JPH07309250A - 適応トルク・フィルタを用いた電気アシスト・ステアリング・システムの制御方法及び装置 - Google Patents

適応トルク・フィルタを用いた電気アシスト・ステアリング・システムの制御方法及び装置

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JPH07309250A
JPH07309250A JP7113201A JP11320195A JPH07309250A JP H07309250 A JPH07309250 A JP H07309250A JP 7113201 A JP7113201 A JP 7113201A JP 11320195 A JP11320195 A JP 11320195A JP H07309250 A JPH07309250 A JP H07309250A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 システム帯域幅が、車両速度及び入力トルク
と独立になるように電気アシスト・ステアリング・シス
テムを制御する。 【構成】 ステアリング・アシスト・システム(10)
は、感知した車両速度を示す値を有する速度信号を与え
る速度センサ(56)と、ハンド・ホイール(12)に
動作的に接続されていて印加されたステアリング・トル
クを示すトルク信号を与えるトルク・センサ(44)
と、を含む。これらの速度センサ(56)とトルク・セ
ンサ(44)とに接続されているコントローラは、適応
トルク・フィルタ(80)を含み、選択可能なシステム
帯域幅を、ゲインの変化と車両速度の変化とから独立に
維持する。この適応フィルタ(80)は、フィルタの極
の周波数を増加させることによって、任意のゲイン減少
を回復する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気アシスト・ステア
リング・システムに関し、更に詳しくは、電気アシスト
・ステアリング・システムを制御してステアリング感覚
を改善する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気アシスト・ステアリング・システム
は、この技術では周知である。ラック及びピニオンギア
の組を用いる電気パワー・アシスト・ステアリング・シ
ステムは、電気モータを使って、(i)ピニオンギアに
接続されたステアリング・シャフトに回転力を印加する
か、又は、(ii)その上にラックの歯を有するステアリ
ング部材に線形の力を印加するか、のどちらかによっ
て、パワー・アシストを提供する。このようなシステム
における電気モータは、典型的には、(i)運転者が車
両のステアリング・ホイール(ハンドル)に加えるトル
クと、(ii)感知された車両速度と、に応答して制御さ
れる。
【0003】米国特許第3983953号では、電気モ
ータは入力ステアリング・シャフトに結合され、車両の
操作者によってステアリング・ホイールに印加されるト
ルクに応答して付勢される。このステアリング・システ
ムは、トルク・センサと車両速度センサとを含む。コン
ピュータが、トルク及び車両速度の両方のセンサからの
出力信号を受け取る。このコンピュータは、印加された
ステアリング・トルクと感知された車両速度との両方に
依存して、モータによって与えられるステアリング・ア
シストの量を制御する。
【0004】TRW社に譲渡されている、Drutch
asへの米国特許第4415054号(米国再発行特許
32222号)は、「Hブリッジ」構成を介して駆動さ
れる直流型の電気アシスト・モータを利用する。このア
シスト・モータは、ステアリング部材を包囲する回転可
能な電機子を含む。このステアリング部材は、ネジ切り
された旋回(コンボリューション)を有する第1の部分
と、直線状に切られたラック歯を有する第2の部分とか
ら成る。電気アシスト・モータの電機子の回転により、
ステアリング部材のネジ切りされた旋回部分に駆動可能
に接続されたボールナットを介して、ステアリング部材
の線形運動を生じさせる。トルク感知装置が、ステアリ
ング・コラムに結合され、ステアリング・ホイールに運
転者が印加したトルクを感知する。このトルク感知装置
は、磁気的ホール効果センサを用いて、トーションバー
の両端の入力及び出力シャフトの間の相対的な回転を感
知する。電子的制御ユニット(ECU)が、このトルク
感知装置からの信号をモニタし、それに応答して電気ア
シスト・モータを制御する。車両速度センサが、ECU
に、車両速度を示す信号を提供する。ECUは、感知さ
れた車両速度と感知された印加ステアリング・トルクと
の両方に応答して、電気アシスト・モータを流れる電流
を制御する。ECUは、車両速度が増加するにつれて、
ステアリング・アシストを減少させる。これが、この技
術において、通常、速度比例ステアリングと称されるも
のである。
【0005】米国特許第4660671号は、Drut
chas型のステアリング・ギアに基づく電気制御され
たステアリング・システムを開示している。この671
特許の構成では、直流モータは、ボールナットから軸的
に離間しており(axially spaced)、接
続チューブを介してそれに動作的に接続されている。電
子制御は、ステアリング・システムの動作をモニタする
複数の診断機能を含む。電気ステアリング・システムの
動作においてエラーが検出された場合には、パワー・ア
シスト・システムが消勢され、ステアリングは、非アシ
スト・モードに戻る。
【0006】TRW Cam Gears Limit
edに譲渡されている、Northへの米国特許第47
94997号は、ボールナットを介してラックに動作的
に接続されている電気モータを有する電気アシスト・ス
テアリング・システムを開示している。車両速度センサ
と印加されたステアリング・トルク・センサとが、EC
Uに動作的に接続されている。ECUは、印加されたス
テアリング・トルクと感知された車両速度との両方の関
数として、モータを流れる電流を制御する。電流は、モ
ータに印加されるパルス幅変調(PWM)された信号を
制御することによって制御される。PWMが増加するに
