JPH05110305A - インターデイジタル型誘電体フイルター及びその製造方法 - Google Patents

インターデイジタル型誘電体フイルター及びその製造方法

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JPH05110305A
JPH05110305A JP29970191A JP29970191A JPH05110305A JP H05110305 A JPH05110305 A JP H05110305A JP 29970191 A JP29970191 A JP 29970191A JP 29970191 A JP29970191 A JP 29970191A JP H05110305 A JPH05110305 A JP H05110305A
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resonance
electrode
dielectric substrate
dielectric
electrodes
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JP29970191A
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Takami Hirai
隆己 平井
Shinsuke Yano
信介 矢野
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造時の電極用導体の印刷ずれや焼成収縮率
のばらつきに起因する、共振用電極の長さのばらつきを
最終的に調整し得るようにして、インターディジタル型
誘電体フィルターの共振周波数を設計値に一致させる。 【構成】 誘電体基板22に内蔵される共振用電極26
の長さを、誘電体基板22の長さと等しくし、その両端
部が、誘電体基板22の長さ方向に対向する一対の側面
にそれぞれ露出するようにすると共に、該一対の側面の
一方において、一つおきの共振用電極26が、エッジス
ルーホール34の内周面に形成された第一の接続用電極
30により、誘電体フィルターの外面に形成されたアー
ス電極に接続されるようにし、残りの共振用電極26
が、該一対の側面の他方において、エッジスルーホール
34の内周面に形成された第二の接続用電極32によ
り、同様にアース電極に接続されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、マイクロ波帯で使用される誘電
体フィルターに係り、特にその周波数特性の調整を容易
に行なうことができる、インターディジタル型の誘電体
フィルター及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】近年、携帯電話や自動車電話等のマイクロ
波を利用した通信機器においては、損失を小さくするた
めに、各種の誘電体セラミックスを使ったフィルターが
使用されている。そして、そのようなフィルターには、
中心に貫通孔が形成された誘電体ブロックの内周面をメ
タライズして、共振器に相当する中心導体とした、同軸
型の共振器を用い、これを複数個結合して構成した誘電
体フィルターが使用されている。しかしながら、このよ
うな同軸型共振器はプレス成形によって作られるため、
前記貫通孔の径を小さくするには、工程上、限界があ
り、フィルターの薄型化が困難である問題を内在してい
る。そのため、かかる同軸型共振器では、最近の携帯電
話等の小型化に対する厳しい要求に対して、充分な対応
ができなくなりつつある。
【0003】これに対して、大幅な薄型化が可能なフィ
ルターとして、トリプレート型の共振器を使った誘電体
フィルターがあり、特開昭60−216601号公報に
おいては、2枚の誘電体基板を使った薄型の誘電体フィ
ルターが提案されている。その代表的な構造が、図1乃
至図3に示されているが、そこにおいて、2は、略矩形
板状を呈する誘電体基板であり、その両主面及び一方向
に対向する一対の側面にアース電極4が印刷されている
一方、その内部には、図2に示すパターンで、複数の共
振用電極6(ここでは3つ形成されている)、入出力用
電極8、及び各共振用電極6とアース電極4とを接続す
る接続用電極10が形成されている。このような誘電体
フィルターは、例えば、一枚の未焼成の基板シートの片
面に図2に示すパターンで導体を印刷し、その上下に未
焼成の基板シートを積層して所望の厚さにしたものを一
体焼成し、しかる後、焼成により得られた誘電体基板2
の両主面及び一方向に対向する一対の側面にアース電極
4を印刷することによっても、形成されることとなる。
【0004】そして、このトリプレート型の共振器にお
いて、複数の共振用電極6の配列形態としては様々なも
のがあるが、ここで示されている如き、隣合う共振用電
