JPH07316492A - 水性被覆剤組成物およびそれを用いた包装容器の加工方法 - Google Patents

水性被覆剤組成物およびそれを用いた包装容器の加工方法

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JPH07316492A
JPH07316492A JP11653094A JP11653094A JPH07316492A JP H07316492 A JPH07316492 A JP H07316492A JP 11653094 A JP11653094 A JP 11653094A JP 11653094 A JP11653094 A JP 11653094A JP H07316492 A JPH07316492 A JP H07316492A
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吉昭 上野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い防滑効果が持続でき、耐ブロッキング
性、耐摩擦性に優れ、印刷物の美粧性を損なうことのな
い水性被覆剤組成物を提供すること。 【構成】 乳化剤の存在下でラジカル重合性単量体を乳
化重合してえられた水分散性バインダー樹脂、無機充填
剤、および水から主として構成される水性被覆剤組成物
において、前記水分散性バインダー樹脂、および無機充
填剤として、 A成分:a)炭素数8〜18のアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル化合物、および b)必要に応じて他のラジカル重合性単量体 を乳化重合してえられ、かつガラス転移温度が−50〜
20℃である水分散性バインダー樹脂、ならびに B成分:1×10-4〜5×10-2mmの平均粒子径を有
する無機充填剤 を含有し、かつ、前記A成分およびB成分を特定割合で
含有することを特徴とする水性被覆剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、段ボール、カートンな
どの紙器および種々の紙袋の荷崩れなどを防止するため
の、防滑効果を有する水性被覆剤組成物、ならびにそれ
を用いた包装容器の防滑加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】農産物、水産物をはじめとする種々の食
品、あるいは各種工業製品などは、段ボール、カートン
などの紙器、種々の紙袋でもって包装され輸送されてい
る。
【0003】近年、各種包装ラインの自動化、輸送ライ
ンのパレット化などによる物流の効率化が進んでいる
が、その際、段ボールケースなどが滑ると荷崩れが発生
し、非常に危険であると共に、運送の効率低下などの生
じる原因となっている。
【0004】これら紙器、紙袋に防滑性を付与する方法
として、従来より、水性印刷インキで図柄を印刷した
後、粘着性を有するニスを塗工して、その粘着力によっ
て滑りを防止する方法、あるいは非粘着性のニスで紙器
などの表面に凹凸のある皮膜を形成させ、この凹凸の物
理的かみ合せによって滑り防止を行う方法が代表的であ
る。
【0005】例えば、前記の粘着性ニスを使用する方法
としては、特開昭61−186597号公報、特開平2
−34671号公報などで開示された、粘着性を有する
アクリル共重合体などを主成分とした粘着性ニスを、適
当な印刷またはコーティング手段で塗工する方法があ
る。しかし、粘着タイプの防滑ニスでは、防滑効果が高
くなればなるほど、接触面でブロッキングが発生しやす
くなり、また、輸送中にほこりやゴミなどが付着して、
印刷物が汚損するなどの問題を有し、相反する性能であ
る防滑性と、耐ブロッキング性、防汚染性を同時に得る
ことができなかった。
【0006】一方、非粘着タイプの防滑ニスとしては、
水性樹脂バインダーと、無水ケイ酸などの微細無機粒子
とを主成分として非粘着性ニスを調製し、適当な印刷ま
たはコーティング手段で塗工する方法がある。
【0007】しかし、非粘着タイプの防滑ニスでは、初
期の防滑効果はある程度期待できるが、積み替え作業な
