JPH07309605A

JPH07309605A - オゾン発生器

Info

Publication number: JPH07309605A
Application number: JP34035493A
Authority: JP
Inventors: Toshiya Watabe; 俊也渡部
Original assignee: Toto Ltd
Current assignee: Toto Ltd
Priority date: 1993-12-09
Filing date: 1993-12-09
Publication date: 1995-11-28
Anticipated expiration: 2013-01-19
Also published as: JP2699143B2

Abstract

(57)【要約】【目的】コロナ放電域における耐食性に優れ、脱臭器
用オゾナイザーとして好適なオゾン発生器を提供する。【構成】本発明のオゾン発生器Ｈは、誘電体基板Ｈ１
と、この表面に設けられた面状放電極Ｈ２と、これに対
向するように誘電体基板Ｈ１内に相互間隔を開けて埋設
された面状内部電極Ｈ４、５と、これらの内部電極Ｈ
４、５と接続されており、誘電体基板Ｈ１の裏面まで導
出されている一対の導線と、この導線に接続された高周
波高圧電源Ｈ３と、を具備する。一対の内部電極Ｈ４、
Ｈ５間に、放電極Ｈ２を含む電界を形成して、放電極Ｈ
２と誘電体基板Ｈ１間に電位差を生ぜしめることによ
り、両者間にコロナ放電ｃ域を形成し、このコロナ放電
域を通過する空気中の酸素をオゾンに変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コロナ放電を利用した
オゾン発生器に関する。特には、コロナ放電域における
耐食性に優れ、脱臭器用オゾナイザーとして好適なオゾ
ン発生器に関する。

【０００２】従来より、セラミックス等の誘電体基板を
介する一対の電極間に、高周波高電圧を印可するコロナ
放電器が知られている（例えば、特開昭６１−２３１５
７３「コロナ放電器」）。また、このようなコロナ放電
器を用いたオゾン発生器も知られている。このコロナ放
電気Ｐは、図５の概略断面図に示されるように、セラミ
ック等からなる誘電体基板Ｐ１と、該誘電対基板Ｐ１表
面に設けられた電極Ｐ２と、該電極Ｐ２に対向するよう
前記誘電体基板Ｐ１に埋設された電極Ｐ３とから構成さ
れる。そして、電極Ｐ２、Ｐ３間に、高周波高電圧源Ｐ
４を用いて高周波高電圧を印加することにより、電極Ｐ
２近傍にコロナ放電ｃを得る。このようなコロナ発生器
を用いたオゾン発生器においては、コロナ放電域を通過
する空気中の酸素の一部をオゾンに変化させる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来のコ
ロナ放電器Ｐ及びそれを用いたオゾン発生器には、以下
のような問題点があった。（１）電極Ｐ２近傍にはコロナ放電ｃにともないオゾン
が発生するが、このオゾンにより、電源Ｐ４からのリー
ド線と電極Ｐ２との接触部分が腐食し、接続不良となる
おそれがある。（２）誘電体基板Ｐ１内に埋設される電極Ｐ３は図示さ
れないスルーホールを用いて、電源Ｐ４からのリード線
と結線する必要があるが、このスルーホール内で放電を
生じるなどにより劣化する。

【０００４】本発明は、コロナ放電域における耐食性に
優れ、脱臭器用オゾナイザーとして好適なオゾン発生器
を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題が解決するための手段】本発明のオゾン発生器
は、誘電体基板と、この誘電体基板の表面に設けられた
面状放電極と、この放電極に対向するように誘電体基板
内に相互間隔を開けて埋設された面状内部電極と、これ
らの内部電極と接続されており、誘電体基板の裏面まで
導出されている一対の導線と、この導線に接続された高
周波高圧電源と、を具備し；一対の内部電極間に放電極
を含む電界を形成して放電極と誘電体基板間に電位差を
生ぜしめることにより放電極と誘電体基板間にコロナ放
電域を形成し、このコロナ放電域を通過する空気中の酸
素をオゾンに変化させることを特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明のオゾン発生器の動作原理について
は、まだ十分解明されていないが、下記の通りである推
定される。誘電体基板Ｈ１中の一対の電極Ｈ４、Ｈ５に
高周波高電圧を印加すると、これらの電極Ｈ４、Ｈ５間
に電界が生じる。この電界中に導体あるいは半導体であ
る放電極Ｈ２をおくと、電界は放電極Ｈ２に集中し、こ
の放電極Ｈ２と誘電体基板Ｈ１との間には大きな電位差
を生じる。この電位差によって、放電極Ｈ２にはコロナ
放電ｃが生じる。このコロナ放電の領域を通過する空気
中の酸素の一部は、コロナ放電によってオゾンとなる。

