JPH07309918A - 多相重合体粒子凝集体およびこれを含む吸油材 - Google Patents

多相重合体粒子凝集体およびこれを含む吸油材

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JPH07309918A
JPH07309918A JP23240594A JP23240594A JPH07309918A JP H07309918 A JPH07309918 A JP H07309918A JP 23240594 A JP23240594 A JP 23240594A JP 23240594 A JP23240594 A JP 23240594A JP H07309918 A JPH07309918 A JP H07309918A
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JP
Japan
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polymer
polymer particles
monomer
oil
polymerization
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Application number
JP23240594A
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English (en)
Inventor
Koichi Morita
広一 森田
Hiroshi Takeuchi
寛 武内
Junji Oshima
純治 大島
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】空隙を有する多相重合体粒子の凝集体およびこ
れを含む吸油材の提供。 【構成】重合体粒子の存在下にガラス転移温度40℃以
上の重合体を形成する単量体を水系重合してなる空隙を
有する多相重合体粒子の凝集体、および該多相重合体粒
子の凝集体を含んでなる吸油材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空隙を有する多相重合
体粒子の凝集体およびこれを含む吸油材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、いわゆる多孔質性のポリマー
は、吸水性あるいは吸油性のポリマーとして、また、熱
硬化性樹脂の硬化収縮時の応力緩和剤として、さらに
は、吸着材等として広汎な利用が期待されている。とり
わけ、吸油材としては、従来より、タンカー事故などに
よる流出油や、家庭や工場で出る廃油、工場の機械油の
漏油などの処理を目的として、ポリプロピレン、ポリエ
チレンなどの疎水性樹脂の不織布が用いられているが、
このような方法においては、樹脂自身は油を吸収する能
力がほとんどなく、油との高い親和性により不織布の空
隙に油を吸着・保持するに過ぎないため保油力に問題が
あり、排水等の浄化用としては不十分である。この問題
点を解決するために、多くの高吸油性架橋重合体および
これを含んでなる吸油材が提案されている。例えば、特
開平3−221582、特開平4−41583、特開平
4−41584、特開平5−15777、特開平5−3
2708、特開平5−105729では、懸濁重合、あ
るいは不織布にビニル重合性単量体を含浸させた後、重
合することにより製造される高吸油性架橋重合体および
これを含んでなる吸油材が開示されている。また、特開
平4−100539、特開平5−9211、特開平5−
222358では、溶液重合で製造した高吸油性架橋重
合体およびこれを含んでなる吸油材が開示されている。
しかし、これらの方法で製造された重合体は、架橋重合
体が本質的に単一相であり、しかも多孔質でないため、
吸油量、吸油速度、保油力は、その単量体組成によって
決定される能力以上のものは期待できず、現在、使用さ
れ得る単量体から製造される高吸油性架橋重合体の吸油
量、吸油速度、保油力も、おのずと限界がある。一方、
重合方法において、従来より、乳化重合で製造したゴム
を主成分とする架橋重合体に、架橋性単量体を含まない
ビニル重合性単量体、分散剤、油溶性ラジカル開始剤を
添加して懸濁重合を行なう熱可塑性樹脂の製造法は、既
に知られるところであり、例えば特開昭50−1092
83では、架橋されたアクリル酸エステルの重合体と架
橋されたスチレン−アクリロニトリル共重合体が粒子内
で相分離したラテックスの存在下に、スチレン、アクリ
ロニトリルを乳化重合、あるいは懸濁重合してゴム変性
熱可塑性樹脂を製造する方法が開示されている。しか
し、空隙を有する多相重合体粒子の凝集体を製造する方
法は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、重合体
粒子の存在下、所定の単量体を水系重合することによ
り、空隙を有する多相重合体粒子の凝集体が得られるこ
とを見いだし、さらに、この空隙を有する多相重合体粒
子の凝集体が、いっそう改良された吸油量、吸油速度、
保油力を有する吸油材として有用であることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による空隙を有す
る多相重合体粒子の凝集体は、重合体粒子の存在下にガ
ラス転移温度40℃以上の重合体を形成するビニル重合
性単量体を水系重合することにより得られる。本発明の
凝集体で用いられる重合体粒子は、溶液重合、乳化重
合、懸濁重合等公知の重合方法を用いて製造することが
でき、好適には、乳化重合が用いられる。重合体粒子を
乳化重合により製造する場合、重合体粒子を形成する単
量体を、乳化剤、重合開始剤等の添加剤を用いて、常法
に従い、乳化重合する。乳化剤には、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のア
ニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ソルビタンモノラウレート等のノニオン性
界面活性剤を用い、重合開始剤には、過硫酸カリウム、
過酸化水素、キュメンパーオキサイド等の過酸化物、2,
2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩等のアゾ
化合物を用いることができる。かかる乳化重合では粒子
数が一定のシード乳化重合を行なうため、乳化剤量が多
すぎないよう配慮し、単量体、乳化剤は逐次添加によっ
て重合を進めることが好ましい。重合体粒子を形成する
単量体は、公知のビニル化合物であり、本発明において
はガラス転移温度が0℃以下、好ましくは−20℃以
下、特に好ましくは−30℃以下の重合体粒子を形成す
る単量体を用いることが好ましい。ガラス転移温度が0
℃を越えると、多相重合体粒子の凝集体を吸油材として
用いた場合に吸油量が低くなる。なお、本発明にいうガ
ラス転移温度は、10Hzの引っ張りモードでの動的粘
弾性における損失弾性率E”のピーク温度である。ガラ
ス転移温度が0℃以下の重合体粒子を形成する単量体と
しては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの
共役ジエン、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノ
ニルアクリレート、ノニルメタアクリレート、ラウリル
アクリレート、ラウリルメタアクリレート、ステアリル
アクリレート、ステアリルメタアクリレートなどの(メ
タ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。これらの中
でブタジエン、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、ノニルアクリレートが好ましく用いら
れ、ブタジエン、ブチルアクリレートが特に好ましく用
いられる。この場合、ガラス転移温度が0℃以下の重合
体を形成できれば、上記の単量体以外に上記の単量体と
共重合可能な単量体を併せて用いてもよい。このような
単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル、シア
ン化ビニリデン、メチルメタクリレート、ブチルメタク
リレートなどのメタクリル酸エステルなどを挙げること
ができ、スチレンが好ましく用いられる。
【0005】重合体粒子は、多相重合体粒子の凝集体が
吸油材として用いられる場合には、油で溶出しないよう
にするために、架橋重合体であることが好ましい。その
ために、上記した単量体と共に、これに共重合可能な多
官能性の単量体、即ち、架橋性単量体を共重合させる。
このような架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベ
ンゼン等の芳香族ジビニル単量体、エチレングリコール
ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ブチレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオ
ールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、オリゴエチレングリコールジアクリレート、オリゴ
エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロール
プロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のア
ルカンポリオールポリアクリレート又はアルカンポリオ
ールポリメタクリレート等を挙げることができる。ジビ
ニルベンゼン、ブチレングリコールジアクリレート、ヘ
キサンジオールジアクリレートが好ましく用いられる。
この架橋性単量体の量は、重合体粒子の0.01〜5重
量%、好ましくは、0.05〜2重量%、より好ましく
は、0.1〜1重量%の範囲である。また、次の水系重
合の際に、ガラス転移温度40℃以上の重合体を重合体
粒子に化学的に結合させる目的で、前記した単量体、お
よび架橋性単量体とともにグラフト性単量体を用いるこ
とができる。このようなグラフト性単量体としては、例
えば、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジ
アリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルイタ
コネート等の不飽和カルボン酸アリルエステル等が用い
られ、アリルメタクリレートが好ましく用いられる。こ
のグラフト性単量体の量は、重合体粒子の5重量%以
下、好ましくは、2重量%以下、特に好ましくは、1重
量%以下である。
【0006】重合体粒子は、コアシェル重合体であって
もよい。コアシェル重合体とした場合、その後の水系重
合において、粘着性のない凝集体を製造するのに必要な
単量体の量を少なくすることができ、より空隙に富む凝
集体を得ることができる。かかるコアシェル重合体は、
シード乳化重合により得ることができる。コアシェル重
合体を製造するに際しても、上記と同様の乳化剤、重合
開始剤を用いることができるが、粒子数が一定のシード
乳化重合を行なうため、乳化剤量が多すぎないよう配慮
し、単量体、乳化剤は逐次添加によって重合を進めるこ
とが好ましい。コアシェル重合体は、ガラス転移温度が
0℃以下のコアと、ガラス転移温度が40℃以上のシェ
ルを形成するものが好ましい。ガラス転移温度が0℃以
下のコアを形成する単量体としては、上記したガラス転
移温度が0℃以下の重合体を形成する単量体が用いら
れ、多相重合体粒子の凝集体が吸油材として用いられる
