JPH07314485A - 射出成形品の製造方法 - Google Patents

射出成形品の製造方法

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JPH07314485A
JPH07314485A JP10981794A JP10981794A JPH07314485A JP H07314485 A JPH07314485 A JP H07314485A JP 10981794 A JP10981794 A JP 10981794A JP 10981794 A JP10981794 A JP 10981794A JP H07314485 A JPH07314485 A JP H07314485A
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JP
Japan
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sheet
molten resin
pressure
gas
resin
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Pending
Application number
JP10981794A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Yamamoto
一喜 山本
Kohei Harada
康平 原田
Hitoshi Kawachi
斉 河内
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/1418Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles the inserts being deformed or preformed, e.g. by the injection pressure
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1704Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒケ,ソリ,ヘジテーションマークなどの外
観不良がなく、また、軽量、かつ、寸法精度に優れた射
出成形品の製造方法を提供する。 【構成】 可動金型と固定金型との型分割面に延展性の
あるシートもしくは加熱により軟化するシートを挟み込
んだ状態で、ゲート側から予め決められた量の溶融樹脂
を、シートの溶融温度より略30度高い温度またはシー
トが熱分解する温度のいずれか低い方の温度より低い成
形温度で充填した後、この溶融樹脂中に高圧のガスもし
くは液体を圧入することにより、溶融樹脂内部の中空部
の形成およびシートの延伸を同時に行わせながら、溶融
樹脂をキャビティ全体に満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形品を製造する
方法に関し、更に詳しくは、内部に中空部を有する厚肉
成形品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特公昭48−41264号公報に
開示されているように、厚肉成形品を射出成形するに際
し、金型内に射出充填された溶融樹脂中に高圧のガスま
たは液体を圧入することにより、成形品内部に中空部を
形成し、ヒケ,ソリのない射出成形品を得る方法が知ら
れている。
【0003】しかし、例えば、中空部を大きく、かつ、
肉厚を薄くするために、樹脂充填量を減らし金型内を完
全に満たすより少ない量の樹脂を充填させて上記の方法
を用いた場合、樹脂充填完了時の充填樹脂の先端位置
に、ヘジテーションマークと呼ばれる痕跡が残り、外観
不良となる問題があった。また、このように樹脂量を少
なくする場合、ある量でガスが樹脂を突き破って吹き抜
ける現象が起こり始めるといった問題も生じ、上記の方
法によって中空部を大きく、かつ、肉厚を薄くするには
大きな限界があった。
【0004】これらの問題を回避するために、従来にお
いては、特開昭50−74660号公報に開示されてい
るように、成形品に対応するキャビティを完全に溶融樹
脂で満たした後、ガスを圧入しながら成形品に対応する
キャビティの外へ樹脂を押し出す方法や、また、特開平
03−9820号公報に開示されているように、キャビ
ティを溶融樹脂で完全に満たした後、流体を注入しつつ
キャビティ容積を拡大することにより、大容積を有する
中空部を形成する方法、さらに、特開平06−5557
0号公報に開示されているように、加飾シートを分割さ
れた2つの金型の間に挟み、凸部の角部が鋭角を呈さな
い金型によってその加飾シートををキャビティ内に押し
込むようにするとともに、溶融樹脂の射出後、その金型
の凸部の角部によって形成される厚肉の成形品角部に加
圧気体を注入し、その後、冷却することにより中空部が
形成された成形品を作製する方法がとられてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した後
者の従来例に示す方法によって、前者の従来例で問題と
なったヘジテーションマークのない大きな中空部を有す
る厚肉成形品を得ることが可能になったものの、依然と
して表面のツヤムラ,シボ転写ムラ,フローマーク等の
外観不良が著しく、特にこの外観不良が製品の機能上、
問題となる場合には得られた成形品をさらに後で塗装す
る等の処理を必要としていた。
【0006】本発明はこうした問題点を解決するために
なされたもので、ヒケ,ソリ,ヘジテーションマークな
どの外観不良がなく、また、軽量、かつ、寸法精度に優
れた射出成形品の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に対応する射出成形品の製造方法(以下、
発明1という)は、実施例に対応する図1を参照しなが
ら説明すると、第1のキャビティ121を有する可動金
型12と、閉型したときにその第1のキャビティ121
とともに成形品の形状に対応するキャビティを形成する
第2のキャビティ111を有する固定金型11とを備
え、かつ、その第2のキャビティ111に当接するゲー
ト112およびガスもしくは液体を注入するための注入
口114を備えた金型1を用いて、射出成形品を製造す
る方法において、上記可動金型12と固定金型11との
型分割面に延展性のあるシート2もしくは加熱により軟
化するシート2を挟み込んだ状態で、上記ゲート112
側から予め決められた量の溶融樹脂3を、上記シート2
の溶融温度より略30度高い温度または上記シート2が
熱分解する温度のいずれか低い方の温度より低い成形温
度で充填した後、この溶融樹脂3中に高圧のガスもしく
は液体を圧入することにより、溶融樹脂3内部の中空部
の形成および上記シートの延伸を同時に行わせながら上
記溶融樹脂3を上記キャビティ111,112全体に満
たすことによって特徴付けられている。
【0008】ここで、延展性のあるシートとは、引張応
力に対して弾性あるいは引張降伏によって伸びを示すシ
ートである。溶融樹脂中へのガスもしくは液体の注入に
伴うシートの延伸に十分耐えるよう100%以上の伸び
が可能なものが望ましい。