極6の開放端(アース電極4に接続されていない側の端
部)と短絡端(アース電極4に接続されている側の端
部)とが交互に入れ違えられるように配列された、所謂
インターディジタル型の誘電体フィルターは、共振用電
極に加えて結合容量電極が必要になるコムライン型に比
べて、電極形状が簡略となる利点を有している。
【0005】ところで、このようなインターディジタル
型誘電体フィルターの特性を決定付ける主な要素として
は、次のパラメーターが挙げられる。即ち、誘電体基板
2の誘電率、誘電損失、共振用電極6の幅、隣合う共振
用電極6,6間の間隔及び共振用電極6の長さである。
この中で、共振用電極6の長さは、共振周波数(中心周
波数)に大きく影響するため、誘電体フィルターの特性
を高めるためには、全ての共振用電極6が同じ長さにな
り、且つ設計値に正しく一致することが要求される。し
かしながら、共振用電極6は、通常、印刷工程で形成さ
れることから、印刷垂れと呼ばれる現象によって0.1
mm程度の印刷誤差が生じることが避けられず、長さがば
らつくことは不可避である。そのため、このような誘電
体フィルターは、最終的に共振周波数が設計値からず
れ、大きくばらついてしまう問題を内在していた。例え
ば、誘電率が80である誘電体基板2を使って、900
MHzのフィルターを製作した場合、共振用電極6の長さ
が0.1mmずれると、約10MHzの周波数ずれにつなが
るのである。
【0006】また、かかる誘電体フィルターを作製する
に際して、導体(各電極)を未焼成の基板シート(グリ
ーンシート)上に印刷して、誘電体基板と導体(各電
極)を同時焼成する場合には、焼成収縮量のばらつきに
よっても、共振用電極6の長さがばらつくのであり、焼
成後の収縮率が1%ばらつくだけでも、上記の例と同程
度の周波数誤差が生じることとなる。
【0007】このため、従来から、かかるインターディ
ジタル型誘電体フィルターについて、最終的に共振周波
数の測定を行なって、周波数にずれがある場合には、図
4に示すようにして、一つ一つの共振用電極6の開放端
に相当する部分のアース電極4を削って、電極除去部1
2を設けることで、周波数の調整を行なっているのであ
る。このような間接的な調整方法を採用する理由は、共
振用電極6が誘電体基板2内に内蔵されているために、
後からその長さを直接に調節することができないからで
ある。しかしながら、このような方法では、共振周波数
の調整に非常に時間がかかる問題があり、また誘電体フ
ィルターの外面からでは、共振用電極6の開放端の位置
が正確に分からないため、作業が行ない難く、製品の特
性ばらつきが大きくなってしまっていた。
【0008】
【解決課題】本発明は、このような事情を背景にして為
されたものであって、その解決課題とするところは、共
振用電極の長さずれに基づく共振周波数のずれを、簡便
に修正することができる誘電体フィルターを提供するこ
とにあり、またそのような誘電体フィルターの有利な製
造方法を提供することにある。
【0009】
【解決手段】そして、本発明は、上記の課題を解決する
ために為されたものであり、その要旨とするところは、
主面外面にアース電極が設けられた誘電体基板の内部
に、該誘電体基板の一方向に延びる複数の共振用電極
を、該誘電体基板の一方向とは直角な方向に配列してな
る構造を有し、各共振用電極が該誘電体基板の前記一方
向の長さと等しい長さを有することにより、それら共振
用電極の両端部が、該誘電体基板の一方向に対向する一
対の側面において、それぞれ、露出せしめられていると
共に、該各共振用電極が、交互に、それらの互いに異な
る側の露出部位において前記アース電極に接続されてい
ることを特徴とするインターディジタル型誘電体フィル
ターにある。
【0010】また、本発明は、かかる誘電体フィルター
の好ましい態様として、各共振用電極が該誘電体基板の
前記一方向の長さと等しい長さを有することにより、そ
れら共振用電極の両端部が、該誘電体基板の一方向に対
向する一対の側面において、それぞれ、露出せしめられ
ていると共に、それら共振用電極の互いに異なる側の露
出部位に交互に位置するように、該誘電体基板の一対の
側面にエッジスルーホールをそれぞれ設け、更に該エッ
ジスルーホールの内面に形成された接続用電極によっ
て、各共振用電極が、交互に、それらの互いに異なる側
の露出部位において前記アース電極に接続されているこ
とを特徴とするインターディジタル型誘電体フィルター
をも、その要旨とするものである。
【0011】そして、本発明では、そのようなインター
ディジタル型誘電体フィルターの製造方法として、有利
には、前記誘電体基板を少なくとも前記共振用電極と共
に一体焼成する一方、該共振用電極と該誘電体基板の主
面外面に設けられたアース電極とをエッジスルーホール
の内面に形成された接続用電極にて接続せしめた後、か
