JPH07316791A - 昇華性材料の蒸着方法 - Google Patents

昇華性材料の蒸着方法

Info

Publication number
JPH07316791A
JPH07316791A JP11123794A JP11123794A JPH07316791A JP H07316791 A JPH07316791 A JP H07316791A JP 11123794 A JP11123794 A JP 11123794A JP 11123794 A JP11123794 A JP 11123794A JP H07316791 A JPH07316791 A JP H07316791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
evaporation
sublimable
film
evaporation source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11123794A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Takeuchi
寛 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP11123794A priority Critical patent/JPH07316791A/ja
Publication of JPH07316791A publication Critical patent/JPH07316791A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 本発明は昇華性材料を真空中で加熱し、基板
の表面にその薄膜を生成する方法に関するものである。 【構成】 蒸発源に装備した昇華性材料の表面に対する
法線9を、前記蒸発源に対向する基板1の取り付け範囲
から外すように蒸発源を傾斜させて設置する。蒸発材中
に含まれる非昇華性材料で構成される半溶融状の粒状析
出物(以下、析出物)が熱衝撃で突沸を生じた際、前記
析出物が蒸発源の上方に設置された基板1に衝突する確
率を低下させ、良質の膜を生成することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜形成技術に関するも
のであり、詳しくは突起、ピンホール等の欠陥の無い高
品質な昇華性材料の蒸着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】真空蒸着法やイオンプレーティング法等
の物理的気相成長法(P・V・D法)は半導体やセンサ
等の電子部品の構造膜や機能性膜の生成法として広く利
用されており、生成膜の材料も金属やセラミック等多岐
にわたっている。
【0003】これらの材料は一般的に加熱によって溶融
し、固相→液相→気相と変態して蒸発してゆくが、昇華
性材料は他の材料と異なり加熱すると固相から直接気相
に変態して蒸発する。
【0004】このため、昇華性材料の蒸気は、比較的運
動エネルギーが小さく、膜の生成時には蒸発源に直接面
している部分だけでなく、側面や背面にまで回り込みが
多いという特徴を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような昇華性材料
は、その中に僅かな組成ずれのため、昇華性を有しない
成分や他の元素による不純物成分が含まれており、これ
らの不純物は一般の材料と同じように、加熱すると溶融
液化して微細な球状になるが、気化するために十分な熱
が得られない場合には、そのまま蒸発材の表面に析出す
る。
【0006】このため、この状態で加熱を継続すると、
蒸発材の大半が気化した時に生じる蒸発材の急激な形状
崩れや材料の界面で生じる急激な温度差等の外力が加わ
った際に、蒸発材の表面に析出した球状不純物は熱エネ
ルギーの急変によって突沸状に飛散し、蒸発源に対向し
て配置した被蒸着基板に衝撃して生成中の膜の表面に溶
着したり、その表面に衝突痕を形成してしまう。
【0007】また、加熱方式が電子ビームによる場合、
球状不純物の下部では電子ビームの照射による熱が十分
に伝わらないため、球状不純物がマスクとなってその下
側に蒸発材の柱状の残渣が発生する。
【0008】この残渣は、他の部分に比べて気化レート
が低下し、周辺の昇華性成分が気化した後に、徐々に気
化してゆき、最後には柱状の残渣が消滅するが、その際
に、柱状残渣の先端に存在する析出物は熱エネルギーに
よって突沸状に飛散して、これまた被蒸着基板に生成中
の膜に悪影響を与えていた。
【0009】この現象は、特に高レートで膜を生成する
場合やブロック状の蒸発材料を使用する場合に著しく、
ピンホールの発生や生成膜の材料に機械的、熱的なダメ
ージを与えていた。
【0010】本発明は昇華性材料の成膜時に発生する突
沸現象によって、基板上に生成した膜に生じるピンホー
ルや突起、衝突痕跡の発生、及び下地材料に与える影響
を低減する昇華性材料の蒸着方法を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、蒸発源である昇華性蒸発材料の表面に対
する法線が、被蒸着基板の取り付け範囲外を通るよう
に、蒸発源を傾斜させて設置し蒸着するものである。
【0012】
【作用】この構成により、昇華によって蒸発する分子団
と、突沸によって蒸発源から飛散する不純物との運動エ
ネルギーの差による挙動の差を利用して、析出物が基板
に到着する確率を低減して生成膜の高品質化を図ること
が出来る。
【0013】すなわち、一般に真空中で蒸発材を加熱、
気化したときの蒸発速度の方向性分布曲線は方向角度±
90°内の範囲においてコサインまたはコサイン三乗則
に従うとされている。昇華性材料の蒸発においても概
ね、この法則に則っている。これに対し、不純物の突沸
現象は、飛散粒子の質量が前記蒸気とはけた違いに大き
いため直線性の高い運動をする。
【0014】この差に着目し、不純物の飛散状態の観察
結果から、蒸発源とその上方に位置する被蒸着基板との
相対的な位置関係を種々検討し、以下の作用効果を得
た。すなわち、蒸発源の表面に対する法線が被蒸着基板
の配置範囲外になるように蒸発源を傾けた状態で使用す