【０００７】本発明の実施例を説明する。図２は本実施
例のオゾン発生器に用いられるコロナ放電器１の構成を
示す部分破断図である。なお、図においては、説明を容
易とするために、任意の縮尺としている。コロナ放電器
１は、セラミック製の誘電体基板２と、該誘電体基板２
上に設けられた面状の金属製電極（放電極）３と、前記
誘電体基板２内に埋設された一対の板状電極（内部電
極）４、５とを有する。この板状電極４、５は、各々ス
ルーホール中を誘電体基板の裏面まで導出されている導
線を介して、図示されない高周波高圧電源に接続され
る。

【０００８】本コロナ放電器１は、例えば、以下の方法
で製造される。（１）誘電体基板２の下部となるグリ−シート上に板
状電極４、５となるパターンをスクリーン印刷等によっ
て形成する。（２）このパターン上に誘電体基板２の上部となるグ
リーンシートを載置する。（３）このグリーンシート上に放電極３となるパター
ンをスクリーン印刷等によって形成する。（４）この成形体を焼成する。

【０００９】このようにして、製造された本コロナ放電
器１の板状電極４、５間に、１ＫＨｚ、５ｋｖの高周波
高電圧を印加してコロナ放電域を形成したところ、同域
を通過する空気中（空気流路中）に５ｐｐｍのオゾンが
安定的に得られた。

【００１０】本コロナ放電器１は、放電極３に高周波高
電圧を印加する必要が無く、また接地する必要も無いの
で、構成が容易になる。また、放電極３にリード線を接
続する必要がないため、端子の腐食等の問題が無い。そ
して、一対の内部電極Ｈ４、Ｈ５の相互間隔の中心線を
中心として電気的にみて対称な構造であるため、電気分
解の問題がなく耐久性を高めることが容易である。

【００１１】なお、コロナ放電器１の誘電体基板２に埋
設される一対の板状電極４、５のパターンは、種々の形
状とすることができ、例えば、図３（Ａ）〜（Ｄ）のパ
ターンをあげることができる。また、板状電極間に電圧
を印加して、電界を形成することができればよく、例え
ば、図３（Ｄ）のように、４枚の電極パターンから構成
することもできる。

【００１２】また、コロナ放電器１の誘電体基板２上に
設けられる放電極３のパターンにおいても、種々の形状
とすることができ、例えば、図４（Ａ）〜（Ｄ）のパタ
ーンをあげることができる。図４（Ａ）〜図４（Ｃ）
は、スクリーン印刷によって形成された１枚あるいは複
数枚の電極パターンから構成される放電極３である。

【００１３】また、図４（Ｄ）は、金網からなる放電極
３である。そして、図示しないが、多孔質状等の放電極
３も使用することができる。金網等のように、交換が可
能な形状のものを放電極３として使用すれば、使用によ
って劣化した放電極３のみを交換することも容易であ
る。

【００１４】さらに、本実施例では、放電極３として、
金属を使用しているが、金属以外の材料を使用すること
も可能であり、例えば半導体等も使用可能である。放電
極３の体積抵抗以外は本実施例と同様のコロナ放電器を
作成し、実験したところ、体積抵抗がおおよそ１０¹³Ω
・ｃｍ以下であれば、十分なコロナ放電が発生すること
が確認された。

【００１５】本コロナ放電器１において使用される誘電
体基板２の材質はセラミック以外に、通常コロナ放電器
に誘電体として使用されるものであれば特に限定されな
い。例えば、セラミックの他に合成樹脂、ガラス等を使
用できる。

【００１６】本発明のオゾン発生器を用いる脱臭器にお
いては、上述のコロナ放電器の放電極側表面を含む悪臭
空気流路を形成し、ここに流れる悪臭空気にオゾンを供
給して悪臭成分（アンモニア、硫化水素、メチルチルカ
プタン等）を酸化分解する。悪臭空気流路のオゾン発生
器下流には、余剰オゾンや悪臭成分の分解触媒（ハニカ
ム形状等）を設けることが好ましい。