場合に油で溶出しないようにする目的で架橋性単量体、
およびシェルと化学的に結合させる目的でグラフト性単
量体を用いることができる。架橋性単量体としては、上
記と同様のものを、同様に使用することができ、ジビニ
ルベンゼン、ブチレングリコールジアクリレート、ヘキ
サンジオールジアクリレートが好ましく用いられる。こ
の架橋性単量体の量は、コアの0.01〜5重量%、好
ましくは、0.05〜2重量%、より好ましくは0.1
〜1重量%の範囲である。グラフト性単量体も上記と同
様のものを、同様に使用することができ、アリルメタク
リレートが好ましく用いられる。このグラフト性単量体
の量は、コアの5重量%以下、好ましくは、2重量%以
下、特に好ましくは、1重量%以下である。ガラス転移
温度が40℃以上のシェルを形成する単量体としては、
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ンなどの芳香族ビニル、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリルなどのシアン化ビニル、シアン化ビニリデン、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどのメ
タクリル酸エステルなどが挙げられる。スチレン、メチ
ルメタクリレートが好ましく用いられる。また、ガラス
転移温度が40℃以上のシェルを形成できれば、上記の
単量体以外に上記の単量体と共重合可能な単量体を併せ
て用いてもよい。このような単量体としては、例えば、
ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの共役ジエ
ン、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロ
ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、ブチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸エ
ステルなどを挙げることができる。
【0007】シェルは、多相重合体粒子の凝集体が吸油
材として用いられる場合に、油で溶出しないようにする
ために、コアにグラフトされているか、シェル自身が架
橋重合体であることが好ましい。そのために、コアの重
合でグラフト性単量体を用いていない場合は、上記した
単量体とともに、これに架橋性単量体を共重合させるこ
とが好ましい。また、コアの重合でグラフト性単量体を
用いている場合でも、架橋性単量体を用いてもよい。架
橋性単量体としては、上記と同様のものを、同様に使用
することができ、ジビニルベンゼン、ブチレングリコー
ルジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレートが
好ましく用いられる。この架橋性単量体の量は、シェル
の0.01〜5重量%、好ましくは、0.05〜2重量
%、より好ましくは0.1〜1重量%の範囲である。ま
た、次の水系重合の際に、ガラス転移温度40℃以上の
重合体を重合体粒子に化学的に結合させる目的で、先の
重合で例示したグラフト性単量体も用いることができ、
アリルメタクリレートが好ましく用いられる。このグラ
フト性単量体の量は、シェルの5重量%以下、好ましく
は2重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。
シェルのガラス転移温度は、40℃以上、好ましくは5
0℃以上、より好ましくは60℃以上である。シェルの
ガラス転移温度が40℃未満であれば、上記したよう
な、その後の水系重合において、粘着性のない凝集体を
製造するのに必要な単量体の量を少なくすることがで
き、より空隙に富む凝集体を得ることができるというコ
アシェル重合体を用いた際の特徴が損なわれる。コアシ
ェル重合体全体に対するコアの比率は40〜95重量
%、好ましくは50〜90重量%である。このようにし
て製造された重合体粒子は、重量平均粒子径が0.05
〜1μm、特に、0.1〜0.6μmであることが望ま
しい。重量平均粒子径が0.05μm未満である場合
は、水系重合において凝集体が安定に製造できない場合
があり、また、重量平均粒子径が1μmを越えると水系
重合で製造された凝集体の空隙が不十分な場合がある。
【0008】本発明の空隙を有する多相重合体粒子の凝
集体は、上記の重合体粒子の存在下、水溶性高分子およ
び/または無機系凝集剤を水系重合前に添加した後、ガ
ラス転移温度40℃以上の重合体を形成する単量体を水
系重合することにより製造されるか、あるいは、重合体
粒子の存在下に、ガラス転移温度40℃以上の重合体を
形成する単量体を水系重合することにより製造された多
相重合体の水分散液に水溶性高分子および/または無機
系凝集剤を水系重合終了後に添加することにより製造さ
れる。本発明にいう水系重合とは、水を媒体とし生成す
る重合体が水に不溶であるビニル重合をいい、懸濁重
合、乳化重合のいずれの概念をも包含するものである。
この水系重合は、重合体粒子の存在下に、ラジカル開始
剤およびこれら単量体を一括もしくは重合中連続添加
し、ラジカル重合開始剤の分解温度以上で重合する。ラ
ジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキシド、
ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド
などの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物、過硫
酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩などの遊
離ラジカルを発生する化合物が用いられる。さらに、必
要に応じて亜硝酸ナトリウムなどの水相重合の禁止剤、
