JPH07312504A - 積層誘電体フィルタ及びその製造方法 - Google Patents

積層誘電体フィルタ及びその製造方法

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JPH07312504A
JPH07312504A JP12711994A JP12711994A JPH07312504A JP H07312504 A JPH07312504 A JP H07312504A JP 12711994 A JP12711994 A JP 12711994A JP 12711994 A JP12711994 A JP 12711994A JP H07312504 A JPH07312504 A JP H07312504A
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JP
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electrode
strip
shaped
laminated
electrodes
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JP12711994A
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English (en)
Inventor
Kazuhisa Yamazaki
和久 山崎
Nobuaki Nakamura
伸明 中村
Yuji Matsushita
祐二 松下
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FDK Corp
Original Assignee
FDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 帯状共振電極に直交する帯状パターンを設け
ることなく、所望の周波数特性を得ることができ、小型
な積層誘電体フィルタを提供すること 【構成】 積層基板10の高さ方向中心位置に、2本の
帯状共振電極11,12を平行に配置する。この帯状共
振電極の両端を積層基板の両側面に達するように形成
し、その両側面は、それぞれその半分のみアース電極1
3を形成し、残りはアース未形成部分14とする。帯状
共振電極の一端11a,12aは、係るアース未形成部
分に露出し、開放端となり、帯状共振電極の他端11
b,12bは、係る側面に形成したアース電極に接続さ
れ、短絡端となる。そして、積層基板10の長さを共振
周波数の1/4波長にすると、帯状共振電極の長さも正
確に1/4波長となり、所望の周波数特性が得られる。
また、積層基板内には、帯状共振電極のみが存在するの
で、小型化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、UHF帯やマイクロ波
帯の移動体通信機器(携帯電話,コードレス電話,無線
LAN,GPS等)等の回路素子として利用される積層
誘電体フィルタ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のストリップライン型の積層誘電体
フィルタは、複数枚の誘電体シートが積層・接合されて
一体の積層基板が構成されており、その複数枚の誘電体
シートの所定の接合面に帯状共振電極(共振電極の長さ
は4分の1波長に設定される)が形成(複数本の場合に
は平行に配置)されている。また積層基板の表面および
裏面にはアース電極が形成されている。そして前記各帯
状共振電極の一端はさまざまな形態でアース電極に接続
されており、各帯状共振電極の他端は開放端となってい
る。さらに、さまざまな形態の入出力電極が帯状共振電
極の所定のものの所定部位に関連づけて配設されてい
る。
【0003】その一例を示すと、USP.426620
6に開示された発明がある。すなわち図11に示すよう
に、積層形成される第1,第2の誘電体ブロック1a,
1bで積層基板が構成される。図示省略するが、各誘電
体ブロック1a,1bは、多数の誘電体シート(グリー
ンシート)を積層することにより形成される。そして、
下側の第1の誘電体ブロック1aの上面には、3本の帯
