JPH07308654A - 厨芥処理装置 - Google Patents

厨芥処理装置

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JPH07308654A
JPH07308654A JP6107008A JP10700894A JPH07308654A JP H07308654 A JPH07308654 A JP H07308654A JP 6107008 A JP6107008 A JP 6107008A JP 10700894 A JP10700894 A JP 10700894A JP H07308654 A JPH07308654 A JP H07308654A
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JP
Japan
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processing
garbage
treatment
tank
tanks
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JP6107008A
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Inventor
Noriya Nishimura
則哉 西村
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理媒質の交換のための処理槽の取り換えを
容易化し、また種々の厨芥を夫々に適正な条件下にて処
理できるようにし、更に多量の厨芥処理が一時的に必要
となったとき、他の厨芥の処理に支障を来さないように
する。 【構成】 外函3の内部を分割してなる処理室3a,3bに
設けた受け台4,4上に、内部に処理媒質2を収納する
処理槽1,1を載架支持する。各処理槽1の内部を、受
け台4に埋設したヒータH1 と、処理室3a,3b底部のヒ
ータ板31に埋設したヒータH2 とにより加熱する構成と
し、処理槽1,1に投入された厨芥Aを、その種類に応
じた適正温度下にて分解処理する。また、処理槽1,1
の取り換えを行う際には、ヒータH1 ,H2 の通電によ
り処理槽1内部の処理媒質2を加熱し、処理媒質2及び
厨芥Aの保有水分を蒸発させ、これにより発生する水蒸
気を、処理室3a又は3bの蓋板30に設けた吸気孔35を経て
導入され、各処理室3a,3bの背面から排出する空気の流
れにより外部に排出し、処理媒質2及び厨芥Aを乾燥さ
せて重量を軽減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厨房内に発生する厨芥
(生ごみ)を、微生物の活動により分解処理する厨芥処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般家庭、飲食店等の厨房内に日々発生
する厨芥を処理するための一方法として、微生物による
分解を利用する方法がある。この方法は、ゴミの減量化
に寄与でき、ごみ焼却場及び下水処理場の負荷軽減に役
立つと共に、環境保全の観点からも好ましい方法として
注目を浴びている。
【0003】この方法による厨芥処理装置は、従来から
種々提案されているように、微生物の生息に適した処理
媒質を収納する処理槽を備え、該処理槽の上部に厨芥投
入口を開設し、また底部を排水管に接続してなり、厨芥
投入口を経て処理槽に厨芥を投入し、適宜の混合手段に
より処理媒質中に混ぜ合わせて用いられる。
【0004】本願出願人は既に、前記処理槽に収納する
処理媒質として、良好な通気性及び保水性を得るべく所
定の処理により多孔質化された木質細片を利用した厨芥
処理装置を提案している。この装置によれば、処理媒質
中での微生物の活性が促進される結果、処理槽内にて処
理媒質中に混ぜ合わされた厨芥は、堆肥化の段階を超え
て、水(H2 O)と炭酸ガス(CO2 )とに分解される
ようになり、前者を排水管を経て下水に放流し、また後
者を大気に放出することにより、前記厨芥を略完全に消
滅させることができる。
【0005】この種の厨芥処理装置においては、処理槽
の内部を微生物の活動に適した環境に保つことが重要で
ある。微生物の活動のためには、適正量の空気及び水
と、適温の維持とが必要となる。これらの内、空気は、
厨芥の投入時に行われる処理媒質の混ぜ合わせにより、
