JPH07313296A - アームレストの組付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 格納、引出し可能なアームレストを、シート
バック内にビス無しで簡単に組付ける。部品点数の削減
を図り、アームレストの組付作業性を向上させる。 【構成】 シートバック４の凹所５内に臨んで設けた固
定側フレーム６に、アームレスト１のヒンジ部を構成す
るヒンジ用ピン１１及びストッパーピン１３を設ける。
ヒンジ用ピン１１を断面非円形状に形成する。アームレ
スト１の後端部側部にフック部材１５を固着する。フッ
ク部材１５は一部開放された円形状の軸支部１７と、係
合部１９とを有し、前記軸支部１７の一部開放部１７ａ
に断面非円形状のヒンジ用ピン１１の厚みの小さい側１
１ａから挿入し、該軸支部１７でヒンジ用ピン１１を回
動可能に枢支する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は例えばベンチタイプ、セ
ミセパレートタイプの車両用リヤーバックシート等に適
用して好適なアームレスト付きの車両用シートのアーム
レストの組付構造に関し、更に詳細に述べると、シート
バックの凹所内でヒンジ部により格納、引出し回動可能
に設けられるアームレストの組付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】各種車両等において車室内に装備される
シートには、一般に、肘掛けとしてアームレストが設け
られている。例えばリヤーバックシート等のベンチシー
トにあっては、シートバック前面側中央部分に凹所が凹
設され、この凹所内で下端部が軸支されることにより、
常時はシートバック面と略同一面内に収容されると共
に、必要時にシート前方に前倒しされて着座者の好み等
に応じて略水平状態にまで回動されて引出され、肘掛け
として使用されるアームレストが、格納、引出し可能に
設けられている。

【０００３】即ち、この種のアームレスト１は、図６か
ら明らかなように、ベンチタイプのリヤーバックシート
等による車両用シートにおいて、シートクッションの後
端部側に立設されるシートバック４の中央部等に設けた
凹所５内に、格納または引出し回動自在な状態で軸支さ
れている。

【０００４】更に、シートバックフレームまたはその一
部に一体的に設けられて凹所５内に露呈して設けられる
固定側フレーム６には、アームレスト１を回動自在に軸
支するためのヒンジブラケット７が、一部をビス９等で
ビス止め固定されることにより設けられている。尚、図
中８はアームレスト１の後端側側部に設けられ、前記ヒ
ンジブラケット７の先端に軸支される軸支ピンである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな従来構造では、アームレスト１をシートバック４側
の凹所５内で軸支するためのヒンジブラケット７を、固
定側フレーム６にビス９止めしており、部品点数が多
く、またこの組付け時の作業が面倒且つ煩雑となると言
う不具合があった。

【０００６】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、格納、引出し可能なアームレストを、シー
トバック内にビス無しで簡単に組付けることができ、部
品点数の削減を図り、アームレストの組付作業性を向上
させ得る安価なアームレストの組付構造を得ることを目
的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上述せる課題に
鑑みてなされたもので、請求項１に記載のアームレスト
の組付構造は、シートバックの凹所内でヒンジ部により
格納、引出し回動可能に設けられるアームレストの組付
構造において、前記シートバックの凹所内に臨んで設け
た固定側フレームに、アームレストのヒンジ部を構成す
るヒンジ用ピンが設けられ、該ヒンジ用ピンは断面非円
形状に形成され、前記ヒンジ用ピンと離間した位置にス
トッパーピンが設けられ、前記アームレストの後端部側
部にフック部材が固着され、該フック部材は一部開放さ
れた円形状の軸支部と、係合部とを有し、前記軸支部の
一部開放部より断面非円形状のヒンジ用ピンを厚みの小
さい側から挿入し、該軸支部でヒンジ用ピンを回動可能
に枢支し、アームレストの回動使用時に前記係合部がス
トッパーピンに係合するようになされていることを特徴
とする。

【０００８】また、本発明の請求項２に記載のアームレ
ストの組付構造は、前記ヒンジ用ピンの厚みの小さい側
が、フック部材の円形状の軸支部に形成された一部開放
部に、アームレストの回動使用範囲以外で挿入可能に形
成されていることを特徴とする。

【０００９】

【作用】本発明の請求項１に記載のアームレストの組付
構造によれば、シートバックの凹所内に臨んで設けた固
定側フレームに断面非円形状に形成されたヒンジ用ピン
が設けられ、アームレストの後端部側部にフック部材が
固着され、該フック部材は一部開放された円形状の軸支
部と、係合部とを有し、前記軸支部の一部開放部より断
面非円形状のヒンジ用ピンの厚みの小さい側を挿入する
ことができ、ヒンジ用ピンを挿入後、軸支部でヒンジ用
ピンを回動することにより、軸支部の一部開放部よりヒ
ンジ用ピンが抜け出すことなく回動可能に枢支すること
ができ、組付作業を簡易迅速に行うことができ、アーム
レストの引出し回動使用時に、前記係合部がストッパー
ピンに係合し、アームレストを所定の角度で確実に支持
することができる。