状共振電極2,3,4が平行に形成されている。また、
第1の誘電体ブロック1aの下面および第2の誘電体ブ
ロック1bの上面及び所定の側面にはアース電極5がほ
ぼ全面的に形成されている。
【0004】さらに、各帯状共振電極2,3,4のアー
ス電極5に接続する一端(短絡端)側には、その帯状共
振電極2,3,4と直交方向に延びる帯状パターン6が
形成され、その帯状パターン6を介して側面のアース電
極5と導通が図られるようになっている。一方、各帯状
共振電極2,3,4の他端(開放端)は、対向する帯状
パターン6から所定距離だけ離れている。
【0005】そして、係る構成の積層誘電体フィルタを
製造するには、多数のフィルタを一度に製造するため、
所定の大きさのグリーンシートの上に銀ペーストを用い
て印刷により所定形状のパターンを複数個分だけ形成
後、印刷の施されていないグリーンシートを所定枚数積
層し、所定位置で切断することにより、1個ずつに分離
し、さらにその分離した各フィルタ素体の側面所定部位
を印刷により導体パターンを形成することにより行う。
【0006】ところで、各帯状共振電極2,3,4の長
さは、周波数特性に影響を与える。しかし、図11に示
す構成にしたため、たとえ印刷ずれあるいは切断ずれな
どがあったとしても、切断位置が上記帯状パターン6の
部分となるので、帯状共振電極2,3,4の距離は、帯
状パターン6との境界から先端までの長さとなり一定に
保たれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の積層誘電体フィルタでは、以下に示す問題を有
する。すなわち、実装する通信機器の小型化にともない
積層誘電体フィルタも小型化の要請があるが、上記した
如く帯状共振電極2,3,4の長さは共振周波数の1/
4波長分必要で、少なくとも係る1/4波長分に加え、
2つの帯状パターン6の幅及び帯状パターン6と帯状共
振電極2,3,4の開放端との間に形成される領域の長
さが必要となり、小型化の限界があった。
【0008】また、帯状共振電極2,3,4を挟んで上
下に隣接するグリーンシート間の接着強度は、係る電極
2,3,4に加え帯状パターン6も存在することから、
グリーンシート同士が直接接着される面積が小さくな
る。その結果、接着強度が低下し、その部分での剥がれ
をきたすおそれもある。
【0009】また、一般に電極部分は、銀ペーストを用
いてスクリーン印刷等により形成するが、銀ペーストは
高価であるので、その使用量は極力抑えたい。しかし従
来の構造では、製造上の要請(印刷ずれ等に基づくフィ
ルタの周波数特性の変動をなくすため)から、帯状パタ
ーン6の形成が必須になっており、その帯状パターン6
の存在が、コスト低減のうえでもネックとなる。
【0010】さらに、係る電極が印刷後に溶剤が飛んで
収縮するため、その形成部分のグリーンシートにしわが
発生してしまう。よって、かかる点からも電極面積を小
さくしたいという要求があるが、上記したごとく帯状共
振電極と帯状パターンの設置が必須であったので、やは
り、しわの発生を抑えるのも限界があった。
【0011】さらに、上記構成の積層誘電体フィルタを
製造するには、所定のグリーンシートの上に所定形状の
パターン(帯状共振電極,帯状パターン)のスクリーン
印刷等により形成するが、係る印刷時に使用するマスク
は、製造しようとするフィルタの周波数特性に応じてそ
れごとに固有のものを使用する必要がある。よって、予
め複数のマスクを保有し、所望のマスクを選択し使用す
る必要があり、その保管管理が煩雑である。さらに、設
計変更(周波数変更にともない1/4波長の長さが変わ
る)があると、それに対応してマスクも製造し直さなけ
ればならないという煩雑さがある。
【0012】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題点を解
決し、誘電体シート(グリーンシート)上に所定パター
ンの電極を印刷により形成するタイプの積層誘電体フィ
ルタであっても、帯状共振電極に直交する帯状パターン
を設けることなく、帯状共振電極の長さを所定の値にす
ることができ、それにともない、製品全体の小型化を図
り、使用する電極面積を可及的に抑制でき、誘電体シー
