JP3287865B2 - 耐摩耗性および相手攻撃性に優れたコバルト基盛金合金 - Google Patents

耐摩耗性および相手攻撃性に優れたコバルト基盛金合金

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JP3287865B2
JP3287865B2 JP27656391A JP27656391A JP3287865B2 JP 3287865 B2 JP3287865 B2 JP 3287865B2 JP 27656391 A JP27656391 A JP 27656391A JP 27656391 A JP27656391 A JP 27656391A JP 3287865 B2 JP3287865 B2 JP 3287865B2
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信 吉田
政宏 仲川
和彦 森
博之 村瀬
篤 田口
謙介 日高
完一 田中
良男 小平
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Fukuda Metal Foil and Powder Co Ltd
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Fukuda Metal Foil and Powder Co Ltd
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L3/00Lift-valve, i.e. cut-off apparatus with closure members having at least a component of their opening and closing motion perpendicular to the closing faces; Parts or accessories thereof
    • F01L3/02Selecting particular materials for valve-members or valve-seats; Valve-members or valve-seats composed of two or more materials
    • F01L3/04Coated valve members or valve-seats

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のエンジンバル
ブのフェース部に盛金されるコバルト基盛金合金に関す
る。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のエンジンバルブのフェース部
には、厳しい使用環境に対応するため、耐摩耗性に優れ
高温における硬さと高温腐食に対する抵抗の高い、コバ
ルト基盛金を溶着するハードフェーシングが採用されて
いる。
【0003】従来これら盛金合金としては、Co−Cr
−W系の鋳造合金であるステライト6あるいはステライ
ト12、Co−Mo−Si系のトリバロイT−400、
さらにはステライト系合金のCr、W、Cを調整し耐摩
耗性を向上し、Al、B、Oを調整して盛金性を向上し
たもの(特開平2−92495、特開平2−9249
6)、ステライト系合金粉末の形状と酸素量および窒素
量を規制し盛金性を改善したもの(特開昭62−330
90)などが用いられている。
【0004】ステライト系の盛金合金の金属組織を表す
写真を図3に示し、トリバロイT−400の金属組織を
表す写真を図4に示す。図3においてステライトは白色
部のCoリッチマトリクス中に黒色部の(Cr,W)23
6または(Cr,W)73が分散し、炭化物強化され
ている。図4においてトリバロイは白色部のCoリッチ
マトリクス中に灰色部のCo3Mo2Siが分散し、珪化
物強化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年の自動車
エンジンの高出力化、低燃費、信頼性向上等の高性能化
要求に伴い、エンジンバルブの使用環境も従来よりも一
層の厳しさを増し、従来用いてきたステライト6または
ステライト12等を盛金したエンジンバルブではフェー
ス部の耐摩耗性が不足してきた。
【0006】また近年、内燃機関エンジン用バルブフェ
ース部への盛金の自動化のため、レーザやプラズマ等の
高密度エネルギ源を利用して、盛金用合金を粉末にして
盛金を施す粉末盛金が注目され、これによる盛金材も従
来からある合金を粉末にして用いることが行われてい
る。そのため、従来から盛金材に要求されてきた耐摩耗
性等の特性に加えて、盛金性も大きく取り上げられるよ
うになってきているが、前記ステライト6またはステラ
イト12では盛金性にやや難点がある。
【0007】また、前記特開昭62−33090号公報
の盛金合金は、プラズマ盛金性に特に着目した材料であ
り、耐摩耗性、相手攻撃性については、ステライト6ま
たはステライト12等と同等レベルと判断される。しか
しながら、この盛金合金はO、Nを調整することにより
盛金性の向上を狙ったものであるが、O、Nはブローホ
ール等の発生の原因となる元素であり、これら元素の規
