JPH07313056A - 食用油脂の水中油型乳化物の調製方法 - Google Patents
食用油脂の水中油型乳化物の調製方法Info
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- JPH07313056A JPH07313056A JP6109906A JP10990694A JPH07313056A JP H07313056 A JPH07313056 A JP H07313056A JP 6109906 A JP6109906 A JP 6109906A JP 10990694 A JP10990694 A JP 10990694A JP H07313056 A JPH07313056 A JP H07313056A
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01F—MIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
- B01F23/00—Mixing according to the phases to be mixed, e.g. dispersing or emulsifying
- B01F23/40—Mixing liquids with liquids; Emulsifying
- B01F23/41—Emulsifying
- B01F23/4105—Methods of emulsifying
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- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Edible Oils And Fats (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】多孔質ガラス膜を用い、単分散性が高く、安定
性の良い食用油脂のO/W型乳化物を簡便に調製する方
法を提供する。 【構成】食用油脂を多孔質ガラス膜からなる乳化手段を
用いて親水性乳化剤を含む水相に圧入し、O/W型乳化
物を調製する方法である。乳化手段として、多孔質ガラ
ス膜製品を焼成処理に供した後、2規定を超える濃度の
酸により浸漬処理した多孔質ガラス膜を用いる。
性の良い食用油脂のO/W型乳化物を簡便に調製する方
法を提供する。 【構成】食用油脂を多孔質ガラス膜からなる乳化手段を
用いて親水性乳化剤を含む水相に圧入し、O/W型乳化
物を調製する方法である。乳化手段として、多孔質ガラ
ス膜製品を焼成処理に供した後、2規定を超える濃度の
酸により浸漬処理した多孔質ガラス膜を用いる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食用油脂を用いた単分
散性の高い水中油型(O/W型)乳化物の調製方法に関
するものである。この乳化物は長期間にわたり安定な乳
化状態を維持する食品または食品用原料として利用され
る。
散性の高い水中油型(O/W型)乳化物の調製方法に関
するものである。この乳化物は長期間にわたり安定な乳
化状態を維持する食品または食品用原料として利用され
る。
【0002】
【従来の技術】従来、食品、食品用原料素材等のO/W
型乳化物の製造には、撹拌機、ホモジナイザー、コロイ
ドミル等を用いて乳化させる方法が採用されていたが、
これらの方法によって製造されたO/W型乳化物はその
粒径が不揃いであるため、油相および/または水相の分
離を生じることがあった。これを解決するために、均質
化処理を長時間または高圧力で行って分散相の粒径を小
さくしたり、特定の乳化剤や安定剤を添加すること等が
行われている。
型乳化物の製造には、撹拌機、ホモジナイザー、コロイ
ドミル等を用いて乳化させる方法が採用されていたが、
これらの方法によって製造されたO/W型乳化物はその
粒径が不揃いであるため、油相および/または水相の分
離を生じることがあった。これを解決するために、均質
化処理を長時間または高圧力で行って分散相の粒径を小