つれて、パワー・アシストが増加する。ECUすなわち
コンピュータは、トルクアウト値とも称されるステアリ
ング・アシスト値(PWM値)を、トルクイン値とも称
される印加されたステアリング・トルクの関数として、
複数の所定の離散的な車両速度値に対して提供する離散
的な制御曲線によって予めプログラムされている。各車
両速度の値は、関連するトルクイン対トルクアウト制御
曲線として与えられる。
【0007】Miller他への米国特許第52578
28号は、ヨー速度制御を有する電気アシスト・ステア
リング・システムを開示している。このシステムは、可
変リラクタンス・モータを用い、ステアリング・アシス
トをラック部材に印加する。トルク要求信号は、ステア
リング速度フィードバックの関数として修正される。
【0008】既知の電気アシスト・ステアリング・シス
テムは、システム帯域幅として知られている、車両速度
の関数として変動する動的な動作特性を有する。車両操
作者がステアリング・トルクを印加してステアリング・
ホイールを、左右に、たとえば、左右左と回転させる
と、電気アシスト・モータが付勢され、ステアリング入
力に対応するステアリング・アシストを提供する。ステ
アリング・システムがステアリング・ホイールの左右の
移動の特定の周波数にいかに応答するかが、このシステ
ムの動的な性能を示す。
【0009】電気アシスト・モータにおける局部的変化
量を運転者が印加するステアリング・トルクの局部的変
化量で割ったものが、ステアリング・システムのゲイン
である。ステアリング・トルクがステアリング・ホイー
ルに印加された時刻からアシスト・モータが応答する時
刻までには、時間的な遅延が発生する。この時間的な遅
延は、入力コマンドが印加される周波数の関数である。
これは、システム応答時間と称される。システム・ゲイ
ンは、短いシステム応答を有しながらも依然として全体
的なシステム安定性を維持するように所定の値に設定さ
れる。システム応答時間とシステム・ゲインとが、シス
テム帯域幅を決定する。
【0010】既知のステアリング・システムにおける帯
域幅は、車両速度の関数として変動する。動的なステア
リング周波数、又は、過渡的な応答の「周波数」が特定
の車両速度においてシステム帯域幅を超える場合には、
ステアリング感覚は、「鈍い」(ステアリング・ホイー
ルの方向が変わった時に「躊躇」として感じられる)よ
うになるが、これは、ステアリング・アシスト・モータ
が十分に迅速に応答できないからである。典型的には、
ステアリング・システム・ゲインとシステム帯域幅と
は、車両速度が増加するにつれて減少するが、そのため
に、システムの躊躇あるいは鈍さは車両速度が増加する
につれて更に目立つようになる。
【0011】
【発明の概要】本発明は、電気アシスト・ステアリング
・システムを制御し、システム帯域幅を車両速度及び入
力トルクから影響を受けないようにする方法及び装置に
関する。
【0012】本発明によれば、ステアリング・アシスト
・システムを制御する装置が提供される。このステアリ
ング・アシスト・システムは、ステアリング制御信号に
応答してアシストを提供する。この装置は、車両のハン
ド・ホイールに動作的に接続されており印加されたステ
アリング・トルクを示すトルク信号を提供するトルク感
知手段を備えている。ステアリング・アシスト手段が、
制御信号に応答してステアリング・アシストを提供す
る。この装置は、更に、前記トルク感知手段に動作的に
接続され前記トルク信号に応答して前記制御信号を前記
ステアリング・アシスト手段に提供する制御手段を備え
る。この制御手段は、前記トルク信号をフィルタしてシ
ステムの動作中は選択可能なシステム帯域幅を維持する
トルク・フィルタ手段を含む。
【0013】本発明の別の特徴によれば、ステアリング
制御信号に応答してステアリング・アシストを提供する
ステアリング・アシスト・システムを制御する方法が提
供される。この方法は、印加されたステアリング・トル
クを測定するステップを含む。この方法は、更に、前記
トルク信号をフィルタし、システムの動作中は選択可能
なステアリング・アシスト・システム帯域幅を維持する
ステップを含む。また、この方法は、前記フィルタされ
たトルク信号に応答して前記制御信号を提供する。
【0014】本発明の更に別の特徴によれば、電気アシ
スト・モータに接続されたコントローラに接続されたト
ルク・センサを有する電気アシスト・ステアリング・シ
ステムのための適応フィルタを設計する方法が提供され
る。この方法は、開ループ構成における電気アシスト・
モータにコマンド信号を印加するステップと、前記モー
タに印加されたコマンド信号の結果として開ループ伝達
関数を測定するステップと、最大のアシスト曲線ゲイン
を決定するステップと、前記ステアリング・システムの
開ループ伝達関数が所定の(i)開ループ・クロスオー
バ周波数と(ii)ゲイン安定性マージンと(iii)位相
安定マージンとを有するようにフィルタを設計するステ
ップと、を含む。
【0015】
【実施例】図1を参照すると、パワーアシスト・ステア
リング・システム10は、ピニオンギア14に動作的に
接続されたステアリング・ホイール(ハンドル)12を
含む。特に、この車両のステアリング・ホイール12は
入力シャフト16に接続され、ピニオンギア14は出力
シャフト18に接続されている。入力シャフト16は、
トーションバー20を介して出力シャフト18に動作的
に結合されている。
【0016】トーションバー20は、印加されたステア
リング・トルクに応答してねじれ(ツイストし)、それ
によって、入力シャフト16と出力シャフト18との間
の相対的な回転を許容する。ストップ(図示せず)が、
この技術分野で知られている態様で入力及び出力シャフ
トの間のこのような相対的な回転の量を制限する。トー
ションバー20は、ここではKと表わされるバネ定数
を有する。好適実施例によれば、バネ定数K=20i
n/lbである。印加されたステアリング・トルクに応
答しての入力シャフト16と出力シャフト18との間の
相対的な回転の量は、トーションバー20のバネ定数と
関数関係にある。
【0017】この技術分野で周知のように、ピニオンギ