どが繰り返し行われると、接触面同士がこすり合わされ
て防滑効果が極端に低下する傾向が強く、滑り防止効果
の持続性に欠けるものであった。また、防滑効果を高く
するためには、無機粒子などを多量に含有させる必要が
あるが、耐摩擦性の低下、防滑ニスの白化による印刷面
の美粧性の欠如など多くの問題を有していた。
【0008】そこで、特開平1−308748号公報な
どでは、アクリル共重合体とコロイダルシリカとの複合
エマルジョンを主成分として非粘着性ニスを調製し、上
記の問題を解決する方法が示されている。
【0009】しかし、これらの複合エマルジョンは製造
が困難で、均一な生成物が得られず、また、分散安定
性、他の樹脂との相溶性が低いなどの問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、上記問題点が全て解決された防滑
ニス組成物を開発することであり、高い防滑効果が持続
でき、耐ブロッキング性、耐摩擦性に優れ、印刷物の美
粧性を損なうことのない水性被覆剤組成物を開発するこ
とである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、乳
化剤の存在下でラジカル重合性単量体を乳化重合してえ
られた水分散性バインダー樹脂、無機充填剤、および水
から主として構成される水性被覆剤組成物において、前
記水分散性バインダー樹脂、および無機充填剤として、 A成分:a)炭素数8〜18のアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル化合物、および b)必要に応じて他のラジカル重合性単量体 を乳化重合してえられ、かつガラス転移温度が−50〜
20℃である水分散性バインダー樹脂、ならびに B成分:1×10-4〜5×10-2mmの平均粒子径を有
する無機充填剤 を含有し、かつ、次の条件1、2を満足することを特徴
とする水性被覆剤組成物を提供する。
【0012】条件1 全水分散性バインダー樹脂の30
重量%以上がA成分である。
【0013】条件2 下記の一般式(1)で定義される
x、およびB成分/水性被覆剤組成物の重量比yが、 x=0.07〜0.28 y/x=0.15〜1.20 を満足する。
【0014】 x=Σ(k・m・n) (1) (ここで、 k : A成分/水性被覆剤組成物の重量比、 m :炭素数8〜18のアルキル基を有する(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル化合物/A成分を合成するた
めに使用する全ラジカル重合性単量体の重量比、 n : 炭素数8〜18のアルキル基を構成する全原子
の原子量の和/炭素数8〜18のアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物の分子量の
比、 Σ(k・m・n): A成分が1種または2種以上使用
されている場合の、各々のA成分についてのk、mおよ
びnの積の総和である)。
【0015】本発明はさらに、前記水性被覆剤組成物に
おいて、A成分のa)として、炭素数が8〜12のアル
キル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル化
合物を使用することを特徴とする水性被覆剤組成物を提
供する。
【0016】本発明はさらに、前記水性被覆剤組成物に
おいて、xが0.12〜0.18であることを特徴とす
る水性被覆剤組成物を提供する。
【0017】本発明はさらに、紙器もしくは紙袋または
それらのシート材料の表面に、前記水性被覆剤組成物を
塗布し、防滑性被覆層を形成することを特徴とする包装
容器の加工方法を提供する。
【0018】
【作用および実施例】本発明の水性被覆剤組成物は、従
来の粘着性バインダー樹脂と無機充填剤からなる防滑ニ
スとは全く異なる機構により、防滑効果と耐ブロッキン
グ、耐汚染性性という相反する性能をもたせたものであ
る。
【0019】まず、従来の粘着性樹脂と無機充填剤から
なる防滑ニスは、アクリル系共重合体、ビニルエステル
系共重合体、ポリウレタン樹脂などの粘着性樹脂の中で
も、より粘着性の高くなる分子構造のものをバインダー
