JP2004025117A - 生ごみ処理機 - Google Patents
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A50/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
- Y02A50/20—Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
Abstract
【課題】生ごみ処理機本体と分割して設けられた脱臭ユニット内で生じる熱を有効活用し、エネルギー効率をより向上させることができる生ごみ処理機を提供する。
【解決手段】吸気取込口57から取入れられ、脱臭槽70や排気ファン66からの放出熱により温暖に加熱された脱臭ユニット本体カバー7内の雰囲気を、吸気導出口58及び接続ダクト59を介して生ごみ処理機カバー6に設けた吸気導入口17に吸気として導き、この温暖な吸気を吸気ダクト18を介して処理槽20内に導く構成とする。一方、処理槽20内で発生するガスや水蒸気等は、排気ダクト4を介して脱臭ユニット2内に導かれる構成とする。
【選択図】 図13
【解決手段】吸気取込口57から取入れられ、脱臭槽70や排気ファン66からの放出熱により温暖に加熱された脱臭ユニット本体カバー7内の雰囲気を、吸気導出口58及び接続ダクト59を介して生ごみ処理機カバー6に設けた吸気導入口17に吸気として導き、この温暖な吸気を吸気ダクト18を介して処理槽20内に導く構成とする。一方、処理槽20内で発生するガスや水蒸気等は、排気ダクト4を介して脱臭ユニット2内に導かれる構成とする。
【選択図】 図13
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投入された生ごみを減量化する生ごみ処理機に係り、特に生ごみ処理機本体とは別にユニット化された脱臭装置にて生じる熱をも有効活用し、エネルギー効率をより向上させることができる生ごみ処理機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生ごみ処理機は、通常、内部に処理槽を備えており、この処理槽にて、投入された生ごみを分解処理したり乾燥処理したりすることで減量化処理するようになっている。前者の生ごみを分解処理するものでは、処理槽内に微生物の生息する媒体を収容しており、この媒体と生ごみとを適宜混合することにより、微生物の分解作用により生ごみを分解し減量化する。従って、十分な機能を発揮させるためには、処理槽内の換気を行って、微生物に新鮮な空気を供給すると共に、分解作用により生じた分解ガス等を処理槽外に排気し、微生物の活性化を促す必要がある。
【0003】
このとき、一般的に、微生物の活性化に好適な温度環境を作り出すために、処理槽の加熱手段を設けているものも多いが、何らかの熱を利用して処理槽に導く吸気の温度を上昇させることができれば、吸気による媒体の加熱効果も加わり、加熱手段の負担軽減を図ることができるので、エネルギー効率の面で有利な点となる。またこのことは、上記の生ごみを乾燥処理する生ごみ処理機であっても、処理槽内に導く吸気の温度が高ければ、それだけ生ごみの乾燥に用いる加熱手段の負担を軽減することができ、同様のことが言える。
【0004】
上記のように、吸気を加熱して処理槽に送り込むものとしては、例えば特開2000−70905号公報に記載の生ごみ処理機(有機物処理装置)等、既に様々なものが提唱されている。この特開2000−70905号公報に記載の生ごみ処理機は、微生物により生ごみを分解処理するものであり、処理槽への吸気管路と、処理槽からの排気管路と、この排気管路中に設けた脱臭装置とを有している。この脱臭装置は、加熱手段と触媒を用いて排気を加熱脱臭するものであるため、この脱臭装置を通過した後の排気は比較的高温となる。そこで、上記従来技術においては、吸気管路と排気管路とを処理槽の下部空間を経由させることにより、排気管路を処理槽の加熱手段として用いると共に、排気管路と吸気管路との間で熱交換させることで吸気を暖め、エネルギー効率を図るようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、2001年5月、いわゆる食品リサイクル法が施行され、食品関連事業者(例えば、製造、流通、外食産業等)のうち、食料品の廃棄量が年間百トン以上の事業者には、数値目標を課し、取り組みが著しく不十分である場合、勧告・公表・命令を行うことができるとされた。こうした背景の下、近年、飲食店や食品加工業者、又各種施設の食堂等で発生する大量の生ごみを処理対象とするような、業務用の生ごみ処理機へのニーズが高まりつつある。