固形分濃度を調整するための水が添加される。水系重合
により製造される重合体のガラス転移温度は、40℃以
上、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上
である。ガラス転移温度が40℃未満の場合は、多相重
合体粒子の凝集体が粘着性になりブロッキングしやすく
なる。この水系重合では、生成する重合体のガラス転移
温度が40℃以上になれば、重合体粒子の製造で例示さ
れたすべての単量体を単独重合、あるいは任意の比率で
共重合させることができる。重合体粒子がコアシェル重
合体の場合のシェルの製造で例示された単量体が好まし
く、特に、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート
が好ましく用いられる。水系重合で用いるガラス転移温
度40℃以上の重合体を形成する単量体の量は、重合体
粒子50〜95重量部に対し、50〜5重量部、好まし
くは重合体粒子60〜90重量部に対し40〜10重量
部であり、重合体粒子がコアシェル重合体である場合
は、好ましくは重合体粒子70〜90重量部に対し30
〜10重量部である。単量体の量がこれらの範囲を越え
ると空隙を有する凝集体が得られない場合があり、ま
た、これらの範囲に満たないと得られた凝集体が粘着性
になり、吸油材用途として使用できない場合がある。水
系重合で形成されるガラス転移温度が40℃以上の重合
体は、多相重合体粒子の凝集体が吸油材として用いられ
る場合には、油で溶出しないようにするために、架橋さ
れていることが好ましい。そのために、重合体粒子の製
造で例示された架橋性単量体、グラフト性単量体を使用
することができる。その中でもジビニルベンゼン、ブチ
レングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジア
クリレート、アリルメタクリレートが、好ましく用いら
れる。架橋性単量体および/またはグラフト性単量体の
使用量は、水系重合で形成されるガラス転移温度が40
℃以上の重合体の0.01〜5重量%、好ましくは0.
05〜2重量%、特に好ましくは、0.1〜1重量%の
範囲である。この水系重合では、多相重合体粒子の凝集
体を吸油材として用いられる場合には、水中での油をよ
り多く吸収するために、さらに親水性の官能基を有する
単量体を用いることができる。親水性の官能基として
は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ポリオキシエチ
レン基、アミノ基、スルホネート基などが挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸などを挙げることが
できる。ヒドロキシル基を有する単量体としては、例え
ば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレートなど
を挙げることができる。ポリオキシエチレン基を有する
単量体としては、例えば、ポリエチレングリコールのメ
タクリレート、メトキシポリエチレングリコールのメタ
クリレートなどを挙げることができる。アミノ基を有す
る単量体としては、アリルアミン、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレートなどを挙げることができる。スルホネ
ート基を有する単量体としては、スチレンスルホン酸ナ
トリウムなどを挙げることができる。親水性の官能基を
有する単量体の使用量は、水系重合で形成されるガラス
転移温度が40℃以上の重合体の0.1〜30重量%、
好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは、2〜10
重量%の範囲である。
【0009】また、この水系重合において生成する多相
重合体粒子の凝集のため、および、凝集体の分散安定化
のために、水溶性高分子および/または無機系凝集剤が
用いられる。このような水溶性高分子としては、ゼラチ
ン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、ポ
リアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸
塩、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコールなど
を挙げることができ、ポリビニルアルコール、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが
好ましく用いられる。無機系凝集剤としては塩化ナトリ
ウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸第一
鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、活性
シリカ等を挙げることができる。これらの水溶性高分子
および/または無機系凝集剤は、水系重合を行う前に添
加してもよく、また、重合終了後、水溶液として多相重
合体粒子の水分散液に添加してもよい。水溶性高分子お
よび/または無機系凝集剤を水系重合前に添加した場
合、重合体粒子が1個あるいは複数個凝集した状態でガ
ラス転移温度40℃以上の重合体により被覆された多相
重合体粒子を生成し、この多相重合体粒子がさらに凝集
した凝集体のスラリーを得ることができる。また、水溶
性高分子および/または無機系凝集剤を水系重合終了後
添加する場合、多相重合体粒子が複数個凝集した凝集体
のスラリーを得ることができる。かかる凝集体は、約1
〜100μmの空隙を無数に有した0.1〜10mmの
大きさの凝集体である。この凝集体は上記の如く空隙を
無数に有しており、このため、嵩密度は0.4g/cm3
下、好ましくは0.3g/cm3以下、より好ましくは0.