樹脂とし、皮膜の粘着力により防滑効果を得ている。従
って、例えばアクリル系共重合体をバインダー樹脂とす
る場合は、共重合体の粘着性を高くするために、単量体
組成としてアルキル基の炭素数が6以下の(メタ)アク
リル酸エステル化合物を可能な限り多くし、かつ、ガラ
ス転移温度(以下、Tgという)が20℃以下となる共
重合体が利用されている。
【0020】これらの粘着性樹脂の皮膜は、そのままで
はブロッキングを起こすため、ワックスや無機充填剤な
どを添加して、接触面での完全な粘着を防止することに
より、耐ブロッキング性を得ていた。しかし、この方法
では、良好な防滑性と耐ブロッキング性、耐汚染性の相
反する性能を同時に満足することはできず、特に高温・
高湿度の環境下ではブロッキング傾向が著しくなる。
【0021】一方、本発明は、アクリル系共重合体の中
でも樹脂自体の粘着性が低く、むしろ離型効果を有する
ものを使用することにより、優れた防滑性と耐ブロッキ
ング性、耐汚染性という相反する性能を有する防滑性ニ
スを得たものである。
【0022】アルキル基の炭素数が8〜18の(メタ)
アクリル酸エステル化合物を主体とする単量体成分を乳
化重合して得られるアクリル系共重合体は、Tgが20
℃以下であっても、ポリメチレン鎖の特性により離型性
が発現し、粘着性が低くなるため、そのままでは充分な
防滑効果が得られない。
【0023】本出願人は、この様なアクリル系共重合体
に無機充填剤を配合すると、優れた防滑効果を有するこ
とを見いだした。さらに、防滑ニスに占めるアクリル共
重合体の炭素数8〜18のアルキル基部分の重量分率、
およびそれに対する無機充填剤量を特定することによ
り、良好な防滑効果を有し、かつ、耐ブロッキング性、
耐汚染性に優れる皮膜が得られることを見いだし、本発
明に至ったものである。
【0024】ここで、この様な離型性を有する樹脂皮膜
に充填剤を添加することにより、何故に防滑性が発現す
るかは未だ定かでない。しかし、充填剤量が多くなる
と、本発明の系でもブロッキングが生じることから、防
滑効果が単に表面の凹凸の物理的かみ合わせによるもの
とは考えられない。
【0025】参考までに、以下に本発明の防滑効果発現
の機構についての推論を試みる。
【0026】まず、アクリル系樹脂皮膜は、長鎖アルキ
ル基の濃度が高いほど離型性が高くなり、防滑性は低く
なる。ところが、この系に充填剤を添加していくと、樹
脂皮膜表面に凹凸が形成されるが、これに荷重がかかる
と凹凸がならされて、凹部にあった空気が排出され、こ
れが一種の吸盤のような効果を果たし防滑性の発現につ
ながると考えられる。一方、樹脂皮膜表面は、本来離型
性を示すものであるから、同等の防滑効果を有する従来
の粘着性樹脂と比較して、耐ブロッキング性、耐汚染性
が良好となるものと考えられる。
【0027】以下、本発明をより詳しく説明する。
【0028】まず、本発明で使用する水分散性バインダ
ー樹脂(A成分)は、乳化剤の存在下でラジカル重合性
単量体を乳化重合して得られるものである。また、この
ラジカル重合性単量体の必須成分として、炭素数8〜1
8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの少なくとも1種を含有し、かつ重合体のTgが
−50〜20℃である水分散性バインダー樹脂を全水分
散性バインダー樹脂に対して30重量%以上含有するも
のである。(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアル
キル基の炭素数が8未満であると、耐ブロッキング性、
耐汚染性が低下し、一方18より多くなると防滑性が低
下する。水分散性バインダー樹脂のTgが20℃より高
いと防滑性が低下し、一方−50℃より低いと耐ブロッ
キング性、耐汚染性が低下する。さらに水分散性バイン
ダー樹脂(A成分)の含有量が30重量%未満になる
と、充分な防滑効果がえられず、また、室温で非造膜性
の水分散性樹脂と併用した場合、耐摩擦性などが低下し
て好ましくない。
【0029】ここで、炭素数8〜18のアルキル基を有
する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、ア