【００１７】このような脱臭器をトイレ脱臭用に用いる
場合には、特に、本発明のオゾン発生器の高耐食性とい
う特徴が生かされる。というのは、塩素系洗剤を用いて
便器を掃除する際に、塩素系ガスが脱臭器に送られ、脱
臭器内の水滴と結合して塩酸を生成し、この塩酸が放電
極Ｈ２に付着することとなる。このとき、放電極Ｈ２の
周辺には、導線、接続端子、リード線等の腐食・断線ト
ラブルの起きやすい部分が存在しないため、脱臭器が故
障するおそれがない。

【００１８】また、コロナ放電器を用いたオゾン発生器
においては、コロナ放電器にヒータを設けることが行わ
れるが、本実施例のオゾン発生器のコロナ放電器１にお
いても、ヒータを適時設けることができる。ヒータは、
発熱体パターンとして誘電体基板２内に、板状電極４、
５とともに形成したり、あるいは、放電極３に通電可能
として、放電極３をヒータとして用いることができる。

【００１９】図６は、本発明の他の一実施例に係るオゾ
ン発生器のコロナ放電器部を示す平面図である。コロナ
放電器１１は、誘電体基板１４上（内）に形成されてい
る。すなわち、１２及び１３は誘電体基板１４内に埋設
された一対の面状内部電極であり、１５は誘電体基板１
４表面に、一対の面状内部電極１２、１３上に掛け渡さ
れるように形成された面状放電極であり、１６は面状放
電極１５を覆うように形成された保護層である。このよ
うに、さまざまな電極構造及び形状が可能である。

【００２０】

【発明の効果】以上のように、本発明のコロナ放電器を
用いたオゾン発生器は、放電極に高周波高電圧を印加す
る必要が無く、また接地する必要も無いので、構成が容
易になる。また、放電極にリード線を接続する必要が無
いため、端子の腐食等の問題が無い。この利点は、特
に、本発明のオゾン発生器をトイレ脱臭等用の脱臭用オ
ゾナイザーとして用いる場合に顕著である。

【００２１】さらに、放電極のみを交換することも、ま
た、高周波高圧電源の結線に手を加えることなく、異な
る寸法・形状の放電極に取替えることも容易にできる。
そして、電気的にみて対称な構造とすることもできるた
め、電気分解の問題がなく耐久性を高めることが容易で
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の構成を例示する断面模式図である。

【図２】本発明の一実施例に係るオゾン発生器の電極構
造を示す部分破断斜視図である。

【図３】本発明の一実施例に係るオゾン発生器の電極の
パターンの説明図である。

【図４】本発明の一実施例に係るオゾン発生器の放電極
のパターンの説明図である。

【図５】従来のオゾン発生器のコロナ放電極を説明する
断面模式図である。

【図６】本発明の他の一実施例に係るオゾン発生器のコ
ロナ放電器部を示す平面図である。

【符号の説明】

１、Ｈ、Ｐ・・・コロナ放電器２、Ｈ１、Ｐ１・・・誘電体基板３、Ｈ２、Ｐ２・・・放電極４、５、Ｈ４、Ｈ５、Ｐ３・・・電極Ｈ３、Ｐ４・・・高周波高電圧電源ｃ・・・コロナ放電１１コロナ放電器１２面状内部電極１３面状内部電極１４誘電体基板１５面状放電極１６保護層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】誘電体基板と、この誘電体基板の表面に設けられた面状放電極と、この
放電極に対向するように誘電体基板内に相互間隔を開け
て埋設された面状内部電極と、これらの内部電極と接続されており、誘電体基板の裏面
まで導出されている一対の導線と、この導線に接続された高周波高圧電源と、を具備し；一
対の内部電極間に放電極を含む電界を形成して、放電極
と誘電体基板間に電位差を生ぜしめることにより放電極
と誘電体基板間にコロナ放電域を形成し、このコロナ放
電域を通過する空気中の酸素をオゾンに変化させること
を特徴とするオゾン発生器。
【請求項２】上部一対の内部電極の相互間隔の中心線
を中心として電気的に左右対称である請求項１のオゾン
発生器。
【請求項３】上記放電極の体積抵抗が１０¹³Ω・ｃｍ
以下である請求項１又は２記載のオゾン発生器。
【請求項４】上記誘電体基板内に発熱体パターンが形
成されている請求項１〜３いずれか１項記載のオゾン発
生器。
【請求項５】上記放電極が通電可能なヒータとして用
いられる請求項１〜４いずれか１項記載のオゾン発生
器。