ると、昇華によって蒸発する分子団の付着に比較して突
沸現象発生時の不純物が基板表面に衝突する比率を低減
することができる。だから、析出物の溶着、衝突痕、ピ
ンホールの発生を低減し、良質な膜の生成を可能にする
ことができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。
【0016】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例
における蒸着装置を示すものである。
【0017】図において、12の真空槽、1は基板、2
は基板取り付け用のドーム、3は回転式ハース、4は蒸
発材、5はフィラメントである。また7は電子ピーム軌
跡、8はドーム2の回転中心線、9は法線、13は蒸発
源の表面を表す。
【0018】以上のように構成された蒸着装置につい
て、次に、その動作を説明する。基板1を固定するドー
ム2と、ドーナツ型抜き形状の回転式ハース3を備えた
電子ビーム加熱式蒸発源を真空槽12内に設置する。こ
のとき、ドーム2の回転中心線8上に、蒸発源の表面1
3があり、蒸発材4の表面に対する法線9がドーム2の
端部2aから外れるように、回転中心線8に対し30度
傾斜するように構成する。この装置を用いて、ガラス製
の基板1上に3μmのSiO膜を生成した。
【0019】蒸発材には、10×15×15(mm3
〜10×30×15(mm3)のブロック状のSiOを
用い、これを回転式ハース3の中に配置し、連続的に回
転式ハース3を回転しながら蒸着した。
【0020】蒸着は次の条件で行った。 真空度:1×10-5Torr 基板温度:300℃ 蒸着速度:0.5μm/分 電子ビーム出力:1.4KW 以上のように、SiO膜を生成した基板1の表面は、膜
に付着する突起物、衝突痕が少なく、従来に比べて不良
品が10倍以上少なくなり、改善されていた。
【0021】なお、電子銃取り付け台座6を傾けるかわ
りに、図3に示すように蒸発材4を傾けてもよい。この
傾きにより、蒸発材4の表面に対する法線がドーム2の
端部2aから外れるように設置することができ、図1に
示す装置と同様の効果をもって蒸着することができる。
【0022】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について、図2を用いて説明する。
【0023】図2に示すように、本実施例における真空
蒸着装置は、真空槽12内に、基板1が固定する基板取
り付け用ドーム2に固定されている。
【0024】また、メッシュ状の蓋11を備えたセラミ
ック製ボート14の中にタングステン製ヒーター10を
挿入した抵抗加熱式蒸発源を、ドーム2の回転中心線8
上に設置し、かつ、蒸発材4の表面13に対する法線9
がドーム2の端部2aから外れるように、前記ドームの
回転中心線8に対して30度傾斜するように設置されて
いる。このように構成された真空蒸着装置を用いて、ガ
ラス製の基板1上に3μmのSiO膜を生成した。
【0025】なお、蒸着は下記の条件で行った。 真空度:1×10-5Torr 基板温度:300℃ 蒸着速度:0.5μm/分 ヒーター加熱電力:2.0KW 以上によりSiO膜を生成した基板1の表面は、実施例
1と同様に、膜に付着する突起物、衝突痕が少なく、従
来に比べて不良となるものが非常に少ないものであっ
た。
【0026】ここで、実施例1および2と比較するため
に、従来の蒸着法による比較列を行った。
【0027】(比較例)図1に示した実施例と基本構成
が同じ装置を用いて、従来法による蒸着を行った。本比
較例では、本発明の各実施例とは異なり、蒸発材の表面
に対する法線9がドーム2の回転中心線8とほぼ一致す
るように設置して真空蒸着法を用いて、ガラス製の基板
1上に3μmのSiO膜を生成した。
【0028】蒸発材料には、実施例1,2と同様に、1
0〜30mm□×15mmtのブロック状のSiOを上
記回転式ハース3の中に配置し、連続的にハースを回転
しながら蒸着した。
【0029】蒸着は実施例1と同様の下記の条件で行っ
た。 真空度:1×10-5Torr 基板温度:300℃ 蒸着速度:0.5μm/分 電子ビーム出力:1.4KW 次の(表1)に各実施例および比較例の結果を示す。
【0030】
【表1】
【0031】(表1)の欄中は顕微鏡による表面観察に
より不純物の分布をカウントしたものであり、その中に
点在する黒い点が不純物の付着をあらわしている。
【0032】生成膜の表面状態の評価は、SiO膜を生
成した基板の表面を光学顕微鏡で観察し、一定面積内の
SiO膜に付着する突起物、衝突痕の数で比較した。
【0033】各実施例、比較例により基板1上に生成し
たSiO膜の表面を光学顕微鏡で観察すると、(表1)
に示すように表面に溶着した析出物の数は、比較例(従
来法)に比べ10倍以上少なくなっており、改善されて
いた。
【0034】以上の説明から明らかなように、本発明の
昇華性材料の蒸着方法は、蒸発の際に不純物が発生し、
これが急激な温度変化で突沸、飛散し、基板上に生成し
た膜質を劣化させるという昇華性材料特有の現象による
生成膜への影響を大きく改善する。
【0035】尚、本発明の実施例をSiO膜の生成例で
説明したが、他の昇華性材料を用いた場合、例えば液晶
パネルの透明電極材料として有名なITO膜の生成等に
も有効な方式である。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、気相成長法により基板
の表面に昇華性材料の膜を生成する際に、蒸発源を傾斜
させてあるので、蒸発中に発生する突沸現象によって飛
散する析出物が基板表面に衝突する確率を低減し、析出
物の溶着、衝突痕、ピンホールの発生を防止し、高速で
良質な膜の生成が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における蒸着装置の構成
【図2】本発明の第2の実施例における蒸着装置の構成
【図3】本発明の第1の実施例における他の蒸着装置の
構成図
【符号の説明】
1 基板 2 ドーム 3 回転式ハース 4 蒸発材 5 フィラメント 6 電子銃取り付け台座 7 電子ビーム軌跡 8 ドームの回転中心線 9 蒸発材の表面に対する法線 10 ヒーター 11 蓋 12 真空槽