クリル酸またはメタクリル酸と、炭素数8〜18のアル
キル基を有するモノアルコールとのエステル化合物であ
り、具体的には、(メタ)アクリル酸n−オクチル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)ア
クリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなど
があげられる。その中でも、反応性や重合体の皮膜凝集
力の面から、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸ラウリルなどアルキル基の炭素数が8〜12の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルがより好適に使用でき
る。
【0030】なお、これらのラジカル重合性単量体は、
水分散性バインダー樹脂のTgを−50〜20℃とする
範囲で、単独でまたは2種以上を混合して重合すること
ができるが、さらに他のラジカル重合性単量体と共重合
して水分散性バインダー樹脂とすることも可能である。
【0031】ここで、共重合可能な他のラジカル重合性
単量体としては、好適には、(メタ)アクリル酸および
マレイン酸、ならびにそれらのメチルあるいはエチルエ
ステル、ビニル基を有する炭素数8または9の芳香族化
合物類などをあげることができる。ビニル基を有する炭
素数8または9の芳香族化合物類の具体例としては、ス
チレン、α−クロルスチレン、ビニルトルエン、α−メ
チルスチレンなどがあげられる。
【0032】以上のラジカル重合性単量体を乳化重合し
て水分散性バインダー樹脂を製造する方法としては、従
来公知の方法を用いることができる。例えば、カチオン
性、アニオン性またはノニオン性の界面活性剤を単独ま
たは併用して乳化剤として使用する他に、酸価50〜3
50の水性樹脂を高分子乳化剤として、アルカリ化合物
で水性化した後、撹拌のもと、ラジカル重合性モノマー
と、必要に応じて開始剤を徐々に加えながら、加熱して
反応させる方法などが使用できる。
【0033】さらに、水性被覆剤組成物の流動性や皮膜
強度の向上を目的として、他の水分散性バインダー樹脂
を併用することができる。
【0034】すなわち、炭素数8〜18のアルキル基を
有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物の少
なくとも1種をラジカル重合性単量体として含有し、重
合体のTgが20℃を超えるか、または−50℃未満で
ある水分散性バインダー樹脂、あるいは当該単量体以外
のラジカル重合性単量体を重合して得られる水分散性バ
インダー樹脂を併用することも可能である。
【0035】ただし、本発明に係る水分散性バインダー
樹脂において、炭素数8〜18のアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物の全使用量
は、以下の一般式(1)で定義するxを、0.07〜
0.28、より好ましくは、0.12〜0.18とする
量である。
【0036】 x=Σ(k・m・n) (1) (ここで、 k : 炭素数8〜18のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸アルキルエステル化合物を重合成分として含
有し、かつTgが−50〜20℃である水分散性バイン
ダー樹脂(A成分)/水性被覆剤組成物の重量比、 m : 炭素数8〜18のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸アルキルエステル化合物/A成分を合成する
ために使用する全ラジカル重合性単量体の重量比、 n : 炭素数8〜18のアルキル基を構成する全原子
の原子量の和/炭素数8〜18のアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物の分子量の
比、 Σ(k・m・n): A成分が1種または2種以上使用
されている場合の、各々のA成分についてのk、mおよ
びnの積の総和である)。
