたとき、通電時間TONとサイクル
時間TC との比、即ち、時間比TON/TC はTON/TC
≦0.45に設定される。また最大陰極電流密度CDm
axはCDmax≧2A/dm2 に、また平均陰極電流密
度CDmはCDm≧2A/dm2 にそれぞれ設定される。
始時までの通電時間をTONとし、また先の立上り開始時
から次の立上り開始時までを1サイクルとして、そのサ
イクル時間をTC としたとき、通電時間TONとサイクル
時間TC との比、即ち、時間比TON/TC はTON/TC
≦0.45に設定される。また最大陰極電流密度CDm
axはCDmax≧2A/dm2 に、また平均陰極電流密
度CDmはCDm≧2A/dm2 にそれぞれ設定される。
【0034】このようなパルス電流法を適用すると、メ
ッキ浴内において電流が流れたり、流れなかったりする
ことに起因して陰極近傍のイオン濃度が均一化され、こ
れにより摺動面構成体4の組成を安定化させることがで
きる。
ッキ浴内において電流が流れたり、流れなかったりする
ことに起因して陰極近傍のイオン濃度が均一化され、こ
れにより摺動面構成体4の組成を安定化させることがで
きる。
【0035】前記電気メッキ処理において、メッキ浴条
件および通電条件を変えることによって(hhh)配向
性Fe−Co規則合金結晶または(2hhh)配向性F
e−Co規則合金結晶の析出、その存在量等を制御す
る。この制御は、パルス電流法の適用下では容易であ
り、したがって摺動面4aを狙い通りの形態に形成し易
くなる。また摺動面構成体4におけるCo含有量を正確
に制御すると共にCoを均一に分散させるため、電気メ
ッキ処理中、メッキ浴と同一組成および同一温度に調整
された補充液を陽、陰極間に所定の供給量にて供給す
る。これを行わない場合には、メッキ浴におけるCo含
有添加剤濃度にばらつきが生じるため、摺動面構成体4
におけるCo含有量の制御が困難となる。
件および通電条件を変えることによって(hhh)配向
性Fe−Co規則合金結晶または(2hhh)配向性F
e−Co規則合金結晶の析出、その存在量等を制御す
る。この制御は、パルス電流法の適用下では容易であ
り、したがって摺動面4aを狙い通りの形態に形成し易
くなる。また摺動面構成体4におけるCo含有量を正確
に制御すると共にCoを均一に分散させるため、電気メ
ッキ処理中、メッキ浴と同一組成および同一温度に調整
された補充液を陽、陰極間に所定の供給量にて供給す
る。これを行わない場合には、メッキ浴におけるCo含
有添加剤濃度にばらつきが生じるため、摺動面構成体4
におけるCo含有量の制御が困難となる。
【0036】また摺動面構成体4におけるCo含有量
は、基本的にはメッキ浴におけるCo含有添加剤濃度に
より制御されるが、メッキ浴の組成、pHおよび温度が
一定である場合には最大陰極電流密度CDmaxおよび
平均陰極電流密度CDmにより制御される。
は、基本的にはメッキ浴におけるCo含有添加剤濃度に
より制御されるが、メッキ浴の組成、pHおよび温度が
一定である場合には最大陰極電流密度CDmaxおよび
平均陰極電流密度CDmにより制御される。
【0037】メッキ処理としては、電気メッキ処理の外
に、例えば気相メッキ法であるPVD法、CVD法、ス
パッタ法、イオンプレーティング等を挙げることができ
る。スパッタ法によりFe−Co合金メッキを行う場合
の条件は、例えばAr圧力0.2〜1.0Pa、平均A
r加速電力 直流 0.1〜1.5kW、母材温度80
〜300℃である。この場合、陰極ターゲットとしてF
e−Co合金を用いるか、またはFe単体およびCo単
体を用いる。
に、例えば気相メッキ法であるPVD法、CVD法、ス
パッタ法、イオンプレーティング等を挙げることができ
る。スパッタ法によりFe−Co合金メッキを行う場合
の条件は、例えばAr圧力0.2〜1.0Pa、平均A
r加速電力 直流 0.1〜1.5kW、母材温度80
〜300℃である。この場合、陰極ターゲットとしてF
e−Co合金を用いるか、またはFe単体およびCo単
体を用いる。
【0038】以下、具体例について説明する。
【0039】鋼(JIS SCM420)よりなるパイ
プ状母材2の外周面3に、電気メッキ処理を施すことに
よりFe−Co規則合金結晶の集合体より構成された厚
さ15μmの摺動面構成体4を形成して複数の内燃機関