ア14は、ラックすなわち線形ステアリング部材22の
上に直線状に切られた歯とかみ合って係合しているはす
歯(helical teeth)を有する。ラック部
材22上の直線状に切られたギアの歯と結合したピニオ
ンギア14は、ラックとピニオンギアとの組を形成す
る。ラックは、既知の態様でステアリング・リンケージ
を有する車両の操縦(かじ取り)可能(ステアラブル、
steerable)な車輪24、26に、操縦可能に
結合されている。ステアリング・ホイール12がターン
されると、ラックとピニオンギアとの組は、ステアリン
グ・ホイール12の回転運動をラックの直線運動に変換
する。ラックが直線状に移動する場合には、操縦可能車
輪24、26は、それに伴うステアリング軸の回りをピ
ボット運動し、車両が操縦される。
【0018】電気アシスト・モータ28は、この技術に
おいて周知であるボールナット駆動構成を介して、ラッ
ク22に駆動的に接続されている。この構成は、TRW
社に譲渡されているMiller他への米国特許第52
57828号に詳細に記載されており、この米国特許は
本出願で援用する。電気モータ28は、付勢されると、
パワーアシスト・ステアリングを提供し、車両操作者に
よる車両のステアリング・ホイール12の回転を補助す
る。
【0019】本発明の好適実施例によれば、電気アシス
ト・モータ28は、可変リラクタンス・モータである。
可変リラクタンス・モータは、小型であり、摩擦が小さ
く、トルク−慣性比率が高いので、電気アシスト・ステ
アリング・システムでの使用が望まれる。本発明の好適
実施例によれば、このモータ28は、8つの固定子ポー
ルと6つの回転子ポールとを含む。固定子ポールは、A
a、Bb、Cc、Ddで表される対で付勢される構成に
なっている。
【0020】可変リラクタンス・モータの動作とその動
作原理とは、この技術分野では周知である。基本的に
は、固定子ポールは対として付勢される。回転子は、固
定子ポールと回転子ポールとの間のリラクタンスを最小
にするように運動する。最小のリラクタンスは、1対の
回転子ポールが付勢された固定子ポールと整列する場合
に生じる。いったん最小のリラクタンスが達成されれ
ば、すなわち、回転子ポールが付勢された固定子コイル
と整列すれば、これらの付勢された固定子コイルは消勢
され、隣接する固定子コイルの対が付勢される。
【0021】モータ回転の方向は、固定子コイルが付勢
されるシーケンスによって制御される。モータによって
生じるトルクは、固定子コイルを流れる電流によって制
御される。モータが付勢されると、回転子がターンし、
これにより、ボール・ナット駆動構成のナット部分が回
転する。ナットが回転すると、ボールが線形の力をラッ
クに転送する。ラック運動の方向は、モータの回転の方
向によって決定される。
【0022】回転子の位置センサ30は、モータの回転
子とモータのハウジングとに動作的に接続されている。
上で援用した828号米国特許は、このような回転子位
置センサ30を詳細に示し記載しており、そこでの記載
を本明細書で援用することにする。回転子位置センサ3
0の機能の1つは、モータの固定子に対する回転子の位
置を示す電気信号を提供することである。可変リラクタ
ンス・モータの適切な動作のためには、回転の方向と印
加されたトルクとを含めて、固定子に対する回転子の位
置を知る必要がある。
【0023】位置センサ40は、入力シャフト16と出
力シャフト18との両端に動作的に接続されており、入
力シャフト16と出力シャフト18との間の相対的な回
転位置すなわち相対的な角度方向を示す値を有する電気
信号を提供する。位置センサ40はトーションバー20
と共に、トルク・センサ44を形成する。ステアリング
・ホイール12は、操縦操作の間に運転者によって、角
度ΘHWだけ回転される。印加された入力トルクの結果と
しての入力シャフト16と出力シャフト18との間の相
対的な角度は、ここでは、Θとする。トーションバー
20のバネ定数Kを考慮すると、センサ40からの電
気信号は、ここではτと称される印加されたステアリ
ング・トルクをも表す。
【0024】トルク・センサ44の出力は、トルク信号
処理回路50に接続される。処理回路50は、角度Θ
をモニタし、また、トーションバー20のバネ定数K
がわかっているので、印加されたステアリング・トルク
τを示す電気信号を与える。トルク信号τは、アシ
スト曲線回路54に接続される。
【0025】アシスト曲線回路54は、好ましくは、印
加されたステアリング・トルクτと感知された車両速
度とに関数関係を有する値をもつ所望のトルク・アシス
ト信号τassistを提供するルックアップテーブルであ
る。車両速度センサ56は、アシスト曲線回路54に動
作的に接続されている。この速度比例ゲイン曲線は、マ
イクロコンピュータ内のルックアップテーブルを用いて
達成され得るし、又は、所望の制御関数による実際の計
算を用いて達成され得る。
【0026】この技術分野で広く知られているように、
車両ステアリング・システムにとって所望であるパワー
・アシストの量は、車両速度が増加するにつれて減少す
る。したがって、操縦操作に対して適切又は所望の感覚
を維持するためには、車両速度が増加するにつれてステ
アリング・パワー・アシストの量を減少させることが望
まれる。図3には、様々な車両速度に対して、出力トル
クτassistと印加された入力トルクτとの値を両軸に
とったものが示されている。ライン60は、この技術分
野において「ドライ・サーフェス・パーキング」と称さ
れる場合のトルクイン対トルクアウト値である。ライン
66は、高い車両速度の場合のトルクイン対トルクアウ
ト値である。ライン70は、車両速度が増加するにつれ
て値がどのように変化するかの方向を示している。一般
的に、アシスト曲線回路54からの出力の値は、τ
assistと称される。
【0027】アシスト曲線回路54の出力τassistは、
所望の出力トルクを示す電気信号であり、適応(ada
ptive)トルク・フィルタ80に接続される。出力
τas sistは、また、勾配検出回路86にも接続される。
この勾配検出回路86は、τassistの値の勾配を、印加
