JPH08269775A - 摺動面構成体 - Google Patents
摺動面構成体Info
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Abstract
耐酸性と耐焼付き性を発揮する摺動面構成体を提供す
る。 【構成】 摺動面構成体4はFe結晶の集合体より構成
される。集合体におけるCr含有量は2重量%≦Cr≦
48重量%である。摺動面4aにおける六角錐状Fe結
晶6の面積率Aは40%≦A≦100%である。Crの
含有により摺動面構成体4は優れた耐酸性を発揮する。
摺動面4aは、多数の六角錐状Fe結晶6の存在により
入組んだ様相を呈するので良好な保油性を有する。
Description
e結晶の集合体より構成され、耐酸性を有する摺動面構
成体に関する。
よびメタノールエンジンにおいて、そのシリンダスリー
ブを鋳鉄より構成したものが知られている。
おいては、燃料の燃焼に伴い硫酸が生成され、またメタ
ノールエンジンにおいては燃料の燃焼に伴いギ酸が生成
される。
酸性を具備することが要求されるが、現状ではこのよう
な要求を満足する手段は開発されていない。
ーブ内周面等に設けられて、その耐酸性向上に寄与し、
また優秀な摺動特性を発揮することのできる前記摺動面
構成体を提供することを目的とする。
体は、Fe結晶の集合体より構成され、その集合体にお
けるCr含有量が2重量%≦Cr≦48重量%であり、
また摺動面における角錐状Fe結晶の面積率Aが40%
≦A≦100%であることを特徴とする。
ように設定すると、CrはFeと共に置換型固溶体を構
成し、酸を含む腐食性摺動環境においては摺動面が、そ
の各角錐状Fe結晶表面に固体皮膜が形成されることに
より不働態化するので、摺動面構成体は優れた耐酸性を
発揮する。
うに設定すると、相隣る両角錐状Fe結晶は相互に食込
んだ状態を呈し、したがって摺動面は、多数の微細な山
部と、それら山部の間に形成された多数の微細な谷部
と、山部相互の食込みに因る多数の微細な沢部とからな
る入組んだ様相を呈する。
が酸を含む腐食性摺動環境に置かれても各角錐状Fe結
晶の腐食(酸化)が抑制されるので、潤滑下では、摺動
面構成体の保油性が良好に維持され、一方、無潤滑下で
は、多数の微細な角錐状Fe結晶により摺動荷重の分散
が図られる。これにより摺動面構成体は、潤滑下および
無潤滑下において、優れた耐焼付き性を発揮する。
動面構成体の耐酸性向上度合が低くなる。一方、Cr>
48重量%ではCr−Fe系金属間化合物の生成量が多
くなるため、摺動面においてFe結晶が粒状化し易く、
また前記化合物の粒界偏析に起因して摺動面構成体の強
度が低下する。さらに、角錐状Fe結晶の面積率AがA
<40%では摺動面が単純化傾向となるので望ましくな
い。
ダブロック1はAl合金製シリンダブロック本体1aと
鋳鉄製シリンダスリーブ2とを備え、そのシリンダスリ
ーブ2の内周面3にメッキ処理により層状摺動面構成体
4が形成される。シリンダスリーブ2内にはAl合金製
ピストンPが摺動自在に設けられる。
立方構造(bcc構造)を持つFe結晶の集合体より構
成される。また集合体は添加元素であるCrを含有し、
その集合体におけるCr含有量は2重量%≦Cr≦48
重量%に設定される。集合体は、図3に示すように、シ
リンダスリーブ2の内周面3より柱状に成長し、且つミ
ラー指数で(hhh)面を、摺動面4a側に向けた多数
の(hhh)配向性Fe結晶5、またはシリンダスリー
ブ2の内周面3より柱状に成長し、且つミラー指数で
(2hhh)面を摺動面4a側に向けた多数の(2hh
h)配向性Fe結晶の少なくとも一方を有する。
数で(hhh)面を摺動面4a側に向けた多数の(hh
h)配向性Fe結晶5を有する場合、それら(hhh)
配向性Fe結晶5の先端部を、図4に示すように摺動面
4aにおいて六角錐状Fe結晶6、または図5に示すよ
うに三角錐状Fe結晶7にすることができる。六角錐状