用ピストンピン1を製造した。
プ状母材2の外周面3に、電気メッキ処理を施すことに
よりFe−Co規則合金結晶の集合体より構成された厚
さ15μmの摺動面構成体4を形成して複数の内燃機関
用ピストンピン1を製造した。
【0040】摺動面構成体の各例において、表2は例1
〜5の、表3は例6〜10の、表4は例11〜15の、
表5は例16〜20の電気メッキ処理条件をそれぞれ示
す。なお、メッキ処理時間は、例1〜20の厚さを前記
のように15μmに設定すべく、5〜60分間の範囲内
で種々変化させた。また前記補充液の供給量は0.5リ
ットル/min に設定された。
〜5の、表3は例6〜10の、表4は例11〜15の、
表5は例16〜20の電気メッキ処理条件をそれぞれ示
す。なお、メッキ処理時間は、例1〜20の厚さを前記
のように15μmに設定すべく、5〜60分間の範囲内
で種々変化させた。また前記補充液の供給量は0.5リ
ットル/min に設定された。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】表6は例1〜10、表7は11〜20にお
ける各配向性Fe−Co規則合金結晶の存在率Sを示
す。
ける各配向性Fe−Co規則合金結晶の存在率Sを示
す。
【0046】
【表6】
【0047】
【表7】
【0048】各配向性Fe−Co規則合金結晶の存在率
Sは、例1〜20のX線回折図(X線照射方向は摺動面
に対して直角方向)に基づいて次式から求められた。一
例として、例4のX線回折図を図9に示す。なお、例え
ば{110}配向性Fe−Co規則合金結晶とは、{1
10}面を摺動面4a側に向けた配向性Fe−Co規則
合金結晶を意味する。 {110}配向性Fe−Co規則合金結晶: S110 ={(I110 /IA110 )/T}×100、 {200}配向性Fe−Co規則合金結晶: S200 ={(I200 /IA200 )/T}×100、 {211}配向性Fe−Co規則合金結晶: S211 ={(I211 /IA211 )/T}×100、 {310}配向性Fe−Co規則合金結晶: S310 ={(I310 /IA310 )/T}×100、 {222}配向性Fe−Co規則合金結晶: S222 ={(I222 /IA222 )/T}×100 ここで、I110 、I200 、I211 、I310 、I222 は各
結晶面のX線反射強度の測定値(cps)であり、また
IA110 、IA200 、IA211 、IA310 、IA222 は
ASTMカードにおける各結晶面のX線反射強度比で、
IA110 =100、IA200 =20、IA211 =30、
IA310 =12、IA222 =6である。さらにTは、T
=(I110 /IA110 )+(I200 /IA200 )+(I
211 /IA211 )+(I310 /IA310 )+(I222 /
IA222 )である。
Sは、例1〜20のX線回折図(X線照射方向は摺動面
に対して直角方向)に基づいて次式から求められた。一
例として、例4のX線回折図を図9に示す。なお、例え
ば{110}配向性Fe−Co規則合金結晶とは、{1
10}面を摺動面4a側に向けた配向性Fe−Co規則
合金結晶を意味する。 {110}配向性Fe−Co規則合金結晶: S110 ={(I110 /IA110 )/T}×100、 {200}配向性Fe−Co規則合金結晶: S200 ={(I200 /IA200 )/T}×100、 {211}配向性Fe−Co規則合金結晶: S211 ={(I211 /IA211 )/T}×100、 {310}配向性Fe−Co規則合金結晶: S310 ={(I310 /IA310 )/T}×100、 {222}配向性Fe−Co規則合金結晶: S222 ={(I222 /IA222 )/T}×100 ここで、I110 、I200 、I211 、I310 、I222 は各
結晶面のX線反射強度の測定値(cps)であり、また
IA110 、IA200 、IA211 、IA310 、IA222 は
ASTMカードにおける各結晶面のX線反射強度比で、
IA110 =100、IA200 =20、IA211 =30、
IA310 =12、IA222 =6である。さらにTは、T
=(I110 /IA110 )+(I200 /IA200 )+(I
