JPH0856102A - 積層誘電体フィルタ - Google Patents

積層誘電体フィルタ

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JPH0856102A
JPH0856102A JP16452395A JP16452395A JPH0856102A JP H0856102 A JPH0856102 A JP H0856102A JP 16452395 A JP16452395 A JP 16452395A JP 16452395 A JP16452395 A JP 16452395A JP H0856102 A JPH0856102 A JP H0856102A
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Japan
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input
pattern
resonator
laminated
conductor
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JP16452395A
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English (en)
Inventor
Tomohiko Tsugai
智彦 番
Yuji Matsushita
祐二 松下
Kazuhisa Yamazaki
和久 山崎
Nobuaki Nakamura
伸明 中村
Junji Chikada
淳二 近田
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FDK Corp
Original Assignee
FDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 入出力端子パターン部分の小型化を図りつ
つ、入出力端子パターンと共振器内導体との初段結合を
強くした積層誘電体フィルタを提供すること 【構成】 複数枚のグリーンシートが積層・接合されて
形成される積層基板10の高さ方向中心位置に、3本の
帯状の共振器内導体11〜13が平行に配置される。積
層基板の表面には、ほぼ全面的に表面アース電極14が
形成され、かつ局部的に2つの入出力電極15が形成さ
れる。共振器内導体の開放端11b〜13bに重なるよ
うに、上下方向に所定距離隔て負荷容量パターン17を
配置する。共振器内導体を形成した接合面と異なる接合
面に、一端18aが入出力電極15に接続されるととも
に、他端18bが初段の共振器内導体とオーバーラップ
するように入出力端子パターン18を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層誘電体フィルタに
関するもので、より具体的には、積層配置された複数の
誘電体シート間に所定形状の共振器内導体を介在させて
構成されるストリップライン型の積層誘電体フィルタの
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ストリップライン型の誘電体フィルタと
しては、例えば、特開昭57−204602号公報に示
されたものがある。すなわち、この公報に開示された誘
電体フィルタは、図22に示すように、一対の矩形平板
状の誘電体ブロック1,1間に、所定形状の金属プレー
ト2を介在させている。そして、この金属プレート2
は、1/4波長で共振する共振器内導体2aと、その共
振器内導体2aの片側を共通に接続した接地導体2bと
から構成されている。さらに、この金属プレート2に
は、上記共振器内導体2aと平行で所定距離をおいて平
面略L字状の入出力導体2cも一体に形成されている。
【0003】上記した公報に開示された誘電体フィルタ
では、金属プレート2を構成する共振器内導体2aの長
さとして、少くとも1/4波長分の長さを必要としてい
たため、その長さ方向での外形寸法が制限され、それ以
上の小型化ができない。係る問題を解決するものとし
て、特開平5−191105号公報に開示された積層誘
電体フィルタがある。
【0004】すなわち、図23,図24に示すように、
複数の誘電体シートを積層配置して形成される積層基板
3の上下方向中間位置の誘電体シート間に、印刷により
3本の帯状の共振器内導体4を設ける。また、積層基板
3の外周面には外導体(アース電極)5が形成されアー
ス面となり、共振器内導体4の一端4aがアース電極5
と接続され短絡端となる。そして、共振器内導体4の開
放端と一部オーバーラップするように、その共振器内導
体4を形成した誘電体シートと異なる誘電体シート上に
負荷容量パターン6を形成し、その負荷容量パターン6
の一端をアース電極5に接続する(負荷容量パターン6
は、積層基板3内に挿入配置されたアースパターンとな
る)。
【0005】係る構成にすることにより、共振器内導体
4と負荷容量パターン6との間で、負荷容量が生じる。
すると共振周波数が低くなるため、所望の周波数で共振
させるために要する共振器内導体4の長さを短くでき
る。すなわち、1/4波長分の長さより短い共振器内導
体4を用いて、所望の誘電体フィルタが構成される。し
たがって、共振器内導体4の軸方向(配置方向)の積層
基板3すなわち、積層誘電体フィルタの長さを1/4波
長分以下にすることが可能となり、小型化が図れる。
【0006】なお、このタイプでも、共振器内導体4の
形成面と同一平面上に、平面略L字状の入出力端子パタ
ーン7が形成され、初段の共振器内導体(両サイドの共
振器内導体)4と磁界結合するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の積層誘電体フィルタでは、共振器内導体4の軸
方向の小型化は行われたものの、以下に示す問題を有し
ている。すなわち、上述したいずれのタイプの誘電体フ
