JPH07314137A - 開先部に傾斜を有するワークの立向き上進溶接方法 - Google Patents

開先部に傾斜を有するワークの立向き上進溶接方法

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JPH07314137A
JPH07314137A JP11626294A JP11626294A JPH07314137A JP H07314137 A JPH07314137 A JP H07314137A JP 11626294 A JP11626294 A JP 11626294A JP 11626294 A JP11626294 A JP 11626294A JP H07314137 A JPH07314137 A JP H07314137A
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JP
Japan
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groove
inclination
weaving
welding
torch
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JP11626294A
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English (en)
Inventor
Noboru Fukuhara
昇 福原
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワークが傾斜していたり、開先断面が広がっ
たテーパギャップ溶接等の開先部に傾斜を有する場合に
ロボットによる立向き上進溶接を達成する。 【構成】 開先面内を略水平方向にトーチを回動させて
ウィービングを行うに際し、溶接開始前に開先部をセン
シングして傾斜を測定し、第i周のトーチの回動軌跡を
この測定結果による傾斜に対応した修正値で修正して第
(i+1)周の回動軌跡とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼構造物における各種
の立向き上進溶接をMAG溶接、MIG溶接、TIG溶
接、炭酸ガス溶接等のガスシールドアーク溶接法により
溶接ロボット等の自動溶接装置を用いて行う立向き上進
溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図9に示すような各種の(a)T字型継
手のすみ肉溶接、(b)突き合わせV型開先溶接、
(c)T字型継手レ型開先多層盛り溶接などの溶接は、
近年、主として溶接ロボット等の自動溶接装置を用い、
開先面内を略水平方向にトーチを回動させてウィービン
グを行いながら立向き上進溶接により施工される。図9
において、1 、2は母材、3は裏当て金、5は溶着金
属、51はその第1パス、52は第2パスである。
【0003】ロボットを用いる立向き上進溶接のウィー
ビングパターンとしては、例えば特開昭62−175809号公
報に見られるような三角形の回動型ウィービング、ま
た、「溶接ハンドブック」(昭和52年山海堂出版) に見
られるような逆U字型の往復型ウィービング(オッシレ
ート)などが知られている。加えて、これらのウィービ
ング両端で、短時間アークの移動を停止させる方法や、
この停止点で電圧あるいは電流を高くする、いわゆるパ
ルス印加を併用する方法もある。
【0004】また、使用する溶接ロボットは、上記特開
昭62−175809号公報に見られるように、立向き溶接を主
体とし、制御方法は、溶接開始点と溶接終了点を結ぶ基
本作業線と、1層毎のウィービング形状である基本3角
形とを合成して予め全制御点の座標を求めておき、これ
をロボットにトレースさせる方式が知られている。ま
た、本出願人はさきに、特願平5-242891号を以て立向き
上進溶接のウィービング方法ならびにそれを行うための
ロボットの制御方法を提案した。
【0005】この特願平5-242891号に記載の立向き上進
溶接のウィービング方法は、各層の開先面内でトーチを
略水平方向に回動させる間に、トーチの首振りを行わせ
ることを特徴としており、また、各層のビード止端部を
通過した開口部側位置で、またはビード止端部を通過し
た後、このビード止端部後方あるいはビード止端部まで
戻った開口部側位置で、トーチの移動を一時停止させた
まま溶接を継続することを特徴としている。
【0006】さらに、特公平4-60747号公報に、開先部
の溶接開始点と溶接終了点とでギャップ幅が異なるテー
パギャップ開先における立向き上進溶接において、各パ
ス毎の台形ウィービングパターンの台形形状を予め演算