された入力トルクτの関数として決定する。勾配検出
回路86の出力Sは、
【数4】 で表すことができる。勾配検出回路86は、入力トルク
τに基づいてリアルタイムでアシスト曲線の瞬間的な
勾配と、現在の車両速度に対する最大のアシスト曲線ゲ
インとを、両方計算することができる。車両速度は、ま
た、勾配検出回路86への入力としても示される。勾配
検出回路86は、また、アシスト曲線のフィルタされた
勾配を出力することもできる。このフィルタされた勾配
は、アシスト曲線の瞬間的な勾配を、1Hzと20Hz
との間に極を有する一次フィルタを通過させることによ
って計算される。勾配検出回路86は、(i)入力トル
クτ、(ii)アシスト・トルクτassist、(iii)車
両速度、という3つの入力を有する。勾配検出回路86
は、(i)アシスト曲線の瞬間的な勾配、(ii)アシス
ト曲線のフィルタされた勾配、(iii)任意の速度にお
けるアシスト曲線の最大の勾配、という3つの出力を有
する。
【0028】勾配検出回路86からの出力は、適応トル
ク・フィルタ80に接続される。
【0029】この適応トルク・フィルタ80は、トルク
要求信号と称されるフィルタされたトルク信号τを出
力し、これがモータ・コントローラ90に接続される。
モータ・コントローラ90は、トルク・コマンド信号τ
に応答して、モータ28の付勢を制御する。回転子位
置センサ30もまた、モータ・コントローラ90に接続
されている。モータ・コントローラ90は、感知された
回転子速度に応答してステアリング・ダンピングを制御
するが、これは、上述の828号米国特許に詳細に記載
されている。他の入力94は、モータ・コントローラ9
0に接続されている。これらの他入力94は、ECU温
度センサ、ソフトスタート回路などを含む。これらの他
入力もまた、上述の828号米国特許に詳細に記載され
ている。
【0030】モータ・コントローラ90の出力は、駆動
制御回路96に接続される。駆動制御回路96は、複数
のパワースイッチ100に制御可能に接続されており、
電気アシスト・モータ28への電気エネルギの印加を制
御する。回転子位置センサ30からの出力はまた、駆動
制御回路96にも接続されている。上述のように、可変
リラクタンス・モータの制御のためには、回転子と固定
子との相対的な位置が既知であることが要求される。
【0031】図2を参照すると、本発明の線形化された
閉ループ制御システムが示されている。ハンド・ホイー
ル12の回転の結果、トーションバー位置センサのステ
アリング・ホイール側にΘHWの角度変位が生じる。この
角度変位は、出力シャフト18がrm/rp(ただし、r
はモータのボールナットの有効半径であり、rはピ
ニオンの有効半径)によって表されるギア比率110を
介して電気アシスト・モータ28によって角度Θだけ
回転駆動された後で、出力シャフト18の結果的な角度
変位との差がとられる。本発明の1つの実施例では、こ
れらの値は、r=0.05インチ、r=0.31イ
ンチである。ボールナットの1ラジアンの回転は、ラッ
クのrインチの移動を生じさせる。同様に、ピニオン
の1ラジアンの回転は、ラックのrインチの移動を生
じさせる。結果的な角度変位Θにバネ定数Kを乗じ
ると、トルク信号τが得られる。閉ループ構成では、
スイッチ53は、この出力τをアシスト曲線回路54
に接続する。トルク曲線は、トルク信号τと測定され
た車両速度56との関数として、トルク要求値τas sist
を与える。好ましくは、τassistの値は、
【数5】 τassist=Sp×(LS)+(1−Sp)×(HS) によって決定される。ここで、LSは与えられた入力ト
ルクに対する最も低い速度τassistの値の組であり、H
Sは与えられた入力トルクに対する最も高い速度τ
assistの値の組であり、Sはパーキング速度での1と
所定の高速での0との間で変動する速度比例項である。
これによって、車両速度が増加する際の値の滑らかな補
間が得られる。τassistの値のこのような決定は、19
94年3月11日出願の、MacLaughlinほか
による特許出願第08/212112号に詳細に記載さ
れており、この出願を本明細書で援用する。
【0032】適応トルク・フィルタ80は、本発明の好
適実施例によれば、伝達関数(Gadaptiveを有して
おり、これは、
【数6】(Gadaptive ={P/(S+P)}×{(S+40)2/(S+40
0)}×1/4 と表現できる。ここで、Pは、アシスト・ゲインに依存
する適応極(adaptive pole)である。ゼ
ロ周波数ゲインすなわち「直流ゲイン」は1であり、そ
れによって、アシスト曲線Sの局所的な勾配は、
、r、Gなどの機械的なパラメータがいったん
定義された場合にステアリング・システムのゲインを決
定する際の支配的な項である。適応トルク・フィルタ8
0からの出力は、トルク・コマンド信号τである。閉
ループ構成では、スイッチ55は、τを加算回路11
6に接続する。モータはトルク・アシストτを与え、
これがピニオン・シャフトを介して送信された手動アシ
ストと加算され、ラック上の全体のトルクを生じる。こ
のトルクが、ステアリング・ギアの動力を表す伝達関数
に印加される。Gへの入力は、入力ピニオンとモ
ータとからラックとボール・ナットとを介してモータに
印加されるトルクの全体であり、その出力はモータ回転
角である。伝達関数Gは直接的にモータに関係してお
り、入力がモータへのトルク全体であり出力がモータ角
度である。タイアによってラック上に印加される復元力
(restoring force)は、Gの内部で
あるために示されていないバネ力としてモデル化されて
いる。
【0033】フィルタGが、極の変化しない一定フィ
ルタである場合には、システム帯域幅は、アシスト曲線
の局所的なゲインの直接の関数である。小さな入力トル
クの変化が大きな出力トルクを生じさせるドライ・パー
キング中などのように局所的なアシスト・ゲインが高い
場合には、システムは、高い帯域幅を有し、非常に応答
性がよい。しかし、大きな出力トルクを生じさせるには
大きな入力トルクの変化が必要となる高い車両速度で生
じるような局所的アシスト・ゲインが低い場合には、シ
