JPH07308816A - 板材の斜め曲線切断方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 長尺の鉄板等を斜め或いは曲線状に精度よく
切断加工できる方法及び装置を提供する。 【構成】 上下段差をもって配設したロ−ルカッタ−の
角振りを行ない、併せてア−ム移動用モ−タ−の制御に
より該ロ−ルカッタ−の位置を変化させ、機械的に精度
よく板材を斜め或いは曲線状等に切断できる方法及び装
置の構成とする。また、ロ−ルカッタ−と左右送りロ−
ラ−間にそれぞれ誘導テ−ブルと押え抑制具、及び板材
の跳上り防止体、並びに切断後の板材を橋渡しするサブ
テ−ブルを装着した搬送ガイド機構を取付け、巻きぐせ
による障害を克服する。 【効果】 長尺の鉄板等の板材を長手方向に斜め或いは
曲線状等に精度よく切断でき、加工時間の短縮、生産効
率が向上し、品質並びにコスト低減を図り得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、板材の斜め曲線切断方
法及び装置に関し、さらに詳細には比較的長尺の板材
を、所定の角度精度をもって斜め或いは曲線切断のでき
る方法及びその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、鉄板等のたとえば４ｍ程度といっ
た長さの短い板材については、直接鋏を使用して斜め切
り等が行なわれている。さらに比較的長い薄板材の場合
においても、機械での切断は難しく人の手作業で作業者
が鋏等を用いて斜め切りが行われている。また鉄板等の
薄板材の直線切断は機械によってもほぼ精度よく行える
が長尺板材の斜め方向或いは曲線状の切断を精度よく行
うことは困難であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のとおり鉄板等の
薄板材の直線切断は機械によってもほぼ精度よく行うこ
とができるが、たとえば１０ｍないし３０ｍ程度といっ
た長尺板材の斜め方向或いは曲線状の切断は板材の長手
方向の加工位置が制限されると共に、迅速で所定の精度
をもって切断することができない問題点があった。ま
た、たとえば１０ｍないし３０ｍ程度といった長尺板材
の斜め方向等に切断を行なう板材は、通常ロ−ル巻状に
して装置に供給することが多いが、そのような板材は巻
きぐせ等がついており決して水平な均一材料と限らず、
このような長尺板材を斜め方向等に切断する装置では、
ロ−ラ−に送給される板材は平面保持状態で安定供給で
きる構成になっておらず、たとえばカッタ−付近におい
て、これらに起因する障害が少なからず発生するといっ
た問題点があった。本発明は長尺で長方形の板材の斜め
曲線切断方法であって、前記板材の長手方向の横幅Ｗ、
及び切断最大横幅Ｘの寸法をそれぞれ設定し、これらの
寸法設定により、予めロ−ルカッタ−の首振り角度を自
動的に算出し、Ｘの設定値ａ点迄ア−ムを移動せしめて
スタ−トした後、ロ−ル送りモ−タ−がＬの長さを送る
間にア−ム移動モ−タ−がＸ₂ の距離を移動するよう制
御し、切断することを特徴とする板材の斜め曲線切断方
法、及び板材を載置するテ−ブルとロ−ルカッターの基
準位置決めガイドと、端部には上下段差状に切断接点を
介して配設したロ−ルカッタ−刃の切断手段と、左右に
配置した送りロ−ラーとスライドテ−ブル移動用モ−タ
−による移動手段と、ロ−ルカッタ−刃の首振り角度割
り出しモ−タ−及び該角度割り出しインデックスの角度
検出手段、並びにア−ム移動用モ−タ−による移動距離
の制御手段と、を有していることを特徴とする板材の斜
め曲線切断装置、並びに前記ロ−ルカッタ−と左右に配
置した送りロ−ラ−との間に相対向して入口側の誘導テ
−ブルと入口側押え抑制具、出口側の誘導テ−ブルと出
口側押え抑制具及び入口側の誘導テ−ブルより送給され
る板材の跳上がり防止体を備え、該ロ−ルカッタ−によ
り切断後の板材を出口側の誘導テ−ブルに橋渡しするサ
ブテ−ブルを装着した搬送ガイド機構を取付けてなる板
材の斜め曲線切断装置に係るものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記のような問題点に対
応するため、本発明においては、上下段差をもって噛み
合わせ接点を設けたロ−ルカッタ−上下刃をもって、板
材等の斜め或いは曲線状の切断に際し、該ロ−ルカッタ
−の角度首振りを行ない、なおかつア−ム移動用モ−タ
−の制御によりロ−ルカッタ−の位置を変化させて、板
材等を或る角度を付けて斜めに切断したり、また例えば
Ｓ字状などの曲線状の切断をも可能とした方法、及びそ
の装置として構成したものである。また、斜め方向等に
切断を行なう長尺物の板材は、通常ロ−ル巻状にして装
置に供給することが多く巻きぐせ等がついており、この
ような長尺板材を斜め方向等に切断する場合、水平に近
い状態で板材を搬送し安定送給するためロ−ルカッタ−
と左右に配置した送りロ−ラ−との間に相対向して入口
側の誘導テ−ブルと押え抑制具、出口側の誘導テ−ブル
と押え抑制具、及び入口側の誘導テ−ブルより送給され
る板材の跳上り防止体を備え、さらに該ロ−ルカッタ−
により切断後の板材を出口側の誘導テ−ブルに橋渡しす
るサブテ−ブルを移動ブロック側のカッタ−取付部分に
装着した搬送ガイド機構を取付け、巻きぐせによるロ−
ラ−送給やカッタ−周辺での障害を克服し、板材材料を
ほぼ水平状態で安定送給できる構成としてなるものであ
る。本発明において、被加工対象の板材は例えば鉄板な
どの金属基材、或いは硬質樹脂シ−トや樹脂加工織物シ
−ト等、ロ−ルカッタ−上下刃で切断可能なものであれ
ばいずれでもよい。またこれら金属基材等の板材の長手
方向の長さは比較的長尺であってもよく、また長方形状
が適当である。さらに前記板材等の厚さは、２ｍｍ以
下、好ましくは０．５〜１．２ｍｍである。

