JPH07309802A - グリコール酸の製造方法 - Google Patents

グリコール酸の製造方法

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JPH07309802A
JPH07309802A JP10643494A JP10643494A JPH07309802A JP H07309802 A JPH07309802 A JP H07309802A JP 10643494 A JP10643494 A JP 10643494A JP 10643494 A JP10643494 A JP 10643494A JP H07309802 A JPH07309802 A JP H07309802A
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JP
Japan
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glycolic acid
glyoxal
aqueous solution
reaction
catalyst
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JP10643494A
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English (en)
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Takuya Saeki
卓哉 佐伯
Yoshihiro Yamamoto
喜博 山本
Kenji Ito
健司 伊藤
Usaji Takagi
夘三治 高木
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 グリオキザールを出発物質として、簡便な方
法で遊離のグリコール酸を直接製造する方法を提供す
る。 【構成】 グリオキザールの水溶液を、実質的に無触媒
で、50℃以上に加熱することを特徴とするグリコール
酸の製造方法。 【効果】 容易にしかも高収率で遊離のグリコール酸を
製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グリオキザールの水溶
液からグリコール酸を製造する方法に関するものであ
る。グリコール酸は、工業用洗浄剤やポリグリコール酸
の原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】グリコール酸の製造法としては、ホルム
アルデヒドを一酸化炭素と水でカルボニル化する方法が
公知である(米国特許第2153064号、同2152
852号、特公昭51−28615号公報他多数)。こ
のカルボニル化反応は、触媒の存在下に、高温、高圧条
件下で反応させる方法であって、反応条件が過酷で、製
造装置も高価である等の問題点がある。
【0003】一方、エチレングリコールまたはアセトア
ルデヒドの酸化によって容易に得られるグリオキザール
を水酸化ナトリウム等の強アルカリと反応させる、いわ
ゆるカニッツァロ反応により、グリコール酸アルカリ金
属塩を合成し、これに酸を加えてグリコール酸を得る方
法も公知である(Homolka, Chem. Ber., 54, 1395(192
1), Salomaa, Acta Chem. Scand., 10, 311(1956).
他)。しかし、この方法には強アルカリを当量以上に使
用する必要があること、また反応生成物はグリコール酸
のアルカリ金属塩であり、これから遊離のグリコール酸
を得るためには、当量以上の酸を使用する必要があるこ
と、さらに、これら遊離のグリコール酸を得る工程やそ
の後の精製工程など非常に煩雑な工程を要し、製造コス
トが増大すること等の大きな欠点がある。
【0004】また、特開昭61−277649号の第2
頁第1欄9行〜14行には、「グリオキザールの分子内
酸化還元によりグリコール酸を製造するに際し、アルミ
ニウム、ガリウム、インジウム、錫、チタン、ジルコニ
ウム、ニオブ、バナジウム、クロムから成る群から選ば
れた元素の塩類を触媒として反応させるところに特徴が
ある。」と記載されている。しかし、この方法では触媒
として用いた金属塩の成分が反応生成液中に混入してし
まうので、これを除去する必要がある。反応生成液から
金属塩成分を除去する精製工程は、工業的製法としては
複雑でかつ困難であり、この方法の大きな欠点となって
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、グリ
オキザールを出発物質として、簡便な方法で遊離のグリ
コール酸を直接製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、グリオキ
ザールを出発物質として、簡便な方法で遊離のグリコー
ル酸を直接製造する方法を鋭意研究した結果、非常に驚
くべきことに、グリオキザールの水溶液を、触媒となり
得る成分を何ら添加することなしに加熱反応させること
により、容易にしかも高収率で遊離のグリコール酸を得
る方法を見いだし、本発明を完成するに至った。本発明
の方法は、従来必要であったアルカリ、酸、もしくは金
属塩触媒などの何れをも全く添加する必要がないこと、
グリコール酸の収率が非常に高いこと、さらに触媒の分
離という極めて煩雑な工程を必要とせず容易に高純度の
グリコール酸水溶液が得られることなど、非常に優れた
特徴を有している。
【0007】即ち本発明は、グリオキザールの水溶液
を、実質的に無触媒で、50℃以上に加熱することを特
徴とするグリコール酸の製造方法である。以下、本発明
を詳しく説明する。