【0006】
こうした業務用の生ごみ処理機においては、大量の生ごみを処理する必要があるため、必然的に、例えば処理槽等といった内蔵の各設備が大型化し、これに伴って生ごみ処理機自体が大型化する傾向にある。従って、設置スペース等を考えた場合、例えば、処理槽からの排気を脱臭する脱臭装置等は、ユニット化して生ごみ処理機本体とは別装置の脱臭ユニットとして設置する必要性が生じる場合もある。
【0007】
しかしながら、生ごみ処理機本体とは別に脱臭ユニットを設けた場合、従来、例えば排気ファンや脱臭装置そのもの等、脱臭ユニット側の内蔵設備の放出熱は有効に利用されることなく、回収されずに大気放出されるのが一般的であった。
【0008】
本発明は、上記の事柄に鑑みてなされたものであり、その目的は、生ごみ処理機本体と分割して設けられた脱臭ユニット内で生じる熱を有効活用し、エネルギー効率をより向上させることができる生ごみ処理機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、投入された生ごみを処理槽に受け入れ、この処理槽にて前記生ごみを減量化処理する生ごみ処理機本体と、この生ごみ処理機本体と分割して設けられ、前記処理槽からの排気を脱臭する脱臭装置を内蔵した脱臭ユニットと、この脱臭ユニットの脱臭ユニット本体カバーに設けられ、前記脱臭ユニット内に吸気を取入れる吸気取込口と、前記脱臭ユニット本体カバーに設けられ、前記吸気取込口から取入れた吸気を前記脱臭ユニット外に導出する吸気導出口と、前記生ごみ処理機本体の処理機本体カバーに設けられ、前記吸気導出口に接続される吸気導入口と、前記生ごみ処理機本体内に設けられ、前記吸気導入口から取り入れた吸気を、前記処理槽内に導く吸気ダクトと、前記生ごみ処理機本体及び前記脱臭ユニットを接続し、前記処理槽からの排気を前記脱臭装置内に導く排気ダクトとを備える。
【0010】
本発明においては、生ごみ処理機本体と脱臭ユニットとを分割して設けており、脱臭ユニット本体カバーに設けた吸気導出口から導出された吸気が、処理機本体カバーに設けた吸気導入口を介して生ごみ処理機本体側に導かれ、吸気ダクトを介して処理槽内に導入される。このとき、脱臭ユニット内の雰囲気は、脱臭装置等の内蔵設備からの放出熱により温暖になっている。
【0011】
つまり、本発明は、脱臭ユニット内の温暖な雰囲気を処理槽内に導くことにより、脱臭ユニットを生ごみ処理機本体とは別に設けた場合、従来、特に有効利用されずに排熱されていた脱臭ユニット内で副次的に発生する熱をも有効活用することができる。これにより、処理槽を加熱する加熱源の負担を軽減することができ、簡易な構成で効果的にエネルギー効率を向上させることができる。
【0012】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記脱臭ユニット本体カバー内の排気経路中に設けられ、前記処理槽内の換気を促進する排気ファンを備える。
【0013】
これにより、脱臭ユニット内の雰囲気は、排気ファンの放出熱により更に温暖になり、その結果、処理槽内に導かれる吸気を更に温暖なものとすることができる。
【0014】
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記吸気導出口と前記吸気導入口とを接続する接続管路を備える。
【0015】
(4)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記吸気導出口と前記吸気導入口とが対向し接続するよう、前記生ごみ処理機本体と前記脱臭ユニットとを隣接配置する。
【0016】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれか1つにおいて、また好ましくは、前記処理槽を加熱する加熱ヒータを設け、前記吸気ダクトは、前記加熱ヒータの近接領域を経由する。
【0017】
これにより、吸気ダクト内を流れる吸気を、加熱ヒータから放出される熱により更に加熱することができ、よりエネルギー効率を向上させることができる。
【0018】