【０００５】

【作用】本発明の構成によれば、ロ−ルカッタ−の角度
振りを行なって、なおかつアーム移動用モ−タ−の制御
により該ロ−ルカッタ−の位置を変化させ、機械的に精
度よく長尺板材を斜め或いは曲線状等に生産効率よく切
断できるように働く。また、該ロ−ルカッタ−と左右に
配置した送りロ−ラ−の間にそれぞれ入口側の誘導テ−
ブルと押え抑制具、出口側の誘導テ−ブルと押え抑制
具、及び板材の円滑な送給のため跳上り防止体を備え、
さらに該ロ−ルカッタ−により切断後の板材を出口側の
誘導テ−ブルに橋渡しするサブテ−ルを移動ブロック側
の該カッタ−取付部分に装着した板材搬送ガイド機構を
取付けており、長尺物の板材材料に不可避の巻きぐせに
起因するロ−ラ−送給並びにカッタ−周辺での障害を排
除し、安定した長尺板材の斜め或いは曲線状の切断を維
持できるように働く。

【０００６】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図面において、図１は本発明の一実施例を示す構成
の機構概念説明図である。図１での本発明における比較
的長尺で長方形の板材２の斜め曲線切断方法、及びその
装置において、該板材を或る所定の角度をもって板材２
の斜め或いは曲線切断方法を可能とする機構概念説明で
あり、下記一般式 Ｌは板材の長手方向の長さ、Ｗは該板材の横幅、Ｘは斜
め或いは曲線切断される板材の一方の端部より切断仮想
到達箇所ａ点迄の横幅長さ、また、θはロ−ルカッタ−
の首振り角度、Ａは切断線である。

【０００７】本発明において、板材等の斜め、或いは曲
線状の切断に際しては、まずＬの寸法、Ｗの寸法、Ｘの
寸法をそれぞれ設定し、これらＬ、及びＷ、Ｘの寸法設
定によりロ−ルカッタ−の首振り角度θを自動的に計算
し、次に図１のＸの設定値迄ア−ムが移動してａ点に達
するが、ａ点よりスタ−ト後、ロ−ル送りモ−タ−がＬ
の長さを送る間に、ア−ム移動モ−タ−はＸ₂ の距離を
移動し、斜め方向の切断を行うことができる。切断終了
後、ア−ムの移動は、再び前記ａ点に戻り、同様にＸと
Ｘ₁ は同じ寸法に切断することができる。図２は本発明
の方法を実施するための装置の平面説明図、図３は装置
の側面説明図、図４は装置の縦側面説明図であり、本発
明による板材の斜め或いは曲線状切断方法の実施に適当
な切断装置を示している。該切断装置は長尺で長方形の
板材を斜め或いは曲線状に精度よく切断できる装置であ
って、図２〜４において、装置本体１には、切断加工を
施す板材２を載置するテ−ブル３を備え、該テ−ブル３
には基準位置決めガイド５が装着されており、板材２は
位置決めがなされた後、左右両側に配設した送りロ−ラ
−７により矢印方向に搬送されるようになっている。Ａ
は切断線である。上下段差をもって配設され接点箇所で
切断可能なロ−ルカッタ−刃８は上刃とと下刃との組み
合わせからなり、首振り角度θが計算されると、ア−ム
４に固定されている該ロ−ルカッタ−刃８は、角度割り
出しモ−タ−９の動作により、首振り角度θの位置へ移
動する。またア−ム４には前記ロ−ルカッタ−刃８並び
にスライドテ−ブル６が取り付けられており、ア−ム４
に取り付けられたスライドテ−ブル６は、ア−ム移動用
モ−タ−１１の動作により移動可能となっている。１２
はカツタ−用駆動ギアモ−タ−である。次に、ア−ム４
に取り付けられたスライドテ−ブル６の上面には角度割
り出しインデックス１０、その上部にはア−ム４に固定
された角度割り出しモ−タ−９が取り付けられており、
スライドテ−ブル６は、その移動距離を制御するア−ム
移動用モ−タ−１１と駆動連結されている。１４は支点
軸、１５はボ−ルスクリュ−、１６はベアリングであ
る。