【００１０】本発明の請求項２に記載のアームレストの
組付構造によれば、ヒンジ用ピンの厚みの小さい側が、
フック部材の円形状の軸支部に形成された一部開放部
に、アームレストの回動使用範囲以外で挿入可能に形成
されているので、アームレストの組付け時に所定の角度
でアームレストを組付けた後は、アームレストの回動使
用範囲でフック部材の円形状の軸支部の一部開放部より
ヒンジ用ピンが抜け出すことがなく、組付作業を簡易迅
速に行うことができ、アームレストを所定の角度で確実
に支持することができる。

【００１１】

【実施例】以下本発明に係わるアームレストの組付構造
を図面を参照して詳述する。図１乃至図５は本発明の一
実施例の概略を夫々示すもので、これらの図において、
前述した図６と同一または相当する部分には同一符号を
付してこれ以上の詳細説明は省略する。

【００１２】本発明によれば、図１及び図２から明らか
なように、シートバック４の凹所５内で格納、引出し回
動可能なアームレスト１のヒンジ部となるヒンジ用ピン
１１，１１及びストッパーピン１３がシートバック４の
凹所５内に臨んで設けた左右両側の固定側フレーム６，
６に予め溶接等により固定して設けられている。

【００１３】前記ヒンジ用ピン１１，１１と離間した位
置に前記ストッパーピン１３，１３が同様に設けられて
いる。前記ヒンジ用ピン１１，１１は断面非円形状に形
成され、本実施例では、図１に示す如く、厚みＬ１の厚
みの小さい側１１ａを有する扁平状に形成され、ヒンジ
用ピン１１，１１の長さＬ２が回動軸支部の長さとなっ
ている。

【００１４】ヒンジ用ピン１１，１１は図示の形状のも
のに限定されるものではなく、またストッパーピン１
３，１３は円形状に形成されているが、円形状に限定さ
れるものではなく、適宜のストッパー部材を用いること
ができる。また左右同一の形状でなくてもよい。

【００１５】アームレスト１の後端部側部にフック部材
１５，１５が左右対称に固着され、このフック部材１５
は一部開放された円形状の軸支部１７と、係合部１９と
が一体に形成されている。前記軸支部１７の円形状の内
径は前記ヒンジ用ピン１１，１１の長さＬ２の長さと略
同一に形成されている。

【００１６】また軸支部１７の一部開放部１７ａより前
記断面非円形状のヒンジ用ピン１１の厚みＬ１の厚みの
小さい側１１ａを挿入することができるようになされて
いる。ヒンジ用ピン１１を挿入後、軸支部１７でヒンジ
用ピン１１の長さＬ２の側で回動自在に軸支される。

【００１７】また前記軸支部１７の一部開放部１７ａは
アームレスト１の回動使用範囲以外でヒンジ用ピン１１
が挿入可能に形成されている。軸支部１７でヒンジ用ピ
ン１１を回動することにより、軸支部１７の一部開放部
１７ａよりヒンジ用ピン１１が抜け出すことなく回動可
能に枢支される。

【００１８】アームレスト１をシートバック４の凹所５
内より引出し回動使用時に、前記係合部１９がストッパ
ーピン１３に係合し、アームレスト１を所定の角度で確
実に支持することができる。尚ストッパーピン１３は一
側部にのみ設けるものであってもよく、従って左右のフ
ック部材１５の一方は円形状の軸支部１７のみから形成
することもできる。

【００１９】上述した構成によれば、アームレスト１の
後端部両側部にフック部材１５を固着し、ヒンジ用ピン
１１及びストッパーピン１３を、シートバック４の凹所
５内の固定側フレーム６に固着し、図３（ａ）に示す如
く、シートバック４の背面側から矢印ａで示す斜め上方
よりアームレスト１を挿入し、矢印ｂで示す斜め上方よ
り軸支部１７の一部開放部１７ａよりヒンジ用ピン１１
を挿入し、アームレスト１を反時計方向に回動させ、軸
支部１７をヒンジ用ピン１１を中心に回動することによ
り、ヒンジ用ピン１１が抜け出すことなく回動可能に枢
支され、アームレスト１を、格納、引出し可能に組付け
ることができる。

【００２０】次いで、図３（ｂ）及び図４に示す如く、
シートバック４の背面側よりバックボード２１をビス２
３止めし、シートバック４の凹所５の背面側をバックボ
ード２１で被覆することにより、アームレスト１の後方
への回動が規制される。