制だけでは盛金性向上は不十分であると考えられる。盛
金性の向上のためには、より積極的にO、Nのようなブ
ローホール発生源となる元素を取り除くような元素の添
加が望ましい。加えて、盛金性はブローホールのみでな
く、表面状態(表面のざらつき等)の良さも考えるべき
であり、この盛金合金のように、粉末形状にのみ依存す
ることなく、元素を添加することで改善する方がより確
実な制御が可能である。
【0008】前記特開平2−92495〜6号公報の盛
金合金は、ステライト合金に対し、基本的にCr、W、
Cの含有量を増し耐摩耗性確保に有効な炭化物硬質粒子
を増加させたことを特徴としているが、反面炭化物によ
る強化は相手攻撃性を向上させやすく、自己潤滑性を示
す元素であるMoを含有していないこともトータルの特
性として耐摩耗性を増加させやすくなる。
【0009】そこで、次期材料としてトリバロイT−4
00をフェース部に盛金したエンジンバルブが注目され
ているが、この盛金合金は耐摩耗性の点では優れるもの
の、若干相手攻撃性が高く、また盛金も盛金棒を用いた
酸素−アセチレンガス法でないと盛金し難いという難点
がある。
【0010】すなわち、トリバロイT−400では珪化
物(Co2Mo2Si)により、強度を確保し、かつ高温
で潤滑性を持たせているが、この珪化物を充分に形成さ
せるには、ある程度冷却速度が遅いほうが望ましい。ま
た、この珪化物は硬くて脆く、割れが発生し易いので、
バルブフェース盛金時の冷却時に生じる収縮応力をなる
べく小さくする必要がある。
【0011】そのためには、ガス盛金が最良であり、プ
ラズマ、レーザ等の冷却速度の速い高密度エネルギーに
よる盛金では、特性確保・製造性の両面から好ましくな
い。加えて、ガス盛金では自動化が難しいため、人件費
がかかるほか、ヒューム発生等の作業環境上の問題があ
げられ、材料の改良が望まれている。そこで、耐摩耗
性、相手攻撃性、盛金性およびコストの全ての点で、平
均的に優れる盛金合金の開発が望まれていた。
【0012】本発明は従来のコバルト系の盛金合金の前
記のごとき問題点を解決すべくなされたものであって、
高負荷運転されるエンジンバルブのフェース部に盛金さ
れて、耐摩耗性および相手攻撃性に優れ、しかも盛金性
の良いコバルト基盛金合金を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】発明者等は従来のコバル
ト系基盛金合金の高負荷運転下における耐摩耗性、相手
攻撃性および盛金性を改善するため、その成分組成につ
いて鋭意検討を重ねた。その結果、Fe含有量を増加す
ることにより、靱性を向上させるとともに酸化物を形成
して、潤滑材としての効果を発揮し、耐摩耗性および相
手攻撃性が改善されることを見出した。また、Alを添
加しO含有量を規制することにより、ブローホールの発
生が防止でき、さらにBを添加することにより、盛金性
およびビード形状の改良が可能であることを新たに知見
して本発明を完成した。
【0014】本発明の請求項1の耐摩耗性および相手攻
撃性に優れたコバルト基盛金合金は、重量比でCr;1
0〜25%、Mo;10%を越えて30%、W;1〜2
0%、Si;0.5〜5.0%、C;0.05〜3.0
%、O;0.01〜0.1%、Al;0.001〜0.
12%、Fe;30%以下、Ni;20%以下、Mn;
3%以下を含有し、残部がCoおよび不可避不純物元素
但し、Co量は30〜70重量%からなり、高温酸化雰
囲気で使用することを要旨とする。請求項2の発明はC
r;10〜40%およびB;0.01〜0.1%を含有
する請求項1に記載の高温酸化雰囲気で使用する耐摩耗
性および相手攻撃性に優れたコバルト基盛金合金であ
り、請求項3の発明は、Ta、Nb、V、Ti、Zr、
Hfから選ばれた1種もしくは2種以上を合計で2%以
下を含有することを特徴とする請求項1または請求項2
に記載の高温酸化雰囲気で使用する耐摩耗性および相手
攻撃性に優れたコバルト基盛金合金である。
【0015】本発明においては、必要に応じてさらに
B;0.01〜0.1%を含有せしめ、またはTa、N
b、V、Ti、Zr、Hfから選ばれた1種もしくは2
種以上を合計で2%以下を含有せしめることにより、さ
らに盛金性、耐摩耗性および相手攻撃性を改善すること
ができる。
【0016】
【作用】本発明においては、Feを30%以下含有せし
めたので、靱性を向上させるとともに酸化物を形成し
て、潤滑材としての効果を発揮し、耐摩耗性および相手
攻撃性が改善される。また、Alを添加しO含有量を規
制したので盛金性が改善されると共に盛金部のブーロホ
ールの発生を防止できる。さらに、Bを含有させること
により外部からのOの侵入を防止すると共に盛金性を改
善しビード形状を向上することができる。
【0017】また、本発明において含有される各元素の
作用・効果とその組成範囲の限定理由について説明する
と、次の通りである。 Cr;10〜25% CrはCoリッチ部に固溶し、固溶強化、耐酸化性向上
の効果がある。共晶部で炭化物を形成し、高温での強
度、耐摩耗性を確保する。その量が10%未満では上記
特性が充分に得られず、25%を越えると、前記効果が
過剰になるほか、合金の融点が上昇し、盛金性が悪化
し、さらにはコストも上昇する。これら効果は、特にC