【0008】本発明の方法においては、グリオキザール
の水溶液を、実質的に無触媒で加熱反応させることによ
り、遊離のグリコール酸を製造することができる。ここ
で言う「実質的に無触媒」の状態とは、原料となるグリ
オキザールの水溶液に、触媒となり得る成分を何ら別途
に添加しないことを意味する。本発明の方法において
は、グリオキザールの水溶液を原料として用いる。グリ
オキザールは、水溶液中で二分子水和した1,1,2,2-テト
ラヒドロキシエタンを形成することが良く知られている
(例えば、Kirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Te
chnology, Vol.7, 246(1952). )。
【0009】本発明におけるグリオキザールの水に対す
る濃度は、85重量%以下、好ましくは5ないし60重
量%、より好ましくは10ないし40重量%の範囲であ
る。濃度が高くなると重合等の副反応が起こり易くなる
ので好ましくない。加熱する温度は50℃以上、、好ま
しくは80ないし250℃、より好ましくは100ない
し200℃で行われる。加熱する際の圧力は、水を液相
に保つのに十分な圧力であり、減圧、常圧、加圧の何れ
でも実施することができ、特に制限はないが、通常0.
1〜230kg/cm2(絶対圧力)である。加熱する時間
は、加熱する温度やグリオキザール濃度等の条件により
変化するので一様ではないが、通常数分から24時間の
範囲である。
【0010】本発明は、反応に必須である水を溶媒とし
て行うことができるが、必要であればさらに溶媒を共存
させて行うこともできる。用いられる溶媒としては、グ
リオキザールおよびグリコール酸と反応しないものであ
れば良く、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化
水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、フルオロベン
ゼン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエ
チルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル、ジブチル
エーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類、アセトン、ジエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、アセトニト
リル、プロピオニトリル等のニトリル類、ニトロメタ
ン、ニトロベンゼン、ニトロトルエン等のニトロ化合物
類などを例示することができる。また、用いる溶媒によ
って、二層以上の多層系で反応を行うこともできる。
【0011】本発明の方法は、バッチ式または連続式の
何れでも実施することができる。反応で生成したグリコ
ール酸は、そのままでもグリコール酸水溶液として利用
できるが、必要に応じて濃縮、精製などの通常の操作を
経てグリコール酸水溶液として取り出すことができる。
また必要であれば、濃縮後、通常の結晶化操作によっ
て、結晶として取り出すこともできる。
【0012】
【実施例】以下、実施例を示して本発明の方法を更に詳
しく説明するが、本発明は以下の実施例のみに制限され
るものではない。 実施例1 攪拌装置付きのオートクレーブに、グリオキザールを1
5重量%含有する水溶液20gを入れ、窒素ガスで置換
した後、攪拌しながら180℃で3時間加熱し反応させ
た。反応後オートクレーブを冷却して反応液を取り出
し、高速液体クロマトグラフィーにより生成物を分析し
たところ、グリコール酸が93%の収率で得られた。
【0013】実施例2 攪拌装置付きのオートクレーブに、グリオキザールを4
0重量%含有する水溶液20gを入れ、窒素ガスで置換
した後、攪拌しながら150℃で6時間加熱し反応させ
た。反応後オートクレーブを冷却して反応液を取り出
し、高速液体クロマトグラフィーにより生成物を分析し
たところ、グリコール酸が89%の収率で得られた。
【0014】比較例1 温度を25℃とし、時間を24時間とした以外は実施例
2と同一の条件で反応を行った。反応液を分析したが、
グリコール酸は検出限界以下であった。
【0015】
【発明の効果】本発明の方法により、グリオキザールか
ら非常に簡便な方法で、高収率で遊離のグリコール酸を
製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 夘三治 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリオキザールの水溶液を、実質的に無
    触媒で、50℃以上に加熱することを特徴とするグリコ
    ール酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 加熱する温度が、100ないし200℃
    である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 グリオキザールの水溶液が、85重量%
    以下の濃度である請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 グリオキザールの水溶液が、5ないし6
    0重量%の濃度である請求項1または2記載の方法。
JP10643494A 1994-05-20 1994-05-20 グリコール酸の製造方法 Pending JPH07309802A (ja)

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Effective date: 20040601