211 /IA211 )+(I310 /IA310 )+(I222 /
IA222 )である。
【0049】表8は例1〜5、表9は例6〜10、表1
0は例11〜15、表11は例16〜20に関するCo
含有量、摺動面の結晶形態、摺動面における六角錐状F
e−Co規則合金結晶の面積率Aおよび粒径ならびに摺
動面構成体断面における硬さをそれぞれ示す。
0は例11〜15、表11は例16〜20に関するCo
含有量、摺動面の結晶形態、摺動面における六角錐状F
e−Co規則合金結晶の面積率Aおよび粒径ならびに摺
動面構成体断面における硬さをそれぞれ示す。
【0050】
【表8】
【0051】
【表9】
【0052】
【表10】
【0053】
【表11】
【0054】Co含有量の測定は、母材2より例1〜2
0を剥離し、次いで例1等について、ニトロソR塩吸光
光度法(JIS G1222)に則って分析を行う、と
いう方法で行われた。
0を剥離し、次いで例1等について、ニトロソR塩吸光
光度法(JIS G1222)に則って分析を行う、と
いう方法で行われた。
【0055】六角錐状Fe−Co規則合金結晶の面積率
Aは、摺動面の面積をb、その摺動面において全部の正
常、異形六角錐状Fe−Co規則合金結晶が占める面積
をcとしたとき、A=(c/b)×100(%)として
求められた。また六角錐状Fe−Co規則合金結晶の粒
径は、正常、異形六角錐状Fe−Co規則合金結晶の頂
点を挟んで相対向する両角部間の距離、即ち、3つの距
離の平均値である。
Aは、摺動面の面積をb、その摺動面において全部の正
常、異形六角錐状Fe−Co規則合金結晶が占める面積
をcとしたとき、A=(c/b)×100(%)として
求められた。また六角錐状Fe−Co規則合金結晶の粒
径は、正常、異形六角錐状Fe−Co規則合金結晶の頂
点を挟んで相対向する両角部間の距離、即ち、3つの距
離の平均値である。
【0056】図10は例1における摺動面の結晶構造を
示す顕微鏡写真であり、多数の正常六角錐状Fe−Co
規則合金結晶が観察される。この場合、表8に示すよう
に、正常六角錐状Fe−Co規則合金結晶の面積率Aは
A=100%である。この正常六角錐状Fe−Co規則
合金結晶は(hhh)面、したがって{222}面を摺
動面側に向けた{222}配向性Fe−Co規則合金結
晶であり、その{222}配向性Fe−Co規則合金結
晶の存在率Sは、表6に示すように、S=94%であ
る。
示す顕微鏡写真であり、多数の正常六角錐状Fe−Co
規則合金結晶が観察される。この場合、表8に示すよう
に、正常六角錐状Fe−Co規則合金結晶の面積率Aは
A=100%である。この正常六角錐状Fe−Co規則
合金結晶は(hhh)面、したがって{222}面を摺
動面側に向けた{222}配向性Fe−Co規則合金結
晶であり、その{222}配向性Fe−Co規則合金結
晶の存在率Sは、表6に示すように、S=94%であ
る。
【0057】図11は例4における摺動面の結晶構造を
示す顕微鏡写真であり、多数の正常六角錐状Fe−Co
規則合金結晶と異形六角錐状Fe−Co規則合金結晶が
観察される。この場合、表8に示すように、六角錐状F
e−Co規則合金結晶の面積率AはA=100%であ
る。正常、異形六角錐状Fe−Co規則合金結晶は、前
記同様に{222}配向性Fe−Co規則合金結晶であ
り、その存在率Sは、表6、図9に示すように、S=9
1%である。
示す顕微鏡写真であり、多数の正常六角錐状Fe−Co
規則合金結晶と異形六角錐状Fe−Co規則合金結晶が
観察される。この場合、表8に示すように、六角錐状F
e−Co規則合金結晶の面積率AはA=100%であ
る。正常、異形六角錐状Fe−Co規則合金結晶は、前
記同様に{222}配向性Fe−Co規則合金結晶であ
り、その存在率Sは、表6、図9に示すように、S=9
1%である。
【0058】図12は、例1〜5におけるCo含有量と
硬さとの関係をグラフ化したものである。図中、点
(1)〜(5)は例1〜5にそれぞれ対応する。図12
より、Co含有量をCo≧13重量%に設定すると、硬
さが急激に上昇することが判る。これは例6〜20につ
いても同じである。
硬さとの関係をグラフ化したものである。図中、点
(1)〜(5)は例1〜5にそれぞれ対応する。図12
より、Co含有量をCo≧13重量%に設定すると、硬