ト間の接着力の強化及び電極部分(電極が形成されたシ
ート)のしわの発生の抑制並びにコスト安を図ることの
できる積層誘電体フィルタ及びその製造方法を提供する
ことにある。さらに、製造方法にあっては、上記した各
種の目的に加え、異なる周波数特性のフィルタを製造す
るためのマスクを共通化でき、また、たとえ設計変更等
があっても、容易にそれに対応することができ、しか
も、従来の製造プロセスに対し工程数の増加もなく、基
本的にそのままの設備を用いることのできる積層誘電体
フィルタの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係る積層誘電体フィルタでは、複数枚の
誘電体シートが積層・接合されて形成される積層基板
と、前記複数枚の誘電体シートの所定の接合面に形成さ
れた帯状共振電極と、前記積層基板の外周囲の所定位置
に形成された、前記帯状共振電極に結合される入出力電
極と、前記積層基板の外周囲に前記入出力電極と未接続
状態で形成されたアース電極とを備えた誘電体フィルタ
において、前記帯状共振電極の両端部が前記積層基板の
両側面にまで延長形成する。そして、前記帯状共振電極
の一端を前記側面に形成された前記アース電極に接続す
ることにより短絡端とする。また、前記帯状電極の他端
を反対側の側面のアース電極未形成部分に露出させて開
放端となるように構成した。
【0014】そして、前記帯状共振電極を、複数本設
け、それらを並列配置してもよい。また、係る場合に、
積層基板の片側の側面に前記複数の帯状共振電極の前記
開放端と前記短絡端とが交互に配置してもよい。さら
に、積層基板の一方の側面に前記複数の帯状共振電極の
前記開放端を配置するとともに、他方の側面に前記複数
の帯状共振電極の前記短絡端を配置してもよい。そし
て、係る場合には、前記開放端が形成された前記一方の
側面の隣接する帯状共振電極間の所定位置に、結合調整
用電極を形成する。
【0015】また、上記各種の構成の積層誘電体フィル
タを製造するための本発明に係る製造方法では、誘電体
シートを積層するとともに、その所定の誘電体シートの
表面に帯状の共振電極パターンを形成して熱圧着する。
次いで前記共振電極パターンと直交する方向の所定位置
で前記誘電体シートを切断するとともに、前記共振電極
パターンと平行な所定位置を切断する。これにより、所
定の大きさの積層基板を形成し、その積層基板の側面に
所定の電極パターンを形成後焼成等の所定の処理を行う
ようにした。
【0016】
【作用】帯状共振電極の両端は、積層基板の両側面に達
しており、積層基板の長さと帯状共振電極の長さは等し
い。よって、積層基板の長さを所定の周波数の1/4波
長に相当する長さに設定すると、その長さがそのまま共
振電極の長さとなる。したがって、従来のように帯状パ
ターン等が不要となり、小型化する。また、積層基板を
切り出す時に所定の長さ(焼結による収縮を考慮し、1
/4波長の長さよりも所定量だけ長くする)で切断する
と、正確な周波数特性のフィルタが製造されることにな
る。
【0017】また、誘電体シートの上に形成するパター
ンは、製造する周波数特性に関係なく長い帯状のパター
ンでよく、マスクの共通化が図れ、要求する周波数特性
が変更されても誘電体シートを切断する長さ(帯状のパ
ターンの延びる方向)を変えるだけで対応できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明に係る積層誘電体フィルタ及び
その製造方法の好適な実施例を添付図面を参照にして詳
述する。図1は本発明に係る誘電体フィルタの第1実施
例を示している。同図に示すように、本例では2段のイ
ンターディジタル形のフィルタに適用した例を示してい
る。まず複数枚の誘電体シート(グリーンシート)が積
層・接合されて偏平な直方体をなす積層基板10が構成
されている。そして積層基板10の高さ方向中心位置
に、所定のグリーンシート上に銀ペーストを用いてスク
リーン印刷により形成した2本の帯状共振電極11,1
2が平行に配置されている。また、積層基板10の上
面,下面には、全面的に表面アース電極13が形成され
ている。なお、面実装する関係から、下面には一部アー
ス電極を形成しない領域を設けることもある。
【0019】ここで本発明では、帯状共振電極11,1