さくしたり、特定の乳化剤や安定剤を添加すること等が
行われている。
【0003】一方、上記の方法とは全く異なり、多孔質
ガラス膜を用いた乳化物の製造法が開発されている(特
開平2−95433号公報)。この方法は、分散相とな
る液体を多孔質ガラス膜を通して連続相となる液体に圧
入して乳化物を得る方法(いわゆる膜乳化法)であり、
その乳化機構から粒径の揃った、すなわち単分散性の高
い、安定な乳化物が得られるとされている。また、O/
W型乳化物を調製する際には、この多孔質ガラス膜は元
々親水性であるため、連続相となるべき液体との濡れ性
が分散相となるべき液体との濡れ性よりも大きいため、
多孔質ガラス膜の表面を化学的に修飾することなくその
まま用いることができる。また、その表面が油などで汚
染され、得られる乳化物の単分散性が低くなった場合で
も、例えば有機溶剤で油を取り除いたあと500℃で2
時間程度加熱し、冷却後、2規定の酸に70℃で2時間
程度浸漬し、蒸留水で洗浄することにより再生され、繰
り返し使用できるとされている。
ガラス膜を用いた乳化物の製造法が開発されている(特
開平2−95433号公報)。この方法は、分散相とな
る液体を多孔質ガラス膜を通して連続相となる液体に圧
入して乳化物を得る方法(いわゆる膜乳化法)であり、
その乳化機構から粒径の揃った、すなわち単分散性の高
い、安定な乳化物が得られるとされている。また、O/
W型乳化物を調製する際には、この多孔質ガラス膜は元
々親水性であるため、連続相となるべき液体との濡れ性
が分散相となるべき液体との濡れ性よりも大きいため、
多孔質ガラス膜の表面を化学的に修飾することなくその
まま用いることができる。また、その表面が油などで汚
染され、得られる乳化物の単分散性が低くなった場合で
も、例えば有機溶剤で油を取り除いたあと500℃で2
時間程度加熱し、冷却後、2規定の酸に70℃で2時間
程度浸漬し、蒸留水で洗浄することにより再生され、繰
り返し使用できるとされている。
【0004】ところが、前記公報に開示された膜乳化法
を食用油脂類のO/W型乳化物の調製に適用した場合に
は、得られる乳化物の単分散性が低くなり、安定性の高
いO/W型乳化物が得られなくなる傾向があった。これ
を改良する方法として油脂(分散相)に乳化剤を含有さ
せる方法(特開平3−293026号公報、特開平4−
320643号公報)や予め適当な方法で乳化させた分
散液体を分散相として多孔質ガラス膜を通して連続相に
圧入する方法(二段階乳化法)等が提案されている。し
かしながら、分散相に乳化剤を添加することは、多孔質
ガラス膜の親水性を保つうえで好ましくなく、また分散
相が接触した機器(タンク、パイプ等)の洗浄に手間が
かかるなど装置の維持管理上問題があり、また、二段階
乳化法は煩雑である。
を食用油脂類のO/W型乳化物の調製に適用した場合に
は、得られる乳化物の単分散性が低くなり、安定性の高
いO/W型乳化物が得られなくなる傾向があった。これ
を改良する方法として油脂(分散相)に乳化剤を含有さ
せる方法(特開平3−293026号公報、特開平4−
320643号公報)や予め適当な方法で乳化させた分
散液体を分散相として多孔質ガラス膜を通して連続相に
圧入する方法(二段階乳化法)等が提案されている。し
かしながら、分散相に乳化剤を添加することは、多孔質
ガラス膜の親水性を保つうえで好ましくなく、また分散
相が接触した機器(タンク、パイプ等)の洗浄に手間が
かかるなど装置の維持管理上問題があり、また、二段階
乳化法は煩雑である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、多孔質ガラ
ス膜を用いて、単分散性が高く、安定性に優れた食用油
のO/W型乳化物を簡便に調製する方法を提供すること
を課題とする。
ス膜を用いて、単分散性が高く、安定性に優れた食用油
のO/W型乳化物を簡便に調製する方法を提供すること
を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題は、多孔質ガラス膜からなる乳化手段を用いて、食用