かる誘電体基板の前記エッジスルーホールの設けられた
側の面を研磨して、該誘電体基板内部に設けられた前記
共振用電極の長さを調節することにより、インターディ
ジタル型誘電体フィルターとしての共振周波数の調整を
行なう方法が、採用されることとなるのである。
【0012】
【作用・効果】要するに、本発明に従うインターディジ
タル型誘電体フィルターにあっては、各共振用電極の長
さが誘電体基板の一方向の長さと等しくされ、その両端
部が誘電体基板の端面(側面)に露呈せしめられている
ことから、共振用電極を誘電体基板に内蔵した後からで
も、誘電体基板の端面を研磨することによって、共振用
電極の長さを直接に調節することができ、しかも内蔵さ
れている複数の共振用電極について一度に調節を行なう
ことができるのである。従って、誘電体フィルターとし
ての最終的な共振周波数(中心周波数)の調整作業を極
めて容易に、且つ正確に行なうことができる特徴があ
る。そして、通常、かかる研磨によって、共振用電極の
長さのバラツキを10μm程度以下とすることができる
ところから、これによる共振周波数のバラツキは1MHz
以下となり、以てフィルター特性が安定して高められ得
るのである。
【0013】また、誘電体基板の一方向に対向する一対
の側面において、共振用電極の短絡端に位置してエッジ
スルーホールを設けて、共振用電極とアース電極とを接
続する接続用電極を、その内面に形成する場合には、共
振周波数の調整のために該一対の側面を研磨しても、接
続用電極が全て削り取られずに残ることから、研磨後に
再び接続用電極を形成する手間を省くことができるので
ある。そして、本発明のインターディジタル型誘電体フ
ィルターの製造方法によれば、そのような構造のフィル
ターを簡便に作製することができるのである。
【0014】
【実施例】以下に、本発明を更に具体的に明らかにする
ために、本発明の代表的な実施例について、図面に基づ
いて詳細に説明することとする。
【0015】先ず、図5には、本発明に係るトリプレー
ト構造のインターディジタル型誘電体フィルターの一例
が示されているが、そこにおいて、22は、各種の誘電
体セラミックスから構成される略矩形板状を呈する誘電
体基板であって、その両主面外面に対して、アース電極
24が形成されている一方、その内部には、図6に示す
パターンで、複数の共振用電極26(ここでは、3つ設
けられている)と入出力用電極28が形成されている。
【0016】要するに、図6に示されているように、各
共振用電極26は、所定幅で誘電体基板22の長さ方向
(一方向)に延びるようにして、幅方向に所定の間隔を
おいて互いに平行に配列されており、また、各共振用電
極26の長さが該誘電体基板22の長さと等しくされて
いることによって、各共振用電極26の両端部は、該誘
電体基板22の長さ方向に対向する一対の側面におい
て、それぞれ露出せしめられている。また、幅方向の両
側に位置する共振用電極26,26の側部には、入出力
用電極28,28が設けられている。そして、誘電体基
板22の長さ方向に対向する一対の側面において、それ
ら共振用電極26がインターディジタル型の共振器を構
成するように、隣合う共振用電極26の開放端(アース
電極24に接続されない側の端部)と短絡端(アース電
極24に接続される側の端部)とが交互に入れ違えられ
るようにして、各共振用電極26の短絡端側に、共振用
電極26とアース電極24とを接続する接続用電極3
0,32が、それぞれ設けられているのである。
【0017】すなわち、誘電体基板22の長さ方向に対
向する一対の側面の一方(図5において前面)におい
て、3つの共振用電極26のうちの両側に位置するもの
に対して、第一の接続用電極30が設けられる一方、該
一対の側面の他方(図5において後面)において、真ん
中に位置する共振用電極26に対して、第二の接続用電
極32が設けられて、各共振用電極26が、上面及び下
面のアース電極24に電気的に接続されているのであ
る。そして、それら第一、第二の接続用電極30,32
は、何れも、誘電体基板22の端面に、その板厚方向に
設けられた円溝形状のエッジスルーホール34の内周面
に形成されているのである。
【0018】このような誘電体フィルターにおいては、
その製造に際し、電極導体の印刷誤差や、誘電体基板シ
ート及び電極導体の焼成収縮率のばらつきによって、共
振用電極26の長さがばらつくことが避けられず、その
結果、誘電体フィルターの共振周波数(中心周波数)が
設計値からずれてしまうため、最終的に共振周波数の調
整作業が行なわれることとなるが、上記した如き構造の
誘電体フィルターにあっては、誘電体基板22の長さと
共振用電極26の長さが等しいことから、該誘電体基板
22の側面を研磨することによって、内蔵された共振用
電極26の長さを直接に調節することができ、また、複