25g/cm3以下である。嵩密度が0.4g/cm3を越えると
凝集体中の空隙が少なく、多相重合体粒子の凝集体を吸
油材として用いる場合に吸油能が低下する。この凝集体
のスラリーは、そのままで不織布などに担持して、吸油
材として使用することができる。あるいは、遠心機によ
り脱水・洗浄後、乾燥して凝集体の粉末とした後、その
ままカラムに充填して吸油性のフィルターとしたり、容
器に充填して薬剤、芳香剤を吸収させ除放性の吸油材と
して使用することもできる。また、凝集体の粉末を不織
布などに担持して吸油材として使用することもできる。
【0010】
【発明の効果】本発明による空隙を有する多相重合体粒
子の凝集体は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂
等の熱硬化性樹脂の硬化収縮時の応力緩和剤として、あ
るいは、吸油材として好適に用いられる。特に、吸油材
として用いた場合、重合体粒子が吸油性であることに加
えて、この凝集体の空隙が油を吸着するという形態的な
効果により、吸油性、保油性が大きく改良されるもので
ある。かかる吸油材は、従来の懸濁重合で製造されるも
の、および、同じ単量体組成で乳化重合だけで製造した
ものに比較して、優れた吸油量、吸油速度、保油力を発
現する。従って、有機溶剤、重油、食用油を含む広範な
種類の油を、効率的かつ多量に吸収し、再放出を起こさ
ず、また、水中に分散している油、水中に溶けている
油、あるいは薄膜となって浮いている油を、選択的かつ
迅速に吸収し、油の再放出を起こさないため、これらの
用途として用いるフィルターなどに有用に用いられる。
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を説
明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定される
ものではない。尚、以下において、「部」はすべて重量
部を示す。また、以下において用いる略語は下記に示す
とおりである。 略語 エチルアクリレート EA アクリロニトリル AN ブタジエン Bd 2ーエチルヘキシルアクリレート: 2EHA メチルメタクリレート: MMA スチレン: St ブチレングリコールジアクリレート: BGA アリルメタクリレート: AlMA ジビニルベンゼン*): DVB 脱イオン水: DIW ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩: SSS アルキルビフェニルエーテルスルホネートナトリウム塩:SSL ポリビニルアルコール(ケン化度88mol%): PVA 過硫酸ナトリウム: SPS アゾビスイソブチロニトリル: AIBN 炭酸水素ナトリウム: SHC *)ジビニルベンゼン58重量%と芳香族ビニルモノマ
ー42重量%からなる。
【0011】実施例1 多相重合体粒子凝集体Aの合成 (重合体粒子aのラテックスの合成)5リットルオート
クレイブに10%SSL水溶液2.8g、1%SHC水
溶液72g、DIW1053.7gを仕込み、窒素気流
下、撹拌しながら内温を70℃に昇温した。EA72g
を添加し、10分間かけて分散後、窒素置換した。2%
SPS水溶液144gを添加し、20分間重合を行なっ
てシードラテックスを調製した。引き続き、内温を70
℃に保ち、下記組成からなる単量体混合液250.76
g、10%SSL水溶液144g、1%SHC水溶液5
4g、DIW 486gからなる単量体乳化液を90分
間かけて連続添加した。 単量体混合液組成 Bd 105.6g 2EHA 144.5g BGA 0.33g AlMA 0.33g 単量体乳化液添加後、続けて70℃で360分間熟成を
行い、ついで冷却後300メッシュの金網でろ過するこ
とにより重合体粒子aのラテックスを得た。 (多層重合体粒子凝集体Aの合成)還流冷却器を備えた
2リットル容量の重合容器内にDIW264g、1%P
VA水溶液990gを仕込み、窒素気流下で攪拌しなが
ら、先に重合した重合体粒子aのラテックス633gを
室温にて添加し、180分間撹拌を続けた。この混合液
にあらかじめAIBN 0.13gを溶解させたMMA
59.07g、EA 6.6g、BGA 0.33g
の単量体混合液を添加した。内温を70℃に昇温し、そ
のまま180分間水系重合を行った。さらに、80℃で
60分間熟成を行い、固形分量17.6%のスラリー液
を得た。このスラリー液を冷却後、遠心機を用いて脱
水、洗浄を行った後、40℃で一昼夜送風乾燥を行うこ
とにより多相重合体粒子凝集体Aを得た。
【0012】実施例2 多相重合体粒子凝集体Bの合成 実施例1に於いて水系重合における単量体混合液の組成
をMMA 59.2g、EA 6.6g、AlMA
0.17gに変更した以外は同様の操作により重合を行
い、多相重合体粒子凝集体Bを得た。多相重合体粒子凝
集体Bの走査型電子顕微鏡写真(2000倍率)を図1
に示す。 実施例3 多相重合体粒子凝集体Cの合成 実施例1に於いて重合体粒子aのラテックスの代わりに
SBRラテックス(クロスレンSK−72、武田薬品工
業(株)製、固形分量51.4%)556.0gを用
い、水系重合における単量体混合液の組成をMMA 6
2.8g、EA7.0g、BGA 0.18gに変更し
た以外は同様の操作により重合を行い、多相重合体粒子
凝集体Cを得た。 実施例4 多相重合体粒子凝集体Dの合成 実施例3に於いて水系重合における単量体混合液の組成
をSt 69.8g、DVB 0.19gに変更した以
外は同様の操作により重合を行い、多相重合体粒子凝集
体Dを得た。
【0013】実施例5 多相重合体粒子凝集体Eの合成 (コアシェル重合体bのラテックスの合成)5リットル
オートクレイブに1%SSS水溶液97.3g、1%S
HC水溶液97.3g、DIW 1329gを仕込み、
撹拌しながら内温を75℃に昇温した。MMA 37.