【0037】炭素数8〜18のアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル化合物の使用量が前記
範囲より少なくなると、本発明の防滑効果が得られず、
一方前記範囲より多くなると、共重合体自体の重合性が
低下し、また、得られる樹脂皮膜の耐摩擦性が低下して
好ましくない。
【0038】次に本発明で使用する無機充填剤として
は、シリカ、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムな
どが使用でき、水分散性バインダー樹脂と濡れることに
より、水性被覆剤組成物自体の皮膜が無色透明になるも
のが好ましい。
【0039】また、無機充填剤の平均粒子径としては、
1×10-4〜5×10-2mm、好ましくは、1×10-3
〜1×10-2mmのものが使用できる。
【0040】ここで、無機充填剤の含有量としては、無
機充填剤(B成分)/水性被覆剤組成物の重量比をyと
するとき、前記xに対して、y/x=0.15〜1.2
0となる量である。
【0041】無機充填剤の含有量が、前記範囲より少な
くなると、得られるニスの防滑効果が低下し、一方前記
範囲より多くなるとブロッキングが発生し、さらに多く
なると防滑効果が低下して好ましくない。
【0042】以上の水分散性バインダー樹脂および無機
充填剤を使用して、本発明の目的とする水性被覆剤組成
物を製造することが可能であるが、さらに、各種用途に
応じて、水溶性アクリル系樹脂、水溶性スチレン−アク
リル酸系樹脂、水溶性スチレン−マレイン酸系樹脂、水
溶性スチレン−アクリル−マレイン酸系樹脂、水性ポリ
ウレタン樹脂、水性エチレン−アクリル酸系樹脂、水性
ポリエステル樹脂などの水性樹脂、低級アルコール類、
多価アルコール類およびそのアルキルエーテルまたはア
ルキルエステル類などの水混和性溶剤、レベリング剤、
消泡剤などの添加剤を添加することができる。
【0043】以上の水分散性バインダー樹脂、無機充填
剤、および必要に応じて他の材料を使用して水性被覆剤
組成物を製造するには、まず水分散性バインダー樹脂そ
の他の液状成分を撹拌混合した後、さらに撹拌しながら
無機充填剤を添加する方法が利用される。
【0044】次に、本発明で得られた水性被覆剤組成物
を用いた滑り止め加工方法について説明する。
【0045】先ず、本発明の水性被覆剤組成物の塗工可
能な被塗工体としては、段ボールや紙袋などの表面であ
り、印刷インキが印刷された印刷面に塗工することもで
きる。
【0046】なお、本発明の水性被覆剤組成物を段ボー
ルに塗工する場合は、ジュート紙、クラフト紙、撥水ラ
イナー、各種コート紙などの表ライナー、中芯、および
裏ライナーから製造され、段ボールシートとなった後に
塗工されるものである。
【0047】また、本発明の水性被覆剤組成物の塗工方
法としては、ロールコーター、バーコーターなどの他
に、フレキソまたはグラビア方式による印刷機を使用し
て、被塗工体の全面または部分的に塗工することができ
る。
【0048】以上の方法で製造された段ボールや紙袋な
どの包装容器は、優れた防滑効果と耐ブロッキング性、
耐汚染性を有する包装容器である。
【0049】以下、実施例でもって本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、特にことわりの無い限り、「部」および
「%」は「重量部」および「重量%」を表す。
【0050】水分散性バインダー樹脂製造例1 乳化機、温度計、冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ
口フラスコに、水42部、ドデシルベンゼンスルホン酸
ソーダ1部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル2部を仕込み、窒素ガスを導入しながら、80〜85
℃に保ち、スチレン22部、アクリル酸2−エチルヘキ
シル33部、およびジターシャリーブチルオキサイド
0.3部の混合物を2時間かけて滴下した後、さらに2
時間反応させて乳化重合を行い、固形分55%、粘度2
3ポイズ(20℃)、Tg−38℃の水分散性バインダ
ー樹脂No.1を得た。