ィルタでも共振器内導体2a,4と同一平面上に、両端
外側に所定の距離をおいてL字状の入出力電極2c,入
出力端子パターン7を配置する必要があり、共振器内導
体2a,4と直交する方向の幅の小型化が図れない。
【0008】しかも、負荷容量パターン6を設置したタ
イプでは、その負荷容量パターン6部分に電界が集中す
るため、入出力端子パターン7と共振器内導体4との初
段結合が弱く、フィルタの帯域幅が制約されるという新
たな問題を生じることがわかった。
【0009】係る現象を実証するため、図25(A)に
示すような負荷容量なしの5段帯域フィルタ(同図
(B)に等価回路を示す)と、図26(A)に示すよう
な負荷容量パターン6を設けた5段帯域フィルタ(同図
(B)に等価回路を示す)を製造した。そしてそれぞれ
に対し、周波数特性(周波数に対するリターンロスと伝
送)を求めた(図27,図28)。なお、両フィルタの
積層基板3,共振器内導体4並びに入出力端子パターン
7の寸法形状はすべて同一にしている。
【0010】図からあきらかなように、共振周波数f0
は、負荷容量パターンを設けた方が低くなることがわか
る。そして、実線で示すリターンロス(R.L.)は、
負荷容量パターンを設けない(図27)場合には17d
Bあったのに対し、負荷容量パターンを設けた(図2
8)場合には6.5dBになってしまっており、初段結
合が弱く整合がとりにくくなる。さらに、帯域幅Bwも
負荷容量パターンを設けると広くなってしまう。
【0011】また、初段結合を十分にとるためには、入
出力端子パターンの部分を大きくする必要が生じるが、
そうすると係る部分で大型化してしまい、上記小型化に
反してしまう。
【0012】さらに、入出力端子パターンと共振器内導
体とが同一平面に位置すると、その接合面に存在する導
体(銀)ペーストの占める割合が増え、上下に隣接する
グリーンシート同士が接着される面積が減少し、その接
合面での接着強度が低下し、その部分での剥がれをきた
すおそれもある。そして、上記したように接合量を強く
するために入出力端子パターンを大きくすると、上記接
着強度の問題がより顕著となる。
【0013】さらに、上記した従来の各種タイプのフィ
ルタでは、共振器内導体2a,4として1/4波長の長
さものを使用したが、係る1/4波長のものでは特性が
悪いという問題を有しており、特に携帯電話,コードレ
ス電話等の無線通信装置内に実装されるフィルタの場合
には、精密で高信頼性であることが要求され、将来的な
要求・仕様の向上に対しては現在のフィルタでは十分に
満足できなくなるおそれがある。
【0014】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題点を解
決し、入出力端子パターン部分の小型化を図り、製品の
さらなる小型化を図り、入出力端子パターンと共振器内
導体との初段結合を強くして整合を取りやすくし、たと
え負荷容量パターンがあっても小型化を図りつつ初段結
合を十分にとり、フィルタの帯域幅の制約を少なくする
ことができ、しかも、接着強度が高く接合面での剥がれ
などなく、さらに、製品の外観寸法を変えることなく初
段結合の結合量を容易に変えることができ、フィルタ特
性が安定で、また、製造並びに実装が容易で、高性能な
積層誘電体フィルタを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係る積層誘電体フィルタでは、複数枚の
誘電体シートを積層して形成される積層基板と、その積
層基板内の前記複数枚の誘電体シートの所定の接合面に
形成された共振器内導体と、前記積層基板の外周囲に形
成されたアースパターンと、前記積層基板の外周囲に、
前記アースパターンと非接続状態で形成された入出力電
極と、前記共振器内導体を形成した接合面と異なる接合
面に、前記入出力電極に接続されるとともに、前記所定
の共振器内導体とオーバーラップするように配設された
入出力端子パターンとから構成した(請求項1)。
【0016】そして好ましくは、1つの共振器内導体に
オーバーラップして配置する前記入出力端子パターンを
2枚用意し、その2枚の入出力端子パターンを前記共振
器内導体を挟むようにして対向配置するようにすること
である(請求項2)。
【0017】さらに前記共振器内導体の開放端側部位に
オーバーラップすると共に、厚さ方向に所定距離隔てた
前記積層基板の内部に配設された負荷容量パターンをさ
らに備えるようにするとなおよい(請求項3)。
【0018】また、前記共振器内導体の両端を、ともに
前記アースパターンに接続したり(請求項4)、或いは
共振器内導体の両端をともにアースパターンと非接続で
開放状態にする(請求項5)ことにより、λ/2共振器
を構成し、さらに、前記共振器内導体の所定位置にオー
バーラップするとともに、厚さ方向に所定距離隔てた前
記積層基板の内部に配設された負荷容量パターンをさら
に備えるようにしてもよい。そして、その場合に、前記
共振器内導体と前記負荷容量パターンがオーバーラップ
する前記所定位置としては、電界強度の最大位置とする
のが好ましい(請求項6)。
【0019】一方、前記入出力電極の形状としては、前
記積層基板の側面を上下に貫通するとともに、それに連
続する天面並びに底面の一部にまたがるように形成して
もよく(請求項7)、或いは、前記積層基板の側面の下
方部位及びそれに連続する底面の一部にまたがるように
形成してもよい(請求項8)。
【0020】さらに、前記入出力電極が、前記積層基板
の底面所定位置に形成され、前記入出力電極と前記入出
力端子パターンとの接続が、前記積層基板内に設けられ
た導電性通路を介して行われるように構成してもよい
(請求項9)。
【0021】
【作用】入出力端子パターンが、初段の共振器内導体と
厚さ方向に所定の距離をおいてオーバーラップするよう
に配置されている。すると、入出力端子パターンと共振
器内導体との間では容量結合される。そして、入出力端
子パターンは、積層基板の表面に設けた所定形状の入出