してデータを入力し、溶接ロボットを制御することが記
載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの立
向き上進溶接方法は、溶接線が鉛直方向、すなわちロボ
ットの高さ方向の座標軸と平行であることが前提であ
り、溶接線が鉛直線に対して傾斜している場合について
の対応は未解決であった。また、溶接開始点と溶接終了
点とで開先断面の異なるテーパギャップ開先における立
向き上進溶接において、特公平4-60747号公報に記載の
方法によれば、全溶接長にわたり台形ウィービングパタ
ーンの総軌跡を演算するので、演算時間ならびに演算結
果をロボットに教示するための膨大な時間を必要とし、
能率的でない。
【0008】本発明は、これらについての問題点を解消
し、開先部に傾斜を有するワークの立向き上進溶接方法
を実現することを目的とする。開先部に傾斜を有する場
合としては、開先の断面形状は一定だが開先部全体に同
一傾向の傾斜を有する場合、すなわちワーク自体が鉛直
面に対して傾斜している場合と、ワークそのものは傾斜
していないが開先面のみが傾斜している場合、たとえば
開先断面が高さ方向に一定割合で変化するテーパギャッ
プ溶接の場合などがある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、自動溶接装置により行う開先部に傾斜を有するワー
クの立向き上進溶接方法であって、開先面内を略水平方
向にトーチを回動させてウィービングを行うに際し、第
i周のトーチの回動軌跡を開先部の傾斜に対応した修正
値で修正して第(i+1)周の回動軌跡とすることを特
徴とする開先部に傾斜を有するワークの立向き上進溶接
方法である。
【0010】また、請求項2に記載の本発明は、第i周
のトーチの回動軌跡と第(i+1)周の回動軌跡の相対
座標値は同一とし、回動開始点の座標のみを開先部の傾
斜に対応した修正値で修正する上記の開先部に傾斜を有
するワークの立向き上進溶接方法である。さらに、請求
項3に記載の本発明は、第i周のトーチの回動軌跡に対
して開先部ルートギャップ方向の水平移動距離を往復共
に開先部の傾斜に対応した同じ修正値で修正して第(i
+1)周の回動軌跡とする上記の開先部に傾斜を有する
ワークの立向き上進溶接方法である。
【0011】
【作 用】本発明によれば、開先面内を略水平方向にト
ーチを回動させてウィービングを行うに際し、第i周の
トーチの回動軌跡を開先部の傾斜に対応した値で修正し
て第(i+1)周における回動軌跡とするから、開先の
断面形状は一定だが鉛直方向に開先の位置が変化する場
合、すなわち開先部が傾斜している場合や、開先の断面
形状が一定の割合で変化する場合、すなわちテーパギャ
ップの場合などに対応して自動溶接を行うことができ
る。
【0012】
【実施例】
実施例1 本発明の第1の実施例を図1〜3により説明する。図1
はレ型開先を有するT字型継手の斜視図、図2は同じT
字型継手における螺旋状のウィービングを説明する斜視
図、図3はウィービングの平面形状を示す平面図で、各
符号は図9と同様である。
【0013】図1において、鉛直方向のZ軸に対し、こ
の図の左右方向をX軸、前後方向をY軸とすると、母材
1はY軸まわりに右上から左下方向に傾斜し、これに接
合される母材2はX軸まわりに上部が奥側へ傾斜してい
る。まずワイヤ式等のタッチセンサで母材1の表面上の
1点P1 、つづいてZ方向の高さを変えずに母材2ある
いはこの図のように裏当て金3の表面上の1点P2をセ
ンシングする。つづいてZ方向の高さを変えて、母材1
の表面上の他の1点P3 、つづいて同じ高さの母材2あ
るいは裏当て金3の表面上の他の1点P4 をセンシング
する。
【0014】点Pi の座標を(Xi 、Yi 、Zi )(i
=1〜4)とすれば、左右方向、すなわちXZ面内の傾
斜量TX は、 TX =(X3 −X1 )/(Z3 −Z1 ) であり、前後方向、すなわちYZ面内の傾斜量TY は、 TY =(Y4 −Y2 )/(Z4 −Z2 ) である。
【0015】この開先面内に、図3に平面形状を示すご
とくQi1、Qi2、Qi3、Qi4を頂点とする四辺形を描き
ながら略水平方向にトーチを回動させて螺旋状のウィー
ビングを行い、図2に示すように立向き上進溶接を行う
ものとする。なおQi1、Qi2、Qi3、Qi4の各点はZ方
向には必ずしも同一高さでなくともよい。ウィービング
の各サイクルにおける回動軌跡、すなわちQi1から
i2、Qi2からQi3、Qi3からQi4への移動量(相対座
標値)はそれぞれ一定とする。
【0016】ウィービング1周あたりのトーチの上昇量
は一定としてこの値をLとすると、ウィービング1周あ
たりのX方向の傾斜量δTX 、Y方向の傾斜量δT