(6)上記(1)乃至(5)のいずれか1つにおいて、また好ましくは、前記脱臭ユニットは、前記脱臭ユニット本体カバーの各側壁に前記吸気導出口を備え、これら吸気導出口のうち、前記脱臭ユニットの配置に応じて前記吸気導入口に接続するもののみを選択的に開口させ、他のものを閉塞させる。
【0019】
(7)上記(1)乃至(6)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記処理槽は、前記生ごみを分解する微生物が混入されている処理媒体を収容する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の生ごみ処理機の一実施の形態の全体構造を表す正面図、図2はその上面図、図3は図1中右側から見た側面図である。これら図1乃至図3において、1は投入された生ごみの減量化処理を行う生ごみ処理機本体、2はこの生ごみ処理機本体1からの排気に含まれる臭気を除去する脱臭ユニットである。これら生ごみ処理機本体1及び脱臭ユニット2は、排気管路3(図2参照)により接続されている。この排気管路3は、例えばフレキシブルホース等で構成した排気ダクト4(図2参照)と、この排気ダクト4の両端に接続した継ぎ手5a,5b(図2参照)とで構成されている。また、継ぎ手5a,5bは、それぞれ生ごみ処理機本体1及び脱臭ユニット2の各本体カバー6,7の上面に設けられている。8は排気ダクト4を保護するホースカバーである。
【0021】
上記継ぎ手5a,5bは、それぞれ生ごみ処理機本体1及び脱臭ユニット2の本体カバー6,7上面に回転可能に支持されている。これにより、図1及び図2では、脱臭ユニット2を生ごみ処理機本体1の正面に向かって左側(図2中左側)にレイアウトした例を図示したが、排気ダクト4の方向を変え、例えば脱臭ユニット2を生ごみ処理機本体1の背面側(図2中上側)に配置変更することも可能な構成となっている。また、図1及び図2では、生ごみ処理機本体1と脱臭ユニット2とを間隙を介して配置した例を図示したが、排気ダクト4を短くし、互いがほぼ当接するようにレイアウトしても構わない。このとき、生ごみ処理機本体1及び脱臭ユニット2のそれぞれの本体カバー6,7の上面には、それぞれ複数個づつ(この例では4つづつ)の吊り管9が設けられており、生ごみ処理機のレイアウト変更、或いは設置・撤去等の際、生ごみ処理機本体1及び脱臭ユニット2をそれぞれワイヤ等で容易に吊り上げられるように配慮されている。
【0022】
また、処理機本体カバー6の片側側面(本例では図1中右側の側面)のほぼ全体及び正面(図1中紙面直交方向手前側の面)のほぼ中央部分には、開閉扉6a,6bが設けられており、内蔵設備のメンテナンスや処理媒体(後述)の交換作業への配慮がなされている。具体的には、開閉扉6aは、両開きの扉であって主に後述の制御装置45や駆動装置36等のメンテナンス時に用いられるものであり、開閉扉6bは、片開きの扉であって主に処理媒体交換時に用いられるものである。
【0023】
また、脱臭ユニット本体カバー7の図2中左側及び上側の側面にも、開閉扉7a,7bが設けられており、内蔵設備のメンテナンスや脱臭媒体(後述)の交換作業への配慮がなされている。これら開閉扉7a,7bは共に両開きの扉であって、特に開閉扉7aは主に後述の排気ファン66のメンテナンスや脱臭媒体の交換時に用いられるものであり、開閉扉7bは主にフィルタ(後述の第1及び第2フィルタ64,65、後の図10参照)交換時に用いられるものである。
【0024】
10は生ごみの投入口27(後の図5参照)を開閉する投入蓋で、この投入蓋10は、処理機本体カバー6の正面側(図2中下側)上部に設けられている。11は投入蓋10を開閉駆動する電動の駆動装置で、この駆動装置11は、処理機本体カバー6の上面に固定され、かつ生ごみ処理機本体1の開閉蓋10の支軸に直結している。また、図1及び図2には図示していないが、生ごみ処理機本体1には、投入蓋10の開閉状態を検出するリミットスイッチ12(後の図12参照)が設けられている。なお、13は運転に関わる操作や設定、記録、表示等を行う操作盤である。操作盤13の位置に関しては特に限定されるものではないが、本例では、生ごみ投入時、投入蓋10の開閉と生ごみ投入の様子を目視確認できるよう、図1に示すように生ごみ処理機本体1の正面向かって右側の部分に配置している。
【0025】