0gとSt 11.6gの混合液を添加し、10分間か
けて分散後、窒素置換した。2%SPS水溶液29.2
gを添加し、60分間重合を行なってシードラテックス
を調製した。ついで、内温を70℃に保ち、下記組成か
らなる単量体混合液1571.3g、10%SSL水溶
液81.0g、1%SHC水溶液243.0gからなる
単量体乳化液を300分間かけて連続添加しコア形成の
ためのシード重合を行った。 単量体混合液組成 Bd 314.3g 2EHA 801.4g St 447.8g BGA 7.8g 単量体乳化液添加後、続けて70℃で360分間熟成を
行い、ついで冷却後300メッシュの金網でろ過するこ
とによりコアラテックスを得た。上記の方法により合成
したコアラテックスを還流冷却器を備えた5リットル容
量の重合容器に移し、窒素気流下、撹拌しながら内温を
75℃に上昇させた後、2%SPS水溶液 9.0gを
添加し、10分間かけて分散させた。その後、下記組成
からなる単量体混合液180.0g、10%SSL水溶
液55.8g、DIW 54gからなる単量体乳化液を
120分間かけて連続添加し、シード重合を行った。 単量体混合液の組成 St 38.7g MMA 130.5g AN 9.9g BGA 0.9g 単量体乳化液添加後、続けて80℃で60分間熟成を行
うことによりコアシェル重合体bのラテックスを得た。 (多相重合体粒子凝集体Eの合成)実施例1に於いて、
5リットル容量の重合容器を用い、重合体粒子aのラテ
ックス代わりにコアシェル重合体bのラテックスを21
12gおよびDIW 1208gを用い、単量体混合液
の組成をSt 20.8g、MMA 70.4g、AN
5.4g、DVB 0.13gに変更した以外は同様
の方法により合成を行い、多相重合体粒子凝集体Eを得
た。
【0014】実施例6 多相重合体粒子凝集体Fの合成 (重合体粒子cのラテックスの合成)還流冷却器を備え
た5リットル容量の重合容器内に10%SSS水溶液3
2g、1%SHC水溶液80gおよびDIW 1110
gを仕込み、窒素気流下、撹拌しながら内温を70℃に
昇温した。EA 80gを添加し、10分間かけて分散
後、2%SPS水溶液160gを添加し、10分間重合
を行ってシードラテックスを調製した。引き続き内温を
70℃に保ち、下記組成からなる単量体混合液152
0.0g、1%SSS水溶液568g、1%SHC水溶
液80gからなる単量体乳化液を180分間かけて連続
添加した。 単量体混合液組成 BA 1508.8g BGA 3.2g AlMA 8.0g 単量体乳化液添加後、続けて70℃で90分間熟成を行
い、重合体粒子cのラテックスを得た。 (多相重合体粒子dのラテックスの合成)引き続き、内
温を70℃に保ち、2%SPS水溶液40gを添加し、
10分間かけて分散後、下記組成からなる単量体混合液
400.0g、1%SSS水溶液120g、1%SHC
水溶液40gからなる単量体乳化液を60分間かけて連
続添加した。 単量体混合液組成 MMA 358.0g EA 40.0g BGA 2.0g 単量体乳化液添加後、さらに80℃で60分間熟成を行
い、冷却後、300メッシュの金網で濾過することによ
り多相重合体粒子dのラテックスを得た。 (多相重合体粒子凝集体Fの合成)還流冷却器を備えた
2リットル容量の容器内に1.0%PVA水溶液811
gを仕込み、300rpmで撹拌しながら内温を80℃
に昇温した。多相重合体粒子dのラテックス1000g
を10分間かけて添加し、さらに80℃で180分間撹
拌を行い、多相重合体粒子凝集体Fのスラリー液を得
た。このスラリー液を冷却後、遠心機を用いて脱水、洗
浄を行った後、40℃で一昼夜送風乾燥を行うことによ
り多相重合体粒子凝集体Fを得た。
【0015】実施例7 多相重合体粒子凝集体Gの合成 (重合体粒子eのラテックスの合成)還流冷却器を備え
た5リットル容量の重合容器内に10%SSS水溶液5
7.6g、1%SHC水溶液144gおよびDIW 1
152gを仕込み、窒素気流下、撹拌しながら内温を7
0℃に昇温した。EA 96gを添加し、10分間かけ
て分散後、2%SPS水溶液96gを添加し、30分間
重合を行ってシードラテックスを調製した。内温を80