【0009】このようなシートとして、樹脂フィルム,
ゴムフィルムがある。樹脂フィルムには、熱可塑性樹脂
シート,架橋された熱可塑性樹脂シートの他に、表面硬
度を向上させる目的で未硬化または半硬化状態の熱硬化
性シートもしくは光硬化性シートが用いられる。また、
これらを積層したシートも用いても良い。
【0010】また、一般に延展性は加熱によって発現し
やすくなり、温度の上昇に伴ってより小さな応力で同じ
伸びが可能になる。したがって、十分な延展性が望めな
いシートでも加熱によって軟化するシートを用いてもよ
く、この場合、熱変形温度以上で応力を受けたシートは
熱変形によって伸長を起こす。つまり、シート材の軟化
点が本体成形樹脂の成形温度より低いシートであれば、
延展性もしくは熱変形による伸張が必ず起こり、本発明
の製造方法が適用できる。なお、成形温度はJIS K 6990
で定義されたものとし、また、シートの軟化点の試験は
JIS K 7196に準じる。
【0011】シートの膜厚は、ガスまたは液体の圧入に
よる延伸の度合いおよび成形品表面の凹凸の度合いによ
って決定される。本発明では、100μm〜2mmの厚
さが好適に使用されるが、シートの成形性およびコスト
面より、200〜500μm程度の範囲がより好まし
い。
【0012】本体成形樹脂の成形温度は、シートの溶融
温度より略30℃高い温度またはそのシートが熱分解反
応を起こす温度のいずれか低い方の温度より低くするの
は以下の根拠による。すなわち、この条件を満たすこと
により、常温のシートが伝熱によって溶融し、破断する
前にシートの伸張が完了することができ、シート材が分
解反応を起こすこともないからである。非晶性の熱可塑
性樹脂の場合には明確な融点を示さないが、軟化点より
20℃高い温度をもって溶融温度の目安として良い。部
分的に架橋して半硬化状態としたシートでは溶融より分
解が先に起こる。ここで、シート材の溶融温度とは、シ
ート基層の溶融温度を意味する。シートには成形樹脂に
接する面にホットメルト接着層を積層しても良い。
【0013】上記熱可塑性樹脂シートとしては、例え
ば、テフロン樹脂,ポリ塩化ビニル,ポリウレタン,ア
クリル系樹脂,ポリエステル,エチレン−酢酸ビニル共
重合体,ポリエチレン,ポリプロピレン,熱可塑性エラ
ストマー等があげられる。
【0014】また、上記ゴムシートとしては、例えば、
天然ゴム,スチレン−ブタジエンゴム,ニトリル−ブタ
ジエンゴム,イソプレンゴム,ブタジエンゴム,クロロ
プレンゴム,ウレタンゴム,シリコーンゴム,アクリル
ゴム等があげられる。
【0015】また、これらの熱可塑性樹脂およびゴムの
混合物をシートとして使用してもよい。また、熱硬化性
シートを用いてもよく、このシートは分子中に水酸基,
アミノ基,カルボキシル基を複数個有する反応性樹脂材
料と熱分解性架橋剤及び必要に応じてその他の架橋剤を
混合して形成される膜である。
【0016】また、この熱硬化性シートに自己支持性を
与えるために、熱硬化前に部分的に架橋させて半硬化状
態としてもよい。この場合、ブロックされていない架橋
剤を加えて予備加熱を行い、部分架橋させるか、低分子
の反応性ビニル材料と光増感剤を加えて光重合させる。
【0017】この熱硬化性シートの熱硬化反応を促進す
るために原料に過酸化物を加えてもよい。反応性樹脂材
料としては、反応性アクリル樹脂,反応性シリコーン樹
脂,反応性フッ素樹脂,反応性ポリエステル樹脂等があ
る。これらは製膜前に原料として混合する他、低分子量
の反応性ビニル材料を用いて製膜後、光照射して重合さ
せた樹脂材料としてもよい。これらの材料は1種だけで
なく、2種以上併用してもよい。さらに、これらの材料
の比較的低分子量のものと他の重合体または単量体とを
ブロック重合あるいはグラフト重合した共重合体を用い
てもよい。他の重合体としてはアクリル系,スチレン
系,マレイン酸系,イミド系,シリコーン系,フッ素系
樹脂などの組み合わせでもよい。
【0018】上記した反応性アクリル樹脂は、例えば、
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を
有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー,2-アミノ
エチル(メタ)アクリレート,3-アミノプロピル(メ
タ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリ
ル酸エステルモノマー及び(メタ)アクリル酸等のカル
ボキシルキ基を有する(メタ)アクリル酸などのモノマ
ー材料と、一般にその他のメタアクリル酸エステルやス
チレン誘導体モノマー及びこれらのオリゴマーマイレン
酸系モノマー等と各種過酸化物や連鎖移動剤を触媒とし
て重合させて得られる、水酸基およびアミノ基およびカ
ルボキシル基等の官能基を有するアクリル樹脂がこれに
あたる。
【0019】反応性ビニル材料としては、(メタ)アク
リル酸又はそのエステル,スチレン誘導体及び酢酸ビニ
ルなどのビニル基を有するもの又はこれらのオリゴマー
がある。(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして
は、メチル(メタ)アクリレート,2-ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート,フェノキシエチル(メタ)アク
リレート,2-アミノエチル(メタ)アクリレート及び3-
アミノプロピル(メタ)アクリレート等がある。スチレ
ン誘導体としては、スチレンp-メトキシスチレン,p-フ
ェニルスチレン等がある。
【0020】こうした反応性樹脂は、その重量平均分子
量がある値を下回ると、得られるシートがその形状を保
持するのが困難になり、作業時の延伸に対して十分な伸
びが得られず、クラックが発生する率が高くなる。ま
た、重量平均分子量が大きすぎると溶剤への溶解が悪
く、シートを調製することが困難になる。例えば、溶剤
キャスティングによってシートを作成する場合、樹脂を
低濃度でしかキャスティングできず、シートの膜厚を厚
くすることが難しくなる。このため、反応性樹脂の重量
平均分子量は表1に示す範囲にあることが好ましい。
【0021】
【表1】 また、熱分解性架橋剤としては、ブロックイソシアネー
トが好ましい。ブロックイソシアネートとは、分子内に
2個以上のイソシアネート基をもつイソシアネート化合
物のイソシアネート基をフェノール,オキシム,ε−カ
プロラクタム,マロン酸エステル等のブロック剤でブロ
ック(マスク)した化合物を意味する。ブロックイソシ
アネートは加熱により、ブロック剤が離脱し、生じたイ
ソシアネート基が反応性樹脂の官能基と架橋反応を起こ
す。
【0022】熱分解性架橋剤の量は、加熱により発生す
るイソシアネート基が反応する相手である反応性樹脂の
官能基に対し、0.8 〜1.5 当量とするのが好ましい。よ
り好ましくは、1.0 〜1.2 当量とするのがよい。
【0023】また、その他の架橋剤としては、イソシア
ネート系,メラニン系.エポキシ系などの架橋剤が用い
られる。イソシアネート系架橋剤としては、分子内に2
個以上のイソシアネート基をもつもの、例えば、ヘキサ
メチレンジイソシアネート,トリレンジイソシアネー
ト,ナフタレンジイソシアネート,トリジンジイソシア