Fe結晶6は、三角錐状Fe結晶7に比べて平均粒径が
小さく、且つ粒径も略均一である。六角錐状Fe結晶6
等において、粒径と高さとの間には相関関係があり、し
たがって粒径が略均一である、ということは高さも略等
しいということである。
hhh)面を摺動面4a側に向けた多数の(2hhh)
配向性Fe結晶を有する場合、それら(2hhh)配向
性Fe結晶の先端部を小角錐状Fe結晶にすることがで
きる。
状Fe結晶といった角錐状Fe結晶の、摺動面4aにお
ける面積率Aは40%≦A≦100%に設定される。
記のように設定すると、CrはFeと共に置換型固溶体
を構成し、酸を含む腐食性摺動環境においては摺動面4
aが、例えば、各六角錐状Fe結晶6表面に固定皮膜が
形成されることにより不働態化するので、摺動面構成体
4は優れた耐酸性を発揮する。
図4に示すように六角錐状Fe結晶6において、相隣る
ものは相互に食込んだ状態となる。これにより摺動面4
aは、三角錐状Fe結晶7より形成される場合に比べて
表面積を拡大され、また多数の極微細な山部8と、それ
ら山部8の間に形成された多数の極微細な谷部9と、山
部8相互の食込みに因る多数の極微細な沢部10とから
なる非常に入組んだ様相を呈する。
れが硫酸を含む腐食性摺動環境に置かれても各六角錐状
Fe結晶6の腐食(酸化)が抑制されるので、潤滑下で
は、摺動面構成体4の保油性が良好に維持され、一方、
無潤滑下では、多数の極微細な六角錐状Fe結晶6によ
り摺動荷重の分散が図られる。これにより摺動面構成体
4は、潤滑下および無潤滑下において、優れた耐焼付き
性を発揮する。
伴い、局部的な高面圧化を回避すると共に摺動荷重の微
細分化を達成することができ、これにより摺動面構成体
4は、潤滑下では勿論のこと、無潤滑下においても優れ
た耐摩耗性を発揮する。
面11に対する(hhh)面の傾きは六、三角錐状Fe
結晶6,7の傾きとなって現われるので、摺動面構成体
4の保油性および耐摩耗性に影響を与える。そこで、
(hhh)面が仮想面11に対してなす傾き角θは0°
≦θ≦15°に設定される。この場合、(hhh)面の
傾き方向については限定されない。傾き角θがθ>15
°になると、摺動面構成体4の保油性および耐摩耗性が
低下する。この傾き角θは(2hhh)面についても同
じである。
理において、電気Feメッキ処理を行う場合のメッキ浴
条件は、表1の通りである。
つ水溶性であるものが用いられ、例えば無水クロム酸、
硫酸クロム、クロムミョウバン(硫酸クロムカリウム、
硫酸クロムアンモニウム等)、塩化クロム(III )、ホ
ウフッ化クロム等が該当する。
適用される。パルス電流法においては、図7に示すよう
に、メッキ用電源の電流Iは、その電流Iが最小電流I
minから立上って最大電流Imax に至り、次いで最小電
流Imin へ下降するごとく、時間Tの経過に伴いパルス
波形を描くように制御される。
始時までの通電時間をTONとし、また先の立上り開始時
から次の立上り開始時までを1サイクルとして、そのサ
イクル時間をTC としたとき、通電時間TONとサイクル
時間TC との比、即ち、時間比TON/TC はTON/TC
≦0.45に設定される。最大陰極電流密度CDmax
はCDmax≧2A/dm2 に、また平均陰極電流密度C
DmはCDm≧1A/dm2 にそれぞれ設定される。
ッキ浴内において電流が流れたり、流れなかったりする
ことに起因して陰極近傍のイオン濃度が均一化され、こ
れにより摺動面構成体4の組成を安定化させることがで
きる。
浴条件および通電条件を変えることによって(hhh)
配向性Fe結晶または(2hhh)配向性Fe結晶の析
出、その存在量等を制御する。この制御は、パルス電流
法の適用下では容易であり、したがって摺動面4aを狙
い通りの形態に形成し易くなる。また摺動面構成体4に
おいて、Cr含有量を正確に制御すると共にCrを均一
に分散させるため、電気Feメッキ処理中、メッキ浴と
