JPH07308877A - ロボット装置 - Google Patents

ロボット装置

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JPH07308877A
JPH07308877A JP10356794A JP10356794A JPH07308877A JP H07308877 A JPH07308877 A JP H07308877A JP 10356794 A JP10356794 A JP 10356794A JP 10356794 A JP10356794 A JP 10356794A JP H07308877 A JPH07308877 A JP H07308877A
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robot apparatus
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洋介 田中
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幸彦 北野
Akira Yoshikawa
章 吉川
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    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25JMANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
    • B25J9/00Programme-controlled manipulators
    • B25J9/0084Programme-controlled manipulators comprising a plurality of manipulators
    • B25J9/0087Dual arms

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Robotics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Manipulator (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のロボットアーム間の協調動作範囲を広
くとることができる上に、移動も作業環境を含めた状態
で簡単に行うことができる。 【構成】 協調動作が可能となっている複数本のロボッ
トアーム1を有するものにおいて、各ロボットアーム1
をヘッド4で吊り下げ支持する。ロボットアーム1で扱
うワークが配される作業台2と上記ヘッド4と支持柱3
で連結して、作業台2とヘッド4との間に上記ロボット
アーム1を配置する。各ロボットアーム1で扱うワーク
が配される作業台2が支持柱3を介してヘッド4と一体
となっているために、移動時には作業環境をそのまま移
動させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は協調動作させる複数のロ
ボットアームを備えているロボット装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】複数のロボットアームを接近させて配置
して、複数のロボットアームが協調動作を行うようにす
ると、ロボットアームに行わせることが作業内容を多様
なものとすることができるために、複雑な組立の自動化
も図ることができるが、この時、特開昭63−2563
84号公報に示されているように、複数のロボットアー
ムを個別に設置するものでは、広い設置スペースを必要
とするにもかかわらず、協調動作範囲が狭くて実行させ
ることができる作業内容についての制限が多く、更に移
動させるにあたっては各ロボットアームを個別に移動さ
せなくてはならない上に、移動先において各ロボットア
ーム間の相対位置合わせが必要となる。
【0003】一方、特開平2−237782号公報に示
されているように、一対の多関節型ロボットアームを単
一の支持柱の両側面に取り付けたり、特開平1−228
791号公報に示されているように、支持柱の上端に配
したヘッドの下面から一対のロボットアームを吊り下げ
たりしたものでは、移動させた時にロボットアーム間の
相対位置合わせが不要となり、また前者においてはロボ
ットアームが両側に広がるために設置箇所について制限
を受ける上に、支持柱が両ロボットアーム間に位置する
ことから、協調動作範囲をあまり広くとることができな