数の共振用電極26の長さを一度に調節することができ
るのである。従って、極めて簡便に全ての共振用電極2
6の長さを設計値に正確に一致させることができ、以て
共振周波数のずれを良好に修正することができるのであ
る。
【0019】しかも、かかる誘電体フィルターでは、共
振用電極26とアース電極24を誘電体基板22の側面
において接続する前記第一、第二の接続用電極30,3
2がエッジスルーホール34の内周面に形成されている
ことから、該誘電体フィルター(誘電体基板22の側
面)を研磨しても、それら第一、第二の接続用電極3
0,32は部分的に削り取られるのみであり、エッジス
ルーホール34内に大部分残り、それ故に研磨後に再び
接続用電極を形成する手間を省くことができる。なお、
エッジスルーホール34を設けない場合にも、第一、第
二の接続用電極30,32を形成する前に、研磨を行な
うことによって、それら接続用電極30,32を何回も
形成する手間を省くことができる。また、誘電体フィル
ターの研磨は、共振用電極26の両端がそれぞれ露呈す
る一対の側面の両方に対して行なっても良いし、何れか
一方の側面に対して行なっても良い。
【0020】さらに、図7乃至図9には、本発明に係る
インターディジタル型誘電体フィルターの別の例が示さ
れている。このフィルターは、上面にアース電極24が
形成されている上側の一枚の誘電体基板22aと、上面
に図6のパターンで共振用電極26及び入出力用電極2
8が形成されると共に、下面にアース電極24が形成さ
れている下側の一枚の誘電体基板22bとが重ね合わさ
れて、それらが固定金具36にて固定されることによっ
て、一体的に構成されているものである。それによっ
て、各共振用電極26が両誘電体基板22a,22b間
に挟まれた状態で、誘電体基板22の内部に位置せしめ
られるようになっている。また、それら共振用電極26
の長さが誘電体基板22a,22bの長さと等しくされ
ていることによって、各共振用電極26の両端部は、誘
電体基板22a,22bの長さ方向に対向する一対の側
面に露出せしめられているのである。
【0021】そして、それら共振用電極26をアース電
極24に接続せしめるために、前記下側の誘電体基板2
2bには、かかる共振用電極26が露出せしめられてい
る一対の側面において、隣合う共振用電極26の開放端
と短絡端とが交互に入れ違えられるようにして、各共振
用電極26の短絡端側に位置して、円溝状のエッジスル
ーホール34が設けられており、その内周面に接続用電
極30,32がそれぞれ設けられているのである。な
お、上側の誘電体基板22aに形成されたアース電極2
4と、下側の誘電体基板22bに形成されたアース電極
24との接続は、ここでは、前記固定金具36を介して
為されるようになっている。
【0022】このような構造のインターディジタル型誘
電体フィルターにあっても、前記実施例のフィルターと
同様に、誘電体基板22a,22bの側面を研磨するこ
とによって、内蔵された複数の共振用電極26の長さを
直接に且つ一度に調節することができ、極めて簡便に共
振周波数の調整を行なうことができる。また、共振用電
極26とアース電極24を接続する接続用電極30,3
2がエッジスルーホール34の内周面に形成されている
ことによって、該誘電体フィルター(誘電体基板22
a,22bの側面)を研磨しても、接続用電極30,3
2はエッジスルーホール34内に大部分残ることから、
研磨後に再び接続用電極を形成する手間を省くことがで
きるのである。
【0023】ところで、上述の如き、本発明に従うイン
ターディジタル型誘電体フィルターを作製するに際して
は、次のような製造方法が有利に採用されることとな
る。即ち、前記誘電体基板22を少なくとも前記共振用
電極26と共に一体焼成する一方、該共振用電極26と
該誘電体基板22の主面外面に設けられたアース電極2
4とをエッジスルーホール34の内周面に形成された接
続用電極30,32にて接続せしめた後、かかる誘電体
基板22の前記エッジスルーホール34の設けられた側
の面を研磨して、該誘電体基板22内部に設けられた前
記共振用電極26の長さを調節することにより、インタ
ーディジタル型誘電体フィルターとしての共振周波数
(中心周波数)の調整を行ない、トリプレート構造の誘
電体フィルターを完成させるのである。
【0024】より具体的には、例えば、一枚の未焼成の
基板シート上に共振用電極26、入出力用電極28を所
定パターンで印刷し、その上下に、フィルター主面外面
となる表面にアース電極24を印刷した他の未焼成の基
板シートを積層して所望の厚さにした後、共振用電極2
6の短絡端に位置して、基板シートの一対の側面にエッ
ジスルーホール34を設け、更にその内周面に接続用電
極30,32を印刷し、これを同時焼成することによっ
て、一体的な誘電体基板22と成すのである。なお、ア