また水は、厨芥と共に投入される水分及び厨芥の分解に
伴って発生する水により夫々補給され、前述の如く通気
性及び保水性に優れた前記処理媒質に適正量だけ取り込
まれて自動調整される。
【0006】また処理槽の内部温度は、微生物の活動に
伴う発生熱により自動調整が行われるが、例えば、寒冷
地にて使用される場合、長期間の中断後に再使用される
場合等、前記自動調整による適温の実現が難しいことが
ある。更に、処理槽内部の適正温度は、処理対象となる
厨芥の種類によって異なり、例えば、野菜を主体とする
厨芥処理のための適正温度は、20〜40℃であるのに対
し、肉類、残飯等のたんぱく質又はでんぷん質を主成分
とする厨芥処理のための適正温度は、50〜60℃である。
【0007】そこで従来から、処理槽の内部を加熱する
ためのヒータと、処理槽の周辺温度を検出する温度計と
を備え、該温度計による測温値と適正温度との偏差を解
消すべく前記ヒータの通電を制御することにより、処理
槽の内部温度を適正温度に維持する温度制御が行われて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上の如き動作
をなす厨芥処理装置の処理能力は、空気、水及び温度の
諸条件が適正に保たれている場合、処理媒質の量に依存
する。一般家庭での平均的な厨芥の発生量は、700g/日
前後であり、この量の厨芥を余裕を持って処理する処理
能力を得るための処理媒質は、適正量の水分を含んだ状
態で多大の重量を有する。
【0009】一方、厨芥と共に処理槽に投入される虞が
大きく、微生物による分解が困難又は不可能な物質とし
て、例えば、割箸、楊枝、ビニール及び貝殻等があり、
これらが、処理槽内部の処理媒質中に多く混在するよう
になった場合、微生物の生息環境が悪化して処理能力の
大幅な低下を招来することから、前記処理媒質は、定期
的に交換されるのが望ましい。
【0010】この交換は、前記処理槽の取り換えにより
実現されるが、該処理槽は、前述の如く多大の重量を有
する上、構造物として固定されているために、前記取り
換えに困難を伴い、使用者の手により手軽に行えない難
点があり、処理能力の低下を見過ごしたまま使用が継続
されて、処理槽内部での厨芥の腐敗等、更なる問題を生
じる不都合があった。
【0011】また、微生物による厨芥処理のための適正
温度は、前述の如く、処理対象となる厨芥の種類によっ
て異なるのに対し、一般家庭での使用においては、野
菜、肉類及び雑穀等の種々の厨芥が雑多に投入されるこ
とが多く、適正温度の維持のために前述した温度制御を
行ったとしても、特定の種類の厨芥の分解が遅れ、処理
槽内にて腐敗する問題があった。
【0012】更にまた、処理槽の内部に処理能力の限界
を超える厨芥が一時的に投入された場合、この厨芥の分
解がある程度進行するまでの間、更なる厨芥の投入がで
きなくなるという不都合がある。この不都合は、十分に
大きい処理槽の採用により解消できるが、年に数回程度
しか生じない稀なものであり、この不都合に備えて処理
槽のサイズを決定することは無意味である上、処理槽の
大サイズ化は、該処理槽の前述した取り換えを更に困難
とする結果となる。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、処理媒質の交換のための処理槽の取り換え作業
を容易化でき、また種々の厨芥を夫々適正な条件下にて
処理して、処理能力の向上を図り得ると共に、多量の厨
芥が一時的に投入された場合においても、他の厨芥の処
理に支障を来すことのない厨芥処理装置を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る厨芥処理装
置は、処理媒質を収納する処理槽の内部に厨芥を投入
し、前記処理媒質中に生息する微生物の活動により分解
処理する厨芥処理装置において、前記処理槽を複数個備
え、これらを各別の受け台上に載架させてあることを特
徴とする。
【0015】更に加えて、複数個の前記処理槽の内部を
各別に加熱する加熱手段を備えること、また複数個の前
記処理槽内部の温度を所定温度に維持すべく、夫々の処
理槽の前記加熱手段を各別に制御する温度制御手段を備
えること、更に複数個の前記処理槽内部の前記処理媒質
及び前記厨芥を乾燥せしめるべく、夫々の処理槽の前記
加熱手段を各別に制御する乾燥制御手段を備えることを
夫々特徴とする。
【0016】