いものの、後者においては設置箇所の制限も少なく、ヘ
ッドにおける支持柱を避けたところからロボットアーム
を吊り下げることで、協調動作範囲を広くとることがで
きるために、形態的には最も好ましいものとなってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のヘッド
に複数のロボットアームが取り付けられているものにお
いても、各ロボットアームが扱うワークが載せられる作
業台が分離されていたことから、ロボットを移動させた
時、作業環境がそのまま移動することにはならず、移動
前後でロボットと作業環境との精密位置決め作業が必要
であって、あるロボットを複数の製造ラインに対して移
動させることで共用させるには、上記精密位置決め作業
のために、手間がかかるものとなっている。
【0005】本発明はこのような点に鑑み為されたもの
であり、その目的とするところは複数のロボットアーム
間の協調動作範囲を広くとることができる上に、移動も
作業環境を含めた状態で簡単に行うことができるロボッ
ト装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、協調
動作が可能となっている複数本のロボットアームと、各
ロボットアームを吊り下げ支持したヘッドと、ロボット
アームで扱うワークが配される作業台と、上記ヘッドと
作業台とを連結してヘッドを支持する支持柱とからな
り、作業台とヘッドとの間に上記ロボットアームが配さ
れていることに特徴を有している。
【0007】
【作用】本発明によれば、各ロボットアームを吊り下げ
た形態としているために、ロボットアームの動作範囲を
広くとることができると同時に協調動作範囲も広くとる
ことができ、そして各ロボットがいずれもヘッドに取り
付けられていることから、移動させた時、各ロボットア
ーム間の相対位置合わせが不要なのはもちろん、ロボッ
トアームで扱うワークが配される作業台が支持柱を介し
てヘッドと一体となっているために、移動時には作業環
境をそのまま移動させることができる。
【0008】ヘッドに取り付ける協調動作可能な複数本
のロボットアームは、対のものを複数組設けてもよく、
この時、互いに隣接するロボットアームが協調動作可能
となっておれば、作業内容を多様化させることができ
る。3本以上のロボットアームを設ける場合には、支持
柱は各ロボットアームで囲まれるところのほぼ中心位置
に配することで、設置スペースを小さくしつつ隣接する
ロボットアーム間の協調動作範囲を支持柱に邪魔される
ことなくとることができる。
【0009】そして、ヘッドを作業台に対して昇降自在
としたり、ヘッドに対して対のロボットアームを水平移
動自在としたり、ヘッドに対して対のロボットアームの
うちの少なくとも1つを水平移動自在としたり、ヘッド
を鉛直軸回りに回転自在としたり、あるいはヘッドを傾
ける回転軸を設けておけば、作業領域を広くすることが
できる上に、協調動作範囲も拡張することができる。
【0010】ヘッドにカメラ、作業台にカメラと対向す
る照明具を備えたものであれば、カメラと照明具との間
にロボットアームにより一時的にワークを搬送して透過
光式でワークを測定することにより、ワークの確実な位
置決めが可能となるとともに、ワークの変形等を確認す
ることができる。また、作業台にロボットアーム先端に
装着されるハンドのための交換台を設けておけば、作業
途中でのハンドの交換についても相対位置合わせが不要
となる上に、複数のロボットアーム間での単一のハンド
の共用が可能となる。
【0011】ワーク用パレットのためのパレット台は作
業台の支持柱の近傍位置に配置すると、作業能率を高め
ることができ、作業台に周辺機器の収納用の収納部を設
けておけば、周辺機器の設置スペースを削減することが
できる。作業台の脚のうちの少なくとも2つに設置場所
との間での位置決めのための位置決めピンを設けておけ
ば、移動させた時のロボット装置の位置決めが容易とな
り、作業台の底面に車輪を設ければ、移動そのものが容
易となる。この移動については、駆動輪と転舵輪とを備
えた自走機構を具備するものとしてもよく、このような
車輪を設けた場合、車輪との位置関係が上下方向に可変
となった伸縮自在な脚を作業台に設けておくことで、移
動の容易さと設置後の安定性との両方を満足させること
ができる。移動させることについては、ヘッドの上面に
装置全体の移送用の移送手段を設けることで行うように
してもよい。
【0012】更に、多関節型であるロボットアーム同士
の間隔は、作業内容に応じた手先姿勢に基づくロボット