同一組成および同一温度に調整された補充液を陽、陰極
間に所定の供給量にて供給する。これを行わない場合に
は、メッキ浴におけるCr含有添加剤濃度にばらつきが
生じるため、摺動面構成体4におけるCr含有量の制御
が困難となる。
は、通常、メッキ浴におけるCr含有添加剤濃度により
制御されるが、その濃度を含むその他のメッキ浴条件が
一定の場合には最大陰極電流密度CDmaxおよび平均
陰極電流密度CDmにより制御される。
含有させると摺動面構成体4の耐酸性を向上させること
ができるが、さらに前記集合体にNiをNi≧2%含有
させると、耐酸性を一層向上させることが可能である。
これは摺動面4aの不働態化がNiの添加により増進さ
れるからである。
められる。即ち、Cr<10重量%のときNi=40重
量%であり、また10重量%≦Cr<20重量%のとき
Ni=30重量%であり、さらに20重量%≦Cr<3
0重量%のときNi=20重量%であり、さらにまた3
0重量%≦Cr≦48重量%のときNi=10重量%で
ある。各場合において、Ni含有量がその上限値を超え
ると、Ni系金属間化合物の生成量が多くなるため、摺
動面4aにおいてFe結晶が粒状化し易く、また前記化
合物の粒界偏析に起因して摺動面構成体4の強度が低下
する。
ては、Niを含み、且つ水溶性であるものが用いられ、
例えば硫酸ニッケル、塩化ニッケル、スルファミン酸ニ
ッケル、スルホサリチル酸ニッケル、酢酸ニッケル等が
該当する。その添加量は300g/リットル以下であ
る。
成体4におけるNi含有量を正確に制御すると共にNi
を均一に分散させるため、電気Feメッキ処理中、メッ
キ浴と同一組成および同一温度に調整された補充液を
陽、陰極間に所定の供給量にて供給する。また摺動面構
成体4におけるNi含有量は、通常、メッキ浴における
Ni含有添加剤濃度により制御される。
の外に、例えば気相メッキ法であるPVD法、CVD
法、スパッタ法、イオンプレーティング等を挙げること
ができる。 (1) Crを含有する摺動面構成体について 鋳鉄(JIS FC250)よりなるシリンダスリーブ
2の内周面3に、電気Feメッキ処理を施すことにより
Fe結晶の集合体より構成された厚さ15μmの摺動面
構成体4を形成した。
〜16に関するメッキ浴組成を、また表3は例1〜16
に関するメッキ浴のpHおよび温度ならびにパルス電流
法の実施条件をそれぞれ示す。なお、メッキ処理時間
は、例1〜16における厚さを前記のように15μmに
設定すべく、5〜60分間の範囲内で種々変化させた。
また前記補充液の供給量は0.5リットル/min に設定
された。
例9〜12、表7は例13〜16に関する摺動面の結晶
形態、摺動面における三、六角錐状Fe結晶の面積率A
および粒径、各配向性Fe結晶の存在率S、Cr含有量
ならびに摺動面構成体断面における硬さをそれぞれ示
す。
面の面積をb、その摺動面において全部の三、六角錐状
Fe結晶が占める面積をcとしたとき、A=(c/b)
×100(%)として求められた。また六角錐状Fe結
晶の粒径は、頂点を挟んで相対向する両角部間の距離、
即ち、三本の対角線の長さの平均値である。三角錐状F
e結晶の粒径は、各角部から頂点を通って各対向辺に至
る距離、即ち、三つの距離の平均値である。
6のX線回折図(X線照射方向は摺動面に対して直角方
向)に基づいて次式から求められた。一例として、例4
のX線回折図を図8に示す。なお、例えば{110}配
向性Fe結晶とは、{110}面を摺動面側に向けた配
向性Fe結晶を意味する。 {110}配向性Fe結晶:S110 ={(I110 /IA110 )/T}×100、 {200}配向性Fe結晶:S200 ={(I200 /IA200 )/T}×100、 {211}配向性Fe結晶:S211 ={(I211 /IA211 )/T}×100、 {310}配向性Fe結晶:S310 ={(I310 /IA310 )/T}×100、 {222}配向性Fe結晶:S222 ={(I222 /IA222 )/T}×100 ここで、I110 、I200 、I211 、I310 、I222 は各