r含有量が10〜25%の時にバランス良く優れる。
【0018】Mo;10%を越えて30% Moは主に共晶部に存在し、炭化物、珪化物を形成し、
材料を強化するとともに、高温酸化雰囲気で、酸化物を
形成し、潤滑材としての効果を示す。すなわち耐摩耗性
を向上させる。初晶部にも少なからず存在し、強度と耐
摩耗性を向上させる。その量が10%以下では、前記効
果が充分得られず、30%を越えると、強度が向上する
分靱性が低下し、相手攻撃性が悪化し、合金の融点上昇
による盛金性が低下、コトス上昇等を引き起こす。
【0019】W;1〜20% Wは共晶部に存在し、主に炭化物を形成する。これによ
って高温での強度と耐摩耗性を確保する。その量が1%
未満では前記の効果が充分に引き出せず、逆に20%を
越えると強度が向上する分、靱性が低下し、相手攻撃性
が悪化し、合金の融点上昇による盛金性の低下、コスト
上昇等を引き起こす。これらの効果は、特に含有量が1
〜10%の時にバランス良く優れる。
【0020】Si;0.5〜5.0% Siは主に共晶部に存在し、珪化物を形成する。また、
合金の融点を下げることで盛金時の湯流れ性を良くする
ので、盛金性を改善する効果がある。また、非金属介在
物を減少させる効果も有する。その量が0.5%未満で
は前記効果が得られず、5.0%を越えると、珪化物を
過剰に形成することによって、靱性が低下し、相手攻撃
性の低下を引き起こす。これら効果は特に0.5〜3.
5%の時にバランス良く優れる。
【0021】C;0.05〜3.0% Cは共晶部で炭化物を形成し、強度、耐摩耗性を向上さ
せる。0.05%未満では炭化物形成が不十分であり、
逆に3.0%を越えると炭化物が過剰となり、強度は向
上するが、靱性が低下し、相手攻撃性および盛金性が悪
化する。これらの効果は、特に0.1〜2.0%の時に
バランス良く優れる。
【0022】O;0.01〜0.1% Oは盛金後のビード表面に酸化物皮膜を形成し、ブロー
ホール発生の原因となる外部からのO侵入を防ぐ効果が
ある。この効果を引き出すには0.01%以上含有させ
る必要があるが、逆に過剰に添加するとブローホールそ
のものを形成することになるので、上限を0.1%とし
た。
【0023】Al;0.001〜0.12% Alは盛金合金粉末内に存在するOと結合しブローホー
ル発生を抑制すると共に、盛金後のビード表面に酸化物
保護皮膜の形成によってブローホール発生の原因となる
外部からのO侵入を防ぐ効果もある。その量が0.00
1%未満では充分な効果を期待できず、0.12%より
多いとビード形状の悪化を引き起こす。これら効果は特
に0.005〜0.12%の時に有効である。
【0024】Fe;30%以下 Feは主に材料の靱性を向上させる効果を有する。ま
た、酸化雰囲気で酸化物を形成し、潤滑材としての効果
も示す。この点を目的に30%まで加えても良い。しか
しながら過剰の添加は強度の確保が困難となるため、上
限を30%とした。
【0025】Ni;20%以下 Niは材料の靱性を高め、また比較的温度が低い条件下
での耐食性の確保を可能とする。この点を目的に20%
まで加えても良い。しかしながら、過剰の添加は耐摩耗
性の確保を困難にするため、上限を20%とした。
【0026】Mn;3%以下 Mnの添加により若干の湯流れ性の改善は見られるもの
の、含有量が多くなると耐摩耗性および強度が低下する
ので、上限を3%とした。
【0027】B;0.01〜0.1% Bは必要に応じて合金粉末に添加し、盛金性の改善すな
わちビード形状の改良、特にビード表面のざらつき改良
に効果がある。BはOおよびAl含有量が少ない場合お
よび盛金中に外部から侵入するOが少ない場合は特に添
加する必要はない。Bを添加する場合、その量は0.0
1%未満では上記効果が期待されず、0.1%より多い
とビード表面に形成する保護皮膜の融点を低下させ、外
部からのO侵入を防止する効果が低下する。なお、B添
加量はO量とAl量の関係において(O+Al)/Bの
重量比が1〜20であることが望ましい。この比が1よ
り小さくなると表面に生じる保護皮膜の融点が低下する
ことによりO侵入を防止する働きが低下し、20より大
きいとビード形状改良の効果が期待されないてめであ
る。
【0028】Ta、Nb、V、Ti、Zr、Hf;2%
以下 これら元素は耐摩耗性、耐酸化性あるいは盛金性に寄与
する元素であるため、この点を目的に合計2%まで含有
させても良い。しかしながら、2%を越えると、製造性
の悪化や、コスト高を招くことになるので、上限を2%
とした。
【0029】Co;残部但し、30〜70 前記のごとき各元素によってもたらされる耐摩耗性、相
手攻撃性、盛金性等の効果をバランス良く満たすために
は、Coベース材が最も適しており、その含有量は30
〜70%の間にある必要がある。
【0030】
【実施例】本発明の実施例を従来例および比較例と比較
しつつ説明し、本発明の効果を明らかにする。表1に示
す化学成分からなるコバルト基盛金合金を溶製し、合金
溶湯をN2ガスを使用したガス噴霧法により粉化し、そ
のままN2ガス雰囲気で冷却し、粉末盛金用Co基合金
粉末を得た。
【0031】なお、表1においてNo.〜9は本発明
の実施例であって、No.6および7はBを含有するも
の、No.8はNbおよびTaを含有するもの、No.