2の両端をそれぞれ積層基板10の側面に達するように
形成している。そして、この帯状共振電極11,12の
長さは、共振周波数の1/4波長に相当する長さとして
いる。換言すれば、積層基板10の長さが共振周波数の
1/4波長に相当する長さとなり、従来のものに比し小
型化される。
【0020】そして、帯状共振電極11,12が達する
積層基板10の側面は、その半分のみアース電極13を
形成し、残りはアース未形成部分14とし、積層基板1
0を露出させる。また、両側面でアース未形成部分14
の形成位置は、逆配置にしている。これにより、帯状共
振電極11,12の一端11a,12aは、係るアース
未形成部分14に露出し、開放端となる。一方、帯状共
振電極11,12の他端11b,12bは、係る側面に
形成したアース電極に接続され、短絡端となる。
【0021】さらに、本例では、積層基板10の帯状共
振電極11,12と平行な側面所定位置(開放端近傍)
に、コ字状のパターン未形成部分15を介してアースパ
ターンと分離された入出力電極16が形成されている。
【0022】このように本実施例では、従来のように帯
状共振電極の短絡端側にそれと直交する帯状パターンが
なく積層基板10内には、帯状共振電極11,12のみ
が存在するので、電極面積が少なくて済み、誘電体シー
トの接着力の向上,銀ペーストの使用量の削減に伴うコ
スト安、並びにしわの発生の防止を行うことができる。
【0023】図2は、本発明に係る積層誘電体フィルタ
の第2実施例を示している。上記した第1実施例では、
2段のインターディジタル型のフィルタに適用した例を
示したが、本実施例ではそれと相違して、2段のコムラ
イン型のフィルタに適用した例を示している。
【0024】すなわち、複数枚のグリーンシートが積層
・接合されて形成された積層基板10の高さ方向中心位
置に、2本の帯状共振電極11,12を平行に配置し、
しかも係る帯状共振電極11,12の両端をそれぞれ積
層基板10の側面に達するように形成する。そして、こ
の帯状共振電極11,12の長さは、共振周波数の1/
4波長に相当する長さとしている点では第1実施例と共
通する。さらに、その積層基板10の上面,下面に、ほ
ぼ全面的に表面アース電極13を形成し、かつ積層基板
10の帯状共振電極11,12と平行な側面所定位置
(開放端近傍)に、コ字状のパターン未形成部分15を
介してアースパターンと分離された入出力電極16を形
成する点でも共通する。
【0025】ここで本実施例では、コムライン型である
ので、帯状共振電極11,12の開放端である一端11
a,12aが達している積層基板10の側面に形成され
るアース未形成部分14を同一平面に形成し、短絡端で
ある他端11b,12bを反対側の同一平面に位置させ
ている。
【0026】さらに、本例では、開放端の中央(帯状共
振電極)に、上下方向に伸びる結合調整用電極17を設
けている。この結合調整用電極17は、積層基板10の
上面,下面にそれぞれ形成したアース電極13を接続す
るように上下に伸びる1本の帯状に形成されている。そ
して、この結合調整用電極17により、両帯状共振電極
11,12間の結合状態が調整される。すなわち、結合
調整用電極17の側縁を削ることにより、上記結合状態
を変えることができるので、製造後の微調整が可能とな
る。なお、その他の構成並びに作用効果は上記した第1
実施例のものと同様であるのでその説明を省略する。
【0027】なお、結合調整用電極17の形状として
は、本実施例のように、上下に伸びる1本の帯状のもの
に限ることなく、例えば図3(A)に示すように、結合
調整用電極17′は高さ方向中央で切断された2つの突
片状に形成するものでもよい。そして、この場合では、
側縁17′aを削っても良く、また先端17′bを削る
ことにより結合条件を調整するようにしても良い。
【0028】また、別の形態としては、同図(B)に示
すように、この結合調整用電極17″を、積層基板10
の上面,下面にそれぞれ形成したアース電極13を接続
するように上下に伸びる複数(図示の例では2本)の帯
状に形成するようにしても良い。係る場合もその任意の
側縁17″aを所定量切除することにより結合状態を調
整することができる。また、これら図示の例に限ること