結晶面のX線反射強度の測定値(cps)であり、また
IA110 、IA200 、IA211 、IA310 、IA222 は
ASTMカードにおける各結晶面のX線反射強度比で、
IA110 =100、IA200 =20、IA211 =30、
IA310 =12、IA222 =6である。さらにTは、T
=(I110 /IA110 )+(I200 /IA200 )+(I
211 /IA211 )+(I310 /IA310 )+(I222 /
IA222 )である。
造を示す顕微鏡写真であり、多数の六角錐状Fe結晶が
観察される。この場合、表4に示すように、六角錐状F
e結晶の面積率AはA=90%である。この六角錐状F
e結晶は(hhh)面、したがって{222}面を摺動
面側に向けた{222}配向性Fe結晶であり、その
{222}配向性Fe結晶の存在率Sは、表4、図8に
示すように、S=91.5%である。
構造を示す顕微鏡写真であり、多数の六角錐状Fe結晶
が観察される。この場合、表4に示すように、六角錐状
Fe結晶の面積率AはA=90%である。この六角錐状
Fe結晶は前記同様に{222}配向性Fe結晶であ
り、その存在率Sは、表4に示すように、S=93.4
%である。
1,5,9,13を除いて、シリンダスリーブ2より例
2〜4,6〜8,10〜12,14〜16を剥離し、次
いで例2等について、過塩素酸酸化過マンガン酸カリウ
ム滴定法(JIS G1217)に則って分析を行う、
という方法で行われた。
(酸化)テストを行った。即ち、例1〜16を、沸騰し
ている5%硫酸中に2時間浸漬し、次いで例1〜16を
30%硝酸中に浸漬して例1等から腐食生成物を除去
し、その後、直ちに例1〜16を流水にて洗浄し、乾燥
した。
る摺動面の結晶構造を示す顕微鏡写真であり、多数の六
角錐状Fe結晶が、同図(a)の腐食テスト前の状態と
殆ど変わらない状態で残存していることが観察される。
これは例4におけるCr含有量がCr=10重量%であ
ることに起因する。
ける摺動面の結晶構造を示す顕微鏡写真であり、同図
(a)の六角錐状Fe結晶が腐食されて粒状化している
ことが観察される。この粒状化は例1におけるCr含有
量がゼロであることに起因する。
チップを作製し、それらについて、潤滑下でチップオン
ディスク方式による焼付きテストを行って、焼付き発生
荷重を測定したところ、表8の結果を得た。テスト条件
は次の通りである。ディスクの材質:Al−10重量%
Si合金;ディスクの周速度:15m/sec ;給油量:
0.3ml/min ;チップの摺動面の面積:1cm2 .
Fe結晶の面積率Aと焼付き発生荷重との関係をCr含
有量別に示したものである。図中、点(1)〜(16)
は例1〜16にそれぞれ対応する。
2は他の例1,2等に比べて焼付き発生荷重が格段に高
いことが判る。これは次の理由による。即ち、例3,
4,7,8,11,12においては、Cr含有量がCr
≧2重量%に設定されていることから例3等が優れた耐
酸性を発揮し、その結果、腐食テスト後においても前記
面積率A≧40%が維持される、つまり良好な保油性が
維持されているからである。例1は前記粒状化に伴い、
例4に比べて耐焼付き性は極端に低くなる。
(JIS FC250)よりなるディスクの一面外周部
に前記同様の方法で例1〜16を形成し、それらについ
て、濃度35重量%の硫酸中にてチップオンディスク方
式による摩耗テストを行い、腐食摩耗率を測定したとこ
ろ、表9の結果を得た。テスト条件は次の通りである。
チップの材質:Al−10重量%Si合金;ディスクの
周速度:0.15m/sec ;チップに対する押圧力:2
MPa(一定);チップの摺動面の面積:1cm2 ;摺動
距離:200〜500m;腐食摩耗率:ディスクの重量
減少量(mg)/摺動距離(m).