力端子に接続されるので、共振器内導体は、係る入出力
端子パターンを介して入出力電極と結合する。
【0022】そして、その結合は、オーバーラップする
面積を大きくするほど、また、入出力端子パターンと共
振器内導体との距離を短くするほど強くなる。従って、
入出力端子パターンを小さくしても所望の初段結合が得
られる。また、入出力端子パターンと共振器内導体とを
上下に重なるように配置するので、上記入出力端子パタ
ーンの小型化と合わせ、共振器内導体の外側に大きな領
域が不要となる。その結果、製品の外形寸法が小型化さ
れる。
【0023】また、たとえ共振器内導体の開放端に負荷
容量パターンを設けたとしても、電界は負荷容量パター
ン側のみに集中せず、この入出力端子パターン周辺にも
集中するので、十分な結合をとることができる。
【0024】また、共振器内導体の両端をアースパター
ンに接続したり、ともに非接続としてλ/2共振器を構
成するようにした場合には、Q値が高くなり、高性能と
なる。そして、その時使用する共振器内導体の長さは1
/4共振器に比べて単純に考えると2倍の長さが必要と
なるが、負荷容量パターンを設けることにより2倍以下
に抑えられる。
【0025】
【実施例】以下、本発明に係る積層誘電体フィルタの好
適な実施例を添付図面を参照にして詳述する。図1〜図
3は本発明に係る誘電体フィルタの第1実施例を示して
いる。同図に示すように、本例では3段のインターディ
ジタル型のフィルタに適用した例を示しており、まず複
数枚の誘電体シート(グリーンシート)が積層・接合さ
れて偏平な直方体をなす積層基板10が構成されてい
る。そして積層基板10の高さ方向中心位置に、所定の
グリーンシート上に導体ペースト(銀ペースト)を用い
てスクリーン印刷により形成した3本の帯状の共振器内
導体11,12,13が平行に配置されている。
【0026】そしてこの積層基板10の表面には、ほぼ
全面的に表面アース電極14が形成されているととも
に、局部的に2つの入出力電極15が形成されている。
この入出力電極15は、積層基板10の側面を上下に貫
通するように形成された帯状部15aと、その帯状部1
5aの上下両端に連続して同一幅の小突片15bが接続
される。これにより、その小突片15bが、積層基板1
0の天面並びに底面の一部にまたがるように形成され、
全体として縦断面略コ字状に形成される。そしてその入
出力電極15の周囲を囲むようにして無端状のアース電
極未形成部分を設け、内部の積層基板10を露出させる
ようにしている。このアース電極未形成部分により、入
出力電極15はアース電極14と非接続状態となる。
【0027】さらに、上記共振器内導体11,12,1
3の一端11a,12a,13aは、積層基板10の表
面に形成されたアース電極14に接続されて短絡端とな
る。しかも、本例ではインターディジタル型であるの
で、係る短絡端11a〜13aは交互に対向する側面に
位置させている。すなわち、両サイドの共振器内導体1
1,13の短絡端11a,13aは同一側面に位置し、
中央の共振器内導体12の短絡端12aは反対側の側面
に位置している。
【0028】そして、各共振器内導体11,12,13
の他端11b,12b,13bは、積層基板10の側面
より所定距離だけ離れた内側に位置し、開放端を構成し
ている。この開放端11b,12b,13bを挟み、上
下(厚さ)方向に所定距離隔てた積層基板10の内部
に、負荷容量パターン17を配置している。具体的に
は、共振器内導体11〜13を形成したグリーンシート
と異なるグリーンシート表面所定位置に、銀ペーストを
用いてスクリーン印刷により形成する。そして、この負
荷容量パターン17は、図2から明らかなように、共振
器内導体11〜13の開放端11b〜13bにオーバー
ラップするように構成される。また、負荷容量パターン
17の一端は、アース電極14に接続され、アースを構
成する。
【0029】ここで本発明では、共振器内導体11〜1
3を形成した接合面(グリーンシート表面)と異なる接
合面に、帯状の入出力端子パターン18を形成してい
る。そして、この入出力端子パターン18の一端18a
は、入出力電極15に接続される。さらに、入出力端子
パターン18の他端18bは、所定の共振器内導体1
1,13、すなわち、両サイドに位置する初段の共振器
内導体とオーバーラップするように配設される。そし
て、図1(B)から明らかなように、1つの共振器内導
体11(13)にオーバーラップして配置する入出力端
子パターン18は、その共振器内導体11(13)を上
下から挟むようにして対向配置している。そして、その
距離は、共に等しくしている。
【0030】これにより、初段の共振器内導体11,1
3と入出力端子パターン18とは容量結合する。しか
も、共振器内導体11,13と入出力端子パターン18
はオーバーラップするように対向配置されるとともに、
両者は比較的近距離に置かれているので、結合量も強
い。従って、たとえ負荷容量パターン17と対向する共
振器内導体11〜13の開放端11b〜13b側に電界
が集中しようとしても、入出力端子パターン18側にも
集中を生じ、十分な結合量を得ることができる。しか
も、その様に結合量が強いことから、入出力端子パター
ン18の面積を小さくすることができる。その結果、製
品全体の小型化を図ることができる。
【0031】また、所望の結合量を得るためには、共振
器内導体11,13と入出力端子パターン18との距離
を変えたり、オーバーラップしている面積を変えること
により対応できる。そして、その様に結合量を変えるた
めに入出力端子パターン18の形状や設置位置を変えて
も、外形寸法には影響を与えない。
【0032】また、本例では、共振器内導体11,13
の上下に対向配置された一対の入出力端子パターン18
の、共振器内導体11,13からの距離は等しく設定し
たが、異ならせてももちろん良い。そしてそのように上
下の距離を変えることにより、結合量の微調整を行うこ