図4乃至図6は、生ごみ処理機本体1の内部構造を詳細に表す図で、図4は図2中IV−IV断面による断面図、図5及び図6はそれぞれ図4中V−V断面、VI−VI断面による側断面図である。これら図4乃至図6において、15は生ごみ処理機本体1のベースフレームで、このベースフレーム15は、下部に複数(この例では5本)設けた脚16を介して接地すると共に、上記処理機本体カバー6を支持している。17は脱臭ユニット2内の雰囲気を生ごみ処理機本体1内に取り入れる吸気導入口で、この吸気導入口17は、処理機本体カバー6の長手方向一方側側面(図4中左側側面)の下方位置に穿設されている。18はこの吸気導入口17に接続する吸気ダクトで、この吸気ダクト18は、例えばフレキシブルホース等で構成され、処理機本体カバー6内において、後述の処理槽20と接続している。なお、図4乃至図6では図示していないが、吸気ダクト18の途中には、後の図12に示すように、吸気流量を検出する風量計19aと、吸気温度を検出する温度センサ19bとが設けられている。
【0026】
20は生ごみの減量化処理が行われる略箱型の処理槽で、この処理槽20は、処理機本体カバー6内において、処理機本体カバー6の長手方向一方側(図4中左側)の側壁に近接するよう、片側にやや寄せて配置されている。また、この処理槽20には、生ごみを分解処理する微生物が混入されている処理媒体(例えばおがくず等)が収容されている。なお、処理槽20の下部側は、後述の攪拌装置30の回転軌跡に沿うように略円弧状に形成されており、また、処理槽20自体は、ほぼ全体的に断熱材(例えばウレタン等、図示せず)で覆われている。
【0027】
21aは処理媒体の温度を検出する温度センサ(図5参照)で、この温度センサ21aは、処理槽20の長手方向一方側側面(図4中左側側面)における下方位置に設けられている。なお、図4乃至図6では図示していないが、処理槽20には、後の図12に示すように、この温度センサ21aの他にも、処理槽20自体の温度を検出する温度センサ21b、処理槽20内の雰囲気温度を検出する温度センサ21cが設けられている。
【0028】
また、処理槽20には、複数(この例では4つ)の開口が設けられている。1つは生ごみ投入用の受入用開口22(図5参照)、1つは処理媒体交換用の媒体出口23(図4参照)、1つは処理槽20への吸気開口24(図5参照)、1つは処理槽20からの排気開口25(図4参照)である。受入用開口22は、処理槽20上部の正面側(図4中紙面直交方向手前側)における長手方向(図4中左右方向)ほぼ中央に穿設されている。また、吸気開口24は、処理槽20の長手方向他方側側壁(図4中右側側壁)における上方位置に穿設されている。上記の吸気ダクト18の先端は、この吸気開口24に接続している。上記排気開口25は、処理槽20上面における長手方向一方側(図4中左側、即ち吸気開口24と反対側)位置に穿設されている。
【0029】
媒体出口23は、処理槽20下部側における長手方向(図4中左右方向)ほぼ中央位置に設けられている。26は媒体出口23の開閉扉(図5参照)で、この開閉扉26は、処理槽20の外壁に取付けられており、処理媒体交換時には、処理機本体カバー6に設けた前述の開閉扉6bと、この開閉蓋26を開け、媒体出口23を介して使用済み処理媒体を取出すようになっている。
【0030】
ここで、図7は、図5中のVII部拡大図であり、受入用開口22近傍部分の詳細図である。この図7において、27は処理機本体カバー6に設けた生ごみの投入口である。この投入口27は、処理機本体カバー6上部における処理槽20の受入用開口22に対応した位置に取付けられた筒体で、その先端が受入用開口22と間隙を保ちつつ、受入用開口22を介して処理槽20内に臨んでる。28は可撓性又は伸縮性を有する部材で構成された封止体で、この封止体28は、受入用開口22及び投入口27の周囲を取り囲むようにして、その両端が、投入口27の外周側において互いに対向する処理槽20の外壁面と処理機本体カバー6内壁面とに接続されている。本例では、例として、この封止体28に伸縮可能な蛇腹状の筒状部材を用いている。
【0031】
また、図8は、図4中VIII−VIII断面による断面図で、排気開口25近傍部分の詳細図である。この図8に示すように、排気開口25は、上記した継ぎ手5aの先端部分を取り囲むような形で処理槽20に設けられている。言い換えれば、継ぎ手5aは、処理機本体カバー6上面における排気開口25に対応した位置に設けられており、その先端が排気開口25と間隙を保ちつつ、排気開口25を介して処理槽20内に臨むんでいる。29は可撓性又は伸縮性を有する部材で構成された封止体で、この封止体29は、排気開口25及び排気管路3の継ぎ手5aの周囲を取り囲むようにして、その両端が、投入口27の外周側において互いに対向する処理槽20の外壁面及び処理機本体カバー6の内壁面に接続されている。本例では、例として、この封止体29に伸縮可能な蛇腹状の筒状部材を用いている。