Fe結晶の面積率Aと腐食摩耗率との関係をCr含有量
別に示したものである。図中、点(1)〜(16)は例
1〜16にそれぞれ対応する。
2は他の例1,2等に比べて腐食摩耗が大いに抑制され
ていることが判る。これは次の理由による。即ち、例
3,4,7,8,11,12においては、Cr含有量が
Cr≧2重量%に設定されていることから例3等が優れ
た耐酸性を発揮する。その結果、摩耗テスト中において
も前記面積率A≧40%が維持されるので、局部的な高
面圧化が回避されると共に摺動荷重の微細分化が達成さ
れるからである。因に、例1〜16を持たない鋳鉄(J
IS FC250)製ディスクの腐食摩耗率は0.45
mg/mであった。 (2) CrおよびNiを含有する摺動面構成体につい
て 鋳鉄(JIS FC250)よりなるシリンダスリーブ
2の内周面3に、電気Feメッキ処理を施すことにより
Fe結晶の集合体より構成された厚さ15μmの摺動面
構成体4を形成した。
メッキ浴組成を、また表11は例1〜3に関するメッキ
浴のpHおよび温度ならびにパルス電流法の実施条件を
それぞれ示す。なお、メッキ処理時間は、例1〜3にお
ける厚さを前記のように15μmに設定すべく、5〜6
0分間の範囲内で種々変化させた。また前記補充液の供
給量は0.5リットル/min に設定された。
晶の存在率Sを示し、表13は例1〜3に関する摺動面
の結晶形態、摺動面における六角錐状Fe結晶の面積率
Aおよび粒径、CrおよびNi含有量ならびに摺動面構
成体断面における硬さをそれぞれ示す。
e結晶の面積率A、粒径およびCr含有量の求め方は前
記と同じである。Ni含有量の測定は、Niを含有しな
い例1を除き、シリンダスリーブ2から剥離された例
2,3について、くえん酸添加吸光光度法(JIS G
1216)に則って分析を行う、という方法で行われ
た。
うな腐食(酸化)テストを行った。即ち、例1〜3を、
沸騰している5%硫酸中に2時間浸漬し、次いで例1〜
3を30%硝酸中に浸漬して例1等から腐食生成物を除
去し、その後、直ちに例1〜3を流水にて洗浄し、乾燥
した。
ップを作製し、それらについて、潤滑下でチップオンデ
ィスク方式による焼付きテストを行って、焼付き発生荷
重を測定したところ、表14の結果を得た。テスト条件
は前記と同じである。
をグラフ化したものである。図13、表13,14か
ら、例2,3の如く、Cr含有量=2重量%において、
Niを含有させると焼付き発生荷重が向上することが判
る。この場合、例3の如く、Ni含有量をNi≧1重量
%に設定すると、耐焼付き性が格段に高くなる。
ず、ピストン、ピストンリング等の耐酸性を要求される
各種摺動部材に適用される。
た構造を具備することにより、鋳鉄製シリンダスリーブ
内周面等に設けられて、その耐酸性向上に寄与し、また
優秀な摺動特性を発揮する摺動面構成体を提供すること
ができる。
す一部拡大縦断面図である。
hh)面を示す斜視図である。
す説明図である。
り、(a)は腐食テスト前に、(b)は腐食テスト後に
それぞれ該当する。
あり、(a)は腐食テスト前に、(b)は腐食テスト後
にそれぞれ該当する。
生荷重との関係を示すグラフである。
量との関係を示すグラフである。
ように設定すると、CrはFeと共に置換型固溶体を構
成し、酸を含む腐食性摺動環境においては摺動面が、そ
の各角錐状Fe結晶表面に固体皮膜が形成されることに
より不動態化するので、摺動面構成体は優れた耐酸性を
発揮する。
記のように設定すると、CrはFeと共に置換型固溶体
を構成し、酸を含む腐食性摺動環境においては摺動面4
aが、例えば、各六角錐状Fe結晶6表面に固定皮膜が
形成されることにより不動態化するので、摺動面構成体
4は優れた耐酸性を発揮する。
含有させると摺動面構成体4の耐酸性を向上させること
ができるが、さらに前記集合体にNiをNi≧1重量%
含有させると、耐酸性を一層向上させることが可能であ
る。これは摺動面4aの不動態化がNiの添加により増
進されるからである。
率との関係を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 Fe結晶の集合体より構成され、その集
合体におけるCr含有量が2重量%≦Cr≦48重量%
であり、また摺動面における角錐状Fe結晶の面積率A
が40%≦A≦100%であることを特徴とする摺動面
構成体。 - 【請求項2】 前記角錐状Fe結晶は、ミラー指数で
(hhh)面を摺動面側に向けた(hhh)配向性Fe
結晶、またはミラー指数で(2hhh)面を摺動面側に
向けた(2hhh)配向性Fe結晶の少なくとも一方で
ある、請求項1記載の摺動面構成体。 - 【請求項3】 前記角錐状Fe結晶は、ミラー指数で
(hhh)面を摺動面側に向け、且つ六角錐状をなす
(hhh)配向性Fe結晶である、請求項1または2記
載の摺動面構成体。 - 【請求項4】 前記集合体はNiを含有している、請求
項1,2または3記載の摺動面構成体。
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