ネート,トリフェニルメタントリイソシアネート,トリ
ス(イソシアネートフェニル)チオフォスファイト,p
−フェニレンジイソシアネート,キシリレンジイソシア
ネート,ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサ
ン,リジンジイソシアネート,トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネート等の
単量体またはこれらのイソシアヌレート変成体,ウレタ
ン変成体,ビュウレット変成体,カルボジイミド変成
体,アロファネート変成体,トリメチロールプロパン付
加体等があげられる。
【0024】メラニン系架橋剤としては、エーテル化メ
ラニン樹脂が用いられる。これはメラニンをはじめ尿
素,チオ尿素,グアニジン,グアナミン,ベンゾグアナ
ミン,ジシアンジアミド等の多官能基を有する材料とホ
ルムアミドを反応させたトリメチロールメラニン,ヘキ
サメチロールメラニン,ジメチロール尿素,ジメチロー
ルグアニジン,ジメチロールアセトグアニジン,シメチ
ロールベンゾグアニジン等をブチルアルコールやプロピ
レンアルコール等のアルコールと反応させて得られるも
のである。
【0025】エポキシ系架橋剤としては、多価アルコー
ルのグリシジル化合物がルイス酸触媒とともに用いられ
る。例えば、ブタジエンオキサイド,ヘキサジンオキサ
イドやフタル酸のジグリシジルエステル,ビスフェノー
ルAのジグリシジルエーテル,アニリンのジグリシジル
エーテル,フェニレンジアミンのテトラグリシジルエー
テル,スルホンアミドのジグリシジルエーテル,グリセ
リンのトリグリシジルエーテル等のグリシジル化合物
や、ポリエーテル変成グリシジル,ポリエステル変成グ
リシジル,ウレタン変成グリシジルなどがあげられる。
【0026】これらの架橋剤の量は、反応性樹脂の官能
基の量に対して架橋剤の官能基の量が1:0.8 〜1.5 当
量とするのが好ましい。上記の光増感剤としては、通常
用いられているものが使用でき、例えばチオキサントン
系,アセトフェノン系,ベンゾフェノン系,ベンゾイン
アルキルエーテル系,アシルホスフィンオキサイド系な
どの光増感剤がある。これらは光反応基質や同時に配合
される色素,照射する光の波長等によって効率が変わる
ので系毎に好適なものを選ぶ。例えば、チオキサントン
系としては2,4-ジエチルチオキサントン、アセトフェノ
ン系としては2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホ
スフィンオキサイド、ベンゾインアルキルエーテル系と
してはベンジル, ベンゾイン、ベンゾフェノン系として
は4-クロロベンゾフェノン等があげられる。
【0027】この光増感剤は、上記した低分子の反応性
ビニル材料100重量部に対して、通常0.05〜5.0 重量
部添加するのが望ましい。また、光増感剤は1種に限ら
ず2種以上併用しても良い。
【0028】また、上記の過酸化物としては、通常の有
機過酸化物が用いられる。より好ましくは、常温での貯
蔵安定性の面から、分解温度が160℃以上のものが好
ましい。例えば、ter-ブチルパーオキシベンゾエート,
ジ-ter- ブチルパーオキシイソフタレート等がある。
【0029】この過酸化物の添加量は、反応性ビニルモ
ノマー100重量部に対して、0.5〜5.0 重量部の範囲
が好ましい。また、過酸化物は1種に限らず、2種以上
併用しても良い。
【0030】さらに、熱硬化性樹脂組成物がシートとし
ての形状を保持することが困難な場合には、シートに支
持層を設けることによってシートの形状保持性を持たせ
てもよい。支持層はゴム等の弾性を有する材料や加熱に
よって延展性を発現する熱可塑性や硬化性の材料で形成
する。支持層には成形品内部の中空部成形時のシート延
伸でシートが破れないようにシートを補強する効果があ
る。したがって、この成形性と補強効果の兼ね合いか
ら、支持層の厚さとしては50〜300μmが好まし
い。
【0031】本発明に使用される光硬化性シートは、分
子中に水酸基、アミノ基およびカルボキシル基等の官能
基と(メタ)アクリロイル基を複数有する常温で固体状
アクリル樹脂と(メタ)アクリロイル基を有する低分子
量物および光増感剤の混合物をキャスティングして調製
することができる。低分子量物は、アクリル樹脂を可塑
化するために、また光反応によって硬化し、高い硬度を
付与するために添加される。
【0032】シートに自己支持性を与えるために、光硬
化前に部分的に架橋させて半硬化状態としても良い。こ
の場合、半硬化状態とするための架橋剤として、イソシ
アネート系,メラニン系,エポキシ系架橋剤等が用いら
れる。
【0033】また、シートには硬化反応を促進させるた
めに過酸化物を添加しても良い。この光硬化性シートと
しては、硬化前に延展性を有し、硬化後の硬度の関係か
らガラス転移温度が−20〜120℃の範囲にあるもの
が好ましい。
【0034】上記の光硬化性シートに含有される常温で
固体状のアクリル樹脂は、例えば、メチル(メタ)アク
リレート,エチル(メタ)アクリレート,ブチル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルとス
チレン誘導体モノマーやマレイン酸系モノマーを各種過
酸化物等の反応開始剤の存在下で重合させて得られる。
また、これらのブレンド物を用いても良い。
【0035】アクリル樹脂は、その重量平均分子量が5
0,000を下回ると、得られるシートがその形状を保持す
ることが困難になり、作業時の延伸に対して十分な伸び
が得られず、クラックが発生する率が高い。重量平均分
子量が1,000,000 を上回ると溶剤への溶解が悪く、光硬
化性樹脂組成物からシートを調製することが困難にな
る。例えば、溶剤キャスティングによってシートを作成
する場合、樹脂を低濃度でしかキャスティングできず、
シートの膜厚を厚くすることが難しい。
【0036】上記分子中に(メタ)アクリロイル基を有
する低分子量物としては、例えば、メチル(メタ)アク
リレート,2-エトキシメチル(メタ)アクリレート, フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート, フェノキシジエ
チレングリコール(メタ)アクリレート, ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート,ポリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート等の多官能基タイプが
あげられる上記光増感剤,過酸化物は、熱硬化性シート
のところで既に述べたものが使用できる。
【0037】光増感剤は、上記(メタ)アクリロイル基
を有する低分子量物100部に対して通常0.05〜2
0重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲で添加
される。光増感剤は、1種に限らず2種以上併用しても
良い。
【0038】過酸化物の添加量は、上記(メタ)アクリ
ロイル基を有する低分子量物100重量部に対して通常
0.5〜5.0重量部の範囲が好ましい。また、過酸化
物は1種に限らず2種以上併用しても良い。