【作用】本発明においては、複数個の処理槽を備えるこ
とにより、各処理槽を小型,軽量化し、また、これらの
処理槽を各別の受け台に載架して、夫々の受け台に対す
る処理槽の着脱により、処理媒質の交換のための処理槽
の取り換えを容易に行わせる。
【0017】また、複数の処理槽の内部を夫々の加熱手
段により各別に加熱し、各処理槽の内部温度を異なら
せ、種類の異なる厨芥を夫々に適した温度下にて分解処
理できるようにする。このとき、温度制御手段の動作に
より夫々処理槽の加熱手段を各別に制御して、各処理槽
の内部を相異なる温度に維持する。
【0018】更に、処理媒質の交換のための処理槽の取
り換えに際し、乾燥制御手段の動作により、各処理槽の
加熱手段を各別に制御し、処理槽内部の処理媒質及び厨
芥を乾燥せしめ、これらの含有水分を除去して重量を軽
減して前記取り換えを更に容易に行わせると共に、一方
の処理槽での乾燥運転中に他方の処理槽での厨芥処理を
可能とする。
【0019】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図1は、本発明に係る厨芥処理装置(以下
本発明装置という)の正面断面図、図2は、同じく平面
断面図である。
【0020】図示の如く本発明装置は、処理媒質2を収
納してなる一対の処理槽1,1を外函3の内部に備えて
なる。外函3の内部は、隔壁により一対の処理室3a,3b
に分割されており、これらの処理室3a,3bには、夫々の
底面から立設された脚上に受け台4,4が固設されてい
る。前記処理槽1は、合成樹脂、ステンレス鋼等の耐食
性材料により構成され、一側の全面に開口を有するバケ
ット形の容器であり、また前記受け台4は、中抜き円板
の外周縁を適宜の高さに立ち上げた形状をなしており、
処理槽1は、その底部を受け台4に載架し、該受け台4
周縁の立ち上げ部により、その底部近傍の外周面を保持
させることにより、他側の開口を上向きとして支持され
ている。
【0021】処理槽1,1内部の処理媒質2は、所定の
処理により多孔質化され、良好な通気性及び保水性を確
保してなる木質細片であり、各処理槽1の底面に敷き詰
められた排水体20上に所定の深さを有して収納されてい
る。前記排水体20は、後述する厨芥処理の過程で生成さ
れる水を透過すると共に、処理媒質2の脱落を防止する
作用をなすものであり、樹脂又は金属製のメッシュ、粗
い木片等、通水性に優れた材料からなる。処理槽1の底
板の一部には、前記排水体20を透過する水を外部に排出
すべく、内外に貫通する態様に排水孔21が形成されてい
る。
【0022】処理槽1,1が配設される前記処理室3a,
3bの上側には、各別の蓋板30,30により開閉自在に覆わ
れた開口部が形成してある。この開口部は、図1に明ら
かな如く、処理槽1,1の通過が可能なサイズを有して
おり、各処理槽1は、蓋板30が開放された夫々の開口部
を経て処理室3a,3b内に導入され、各別の受け台4,4
上に載架させ得る一方、夫々の処理室3a,3bから前記開
口部を経て導出し得るようになしてある。
【0023】前記受け台4,4の夫々には、一部を窪ま
せて排水部40が形成されており、受け台4上への処理槽
1の載置は、前者の排水部40に後者の排水孔21の形成位
置を整合せしめて行われ、排水孔21を経て処理槽1から
排出される水を排水部40に集め、下方に延設された排水
管を経て排出するようになしてある。
【0024】各受け台4の排水部40は、処理室3a,3bの
底面上にヒータ板31を介して敷設された排水パン32に臨
ませてある。この排水パン32は、上面の略全体に亘って
保水布33を敷き詰めると共に、図示しない放水管を介し
て外函3の外部に連通させてある。而して、排水部40,
40から排出される水は、夫々の排水パン32,32上に保水
布33に保持された状態で滞留し、ヒータ板31に埋設され
たヒータH2 への通電により加熱されて蒸発気化すると
共に、排出水の一部は、前記放水管を経て外部に放出さ
れる。
【0025】各処理槽1は、軸心上での回転自在に枢支
された攪拌軸5を夫々の内部に備えている。攪拌軸5に
は、処理槽1内部の底面近傍にて半径方向外向きに一対
の攪拌羽根50,50が突設され、また処理槽1の底面中央
を貫通して外部に延設された攪拌軸5の下端には、連結
カップリング51が固設されている。
【0026】外函3の内部には、受け台4,4及びこれ
らの上部の処理槽1,1と干渉しないように、処理室3