℃に昇温後、2%SPS水溶液160gを添加し、10
分間かけて分散後、下記組成からなる単量体混合液15
04.0g、1%SSS水溶液480g、1%SHC水
溶液80gからなる単量体乳化液を240分間かけて連
続添加した。 単量体混合液組成 BA 1117.5g St 376.0g BGA 3.0g AlMA 7.5g 単量体乳化液添加後、続けて90℃で60分間熟成を行
い、重合体粒子のラテックスeを得た。 (多相重合体粒子fのラテックスの合成)引き続き、内
温を70℃に下げ、2%SPS水溶液40gを添加し、
10分間かけて分散後、下記組成からなる単量体混合液
400.0g、1%SSS水溶液160g、1%SHC
水溶液40gからなる単量体乳化液を90分間かけて連
続添加した。 単量体混合液組成 MMA 358.0g EA 40.0g BGA 2.0g 単量体乳化液添加後、さらに80℃で60分間熟成を行
い、冷却後、300メッシュの金網で濾過することによ
り多層重合体粒子dのラテックスを得た。 (多相重合体粒子fの凝集体の合成)還流冷却器を備え
た2リットル容量の容器内に1.5%PVA水溶液81
1gを仕込み、300rpmで撹拌しながら内温を80
℃に昇温した。多相重合体粒子fのラテックス1000
gを10分間かけて添加し、さらに80℃で180分間
撹拌を行い、多相重合体粒子凝集体Gのスラリー液を得
た。このスラリー液を冷却後、遠心機を用いて脱水、洗
浄を行った後、40℃で一昼夜送風乾燥を行うことによ
り多相重合体粒子凝集体Gを得た。
【0016】実施例8 多相重合体粒子凝集体Hの合成 (多相重合体粒子gのラテックスの合成)還流冷却器を
備えた5リットル容量の重合容器内にSBRラテックス
(クロスレンSK−72、武田薬品工業(株)製、固形
分量51.4%)3233.7gを仕込み、窒素気流
下、撹拌しながら内温を70℃に昇温した。2%SPS
水溶液50gを添加し、10分間かけて分散後、下記組
成からなる単量体混合物400.0gおよび1%SSS
水溶液200g、1%SHC水溶液50gからなる単量
体乳化液を60分間かけて連続添加した。 単量体混合液の組成 MMA 358.0g EA 40.0g BGA 2.0g 単量体乳化液添加後、さらに80℃で60分間熟成を行
い、冷却後、300メッシュの金網で濾過することによ
り多層重合体粒子gのラテックスを得た。 (多相重合体粒子凝集体Hの合成)還流冷却器を備えた
2リットル容量の容器内に多相重合体粒子gのラテック
ス750gを仕込み、室温で撹拌を行った。トルエン3
4.3gを撹拌下、室温で30分間かけて連続添加し
た。引き続き、1.5%塩化カルシウム水溶液1143
gを1時間かけて連続添加し、さらに30分間撹拌して
凝集を行った。このスラリー液を遠心機を用いて脱水、
洗浄を行なった後、40℃で一昼夜送風乾燥を行なうこ
とにより多相重合体粒子の凝集体Hを得た。
【0017】比較例1 多相重合体Iの合成 還流冷却器を備えた5リットル容量の重合容器内に実施
例1で合成した重合体粒子aのラテックス3834gを
仕込み、窒素気流下、撹拌を行いながら内温を70℃に
昇温した。2%SPS水溶液40gを添加し、10分間
撹拌後、下記組成からなる単量体混合液400.0g、
10%SSS水溶液40g、1%SHC水溶液40gか
らなる単量体乳化液を60分間かけて連続フィードし、
シェル形成のためのシード重合を行った。 単量体混合液の組成 MMA 359.0g EA 40.0g BGA 1.0g 単量体乳化液添加後、さらに70℃で90分間かけて熟
成を行い、次いで冷却後、300メッシュの金網で濾過
し、コアシェル重合体ラテックスを得た。このラテック
スを−30℃にて凍結させ、溶解後、遠心機を用いて、
脱水、洗浄を行った後、40℃にて一昼夜送風乾燥を行
い、コアシェル型の多相重合体Iを得た。 比較例2 重合体Jの合成 実施例6の重合体粒子cの合成において単量体混合液の
組成を以下のように変更した以外は同様の方法により重
合を行い、重合体粒子hのラテックスを得た。 単量体混合液組成 BA 1508.8g MMA 360.0g EA 40.0g BGA 3.2g AlMA 8.0g 得られた重合体粒子hのラテックスを用い、実施例6の