とができる。さらには、負荷容量パターン17を設置し
た厚さ方向の位置(接合面)と、入出力端子パターン1
8を設置した厚さ方向の位置(接合面)は同じにしても
良く、或いは異ならせてもよく、それぞれが所定の特性
を得るための箇所に設置することになる。
【0033】さらに本例では、入出力端子パターン18
を共振器内導体11,13の中間位置に設置し、しか
も、入出力電極15も略コ字状に形成しているため、全
体的に対称形に構成される。従って、乾燥・焼成時の収
縮も全体的に均一に行われ、バランス良くフィルタを製
造することができる。しかも本例では、上下も対称形で
あるので、実際の回路基板上へ面実装する際に、どちら
の面を設置しても良く、組み立てが容易となる。
【0034】図4,図5は本発明に係る積層誘電体フィ
ルタの第2実施例を示している。本実施例では、積層基
板10の表面に形成する入出力電極15′の形状を第1
実施例のそれと異ならせている。すなわち、前記積層基
板の側面の下方部位に帯状部15′aを設け、積層基板
10の底面所定部位に、上記帯状部15′aの下端(側
面の下端に達する)に連続して同一幅の小突片15′b
が接続される。これにより、全体として縦断面略L字状
に形成される。そして、この断面L字状の入出力電極1
5′も、積層基板10の表面に形成されたアース電極1
4と非接触状態に保たれている。なお、図4では便宜上
天地を逆に描いており、本明細書では、回路基板上に実
装する面を底面と称している。
【0035】係る構成にすることにより、入出力電極1
5′が形成された積層基板10の側面の上方部位には、
その辺に沿ってアース電極14が存在し、しかも、積層
基板10の天面には、その全面にアース電極14が存在
することになるで、シールド効果が高くなり、実装後の
入出力電極15′の露出部を極めて少なくすることによ
り、他の設置部品と短絡したりするおそれが可及的に抑
制できる。
【0036】なお、その他の構成並びに作用効果は、上
記した第1実施例と同様であるので、同一部品に同一符
号を付し、その説明を省略する。
【0037】図6は本発明に係る積層誘電体フィルタの
第3実施例を示している。本実施例では、上記第1,第
2実施例と相違し、積層基板10内の所定位置に初段の
共振器内導体11,13を挟むようにして上下に対向配
置される入出力端子パターン18′の一端18′aを、
積層基板10の側面に達せることなく、所定距離内側に
位置させている。なお、他端18′bは共振器内導体1
1,13にオーバーラップさせている。
【0038】一方、入出力電極15″を積層基板10の
底面所定位置(入出力端子パターン18″の下方)に形
成する。そして、積層基板10内に形成した導電性通路
たるビアホール(貫通孔内を銀ペースト等の導電材で充
填して構成される)19を介して入出力電極15″と入
出力端子パターン18′との接続が図れるようにしてい
る。なお、導電性通路としては、ビアホールに限ること
なく、スルーホールその他の種々の形態のものを用いる
ことができる。
【0039】係る構成にすることにより、積層基板10
の側面及び天面は、その全面にアース電極14が存在す
ることになるで、よりシールド効果が高くなり、実装後
の入出力電極15の露出部を極めて少なくすることによ
り、他の設置部品と短絡したりするおそれがなくなる。
【0040】なお、その他の構成並びに作用効果は、上
記した第1,第2実施例と同様であるので、同一部品に
同一符号を付し、その説明を省略する。
【0041】図7は本発明に係る積層誘電体フィルタの
第4実施例を示している。本実施例では、上記第2実施
例を基本とし、積層基板10内に形成する入出力端子パ
ターン18を異ならせている。すなわち、上記第2実施
例並びに他の各実施例では、いずれも1つの共振器内導
体に対し、それを挟んで上下に2枚の入出力端子パター
ンを形成したが、本実施例では、一枚のみ設置するよう
にした。そして、図示の例では共振器内導体11の下側
に所定距離をおいて入出力端子パターン18を設置し、
その一端18aを断面L字状の入出力電極15′に接続
した構成を採っている(図示省略するが反対側も同一構
成としている)。
【0042】なお、図示の例では、入出力端子パターン
18を共振器内導体11の下側に配置したが、上側に配
置してももちろん良い。但し、下側に配置したほうが、
図示するように入出力電極15′の側面における露出面
積を小さくすることができるので好ましい。
【0043】なおまた、その他の構成並びに作用効果
は、上記した各実施例と同様であるので、その詳細な説
明を省略する。また、この入出力端子パターンを1枚設
けるという構成は、第1,第3実施例並びに以下に示す
各種の実施例のものにも適用できるのはもちろんであ
る。
【0044】図8は本発明に係る積層誘電体フィルタの
第5実施例を示している。上記した各実施例では、いず
れも共振器内導体11〜13の開放端11b〜13bに
負荷容量パターン17を配置したが、本例では、負荷容
量パターン17を配置しない一般的な構成からなる積層
誘電体フィルタに適用している。これにともない、共振
器内導体11〜13の長さは、共振周波数の1/4波長
に相当する長さに設定することになる。そして、この初
段の共振器内導体11,13の上下に所定の距離をおい
て入出力端子パターン18を設ける。さらに、この入出
力端子パターン18を、上記した各実施例に示す各種の
構成を用いて積層基板10の表面に設けた入出力電極
(図示せず)に接続を図るようにする。なお、その他の
構成並びに作用効果は、上記した各実施例と同様である
ので、その詳細な説明を省略する。
【0045】図9,図10は本発明に係る積層誘電体フ
ィルタの第6実施例を示している。本実施例では、上記
した第1実施例を基本とし、積層基板10内に形成する
共振器内導体11′〜13′の配置を異ならせている。
すなわち、積層基板10の高さ方向中心位置に、所定の
グリーンシート上に銀ペースト用いてスクリーン印刷に
より3本の帯状共振電極11′〜13′を平行に形成