a,3b間の隔壁の一部をくり抜いた位置に、攪拌モータ
6が縦向きに固設され、該攪拌モータ6の下向きの出力
端には、駆動プーリ60が嵌着してある。一方、円環状を
なす前記受け台4,4の中抜き部の中心位置には、鉛直
軸回りに回転自在に従動プーリ61,61が配してあり、こ
れらは、各別の伝動ベルト62,62により、前記駆動プー
リ60に連結されている。
【0027】図1に示す如く、処理槽1,1を夫々の受
け台4,4上に載架した場合、各処理槽1の攪拌軸5下
端の連結カップリング51は、受け台4中央の前記従動プ
ーリ61と係合し、また、処理槽1の開口部近傍にまで延
設された攪拌軸5の上端は、外函3の上部を覆う前記蓋
板30の閉止により、該蓋板30の下面中央に形成された凹
所に嵌合して支持される。即ち、各処理槽1内部の攪拌
軸5は、該処理槽1を夫々の受け台4上に載架して蓋板
30を閉止することにより、上下両端を支持された状態と
なり、この状態で攪拌モータ6を駆動することにより、
駆動プーリ60及び伝動ベルト62を介して従動プーリ61に
伝達される回転力により安定して回転することができ、
この回転に伴う前記攪拌羽根50,50の回転により、各処
理槽1内部の処理媒質2が攪拌されることになる。
【0028】各処理槽1を支持する受け台4には、図1
に示す如く、全周に亘って数巻きに巻回されたヒータH
1 が埋設してあり、該ヒータH1 の通電に伴う発熱によ
り各処理槽1を下部から加熱すると共に、処理室3a,3b
の内部を加熱する構成となっている。また前述の如く、
処理室3a,3b底部のヒータ板31にもヒータH2 が埋設し
てあり、該ヒータH2 の通電に伴う発熱は、前記排水パ
ン32内に滞留する水の蒸発気化に供されると共に、各処
理室3a,3b内部の加熱にも供される。
【0029】而して、各処理槽1の内部に収納された処
理媒質2は、ヒータH1 の発熱により処理槽1を介して
加熱され、またヒータH1 ,H2 の発熱により昇温する
処理室3a,3b内部の空気との接触により加熱されること
になる。この加熱による処理槽1,1の内部温度は、処
理室3a,3bの内周壁に取り付けた温度センサS,Sによ
り、夫々の処理室3a,3b内部の空気温度として検出され
ている。
【0030】また図2に示す如く、処理室3a,3bの背面
には、壁板を貫通する排気孔34,34…の内側に臨ませて
排気ファン7,7が固設され、また図1に示す如く、処
理室3a,3bの上部を覆う蓋板30,30には、これらを貫通
する態様に給気孔35,35…が形成されており、排気ファ
ン7,7が駆動された場合、処理室3a,3b及び処理槽
1,1の内部には、対応する蓋板30,30の給気孔35,35
…を経て吸い込まれる外気が各別に循環し、排気孔34,
34…を経て外気に排出されるようになしてある。なお、
各排気ファン7の吐出側には、脱臭フィルタ70が付設し
てあり、排気ファン7による吸気は、脱臭フィルタ70に
よる脱臭を経て排気孔34,34…を通過し、外気に放出さ
れるようになしてある。
【0031】図3は、以上の如く構成された本発明装置
の制御系の構成を示すブロック図である。図中10は、マ
イクロプロセッサを用いてなる運転制御部であり、該運
転制御部10の入力側には、各種の運転操作を行うための
操作部11が接続され、また、前記温度センサS,Sによ
る測温結果が夫々与えられている。
【0032】一方、運転制御部10の出力は、前記攪拌モ
ータ6に駆動回路12を介して与えられ、また処理室3a内
部の受け台4及びヒータ板31に夫々埋設されたヒータH
1 ,H2 に各別の通電回路13,14を介して与えられ、同
様に、処理室3b内部のヒータH1 ,H2 に各別の通電回
路15,16を介して与えられ、更に、処理室3a,3b内部の
排気ファン7,7に各別の駆動回路17,18を介して与え
られており、攪拌モータ6を駆動しての処理媒質2の攪
拌、ヒータH1 ,H2 への通電による処理媒質2の加
熱、及び排気ファン7を駆動しての外気の循環は、これ
ら夫々に運転制御部10から与えられる動作指令に従って
行われるようになしてある。
【0033】前記操作部11は、厨芥投入時に操作される
通常運転のための運転スイッチを備えており、該運転ス
イッチの操作は、処理室3a,3bの蓋板30,30の一方又は
両方を開放して対応する処理槽1中に厨芥Aを投入し、
蓋板30を閉止した状態で行われ、この操作に応じて運転