アーム先端の到達可能領域の共通領域が最大となる距離
にシミュレーションにて決定するようにすれば、作業内
容に応じて最大の協調動作範囲を得ることができ、ワー
ク用パレットの設置高さも、作業内容に応じた手先姿勢
に基づくロボットアーム先端の到達可能領域のシミュレ
ーションを基に決定すれば、ワークのハンドリングにつ
いての効率を向上させることができる。
【0013】
【実施例】以下本発明を図示の実施例に基づいて詳述す
ると、図示例におけるロボット装置は、四隅に脚21が
設けられた作業台2から支持柱3を立設するとともに、
支持柱3の上端にヘッド4を固着し、支持柱3から側方
へ張り出しているヘッド4下面における支持柱3を避け
た位置に、複数、図示例では2つのロボットアーム1,
1を固着して、両ロボットアーム1,1を吊り下げたも
のとなっている。
【0014】ここでは各ロボットアーム1として、ヘッ
ド4に固着された第1リンク11に対して第2リンク1
2を旋回自在に、第2リンク12に対して第3リンク1
3を回転自在に、第3リンク13に対して第4リンク1
4を回転自在に、第4リンク14に対して第5リンク1
5を旋回自在に、更に第5リンク15に対して第6リン
ク16を回転自在に連結して、第6リンク16にハンド
17を取り付けた多関節型のものを示しているが、この
ものに限るものではなく、スカラー型のものであっても
よい。これらロボットアーム1,1は、図2に示すよう
に、夫々アンプ50やコントローラ51を介してティー
チボックス52やマスターコンピュータ53に接続され
て、マスターコンピュータ53の制御下でその動作を行
う。
【0015】上記作業台2には、ロボットアーム1,1
で扱うワークを収めたパレット8を位置決め保持するパ
レット台20,20が付設されているとともに、両ロボ
ットアーム1,1のほぼ中間位置となるところに上方に
向けたリング型照明具22が設けられている。また、作
業台2の内部は中空の収納部となっており、ここにロボ
ットアーム1,1用の周辺機器(上記アンプ50やコン
トローラ51、圧力ポンプ等)を収納することができる
ようになっている。さらに、上記ヘッド4には照明具2
2と対向する位置にカメラ40が設置されており、各パ
レット台20の上方位置には照明具41が取り付けられ
ている。この照明具41は、パレットにワークがばら積
みされている場合のワークの位置と姿勢をカメラ40で
確認する時のためのものである。
【0016】図1においては、支持柱3が1本のものを
示したが、協調動作させる対のロボットアーム1,1の
中間となるところに支持柱3を位置させない限り、たと
えば図3に示すように、2本の支持柱3,3を備えたも
のであってもよく、また、ヘッド4から吊り下げるロボ
ットアーム1の数も2本に限るものではない。たとえば
図4(a)に示すように、4本のロボットアーム1を吊り
下げたようなものであってもよい。
【0017】このように多数本のロボットアーム1を設
ける場合、図4(b)に示すように、ワークの受け渡しや
相互で夫々保持しているワーク同士の組立等の協調動作
が可能となっている対のロボットアーム1,1を2組設
けただけのものであってもよいが、隣接する任意のロボ
ットアーム1,1間において協調動作を可能としておけ
ば、このロボット装置において行うことができる作業内
容が更に広範なものとなるとともに組立作業の合理化を
図ることができる。たとえば2組のロボットアーム1,
1において別の組立作業を行い、終了時には一方の組か
ら他方の組へと組立品を渡し、他方の組において両組立
品の結合作業を行うということが可能となる。この場
合、支持柱3は全ロボットアーム1,1の中央に位置す
るものとしておけば、設置スペースに比して、ロボット
アーム1間の協調動作範囲を広くとることができる。こ
れは、ロボットアーム1を3本以上設ける場合に適用す
ることができ、支持柱3をロボットアーム1で囲まれる
ところのほぼ中心位置に配置すると、ロボットアーム
1,1の協調動作範囲を広くとることができる上に、バ
ランスの点で安定性が高まり、振動が少なくなるととも
に転倒を防止することができることになる。
【0018】各ロボットアーム1のハンド17を作業中
に交換するような必要があるものについては、交換用ハ
ンド17のための交換台23を、図5に示すように、作
業台2の上面で且つ複数のロボットアーム1,1が共に
アクセス可能な位置、特に支持柱3の近傍に配置する。
各ロボットアーム1,1のハンド17の交換で多種類の
組立作業を行うことができるものとなる上に、各ロボッ
トアーム1,1において単一のハンド17の共用が可能