【0051】水分散性バインダー樹脂製造例2 モノマー組成をスチレン27.5部、アクリル酸2−エ
チルヘキシル27.5部に変えた以外は、水分散性バイ
ンダー樹脂製造例1と同じ装置、および同じ合成条件で
乳化重合を行い、固形分55%、粘度21ポイズ(20
℃)、Tg−12℃の水分散性バインダー樹脂No.2
を得た。
【0052】水分散性バインダー樹脂製造例3 モノマー組成をスチレン38.5部、アクリル酸−2−
エチルヘキシル16.5部に変えた以外は、水分散性バ
インダー樹脂製造例1と同じ装置、および同じ合成条件
で乳化重合を行い、固形分55%、粘度22ポイズ(2
0℃)、Tg15℃の水分散性バインダー樹脂No.3
を得た。
【0053】水分散性バインダー樹脂製造例4 モノマー組成をスチレン27.5部、メタクリル酸ラウ
リル27.5部に変えた以外は、水分散性バインダー樹
脂製造例1と同じ装置、および同じ合成条件で乳化重合
を行い、固形分55%、粘度21ポイズ(20℃)、T
g−6℃の水分散性バインダー樹脂No.4を得た。
【0054】水分散性バインダー樹脂製造例5 モノマー組成をスチレン25部、メタクリル酸ステアリ
ル30部に変えた以外は、水分散性バインダー樹脂製造
例1と同じ装置、および同じ合成条件で乳化重合を行
い、固形分55%、粘度21ポイズ(20℃)、Tg1
1℃の水分散性バインダー樹脂No.5を得た。
【0055】水分散性バインダー樹脂製造例6 モノマー組成をスチレン15部、メタクリル酸メチル2
5部、アクリル酸−2−エチルヘキシル15部に変えた
以外は、水分散性バインダー樹脂製造例1と同じ装置、
および同じ合成条件で乳化重合を行い、固形分55%、
粘度23ポイズ(20℃)、Tg27℃の水分散性バイ
ンダー樹脂No.6を得た。
【0056】水分散性バインダー樹脂製造例7 モノマー組成をスチレン16.5部、アクリル酸エチル
38.5部に変えた以外は、水分散性バインダー樹脂製
造例1と同じ装置、および同じ合成条件で乳化重合を行
い、固形分55%、粘度19ポイズ(20℃)、Tg5
℃の水分散性バインダー樹脂No.7を得た。
【0057】水分散性バインダー樹脂製造例8 モノマー組成をスチレン16.5部、アクリル酸−n−
ブチル38.5部に変えた以外は、水分散性バインダー
樹脂製造例1と同じ装置、および同じ合成条件で乳化重
合を行い、固形分55%、粘度21ポイズ(20℃)、
Tg−23℃の水分散性バインダー樹脂No.8を得
た。
【0058】水分散性バインダー樹脂製造例9 モノマー組成をスチレン25.0部、アクリル酸−n−
ヘキシル30.0部に変えた以外は、水分散性バインダ
ー樹脂製造例1と同じ装置、および同じ合成条件で乳化
重合を行い、固形分55%、粘度20ポイズ(20
℃)、Tg−6℃の水分散性バインダー樹脂No.9を
得た。
【0059】水溶性樹脂ワニス製造例 撹拌機、冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラス
コに、酢酸エチル60部を仕込み、75〜78℃に加熱
した後、窒素ガスを導入しながら、メタクリル酸10
部、メタクリル酸メチル5部、スチレン10部、アクリ
ル酸エチル15部、および反応開始剤としてジターシャ
リーブチルパーオキサイド0.4部を混合して、2時間
かけて滴下した。さらに同温度に保ちながら2時間重合
させた後、溶剤を減圧下蒸発させて、酸価162、Tg
48℃の水性樹脂を得た。
【0060】この水性樹脂40部を破砕した後、当量の
アンモニアを溶解させた水60部中に撹拌混合し、80
℃で加熱溶解させて、固形分40%、粘度31ポイズ
(20℃)の水溶性樹脂ワニスを得た。
【0061】水性被覆剤組成物の実施例および比較例 表1、2の配合に従って、水分散性バインダー樹脂と無
機充填剤とを高速撹拌機で撹拌しながら混合し、実施例
1〜10および比較例1〜8の水性被覆剤組成物を調製
した。
【0062】ここで、無機充填剤としては、サイロイド
161(シリカ粉末、平均粒径5×10-3mm、富士デ
ヴィソン化学株式会社)を使用した。
【0063】実施例および比較例の評価 段ボール用Kライナーに、実施例1〜10および比較例
1〜8で得たそれぞれの水性被覆剤組成物を、直径0.