【0039】本発明に用いられるシートには、顔料、染
料等の着色剤が含有されうる。例えば、顔料では酸化チ
タン,酸化鉄,カーボンブラック,シアニン系顔料,キ
ナクドリン系顔料などがある。染料ではアゾ系染料,ア
ントラキノン系染料,インジゴイド系顔料,スチルベン
系顔料などがあげられる。また、アルミフレーク,ニッ
ケル粉,金粉,銀粉などの金属粉などを着色剤として用
いてもよい。
【0040】更に、シートには、表面性の制御や高機能
化のための無機充填剤や金属材料,電導性材料,弾性微
粒子,結露防止剤,劣化防止剤や防錆剤等が含まれても
良い。
【0041】熱硬化性シートおよび光硬化性シートには
反応制御用触媒を添加しても良い。次に、被覆用シート
として用いられる積層シートについてその断面構造を示
す図3を参照しながら、以下に説明する。
【0042】この積層シートは、キャスティングあるい
はラミネート(圧着)によって得られ、支持層73,基
層71,表面層(保護層)72が順に積層された構成と
なっている。この積層シートにおいては、層間に接着層
を設けても良い。接着層としては、感圧型接着剤,ホッ
トメルト型接着剤,後硬化型接着剤が好適に用いられ
る。接着層の厚みは10〜100μmが好ましい。
【0043】感圧型接着剤としては、例えばゴム系,ア
クリル系,ウレタン系,シリコーン系の粘着剤があげら
れる。ホットメルト型接着剤としては、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体系,スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合系等があげられる。
【0044】積層シートの最外層を後で成形品から剥が
し得る保護層72としても良い。この保護層72は、製
造工程において外観面が傷付くのを防ぐためや、成形品
内部の中空部成形時のシート延伸でシートが破れないよ
うにシートを補強するために用いられる。
【0045】また、透明な保護層の下に光硬化性のシー
トを積層し、保護層をつけたまま光硬化させても良い。
保護層の表面にエンボスや模様をつけておくと、シート
に表面性(外観)を変えることもできる。
【0046】保護層72を構成する材料としては、耐熱
性を有し延伸性に優れる材料が好ましく、例えば、ポリ
エチレンテレフタレートやポリヘキサメチレンテレフタ
レート,シリコーン樹脂系材料,フッ素樹脂系材料等が
あげられる。
【0047】基層71の裏面には印刷を施しても良い。
印刷面は基層71によって保護される。本発明において
用いられる本体成形用の樹脂としては、例えばポリエチ
レン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリカーボネー
ト,ポリスチレン,ポリエチレン系アイオノマー,エチ
レン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−アクリル酸メチ
ル共重合体,塩素化塩化ビニル系樹脂,フッ化ビニリデ
ン系樹脂,ポリテトラフルオロエチレン,ポリフェニレ
ンエーテル,ポリフェニレンサルファイド,ポリアミ
ド,ポリサルフォン,ポリエーテルサルフォン,ポリエ
ーテルイミド,ポリエーテルエーテルケトン,アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS),
ポリエチレンテレフタレート,ナイロン,液晶ポリマー
等の熱可塑性樹脂、あるいは、これらの樹脂にガラス繊
維,タルク等の充填剤を充填した材料、安定剤,滑剤,
難燃剤,改質剤,顔料,染料等の着色剤等を配合した材
料、さらにはこれらを組み合わせたポリマーアロイ等の
射出成形可能な材料であれば適宜使用することができ
る。
【0048】溶融樹脂中に圧入されるガスとしては、一
般的には窒素ガス,炭酸ガス等の不活性ガスが望ましい
が、乾燥した空気その他の反応性に乏しく成形温度条件
下で樹脂の劣化を起こさないガスであれば構わない。液
体としては、水,油,アルコール等があげられる。
【0049】溶融樹脂中へのガス体もしくは液体の注入
は、注入時に注入口が溶融樹脂中にあるように配置され
た注入ピンからおこなっても良いし、樹脂を注入したゲ
ートを介して行っても良い。ゲートを介して注入を行う
場合、ランナー,スプルー,射出シリンダヘッド内の少
なくとも一箇所に開口する注入口を設ける。
【0050】注入口は、溶融樹脂の浸入を防ぐために、
間隙50μm以下の嵌合とするか、直径50μm以下の
多数の微細孔とすると良い。また、金属焼結体のような
多孔質材料で平均孔径30μm以下のものを注入ピンの
先端に使用しても良い。また、これらの構造に代えてボ
ール弁の様な逆止弁を使用しても構わない。
【0051】図2にはこうした注入口の断面構造を示し
たものである。図2(a)は、注入ピン6の注入口62
に焼結多孔質体64を備えたものであり、多数の孔を介
してガスもしくは液体が注入される。この焼結多孔質体
64はノズルチップ61の内壁に密着した状態で設置さ
れている。また、同図(b)は注入口62が針体67に
よって塞がれ、この針体67をスリーブ66の内壁に沿
って摺動させることにより注入口62にすき間が生じ、
そのすき間からガスもしくは液体を注入できる構造とな
ったものである。
【0052】さらに、キャビティの形状に関する制約と
しては、外観面に尖った突起等シートを破る原因となる
ものが無いことの他には特に制約は無い。しかし、より
好ましい構成としては、シート型壁の角が接するよりは
R取りされている方が成形品の仕上がりは良くなる。ま
た、ゲートに対向する部分の型壁とゲートとの距離があ
まり離れていない方が、射出充填される樹脂圧を受ける
シートを型壁面が支えてくれるために、シートが破れる
ことなく本体成形樹脂の高速充填が可能となって良い。
【0053】また、請求項2に対応する射出成形品の製
造方法(以下、発明2という)は、実施例に対応する図
4を参照しながら説明すると、発明1における射出成形
品の製造方法において、溶融樹脂3を充填する前に、第
1のキャビティ空間121に、圧力を媒介する圧力媒体
5を溶融樹脂3の充填圧力と略等しい圧力で満たした
後、ゲート112から所定量の溶融樹脂3を充填すると
ともに、圧力媒体5を第1のキャビティ121空間から
排出しながら、溶融樹脂3中へガスもしくは液体4の圧
入を行うことによって特徴付けられている。
【0054】圧力媒体としては、空気,窒素,水,エタ
ノール,油等がよく用いられるが、反応性に乏しくシー
トを腐食,化学変成,燃焼させることのない流体であれ
ば、これらに代わる圧力媒体として使用できる。
【0055】また、樹脂圧に対抗する圧力をかけるタイ
ミングは樹脂射出と同時もしくは射出直前である。さら
に、請求項3に対応する射出成形品の製造方法(以下、
発明3という)は、発明1,発明2における射出成形品
の製造方法において、上記溶融樹脂中に圧入するガスも
しくは液体の体積流量を一定とするよう制御するととも
に、中空部と被覆された外観面を有する成形品によって
キャビティ全体が満たされた後、その成形品が冷却固化
するまでの間、成形品の内部の中空部を満たすガスもし
くは液体に加わる圧力を一定に保つことによって特徴付
けられている。
【0056】ここで、体積流量とは、後述する注入装置