となる。また、移動させた後もロボットアーム1と交換
台23との間の相対位置合わせが不要である。
【0019】パレット8を位置決め保持するパレット台
20も、作業台2における支持柱3の近傍に設置する
と、図6に示すように支持柱3が1本のものの場合、周
辺機器9が近接されているために作業空間が狭いところ
でも作業領域Aを確保することができて支障なく作業を
行わせることができるものとなり、図7に示すように、
2本の支持柱3,3がある場合、大きな作業領域A内で
パレット8との間のワーク授受と両ロボットアーム1,
1の協調動作による組立作業を行うことができるものと
なる。
【0020】ロボットアーム1先端のハンド17による
作業領域は、ヘッド4を上下に移動させることができる
ようにすることで上下方向に拡大することができ、この
結果、作業領域の高さが大きく異なる複数種の作業にも
対応することができるものとなる。このヘッド4の上下
移動は、図8に示すように、支持柱3に対してヘッド4
を昇降させることで行っても、図9に示すように、支持
柱3を上下に伸縮させることで行ってもよい。また、図
8に示すものでは、ヘッド4に設けたピニオン45を支
持柱3に設けたラック35に噛み合わせ、図9に示すも
のでは、相互にスライド自在となっている上下の支持柱
31,32のうち、下段の支持柱31に設けたピニオン
34を上段の支持柱32に設けたラック35に噛み合わ
せて、ピニオン45,34を回転させることでヘッド4
の昇降を行っているが、ヘッド4の昇降のための機構は
このような構造のものに限るものではなく、油圧シリン
ダー等を用いてもよいものである。
【0021】いずれにしても、ヘッド4を昇降させる場
合、上述のように作業領域が上下に拡大されることにな
るために、図8に示すように、上段のパレット供給用ベ
ルトコンベア90を通じて供給されるワークをロボット
アーム1,1で組み立てながらヘッド4を下降させ、下
段のパレット排出用ベルトコンベア91を通じて組み立
てたワークを排出するという作業が可能となるほか、図
9に示すように、リング型照明具22とカメラ40とか
らなる視覚装置によるワークWの位置や姿勢の確認及び
補正を行いながらの精密組み立てを、ロボットアーム
1,1の昇降によってワークWとリング型照明具22と
の間隔を適切に保った状態で行うことにも対応すること
ができる。図19は視覚装置を用いた精密組み立ての場
合の動作のフローチャートである。
【0022】作業領域は、ロボットアーム1,1を水平
移動させることができるようにすることで、水平方向に
広げることができる。この時、図10に示すように、ヘ
ッド4に対して水平移動させることができるアーム台座
44に各ロボットアーム1を取り付けても、図11に示
すように、ヘッド4に対して各ロボットアーム1を個別
に水平移動させることができる状態で取り付けても、あ
るいはヘッド4そのものを支持柱3に対して水平移動さ
せることができるように取り付けてもよく、この時の水
平移動としては、図12に示すように支持柱3に対して
ヘッド4を鉛直軸回りに回転させることができるように
したもののように、直線運動に限るものではなく、上記
アーム台座44を鉛直軸回りに回転させることができる
ようにしてもよい。なお、図10及び図11において8
1はレール、82はベアリングであり、図12中の83
はテーパベアリング、84は柱3に設けられた駆動歯
車、85はヘッド4に設けられて駆動歯車94と噛み合
う内歯車である。
【0023】一対のロボットアーム1,1を同方向に移
動させる時には、両ロボットアーム1,1の協調動作範
囲を移動させることができるために、図10に示すよう
に、単一のロボットアーム1では把持することができな
いワークWでも、これをエリアA1において両ロボット
アーム1,1で把持した後、エリアA2において組み立
てを行うという動作が可能となり、図11に示すよう
に、各ロボットアーム1,1を個別に移動させることが
できるようにしたものにおいては、両ロボットアーム
1,1が互いに干渉することがない位置まで離して、干
渉を考慮する必要がない動作を各ロボットアーム1,1
に行わせることができるものとなる。この場合、コンベ
ア91で供給されるワークWを両ロボットアーム1,1
が作業領域A3で組み立てるものにおいて、大量に不良
ワークが流れてきた時に、両ロボットアーム1,1を離
して各ロボットアーム1,1に夫々作業領域A4,A5
において不良ワーク搬出動作を行わせるといったことに
対応させることができる。この時、ロボットアーム1の
動きが他方のロボットアーム1の動きに影響を与えない