制御部10は、攪拌モータ6と排気ファン7,7とに動作
指令を発し、これらを所定時間駆動する動作をなす。
【0034】攪拌モータ6の駆動力は、前述の如く駆動
プーリ60、伝動ベルト62を介して受動プーリ61,61に伝
達され、処理槽1,1の攪拌軸5,5に伝達される。こ
の結果、夫々の攪拌軸5に固設された攪拌羽根50,50の
回転により、両処理槽1,1内部の処理媒質2,2が攪
拌され、処理槽1,1に投入された厨芥Aは、図1に示
す如く処理媒質2中に混ぜ合わされる。また、この間の
排気ファン7,7の駆動により、処理室3a,3bの内部に
外気が導入されており、厨芥Aの混ぜ合わせのための処
理媒質2の攪拌は、新鮮な外気を取り込みつつ行われ
る。
【0035】なお、以上の攪拌は、一方の処理槽1にの
み厨芥Aの投入がなされた場合であっても両方の処理槽
1,1に対して行われるが、このとき、他方の処理槽1
の処理媒質2中にも処理中の厨芥Aが混在しており、前
記攪拌は、厨芥Aの分散及び空気の取り込みによる微生
物の活性向上に役立つ。
【0036】運転制御部10は、以上の如き厨芥投入時の
動作を終了した後、次なる厨芥の投入時まで待機動作を
なし、処理媒質2中に混ぜ合わされた厨芥Aは、この間
に分解処理される。処理槽1内部の処理媒質2は、前述
の如く、多孔質化された木質細片であり、微生物の生息
に適した環境となっており、処理媒質2中に混ぜ合わさ
れた厨芥Aは、これらと共に持ち込まれた微生物の活動
により、最終生成物たる水(H2 O)と炭酸ガス(CO
2 )とに分解され、前者は、処理媒質2中を流下し、処
理槽1底部の排水体20及び排水孔21を通過し、受け台4
の排水部40に集められて排水パン32上に流れ出し、保水
布33に保持されて滞留し、後者は、処理槽1及び外函3
の内部に放出される。
【0037】このような待機中、運転制御部10は、所定
時間毎に攪拌モータ6及び排気ファン7,7に動作指令
を発して、空気を取込みつつ処理媒質2を攪拌せしめる
と共に、ヒータH2 ,H2 に所定の動作指令を発し、該
ヒータH2 ,H2 への通電により、処理室3a,3b内部の
ヒータ板31,31を発熱せしめる動作をなす。
【0038】処理媒質2中の微生物の活性は、適正量の
空気及び水分の維持と、適温の維持とにより高められ
る。待機動作中の処理媒質2の攪拌は、適正量の空気を
取り込みつつ、厨芥Aの分解生成物たる炭酸ガスの排出
を促進すべく行われるものであり、処理媒質2からの排
出ガスは、前記排気ファン7,7の駆動により、各別の
処理槽1,1内部を循環する空気と共に搬送され、排気
孔34,34…を経て外気に放出される。
【0039】また待機動作中のヒータH2 ,H2 への通
電は、処理槽1,1の底部から排水パン32,32上に流れ
出し、保水布33,33に保持された水を加熱して蒸発気化
せしめるべく行われるものであり、蒸発した水は、処理
媒質2から発生する前記炭酸ガスと共に排気ファン7,
7に吸い込まれ、外気に放出される。なお、厨芥Aの分
解により生成される炭酸ガスと、生成水の蒸発により発
生する水蒸気とは、若干の臭気を含むが、この臭気は、
排気孔34,34…に前置された脱臭フィルタ70により外気
への放出前に除去される。
【0040】また処理媒質2は、前述の如く、保水性に
優れており、厨芥Aと共に導入される水と厨芥Aの分解
により生成される水とを適宜に取り込み、自身の水分量
を適正に自動調整するから、使用初期に所定の水分を供
給するのみでよく、水分量の適正化のための手段は不要
である。
【0041】更に、処理槽1,1の内部温度は、処理媒
質2中での微生物の活動に伴う発生熱により、ある程度
の自動調整が行われる。ところが、寒冷地での使用、長
期間の中断後における再使用の場合等、前記自動調整に
よる適温の実現が難しいことから、待機動作中の運転制
御部10は、処理槽1,1の内部温度を各別の温度センサ
S,Sからの入力により認識し、これらと目標温度との
比較結果に基づいて、対応する受け台4に埋設されたヒ
ータH1 に動作指令を夫々発し、これらへの通電により
処理槽1,1を各別に加熱し、処理媒質2の内部温度を
適正温度に維持する温度制御動作をなす。なお、この温
度制御動作に際し、ヒータ板31に埋設されたヒータH2
への通電を補助的に行ってもよい。
【0042】処理槽1内部の適正温度は、処理対象とな
る厨芥Aの種類に応じて異なり、野菜を主体とする厨芥
を処理する場合の適正温度は、20〜40℃であるのに対