Y は、 δTX =TX ・L δTY =TY ・L であるから、ウィービングが第i周の最終点Qi4から第
(i+1)周の回動開始点Q(i+1)1への移行する場合の
み座標を修正して、 Q(i+1)1=Qi1+δTX +δTY とすればよい。ところで、この修正値も、センシング結
果により得られた一定値であるから、本発明における溶
接方法は、最初のセンシングによる傾斜角度の測定によ
りウィービングパターンを決定し、溶接開始点にトーチ
を誘導すれば以後は溶接ロボットが指示どおりのウィー
ビングを繰り返して上進溶接を行い、その都度座標値を
演算したり、ティーチングを行う必要がない。
【0017】以上の手順をフローチャートの形で図4に
示す。なお、図面等により傾斜角が判明している場合、
センシングを行わずに既知の値を使用してもよい。こう
して、鉛直線に対して一定の角度で傾斜している一定断
面の開先内を立向き上進溶接により自動溶接することが
できる。
【0018】実施例2 本発明の第2の実施例を図5、6により説明する。図5
もレ型開先を有するT字型継手の斜視図であり、図6は
ウィービングの平面形状を示す平面図である。図5のT
字型継手は、図1のものと異なり、母材1は鉛直姿勢、
すなわちYZ平面と平行であり、母材2のみX軸まわり
に上部が手前に傾斜している。
【0019】実施例1と同様にタッチセンサで母材1お
よび裏当て金3の表面をセンシングする。母材1が鉛直
であるから図1におけるP1 、P3 の測定は不要であ
り、また、P2 、P4 のセンシングに代えて傾斜角から
直接計算によりでTY を求めてもよいが、いずれにせよ TY =(Y4 −Y2 )/(Z4 −Z2 ) δTY =TY ・L を算出して修正値を決定する。
【0020】母材1、2の板厚がいずれも32mm、ルート
ギャップ 8mm、母材2の傾斜角 5°で、図9(c)に示
した例のように開先内を2パスに分けて溶接した。ウィ
ービング軌跡の平面形状を図6に示す。開先底部側の第
1パスは、裏当て金3に沿った中間点をスタート位置と
し、形状は四辺形であるがポイントはRi1、Ri2
i3、Ri4、Ri5の5か所設ける。
【0021】ウィービングが第i周の最終点Ri5から第
(i+1)周の回動開始点R(i+1)1への移行する場合の
み座標を修正して、 R(i+1)1=Ri5+δTY とする。第2パスはSi1、Si2、Si3、Si4の4点を頂
点とする四辺形状で、ウィービングが第i周から第(i
+1)周に移行する点Si4から点S(i+1)1への移動の場
合のみ座標を修正して、 S(i+1)1=Si4+δTY とする。
【0022】本実施例における具体的な溶接データの一
部を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】相対座標値でわかるように、第1パスで
は、X座標はポイントRi1〜Ri5を一巡すると和が0と
なり、元の位置に復帰するが、Y座標では−0.14、Z座
標では+1.6 ずつ1周あたりの座標値が累積し、Y軸方
向手前に傾斜しながら上進して溶接される。第2パスも
同様である。
【0025】溶接結果は、ビード外観および内部性状共
に良好であった。 実施例3 本発明の第3の実施例を図7、8により説明する。図7
もレ型開先を有するT字型継手の斜視図ならびに断面図
で、図8はウィービングの平面形状を示す平面図であ
る。
【0026】このT字型継手は図7(a)に示すように
母材1、2ともに傾斜はなく鉛直姿勢であるが、開先断
面は下端で広く上端で狭いテーパギャップとなってい
る。まずワイヤ式等のタッチセンサで母材2側の開先面
上の1点P1 、つづいて同じ高さの母材1の表面上の点
2 をセンシングする。つづいてZ方向の高さを変え
て、母材1の表面上の点P3 、つづいて同じ高さの母材
2側の開先面上の1点P4 をセンシングする。
【0027】点Pi の座標を(Xi 、Yi 、Zi )(i
=1〜4)とすれば、図7(b)に示す点P1 、P2
含む開先の上側断面のギャップGu は、 Gu =(X2 −X1 ) また、図7(c)に示す点P3 、P4 を含む開先の下側
断面のギャップGd は、 Gd =(X4 −X3 ) である。なお、点P1 〜P4 は裏当て金3から等しい距
離とする。
【0028】この開先内に、図8に平面形状を示すよう
に、Ti1、Ti2、Ti3、Ti4を頂点とする四辺形を描き
ながら略水平方向にトーチを回動させてこれまでと同様
の螺旋状のウィービングを行いながら立向き上進溶接を
行うものとする。ウィービング1周あたりのトーチの上
昇量は一定としてこの値をLとすると、ウィービング1
周あたりのギャップ変化量δGは、 δG=L・(Gd −Gu )/(Z4 −Z1 ) となる。そこで、図8に示すように、第i周から第(i