さが急激に上昇することが判る。これは例6〜20につ
いても同じである。
【0059】次に、例1〜20を有するチップを作製
し、それらについて、潤滑下でチップオンディスク方式
による摺動テストを行って、焼付き発生荷重および摩擦
係数μを測定したところ、表12の結果を得た。テスト
条件は次の通りである。ディスクの材質:Al−10重
量%Si合金;ディスクの周速度:15m/sec ;給油
量:0.3ml/min ;チップの摺動面の面積:1cm2 ;
摩擦係数μ:チップに対する押圧荷重が250Nのとき
の値.
し、それらについて、潤滑下でチップオンディスク方式
による摺動テストを行って、焼付き発生荷重および摩擦
係数μを測定したところ、表12の結果を得た。テスト
条件は次の通りである。ディスクの材質:Al−10重
量%Si合金;ディスクの周速度:15m/sec ;給油
量:0.3ml/min ;チップの摺動面の面積:1cm2 ;
摩擦係数μ:チップに対する押圧荷重が250Nのとき
の値.
【0060】
【表12】
【0061】例1〜20に関し、図13は六角錐状Fe
−Co規則合金結晶の面積率Aと焼付き発生荷重との関
係をCo含有量別に示したものであり、また図14はC
o含有量と摩擦係数μとの関係を前記面積率A別に示し
たものである。図中、点(1)〜(20)は例1〜20
にそれぞれ対応する。
−Co規則合金結晶の面積率Aと焼付き発生荷重との関
係をCo含有量別に示したものであり、また図14はC
o含有量と摩擦係数μとの関係を前記面積率A別に示し
たものである。図中、点(1)〜(20)は例1〜20
にそれぞれ対応する。
【0062】図13,14から明らかなように、例3〜
5,8〜10,13〜15は、例1,2,6,7,1
1,12,16〜20に比べて焼付き発生荷重が高く、
また摩擦係数μが低い。
5,8〜10,13〜15は、例1,2,6,7,1
1,12,16〜20に比べて焼付き発生荷重が高く、
また摩擦係数μが低い。
【0063】このことから、六角錐状Fe−Co規則合
金結晶の面積率AをA≧40%に、またCo含有量をC
o≧13重量%にそれぞれ設定することによって、優れ
た耐焼付き性と耐摩耗性を得ることができる、というこ
とが判る。
金結晶の面積率AをA≧40%に、またCo含有量をC
o≧13重量%にそれぞれ設定することによって、優れ
た耐焼付き性と耐摩耗性を得ることができる、というこ
とが判る。
【0064】なお、本発明はピストンピンに限らず、ピ
ストン、カムシャフト、ピストンリング等の各種摺動部
材に適用される。
ストン、カムシャフト、ピストンリング等の各種摺動部
材に適用される。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、前記のように特定され
た構造を具備することによって、高面圧下等のより苛酷
な摺動環境下において優れた摺動特性を発揮する摺動面
構成体を提供することができる。
た構造を具備することによって、高面圧下等のより苛酷
な摺動環境下において優れた摺動特性を発揮する摺動面
構成体を提供することができる。
【図1】ピストンピンの要部破断斜視図である。
【図2】体心立方構造およびその(hhh)面、(2h
hh)面を示す斜視図である。
hh)面を示す斜視図である。
【図3】図1の3−3線拡大断面図である。
【図4】図3の4矢視図である。
【図5】(a)は異形六角錐状金属結晶の一例を示す概
略平面図、(b)は正常六角錐状金属結晶の一例を示す
概略平面図である。
略平面図、(b)は正常六角錐状金属結晶の一例を示す
概略平面図である。
【図6】正常三角錐状金属結晶の平面図である。
【図7】体心立方構造における(hhh)面の傾きを示
す説明図である。
す説明図である。
【図8】電気メッキ用電源の出力波形図である。
【図9】摺動面構成体のX線回折図である。
【図10】摺動面の結晶構造の一例を示す顕微鏡写真で
ある。
ある。
【図11】摺動面の結晶構造の他例を示す顕微鏡写真で
ある。
ある。
【図12】Co含有量と硬さの関係を示すグラフであ
る。
る。
【図13】六角錐状Fe−Co規則合金結晶の面積率A
と焼付き発生荷重の関係を示すグラフである。
と焼付き発生荷重の関係を示すグラフである。
【図14】Co含有量と摩擦係数μの関係を示すグラフ
である。
