JPH07311920A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヘッドクリーナーローラーとヘッドドラムが
全面で接触せず、充分なクリーニング効果が得られない
ことがあるという課題を解決することを目的とする。 【構成】 磁気テープ中心面に対して垂直ではないヘッ
ドドラムの回転軸６と略平行な回動軸２を持ち自在に回
動するヘッドクリーナーアーム１と、ヘッドクリーナー
アーム１に回転自在に保持され、ヘッドドラム５の回転
軸６と略平行な回転軸４を持つヘッドクリーナーローラ
ー３を備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カセットに内蔵された
磁気テープを記録あるいは再生時にカセット外に引き出
して、磁気テープの中心面に対して垂直ではない回転軸
を持ったヘッドドラムに巻き付けて、磁気テープの走行
方向に対して斜め方向に磁気ヘッドを摺動させて記録あ
るいは再生を行う磁気記録再生装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、ビデオテープレコーダー等の磁気
記録再生装置においては、磁気テープの引出し動作や巻
き込み動作の間に、洗浄液等を含浸させたスポンジある
いはフエルト等のヘッドクリーナーローラーの側面をヘ
ッドドラムの側面に接触させて、磁気ヘッドをクリーニ
ングする機能を有するものが増えつつある。以下に、図
面を参照しながら上述の磁気記録再生装置の一例につい
て説明する。

【０００３】図３は従来の磁気記録再生装置のヘッドド
ラム周辺の構成を示す斜視図である。

【０００４】シャーシ１０には、ヘッドドラム５の底面
を固定する傾斜面が形成され、テープ中心面に対して垂
直ではない回転軸を持つヘッドドラム５が回転自在に保
持されている。また、シャーシ１０には、ヘッドクリー
ナーアーム１の回動軸２がテープ中心面に対して垂直に
固定され、ヘッドクリーナーアーム１が回動自在に保持
されている。ヘッドクリーナーアーム１の先端にはヘッ
ドクリーナーローラー３が回転自在に保持されている。
ヘッドクリーナーローラー３がヘッドドラムに５接触し
ているときに、ヘッドクリーナーローラー１の回転軸４
とヘッドドラム５の回転軸６が平行になり、側面全体で
接触するようにヘッドクリーナーアーム１の形状は決め
られている。巻取り側傾斜ポストベース８はシャーシに
加工された巻取り側傾斜ポストベース案内溝１０ａによ
って鉛直方向の動きを拘束され、巻取り側傾斜ポストベ
ース案内溝１０ａに沿った移動のみできるようになって
いる。ヘッドクリーナーアーム１の回動軸２からはヘッ
ドクリーナーローラー３を保持している一端とは反対側
に弾性変形し得るバネ部１ｂが伸び、さらにバネ部１ｂ
の先には、カムフォロワ部１ａが巻取り側傾斜ポストベ
ース８の動作軌跡に干渉する位置に伸びている。

【０００５】図４はヘッドクリーナーアーム１、ヘッド
クリーナーローラー３、ヘッドドラム５の位置関係を示
す正面図である。ヘッドクリーナーアームの回動軸２と
ヘッドクリーナーローラーの回転軸４が平行にならない
ことがわかる。

【０００６】以上のように構成された磁気記録再生装置
について、以下にその動作について説明する。

【０００７】カセットが磁気記録再生装置に装着される
と、巻取り側傾斜ポストベース８はカセットに内蔵され
た磁気テープを保持しつつ巻取り側傾斜ポストベース案
内溝１０ａに沿って移動する。移動の途中で、巻取り側
傾斜ポストベース８がヘッドクリーナーアーム１のカム
フォロワ部１ａに接触し、さらに移動するため、ヘッド
クリーナーアーム１のカムフォロワ部１ａは押されてヘ
ッドクリーナーアーム１全体に回転モーメントを与え
る。ヘッドクリーナーアーム１は回転モーメントを受け
て回動し、先端に保持されたヘッドクリーナーローラー
３の側面がヘッドドラム５の側面に接触し、磁気ヘッド
１１のクリーニングを行う。

【０００８】なお、従来のヘッドクリーナーアーム１は
弾性変形し得るバネ部１ｂと、巻取り側傾斜ポストベー
ス８に押されるカムフォロワ部１ａとが一体化した構造
になっているが、カムフォロワ部１ａを別部品として戻
しバネを組み込んだ構造になっている例もある。