ために、上記搬出動作を迅速に行わせることができる。
【0024】更に、水平移動によって一方のロボットア
ーム1が位置していたところに他方のロボットアーム1
を位置させることができる場合、例えば、あるロボット
アーム1が担う作業のうちの一部のみが多関節型である
ことを要するものの、大半の作業はスカラー型で足りる
場合において、図12に示すように、多関節型ロボット
アーム1とスカラー型ロボットアーム1とを混在させて
おき、スカラー型ロボットアーム1の位置において行う
作業内容が多関節型のロボットアーム1を必要とする
時、ロボットアーム1の水平移動で多関節型ロボットア
ーム1をスカラー型ロボットアーム1の位置まで移動さ
せてその作業を行わせるということが可能となる。
【0025】図13に示すように、支持柱3を上下に分
離するとともに回転角制御可能な状態で上下の支持柱3
1,32を連結したり、支持柱3とヘッド4、あるいは
作業台2と支持柱3とを同様の形態で連結することによ
ってヘッド4を傾けることができるようにした時にも作
業領域Aの拡大を図ることができる。また、このように
ヘッド4を傾けることができるようにした場合には、図
14に示すように、ヘッド4の上面に配された機器49
の整備を周辺機器9に邪魔されることなく行うことがで
きるものとなる。上記回転角制御は、前記マスターコン
ピュータ53に接続されたサーボモータのような動力を
用いて行うが、上記の整備性の改善の点については、手
動操作でヘッド4を傾けることができるようにしたもの
においても得ることができる。
【0026】ところで、このロボット装置では、ワーク
を収めたパレット8が設置されるパレット台20を有す
る作業台2が一体となっているために、ロボット装置を
移動させることで設置位置を変更する時、作業環境も含
めた状態で移動させることになるために、移動後におい
てもロボットアーム1,1同士の相対位置関係はもちろ
ん、これらロボットアーム1,1とパレット8との相対
位置関係も変化せず、従って相対位置合わせが不要とな
っているのであるが、パレット8の搬送用のベルトコン
ベア91との間の位置合わせはラフでよいものの必要で
ある。このために、作業台2の脚21の下面に、図15
(a)に示すように、位置決めピン27を突出させておく
とともに、ロボット装置を移動させて設置する場所に、
図15(b)に示すように上記位置決めピン27が嵌まり
込む孔95を有している位置決めプレート94を配設し
ておくとよい。移動させた時、位置決めピン27を位置
決めプレート94の孔95に差し込むだけでロボット装
置の位置決めを行うことができる。
【0027】ロボット装置の移動の便を図るために、図
16に示すように、作業台2の下面に車輪28を付設し
ておくことも好ましく、この場合、車輪28を出没自在
に、あるいは脚21を高さ調整自在とし、車輪28と脚
21との上下位置関係を変更することができるようにし
ておくことで、ロボット装置のスムーズな移動を行わせ
ることができるとともに、据え付け後の安定性の確保を
行うことができる。
【0028】図17に示すように、天井7の下面に設け
たレール70からロボット装置Rを吊り下げるとともに
レール70に沿ってロボット装置Rを移動させることが
できるようにしても、工程ラインLAに沿って配設され
たロボット装置Rを他の工程ラインLBに沿った位置に
移動させることをスムーズに行うことができる。レール
70は床面に設置されてレール70上をロボット装置R
が走行するようにしてもよい。
【0029】図18に示すように、作業台2の下面に駆
動輪28aと転舵輪28bとを設けてロボット装置を自
走可能とするとともに、この時の走行が床面に描かれた
ラインLに追従するようにライン追従センサー29や走
行制御装置を設けておけば、ある作業エリアWAから他
の作業エリアWAへのロボット装置の移動をロボット装
置そのものに行わせることができるとともに、この移動
の間にもロボット装置に組立作業を行わせておくことが
できることになるために、作業能率を高めることができ
る。なお、上記高さ調整自在な脚21を設けることは、
この実施例においても有効である。
【0030】ところで、複数本のロボットアーム1に協
調動作を行わせる場合、ロボットアーム1のヘッド4へ
の取付位置、つまりはロボットアーム1,1間の間隔が
上記協調動作範囲の決定に影響を与えるとともに、この
協調動作範囲の大きさは、ロボットアーム1に行わせる
ことができる作業内容をも決定してしまうことになる。
この場合、協調動作範囲をできるだけ大きくとることが