【０００８】図５は本発明に係る装置での板材搬送ガイ
ド機構の要部説明斜視図、及び図６は要部説明断面図で
あり、入口側の送りロ−ラ−７より出た板材２は、入口
側誘テ−ブル２４、及び逆へ字形の入口側押え抑制具２
５の案内によって、カッタ−上刃２６及びカッタ−下刃
２７に迄ほぼ水平状態で供給され、該入口側の誘導テー
ブル２４と入口側押え抑制具２５との隙間を通って送給
される板材２の上面側には該板材２の巻きぐせによる跳
上りを押さえ込み防止する跳上り防止体３０がが取付け
られており、板材２は矢印方向へ円滑に搬送される。次
いで、該カッター刃８で分断された板材２はロ−ルカッ
タ−上刃２６によって下方へ押さえられる形となり、ロ
−ルカッタ−刃８の設置高さより下方へ送られる形とな
り、それを案内する為、出口側の誘導テ−ブル２９と、
出口側押え抑制具２８を取り付けた構成としたものであ
る。さらに、板材２が薄手材料では、出口側の誘導テー
ブル２９と、カッター刃８の間の隙間にもぐり込んでし
まう場合があり、それを阻止するために跳下り防止の機
能を併せ備えるサブテ−ブル３１を設置した構成となっ
ている。しかしこの場合、該カッタ−刃８は図６におい
ては右方向に斜め切りのため移動するので、その際、出
口側の誘導テ−ブル２９側へ近づき干渉する虞れがあ
る。このため該サブテ−ブル３１を移動ブロック側のカ
ッタ−取り付け部分の取付部３２に装着し、該板材２が
出口側の誘導テーブル２９上をスライドする形とし、ス
ム−ズかつほぼ水平に近い状態で板材２を送給できる構
成とし、これら構成の組合わせからなる板材２の搬送ガ
イド機構としたものである。

【０００９】図７は本発明の実施例における装置の制御
システム概要図であり、Ｍ１はロ−ル送りモ−タ−、Ｍ
２はカッタ−用駆動ギアモ−タ−、Ｍ３はア−ム移動モ
−タ−、Ｍ４は角度割り出しモ−タ−であり、１７は操
作パネル、１８はインバ−タ−、１９はサ−ボアンプ、
２０は出力ユニット、２１は入力ユニット、２２は位置
決めユニット、２３は高速カウンタ−ユニットである。

【００１０】以下に、上記実施例の作動態様について説
明する。まず、被加工する板材につき、切断する寸法を
設定する。 （１）ａ．Ｌの寸法を設定する，ｂ．Ｗの寸法を設定す
る，ｃ．Ｘの寸法を設定してロ−ルカッタ−の基準位置
を決める。 （２）上記基準位置の割り出し用の起動スイッチを押
す。 （３）上記（１）と（２）の操作により、ロ−ルカッタ
−の首振り角度（θ）を計算して、角度割り出しモ−タ
−が動作してロ−ルカッタ−刃の首振り角度（θ）の位
置へ移動する。 （４）ロ−ルカッタ−刃の中心をａ点（Ｘの設定値）ま
で移動させる為に、ア−ム移動用モ−タ−（スライドテ
−ブル移動用）を動作させる。 （５）上記（３）〜（４）の動作にて、切断する為の準
備が完了する。 （６）起動スイッチを押す。 （７）送りロ−ラ−用のモ−タ−が低速で駆動する。 （８）切断する板材を基準位置決めガイドに沿って、送
りロ−ラ−の位置まで手で挿入する。 （９）板材の先頭確認用センサ−が動作するまで、送り
ロ−ラ−は低速度で板材を送る。 （１０）確認センサ−動作後は、送りロ−ラ−は高速度
で板材を送り、Ｌの長さを送る間にア−ム移動用モ−タ
−（スライドテ−ブル移動用）はＸ₂ の距離を移動す
る。 （１１）切断終了後、再びａ点に戻る。 （１２）後は、（８）からの動作を反復繰り返す。