の下流に繋がれた配管のある断面図を通過する単位時間
当たりの体積と定義する。また、注入時に一定とは、実
際に注入するガスもしくは液体の流れがある注入段階の
うち、流体の流れの立ち上がりとそれに続く瞬間的なピ
ーク,シート延伸終了後の立ち下がり部分を除いた大部
分でほぼ同じ値に保たれることを意味し、値の5%以内
の瞬間的な揺らぎは一定とみなす。
【0057】注入初期の瞬間的なピーク流量は主に配管
の容量によるものでシートの延伸には影響しない。ガス
もしくは液体の注入時の体積流量を一定に保つことでシ
ートの延伸速度がほぼ一定に保たれる。また、流量を小
さく設定すれば、シートの延伸速度を小さく制御するこ
とができる。これにより、シートの破断、白化を防ぐこ
とが出来る。
【0058】注入段階でのガスもしくは液体の体積流量
の好適な値は、成形品の大きさと中空率,シートの種
類,膜厚によって決められる。シート延伸にかかる時間
が0.5s〜3.5sの範囲になるように決めるのが好
ましい。流量としては大体10cm3 〜1000cm3
の範囲となる。
【0059】注入は一定の体積流量で行い、特に高圧は
必要ないのに対し、ガスもしくは液体の流れが殆ど止ま
る保圧段階では成形品が冷却固化し、自己支持できるよ
うになるまでガスもしくは液体に高圧を加えて成形品が
型内で型壁から浮くことのないようにする必要がある。
この保圧段階でガスもしくは液体に加えられる圧力は2
0kgf/cm2 〜250kgf/cm2 が好ましい。これより低い
圧力では冷却途中で型内で成形品が型壁から浮いてしま
い、冷却ムラが生じて成形品のそりが起こることがあ
る。また、これより高い圧力では注入ピン周囲からのガ
ス漏れが起こる頻度が高くなり、成形品の品質のばらつ
きが生じることがある。
【0060】なお、ここで注入段階,保圧段階の区別は
キャビティが成形品で満たされ、シートの延伸が終了し
た時点を境とする。これは便宜的には、注入口周囲およ
び配管からのガスもしくは液体の漏洩を完全に無くした
状態で体積流量が10cm3以下になる時点として検出
される。
【0061】以上の用件を満たす製造方法を実現するた
めの装置の形態としては次の三種類があげられ、これら
が適宜用いられる。まず、ガスもしくは液体の高圧源と
注入部の間に、流れの上流から調圧弁と流量調節弁を順
に介して接続した装置がある。この装置を用いる場合、
キャビティが完全に満たされる前の注入段階では、流量
調節弁による流量が律速となって流量が一定に保たれ、
キャビティが完全に満たされた後には流れがほとんどな
くなるために流量調節弁での圧力降下が無視できる量と
なって注入口にかかる圧力が調圧弁による設定圧に急速
に近づく。この場合、注入口にかかる圧力の最大値は、
全過程を通じて調圧弁で規定される値を越えることがな
い。したがって、圧力の設定値は加湿されたシートの延
伸を起こすに十分な圧力を設定する。高圧源は調圧弁で
規定される圧力の少なくとも3倍以上の圧力を維持でき
る大容量の高圧容器に繋ぐ。簡便には、市販のガスボン
ベとレギュレータおよび流量調節弁を配管で接続するだ
けで実現できる。
【0062】また、他の装置としては、一定容量のシリ
ンダを高圧のガスもしくは液体で満たし、ピストンを速
度制御で押し出す装置がある。この装置を用いる場合、
流量の制御はピストンを押し出す速度を制御することに
よって実現される。一定速度でピストンを押し出した場
合、ガスもしくは液体に働く最高圧力は不定で、流量を
一定に保つに十分な最低圧で推移する。最終圧力はピス
トンを押し切った時のシリンダおよび配管内の容量と初
期のシリンダおよび配管内の容量の比と、初期圧力によ
って決まる。また、ピストンの押出速度制御は、油圧回
路や電動サーボモータ等、従来から良く知られた方法で
実現すれば十分である。
【0063】また、更に他の装置としては、加温された
シートの延伸を起こすに十分な圧力を維持できる比較的
低圧な圧力源をキャビティが完全に充填されるのに必要
な時間もしくはそれより僅かに長い所定の時間だけ流量
調節弁を介して注入口に接続し、その後、流路を高圧の
圧力源に切り替える装置がある。この装置を用いる場
合、意識的に切り替えを行う装置を必要とするが、最も
明確な制御を与えることができる。経路の切り替えは、
射出時からの一定経過時間後に電磁弁を作動させるよう
な単純な機構で十分である。
【0064】なお、そのほかシートの材質,厚み,固定
方法,樹脂の種類,注入するガスもしくは液体の種類に
ついては上記の発明1と同様である。
【0065】
【作用】発明1では、常温のシートが伝熱によって溶融
し、破断する前にシートの伸張が完了することができ、
シート材が分解反応を起こすこともない。したがって、
溶融樹脂中にガスもしくは液体を注入することにより、
中空部を形成する間の過程でシートの張力によって溶融
樹脂が支持される。このため、60%を超えるような大
中空率の成形を行っても樹脂がガスもしくは液体によっ
て突き破られることがない。また、樹脂の冷却固化によ
る体積収縮は内部の中空部の形成によって補われるため
に、成形品にはヒケが生じない。中空部内のガスもしく
は液体を介した保圧を行うことで、溶融樹脂を介して保
圧する場合のような圧力降下が問題にならなくなり、こ
の結果、寸法収縮率が小さくなり、成形品の寸法精度が
向上し、ソリも低減する。さらに、シートの伝熱係数は
本体成形樹脂と同程度であるため、本体成形樹脂表面が
金型壁面によって急冷されることがなくなる。このた
め、ガスもしくは液体の注入までの間に溶融樹脂の流動
先端表層が固化してヘジテーションマークとなることが
ない。また、シートを保護層として用いて成形後、剥離
する場合にも成形品表面にフローマークが残らない。そ
して、外観面が被覆された成形品ができるので、その被
覆層の性質により成形品外観面を例えば、塗装レスやス
ウェードタッチ等の良好な面を実現でき、かつ、例えば
高硬度を有するといった高機能なものにすることができ
る。
【0066】また、発明2では、溶融樹脂充填直前にキ
ャビティのシートによって分けられたゲートのない側の
空間に圧力媒体を注入することにより、シートの両側に
は圧力媒体と溶融樹脂の圧力が同時に加えられる。した
がって、シートの一面のみに応力が働くことはなく、シ
ートを破ることなく必要な量の樹脂を高速に充填するこ
とができる。また、ガスもしくは液体を溶融樹脂中に注
入する際には、排出される圧力媒体の流量が律速とな
り、樹脂を通してシートに作用するガスもしくは液体の
圧力とバランスを保つだけの圧力が圧力媒体に働くた
め、高圧のガスもしくは液体を使用してもシートが急激
な延伸をすることがなく、シートの破断や白化を防ぐこ
とができる。これにより、シートの厚みを増すことが可
能となり、独特の質感を与える等の利用法が開ける。
【0067】さらに、発明3では、ガスもしくは液体の
注入速度を一定に保つことにより、シートの延伸速度が
ほぼ一定に保たれる。また、注入速度を小さく設定すれ
ば、シートの延伸速度を小さく制御することができる。
これにより、シートの破断,白化を防ぐことができる。
【0068】
【実施例】以上説明した構成を用いて行う発明1の射出
成形品の製造方法を、その実施例に対応する図1を参照
しながら以下に説明する。
【0069】まず、被覆用シート2を所定寸法に裁断し