広範な作業内容を行わせることができるようになる点で
好ましく、このために、上記ロボットアーム1,1間の
間隔Dの決定は、図20(a)及び図21に示すように、
2本のロボットアームのモデルを作成して、ロボットア
ームの先端が到達可能な点群をシミュレートして、ロボ
ットアームの間隔Dを0から所定数値n毎に増加させつ
つ対となる2本のロボットアームの到達可能領域Vs,
Vsの重複量Viを調べることを、重複量Viが0とな
るまで行い、重複量Viが最大となった時の間隔Dを2
本のロボットアーム1,1の間隔Dとしているのである
が、ここでは上記シミュレーションにあたり、ロボット
アーム1,1によって行わせる作業内容に応じて、上記
到達可能領域Vsを変更している。
【0031】すなわち、多関節型のロボットアーム1,
1に行わせる主な作業内容が協調作業である場合は、ロ
ボットアーム1先端のハンド17の姿勢が図20(c)に
示す状態での到達可能領域Vsを基に上記間隔Dを決定
し、パレット8からのワークの授受が主な作業内容とな
る時には、ハンド17の姿勢が図20(b)に示す状態で
の到達可能領域Vsを基に上記間隔Dを決定し、更に作
業内容が協調作業とパレットとの間の授受作業とがほぼ
同等の割合となる場合については、ハンド17が図20
(b)に示す状態と図20(c)に示す状態とにおいて共に到
達可能な領域Vsを基に上記間隔Dを決定している。作
業内容に応じて、重複量Viが最大となるように間隔D
を決定しているわけであり、このために、各作業の効率
を高くすることができる。前述のヘッド4に対して複数
本のロボットアーム1を個別に移動させることができる
ものでは、作業内容に応じてロボットアーム1,1の間
隔Dを調整することができることになるために、この点
において好ましい存在である。なお、上記数値nは小さ
いほどシミュレーション精度が高くなり、大きいほどシ
ミュレーションに要する時間が短くなるために、適宜設
定してシミュレーションを行う。
【0032】更に、ロボットアーム1がワークの授受の
行うパレット8の高さも作業能率に影響することから、
ここではロボットアーム1に行わせる作業内容に応じ
て、つまりはロボットアーム1の先端姿勢に応じて、各
ロボットアーム1の上記到達可能領域Vsを上述のよう
にシミュレーションにて求め、この領域Vsの水平切断
面が最大弧を持つ高さ(図20(a)に示す場合では領域
Vsの上面の高さ)をパレット8の高さHとしている。
なお、実際にはここから対象とするワークの高さを引い
た高さとする。このようにしてパレット8の高さを設定
すれば、ロボットアーム1の到達可能領域を最大限に利
用してワークの授受を効率よく行うことができる。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明においては、協調動
作可能な各ロボットアームを吊り下げた形態としている
ために、ロボットアームの動作範囲がロボットアームの
支持部材によって制限されてしまうことがないものであ
り、これに伴って協調動作範囲も広くとることができ
て、協調動作範囲の大きさが原因となる作業内容につい
ての制限が少ないものであり、そして各ロボットがいず
れもヘッドに取り付けられていることから、設置位置の
変更のために移動させた時、各ロボットアーム間の相対
位置合わせが不要なのはもちろん、ロボットアームで扱
うワークが配される作業台が支持柱を介してヘッドと一
体となっているために、移動時には作業環境をそのまま
移動させることができ、ロボットアームと作業台上のワ
ークとの間の相対位置合わせも不要なものであり、設置
位置の変更を簡便に行えるものである。
【0034】ヘッドに取り付ける協調動作可能な複数本
のロボットアームは、対のものを複数組設けることで、
設置スペースの削減を図ることができ、この時、互いに
隣接するロボットアームが協調動作可能となっておれ
ば、作業内容を多様化させることができるとともに作業
能率の向上を図ることができる。3本以上のロボットア
ームを設ける場合には、支持柱は各ロボットアームで囲
まれるところのほぼ中心位置に配することで、設置スペ
ースを小さくしつつ隣接するロボットアーム間の協調動
作範囲を支持柱に邪魔されることなくとることができる
ものとなる上に、重量バランスや安定性の点でも好まし
いものとなる。
【0035】そして、ヘッドを作業台に対して昇降自在
としたり、ヘッドに対して対のロボットアームを水平移
動自在としたり、ヘッドに対して対のロボットアームの
うちの少なくとも1つを水平移動自在としたり、ヘッド