し、その両端を積層基板10の両側面に到達させる。
【0046】そして、積層基板10の天面,底面に、表
面アース電極14を形成する。この時、積層基板10の
側面のうち帯状共振電極11′〜13′の開放端が達す
る領域をアース未形成部分20とする。図10では、中
央の共振器内導体12′の開放端12′bが、アース未
形成部分20を介して外部に露出し、周囲のアース電極
と非接続状態が保たれる。また、この開放端12′bの
上下には負荷容量パターン17が存在するが、その負荷
容量パターン17は、アース未形成部分20の上下に位
置するアース電極14と接続される。
【0047】なお、図示省略するが、反対側の側面では
これとは逆に初段の共振器内導体11′,13′の開放
端の周囲がアース未形成部分となる。一方、各共振器内
導体11′〜13′の短絡端は、上記各種の実施例と同
様に積層基板10の側面に形成されたアース電極14と
接続される。
【0048】係る構成にすることにより、積層基板10
の長さと共振器内導体11′〜13′の長さとが等しく
なり、上記した各実施例のように開放端側に所定のマー
ジンが不要となり、さらなる小型化が図れる。
【0049】そして、この初段の共振器内導体11′,
13′の上下に所定の距離を置いて入出力端子パターン
18を設ける。さらに、この入出力端子パターン18
を、図10に示すように縦断面コ字状の入出力電極15
と接続し、外部と導通可能とする。
【0050】なお、3段フィルタの場合には、中央の共
振器内導体12′の長さは、両サイドの共振器内導体1
1′,13′に比べ、若干短い方が特性が良い。したが
って、より高精度の品質が要求される場合には、フィル
タ製造後、その共振器内導体電極12′の開放端12′
bが露出するアース未形成部分20の所定部位(開放端
12′bの存在部分)を所定量切削することにより、共
振器内導体12′の長さを短くするようにしてもよい。
【0051】なお、その他の構成並びに作用効果は、上
記した各実施例と同様であるので、その詳細な説明を省
略する。また、本実施例に示す構成(共振器内導体の両
端を積層基板の側面に達するようにする)は、上記した
各実施例に適用できるのはもちろんである。
【0052】なお、上記した実施例では、いずれも3段
のインターディジタル型の積層誘電体フィルタに適用し
た例について示したが、本発明はこれに限ることなく、
図示省略するが、1,2段さらには4段以上であっても
よいのはもちろんで、しかもコムライン型に適用するこ
とのできるのはもちろんである。
【0053】次に、本発明の効果を実証するために以下
に示す実験を行ったので、その結果を示す。まず、実験
に用いた積層誘電体フィルタは、図11(A)に示すよ
うに、2段のインターディジタル型で、上記第6実施例
のように、共振器内導体11′,13′の両端が積層基
板10の両端に達しているタイプのものを用いている。
すなわち、短絡端11′a,13′aがアース電極14
に接続され、また開放端11′b,13′b側にはアー
ス電極を形成しない。そして、同図(B)に示すように
共振器内導体11′,13′とオーバーラップするよう
に、所定のグリーンシートの上に帯状の入出力端子パタ
ーン18を設ける。さらに開放端11′b,13′b側
を覆うための負荷容量パターン17としては、同図
(C)に示すような形状のものを用いている。そして、
それらを適宜積層することにより、図12に示すよう
に、共振器内導体11′,13′を挟んで上下に対向す
るように入出力端子パターン18(同図(A)),負荷
容量パターン17(同図(B))が配置される。図から
明らかなように、本例では、負荷容量パターン17の方
が、共振器内導体に近付けている。
【0054】係る構成のものについて、周波数特性(周
波数に対するリターンロスと伝送)を求めたところ、図
13に示すようになり、リターンロスは15.1dBと
なった。また帯域通過幅は46.8MHzであり、帯域
通過領域ではなだらかな山状となった。
【0055】一方、比較例として、図14に示すよう
に、同一形状の負荷容量パターン17とほぼ同一形状の
共振器内導体(入出力端子パターンに接合を図るための
突起を設けている)11″,13″を用い、その共振器
内導体11″,13″と同一平面上に所定形状の入出力
端子パターン21を設けてなる積層誘電体フィルタを製
造した。そして、各部の寸法形状は図11,図12に示
すものと同一形状とした。
【0056】係る構成のものについて、周波数特性(周
波数に対するリターンロスと伝送)を求めたところ、図
15に示すようになり、リターンロスは2.3dBであ
った。すなわち、比較例では、結合を強くするために開
放端側(負荷容量パターン側)に近付けたのにも拘ら
ず、結合が弱く本発明品に比べリターンロスが悪いこと
が分かる。また帯域通過幅は52.9MHzであって広
くなり、帯域通過領域でも中間で一度落ち込む二山状と
なり、係る点からも本発明品に比べ特性が悪いことが分
かる。
【0057】図16〜図18は、本発明に係る積層型誘
電体フィルタの第7実施例を示している。本実施例でも
積層基板10内の上下方向中央の所定位置に、所定数
(本例では2つ)の共振器内導体11,13が配置さ
れ、各共振器内導体11,13と一部がオーバーラップ
するように上下方向に所定距離だけ離して負荷容量パタ
ーン17と入出力端子パターン18をそれぞれ配置して
いる。そして、その入力端子パターンの一端18aは、
積層基板10の側面に形成した入出力電極15に接続し
ている。また、積層基板10の表面は、上記入出力電極
15と未接続状態を保ちつつそのほぼ全面にアース電極
14が形成されている。係る点では、上記した各実施例
と同様である。
【0058】ここで本実施例では、上記した各実施例と
相違して、共振器内導体11,13の長さを共振周波数
の1/2波長に相当する長さに設定し、各共振器内導体
11,13の両端をともに外部のアース電極14に接続
している。この様にλ/2共振器を用いることにより、