て開いた金型の内側に配置し、その被覆用シート2を型
分割面に挟んだ状態で型を閉じる〔図1(a)〕。キャ
ビティは被覆用シート2によって固定側キャビティ11
1と可動側キャビティ121の二つの空間に分けられ
る。型分割面のキャビティ全体に対する位置は、被覆用
シート2を型分割面に挟んだ時に、可動側の空間の体積
が確実に確保されるような位置になければならない。こ
れに対し、固定側の空間の体積は必ずしも確保されなく
ともよい。しかし、より好ましくは、型分割面によって
分けられるキャビティの固定側空間と可動側空間の体積
比が最終的に望む中空成形品の樹脂の専有する体積と中
空部の体積に等しくなるようにすると良い。
【0070】次に、金型1に溶融樹脂3を射出して被覆
用シート2で分けられたキャビティの固定側空間を既定
量の溶融樹脂3で満たす〔図1(b)〕。このときの充
填樹脂量は被覆用シート2で区切られたキャビティの固
定側空間の体積より多くても良い。これは多い分の体積
は被覆用シート2の伸張によってまかなわれることによ
る。樹脂が被覆用シート2を破ってしまう場合は、充填
速度を下げて対処することができる。もしくは、後述す
る請求項2の発明によって、解決することができる。
【0071】更に、溶融樹脂3中にガスまたは液体4を
圧入して被覆用シート2を延伸しつつ成形品内部に中空
部を形成する〔図1(c)〕。その後、キャビティは外
観面の被覆された一体中空射出成形品によって満たされ
る〔図1(d)〕。被覆用シート2の張力によって溶融
樹脂が支持されるために、大きな中空部を作る場合、す
なわち、事前に充填される樹脂の体積がキャビティの全
体積に比べ小さい場合にも、ガスもしくは液体が樹脂を
突き破ることなく形成できる。
【0072】溶融樹脂3は被覆用シート2を介して、金
型1に熱を奪われ冷却固化する。内部のガスもしくは液
体4は、冷却固化する間、成形品内部から金型壁面に樹
脂を押さえつけ、樹脂の冷却収縮体積を補償する分だ
け、膨張あるいは浸入して成形品表面にヒケがでるのを
抑える働きをする。
【0073】圧入されたガスもしくは液体は、中空成形
品が内部のガスもしくは液体の圧力に依らずに形状を維
持できるまで冷却固化した後、排出されて圧力が除かれ
る。このタイミングは、成形品の冷却過程の途中、すな
わち、型が開かれる前となることもあり得る。もちろん
型開きと同時もしくは型開き後に圧力を除いても良い。
排出は注入口もしくは注入ピンを抜いた孔から行われ
る。成形時に圧入したガスもしくは液体を成形品内部に
残すことが問題となる場合や周囲への漏洩が環境問題と
なる場合、またはガスもしくは液体がコスト的に高価で
ある場合など、場合によってはガスもしくは液体の圧力
を除くと同時にその回収を行う。
【0074】また、金型温度は、使用する樹脂,シート
によってことなってもよいが、充填樹脂の軟化温度より
20〜50度程度低い温度に加温するのが好ましい。熱
硬化性シートを使用した場合は、製品離型後、オーブ
ン,湯浴,赤外線照射などの手段によって完全に硬化さ
せる。この場合、80℃で30分から1時間程度の加熱
により十分硬化する。
【0075】また、光硬化性シートを使用した場合は、
製品離型後、高圧水銀灯やメタルハライドランプの照射
によって完全に硬化させる。照射は各方向から、照射面
の照射エネルギが50〜500mW/cm2 となるよう
にして行えば5分程度の照射で十分硬化する。
【0076】この発明1に対応する具体的実施例につい
て以下に説明する。 <実施例1a>シートとして、膜厚100μmの熱硬化
性樹脂を用意した。この熱硬化性樹脂は、アクリル樹脂
(旭化成工業社製,商品名:デルベットSR8200)
100重量部,メチルアクリレート60重量部,フェノ
キシエチルアクリレート20重量部,2−ヒドロキシエ
チルアクリレート20重量部,2,4 ジエチルチオキサン
トン2.8重量部とイソシネレート100重量部の混合
物をPETフィルムの離型面にアプリケータで塗工し、
60℃で30分間乾燥した後、高圧水銀灯(100W/
cm2 )で25秒間照射して半硬化状態としてPET層
を剥離したものである。このシートの軟化点は32℃で
あった。このシートを70℃に温調した金型のパート面
に挟んで固定した。
【0077】また、本体成形用樹脂として、ABS樹脂
(旭化成工業社製,商品名:スタイラック−ABS10
0)を用い、成形温度230℃で使用した。射出終了
後、直ちにゲートから50kgf/cm2 の窒素ガスを注入
し、冷却固化後、ガス圧を解放し、型を開いて成形品を
取り出した。その成形品を赤外線ランプにより、30分
間加熱し、被覆層を完全に硬化させた。その結果、内部
が中空で本体がABS樹脂からなり、外観面に熱硬化性
樹脂の硬化した皮膜を有する成形品を得ることができ
た。この被覆シートを用いた成形品と、この被覆シート
を用いないで溶融樹脂中にガスを注入したものとを比較
すると、表2に示すような違いがみられた。
【0078】
【表2】 なお、表2で示した中空率はガスを注入しない通常の射
出成形品の重量を基準として重量から求めた。また、外
観は目視によるものであり、鉛筆硬度試験はJIS・K
5400によるものである。 <実施例1b>被覆用シートとして、膜厚120μmの
光硬化性樹脂を用意した。この光硬化性樹脂は、溶剤と
しての酢酸エチル300重量部に、アクリル系樹脂(共
和瓦斯化学工業社製,商品名:パラベットビーズ)10
0重量部,アクリレートオリゴマー(日本化薬製,商品
名:KAYAYAD DPCA20)50重量部,光増
感剤として2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルスル
フォンオキサイド4重量部を混合して得られる光硬化樹
脂組成物をポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルムに塗工し、80℃で7分乾燥させた後、PETフィ
ルムを剥離して得たものである。このシートの軟化点は
28℃であった。このシートを80℃に温調した金型の
パート面に挟んで固定した。
【0079】また、本体成形用樹脂として、実施例1a
同様のABS樹脂を用い、成形温度230℃で使用し
た。射出終了後、直ちにゲートから50kgf/cm2 の窒素
ガスを注入し、冷却固化後、ガス圧を解放し、型を開い
て成形品を取り出した。その成形品に高圧水銀灯により
紫外線照射を行うことにより、被覆層を硬化させた。そ
の結果、内部が中空で本体がABS樹脂からなり外観面
に光硬化性樹脂の硬化した皮膜を有する成形品を得るこ
とができた。この被膜シートを用いた成形品と、この被
膜シートを用いないで溶融樹脂中にガスを注入したもの
を比較すると、表3に示すような違いがみられた。
【0080】
【表3】 <実施例1c>被覆用シートとして、膜厚350μmの
スウェード調シートを用意した。このシートは、ウレタ
ン樹脂(日本ポリウレタン工業社製,商品名:ニッポラ
ン5120 分子量30,000)を固形分で100重量部
と、弾性ビーズ(日本触媒化学工業社製,商品名:弾性
ビーズEBS100,平均粒径10μm)100重量部
を混合し、カレンダ成形により作成した厚さ250μm
のポリプロピレン樹脂(昭和電工社製,商品名:エース
ポリプロSG510,軟化点135℃,融点150〜1