なく種々のパターン形状のものを採ることができるのは
もちろんである。
【0029】次に、本発明に係る製造方法の一実施例に
ついて説明する。図4は、製造プロセスの一例を示すフ
ローチャート図である。図に示すように、まずドクター
ブレード法等により所定厚さのグリーンシートを成形す
る(ST1)。次いで、係る製造したグリーンシートを
打ち抜いて、印刷等を施すことのできる所定の寸法形状
(本例では四角形)のシートを形成する(ST2)。
【0030】次に、このようにして打ち抜いて形成され
る同一寸法形状のグリーンシートのうち、所定シートに
対し所定の導体パターンを印刷する(ST3)。具体的
には、最下方に位置するグリーンシート及び最上方に位
置するグリーンシートの片面には、最終的に誘電体フィ
ルタになる部位の全面(周縁から一定のマージンをとっ
た内側全面)に、銀ペーストをべたに塗布する。また最
上方のグリーンシートの周縁には、切断用の基準マーカ
ーを同時に印刷する。さらに、上下方向中間位置に来る
グリーンシートの上面には、複数の帯状の導体パターン
を平行に配置する。
【0031】そして、上記所定の印刷を施したグリーン
シート及び印刷をしないグリーンシートをそれぞれ乾燥
させ(ST4)、所定の順に積層後プレス(ホットプレ
ス)し、上下に隣接するグリーンシート同士を接着する
(ST5)。これにより、図5に示すように、誘電体セ
ラミックからなるブロック体(積層基板になる)20が
形成され、このブロック体20の中央には、所定本数の
導体パターン21が形成される。さらに、上面(表面)
には導体ペースト22がほぼ全面にわたって塗布され、
さらにその上面の周縁所定位置には切断基準マーカ23
が形成されている。
【0032】そして、このブロック体20を上から透視
して見ると、図6に示すように、対となる切断基準マー
カ23を結ぶ線(図中一点鎖線で示す)は、内部の導体
パターン21と平行または直交するようになる。そして
直交する線の隣接する線間距離は、製造する誘電体フィ
ルタの共振周波数の1/4波長に相当する長さとなるよ
うに切断基準マーカ23を形成する。なお、実際には後
工程での焼成処理により収縮するため、相当する長さと
はその収縮を考慮し1/4波長よりも所定量だけ長く設
定している。また、本例では、2段フィルタを製造する
ため、導体パターン21と平行な線は、導体パターン2
1の2本毎に位置されるように切断基準マーカ23を形
成する。なお、上記各線(一点鎖線で示す線)は、便宜
上図示したもの(仮想線)であり、実際には記載されな
い。
【0033】次に、対となっている切断基準マーカを結
ぶ線で切断する(ST6)。すると、図7に示すよう
に、導体パターン21の両端は切断面に達し、その長さ
L1は、切断基準マーカ23間の距離、すなわち、1/
4波長に相当する長さとなる。また、この導体パターン
21が最終製品における帯状共振導体となる。
【0034】また、この図からあきらかなように、多数
のグリーンシート20aを積層してブロック体(積層基
板)20が構成される。また、その上面,下面に導体ペ
ースと22が塗布されていることもわかる。そして、こ
のように切断されることにより、図8に示すように、製
造する積層誘電体フィルタの1個毎に分離される。この
状態では、積層基板(フィルタ素体)25の上下面には
導体ペースが塗布されているが、4つの側面はフィルタ
素体25を構成するグリーンシートが露出した状態とな
っている。しかも、この切断はカッター等により精度よ
く(切断寸法精度が50μm以下)行われ、切りしろも
不要なためグリーンシートを有効に利用できる。
【0035】次いで、各フィルタ素体25の側面に対し
て所定のパターンで銀ペーストを印刷で施す(ST
7)。これにより、図9に示すように、側面に露出する
導体パターンの一方が導体ペースト26で覆われ、ま
た、導体パターン21が露出していない側面所定部位に
も所定形状で導体ペースト26′が塗布される。これに
より、図1に示す誘電体フィルタとほぼ同一形状(実際
には、一回り大きい)のパターンが施された誘電体フィ
ルタ(焼成前)27が形成される。
【0036】この後、通常の工程に従い、脱脂,焼成処
理(ST8,ST9)を経てフィルタ特性の測定を行い