+1)周に移る際、Ti1からTi2、Ti3からTi4への移
動量(相対座標値)は変更せず、ルートギャップ方向の
水平移動、すなわちTi2からTi3、Ti4からT(i+1)1
の移動のみは往復ともにδGだけ小さく修正するのであ
る。
【0029】具体例として、母材1、2の板厚が32mm、
高さ 200mmの間でルートギャップが5〜9 mm上に開いた
テーパギャップの開先内を上向き上進溶接した場合のデ
ータの一部を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】この表は、ウィービングの第1周とそれに
続く第2周におけるデータを示している。第1周と第2
周とで、Ti1点とTi3への移動の際の相対座標値のみが
わずかに相違しており、この差がウィービング1周あた
りのギャップ変化量δGに相当する。なお、この実施例
においても溶接結果はビード外観、内部性状ともに良好
であった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、ワークが傾斜していた
り、開先断面が変化している場合においても支障なく自
動溶接装置を使用して高能率の溶接作業を達成すること
ができるという、すぐれた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すT字型継手の斜視
図である。
【図2】図1の継手における螺旋状のウィービングを説
明する斜視図である。
【図3】図2におけるウィービングの平面形状を示す平
面図である。
【図4】本発明の第1の実施例における操作手順を示す
フローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施例を示すT字型継手の斜視
図である。
【図6】本発明の第2の実施例におけるウィービングの
平面形状を示す平面図である。
【図7】本発明の第3の実施例を示すT字型継手の斜視
図である。
【図8】本発明の第3の実施例におけるウィービングの
平面形状を示す平面図である。
【図9】本発明に係わる従来の溶接継手を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1、2 母材 3 裏当て金 5 溶着金属

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動溶接装置により行う開先部に傾斜を
    有するワークの立向き上進溶接方法であって、開先面内
    を略水平方向にトーチを回動させてウィービングを行う
    に際し、第i周のトーチの回動軌跡を開先部の傾斜に対
    応した修正値で修正して第(i+1)周の回動軌跡とす
    ることを特徴とする開先部に傾斜を有するワークの立向
    き上進溶接方法。
  2. 【請求項2】 第i周のトーチの回動軌跡と第(i+
    1)周の回動軌跡の相対座標値は同一とし、回動開始点
    の座標のみを開先部の傾斜に対応した修正値で修正する
    請求項1に記載の開先部に傾斜を有するワークの立向き
    上進溶接方法。
  3. 【請求項3】 第i周のトーチの回動軌跡に対して開先
    部ルートギャップ方向の水平移動距離を往復共に開先部
    の傾斜に対応した同じ修正値で修正して第(i+1)周
    の回動軌跡とする請求項1に記載の開先部に傾斜を有す
    るワークの立向き上進溶接方法。
  4. 【請求項4】 溶接開始前に開先部をセンシングして傾
    斜を測定し、その測定結果により修正値を決定する請求
    項1ないし3のいずれかに記載の開先部に傾斜を有する
    ワークの立向き上進溶接方法。
JP11626294A 1994-05-30 1994-05-30 開先部に傾斜を有するワークの立向き上進溶接方法 Pending JPH07314137A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003200263A (ja) * 2001-12-27 2003-07-15 Kobe Steel Ltd 溶接ロボットの自動運転方法
JP2014111261A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Mitsubishi Electric Corp 溶接方法および自動溶接装置

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JP2003200263A (ja) * 2001-12-27 2003-07-15 Kobe Steel Ltd 溶接ロボットの自動運転方法
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