し、肉類、雑穀類等、たんぱく質及びでんぷん質からな
る厨芥を処理する場合の適正温度は、50〜60℃である。
前記温度制御における目標温度は、処理槽1,1の夫々
に対し各別に設定することができ、また処理槽1,1
は、運転制御部10の動作により各別に通電制御されるヒ
ータH1 ,H1 を備えるから、例えば、一方の処理槽1
に対する目標温度を20〜30℃に、他方の処理槽1に対す
る目標温度を50〜60℃に夫々設定し、前者を野菜用、後
者を肉及び雑穀用として夫々指定することにより、投入
される厨芥Aは、その種類に応じた適正温度下にて常に
処理されるようになり、全体としての処理能力の向上を
図ることができる。
【0043】なお、前記目標温度は、製造段階において
予め設定してもよく、また、運転制御部10の入力側の操
作部11に厨芥指定のためのスイッチを設け、使用者によ
る該スイッチの操作に応じて夫々の処理槽1,1に対す
る目標温度を設定するようにしてもよい。このようにし
た場合、例えば、多量の厨芥Aが一時的に発生した場
合、一方の処理槽1にこれらを投入すると共に他方の処
理槽1の厨芥指定を解除し、前者における多量の厨芥処
理の間、この間に発生する他の厨芥を後者により処理さ
せることにより、処理不能の発生を回避できる。このこ
とは、複数の処理槽1,1を備える本発明装置の構成に
より実現されるものである。
【0044】更に、前記操作部11には、乾燥運転を指定
する乾燥スイッチが配してある。この乾燥スイッチは、
微生物による分解が困難又は不可能な物質、例えば、割
箸、楊枝、ビニール及び貝殻等が、厨芥Aと共に処理槽
1に投入され、長期の使用により処理媒質2中に多く混
在する状態となり、微生物の生息環境の悪化により処理
能力の低下を来す虞れがある場合、内部の処理媒質2と
共に処理槽1,1の取り換えを行う際に操作されるスイ
ッチであり、乾燥スイッチの操作に応じて運転制御部10
は、ヒータH1 ,H2 と排気ファン7とに連続的な動作
指令を発する乾燥制御動作を行う。なおこの乾燥制御動
作は、通常、一方の処理槽1に対してのみ実施され、こ
の間他方の処理槽1においては、前述した温度制御動作
が継続される。このことは、ヒータH1 ,H2 と排気フ
ァン7とが、処理室3a,3bの内部に各別に設けてあるこ
とにより可能となる。
【0045】前記乾燥制御動作により、ヒータH1 ,H
2 が連続的に発熱し、対応する処理槽1は、これに対し
て設定された適正温度を超えて加熱され、この加熱によ
り、処理媒質2及びこれに混在する厨芥Aに含まれる水
分が蒸発し、処理槽1の上部空間、及び外函3の内部に
溜まる。一方このとき、排気ファン7も連続運転されて
いるため、処理槽1及び外函3の内部には、前記吸気孔
35から導入されて前記排気孔34を経て排出される外気の
流れが生じており、この外気の流れと共に前記加熱によ
り蒸発した水分が搬送され、外函3の外部に連続的に排
出されることになり、処理媒質2及び厨芥Aは、保有水
分を徐々に失って乾燥せしめられる。
【0046】処理媒質2の交換のための処理槽1の取り
換えは、対応する側の蓋板30を開放し、処理槽1を上部
に引き出し、新たな処理槽1を外函3内に導入して受け
台4上に載架する手順にて行われる。ところが、厨芥処
理のための通常運転の間の処理媒質2の重量は、厨芥A
の処理能力が1kg/日前後であるという条件下にて、適
正量の水分を含んだ状態で20kg前後にも達する。更に、
処理槽1の取り換えが必要となるときには、処理媒質2
中に、分解中の厨芥A及び分解不可能な物質が混在して
おり、これらを含む処理槽1の全重量は、20kgをかなり
上回るようになり、このような重量物を外函3の上部に
直接的に引き出すには困難を伴う。
【0047】本発明装置は、複数の処理槽1,1を備え
ることから、1つの処理槽1の重量を低く抑えることが
でき、処理媒質2交換のための処理槽1の引き出しが容
易に行える。
【0048】また、通常運転中の処理媒質2は、全重量
の70%前後の水分を保有しており、また処理媒質2中の
厨芥Aは、全重量の80%前後の水分を保有している。前
述した乾燥運転は、これらの保有水分を除去し、処理槽
1の重量を減らし、外函3からの引き出しを容易化する
ために行われる。例えば、20kgの処理媒質2中に未処理
又は処理中の厨芥Aが6kg混在している条件下にて、前
述した乾燥運転により処理媒質2及び厨芥Aの保有水分