多相重合体粒子dの凝集体の合成と同様の方法により凝
集を行ったが、乾燥を行うと非常に粘着性のある大きな
塊になった。
【0018】比較例3 重合体Kの合成 実施例6の重合体粒子cの合成において単量体混合液の
組成を以下のように変更した以外は同様の方法により重
合を行い、重合体粒子iのラテックスを得た。 単量体混合液組成 BA 400.0g MMA 1508.8g BGA 3.2g AlMA 8.0g 得られた重合体粒子iのラテックスを用い、実施例6の
多相重合体粒子dの凝集体の合成と同様の方法により凝
集を行い、重合体粒子凝集体Kを得た。参考までに単量
体組成の一覧表を〔表1〕に示す。
【表1】
【0019】試験例1 多相重合体粒子凝集体の吸油量
の測定 実施例1〜8および比較例1〜3により得られた各種多
相重合体および多相重合体粒子凝集体A〜Kを用い、ト
ルエン、1,1,2−トリクロロエチレン、大豆油の吸
油量の測定を行った。 (測定方法)多相重合体凝集体それぞれ1gを40メッ
シュの布製の袋に計り取り、室温にて100gの油に3
0分間浸漬後、試料に保持されない油を十分に流下させ
た後、膨潤試料の重量を測定し、吸油倍率を求めた。結
果を〔表2〕に示す。
【表2】 実施例A〜Hの多相重合体凝集体はトルエン、1,1,
2−トリクロロエチレンに対し高い吸油性能を示した。
一方、比較例1および3の多相重合体IおよびKは、実
施例に比べ、吸油量が著しく低下した。 試験例2 水中溶存溶媒の除去速度の測定 多相重合体粒子凝集体Aを吸油剤とし、水中に溶存した
1,1,2−トリクロロエチレンの除去速度の測定を行
った。 (測定方法)多相重合体粒子凝集体Aを40℃で一昼夜
乾燥後、図2に示す測定装置の撹拌羽根中の試料室に
0.5g計り取り、DIW中で30分間煮沸処理を行っ
た。その後、羽根を装置にセットし、700rpmで撹
拌しながら、1,1,2−トリクロロエチレン水溶液を
初期濃度が630ppmおよび380ppmとなるよう
に添加した。添加開始時刻を測定開始時刻とし、所定時
間に1回10mlづつサンプリングを行い、230nm
の吸光度測定により水中に残存するトリクロロエチレン
の濃度を求めた。測定結果を図3に示す。多相重合体粒
子凝集体Aは急激に1,1,2−トリクロロエチレンを
吸収し、5分以内には、1,1,2−トリクロロエチレ
ンの濃度は初期濃度の半分近くになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】多相重合体粒子凝集体Bの電子顕微鏡写真(別
途、参考写真を添付している。)
【図2】水中溶存溶媒の除去速度測定装置略図
【図3】トリクロロエチレンの残留濃度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/00 V 3/32 M V

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体粒子の存在下にガラス転移温度40
    ℃以上の重合体を形成する単量体を水系重合することを
    特徴とする空隙を有する多相重合体粒子の凝集体。
  2. 【請求項2】重合体粒子が乳化重合で製造された重合体
    粒子である請求項1記載の凝集体。
  3. 【請求項3】重合体粒子のガラス転移温度が0℃以下で
    ある請求項1記載の凝集体。
  4. 【請求項4】重合体粒子がコアシェル重合体である請求
    項1記載の凝集体。
  5. 【請求項5】コアシェル重合体のコアのガラス転移温度
    が0℃以下でありシェルのガラス転移温度が40℃以上
    である請求項4記載の凝集体。
  6. 【請求項6】重合体粒子の重量平均粒子径が0.05〜
    1μmである請求項1記載の凝集体。
  7. 【請求項7】重合体粒子50〜95重量部の存在下にガ
    ラス転移温度40℃以上の重合体を形成する単量体50
    〜5重量部を水系重合することを特徴とする請求項1記
    載の凝集体。
  8. 【請求項8】請求項1記載の凝集体を含んでなる吸油
    材。
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