【０００９】また、従来技術では、巻取り側傾斜ポスト
ベース８の動作を利用してヘッドクリーナーアーム１を
回動させているが、供給側傾斜ポストベースの移動を利
用することも可能である。

【００１０】さらに、巻取り側傾斜ポストベースあるい
は供給側傾斜ポストベースの動作とは独立させて、別の
機構を用いてヘッドクリーナーアームを回動させている
ものもある。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の構
成では、ヘッドクリーナーアーム１の回動軸２とヘッド
ドラム５の回転軸６とは平行ではなく、かつ、ヘッドク
リーナーローラー３がヘッドドラム５に接触していると
きにはヘッドクリーナーローラー３の回転軸４とヘッド
ドラム５の回転軸６とが平行になっている必要があるた
めに、ヘッドクリーナーアーム１の回動軸２とヘッドク
リーナーローラー３の回転軸４とは平行ではなく、ある
角度を持つことにり、この結果、ヘッドクリーナーアー
ム１の回動軸２とヘッドクリーナーローラー３の回転軸
４とが平行な場合と比較して形状精度を出しにくく、図
５のように、ヘッドクリーナーローラー３の側面とヘッ
ドドラム５の側面とが全面で接触せずに、図５（ａ）の
ように上縁あるいは図５（ｂ）のように下縁のみで接触
することになり、充分なヘッドクリーニング効果が得ら
れないという課題を有していた。

【００１２】本発明ではこの様な従来の課題を解決し、
ヘッドクリーナーアームの形状精度を出しやすく、ヘッ
ドクリーナーローラーの回転軸がヘッドドラムの回転軸
に平行になり、結果として、充分なクリーニング効果が
得られる磁気記録再生装置を提供することを目的として
いる。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の磁気記録再生装置は、シャーシの一部に傾斜
部を設けその傾斜部に対して垂直でかつ回転自在に設け
られたヘッドドラムと、ヘッドドラムの回転軸と略平行
な回動軸を傾斜部に設けその回動軸に回動自在に支持さ
れたヘッドクリーナーアームと、ヘッドクリーナーアー
ムに回転自在に保持されかつヘッドドラムの回転軸と略
平行な回転軸に回転自在に設けられたヘッドクリーナー
ローラーとを備えたものである。

【００１４】

【作用】この構成により、ヘッドクリーナーアームに設
けられたヘッドクリーナーアームの回動軸とヘッドクリ
ーナーローラーの回転軸は平行になり、ヘッドクリーナ
ーアームの形状精度を出しやすくなり、ヘッドクリーナ
ーローラーの回転軸とヘッドドラムの回転軸は常に平行
を保ち、ヘッドクリーナーローラーの側面はヘッドドラ
ムの側面に全面で接触するために、充分なクリーニング
効果を得ることができる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。

【００１６】図１は本発明の磁気記録再生装置のヘッド
ドラム周辺の構造を示す斜視図である。

【００１７】図１において、シャーシ１０には、ヘッド
ドラム５の底面を固定する傾斜面１０ｂが形成され、ヘ
ッドドラム５が回転自在に保持されている。また、傾斜
面１０ｂは一部がヘッドドラム５の外側に伸び、ヘッド
クリーナーアーム１の回動軸２が傾斜面１０ｂに対して
垂直に固定され、ヘッドクリーナーアーム１が回動自在
に保持されている。この結果、ヘッドクリーナーアーム
１の回動軸２とヘッドドラム５の回転軸６とは平行にな
る。ヘッドクリーナーアーム１の先端にはヘッドクリー
ナーローラー３の回転軸４がヘッドクリーナーアーム１
の回動軸２と平行に固定され、ヘッドクリーナーローラ
ー３が回転自在に保持されている。この結果、ヘッドク
リーナーローラー３の回転軸４とヘッドドラム５の回転
軸６とは平行になる。巻取り側傾斜ポストベース８はシ
ャーシに加工された巻取り側傾斜ポストベース案内溝１
０ａによって鉛直方向の動きを拘束され、巻取り側傾斜
ポストベース案内溝１０ａに沿った移動のみできるよう
になっている。ヘッドクリーナーアーム１の回動軸２か
らはヘッドクリーナーローラー３を保持している一端と
は反対側にカムフォロワ部１ａが巻取り側傾斜ポストベ
ース８の動作軌跡に干渉する位置に伸びている。