油脂を親水性乳化剤を含む水性相に圧入して水中油型乳
化物を調製する方法において、該乳化手段として、多孔
質ガラス膜製品を焼成処理に供した後、2規定を超える
濃度の酸により浸漬処理した多孔質ガラス膜を用いるこ
とを特徴とする食用油脂の水中油型乳化物の調製方法に
よって解決される。
題は、多孔質ガラス膜からなる乳化手段を用いて、食用
油脂を親水性乳化剤を含む水性相に圧入して水中油型乳
化物を調製する方法において、該乳化手段として、多孔
質ガラス膜製品を焼成処理に供した後、2規定を超える
濃度の酸により浸漬処理した多孔質ガラス膜を用いるこ
とを特徴とする食用油脂の水中油型乳化物の調製方法に
よって解決される。
【0007】本発明において使用される多孔質ガラス膜
製品自体は公知のものでよく、例えばPGMの商品名で
伊勢化学(株)から市販されている。これらの膜は通常
0.1〜10μmの細孔径を有するものであり、目的と
する乳化物に応じて適宜選択することができる。
製品自体は公知のものでよく、例えばPGMの商品名で
伊勢化学(株)から市販されている。これらの膜は通常
0.1〜10μmの細孔径を有するものであり、目的と
する乳化物に応じて適宜選択することができる。
【0008】本発明において、上記多孔質ガラス膜製品
を、必要に応じて石油エーテル等の有機溶剤で充分に洗
浄した後、焼成処理に供する。焼成温度は、通常、40
0℃以上であり、好ましくは450〜700℃(例え
ば、約500℃)である。処理時間は、通常、0.5時
間以上、好ましくは1〜4時間(例えば、2時間程度)
である。
を、必要に応じて石油エーテル等の有機溶剤で充分に洗
浄した後、焼成処理に供する。焼成温度は、通常、40
0℃以上であり、好ましくは450〜700℃(例え
ば、約500℃)である。処理時間は、通常、0.5時
間以上、好ましくは1〜4時間(例えば、2時間程度)
である。
【0009】次に、この焼成された多孔質ガラス膜製品
を酸浸漬処理に供する。浸漬処理に用いる酸は、2規定
を超える濃度を有するものであり、3〜6規定の濃度を
有するものが好ましい。濃度が2規定以下の場合、本発
明の効果が得られない。酸としては、硫酸、塩酸、硝酸
等を挙げることができるが、硫酸が特に好ましい。浸漬
処理は、通常、10〜80℃、好ましくは約70℃で、
0.5〜5時間(例えば2時間)行う。
を酸浸漬処理に供する。浸漬処理に用いる酸は、2規定
を超える濃度を有するものであり、3〜6規定の濃度を
有するものが好ましい。濃度が2規定以下の場合、本発
明の効果が得られない。酸としては、硫酸、塩酸、硝酸
等を挙げることができるが、硫酸が特に好ましい。浸漬
処理は、通常、10〜80℃、好ましくは約70℃で、
0.5〜5時間(例えば2時間)行う。
【0010】上記酸浸漬処理は、多孔質ガラス膜製品を
焼成し、室温付近(20〜30℃)まで冷却した後直ち
に、望ましくは30分以内、例えば15分以内に行うこ
とが好ましい。また、酸浸漬処理中に超音波を照射する
ことが好ましい。
焼成し、室温付近(20〜30℃)まで冷却した後直ち
に、望ましくは30分以内、例えば15分以内に行うこ
とが好ましい。また、酸浸漬処理中に超音波を照射する
ことが好ましい。
【0011】本発明においては、酸による浸漬処理中に
多孔質ガラス膜を超音波処理するのが好ましい。超音波
処理は通常の方法で行える。例えば、柴田科学器械工業
(株)製SU−6THを用いて30分〜4時間程度行う
ことができる。
多孔質ガラス膜を超音波処理するのが好ましい。超音波
処理は通常の方法で行える。例えば、柴田科学器械工業
(株)製SU−6THを用いて30分〜4時間程度行う
ことができる。
【0012】酸による浸漬処理を施した多孔質ガラス膜
製品は、純水で洗浄し酸を充分に除去する。この洗浄中
にも超音波処理を行うことが好ましい。本発明において
は、焼成処理及び酸浸漬処理を施した多孔質ガラス膜製
品(乳化手段)をモジュールに装着後、好ましくはモジ
ュール内の空気がすべて水に置換されるまで水をモジュ