ステムは、低い帯域幅を有し、適切な応答性をもたな
い。
【0034】どのようなトルク・フィルタを用いるべき
かを決定するには、開ループの伝達関数が最初に決定さ
れなければならない。開ループの伝達関数は、この目的
のためには、モータ・コマンドτが入力として用いら
れ測定されたトルク・センサ信号τが出力として用い
られる場合に生じる。このような開ループのシステムを
確立するためには、スイッチ53、55が、アシスト曲
線と適応トルク・フィルタ80とをシステムから除去す
るように切り替えられる。伝達関数は、種々の入力周波
数でモータに命令する既知の信号アナライザを用い、ハ
ンド・ホイールを固定した位置に保持した状態でのトル
ク・センサからの出力を測定することによって、特定の
システムのために車両上で測定される。この測定された
伝達関数はGと表され、その例が図5A及び5Bに示
されている(実際の値は、特定の車両の場合に依存す
る)。この測定された開ループ伝達関数は、次に、トル
ク・フィルタを設計するのに用いられ、それにより、ス
テアリング・トルク・ループは、所望の安定性と動作特
性とを有する。
【0035】当業者であれば、ラック、タイア、モー
タ、ボールナット、電子装置などのダイナミクスの線形
モデルを作ることによっても、開ループ伝達関数G
計算され得ることを理解するであろう。Gが解析的な
モデルから計算される場合には、モータにおけるトルク
・コマンドの測定されたトーションバー信号への変換に
関するすべてのダイナミクスがそのモデルに含まれてい
なければならない。解析的モデルは特に伝達関数の位相
角度に関して現実世界の現象に厳密に一致することは稀
なので、この伝達関数は直接に測定することが好まし
い。
【0036】トルク・フィルタを設計するためには、最
初に、開ループ伝達関数Gに、最も高い局所的アシス
ト曲線ゲインSを乗じる。次に、フィルタが開ループ
・システム(S×G)に対して設計され、性能及び
安定性の要求を満たす。たとえば、最大アシスト曲線ゲ
インが5であるとする。当業者は、図5A及び5Bか
ら、ボード(Bode)プロットのゲイン部分に5のゲ
イン(すなわち、14db)が加えられた場合には、シ
ステムの安定性マージンは不十分であることがわかるで
あろう。したがって、フィルタが開ループ・システムに
加えられて、所望の性能及び安定性を達成する。好適実
施例によれば、
【数7】 G=(S+40)2/{(S+4)×(S+40
0)} の形式のフィルタが用いられる。このフィルタは、遅れ
・進みタイプのフィルタであり、システムに、5の最大
ステアリング・システム・ゲインでの適切なパフォーマ
ンス及び安定性マージンを与えるように設計されてい
る。図4A及び4Bから、S=5のゲインに対して
は、このシステムは、およそ10dbのゲイン・マージ
ンと35度の位相マージンとを有することがわかる。示
されている開ループ伝達関数は、挙動又は開ループのス
テアリング・システムを記述する3つの量を含む。すな
わち、(i)局所的アシスト曲線ゲインSと、(ii)
トルク・フィルタGと、(iii)測定された伝達関数
と、である。
【0037】図4A及び4Bは、4つの異なるゲインS
=1、S=2、S=3、S=5に対する開ルー
プ・システムのボード・プロットであり、これは、次の
数式で表される一定フィルタGによって生じる。すな
わち、
【数8】 G=(S+40)2/{(S+4)×(S+40
0)} である。ゲインが5から1に減少すると、0dbの交差
点もまた減少して、閉ループ帯域幅の減少と、システム
の応答性の低下とを示す。高い帯域幅のシステムが5の
最大アシスト・ゲインSに対する適切な安定性マージ
ンを有していても、ゲインSは、高い車両速度ではゲ
インSは減少し、ステアリング・アシストがデッドバ
ンドの外へ移動することによって開始された場合には、
結果的に、システムの動作は鈍くなり、立ち遅れを示す
ようになる。この問題への解答は、異なるフィルタを設
計する、すなわち、フィルタをリアルタイムでゲインの
変化に適応させ、すべてのアシスト曲線ゲインで適切な
動作が達成されるようにすることである。
【0038】適応トルク・フィルタ80の目的は、シス
テム帯域幅を、車両速度とシステムのゲイン変化とは独
立に制御して、ステアリング感覚を向上させることであ
る。これは、入力トルクτに関するアシスト曲線の導
関数すなわち勾配を用いて、適応フィルタの極と零点と
を計算することによって達成される。本質的には、トル
ク・フィルタの極と零点とを、トルク・アシストの変動
レベルに応じて変化させるすなわち適応させることが望
まれる。フィルタは、任意の数の極と零点とを持ち得る
し、固定した及び適応的な極と零点との組み合わせをも
ち得る。
【0039】図6A及び6Bは、ゲインSと適応トル
ク・フィルタとを含む開ループ・ステアリング・システ
ムのボード・プロットを示しており、ここで、本発明の
好適実施例の適応トルク・フィルタ(G
adaptiveは、
【数9】(Gadaptive ={P/(S+P)}×{(S+40)2/(S+40
0)}×1/4 であり、ただし、Pは、適応極(adaptive p
ole)である。この開ループ・ステアリング・システ
ムのボード・プロットは、1と5との間のステアリング
・システム・ゲインの全体の組に対して示されている。
当業者は、すべてのフィルタが、ほぼ厳密に同じ周波数
で0dbの点を交差していることを理解するであろう。
これは、閉ループ・システムが、局所的なアシスト・ゲ
インとは無関係に同じ帯域幅を有することを意味する。
適応フィルタを有するこのシステムのゲイン及び位相マ
ージンは、適切である。本発明の好適実施例では、0d
bの交差点は、すべてのアシスト曲線ゲインに対して同
一にされている。この0dbの交差点は同じである必要
はなく、アシスト・ゲインの関数としての適応極位置を
修正することによって選択可能にできる。
【0040】適応フィルタ(Gadaptiveは、
【数10】(Gadaptive ={(S+40)2/[(S+4)(S+400)]}
×{(S+4)/(S+P)}×P/4 と書くことができて、ここで、ノミナルなフィルタG
は、
