JPH07310423A - 床パネルの接合構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】床パネルのどの様な動きを受けようと接合構造
自体の防水性を長期に維持させた床パネルの接合構造を
提供する。 【構成】板状本体Ａの上面に配設される床面部１の一方
の端縁ａから該端縁方向に延出板２を延出する。該延出
板２の延出側端縁から係止片３を垂下する。前記床面部
１の他方の端縁ｂに隣設した部位である接合面４の高さ
を該床面部１の高さよりも低く設定する。該床面部１と
該接合面４の間には、該接合面４に沿って延びる接合溝
５を設ける。上記接合面４に弾性体６を載置する。上記
延出板２を該弾性体６に接合させつつ、上記係止片３を
上記接合溝５に挿入する。さらに、弾性押圧部材７、防
水材８及び目地材９の各々を、該接合溝５内の隙間Ｓ
に、各々の順で下から積層させつつ嵌装させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数枚連続して敷きつ
めることによりベランダやバルコニーを形成する床パネ
ル同士の接合に用いられる床パネルの接合構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、防水加工を簡易に施すと共にバル
コニーやベランダを形成する部材として床パネルがあ
る。この床パネルは、通常、複数枚が接合されて全体を
構成するものであり、このような床パネルの接合構造と
して本出願人は、実願平５−５０７５６号のようなもの
を開示している。

【０００３】この床パネルの接合構造は、接合する板状
本体の接合端面同士に段部を設けることにより接合溝を
設ける一方、この接合溝に防水材と目地材を充填したも
のであり、これにより防水性が高められている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記接
合溝の底にある弾性体と上記係止片の接合が該係止片の
動き及び経時的変化によって緩くなり、該接合部位から
上記目地材が浮き上がり、これにより防水性が低下する
という課題があった。

【０００５】本発明の目的は、上記従来品の欠点を解消
すべく発明されたものであって、床パネルのどの様な動
きを受けようと接合構造自体の防水性を長期に維持させ
た床パネルの接合構造を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決する手段】本発明は上記に鑑み発明された
ものであって、板状本体の上面に配設される床面部の一
方の端縁から該端縁方向に延出板を延出させ、該延出板
の延出側端縁から係止片を垂下させ、前記床面部の他方
の端縁に隣設した部位を接合面とする一方、該接合面の
高さを該床面部の高さよりも低く形成し、該床面部と該
接合面の間に該接合面に沿って延びる接合溝を有する床
パネルの接合構造であって、上記接合面に弾性体を載置
し、上記延出板を該弾性体に接合させつつ上記係止片を
上記接合溝に挿入し、さらに、該接合溝内の隙間に弾性
押圧部材、防水材及び目地材の順で下から積層させつつ
嵌装させたことを特徴とする床パネルの接合構造であ
る。

【０００７】本発明における上記弾性体，上記弾性押圧
部材、防水材及び目地材は、上記床パネルの板状本体同
士を弾力的に接合できるものであれば適宜選択して使用
でき、例えばシリコン系、ブチル系、クロロプレン系、
ブタジエン系、ポリサルフアイド系等のゴムのように接
着性と共に伸縮性のあるものや、予め一定の形状に成形
されたゴムに接着剤又は接着テープを取り付けたもの、
さらにはＥＰＤＭ（エチレン−プロピレンターポリマ
ー）やポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂やこ
れらの発泡体等がある。

【０００８】上記接合面の高さは、一方の延出板との間
に上記弾性体を介装できる程度の高さをいう。また、該
接合面の幅は、少なくとも当該弾性体の接着効果が発揮
される程度の幅であればよい。なお、上記係止片の垂下
方向の長さは上記接合溝の深さとの兼ね合いで決定され
る。

【０００９】上記床パネルの素材としては、一方の端縁
に接合溝、他方の端縁に係止片を配設すれば上記接合構
造が構成できることから、特に限定しなくともよいが、
例えば、ＦＲＰ（繊維補強プラスチック）、硬質塩化ビ
ニル樹脂、ＡＢＳ（アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン）樹脂等の合成樹脂若しくは石綿セメント等の無
機質硬化物がある。なお、成形加工性及び軽量性を考え
るとＦＲＰが好ましい。また、このＦＲＰ若しくは硬質
塩化ビニル樹脂等の場合には、その内部を他の充填部材
で形成することによって軽量化できる。

【００１０】なお、本発明にかかる床パネルの接合構造
は、床パネルの相対向する位置のみに設定するだけでな
く、任意の床パネル端面に設置することにより、一方向
に接続するだけでなく多方向に接続させることもできる
のは、勿論である。また、上記床パネル同士を接続した
後、該床パネルの床面上に保護シートを該接合部位ごと
覆うように敷設することにより、さらに防水性を高める
ことができる。