【００１８】図２はヘッドクリーナーアーム１、ヘッド
クリーナーローラー３、ヘッドドラム５の位置関係を示
す要部側面図である。図２において、ヘッドクリーナー
アームの回動軸２とヘッドクリーナーローラーの回転軸
４が平行になることがわかる。

【００１９】以上のように構成された磁気記録再生装置
について、以下にその動作について説明する。

【００２０】カセットが磁気記録再生装置に装着される
と、巻取り側傾斜ポストベース８はカセットに内蔵され
た磁気テープを保持しつつ巻取り側傾斜ポストベース案
内溝１０ａに沿って移動する。移動の途中で、巻取り側
傾斜ポストベース８がヘッドクリーナーアーム１のカム
フォロワ部１ａに接触し、さらに移動するため、ヘッド
クリーナーアーム１のカムフォロワ部１ａは押されてヘ
ッドクリーナーアーム１全体に回転モーメントを与え
る。ヘッドクリーナーアーム１は回転モーメントを受け
て回動し、先端に保持されたヘッドクリーナーローラー
３の側面がヘッドドラム５の側面に接触し、磁気ヘッド
１１のクリーニングを行う。

【００２１】なお、本実施例ではヘッドクリーナーアー
ム１は、巻取り側傾斜ポストベース８に押されるカムフ
ォロワ部１ａが一体化した構造になっているが、カムフ
ォロワ部１ａを別部品として戻しバネを組み込んだ構造
も可能である。

【００２２】また、本実施例では、巻取り側傾斜ポスト
ベース８の動作を利用してヘッドクリーナーアーム１を
回動させているが、供給側傾斜ポストベースの移動を利
用することも可能である。

【００２３】さらに、巻取り側傾斜ポストベースあるい
は供給側傾斜ポストベースの動作とは独立させて、別の
機構を用いてヘッドクリーナーアームを回動させること
も可能である。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、シ
ャーシの一部に傾斜部を設けその傾斜部に対して垂直で
かつ回転自在に設けられたヘッドドラムと、ヘッドドラ
ムの回転軸と略平行な回動軸を傾斜部に設けその回動軸
に回動自在に支持されたヘッドクリーナーアームと、ヘ
ッドクリーナーアームに回転自在に保持されかつヘッド
ドラムの回転軸と略平行な回転軸に回転自在に設けられ
たヘッドクリーナーローラーとを備えたことにより、カ
セットに内蔵された磁気テープの引出しあるいは巻き込
み動作の際にヘッドクリーナーアームが回動して、アー
ムの先端に保持されたローラーの側面がヘッドドラムの
側面に全面で接触して、充分なクリーニング効果を得る
ことができ、映像・音声を良好な状態で記録あるいは再
生することができることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の磁気記録再生装置のヘッド
ドラム周辺の構成を示す斜視図

【図２】同実施例の磁気記録再生装置の要部側面図

【図３】従来の磁気記録再生装置のヘッドドラム周辺の
構成を示す斜視図

【図４】従来の磁気記録再生装置の要部側面図

【図５】従来の磁気記録再生装置においてヘッドクリー
ナーローラーの側面とヘッドドラムの側面が全面で接触
していない状態を示す要部側面図

【符号の説明】

１ ヘッドクリーナーアーム ２ ヘッドクリーナーアームの回動軸 ３ ヘッドクリーナーローラー ４ ヘッドクリーナーローラーの回転軸 ５ ヘッドドラム ６ ヘッドドラムの回転軸 １０ｂ 傾斜面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャーシの一部に傾斜部を設けその傾斜
   部に対して垂直でかつ回転自在に設けられたヘッドドラ
   ムと、前記ヘッドドラムの回転軸と略平行な回動軸を前
   記傾斜部に設けその回動軸に回動自在に支持されたヘッ
   ドクリーナーアームと、前記ヘッドクリーナーアームに
   回転自在に保持されかつ前記ヘッドドラムの回転軸と略
   平行な回転軸に回転自在に設けられたヘッドクリーナー
   ローラーとを備えたことを特徴とする磁気記録再生装
   置。