【数11】 G=(S+40)2/{(S+4)×(S+40
0)} であり、フィルタの適応部分Gは、
【数12】G={(S+4)/(S+P)}×P/4 である。この(Gadaptiveの実現は、依然として、
単位DCゲインを有し、よって、開ループ・システムの
DCゲインは、依然としてSによって決定される。
【0041】極の位置Pは、アシスト・ゲインSが、
5、3、2、1である場合に、それぞれ、4、6.6
7、10、20となることがわかった。
【0042】本発明の好適実施例によってPの閉じた形
式の解を決定するために、通常のフィルタ(高いゲイン
の場合のために設計されたフィルタ)が通常のゲインS
c1に対して時定数1/Pを有する低次の極を有すると
仮定する。一次のフィルタの時定数は、極の逆数として
定義される。S=5の高いゲインの場合の通常のフィ
ルタGの方程式である
【数13】 G=(S+40)2/{(S+4)×(S+40
0)} を用いると、ゲインが5であり低次の極が4rad/s
ecであるから、1/PとSc1との値は、それぞれ
が、1/P=1/4とSc1=5となる。Sの任意の
アシスト・ゲインに対し、極の位置Pを計算して、S
によって誘導される交差周波数wがPからのゲイン増
加によって作られるようにすることが望ましい。これ
は、次の数式で表現され得る。すなわち、
【数14】−20log10(1+wc 21 21/2 =−20log10(1+wc 221/2+20log
10(S/Sc1) である。この式の左辺は、時定数T1=1/P1を有する
極に起因する周波数wでのゲインである。右辺の第1
項は、時定数T=1/Pを有する極に起因する周波数w
でのゲインである。最後の項は、アシスト・ゲインが
ではなくSc1であることによるゲインの変化であ
る。この式はまた、次のようにも書ける。すなわち、
【数15】(1+wc 221/2/(1+wc 21 21/2
=S/Sc1 であるが、これを(T)について解けば、
【数16】T=Sc 2{(1+wc 21 2)/S
c1 2c 2}−1/wc 2 となる。この式はaとbとを定数項として、
【数17】T=Sc 2a+b と書くことができて、ただし、a=(1+wc 21 2)/
c1 2c 2であり、b=−1/wc 2である。当業者は、
この式が、極の位置の逆数の2乗は局所的なアシスト曲
線ゲインの2乗の線形関数であること示していることを
理解するであろう。仮に、w=32×2π、1/P
=1/4、Sc1=5であれば、a=2.5009×10
-3であり、b=2.473×10-5である。
【0043】周波数wは、32Hzに選択されるが、
その理由は、これがS=5と通常フィルタGとを用
いたステアリング・システムの開ループ交差点であるか
らである。図6A及び6Bは、1と5との間のアシスト
曲線ゲインに対する開ループ・ステアリング・システム
の伝達関数Scp(Gadaptiveに対するボード・プ
ロットを示している。矢印200は、減少するゲインの
方向を示している。
【0044】当業者は、フィルタGとGとは、極・
零点写像を用いたデジタル・フィルタとしてデジタル・
コンピュータにおいて実現されることを理解するだろ
う。基本的には、連続システムの極Pと零点Zとは、p
=exp(Pt)とz=exp(Zt)とを介して離散
的なデジタル・フィルタの極pと零点zとに写像され
る。ここで、expは自然対数の底の指数関数であり、
tはサンプル・レートである。デジタル・フィルタのサ
ンプル・レートは、本発明の1つの実施例によれば、お
よそ、300マイクロ秒である。極・零点写像によっ
て、デジタル・フィルタは、このようにして、連続フィ
ルタと同じゲインDCを有することを「強制される」。
【0045】勾配検出回路86の3つの異なる出力を用
いると、適応フィルタ技術の少なくとも3つの実現が可
能である。すなわち、 1)アシスト曲線Sの瞬間的な局所的ゲインが、フィ
ルタのサンプル・レートで計算される。ある実施例によ
れば、Sは、300マイクロ秒ごとに計算される。極
Pもまた、300マイクロ秒ごとに計算される。
【0046】2)アシスト曲線のフィルタされた勾配を
用いて適応極Pを計算する。この場合には、極Pの変化
率は、瞬間勾配をフィルタする一次のフィルタの極によ
って制限される。瞬間的な極は、1Hzと30Hzの間
の極を有する一次のフィルタによってフィルタされる。
【0047】3)アシスト曲線の最大の局所的ゲイン
は、各車両速度において計算される。最大のアシスト・
ゲインに基づいて、適応フィルタの極は、各車両速度で
の最大のゲインに基づいて計算される。適応フィルタ
は、このように、速度の関数となるが、これは、極は速
度と共にだけ変化するからである。
【0048】適応フィルタの設計は次のステップを用い
て達成される。すなわち、 1)モータ・コマンドτからトルク・センサ測定τ
への開ループ伝達関数を測定する。この伝達関数がG
である。伝達関数Gは、システムを解析的にモデル化
することによっても計算され得る。
【0049】2)最大アシスト曲線ゲインSc1を計算す
る。
【0050】3)Sc1の最大値に対する伝達関数Sc1
のゲインと位相とをプロットする。
【0051】4)このステアリング・システムの開ルー
プ伝達関数Sc1pfが、Sが最大である即ちS
c1である場合の所望の開ループ交差周波数と十分なゲ
イン及び位相安定性マージンとを有するように、フィル
タGを設計する。開ループ交差は、システムがどの程
度の応答性を有するかを示す。本発明の好適実施例によ
れば、フィルタGは、
【数18】 G=(S+40)2/{(S+4)×(S+40
0)} である。5のシステム・ゲインを伴うこのフィルタは、
32Hzの開ループ交差周波数wを生じる。
【0052】5)フィルタの適応部分を構成し、0db
の交差点(すなわち、帯域幅)を一定に保つ。ゲインS
が減少するにつれて、開ループ交差は、フィルタG
が修正されない限り減少する。フィルタGの適応部分
は、以下のことを行う。すなわち、5未満のSによっ
て生じる任意のゲインの減少は、Gの4rad/秒に
位置する極の周波数を増加させることにより、回復す
る。本発明の好適実施例では、フィルタGは、