60℃)製シート上に、予め塩素化PPプライマーを被
覆したシート上に乾燥後の膜厚が100μmになるよう
に塗工し、80℃で3分乾燥させることにより得たもの
である。
【0081】また、本体成形用樹脂として、PP樹脂
(住友化学工業社製,商品名:住友ノーブレンAX56
8)を用い、成形温度180℃で使用した。その結果、
内部が中空で本体がPP樹脂からなり、外観面および端
面にスウェード調皮膜を有する中空率70%の成形品を
得ることができた。
【0082】次に、発明2に対応する実施例について説
明する。また、請求項2に対応する射出成形品の製造方
法(以下、発明2という)は、発明1における射出成形
品の製造方法において、上記溶融樹脂を充填する前に、
上記ゲートが備えられたキャビティに嵌合するもう一方
のキャビティ空間に、圧力を媒介する圧力媒体を上記溶
融樹脂の充填圧力と略等しい圧力で満たした後、上記ゲ
ートから所定量の溶融樹脂を充填するとともに、上記圧
力媒体を上記もう一方のキャビティ空間から排出しなが
ら、上記溶融樹脂中へガスもしくは液体の圧入を行うこ
とによって特徴付けられている。
【0083】この発明2の射出成形品の製造方法を、使
用する装置の要部を示す図4を参照しながら以下に説明
する。この発明2は、発明1における射出成形品の製造
方法において、更に樹脂充填前に被覆用シート2によっ
て分けられたキャビティの可動側の空間121に圧力媒
体5を満たして樹脂射出充填時の樹脂圧に対抗する圧力
を加えた後、ゲートから所定量の溶融樹脂3を充填し、
圧力媒体5を抜きつつ溶融樹脂中へのガスもしくは液体
の圧入を行って射出成形品を製造する。圧力媒体の注入
/排出は、可動側キャビティ121に臨むように可動型
12に設けられた圧力媒体注入/排出口122から行わ
れる。
【0084】圧力媒体としては、空気,窒素,水,エタ
ノール,油等がよく用いられるが、反応性に乏しくシー
トを腐食,化学変成,燃焼させることのない流体であれ
ば、これらに変わる圧力媒体として使用できる。この圧
力媒体は同時に熱媒体として利用することもできる。例
えば、加温された油を用いれば、シートを加熱してその
柔軟性を増し延展性を向上させることができる。
【0085】また、樹脂圧に対抗する圧力をかけるタイ
ミングは樹脂射出と同時もしくは射出直前である。圧力
媒体注入/排出口122は、平均孔径500μm以下の
多数の孔または多孔質もしくは隙間幅500μm以下の
嵌合とすると良い。これらの孔もしくは嵌合にはシート
は触れるが溶融樹脂が直接接触することはない。したが
って、これらの孔もしくは嵌合は従来の射出成形でガス
抜きベントとして用いられていたものよりも大きくても
構わない。もちろん従来のガス抜きベントを利用しても
良い。
【0086】次に、この圧力媒体をキャビティ空間から
排出しつつ溶融樹脂中へのガスもしくは液体の圧入を行
う方法には以下の二種類のものがあげられる。まず、排
出流路に絞り弁を設けて、成形品の膨張にあわせて余分
の圧力媒体を排出する。この場合、シートの延伸速度
は、排出絞り弁の圧力降下特性に基づいて定まる圧力媒
体流出速度によって決まる。特に定速絞り弁を用いれ
ば、シートの延伸速度をほぼ一定に保つことができる。
また、圧力降下量をほぼ一定に保つ絞り弁を用いた場
合、シートの延伸速度はゲートから溶融樹脂中に圧入さ
れるガスもしくは液体の圧入速度によって制御される。
圧力媒体としては、液体のようなほとんど圧縮性の無視
できるものの方が望ましい。しかし、厳密な制御を必要
としない場合にはガスのような圧縮性の流体を圧力媒体
として用いても良い。
【0087】また、他の方法としては、排出流路をキャ
ビティと同程度の容積をもつ閉鎖容器に連結し、キャビ
ティ内と等しい圧力に保っておく。ゲートから溶融樹脂
中に圧入されるガスもしくは液体の圧力を昇圧するにし
たがって、成形品内部の中空部は膨張し、シートで隔て
られた圧力媒体は連結された閉鎖容器内に移動する。こ
の場合、シートの延伸速度は溶融樹脂中にに圧入される
ガスもしくは液体の昇圧プロファイルによって制御され
る。固定容積の閉鎖容器を使用する場合は、圧力媒体と
してガスのような圧縮性の大きな流体を使用する。閉鎖
容器を容量可変のシリンダとし、ピストンを機械ばねま
たは空気ばねにより支持して、圧力媒体として圧縮性の
ほとんどない液体を使用しても良い。
【0088】これらの手段により、排出される圧力媒体
には、樹脂を通してシートに作用するガスもしくは液体
の圧力とバランスを保つだけの圧力が働く。このため、
ガスもしくは液体に大きな圧力を加えてもシートの急激
な延伸を引き起こすことなく成形でき、シートの破断や
白化を防ぐことができる。したがって、シートの厚みを
増すことが可能となり、独特の質感を与える等の利用法
が開ける。
【0089】なお、成形品がキャビティをほぼ満たした
後、圧力媒体排出流路を低圧容器またはポンプに連結し
て圧力媒体を強制排出し、型の転写を補助しても良い。
この方法の具体例を次に説明する。 <実施例2>被覆シート,本体成形樹脂,成形条件は実
施例1cと同様であり、樹脂充填前に樹脂ゲートに対向
する位置に設けられた圧力媒体注入孔から圧力媒体とし
て窒素ガスを注入した。圧力媒体としての窒素ガスの圧
力は、レギュレータで設定圧50kgf/cm2 に設定した。
成形機の射出信号の立ち上がりと同時に電磁弁を開いて
注入できるようにした。また、圧力媒体の排出は、溶融
樹脂中へのガス注入と同時に電磁弁で流路を切り替え
て、定量絞り弁(市販の流量調節弁)を経由して大気中
に解放するようにした。また、溶融樹脂中に注入するガ
スの圧力はレギュレータで設定圧200kgf/cm2 に設定
した。
【0090】この結果、圧力媒体なしで樹脂射出速度3
00cm3/s,背圧10kgf/cm2 でシートが破れていたもの
が、シート背面からの圧力媒体圧により、シートの破断
なく成形することができるようになった。また、圧力媒
体の排出流量を0.5Nm3/sに絞ることでコーナー部に
発生していたシートの白化をなくすことができた。
【0091】さらに、発明3に対応する実施例について
以下に説明する。 <実施例3a>被覆用シート,本体成形樹脂は実施例1
cと同様であり、図5に示す構成のガス注入装置8を使
用した。ここで、指定のない成形条件については、実施
例1cと同じである。
【0092】このガス注入装置80は、高圧容器809
内に蓄積される高圧ガスが、レギュレータ802、電磁
弁811、流量調節弁812を介して金型のガス注入孔
に連結される構成になっている。
【0093】これにより、電磁弁811を開とすると、
流量はその直後より速やかに増大するが、流量調節弁8
12の与える規定の流量を超えることはない。また、成
形品内部に中空部が形成されることにより、被覆用シー
トが延伸され、キャビティが満たされた後は、ガスの流
量は急激に減少し、レギュレータで設定されるガス圧を
保持した。
【0094】ただし、これらはガス配管およびガス注入
部周囲からのガス漏洩が完全にシールされている状況で
確認されたものである。このガス注入装置80を使用す
ることにより、ガス注入開始からキャビティ完全充満
(型内圧での検出)までの時間が制御できることを、ガ
ス圧200kgf/cm 2 で0.8から3.5秒の間で確認し