である。
4 摺動面構成体 4a 摺動面 6 六角錐状金属結晶(角錐状金属結晶) 7 異形六角錐状金属結晶 10 正常六角錐状金属結晶 11 正常三角錐状金属結晶(角錐状金属結晶)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】前記摺動面構成体4は、CsCl型構造
(bcc構造)であるCuZn型(L2型)の規則格子
を形成するFe−Co規則合金結晶の集合体より構成さ
れる。この場合、異形六角錐状金属結晶7は、FeとC
oとよりなる規則格子が、メッキ処理時最もエネルギの
高い稜線対応領域R1 に集中することによって形成され
るものと考えられる。
(bcc構造)であるCuZn型(L2型)の規則格子
を形成するFe−Co規則合金結晶の集合体より構成さ
れる。この場合、異形六角錐状金属結晶7は、FeとC
oとよりなる規則格子が、メッキ処理時最もエネルギの
高い稜線対応領域R1 に集中することによって形成され
るものと考えられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 郡司 貴浩 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 金属結晶の集合体より構成される摺動面
構成体において、摺動面における角錐状金属結晶の面積
率Aが40%≦A≦100%であり、また前記集合体に
おけるCo含有量が13重量%≦Co≦55重量%であ
ることを特徴とする摺動面構成体。 - 【請求項2】 前記金属結晶は体心立方構造を有し、前
記角錐状金属結晶は、ミラー指数で(hhh)面を摺動
面側に向けた(hhh)配向性金属結晶、またはミラー
指数で(2hhh)面を摺動面側に向けた(2hhh)
配向性金属結晶の少なくとも一方である、請求項1記載
の摺動面構成体。 - 【請求項3】 前記金属結晶はFe結晶であり、前記角
錐状金属結晶は、ミラー指数で(hhh)面を摺動面側
に向け、且つ六角錐状をなす(hhh)配向性Fe結晶
である、請求項1または2記載の摺動面構成体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09959295A JP3447419B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 摺動面構成体 |
US08/626,639 US5928800A (en) | 1995-03-31 | 1996-04-01 | Slide surface construction |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09959295A JP3447419B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 摺動面構成体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08269773A true JPH08269773A (ja) | 1996-10-15 |
JP3447419B2 JP3447419B2 (ja) | 2003-09-16 |
Family
ID=14251374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09959295A Expired - Lifetime JP3447419B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 摺動面構成体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3447419B2 (ja) |
-
1995
- 1995-03-31 JP JP09959295A patent/JP3447419B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3447419B2 (ja) | 2003-09-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
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