ース電極24や接続用電極30,32の形成は、誘電体
基板22の焼成後に行なうことも可能である。そして、
該誘電体基板22のエッジスルーホール34が設けられ
た側面を研磨することによって、共振用電極26の長さ
を設計値に合わせて調節して、目的とするインターディ
ジタル型誘電体フィルターを完成することができる。
【0025】而して、本発明に従うインターディジタル
型誘電体フィルターを作製するに際しては、必ずしもこ
のような製造方法を採用しなければならないというもの
ではなく、必要に応じて、公知の種々の製造方法を採用
しても何等差し支えない。例えば、予め焼成され、所定
の位置にエッジスルーホール34が設けられてなる複数
枚の誘電体基板22を用いて、それぞれの基板に必要な
導体(各電極24,26,28,30,32)を印刷
し、焼き付けた後、少なくとも共振用電極26を印刷し
た誘電体基板22について、エッジスルーホール34が
設けられた側面を研磨して、共振用電極26の長さを調
節し、しかる後、それら誘電体基板22を積層して、一
体的に固定することによって、目的とするインターディ
ジタル型誘電体フィルターを作製することもできる。前
記した図7乃至図9に示されるインターディジタル型誘
電体フィルターは、このような製造方法によって作製さ
れることとなる。
【0026】そして、このような本発明にかかるインタ
ーディジタル型誘電体フィルターの優れた特徴は、以下
の試験例においても明らかに認められるところである。
【0027】試験例 1 図7乃至図9に示されている如き誘電体フィルターを得
るべく、酸化バリウム−酸化チタン−酸化ネオジム系誘
電体磁器組成物からなる厚さ1mmの誘電体基板(22)
を二枚用意し、その中の一枚の誘電体基板には、その片
面上に銀ペーストで図6に示す如きパターンで共振用電
極(26)、入出力用電極(28)を印刷し、他方の面
にアース電極(24)を印刷し、更にエッジスルーホー
ル(34)の内周面にも接続用電極(30,32)を印
刷して、850℃で焼成した。また、他の一枚の誘電体
基板には、片面にアース電極(24)を印刷し、同様に
して焼成した。そして、共振用電極(26)を印刷した
誘電体基板の両端を研磨して、共振用電極(26)の長
さが基板の誘電率と目標周波数から計算される長さ(設
計値)に一致するようにした後、それら二枚の誘電体基
板(22,22)を重ね合わせて、固定金具(36)で
固定し、上面と下面のアース電極(24)を接続した。
【0028】かくして得られた誘電体フィルターの特性
は、共振周波数が880.8MHzであり、設計値の88
1.5MHzからのずれは0.7MHzであった。また、挿
入損失は3dBであった。
【0029】試験例 2 図5及び図6に示されている如き誘電体フィルターを生
産性よく得るべく、酸化バリウム−酸化チタン−酸化ネ
オジム系誘電体磁器組成物粉末に若干のガラス形成成分
やガラス粉末を添加した材料を用いて、図10に示され
ている如き大形のグリーンシート38を作製し、そして
該グリーンシート38上に、銀ペーストで、図10に示
す連続したパターンで共振用電極(26)、入出力用電
極(28)を印刷した。一方、アース電極(24)を印
刷した上記と同様な材料からなるグリーンシートを別に
用意して、それら間に上記グリーンシート38を挟み、
更に最終的な厚みにするのに必要な枚数のグリーンシー
トを間に挟んで積層した。次いで、かかる積層されたグ
リーンシート積層体の所定の位置(図10に破線の円で
示される位置)に、エッジスルーホール(34)を与え
る貫通孔40を形成し、その内周面に導体を印刷した。
しかる後、個々のフィルターの外形線(図10の一点鎖
線)に沿って切れ込みを入れ、900℃で各グリーンシ
ート(誘電体基板)と各電極とを同時焼成した。焼成
後、その切れ込み部位で切断して各フィルターを分離
し、そしてフィルターの長さ方向の両端を研磨して、共
振用電極(26)の長さが基板の誘電率と目標周波数か
ら計算される長さ(設計値)に一致するようにした。
【0030】かくして得られた誘電体フィルターの特性
は、共振周波数が836.7MHzであり、設計値の83
6.5MHzより、0.2MHz高いものであった。また、
挿入損失は、誘電体フィルターの厚みが2.4mmと薄型
であるのに拘わらず、2.4dBと非常に低損失であっ
た。
【0031】以上、本発明の代表的な実施例について詳
細に説明したが、本発明が、そのような実施例の記載に
よって、何等の制約をも受けるものでないことは、言う
までもないところである。また、本発明には、上記の実
施例の他にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおい
て、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良