た。特に、1.5から2.0秒の間で外観面コーナー部
のシートの白化のない良品が得られた。 <実施例3b>被覆用シート,本体成形樹脂は実施例1
cと同様であり、図6に示す構成のガス注入装置81を
使用した。ここで、指定のない成形条件については、実
施例1cと同じである。
【0095】このガス注入装置81を使用することによ
り、油圧駆動ピストン814によりシリンダ813内の
高圧ガスが制御された流量で製品内に注入される。この
シリンダ813内計量時のガス圧を50kgf/cm2 とし、
最終的に1/5の体積までシリンダ813を押し出し
た。
【0096】このガス注入装置81を使用することによ
り、ピストン814の押し出し速度を変えて、ガス注入
開始からキャビティ完全充満(型内圧での検出)までの
時間を0.7から3.5秒の間で変えられることを確認
した。特に、1.5から2.0秒の間で外観面コーナー
部のシートの白化のない良品が得られた。
【0097】
【発明の効果】以上述べたように、発明1の射出成形品
の製造方法によれば、可動金型と固定金型との型分割面
に延展性のあるシートもしくは加熱により軟化するシー
トを挟み込んだ状態で、ゲート側から予め決められた量
の溶融樹脂を、シートの溶融温度より略30℃高い温度
またはシートが熱分解する温度のいずれか低い方の温度
より低い成形温度で充填した後、この溶融樹脂中に高圧
のガスもしくは液体を圧入することにより、溶融樹脂内
部の中空部の形成およびシートの延伸を同時に行わせな
がら溶融樹脂をキャビティ全体に満たすようにしたの
で、中空率60%を超える大きな中空部を内部に有し、
しかもヒケやヘジテーションマーク,フローマークの無
い成形品を作製することができる。また、外観面は成形
と同時に被覆された被覆層の性質により、例えば、塗装
レス、高硬度、ウェードタッチといった多機能をもたせ
た射出成形品を得ることができる。さらに、従来の金型
構造をそのまま用いることができ、製造コストを低減で
きる。
【0098】また、発明2の射出成形品の製造方法によ
れば、溶融樹脂を充填する前に、ゲートが備えられたキ
ャビティに嵌合するもう一方のキャビティ空間に圧力媒
体を溶融樹脂の充填圧力と略等しい樹脂圧力で満たした
後、ゲートから所定量の溶融樹脂を充填するとともに、
その圧力媒体をキャビティ空間から排出しながら、その
溶融樹脂中へのガスもしくは液体の圧入を行うようにし
たので、ガスもしくは液体注入の圧力を高くしても、シ
ートの破断および白化が起き難い。さらに、発明1の効
果に加え、樹脂充填時のシートの破断を解消でき、高速
充填あるいはさらに薄いシートの使用が可能となる。
【0099】そして、発明3の射出成形品の製造方法に
よれば、溶融樹脂中に圧入するガスもしくは液体の体積
流量を一定とするよう制御するとともに、中空部と被覆
された外観面を有する成形品によってキャビティ全体が
満たされた後、その成形品が冷却固化するまでの間、成
形品の内部の中空部を満たすガスもしくは液体に加わる
圧力を一定に保つようにしたので、シートの破断や白化
を防ぎながら必要な最小の圧力でシートを延伸し、保圧
時には十分な高圧に切り替えることができる。これによ
り、適用可能なシート厚みの範囲が広がり、シートの厚
みを増して独特の質感の射出成形品を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明1の実施例を説明するための図
【図2】発明1の実施例に適用されるガス注入部の構造
を説明する図
【図3】本発明実施例に適用される積層シートの構造を
示す図
【図4】発明2の実施例の圧力媒体注入/排出過程を説
明するための断面図
【図5】発明3の実施例に適用されるガスもしくは液体
の注入速度制御のための装置構成を示す図
【図6】発明3の実施例に適用されるガスもしくは液体
の注入速度制御のための他の装置構成を示す図
【符号の説明】
1・・・・金型 11・・・・固定金型 12・・・・可動金型 111・・・・固定側キャビティ 112・・・・ゲート 114・・・・ガスもしくは液体の注入口 121・・・・可動側キャビティ 122・・・・圧力媒体注入口/排出口 2・・・・被覆用シート 3・・・・溶融樹脂 4・・・・ガスもしくは液体 5・・・・圧力媒体 6・・・・注入ピン 7・・・・積層シート 80,81・・・・ガス注入装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のキャビティを有する可動金型と、
    閉型したときにその第1のキャビティとともに成形品の
    形状に対応するキャビティを形成する第2のキャビティ
    を有する固定金型とを備え、かつ、その第2のキャビテ
    ィに当接するゲートおよびガスもしくは液体を注入する
    ための注入口を備えた金型を用いて、射出成形品を製造
    する方法において、上記可動金型と固定金型との型分割
    面に延展性のあるシートもしくは加熱により軟化するシ
    ートを挟み込んだ状態で、上記ゲート側から予め決めら
    れた量の溶融樹脂を、上記シートの溶融温度より略30
    度高い温度または上記シートが熱分解する温度のいずれ
    か低い方の温度より低い成形温度で充填した後、この溶
    融樹脂中に高圧のガスもしくは液体を圧入することによ
    り、溶融樹脂内部の中空部の形成および上記シートの延
    伸を同時に行わせながら上記溶融樹脂を上記キャビティ
    全体に満たすことを特徴とする射出成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記溶融樹脂を充填する前に、上記第1
    のキャビティ空間に、圧力を媒介する圧力媒体を上記溶
    融樹脂の充填圧力と略等しい圧力で満たした後、上記ゲ
    ートから所定量の溶融樹脂を充填するとともに、上記圧
    力媒体を上記第1のキャビティ空間から排出しながら、
    上記溶融樹脂中へガスもしくは液体の圧入を行うことを
    特徴とする請求項1記載の射出成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記溶融樹脂中に圧入するガスもしくは
    液体の体積流量を一定とするよう制御するとともに、中
    空部と被覆された外観面を有する成形品によってキャビ
    ティ全体が満たされた後、その成形品が冷却固化するま
    での間、成形品の内部の中空部を満たすガスもしくは液
    体に加わる圧力を一定に保つことを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載の射出成形品の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001232656A (ja) * 2000-02-22 2001-08-28 Battenfeld Gmbh 少なくとも1個の空隙を有する成形体の射出成形方法、及びこれを行うための装置
KR100398078B1 (ko) * 2000-12-28 2003-09-19 제일모직주식회사 열가소성 수지 사출성형용 액상물질주입 제어장치

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