上記した各実施例(λ/4共振器)に比べフィルタのQ
が向上し、性能が向上する。
【0059】また、本実施例では、その共振器内導体1
1,13の上方に、直交方向に延びるようにして帯状の
負荷容量パターン17を積層基板10内に内蔵している
が、その負荷容量パターン17の両端を、外部のアース
電極14に接続し、内装アースパターンとする。これに
より、共振器内導体11,13と負荷容量パターン17
との間で容量結合し、回路的に負荷容量が付加されるこ
とになるので共振周波数が低下し、結果として負荷容量
パターンを形成しないλ/4共振器からなる積層誘電体
フィルタと比べ、本実施例の構成でそれと同一の共振周
波数のフィルタを得ようとした場合に、その共振器内導
体11,13の長さは2倍よりも短くでき、極端に大型
化するのを抑制しつつ、特性は向上する。
【0060】ところで、共振器内導体11,13の両端
をアースに落とした短絡型の場合の共振器内導体11,
13の軸方向(延長方向)にそった電界強度は、図18
(C)に示すように中央部分が最大となり、両端が最小
となる。そこで、負荷容量パターン17の設置の効果を
最大にするため、図17に示すように負荷容量パターン
17は、共振器内導体11,13の中心位置(電界強度
最大位置)でオーバーラップするように配置した。
【0061】さらに、共振器内導体11,13の両端を
ともにアース電極14に接続するようにしたため、その
両端が位置する積層基板10の側面(図16中では前面
と後面)に対する電極形成は、電極材料を全面塗布すれ
ばよいので、位置合わせを正確に行う必要のあるスクリ
ーン印刷等に比べて極めて簡単に製造することができ
る。
【0062】さらにまた、上記のように共振器内導体1
1,13の上方に負荷容量パターン17を配置したた
め、入出力端子パターン18は、共振器内導体11,1
3の下方に所定間隔をおいて配置するようにした。そし
て、この入出力端子パターン18も、共振器内導体1
1,13の中間部分でオーバーラップするようにされ、
結果として図17に示すように負荷容量パターン17と
もオーバーラップするようなる。なお、共振器内導体1
1,13と負荷容量パターン17との離反距離と、共振
器内導体11,13と入出力端子パターン18との離反
距離は同じでもよく、また異ならせてももちろんよい。
【0063】そして、本実施例では、負荷容量パターン
17と入出力端子パターン18とがオーバーラップする
ものの、共振器内導体11,13を挟んで上下方向反対
側に位置し、比較的離れるため相互に影響はほとんどな
い。さらに上記の構成によれば、その形状・構造が完全
に対称形となるので、製造時及びその後の部品としての
使用時に扱いが容易となる。なお、その他の構成並びに
作用効果は、上記した各実施例と同様であるので、対応
する部分については同一符号を付し、その詳細な説明を
省略する。
【0064】ここで、上記した第7実施例の構造の積層
誘電体フィルタを製造するには、図19に示すような大
きな誘電体シートの表面に帯状のパターン11′,1
3′(最終的に共振器内導体になるパターン)を所定間
隔をおいて平行に形成し、別の誘電体シートの表面に
は、そのパターン11′,13′と直交する方向に延び
る帯状のパターン17′(最終的に負荷容量パターンに
なる)を形成する。また、図示省略するが、別の誘電体
シートの表面には、最終的に入出力電極パターンとなる
パターンを形成する。そして、係るパターンを形成しな
い誘電体シートとともに所定の順で積層し、所定のタイ
ミングで図中両方向矢印で示す切断位置で切断すること
により、個々のチップに分離される。
【0065】すなわち、本実施例では、共振器内導体1
1,13並びに負荷容量パターン17はともにその両端
を外部のアース電極14に接続されるようにしたため、
積層基板10を横断するので、図19に示すように各パ
ターン11′,13′,17′は、複数の製品間を連続
する1本の細長なパターンとすることができるので、少
なくとも、各パターンの延長方向に対する位置精度はラ
フに行え、多数個取りが簡単に行える。
【0066】図20,図21は、本発明に係る積層誘電
体フィルタの第8実施例を示している。同図に示すよう
に、本実施例でも上記した第7実施例と同様に、共振器
内導体11,13をλ/2共振器になるように構成して
おり、基本的な構成は第7実施例と同様である。但し、
本実施例では、第7実施例と相違して開放タイプとし、
共振器内導体11,13の両端はアース電極14と接続
することがないオープンとしている。
【0067】すると、共振器内導体11,13の延長方
向に沿った電界強度は、図21(C)に示すように、中
央が最小で両端が最大となる。そこで、図20,図21
(B)に示すように、負荷容量パターン17を共振器内
導体11,13の両端部分でオーバーラップするように
2本形成した。そして、負荷容量パターン17の両端は
アース電極14に接続する。
【0068】係る構成にすると、共振器内導体11,1
3の両端が位置する積層基板10の両側面(図20,図
21(A)中、上側及び下側)には、アース電極を形成
する必要がなく、結果として積層基板10の表面に形成
するアース電極としては、上下面及び負荷容量パターン
17の両端が位置する4つの側面のうち2つの側面とな
り、2つの側面に対する印刷処理が不要となる。そし
て、側面に対する印刷は、切断後にチップ単位で個々に
行わなければないため、負荷容量パターン17等のため
のパターン印刷に比べて非常に手間がかかる処理である
が、その手間のかかる処理が従来の4つの側面から2つ
の側面というように半分になるので、作業性が非常に向
上する。
【0069】また、負荷容量パターン17は、共振器内
導体11,13の両端に形成したが、入出力端子パター
ン18は共振器内導体11,13の中央部分に対向する
ように配置したため、入出力端子パターン18と負荷容
量パターン17の距離がさらに離れ、入出力端子パター