【0032】
図4乃至図6に戻り、30は処理槽20内に設けた攪拌装置で、この攪拌装置30は、処理槽20内に投入された生ごみと、処理槽20内の処理媒体とを適宜攪拌するものである。この攪拌装置30は、処理槽20の長手方向(図4中左右方向)と略平行となるよう略水平に配設した回転軸31と、この回転軸31に取付けた板状の取付部材32と、この取付部材32に固定した攪拌翼33とで構成されている。攪拌翼33は、取付部材32に対し、回転軸31の径方向に延在するよう、ボルト34(図5参照)により締結されている。また、この攪拌翼33は、その先端部の回転軌跡が処理槽20下部の内壁面に近接する程度の長さに成形されている。
【0033】
また、繁雑防止のために、図4においては取付部材32及び攪拌翼33を1つづつ図示したが、実際には、回転軸31に対し、軸方向にほぼ一定の間隔で、複数組の取付部材32及び攪拌翼33が設けられる。また、特に限定されるものではないが、各攪拌翼33を、それぞれの取付角度が回転軸31周方向にずれるように設け、回転軸31軸方向から見て(つまり図5で見て)、攪拌翼33が回転軸31に対して放射状に設けらるようにすると好ましい。なお、35は回転軸31の軸受で、この軸受35は、処理槽20の長手方向(図4中左右方向)両側面の外壁部分に設けられている。
【0034】
36は攪拌装置30を回転駆動させる軸直交型の駆動装置で、この駆動装置36は、処理機本体カバー6内における処理槽20の長手方向他方側(図4中右側)のスペースに設けられ、処理機本体カバー6の長手方向他方側(図4中右側)の側壁に近接するよう配設されている。この駆動装置36は、内部に駆動軸(図示せず)を有する駆動部37と、ギア部38と、出力軸39とを備えている。出力軸39は、駆動部36内の駆動軸とほぼ直交するようになっており、これら駆動軸及び出力軸39間の動力伝達は、ギア部38内の、例えばベベルギア(図示せず)等によりなされるようになっている。そして、図4に示すように、駆動装置36は、駆動部37内の駆動軸の軸線が上記回転軸31の軸方向(処理槽20の長手方向、図4中左右方向)と略直交し、出力軸39の軸線が上記回転軸31の軸方向(処理槽20の長手方向、図4中左右方向)と略平行となるよう配置されている。
【0035】
40は駆動装置36の出力軸39先端部に設けたスプロケット、41は攪拌装置30の回転軸31の長手方向一方側(図4中右側)端部に設けたスプロケットである。42はこれらスプロケット40,41に巻回した駆動伝達チェーンで、上記出力軸39からの駆動力は、これらスプロケット40、駆動伝達チェーン42、スプロケット41を介し、攪拌装置30の回転軸31に伝達されるようになっている。なお、この駆動伝達構造に関しては、例えばスプロケット40,41をプーリに置き換え、これらをベルトで連結する構造としても良い。
【0036】
45は各機構の動作を制御する制御装置で、この制御装置45も処理機本体カバー6内における処理槽20の長手方向他方側(図4中右側)のスペースに設けられ、処理機本体カバー6の長手方向他方側(図4中右側)の側壁に近接するよう配設されている。このように、制御装置45及び駆動装置36は、共に処理機本体カバー6内の長手方向一方側(図4中右側)に設けられており、上記開閉扉6a(図3参照)が開かれた場合に、共に外部に臨むように配置されている。この制御装置45は、生ごみ処理機に備えられた各駆動(作動)装置、各検出器(センサ)、上記操作盤13等と電気的に接続されている。
【0037】
46は上記処理槽20、駆動装置36、制御装置45を支持する支持板で、この支持板46は、上記ベースフレーム15上方に独立して設けてある。この支持板46上における処理槽20、駆動装置36、制御装置45の各位置を詳述すると、まず処理槽20は、支持板46の長手方向一方側(図4中左側)に寄せてレイアウトされている。そして、駆動装置36及び制御装置45は、処理槽20の他方側(図4中右側)に創出された支持板46上のスペースに配置される。但し、この例においては、図6に示すように、駆動装置36を背面側(図6中右側)に、制御装置45を正面側(図6中左側)に配置している。なお、このレイアウトにおいては、処理槽20、駆動装置36、制御装置45の各設定重量を基に、トータルの重量バランスがほぼ支持板46の中央に位置するよう予め考慮しておくことが望ましい。