等を加え得るものであることが、理解されるべきであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のトリプレート型構造の誘電体フィルター
の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の誘電体フィルターの共振用電極の配置状
態を示す説明図である。
【図3】図1の誘電体フィルターの縦断面図である。
【図4】図1の誘電体フィルターの共振周波数の調整方
法を説明するための説明図である。
【図5】本発明に従うインターディジタル型誘電体フィ
ルターの一例を示す斜視図である。
【図6】図5の誘電体フィルターの共振用電極の配置状
態を示す説明図である。
【図7】本発明に従う誘電体フィルターの他の一例を示
す平面図である。
【図8】図7の誘電体フィルターを示す正面図である。
【図9】図7の誘電体フィルターのIX−IX線断面を示す
断面図である。
【図10】図5及び図6に示される誘電体フィルターの
製造に際して採用される、グリーンシート上の共振用電
極の配置状態を示す説明図である。
【符号の説明】
22 誘電体基板 24 アース電極 26 共振用電極 28 入出力用電極 30 第一の接続用電極 32 第二の接続用電極 34 エッジスルーホール 36 固定金具 38 グリーンシート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主面外面にアース電極が設けられた誘電
    体基板の内部に、該誘電体基板の一方向に延びる複数の
    共振用電極を、該誘電体基板の一方向とは直角な方向に
    配列してなる構造を有し、各共振用電極が該誘電体基板
    の前記一方向の長さと等しい長さを有することにより、
    それら共振用電極の両端部が、該誘電体基板の一方向に
    対向する一対の側面において、それぞれ、露出せしめら
    れていると共に、該各共振用電極が、交互に、それらの
    互いに異なる側の露出部位において前記アース電極に接
    続されていることを特徴とするインターディジタル型誘
    電体フィルター。
  2. 【請求項2】 主面外面にアース電極が設けられた誘電
    体基板の内部に、該誘電体基板の一方向に延びる複数の
    共振用電極を、該誘電体基板の一方向とは直角な方向に
    配列してなる構造を有し、各共振用電極が該誘電体基板
    の前記一方向の長さと等しい長さを有することにより、
    それら共振用電極の両端部が、該誘電体基板の一方向に
    対向する一対の側面において、それぞれ、露出せしめら
    れていると共に、それら共振用電極の互いに異なる側の
    露出部位に交互に位置するように、該誘電体基板の一対
    の側面にエッジスルーホールをそれぞれ設け、更に該エ
    ッジスルーホールの内面に形成された接続用電極によっ
    て、各共振用電極が、交互に、それらの互いに異なる側
    の露出部位において前記アース電極に接続されているこ
    とを特徴とするインターディジタル型誘電体フィルタ
    ー。
  3. 【請求項3】 主面外面にアース電極が設けられた誘電
    体基板の内部に、該誘電体基板の一方向に延びる複数の
    共振用電極を、該誘電体基板の一方向とは直角な方向に
    配列してなる構造を有し、各共振用電極が該誘電体基板
    の前記一方向の長さと等しい長さを有することにより、
    それら共振用電極の両端部が、該誘電体基板の一方向に
    対向する一対の側面において、それぞれ、露出せしめら
    れていると共に、それら共振用電極の互いに異なる側の
    露出部位に交互に位置するように、該誘電体基板の一対
    の側面にエッジスルーホールをそれぞれ設け、更に該エ
    ッジスルーホールの内面に形成された接続用電極によっ
    て、各共振用電極が、交互に、それらの互いに異なる側
    の露出部位において前記アース電極に接続されているイ
    ンターディジタル型誘電体フィルターを製造する方法に
    して、 前記誘電体基板を少なくとも前記共振用電極と共に一体
    焼成する一方、該共振用電極と該誘電体基板の主面外面
    に設けられたアース電極とをエッジスルーホールの内面
    に形成された接続用電極にて接続せしめた後、かかる誘
    電体基板の前記エッジスルーホールの設けられた側の面
    を研磨して、該誘電体基板内部に設けられた前記共振用
    電極の長さを調節することにより、インターディジタル
    型誘電体フィルターとしての共振周波数の調整を行なう
    ことを特徴とするインターディジタル型誘電体フィルタ
    ーの製造方法。
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