9はV、Zr、TiにさらにBを含有したものである。
また、No.10〜13は従来例であって、No.10
がステライト12、No.11がトリバロイT400、
No.12が特開昭62−33090、No.13が特
開平2−92495にそれぞれ相当する従来材である。
No.14〜16は比較例であって、No.14はO含
有量が本発明の組成範囲より高くAlを含有しないも
の、No.15はBを含有しO含有量が本発明の組成範
囲より高くAlを含有しないもの、No.16はAl含
有量が高いものである。
【0032】
【表1】
【0033】以上のようにして得られた粉末をそれぞれ
−80〜+350メッシュを篩い分け、プレート状試験
片上に、出力130A、処理速度3mm/secで、プ
ラズマ盛金を施し、ビード形状の観察と、盛金中のブロ
ーホールの有無をX線により調査した。その結果を表2
および表3に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】表3から明らかなように、従来材であるN
o.12にはブローホールが少々有り、また比較材N
o.14および15はO含有量が高かったためビード形
状が不均一である上にブローホールが観察され、No.
16はAl含有量が高かったためブローホールは無かっ
たもののビード形状が不良であった。
【0037】これに対して本発明例であるNo.〜9
は表2に示したように、ビード表面に多少ざらつきのあ
るものが有ったものの全体的にビード形状は良好であり
ブローホールも全く観察されなかった。
【0038】図2に示すようなエンジンバルブ1のフェ
ース部2に、本発明の実施例として表1に示す化学成分
のNo.〜9のコバルト基盛金合金を、プラズマ盛金
法(出力130A、処理速度8mm/sec)で盛金し
た。図1は実施例の盛金部の金属組織を表す顕微鏡写真
である。なお、比較のために、従来例No.10〜13
のステライト12、トリバロイT−400、特開昭62
−33090号公報の盛金合金、特開平2−92495
公報の盛金合金についても、同様にエンジンバルブ1の
フェース部2に盛金した。
【0039】これらエンジンバルブを使用して、2,4
00ccのガソリンエンジンを用いて、300時間の実
機耐久試験を行った。実機耐久試験後のエンジンバルブ
について、バルブステム突出量、バルブフェース摩耗
量、バルブシート摩耗量について測定した。なお、バル
ブステム突出量はバルブフェース摩耗量(耐摩耗性)と
バルブシート摩耗量(相手攻撃性)のトータル量を表す
量である。
【0040】得られた結果は、摩耗量の限界基準値を1
00とする指数で、表4および表5にまとめて示した。
また、プラズマ盛金処理に要する粉末の製造性(含コス
ト)、およびプラズマ盛金における盛金性についても実
機耐久試験の評価と共に比較して表6および表7に示し
た。なお、表6および表7中の粉末製造性および盛金性
の◎は優れる、○は普通、△はやや難ありを示す。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】表4および表5に示したように、実機耐久
試験の結果、従来例であるNo.10のステライト12
はバルブシート摩耗量は少なかったものの、ステム突出
量およびフェース摩耗量が100以上となった。また、
No.11のトリバロイはフェース摩耗量が少なかった
ものの、相手攻撃性が高くステム突出量およびバルブシ
ート摩耗量がともに100以上であった。
【0046】従来例のNo.12の特開昭62−330
90号公報の盛金合金およびNo.13の特開平2−9
2495号公報の盛金合金は相手攻撃性は低かったもの
の、ステム突出量およびフェース摩耗量が100以上と
なった。
【0047】これに対して、本発明の実施例はフェース
摩耗量が5〜30で耐摩耗性に優れ、相手攻撃性につい
てもバルブシート摩耗量が5〜70であって、これに伴
ってステム突出量も20〜55となっており、本発明に
よれば耐摩耗性および相手攻撃性に優れたエンジンバル
ブの得られることが確認された。
【0048】また、表6および表7から明らかなよう
に、粉末製造性および盛金性についても、本発明の実施
例は従来例と比較して良好なレベルにあり、何等遜色な
いことが判明した。なお、本実施例はプラズマ盛金法に
より盛金を行ったが、本発明品について、レーザ法(C
2レーザ使用、出力2.7KW)および酸素−アセチ
レンガス法によって、同様にエンジンバルブのフェース
部に盛金して、同じ条件で実機耐久試験を行ったとこ
ろ、本実施例と同様の結果が得られることが確認され
た。
【0049】
【発明の効果】本発明の耐摩耗性および相手攻撃性に優
れたコバルト基盛金合金は以上詳述したように、コバル