ール内で循環させ、さらにその後連続相となる液体(水
性相)でモジュール内の水を置換し、膜乳化に供するこ
とが好ましい。モジュール内の空気を水、次いで連続相
で置換せずに膜乳化を行った場合でも単分散性の高い乳
化物が得られるが、数回同様の乳化を行うと乳化物の単
分散性が低下する恐れがある。
製品は、純水で洗浄し酸を充分に除去する。この洗浄中
にも超音波処理を行うことが好ましい。本発明において
は、焼成処理及び酸浸漬処理を施した多孔質ガラス膜製
品(乳化手段)をモジュールに装着後、好ましくはモジ
ュール内の空気がすべて水に置換されるまで水をモジュ
ール内で循環させ、さらにその後連続相となる液体(水
性相)でモジュール内の水を置換し、膜乳化に供するこ
とが好ましい。モジュール内の空気を水、次いで連続相
で置換せずに膜乳化を行った場合でも単分散性の高い乳
化物が得られるが、数回同様の乳化を行うと乳化物の単
分散性が低下する恐れがある。
【0013】本発明においては、多孔質ガラス膜を通過
させて、分散媒となるべき液体を連続相となるべき液体
に注入する圧力は目的とする乳化物に応じて適宜設定で
きるが、1〜3kg/cm2 が好ましい。
させて、分散媒となるべき液体を連続相となるべき液体
に注入する圧力は目的とする乳化物に応じて適宜設定で
きるが、1〜3kg/cm2 が好ましい。
【0014】本発明において、分散相となる油脂は、食
用の汎用的な動植物性油脂が使用でき、例えばバターオ
イル、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー
油、ひまわり油、パーム油等があげられる。また目的に
応じてこれらの油脂の混合油脂または分別油脂、あるい
は硬化、エステル交換等を行った加工油脂を用いること
もできる。
用の汎用的な動植物性油脂が使用でき、例えばバターオ
イル、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー
油、ひまわり油、パーム油等があげられる。また目的に
応じてこれらの油脂の混合油脂または分別油脂、あるい
は硬化、エステル交換等を行った加工油脂を用いること
もできる。
【0015】また、連続相となる水性相には、水、脱脂
乳、その他の成分を溶解させた水溶液など目的に応じて
調製したものを使用できる。この水相には親水性の食品
用乳化剤を水相に対して0.05〜3.0重量%、好ま
しくは0.2〜2.0重量%添加し均一に混合溶解す
る。添加する乳化剤としては食用に供されるもので、例
えば市販のショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪
酸エステル(重合度2〜10、好ましくは6〜10)、
卵黄、大豆あるいは菜種由来のレシチンおよびこれらの
高純度化レシチン、リゾレシチン等の1種または2種以
上の混合物を使用できる。
乳、その他の成分を溶解させた水溶液など目的に応じて
調製したものを使用できる。この水相には親水性の食品
用乳化剤を水相に対して0.05〜3.0重量%、好ま
しくは0.2〜2.0重量%添加し均一に混合溶解す
る。添加する乳化剤としては食用に供されるもので、例
えば市販のショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪
酸エステル(重合度2〜10、好ましくは6〜10)、
卵黄、大豆あるいは菜種由来のレシチンおよびこれらの
高純度化レシチン、リゾレシチン等の1種または2種以
上の混合物を使用できる。
【0016】次に本発明によるO/W型乳化物の調製方
法を、図1を参照して説明する。図1は、本発明を実施
するための装置のフロー概略図である。この乳化装置1
0は、連続相(水性相)を収容するためのタンク11、
および本発明の多孔質ガラス膜13を装着したモジュー
ル12を備えている。タンク11に収容された水性相W
Pはポンプ14によってラインL 1を通って多孔質ガラ
ス膜13を装着したモジュール12に移送され、ここで
多孔質ガラス膜13により油脂粒子が圧入され、ライン