(ST10)、所望の特性が得られなければさらに微調
整(所定のパターンの一部除去等)を行うなどして、最
終製品が完成する。なお、この実施例では、図1に示す
構造のフィルタを製造したが、ステップ7における側面
印刷工程でのパターンを替えることにより、図2,図3
に示すような他のタイプのものを製造することができ
る。
【0037】このように、ステップ3で行う大面積の誘
電体シート状に形成する導体パターン21(帯状共振電
極11,12になる部分)は、それぞれ1本の長い帯状
のパターンを形成すればよく、所定位置で切れていた
り、折曲したりする複雑なパターン形状にする必要がな
いので、簡単に製造できる。
【0038】そして、導体パターン21と直交する方向
での切断距離を適宜変えることにより、所望の周数特性
のフィルタを製造することができ、しかも係る場合導体
パターン21を形成するためのマスクは同一のものでよ
くなる。さらに、上記した実施例では、各切断基準マー
カ23の間隔はすべて同じにしたが、適宜異ならせても
もちろんよい。すると異なる周波数特性のフィルタを同
時に製造することができる。
【0039】なお、上記した実施例では、2段フィルタ
について説明したが、本発明はこれに限ることなく、例
えば図10に示すように、3段フィルタ(インターディ
ジタル)でもよい。すなわち、積層基板30の高さ方向
中心位置に、所定のグリーンシート上に銀ペースト用い
てスクリーン印刷により3本の帯状共振電極31,3
2,33を平行に形成し、その両端を積層基板30の両
側面に到達させる。そして、積層基板30の上面,下面
に、表面アース電極34を形成するとともに、帯状共振
電極31〜33が達する積層基板30の一方の側面は、
帯状共振電極31〜33の配置方向に3分割した中央部
分のみアース電極34を形成し、残りはアース未形成部
分35とし、反対側の側面ではこれとは逆に3分割した
中央部分のみをアース未形成部分35とする。
【0040】これにより、帯状共振電極31,33の一
端31a,33aは、同一平面上に形成されたアース未
形成部分35に露出し、開放端となる。また中央の帯状
共振電極32の一端は、反対側の側面に位置されたアー
ス未形成部分35に露出し、開放端となる。一方、各帯
状共振電極31〜33の他端31b〜33bは、それぞ
れ所定の側面に形成したアース電極34に接続され、短
絡端となる。そして、この例でも、帯状共振電極31〜
33の長さは1/4波長に設定しているので、積層誘電
体フィルタの長さも係る1/4波長となる。
【0041】なお、3段の場合には、中央の帯状共振電
極32の長さは、1/4波長よりも若干短い方が特性が
良い。したがって、より高精度の品質が要求される場合
には、フィルタ製造後、その帯状共振電極32の一端3
2aが露出するアース未形成部分35の所定部位(一端
32aの存在部分)を所定量切削することにより、帯状
共振電極32の長さを短くするようにしてもよい。ま
た、図示省略するが、コムライン型さらには1段あるい
は、4段以上のものでももちろん良い。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る積層誘電体
フィルタ及びその製造方法では、積層誘電体フィルタを
構成する積層基板の長さ、すなわち、その外形寸法は、
内蔵する帯状共振電極の長さと等しくなるので、小型化
される。また、所望の周波数特性を得るためには、帯状
共振電極の長さを所定値にする必要があるが、例え印刷
ずれあるいは切断ずれなどがあったとしても、積層基板
の長さを正確に設定することにより自動的に帯状共振電
極の長さも設定できるので、所望の特性が得られる。
【0043】また、従来のように帯状共振電極に直交す
る帯状パターンを使用する必要がないので、内部の電極
面積を可及的に抑制でき、誘電体シート間の接着力の強
化及び電極部分(電極が形成されたシート)のしわの発
生の抑制並びにコスト安を図ることができる。
【0044】さらに、本発明の製造方法にあっては、誘
電体シート上に比較的長い帯状のパターンを形成し、所
定長さに切断するようにしたため、その切断する際の長
さを変えるだけで、異なる周波数特性のフィルタを製造
することができるので、誘電体シート上に導体パターン