ト基合金であるステライトをベースにして、Feを30
%以下含有せしめたので、靱性を向上させるとともに酸
化物を形成して、潤滑材としての効果を発揮し、含有さ
れるCr、MoおよびWがCoリッチマトリクスを固溶
強化すると共に、CおよびSiと炭化物あるいは珪化物
を形成するので、高負荷運転されるエンジンバルブのフ
ェース部に盛金されると、エンジンバルブの耐摩耗性を
向上し、同時に相手攻撃性をも満足する。また、Alを
添加しO含有量を規制したので盛金性が改善されると共
に盛金部のブローホールの発生を防止できる。さらに、
必要に応じてBを含有させることにより外部からのOの
侵入を防止すると共に盛金性を改善しビード形状を向上
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の盛金部の金属組織を400倍
にて表す顕微鏡写真である。
【図2】本発明の実施例に用いたエンジンバルブの部分
側断面図である。
【図3】従来のステライトを用いた盛金の金属組織を4
00倍にて表す顕微鏡写真である。
【図4】従来のトリバロイを用いた盛金の金属組織を4
00倍にて表す顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 エンジンバルブ 2 フェース部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 信 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 仲川 政宏 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 森 和彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 村瀬 博之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 田口 篤 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛三工業株式会社内 (72)発明者 日高 謙介 京都府京都市左京区岩倉忠在地町6番地 (72)発明者 田中 完一 京都府八幡市川口浜19番地 (72)発明者 小平 良男 京都府宇治市槙島町一ノ坪318番地 (56)参考文献 特開 昭62−33090(JP,A) 特開 昭61−12843(JP,A) 特開 平2−20691(JP,A) 特開 平2−11292(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/30 C22C 19/07 F01L 3/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比でCr;10〜25%、Mo;1
    0%を越えて30%、W;1〜20%、Si;0.5〜
    5.0%、C;0.05〜3.0%、O;0.01〜
    0.1%、Al;0.001〜0.12%、Fe;30
    %以下、Ni;20%以下、Mn;3%以下を含有し、
    残部がCoおよび不可避不純物元素但し、Co量は30
    〜70重量%からなることを特徴とする高温酸化雰囲気
    で使用する耐摩耗性および相手攻撃性に優れたコバルト
    基盛金合金。
  2. 【請求項2】 重量比でCr;10〜25%、Mo;1
    0%を越えて30%、W;1〜20%、Si;0.5〜
    5.0%、C;0.05〜3.0%、O;0.01〜
    0.1%、Al;0.001〜0.12%、Fe;30
    %以下、Ni;20%以下、Mn;3%以下を含有し、
    さらにB;0.01〜0.1%を含有し、残部がCoお
    よび不可避不純物元素但し、Co量は30〜70重量%
    からなることを特徴とする高温酸化雰囲気で使用する
    摩耗性および相手攻撃性に優れたコバルト基盛金合金。
  3. 【請求項3】 Ta、Nb、V、Ti、Zr、Hfから
    選ばれた1種もしくは2種以上を合計で2%以下を含有
    することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    高温酸化雰囲気で使用する耐摩耗性および相手攻撃性に
    優れたコバルト基盛金合金。
JP27656391A 1991-09-27 1991-09-27 耐摩耗性および相手攻撃性に優れたコバルト基盛金合金 Expired - Lifetime JP3287865B2 (ja)

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