2mmのメーヤバーで塗工した後、滑り角度、耐ブロッ
キング性を評価した。また、段ボール用Kライナーに、
水性印刷インキを直径0.2mmのメーヤバーで塗工し
た後、さらに実施例1〜10および比較例1〜7で得た
それぞれの水性被覆剤組成物を直径0.2mmのメーヤ
バーで塗工して、耐摩擦性、耐汚染性および透明性を評
価した。それらの結果を表3に示した。
【0064】評価試験方法および評価基準 (1)滑り角度 雰囲気温度20℃、相対湿度60%の環境条件下、TA
PPIに記載されている傾斜法試験に従い滑り角度を測
定した。滑り角度が30℃以上であれば実用範囲内であ
る。
【0065】(2)耐ブロッキング性 雰囲気温度50℃、相対湿度90%の環境条件下、水性
被覆剤組成物の塗工面同士を接触させ、5kg/25c
2 の荷重をかけて24時間放置したのち、両者を剥離
し、その剥離状況を観察した。評価値がA、Bであれば
実用範囲内である。
【0066】評価基準 A : 全く抵抗なく剥離する。 B : ライナーを湾曲させる程度の応力で簡単に剥離
する。 C : 接触面を強く引っ張ることにより剥離する。 D : 剥離の際に接触面が一部破損する。 E : 剥離の際に接触面が全面的に破損する。
【0067】(3)耐汚染性 雰囲気温度50℃、相対湿度90%の環境条件下、水性
被覆剤組成物の塗工面にKライナーの紙粉を乗せて1時
間放置し、その付着状況を観察した。
【0068】評価基準 A : 紙粉が付着しない。 B : 紙粉が付着する。
【0069】(4)耐摩擦性 学振型耐摩擦試験機を使用し、500g荷重で、500
回摩擦したときの、塗工面の損傷の有無から耐摩擦性を
評価した。評価値がA、Bであれば実用範囲内である。
【0070】評価基準 A : 塗工面に損傷がない。 B : 塗工面に筋状の損傷がある。 C : 塗工面全面が損傷する。
【0071】(5)透明性 水性被覆剤組成物の塗膜を通して下地のインキ面を観察
して透明性を評価した。評価値がA、Bであれば実用範
囲内である。
【0072】評価基準 A : インキ面が、水性被覆剤組成物の塗膜がないば
あいと比較してほとんど変化ない。 B : 若干水性被覆剤組成物の塗膜の曇が観察され
る。 C : 水性被覆剤組成物の塗膜が不透明で、インキ面
が隠れる。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【発明の効果】以上、実施例を用いて具体的に説明した
ように、本発明で特定する水分散性バインダー樹脂と無
機充填剤を特定割合で使用した水性被覆剤組成物は、優
れた防滑効果を有し、特に高温・高湿度の厳しい環境条
件でも耐ブロッキング性、耐汚染性、耐摩耗性の良好な
水性被覆剤組成物である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化剤の存在下でラジカル重合性単量体
    を乳化重合してえられた水分散性バインダー樹脂、無機
    充填剤、および水から主として構成される水性被覆剤組
    成物において、前記水分散性バインダー樹脂、および無
    機充填剤として、 A成分:a)炭素数8〜18のアルキル基を有する(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステル化合物、および b)必要に応じて他のラジカル重合性単量体 を乳化重合してえられ、かつガラス転移温度が−50〜
    20℃である水分散性バインダー樹脂、ならびに B成分:1×10-4〜5×10-2mmの平均粒子径を有
    する無機充填剤 を含有し、かつ、次の条件1、2を満足することを特徴
    とする水性被覆剤組成物。 条件1 全水分散性バインダー樹脂の30重量%以上が
    A成分である。 条件2 下記の一般式(1)で定義されるx、およびB
    成分/水性被覆剤組成物の重量比yが、 x=0.07〜0.28 y/x=0.15〜1.20 を満足する。 x=Σ(k・m・n) (1) (ここで、 k : A成分/水性被覆剤組成物の重量比、 m : 炭素数8〜18のアルキル基を有する(メタ)
    アクリル酸アルキルエステル化合物/A成分を合成する
    ために使用する全ラジカル重合性単量体の重量比、 n : 炭素数8〜18のアルキル基を構成する全原子
    の原子量の和/炭素数8〜18のアルキル基を有する
    (メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物の分子量の
    比、 Σ(k・m・n): A成分が1種または2種以上使用
    されている場合の、各々のA成分についてのk、mおよ
    びnの積の総和である)。
  2. 【請求項2】 A成分のa)として、炭素数が8〜12
    のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエス
    テル化合物を使用する請求項1記載の水性被覆剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 xが0.12〜0.18であることを特
    徴とする請求項1記載の水性被覆剤組成物。
  4. 【請求項4】 紙器もしくは紙袋またはそれらのシート
    材料の表面に、請求項1、2または3記載の水性被覆剤
    組成物を塗布し、防滑性被覆層を形成することを特徴と
    する包装容器の加工方法。
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