【0038】
50は生ごみ減量分を求めるためのロードセルで、このロードセル50は、ベースフレーム15及び支持板46の4隅近辺に介設されている。ロードセル50の検出重量は、処理槽20及びその内容物(生ごみ及び処理媒体)、駆動装置36、制御装置45、及びこれらを支持する支持板46の合計重量となるが、処理槽20の重量は、日々の生ごみの投入量及び減量により変動するものである。ロードセル50は、この時々刻々と変動する検出重量(検出信号)を制御装置45に出力するものであり、制御装置45が、この検出信号を基に処理槽20の内容物の重量変化を随時演算するようになっている。
【0039】
51は処理媒体に給水する給水装置(図5にのみ図示)で、この給水装置51は、処理槽20内に設けたノズル52と、このノズル52に例えば水道等の水を導くホース53(後の図12参照)と、このホース53の途中に設けた電磁弁54(後の図12参照)とで構成されている。電磁弁54は、制御装置45からの指令信号により開閉するものである。即ち、制御装置45は、ロードセル50の検出重量を基に、処理媒体の含水率が適正範囲を下回ったと判断した場合には給水、含水率が適正範囲にある(又は復帰した)と判断した場合には断水するよう、電磁弁54に指令信号を出力するようになっている。なお、電磁弁54の操作は、上記操作盤13による手動操作も可能な構成となっている。なお、ホース53の途中には、後の図12に示すように、流量計55が設けられており、その検出信号を基に、制御装置45により給水量が演算されるようになっている。
【0040】
56は加熱ヒータ(図5参照)で、この加熱ヒータ56は、例えばプレート状の電熱ヒータ等により構成され、処理槽20の外周下部側外壁面に複数貼設されている。この加熱ヒータ56も、制御装置45によりON/OFF制御されるものである。即ち、制御装置45は、上記温度センサ21aの検出信号を基に、処理槽20の内容物の温度が適正範囲を下回ったと判断した場合には加熱ヒータ56をONの状態に、適正範囲にある(又は適正範囲に復帰した)と判断した場合には加熱ヒータ56をOFFの状態にするようになっている。また、制御装置45により、ロードセル50の検出信号から内容物の過度な含水率上昇を検知した場合等に、水分を蒸発させ含水率を適正範囲に復帰させるよう、加熱ヒータ56を作動させるようにしても良い。言うまでもないが、含水率が適正範囲に復帰したと判断した場合には加熱ヒータ56を停止させるようにする。なお、図4に示すように、前述の吸気ダクト18は、これら加熱ヒータ56の近接領域を経由して処理槽20に接続している。
【0041】
図9乃至図11は、脱臭ユニット2の内部構造を詳細に表す図で、図9は図1中IX−IX断面による水平断面図、図10及び図11は、それぞれ図9中X−X断面、XI−XI断面による断面図である。これら図9乃至図11において、60は脱臭ユニット2のベースフレームで、このベースフレーム60は、接地すると共に、上記脱臭ユニット本体カバー7を支持している。なお、特に図示しないが脱臭ユニット本体カバー7の内面側には、断熱材(例えばウレタン等)が貼り付けてある。
【0042】
57は吸気取込口、57aはこの吸気取込口に取付けた吸気ガラリ、58は吸気導出口である。吸気取込口57は、脱臭ユニット本体カバー7の一端側(図10中右側側壁)の上部に設けられており、処理槽20内に供給される吸気は、この吸気取込口57から最初に取込まれる。吸気導出口58は、脱臭ユニット本体カバー7における、処理機本体カバー6の吸気導入口17(図4参照)に対応する位置に設けられており、図1に示すように、接続ダクト59を介して吸気導入口17に接続している。この接続ダクト59の両端は、特に限定されるものではないが、例えばボルト(図示せず)等により、処理機本体カバー6及び脱臭ユニット本体カバー7に固定されている。
【0043】
なお、特に図示していないが、吸気導出口58は、脱臭ユニット本体カバー7の4つの各側壁において、吸気導入口17と対応する位置関係となるよう設けられており、脱臭ユニット2の配置により、吸気導入口17に対応するもの(生ごみ処理機本体1との対向する側壁に設けられもの)のみが、接続ダクト59を介して吸気導入口17に選択的に接続し、他のものは通常閉塞されている。これにより、脱臭ユニット2のレイアウトに応じ、吸気経路を選択的に形成することができるよう、配慮されている。