が80%除去された場合、乾燥運転後の処理媒質2及び厨
芥Aの重量は、夫々 8.8kg及び 2.2kgとなり、これらを
含む処理槽1全体の重量は、20kgをかなり下回る程度に
抑えることができ、処理媒質2交換のための処理槽1の
引き出しが、更に容易に行えるようになる。
【0049】またこの引き出しに際し、処理媒質2が水
分を含まないことから、処理槽1底部の前記排水孔21か
らの生成水の漏下も殆どなく、漏出水による周囲の汚損
を最小限に抑えることができる。
【0050】処理槽1,1の取り換えの要否は、分解不
能な物質の滞留により処理媒質2の嵩が増大することか
ら、日々行われる厨芥Aの投入毎に、処理槽1,1内部
を観察することにより判定できる。図1に示す処理槽
1,1の内面には、本来の処理媒質2の上面レベルより
も十分上の位置に目盛り線B,Bが形成してある。これ
らの目盛り線B,Bは、処理槽1,1の取り換えのため
の目安となすべく形成されたものであり、処理槽1,1
の取り換えは、夫々の内部における処理媒質2の上面レ
ベルが、嵩の増大により前記目盛り線Bに達したときに
行えばよい。
【0051】取り換え用の処理槽1は、図4に示す如
く、上側の開口を上蓋8により、また底面の外側を下蓋
9により夫々閉止した状態で供給される。上蓋8は、薄
肉円板形をなす部材であり、周縁部を弾性的に屈曲せし
めて形成された弾性縁80を備えており、これを処理槽1
の上側開口部の内周に押し込み、図示の如く装着されて
いる。また下蓋9は、浅底皿形をなす部材であり、周縁
を立ち上げて形成された嵌合縁90を備えており、これを
処理槽1の底部外周に嵌め合わせ、図示の如く装着され
ている。
【0052】このように供給される処理槽1は、図中に
2点鎖線にて示す如く上蓋8及び下蓋9を取り外し、こ
の状態で外函3内に導入されて、前述の如く、受け台4
上に載架支持せしめて使用される。このとき、処理槽1
内部の処理媒質2は乾燥状態にあり、受け台4上への載
架後、処理槽1の内部に適宜量の水を供給することによ
り使用が可能となる。
【0053】なお、受け台4上への処理槽1の載架に際
しては、処理槽1底部の排水孔21の形成位置と、受け台
4の前記排水部40とを整合させる必要がある。このこと
は、例えば、処理槽1上縁に排水孔21の周方向位置を示
す合わせマークを形成し、また、処理室3a,3bの上部開
口に、夫々の内部における前記排水部40の周方向位置を
示す合わせマークを形成しておき、処理槽1の導入に際
し、これらの合わせマークを整合せしめることにより容
易に実現される。
【0054】処理槽1には、図4に示す如く、半円形の
屈曲形状をなす把手22が、その基端を処理槽1の上縁近
傍に係合せしめて取り付けてあり、処理媒質2の交換時
における処理槽1の取扱いは、前記把手22を把持して行
われ、該把手22は、処理槽1を受け台4上に載置した
後、厨芥Aの投入に支障を来たさないよう、処理槽1の
外径に沿わせて倒しておく。
【0055】図示の如く、上蓋8の嵌合部となる処理槽
1上部の内周と、下蓋9の嵌合部となる処理槽1底部の
外周とは略同径となっており、前述の如く取り外された
上蓋8と下蓋9とは、前者の弾性縁80を後者の嵌合縁90
に嵌め合わせることにより、図5に示す如く、両者の内
側を突き合わせた状態で一体化することができ、これら
は、図1及び図2に示す如く、外函3外部の一側に設け
られたラック36に立て掛けられて保管される。
【0056】一方、処理媒質2の交換のために外函3か
ら引き出された処理槽1は、上蓋8及び下蓋9を前述し
た如く装着し、図4に示す状態で保管される。この保管
中においても処理媒質2中では、微生物の活動により厨
芥Aの分解が行われており、前記上蓋8には、内側を脱
臭フィルタ81を介して排気孔81が形成され、前記分解に
より生成される炭酸ガスは、脱臭フィルタ81による脱臭
の後、排気孔82を経て排出されるようにしてある。ま
た、前記分解による生成水の大部分は、処理槽1底部の
排水孔21を経て漏出し、下蓋9上に溜まるが、生成水の
一部は、処理槽1の上部空間に水蒸気として充満する。
上蓋8の内面には、このような水蒸気を吸着すべく、高
分子吸水体83が取り付けてある。
【0057】なお本実施例においては、乾燥運転時にヒ
ータH1 及びH2 に連続通電する構成としてあるが、所
定時間毎に間欠通電するようにしてもよい。但し、処理
媒質2及び厨芥Aの保有水分を前述したレベルに除去す