【００２１】そして、このような構造によれば、格納、
引出し可能なアームレスト１を、シートバック４内にビ
ス無しで簡単に組込むことができ、部品点数の削減を図
り、アームレスト１の組付け作業性を向上させ得る安価
なアームレスト１の組付構造を得ることができる。

【００２２】また、上述したようにアームレスト１の組
付け時の方向を、通常の使用角度範囲からずれた方向と
することにより、組付け後にアームレスト１が抜け出す
と言った問題が生じることはない。

【００２３】尚、本発明は上述した実施例構造に限定さ
れず、アームレスト１やシート各部の形状、構造等を、
必要に応じて適宜変形、変更することは自由であり、種
々の変形例が考えられる。更に、本発明は上述した実施
例における車両用シート以外にも適用することができる
ものである。

【００２４】

【発明の効果】以上が本発明に係わるアームレストの組
付構造の一実施例の構成であるが、本発明の請求項１に
記載のアームレストの組付構造によれば、シートバック
の凹所内でヒンジ部により格納、引出し回動可能に設け
られるアームレストの組付構造において、前記シートバ
ックの凹所内に臨んで設けた固定側フレームに、アーム
レストのヒンジ部を構成するヒンジ用ピンが設けられ、
該ヒンジ用ピンは断面非円形状に形成され、前記ヒンジ
用ピンと離間した位置にストッパーピンが設けられ、前
記アームレストの後端部側部にフック部材が固着され、
該フック部材は一部開放された円形状の軸支部と、係合
部とを有し、前記軸支部の一部開放部より断面非円形状
のヒンジ用ピンを厚みの小さい側から挿入し、該軸支部
でヒンジ用ピンを回動可能に枢支し、アームレストの回
動使用時にアームレストを所定の角度で支持するように
前記係合部がストッパーピンに係合するようになされて
いるので、必要最小限の部品点数による簡単な構成であ
るにもかかわらず、簡単な組付け作業によって、アーム
レストをシートバックに簡易迅速に組付けることがで
き、アームレストの引出し回動使用時に、アームレスト
を所定の角度で確実に支持することができる。

【００２５】更に、本発明の請求項２に記載のアームレ
ストの組付構造によれば、ヒンジ用ピンの厚みの小さい
側が、フック部材の円形状の軸支部に形成された一部開
放部に、アームレストの回動使用範囲以外で挿入可能に
形成されているので、アームレストの組付け時に所定の
角度でアームレストを組付けた後は、アームレストの回
動使用範囲でフック部材の円形状の軸支部の一部開放部
よりヒンジ用ピンが抜け出すことがなく、組付作業を簡
易迅速に行うことができ、アームレストを所定の角度で
確実に支持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るアームレストの組付構造の一実施
例を示す要部の側面図。

【図２】本発明に係るアームレストの組付構造のアーム
レストの組付前の斜視図。

【図３】本発明に係るアームレストの組付構造のアーム
レストの組付工程を示すもので、（ａ）は側面図、
（ｂ）は側面図。

【図４】本発明に係るアームレストの組付構造のアーム
レストの組付工程を示すシートバックの背面斜視図。

【図５】本発明に係るアームレストの組付構造のアーム
レストの使用状態の側面図。

【図６】従来のアームレストの組付構造を説明する分解
斜視図。

【符号の説明】

１ アームレスト ４ シートバック ５ 凹所 ６ 固定側フレーム １１ ヒンジ用ピン １１ａ 厚みの小さい側 １３ ストッパーピン １５ フック部材 １７ 軸支部 １７ａ 開口部 １９ 係合部 ２１ バックボード ２３ ビス

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートバックの凹所内でヒンジ部により
   格納、引出し回動可能に設けられるアームレストの組付
   構造において、 前記シートバックの凹所内に臨んで設けた固定側フレー
   ムに、アームレストのヒンジ部を構成するヒンジ用ピン
   が前記アームレスト側部に突出して設けられ、該ヒンジ
   用ピンは断面非円形状に形成され、前記ヒンジ用ピンと
   離間した位置にストッパーピンが設けられ、 前記アームレストの後端部側部にフック部材が固着さ
   れ、該フック部材は一部開放された円形状の軸支部と、
   係合部とを有し、前記軸支部の一部開放部より断面非円
   形状のヒンジ用ピンを厚みの小さい側から挿入し、該軸
   支部でヒンジ用ピンを回動可能に枢支し、アームレスト
   の回動使用時に前記係合部がストッパーピンに係合する
   ようになされていることを特徴とするアームレストの組
   付構造。
2. 【請求項２】 請求項１記載のアームレストの組付構造
   において、 前記ヒンジ用ピンの厚みの小さい側が、フック部材の円
   形状の軸支部に形成された一部開放部に、アームレスト
   の回動使用範囲以外で挿入可能に形成されていることを
   特徴とするアームレストの組付構造。