L 2を通ってタンク11に戻る。一方、圧力容器15に
収容された油脂OPは、窒素ガスや圧力ポンプ等の加圧
手段16により加圧されてラインL 3を通ってモジュー
ル12に送られ、多孔質ガラス膜13の細孔から水性相
に圧入される。油相がほぼ圧入されるまで連続相の循環
を続け、乳化物を得る。モジュール12内の圧力は、圧
力計17によりモニターできる。
法を、図1を参照して説明する。図1は、本発明を実施
するための装置のフロー概略図である。この乳化装置1
0は、連続相(水性相)を収容するためのタンク11、
および本発明の多孔質ガラス膜13を装着したモジュー
ル12を備えている。タンク11に収容された水性相W
Pはポンプ14によってラインL 1を通って多孔質ガラ
ス膜13を装着したモジュール12に移送され、ここで
多孔質ガラス膜13により油脂粒子が圧入され、ライン
L 2を通ってタンク11に戻る。一方、圧力容器15に
収容された油脂OPは、窒素ガスや圧力ポンプ等の加圧
手段16により加圧されてラインL 3を通ってモジュー
ル12に送られ、多孔質ガラス膜13の細孔から水性相
に圧入される。油相がほぼ圧入されるまで連続相の循環
を続け、乳化物を得る。モジュール12内の圧力は、圧
力計17によりモニターできる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を記載する。なお、以
下の例において、単分散性の評価は、次のように行っ
た。すなわち、乳化物を適当に希釈し、顕微鏡画像解析
法により、ルーゼックス IIIU(ニレコ製)を用いてそ
の粒度分布を求めた。乳化粒子のバラツキはCVで表
し、以下の式より算出した。CVが0に近いほど単分散
性が高いことを意味する。
下の例において、単分散性の評価は、次のように行っ
た。すなわち、乳化物を適当に希釈し、顕微鏡画像解析
法により、ルーゼックス IIIU(ニレコ製)を用いてそ
の粒度分布を求めた。乳化粒子のバラツキはCVで表
し、以下の式より算出した。CVが0に近いほど単分散
性が高いことを意味する。
【0018】CV=(SD /D)×100 (ここで、SD は乳化物の粒度分布の標準偏差であり、
Dは数平均粒子径である。) 実施例1 水1kgにポリグリセリン脂肪酸エステル(MO−75
0、阪本薬品工業(株)製)を1.0%添加し、均一に
混合溶解して水性相とし、油相には市販のコーン油20
0gを用いた。一方、0.7μmの細孔径を有する多孔
質ガラス膜(MPG伊勢化学(株)製)を500℃で2
時間加熱し、室温まで冷却後、直ちに3.6Nの硫酸に
浸漬し、超音波処理を行ったあと70℃で2時間加熱
し、純水で洗浄し、純水中で超音波照射を行った。この
多孔質ガラス膜をモジュールに装着後、水で満たし、水
相を循環させて水を置換した。続けて水相を循環させな
がら、油脂を圧入し、膜乳化を行い、約1.1kgのO
/W型乳化物を得た。この乳化物は上記の方法でその単
分散性を評価したところ、そのバラツキ(CV)は1
0.9と低く、単分散性の高い乳化物であった。
Dは数平均粒子径である。) 実施例1 水1kgにポリグリセリン脂肪酸エステル(MO−75
0、阪本薬品工業(株)製)を1.0%添加し、均一に
混合溶解して水性相とし、油相には市販のコーン油20
0gを用いた。一方、0.7μmの細孔径を有する多孔
質ガラス膜(MPG伊勢化学(株)製)を500℃で2
時間加熱し、室温まで冷却後、直ちに3.6Nの硫酸に
浸漬し、超音波処理を行ったあと70℃で2時間加熱
し、純水で洗浄し、純水中で超音波照射を行った。この
多孔質ガラス膜をモジュールに装着後、水で満たし、水
相を循環させて水を置換した。続けて水相を循環させな
がら、油脂を圧入し、膜乳化を行い、約1.1kgのO
/W型乳化物を得た。この乳化物は上記の方法でその単
分散性を評価したところ、そのバラツキ(CV)は1
0.9と低く、単分散性の高い乳化物であった。
【0019】比較例1 酸に浸漬処理する際に、2Nの硫酸を用いたほかは、実
施例1と同様の方法で乳化を行い乳化物を得た。この乳
化物のCVは17.2と高く、単分散性の低いものであ