【００１１】なお、前記実施例は板材の斜め直線状の切
断加工する場合につき説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、本発明の範囲内においてたとえば
Ｓ字形状の曲線状の切断など、種々の実施例が可能であ
ることは当業者にとって明らかである。

【００１２】

【発明の効果】本発明によれば、比較的長尺の金属基材
等の板材であっても、また、巻きぐせに起因するローラ
ー送給並びにカッター周辺での障害も克服し、板材をス
ム−ズかつほぼ水平に近い状態で搬送して長手方向に斜
め或いは曲線状等に、精度よく切断加工を行なうことが
できる。この為従来鋏等の人手により行なっていた切断
作業に比し、加工時間が短縮されると共に生産効率が格
段に向上し、品質の安定並びにコスト低減を図り得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す構成の機構概念説明図
である。

【図２】本発明の方法を実施するための装置の平面説明
図である。

【図３】本発明の装置の側面説明図である。

【図４】本発明の装置の縦側面説明図である。

【図５】本発明の装置の板材搬送ガイド機構の要部説明
斜視図である。

【図６】板材搬送ガイド機構の要部説明断面図である。

【図７】本発明の実施例における装置の制御システム概
要図である。

【符号の説明】

１ 装置本体 ２ 板材 ３ テ−ブル ４ ア−ム ５ 基準位置決めガイド ６ スライドテ−ブル ７ 送りロ−ラ− ８ ロ−ルカッタ−刃 ９ 角度割り出しモ−タ− １０ 角度割り出しインデックス １１ ア−ム移動用モ−タ− １２ カッタ−用駆動ギアモ−タ− １３ カウンタ−シャフト １４ 支点軸 １５ ボ−ルスクリュ− １６ ベアリング １７ 操作パネル １８ インバ−タ− １９ サ−ボアンプ ２０ 出力ユニット ２１ 入力ユニット ２２ 位置決めユニット ２３ 高速カウンタ−ユニット ２４ 誘導テーブル ２５ 入口側押え抑制具 ２６ ロールカッター上刃 ２７ ロールカッター下刃 ２８ 出口側押え抑制具 ２９ 誘導テーブル ３０ 跳上り防止体 ３１ サブテーブル ３２ 取付部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺で長方形の板材の斜め曲線切断方法
   であって、前記板材の長手方向の長さＬ、横幅Ｗ、及び
   切断最大横幅Ｘの寸法をそれぞれ設定し、これらの寸法
   設定により、予めロ−ルカッタ−の首振り角度を自動的
   に算出し、Ｘの設定値ａ点までア−ムを移動せしめてス
   タ−トした後、ロ−ル送りモ−タ−がＬの長さを送る間
   に、ア−ム移動モ−タ−がＸ₂ の距離を移動するよう制
   御し、切断することを特徴とする板材の斜め曲線切断方
   法。
2. 【請求項２】 長尺で長方形の板材の斜め曲線切断装置
   であって、板材を載置するテ−ブルとロ−ルカッタ−の
   基準位置決めガイドと、端部には上下段差状に切断接点
   を介して配設したロ−ルカッタ−の切断手段と、左右に
   配置した送りロ−ラ−とスライドテ−ブル移動用モ−タ
   −による移動手段と、ロ−ルカッタ−の首振り角度割り
   出しインデックス、及び該角度割り出しモ−タ−の角度
   検出手段、並びにア−ム移動用モ−タ−による移動距離
   の制御手段と、を有していることを特徴とする板材の斜
   め曲線切断装置。
3. 【請求項３】 前記ロ−ルカッタ−と左右に配置した送
   りロ−ラ−との間に相対向して入口側の誘導テ−ブルと
   入口側押え抑制具、出口側の誘導テ−ブルと出口側押え
   抑制具、及び入口側の誘導テ−ブルより送給される板材
   の跳上り防止体を備え、該ロ−ルカッタ−により切断後
   の板材を出口側の誘導テ−ブルに橋渡しするサブテ−ブ
   ルを装着した搬送ガイド機構を取付けてなる請求項２記
   載の板材の斜め曲線切断装置。