ン18が負荷容量パターン17から影響を受けることが
可及的に抑制される。なお、その他の構成並びに作用効
果は、上記した各実施例と同様であるので、同一符合を
付しその詳細な説明を省略する。また、上記第7,第8
実施例のように、λ/2共振器を使用したタイプの積層
誘電体フィルタでも、3段以上のフィルタに適用できる
のはもちろんである。
【0070】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る積層誘電体
フィルタでは、入出力端子パターンが、初段の共振器内
導体と厚さ方向に所定の距離をおいてオーバーラップす
るように配置されているので、共振器内導体と入出力端
子パターンすなわち入出力電極との結合は、オーバーラ
ップする面積を大きくするほど、また、入出力端子パタ
ーンと共振器内導体との距離を短くするほど強くなる。
従って、入出力端子パターンを小さくしても所望の初段
結合が得られ、フィルタ特性(周波数特性)も安定とな
る。
【0071】しかも、入出力端子パターンと共振器内導
体とを上下に重なるように配置されるので、上記入出力
端子パターンの小型化とあわせ、共振器内導体の外側に
大きな領域(従来入出力端子パターンを配置していた領
域)が不要となり、製品の外形寸法が小型化される。
【0072】また、上記のようにオーバーラップする面
積や、入出力端子パターンと共振器内導体との距離を変
えることにより、初段結合の結合量を容易に変えること
ができ、しかも、係る変更は内部パターンの設置位置・
状態の調整で対応できるので外形寸法に影響を与えな
い。
【0073】さらに、入出力端子パターンと、共振器内
導体とを別の誘電体シート上に配置し、また入出力端子
パターンも小さくすることができることから、係る共振
器内導体や入出力端子パターンを挟んで配置される誘電
体シート同士が直接接着する面積が増大するので、接着
強度が高くなり、その結果接合面での剥がれなどが生じ
なくなる。
【0074】また、たとえ共振器内導体の開放端に負荷
容量パターンを設けたとしても(請求項3)、電界は負
荷容量パターン側のみに集中せず、この入出力端子パタ
ーン周辺にも集中するので、十分な結合をとることがで
きる。すなわち、負荷容量パターンを設けると、共振器
内導体の長さを1/4波長分以下にすることが可能とな
り、しかも、上記のごとく結合も十分にとれるので、さ
らなる小型化を図ることができる。また、このように入
出力端子パターンと共振器内導体との初段結合を強くし
て整合を取りやすくなるので、フィルタの帯域幅の制約
を少なくすることもできる。
【0075】さらに、入出力端子パターンを1つの共振
器内導体に対しその上下に2枚対向配置したり(請求項
2)、入出力電極を積層基板の側面を上下に貫通すると
ともに、それに連続する天面並びに底面の一部にまたが
るように形成したり(請求項7)した場合には、全体的
に対称形に構成することができた。従って、乾燥・焼成
時の収縮も全体的に均一に行われ、バランス良くフィル
タを製造することができる。しかも、上下対称形である
ので、実際の回路基板上へ面実装する際にどちらの面を
設置しても良く、組み立てが容易となる。さらにまた、
請求項2のように2枚の入出力端子パターンを対向配置
すると、上記製造上等の効果に加え、結合状態がより向
上するという効果を奏する。
【0076】また、入出力電極を、積層基板の側面の下
方部位及びそれに連続する底面の一部にまたがるように
形成したり(請求項8)、入出力電極を積層基板の底面
所定位置に形成するとともに、入出力電極と入出力端子
パターンとの接続を、積層基板内に設けられた導電性通
路を介して行うようにした(請求項9)場合には、積層
基板の天面の全面及び側面の一部または全面にアース電
極を配置することができ、シールド効果が高くなり、実
装後の入出力電極15の露出部を極めて少なくすること
により、他の設置部品と短絡したりするおそれが可及的
に抑制できる。よって、積層誘電体フィルタの特性の安
定・向上を図ることができる。そして、係る効果は、請
求項9の方がより高くなる。但し、製造のしやすさの点
では、請求項8の方が優れている(請求項9に比べ
て)。
【0077】さらに、共振器内導体の長さを共振周波数
の1/2波長に対応する長さに設定した場合には(請求
項4,5)、λ/2共振器からなるフィルタとなり、Q
値が高くなり、高性能となる。そして、負荷容量パター
ンを実装することにより、共振器内導体が1/4波長用
のものに比べて長くなるのをできるだけ抑えることがで
き、大型化を抑制しつつ特性の改善を図ることができ
る。
【0078】そして、請求項4のように共振器内導体の
両端をアースパターンと接続するようにすると、その両
端が位置する積層基板の側面に対しては、全面塗布によ
りアースパターンを形成することが可能となるので、パ
ターン形成が容易となる。しかも、請求項5のようにす
ると、積層基板の表面に形成するアースパターンの形成
面数を少なくすることができ、製造効率がさらに向上す
る。
【0079】また、負荷容量パターンの設置位置を共振
器内導体の延長方向で電界強度が最大となる位置に設け
た場合には(請求項6)、上記した請求項4,5の効果
を効率よく発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る積層誘電体フィルタの第
1実施例を示す透視図である。(B)はそのB−B線矢
視断面図である。
【図2】その平面図である。
【図3】その外観斜視図である。
【図4】本発明に係る積層誘電体フィルタの第2実施例
を示す外観斜視図である。
【図5】図4におけるV−V線矢視断面図である。
【図6】本発明に係る積層誘電体フィルタの第3実施例
を示す断面図である。
【図7】本発明に係る積層誘電体フィルタの第4実施例
を示す要部断面図である。
【図8】本発明に係る積層誘電体フィルタの第5実施例
を示す透視図である。
【図9】本発明に係る積層誘電体フィルタの第6実施例
を示す透視図である。