った。
施例1と同様の方法で乳化を行い乳化物を得た。この乳
化物のCVは17.2と高く、単分散性の低いものであ
った。
【0020】実施例2 脱脂乳2kgに0.5%のショ糖脂肪酸エステル(S−
1670、三菱化成食品(株)製)を添加し、均一に混
合溶解し、水相とし、油脂としてバターオイル500g
を使用した。一方、0.5μmの細孔径を有する多孔質
ガラス膜(伊勢化学(株)製)を500℃で2時間加熱
し室温まで冷却後、直ちに4Nの硫酸に浸漬し、超音波
処理を行ったあと70℃で2時間加熱し、純水で洗浄
し、純水中で超音波照射を行った。この多孔質ガラス膜
を用いて実施例1と同様の操作で膜乳化を行い、2.3
kgの乳化物を得た。この乳化物のCVは12.2であ
り単分散性の高い乳化物であった。
1670、三菱化成食品(株)製)を添加し、均一に混
合溶解し、水相とし、油脂としてバターオイル500g
を使用した。一方、0.5μmの細孔径を有する多孔質
ガラス膜(伊勢化学(株)製)を500℃で2時間加熱
し室温まで冷却後、直ちに4Nの硫酸に浸漬し、超音波
処理を行ったあと70℃で2時間加熱し、純水で洗浄
し、純水中で超音波照射を行った。この多孔質ガラス膜
を用いて実施例1と同様の操作で膜乳化を行い、2.3
kgの乳化物を得た。この乳化物のCVは12.2であ
り単分散性の高い乳化物であった。
【0021】比較例2 多孔質ガラス膜を500℃で2時間加熱し、室温まで冷
却後、1時間そのまま放置した後、4Nの硫酸に浸漬し
たほかは、実施例2と同様の方法で乳化物を得た。この
乳化物のCVは18.0であり単分散性の低い乳化物で
あった。
却後、1時間そのまま放置した後、4Nの硫酸に浸漬し
たほかは、実施例2と同様の方法で乳化物を得た。この
乳化物のCVは18.0であり単分散性の低い乳化物で
あった。
【0022】実施例3 水1kgに1.0%のリゾレシチンを添加し、均一に混
合溶解し、水相とし、油脂として大豆白絞油(日清製油
(株)製)300gを使用した。一方、0.7μmの細
孔径を有する多孔質ガラス膜(伊勢化学(株)製)を5
00℃で2時間加熱し室温まで冷却後、直ちに3Nの硫
酸に浸漬し、超音波照射を行ったあと70℃で2時間加
熱し、純水で洗浄し、純水中で超音波照射を行った。こ
の多孔質ガラス膜を用いて実施例1と同様の操作で膜乳
化を行い約1.2kgの乳化物を得た。この乳化物のC
Vは10.3であり、単分散性の高い乳化物であった。
合溶解し、水相とし、油脂として大豆白絞油(日清製油
(株)製)300gを使用した。一方、0.7μmの細
孔径を有する多孔質ガラス膜(伊勢化学(株)製)を5
00℃で2時間加熱し室温まで冷却後、直ちに3Nの硫
酸に浸漬し、超音波照射を行ったあと70℃で2時間加
熱し、純水で洗浄し、純水中で超音波照射を行った。こ
の多孔質ガラス膜を用いて実施例1と同様の操作で膜乳
化を行い約1.2kgの乳化物を得た。この乳化物のC
Vは10.3であり、単分散性の高い乳化物であった。
【0023】比較例3 3Nの硫酸を浸漬する際に超音波照射を行わなかった他
は、実施例3と同様の方法で膜乳化を行った。得られた
乳化物のCVは16.3であり、その単分散性はあまり
高くなかった。
は、実施例3と同様の方法で膜乳化を行った。得られた
乳化物のCVは16.3であり、その単分散性はあまり
高くなかった。
【0024】実施例4 水1kgにポリグリセリン脂肪酸エステルを水相に対し
て1.5%添加し、混合溶解したものを水相とし、油相
としてコーン油(日清製油(株)製)250gを用い
た。一方、多孔質ガラス膜は実施例1と同様の処理をし
たものを用い、膜乳化を行い、約1.2kgの乳化物を
得た。この試験を3回繰り返したところ、そのCVは1
0.3、12.2、11.0でありいずれも単分散性の
高い乳化物であった。
て1.5%添加し、混合溶解したものを水相とし、油相
としてコーン油(日清製油(株)製)250gを用い
た。一方、多孔質ガラス膜は実施例1と同様の処理をし
たものを用い、膜乳化を行い、約1.2kgの乳化物を
得た。この試験を3回繰り返したところ、そのCVは1