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸発源である昇華性蒸発材料の表面に対
    する法線が前記蒸発源に対向する被蒸着基板の取り付け
    範囲外を通るように前記蒸発源を傾斜させて設置するこ
    とを特徴とする昇華性材料の蒸着方法。
  2. 【請求項2】 蒸発源である昇華性蒸発材料の加熱法が
    電子ビーム照射によるものであり、電子ビームが蒸発材
    料の表面に入射する際の入射ビームの接線が前記蒸発源
    に対向する被蒸着基板の取り付け範囲外を通るように前
    記蒸発源または前記電子ビームを傾斜させて設置するこ
    とを特徴とする昇華性材料の蒸着方法。
JP11123794A 1994-05-25 1994-05-25 昇華性材料の蒸着方法 Pending JPH07316791A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11123794A JPH07316791A (ja) 1994-05-25 1994-05-25 昇華性材料の蒸着方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11123794A JPH07316791A (ja) 1994-05-25 1994-05-25 昇華性材料の蒸着方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07316791A true JPH07316791A (ja) 1995-12-05

Family

ID=14556055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11123794A Pending JPH07316791A (ja) 1994-05-25 1994-05-25 昇華性材料の蒸着方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07316791A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2975155A1 (en) * 2014-07-15 2016-01-20 Essilor International (Compagnie Generale D'optique) A process for physical vapor deposition of a material layer on surfaces of a plurality of substrates

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2975155A1 (en) * 2014-07-15 2016-01-20 Essilor International (Compagnie Generale D'optique) A process for physical vapor deposition of a material layer on surfaces of a plurality of substrates
WO2016008811A1 (en) * 2014-07-15 2016-01-21 Essilor International (Compagnie Generale D'optique) A process for physical vapor deposition of a material layer on surfaces of a plurality of substrates
CN106574357A (zh) * 2014-07-15 2017-04-19 埃西勒国际通用光学公司 一种用于在多个基底的表面上物理气相沉积材料层的方法
US10233534B2 (en) * 2014-07-15 2019-03-19 Essilor International Process for physical vapor deposition of a material layer on surfaces of a plurality of substrates

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4511593A (en) Vapor deposition apparatus and method
JP3475403B2 (ja) 蒸着装置及び蒸着方法
US7678241B2 (en) Film forming apparatus, substrate for forming oxide thin film and production method thereof
US5849371A (en) Laser and laser-assisted free electron beam deposition apparatus and method
JPH07157868A (ja) 抵抗加熱型蒸発源及びそれを用いる薄膜形成方法
JPH07316791A (ja) 昇華性材料の蒸着方法
JP2004256843A (ja) 真空蒸着装置
JP2564197B2 (ja) アモルファス金属膜及びその製造方法
CN216947166U (zh) 一种具有双坩埚结构的真空蒸镀机
JP2002164303A (ja) 真空蒸着装置
US20040014314A1 (en) Evaporative deposition with enhanced film uniformity and stoichiometry
JP2890686B2 (ja) レーザ・スパッタリング装置
CN100516284C (zh) 蒸镀装置
JPH0641730A (ja) 蒸着方法
JP2687845B2 (ja) パルスレーザー蒸着法を用いた複合系材料薄膜の製造方法
JPS6473075A (en) Film forming device by ion beam sputtering
JPH0360913B2 (ja)
JP2000297361A (ja) 超微粒子膜形成方法及び超微粒子膜形成装置
JPS6363629B2 (ja)
JPS5910992B2 (ja) 蒸着装置
JPS6263669A (ja) 電子ビ−ム蒸着装置
JP2002332564A (ja) 真空蒸着装置
KR100216925B1 (ko) 고온초전도 박막 제조용 레이저 증착 장치
JP2671350B2 (ja) TiN膜の製造方法
JPS63132201A (ja) 斜め蒸着膜の製造方法