るためには、連続通電によっても1日程度の時間を要
し、間欠通電によった場合、所要時間が更に増すという
問題がある。
【0058】一日程度の乾燥運転は、夜間を利用して行
うことにより、日々発生する厨芥Aの処理に支障を来す
ことなく行えるが、複数の処理槽1,1を備える本発明
装置においては、一方の処理槽1が乾燥運転中である場
合でも他方の処理槽1は通常運転状態にあり、日々の厨
芥処理に支障を来すことはない。
【0059】また、処理槽1内部を加熱するための加熱
手段は、本実施例中に示す如く配されたヒータH1 及び
2 に限るものではなく、他の配設態様を採用してもよ
く、例えば、蓋板30に形成された吸気孔35,35…の出口
部にヒータを取り付け、該ヒータの発生熱により処理槽
1を上方から加熱するようにしてもよい。
【0060】更に本実施例においては、2つの処理槽
1,1を備えた場合について説明したが、3つ以上の処
理槽を備える構成も本発明の範囲に含まれることは言う
までもない。
【0061】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明装置において
は、複数個の処理槽を備えたから、各処理槽を小型,軽
量に構成でき、またこれらの処理槽を各別の受け台上に
載架支持したから、夫々の受け台に対する処理槽の着脱
により、処理媒質の交換のための処理槽の取り換えが容
易となる。
【0062】また、複数個の処理槽の夫々に加熱手段を
備えたから、これらの加熱手段の加熱により各処理槽の
内部温度を異ならせ、種々の厨芥を夫々に適した温度下
にて分解処理できるようになり、またこの内部温度を所
定温度に維持すべく、夫々の加熱手段を制御する温度制
御手段を備えたから、各処理槽を厨芥の種類に応じた適
正温度に維持できるようになり、全体としての処理能力
が向上する。
【0063】更に、複数個の処理槽内部の処理媒質及び
厨芥を乾燥せしめるべく、夫々の処理槽の加熱手段を各
別に制御する乾燥制御手段を備えたから、処理媒質の交
換のための処理槽の取り換えに際し、処理媒質及び厨芥
の含有水分の除去により処理槽の重量を軽減でき、処理
槽の取り換えが更に容易となり、また一方の処理槽での
乾燥運転中に他方の処理槽での厨芥処理が可能となり、
厨芥の投入を中断する必要がない等、本発明は優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の正面断面図である。
【図2】本発明装置の平面断面図である。
【図3】本発明装置の制御系のブロック図である。
【図4】取り換え用の処理槽を示す正面断面図である。
【図5】処理槽上下の蓋を一体化した状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 処理槽 2 処理媒質 3 外函 3a 処理室 3b 処理室 4 受け台 5 攪拌軸 6 攪拌モータ 7 排気ファン 8 上蓋 9 下蓋 10 運転制御部 11 操作部 30 蓋板 31 ヒータ板 32 排水パン 34 排気孔 35 吸気孔 50 攪拌羽根 A 厨芥 H1 ヒータ H2 ヒータ S 温度センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理媒質を収納する処理槽の内部に厨芥
    を投入し、前記処理媒質中に生息する微生物の活動によ
    り分解処理する厨芥処理装置において、前記処理槽を複
    数個備え、これらを各別の受け台上に載架させてあるこ
    とを特徴とする厨芥処理装置。
  2. 【請求項2】 複数個の前記処理槽の内部を各別に加熱
    する加熱手段を備える請求項1記載の厨芥処理装置。
  3. 【請求項3】 複数個の前記処理槽内部の温度を所定温
    度に維持すべく、夫々の処理槽の前記加熱手段を各別に
    制御する温度制御手段を備える請求項2記載の厨芥処理
    装置。
  4. 【請求項4】 複数個の前記処理槽内部の前記処理媒質
    及び前記厨芥を乾燥せしめるべく、夫々の処理槽の前記
    加熱手段を各別に制御する乾燥制御手段を備える請求項
    2又は請求項3記載の厨芥処理装置。
JP6107008A 1994-05-20 1994-05-20 厨芥処理装置 Pending JPH07308654A (ja)

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