【数19】G={(S+4)/(S+P)}×P/4 である。Pでの極と周波数wでの時定数T=1/Pとを
有する一次フィルタのdbでのゲインは、
【数20】 極のゲイン=−20log10(1+w221/2 であり、5ではなくSのゲインを有するステアリング
・システムに起因するゲイン減少は、
【数21】ゲイン減少=20log10(S/5) である。適応極Pは、極が4rad/秒からPrad/
秒まで移動することに起因するゲインの差が、アシスト
曲線ゲインが5からSに変化することによって生じる
ゲインと等しく符号が逆となるように移動される。
【0053】図7A及び7Bは、種々のステアリング・
システム・ゲインに対するボード・プロットの適応フィ
ルタを示す。矢印210、220は、増加するゲインの
方向を示す。伝達関数G1fがプロットされる。すべて
のフィルタは、単位DCゲインを有する。しかし、S
が5から1に減少する際には、フィルタGの適応部分
のゲインは、周波数32Hzで増加する。よって、フィ
ルタGは、Sの変化に起因するゲイン低下を回復
し、よって、一定の帯域幅開ループ・プラントを達成す
る。
【0054】当業者は、この適応トルク・フィルタが、
車両速度とアシスト曲線ゲインとの変化とは独立に選択
可能なシステム帯域幅を維持することを理解するであろ
う。
【0055】本発明の好適実施例に関する以上の説明か
ら、当業者は、改善、変更、修正を見いだすだろう。こ
のような技術の範囲内の改善、変更、修正は、冒頭の特
許請求の範囲によって含意されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパワー・アシスト・ステアリング
・システムを図解するブロック図の概略である。
【図2】本発明による線形化された閉ループ制御システ
ムの概略の図解である。
【図3】車両速度の関数として変動するトルクイン対ト
ルクアウト制御曲線の図解的な表現である。
【図4】図4Aは、固定されたトルク・フィルタを用い
た開ループ・システムのボード・プロットである。図4
Bは、固定されたトルク・フィルタを用いた開ループ・
システムのボード・プロットである。
【図5】図5Aは、開ループ・システムのボード・プロ
ットである。図5Bは、開ループ・システムのボード・
プロットである。
【図6】図6Aは、適応トルク・フィルタを用いた開ル
ープ・システムのボード・プロットである。図6Bは、
適応トルク・フィルタを用いた開ループ・システムのボ
ード・プロットである。
【図7】図7Aは、種々のステアリング・システム・ゲ
インに対する本発明の適応トルク・フィルタのボード・
プロットである。図7Bは、種々のステアリング・シス
テム・ゲインに対する本発明の適応トルク・フィルタの
ボード・プロットである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スチュアート・ダブリュー・パーカー アメリカ合衆国カリフォルニア州90278, レドンド・ビーチ,ヴァンダービルト・レ ーン 2217,ナンバー7 (72)発明者 フリストフ・ケイ・マントジオス アメリカ合衆国ミシガン州48098,トロイ, コングレス 1024

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリング制御信号に応答してアシス
    トを提供するステアリング・アシスト・システムを制御
    する装置において、 車両のハンド・ホイールに動作的に接続されており、印
    加されたステアリング・トルクを示すトルク信号を提供
    するトルク感知手段と、 制御信号に応答してステアリング・アシストを提供する
    ステアリング・アシスト手段と、 前記トルク感知手段に動作的に接続され前記トルク信号
    に応答して前記制御信号を前記ステアリング・アシスト
    手段に提供する制御手段であって、前記トルク信号をフ
    ィルタしてシステムの動作中に選択可能なシステムの帯
    域幅を維持するトルク・フィルタ手段を含む制御手段
    と、 を備えていることを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、前記制御
    手段は、前記システムの帯域幅が車両速度及び入力トル
    クと独立になるように前記フィルタ手段の極及び零点を
    適応させる手段を更に含むことを特徴とする装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の装置において、前記制御
    手段は、印加された入力トルクの関数として所望の出力
    トルク値を提供し、印加された入力トルクに対する所望
    の出力トルクの変化率に応答して前記フィルタ手段を修
    正する手段を更に含むことを特徴とする装置。
  4. 【請求項4】 ステアリング制御信号に応答してアシス
    トを提供するステアリング・アシスト・システムを制御
    する装置において、 車両速度を感知し、その感知された車両速度を示す値を
    有する速度信号を提供する車両速度感知手段と、 車両のハンド・ホイールに動作的に接続されており、印
    加されたステアリング・トルクを示すトルク信号を提供
    するトルク感知手段と、 制御信号に応答してステアリング・アシストを提供する
    ステアリング・アシスト手段と、 前記車両速度感知手段と前記トルク感知手段とに動作的
    に接続され前記車両速度と印加されたステアリング・ト
    ルクとに応答して前記制御信号を前記ステアリング・ア
    シスト手段に提供する制御手段であって、前記トルク信
    号をフィルタしてシステムの動作中に選択可能なシステ
    ムの帯域幅を維持するトルク・フィルタ手段を含む制御
    手段と、 を備えていることを特徴とする装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の装置において、前記制御
    手段は、車両速度に応答して前記フィルタ手段を修正す
    る手段を更に含むことを特徴とする装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の装置において、前記制御