【００１１】

【作用】本発明は、床パネルの接合構造を、一方の板状
本体に設けた接合溝内に他方の板状本体に設けた係止片
を挿入し、該接合溝内を弾性押圧部材で押圧し、さら
に、防水材と目地材で密閉させているように構成してい
るため、どの様な動きを受けようとも接合構造自体の防
水性を長期に維持できる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。図１は本発明に係る床パネルの接合構
造の一実施例を示した要部断面図であり、図２は同実施
例に係る床パネルの接合構造を備えた床パネル同士を接
合させてベランダを形成した際の縦断面を模式的に示し
た説明図である。

【００１３】本実施例にあっては、板状本体Ａの内部が
発泡ポリウレタン、床面部１が硬質に形成されたＦＲＰ
（繊維補強プラスチック）で、形成されている。また、
図１に示すように、板状本体Ａの上面に配設される床面
部１の一方の端縁ａから該端縁方向に延出板２が延出さ
れ、該延出板２の延出側端縁から係止片３が垂下されて
いる。ここで、前記床面部１の他方の端縁ｂに隣設した
部位を接合面４とし、該接合面４の高さを該床面部１の
高さよりも低く設定している。また、該床面部１と該接
合面４の間には、該接合面４に沿って設けられた接合溝
５がある。

【００１４】また、本実施例は、上記接合面４に弾性体
６が載置され、上記延出板２を該弾性体６に接合させつ
つ、上記係止片３を上記接合溝５に挿入し、さらに、弾
性押圧部材７、防水材８及び目地材９の各々を、該接合
溝５内の隙間Ｓに、各々の順で下から積層させつつ嵌装
させている。

【００１５】なお、同様な接合構造を多く設けることに
より、平面上のいわゆるＸ−Ｙ方向に接続したベランダ
の床が形成される。

【００１６】本実施例における床パネルの接合構造は、
その接合部位において、目地材９、防水材８、弾性押圧
部材７、さらには弾性体６という４段階の防水加工をし
ているため、どの様な動きを受けようとも接合構造自体
の防水性が、長期に維持されている。

【００１７】

【発明の効果】本発明にあっては、床パネルの接合構造
を、板状本体の上面に配設される床面部の一方の端縁か
ら該端縁方向に延出板を延出させ、該延出板の延出側端
縁から係止片を垂下させ、前記床面部の他方の端縁に隣
設した部位を接合面とする一方、該接合面の高さを該床
面部の高さよりも低く形成し、該床面部と該接合面の間
に該接合面に沿って延びる接合溝を有する床パネルの接
合構造であって、上記接合面に弾性体を載置し、上記延
出板を該弾性体に接合させつつ上記係止片を上記接合溝
に挿入し、さらに、該接合溝内の隙間に弾性押圧部材、
防水材及び目地材の順で下から積層させつつ嵌装させ、
これにより、接合構造自体の防水性を長期的に維持でき
るという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る床パネルの接合構造の一実施例を
示した要部断面図である。

【図２】図１に係る床パネルの接合構造を備えた床パネ
ル同士が接合されてベランダを形成した際の平面図であ
る。

【符号の説明】

１ 床面部 ２ 延出板 ３ 係止片 ４ 接合面 ５ 接合溝 ６ 弾性体 ７ 弾性押圧部材 ８ 防水材 ９ 目地材 Ａ 板状本体 ａ 一方の端縁 ｂ 他方の端縁 Ｓ 隙間

フロントページの続き (72)発明者 小池 達也 神奈川県鎌倉市台２丁目13番１号 東洋化 学株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 板状本体（Ａ）の上面に配設される床面
   部（１）の一方の端縁（ａ）から該端縁方向に延出板
   （２）を延出させ、該延出板（２）の延出側端縁から係
   止片（３）を垂下させ、前記床面部（１）の他方の端縁
   （ｂ）に隣設した部位を接合面（４）とする一方、該接
   合面（４）の高さを該床面部（１）の高さよりも低く形
   成し、該床面部（１）と該接合面（４）の間に該接合面
   （４）に沿って延びる接合溝（５）を有する床パネルの
   接合構造であって、上記接合面（４）に弾性体（６）を
   載置し、上記延出板（２）を該弾性体（６）に接合させ
   つつ上記係止片（３）を上記接合溝（５）に挿入し、さ
   らに、該接合溝（５）内の隙間（Ｓ）に弾性押圧部材
   （７）、防水材（８）及び目地材（９）の順で下から積
   層させつつ嵌装させたことを特徴とする床パネルの接合
   構造。