を製造するためのマスクを共通化できる。また、たとえ
設計変更等があっても、上記のように切断する長さを変
えるだけでその変更に対応することができる。しかも、
マスクを変えるだけで、従来の製造プロセスに対し工程
数の増加もなく、基本的にそのままの設備を用いること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層誘電体フィルタの第1実施例
を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る積層誘電体フィルタの第2実施例
を示す斜視図である。
【図3】第2実施例のさらに他の変形例を示す図であ
る。
【図4】本発明に係る積層誘電体フィルタの製造方法の
一実施例を示すフローチャートである。
【図5】製造方法の実施途中して製造される中間品の状
態を示す図である。
【図6】製造方法の実施途中して製造される中間品の状
態を示す図である。
【図7】製造方法の実施途中して製造される中間品の状
態を示す図である。
【図8】製造方法の実施途中して製造される中間品の状
態を示す図である。
【図9】製造方法の実施途中して製造される中間品の状
態を示す図である。
【図10】本発明に係る積層誘電体フィルタのさらに他
の例を示す斜視図である。
【図11】従来の積層誘電体フィルタの一例を示す図で
ある。
【符号の説明】
10,30 積層基板 11,12,31,32,33 帯状共振電極 11a,12a,31a,32a,33a 開放端 11b,12b,31b,32b,33b 短絡端 13,34 アース電極 14,35 アース未形成部分 16 入出力電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の誘電体シートが積層・接合され
    て形成される積層基板と、 前記複数枚の誘電体シートの所定の接合面に形成された
    帯状共振電極と、 前記積層基板の外周囲の所定位置に形成された、前記帯
    状共振電極に結合される入出力電極と、 前記積層基板の外周囲に前記入出力電極と未接続状態で
    形成されたアース電極とを備えた誘電体フィルタにおい
    て、 前記帯状共振電極の両端部が前記積層基板の両側面にま
    で延長形成され、 かつ前記帯状共振電極の一端が、前記側面に形成された
    前記アース電極に接続されて短絡端となり、 前記帯状電極の他端が、反対側の側面のアース電極未形
    成部分に露出されて開放端としてなる積層誘電体フィル
    タ。
  2. 【請求項2】 前記帯状共振電極が複数本並列配置され
    てなる請求項1に記載の積層誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】 片側の側面に前記複数の帯状共振電極の
    前記開放端と前記短絡端とが交互に配置されてなる請求
    項2に記載の積層誘電体フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記積層基板の一方の側面に前記複数の
    帯状共振電極の前記開放端が配置されるとともに、前記
    積層基板の他方の側面に前記複数の帯状共振電極の前記
    短絡端が配置され、 かつ、前記開放端が形成された前
    記一方の側面の隣接する帯状共振電極間の所定位置に、
    結合調整用電極を形成した請求項2に記載の積層誘電体
    フィルタ。
  5. 【請求項5】 誘電体シートを積層するとともに、その
    所定の誘電体シートの表面に帯状の共振電極パターンを
    形成して圧着し、 次いで前記共振電極パターンと直交する方向の所定位置
    で前記誘電体シートを切断するとともに、前記共振電極
    パターンと平行な所定位置を切断することにより、前記
    積層基板を形成し、その前記積層基板の側面に所定の導
    体パターンを形成後焼成するようにした積層誘電体フィ
    ルタの製造方法。
JP12711994A 1994-05-18 1994-05-18 積層誘電体フィルタ及びその製造方法 Pending JPH07312504A (ja)

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