JPH07315746A - 乗客コンベアの安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】回転板３，回転棒４，スイッチレバー７及びマ
イクロスイッチ５で構成される機械式の走行速度検出装
置を減速機１の出力軸に取付ける。 【効果】マイコン制御方式を必要としなくても、同等以
上の安全性を有する安価なリレー制御方式の乗客コンベ
アを提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エスカレータ，電動道
路等の乗客コンベアの安全装置に係り、特に、エスカレ
ータ調速装置部の性能改善に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のエスカレータ調速装置の構成は、
例えば、特開昭63−210439号公報に開示されたような、
モータ回転軸にロータリエンコーダなどの検出装置を取
付け、モータ軸の回転数からエスカレータの走行速度を
検出する装置が一般に知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述したエスカレータ
の調速装置は、ロータリエンコーダなどの検出装置によ
ってエスカレータ走行速度を検出する為、実際は定常速
度で走行していても、ノイズなどが原因と思われる理由
でエスカレータを停止させてしまうことがあるが、この
場合、ノイズが原因であることを明確に示すことが極め
て困難で、装置全体の信頼性を失うといった問題を有し
ている。また、モータ動力をプーリなどで減速して減速
機に入力するような駆動装置では、モータ回転数が正常
であっても、プーリなどの減速装置の異常が原因でエス
カレータ走行速度に異常が発生した場合、従来例による
調速装置では異常を検出できないといった問題を有して
いる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、乗客コンベア
の機械室内に、駆動用モータ及び減速機から成る駆動装
置を設けたもので、乗客コンベアの走行速度に異常が発
生した場合、直ちにその走行を停止させる安全装置とし
て、減速機出力軸に固定されている回転板に、コイルば
ねを用いて回転速度に応じて移動することのできる回転
棒が取付けられ、これによって押されるレバーに対し、
このレバーを挾み込むようにばね装置を設けることで、
ばね装置とレバーの間に摩擦力を作り、レバーが押され
てから定常位置に戻るまでの時間を遅らせることで、レ
バーとほぼ連動して動作するマイクロスイッチを動作さ
せ、所定時間この状態を確保する構成にし、エスカレー
タ走行速度の検出に伴う信頼性の向上を図ったものであ
る。

【０００５】

【作用】エスカレータ走行速度検出装置の構成を機械式
にし、これを減速機出力軸に取付けることにより、モー
タ動力をプーリなどで減速して減速機に入力するような
駆動装置でも、エスカレータ走行速度を正確に検出する
ことができる。また、ノイズなどの原因による誤動作も
無くなり、装置全体の信頼性が向上すると共に、マイコ
ン制御を必要としないので、比較的安価なリレー制御式
エスカレータにも使用することが出来る。

【０００６】

【実施例】以下、本発明による乗客コンベアの安全装置
の一実施例を図面により詳細に説明する。

【０００７】図１は、駆動装置の構成を示したもので、
この減速機１の出力軸２に回転板３が固定され、回転板
３には、回転速度に応じて変位する回転棒４が取付いた
状態になっている。この回転棒４がマイクロスイッチ５
を動作させるしくみは、図２で説明するように、回転棒
４が、コイルばね６により、出力軸２の回転速度に応じ
て変位し、エスカレータ走行速度が増速度及び減速度に
達すると、回転棒４の先端がスイッチレバー７を７ａの
方向に押し、これに連動して、減速機１に取付けられた
ブラケット８に固定されているマイクロスイッチ５が動
作する。この時、スイッチレバー７は、マイクロスイッ
チ５にセットされているコイルばね９によって定常位置
へ戻る方向に力を受けるが、回転棒４がスイッチレバー
７に接触している時間が短い為、マイクロスイッチ５が
動作出来ないままスイッチレバー７が定常位置に戻って
しまう。そこで、ブラケット８に固定された板ばね１０
によってスイッチレバー７を上下方向から挾み、スイッ
チレバー７がコイルばね９によって定常位置に戻される
動作時間を、板ばね１０とスイッチレバー７によって生
じる摩擦力により遅らせ、マイクロスイッチ５の動作時
間を確保する。そして、板ばね１０は、図３に示すよう
に、スイッチレバー７が回転棒４との接触の際に生じる
振動を緩衝し、その時発生する騒音を低減できる。一
方、回転棒４によってスイッチレバー７が７ａの方向に
動作する場合には、摩擦力を小さくするように接触面積
が小さくなる１０ａの形状になり、スイッチレバー７が
コイルばね９により定常位置に戻ろうとする方向に動作
する場合には、摩擦力を大きくするように接触面積が大
きくなる１０ｂの形状となる構造になっており、これに
よって必要な遅延時間を確保する仕組みである。

【０００８】なお、本発明の実施例は、エスカレータに
適用したとして説明したが、本発明は電動道路等に適用
することも可能である。

【０００９】

【発明の効果】本発明によれば、エスカレータ走行速度
検出装置の信頼性の向上を図れると共に、マイコン制御
を必要としない、安価なリレー制御方式エスカレータに
も応用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の構成を示す正面図。

【図２】図１の要部の正面図。

【図３】図２の要部の平面図。

【符号の説明】

１…減速機、２…出力軸、３…回転板、４…回転棒、５
…マイクロスイッチ、６，９…コイルばね、７…スイッ
チレバー、７ａ…スイッチレバーの動作方向、８…ブラ
ケット、１０…板ばね。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】乗客コンベアの機械室内に、駆動用モータ
   及び減速機から成る駆動装置を設けたものにおいて、前
   記乗客コンベアの走行速度に異常が発生した場合、直ち
   にその走行を停止させる安全装置として、減速機出力軸
   に固定されている回転板に、コイルばねを用いて回転速
   度に応じて移動することのできる回転棒が取付けられ、
   これの突出によって押されるレバーに対し、前記レバー
   を挾み込むようにばね装置を設け、前記装置と前記レバ
   ーの間に摩擦力を作り、前記レバーが押されてから定常
   位置に戻るまでの時間を遅延させ、前記レバーと連動し
   て動作するマイクロスイッチの動作に必要な時間を確保
   する構成にしたことを特徴とする乗客コンベアの安全装
   置。
2. 【請求項２】請求項１において、前記安全装置である前
   記ばね装置と前記レバーの摩擦力を調整する為に、前記
   ばね装置の取付位置に調整代を設けた乗客コンベアの安
   全装置。
3. 【請求項３】請求項１において、前記安全装置である前
   記ばね装置を板ばねで構成し、前記板ばねと前記レバー
   が接触する部分において、前記板ばね先端をＲ曲げ返し
   構造にし、前記レバーの動作方向によって前記板ばねと
   前記レバーの接触面積を変化させることで、摩擦力が調
   整できる構成にした乗客コンベアの安全装置。
4. 【請求項４】請求項１において、前記安全装置である前
   記ばね装置が、前記回転棒と前記レバーが接触する際に
   生じる振動を吸収し、振動によって発生する騒音を低減
   できる構成である乗客コンベアの安全装置。