0.3、12.2、11.0でありいずれも単分散性の
高い乳化物であった。
【0025】比較例4 実施例4と同様の材料を用い、同様に処理した多孔質ガ
ラス膜をモジュールに装着後、水および連続相で置換せ
ずに膜乳化を行い、乳化物を得た。この試験を3回繰り
返したところ、そのCVは18.0、10.9、15.
3であり、単分散性の高い乳化物が得られるときもあっ
たが、低いときもあり、安定して単分散性の高い乳化物
は得られなかった。
ラス膜をモジュールに装着後、水および連続相で置換せ
ずに膜乳化を行い、乳化物を得た。この試験を3回繰り
返したところ、そのCVは18.0、10.9、15.
3であり、単分散性の高い乳化物が得られるときもあっ
たが、低いときもあり、安定して単分散性の高い乳化物
は得られなかった。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、食
用油および食品用乳化剤を用いて、単分散性が高く、安
定なO/W型乳化物を簡便に調製することが出来る。
用油および食品用乳化剤を用いて、単分散性が高く、安
定なO/W型乳化物を簡便に調製することが出来る。
【図1】本発明を実施するための装置を示す概略図。
11…連続相用タンク、12…モジュール、13…多孔
質ガラス膜、15…圧力容器、16…加圧手段
質ガラス膜、15…圧力容器、16…加圧手段
Claims (5)
- 【請求項1】 多孔質ガラス膜からなる乳化手段を用い
て、食用油脂を親水性乳化剤を含む水性相に圧入して水
中油型乳化物を調製する方法において、該乳化手段とし
て、多孔質ガラス膜製品を焼成処理に供した後、2規定
を超える濃度の酸により浸漬処理した多孔質ガラス膜を
用いることを特徴とする食用油脂の水中油型乳化物の調
製方法。 - 【請求項2】 多孔質ガラス膜製品を浸漬処理する酸
が、硫酸である請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 多孔質ガラス膜製品を焼成処理し室温ま
で冷却した後直ちに酸に浸漬させる請求項1記載の方
法。 - 【請求項4】 酸による浸漬処理中の多孔質ガラス膜製
品に、超音波照射を行う請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 多孔質ガラス膜がモジュールに装着され
ており、このモジュール内の空気を水で完全に置換した
後、さらに水性相で水を完全に置換し乳化処理に供する
請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6109906A JPH07313056A (ja) | 1994-05-24 | 1994-05-24 | 食用油脂の水中油型乳化物の調製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6109906A JPH07313056A (ja) | 1994-05-24 | 1994-05-24 | 食用油脂の水中油型乳化物の調製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07313056A true JPH07313056A (ja) | 1995-12-05 |
Family
ID=14522158
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6109906A Pending JPH07313056A (ja) | 1994-05-24 | 1994-05-24 | 食用油脂の水中油型乳化物の調製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07313056A (ja) |
-
1994
- 1994-05-24 JP JP6109906A patent/JPH07313056A/ja active Pending
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