    手段は、印加された入力トルクの関数として所望の出力
    トルク値を提供し、印加された入力トルクに対する所望
    の出力トルクの変化率に応答して前記フィルタ手段を修
    正する手段を更に含むことを特徴とする装置。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の装置において、前記フィ
    ルタ手段は、 【数1】(Gfadaptive ={(S+40)2/[(S+4)(S+400)]}
    ×{(S+4)/(S+P)}×(P/4) によって定義される適応フィルタを含むことを特徴とす
    る装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の装置において、前記制御
    手段は、GにおいてP(rad/秒)に位置する極の
    周波数を変化させることによって、システムのゲイン低
    下をオフセットする手段を含むことを特徴とする装置。
  9. 【請求項9】 請求項4記載の装置において、前記フィ
    ルタ手段は、確立された測定開ループ・システムの伝達
    関数であることを特徴とする装置。
  10. 【請求項10】 請求項4記載の装置において、前記フ
    ィルタ手段の前記適応的な部分は、一次フィルタを含む
    ことを特徴とする装置。
  11. 【請求項11】 ステアリング制御信号に応答してステ
    アリング・アシストを提供するステアリング・アシスト
    ・システムを制御する方法において、 印加されたステアリング・トルクを測定するステップ
    と、 ステアリング制御信号に応答してステアリング・アシス
    トを提供するステップと、 前記トルク信号をフィルタし、システムの動作中に選択
    可能なステアリング・アシスト・システムの帯域幅を維
    持するステップと、 前記フィルタされたトルク信号に応答して前記制御信号
    を提供するステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の方法において、前記
    フィルタ・ステップは、車両速度に応答して前記フィル
    タ手段を修正するステップを含むことを特徴とする方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の方法において、制御
    信号を提供する前記ステップは、印加された入力トルク
    の関数として所望の出力トルク値を提供し、印加された
    入力トルクに対する所望の出力トルクの変化率に応答し
    て前記フィルタ・ステップを修正するステップを含むこ
    とを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 ステアリング制御信号に応答してステ
    アリング・アシストを提供するステアリング・アシスト
    ・システムを制御する方法において、 車両速度を感知し、その感知された車両速度を示す値を
    有する速度信号を提供するステップと、 印加されたステアリング・トルクを感知し、その印加さ
    れたステアリング・トルクを示すトルク信号を提供する
    ステップと、 前記トルク信号をフィルタし、システムの動作中に選択
    可能なシステムの帯域幅を維持するステップと、 前記車両速度と前記フィルタされたトルク信号とに応答
    して、前記制御信号を前記ステアリング・アシスト手段
    に提供するステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の方法において、前記
    フィルタ・ステップは、車両速度に応答することを特徴
    とする方法。
  16. 【請求項16】 請求項14記載の方法において、印加
    された入力トルクの関数として出力トルク値を提供し、
    前記印加された入力トルクに対する前記出力トルク値の
    変化率に応答して前記フィルタ・ステップを修正するス
    テップを更に含むことを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 請求項14記載の方法において、前記
    フィルタ・ステップは、 【数2】(Gfadaptive ={(S+40)2/[(S+4)(S+400)]}
    ×{(S+4)/(S+P)}×(P/4) に従って前記フィルタリングを実行することを特徴とす
    る方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の方法において、G
    においてP(rad/秒)に位置する極の周波数を変化
    させることによって、システムのゲイン削減をオフセッ
    トするステップを更に含むことを特徴とする装置。
  19. 【請求項19】 電気アシスト・モータに接続されたコ
    ントローラに接続されたトルク・センサを有する電気ア
    シスト・ステアリング・システムのための適応フィルタ
    を設計する方法において、 開ループ構成における電気アシスト・モータに、コマン
    ド信号を印加するステップと、 前記モータに印加されたコマンド信号の結果として、開
    ループ伝達関数を測定するステップと、 最大のアシスト曲線ゲインを決定するステップと、 前記ステアリング・システムの開ループ伝達関数が所定
    の(i)開ループ・クロスオーバ周波数と、(ii)ゲイ
    ンと、(iii)位相安定マージンとを有するように、フ
    ィルタを設計するステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の方法において、フィ
    ルタを設計する前記ステップは、フィルタのGを、 【数3】G={(S+40)2/[(S+P)(S+
    400)]}×(P/4) に従って設計するステップを含むことを特徴とする方
    法。
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