を鉛直軸回りに回転自在としたり、あるいはヘッドを傾
ける回転軸を設けておけば、作業領域を上下方向や水平
方向に拡大することができるとともに協調動作範囲も拡
張することができることになるために、ロボットアーム
の動きだけでは対応できない作業も可能となる。
【0036】ヘッドにカメラ、作業台にカメラと対向す
る照明具、好ましくはリング型照明部を備えたものであ
れば、視覚装置によるワーク位置や姿勢の確認が可能と
なるために、精密な組立作業を行えるものとなる。ま
た、作業台にロボットアーム先端に装着されるハンドの
ための交換台を設けておけば、作業途中でのハンドの交
換についても相対位置合わせが不要となる上に、ハンド
の交換で多様な組立作業に対応したり、複数のロボット
アーム間での単一のハンドの共用が可能となって、作業
能率の向上を図ることができる。
【0037】ワーク用パレットのためのパレット台は作
業台の支持柱の近傍位置に配置すると、やはり作業能率
を高めることができ、作業台に周辺機器の収納用の収納
部を設けておけば、周辺機器の設置スペースを削減する
ことができる上に、作業台の重量が増すために安定性の
向上も期待することができる。作業台の脚のうちの少な
くとも2つに設置場所との間での位置決めのための位置
決めピンを設けておけば、移動させた時のロボット装置
自身の位置決めが容易となり、作業台の底面に車輪を設
ければ、移動そのものを容易に行うことができる。この
移動については、駆動輪と転舵輪とを備えた自走機構を
具備するものとしてもよく、この時には移動中にも組立
作業を行わせたり、連続して流れている2つの工程ライ
ン間でロボット装置を共用するといったことも可能とな
る。
【0038】作業台に上記のような車輪を設ける時に
は、車輪との位置関係が上下方向に可変となった伸縮自
在な脚を作業台に設けておくと、移動の容易さと設置後
の安定性との両方を満足させることができる。移動させ
ることについては、ヘッドの上面に装置全体の移送用の
移送手段を設けることで行うようにしてもよい。更に、
多関節型であるロボットアーム同士の間隔は、作業内容
に応じた手先姿勢に基づくロボットアーム先端の到達可
能領域の共通領域が最大となる距離にシミュレーション
にて決定するようにすれば、作業内容に応じて最大の協
調動作範囲を得ることができて効率の良い組立作業を行
わせることができるものとなる。ワーク用パレットの設
置高さも、作業内容に応じた手先姿勢に基づくロボット
アーム先端の到達可能領域のシミュレーションを基に決
定すれば、ワークのハンドリングについての効率を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の斜視図である。
【図2】同上のブロック回路図である。
【図3】他例の正面図である。
【図4】別の例を示しており、(a)は平面図、(b)は斜視
図である。
【図5】ハンド交換台の設置例を示すもので、(a)は正
面図、(b)は側面図である。
【図6】パレット台の配置例を示すもので、(a)は正面
図、(b)は側面図である。
【図7】他例におけるパレット台の配置例を示すもの
で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図8】ヘッドを昇降自在としたものの一例を示すもの
で、(a)は正面図、(b)は部分断面図である。
【図9】ヘッドを昇降自在としたものの他例を示すもの
で、(a)は正面図、(b)は部分断面図である。
【図10】ロボットアームを水平移動自在としたものの
一例を示すもので、(a)は正面図、(b)は部分断面図であ
る。
【図11】ロボットアームを水平移動自在としたものの
他例を示すもので、(a)は正面図、(b)は部分断面図であ
る。
【図12】ロボットアームを水平移動自在としたものの
別の例を示すもので、(a)は斜視図、(b)は部分断面図で
ある。
【図13】ヘッドを傾斜させることができるようにした
例の側面図である。
【図14】同上の他例の側面図である。
【図15】(a)は作業台の脚の一例を示す正面図、(b)は
対応する位置決めプレートの配置状態を示す平面図であ
る。
【図16】作業台に車輪を設けた例を示すもので、(a)
は正面図、(b)は拡大正面図である。
【図17】レールによる移動のための構造の一例を示す
もので、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図18】自走式とした例を示すもので、(a)は正面
図、(b)は平面図である。
【図19】視覚装置を併用した場合の動作を示すフロー
チャートである。