【図10】その外観斜視図である。
【図11】本発明の効果を実証するための実験に用いた
積層誘電体フィルタ(本発明品)を示す図である。
【図12】本発明の効果を実証するための実験に用いた
積層誘電体フィルタ(本発明品)を示す図である。
【図13】図11,図12に示すフィルタの周波数特性
を示す図である。
【図14】本発明の効果を実証するための実験に用いた
積層誘電体フィルタ(比較例)を示す図である。
【図15】図14に示すフィルタの周波数特性を示す図
である。
【図16】(A)は本発明に係る積層誘電体フィルタの
第7実施例を示す斜視図である。(B)は同図(A)に
おけるB−B線矢視断面図である。
【図17】第7実施例の負荷容量パターンを形成した部
分より上方を排除した状態の平面図である。
【図18】(A)は第7実施例の共振器内導体を形成し
た部分より上方を排除した状態の平面図である。(B)
は同図(A)におけるB−B線位置での本実施例の積層
誘電体フィルタの縦断面図である。(C)はその電界強
度を示す図である。
【図19】製造方法を説明する図である。
【図20】第8実施例の負荷容量パターンを形成した部
分より上方を排除した状態の平面図である。
【図21】(A)は第8実施例の共振器内導体を形成し
た部分より上方を排除した状態の平面図である。(B)
は同図(A)におけるB−B線位置での本実施例の積層
誘電体フィルタの縦断面図である。(C)はその電界強
度を示す図である。
【図22】従来の誘電体フィルタの一例を示す図であ
る。
【図23】従来の積層誘電体フィルタの一例を示す透視
図である。
【図24】その断面図である。
【図25】従来の問題点の一つを実証するために用いた
フィルタを示す図である。
【図26】従来の問題点の一つを実証するために用いた
フィルタを示す図である。
【図27】図25に示すフィルタの周波数特性を示す図
である。
【図28】図26に示すフィルタの周波数特性を示す図
である。
【符号の説明】
10 積層基板 11,11′,12,12′,13,13′ 共振器内
導体 11b,11b′,12b,12b′,13b,13
b′ 開放端 14 アース電極 15,15′,15″ 入出力電極 17 負荷容量パターン 18 入出力端子パターン 19 ビアホール(導電性通路)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 伸明 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 近田 淳二 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の誘電体シートを積層して形成さ
    れる積層基板(10)と、 その積層基板内の前記複数枚の誘電体シートの所定の接
    合面に形成された共振器内導体(11,12,13)
    と、 前記積層基板の外周囲に形成されたアースパターン(1
    4)と、 前記アースパターンと非接続状態で前記積層基板の外周
    囲に形成された入出力電極(15)とを備えた誘電体フ
    ィルタであって、 前記共振器内導体を形成した接合面と異なる接合面に、
    前記入出力電極に接続されるとともに、前記所定の共振
    器内導体とオーバーラップするように配設された入出力
    端子パターン(18)を備えた積層誘電体フィルタ。
  2. 【請求項2】 1つの共振器内導体に対し、入出力端子
    パターンをその共振器内導体を挟むようにして2枚を対
    向配置するようにした請求項1に記載の積層誘電体フィ
    ルタ。
  3. 【請求項3】 前記共振器内導体の開放端側部位にオー
    バーラップすると共に、厚さ方向に所定距離隔てた前記
    積層基板の内部に配設された負荷容量パターン(17)
    をさらに備えた請求項1または2に記載の積層誘電体フ
    ィルタ。
  4. 【請求項4】 前記共振器内導体の両端が、ともに前記
    アースパターンに接続されてλ/2共振器を構成し、 かつ、前記共振器内導体の所定位置にオーバーラップす
    るとともに、厚さ方向に所定距離隔てた前記積層基板の
    内部に配設された負荷容量パターンをさらに備えた請求
    項1のいずれか1項に記載の積層誘電体フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記共振器内導体の両端が、ともに前記
    アースパターンに非接続状態にしてλ/2共振器を構成
    し、 かつ、前記共振器内導体の所定位置にオーバーラップす
    るとともに、厚さ方向に所定距離隔てた前記積層基板の
    内部に配設された負荷容量パターンをさらに備えた請求
    項1のいずれか1項に記載の積層誘電体フィルタ。
  6. 【請求項6】 前記共振器内導体と前記負荷容量パター
    ンがオーバーラップする前記所定位置が、電界強度の最
    大位置とした請求項4または5に記載の積層誘電体フィ
    ルタ。
  7. 【請求項7】 前記入出力電極が、前記積層基板の側面
    を上下に貫通するとともに、それに連続する天面並びに
    底面の一部にまたがるように形成されてなる請求項1〜
    6のいずれか1項に記載の積層誘電体フィルタ。
  8. 【請求項8】 前記入出力電極が、前記積層基板の側面
    の下方部位及びそれに連続する底面の一部にまたがるよ
    うに形成されてなる請求項1〜6のいずれか1項に記載
    の積層誘電体フィルタ。
  9. 【請求項9】 前記入出力電極が、前記積層基板の底面
    所定位置に形成され、前記入出力電極と前記入出力端子
    パターンとの接続が、前記積層基板内に設けられた導電
    性通路を介して行われるようにした請求項1〜6のいず
    れか1項に記載の積層誘電体フィルタ。
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