【図20】(a)はロボットアームの到達可能範囲の説明
図、(b)及び(c)はロボットアーム先端の姿勢を示す説明
図である。
【図21】ロボットアームの間隔決定のフローチャート
である。
【符号の説明】
1 ロボットアーム 2 作業台 3 支持柱 4 ヘッド

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 協調動作が可能となっている複数本のロ
    ボットアームと、各ロボットアームを吊り下げ支持した
    ヘッドと、ロボットアームで扱うワークが配される作業
    台と、上記ヘッドと作業台とを連結してヘッドを支持す
    る支持柱とからなり、作業台とヘッドとの間に上記ロボ
    ットアームが配されていることを特徴とするロボット装
    置。
  2. 【請求項2】 対のロボットアームが複数組設けられて
    いることを特徴とする請求項1記載のロボット装置。
  3. 【請求項3】 互いに隣接するロボットアームが協調動
    作可能となっていることを特徴とする請求項2記載のロ
    ボット装置。
  4. 【請求項4】 3本以上のロボットアームが設けられた
    ものにおいて、支持柱は各ロボットアームで囲まれると
    ころのほぼ中心位置に配されていることを特徴とする請
    求項1記載のロボット装置。
  5. 【請求項5】 ヘッドを作業台に対して昇降自在として
    いることを特徴とする請求項1記載のロボット装置。
  6. 【請求項6】 ヘッドに対して対のロボットアームを水
    平移動自在としていることを特徴とする請求項1記載の
    ロボット装置。
  7. 【請求項7】 ヘッドに対して対のロボットアームのう
    ちの少なくとも1つを水平移動自在としていることを特
    徴とする請求項1記載のロボット装置。
  8. 【請求項8】 ヘッドを鉛直軸回りに回転自在としてい
    ることを特徴とする請求項1記載のロボット装置。
  9. 【請求項9】 ヘッドを傾ける回転軸を備えていること
    を特徴とする請求項1記載のロボット装置。
  10. 【請求項10】 ヘッドにカメラ、作業台にカメラと対
    向する照明具を備えていることを特徴とする請求項1記
    載のロボット装置。
  11. 【請求項11】 作業台はロボットアーム先端に装着さ
    れるハンドのための交換台を備えていることを特徴とす
    る請求項1記載のロボット装置。
  12. 【請求項12】 作業台は支持柱の近傍位置にワーク用
    パレットのためのパレット台を備えていることを特徴と
    する請求項1記載のロボット装置。
  13. 【請求項13】 作業台は周辺機器の収納用の収納部を
    備えていることを特徴とする請求項1記載のロボット装
    置。
  14. 【請求項14】 作業台はその脚のうちの少なくとも2
    つに設置場所との間での位置決めのための位置決めピン
    を備えていることを特徴とする請求項1記載のロボット
    装置。
  15. 【請求項15】 作業台はその底面に車輪を備えている
    ことを特徴とする請求項1記載のロボット装置。
  16. 【請求項16】 作業台は駆動輪と転舵輪とを備えた自
    走機構を具備していることを特徴とする請求項1記載の
    ロボット装置。
  17. 【請求項17】 作業台は車輪との位置関係が上下方向
    に可変となった伸縮自在な脚を備えていることを特徴と
    する請求項15または請求項16記載のロボット装置。
  18. 【請求項18】 ヘッドの上面に装置全体の移送用の移
    送手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載
    のロボット装置。
  19. 【請求項19】 多関節型であるロボットアーム同士の
    間隔が、作業内容に応じた手先姿勢に基づくロボットア
    ーム先端の到達可能領域の共通領域が最大となる距離に
    シミュレーションにて決定されていることを特徴とする
    請求項1記載のロボット装置。
  20. 【請求項20】 ワーク用パレットの設置高さが、作業
    内容に応じた手先姿勢に基づくロボットアーム先端の到
    達可能領域のシミュレーションを基に決定されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のロボット装置。
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