【0044】
また、本実施の形態では、図1に、生ごみ処理機1及び脱臭ユニット2を離間して配置させ、互いの吸気導入口17及び吸気導出口58を、接続ダクト59を介して接続した状態を図示したが、このように接続ダクト59を介さずとも、生ごみ処理機本体1及び脱臭ユニット2を当接配置することにより、互いの吸気導入口17及び吸気導出口58が対向接続する構成としても良い。
【0045】
図9乃至図11において、61は排気中の塵埃を除去するフィルタユニットで、生ごみ処理機本体1から脱臭ユニット2に導入された排気は、まずダクト62を介し、このフィルタユニット61に流入するようになっている。ダクト62は、ほぼ鉛直方向に延設され、上流側端部(図10中上側端部)が上記継ぎ手5bに、下流側端部(図10中下側端部)はフィルタユニット61(厳密には後述の導入部63a)に接続している。
【0046】
フィルタユニット61は、排気の流路をなすダクト部63と、第1フィルタ64(図10参照)と、第2フィルタ65(図10参照)とで構成されている。ダクト部63は、ダクト62からの排気を略鉛直下向きに導入する導入部63aと、導入した排気を略鉛直上向きに導出する導出部63bとを有し、排気を折り返すような内部形状を有するものである。また、上記第1フィルタ64は導入部63aに、第2フィルタ65は導出部63bにそれぞれ抜き差し可能に設けられている。そして、フィルタユニット61自体は、第1及び第2フィルタ64,65の交換がし易いよう、脱臭ユニット2内において、ベースフレーム60に近接する下方位置に配設されている。但し、第1及び第2フィルタ64,65の交換を容易にする限りにおいては、例えば使用者が背伸びをしたり、かがんだりすることなく、自然な姿勢で手が届くような高さ(及び位置)にフィルタユニット61を設ければ良い。
【0047】
66はフィルタユニット61下流側に設けた排気ファンで、この排気ファン66とフィルタユニット61の導出部63bとの間は、ダクト67により接続されている。この排気ファン66は、フィルタユニット61を介して塵埃を除去された排気を、強制的に下流側へ送り込むものである。これにより、生ごみ処理機本体1の吸気導入口17(図4参照)からの吸気も促進され、生ごみ処理機全体の給排気(換気)を促進する役割を果たすようになっている。68はこの排気ファン66の駆動装置で、この駆動装置68は、例えば電動モータ等により構成されている。
【0048】
70は排気を脱臭する脱臭槽(脱臭装置)で、この脱臭槽70は、ベースフレーム60上に支持された概略箱型の脱臭媒体(脱臭槽70中にハッチングを施して示した)の容器である。また、脱臭槽70と排気ファン66との間は、ダクト71により接続されている。また、脱臭槽70の内部は、その下方位置に設けた網72(図11参照)により区画されている。この網72は、例えば、比較的目の細かい網状部材(例えばエキスパンドメタル等)を用いたもので、上記脱臭媒体を載置するものである。従って、脱臭槽70内の網72の上方空間が、脱臭媒体の収容部となる。脱臭媒体には、処理媒体と同様、微生物が混入されており、脱臭槽70に導入された排気は、脱臭媒体通過する際、含有する臭気成分を微生物により分解除去された後、網72の下方空間を介して脱臭槽70外に導出されるようになっている。なお、使用済みの脱臭媒体は、取出した後、処理槽20内に補填すれば、処理媒体として再利用可能である。
【0049】
74は脱臭媒体投入口(図11参照)、75は脱臭媒体排出口(図11参照)である。脱臭媒体投入口74は、脱臭槽70側壁(図11中紙面直交方向手前側の側壁)の上端近傍位置に開閉可能に設けられている。一方、脱臭媒体排出口75は、脱臭槽70側壁(図11中紙面直交方向手前側の側壁)の網72近傍位置(網72の上部側)に開閉可能に設けられている。
【0050】
76はフィルタ(図11参照)で、このフィルタ76は、脱臭槽70内の網72下方空間に抜き差し可能に設けられ、網72の下方空間を更に上下に区画している。このフィルタ76は、網72の網目から落下する一部の脱臭媒体を受け止めるもので、受け止めた脱臭媒体をフィルタ76ごと抜き取り可能としたものである。
【0051】
フィルタ76の下方空間は、脱臭槽70の底部空間であり、脱臭槽70の底面部分には、一方向(図11中左方向)に向かって下り傾斜となる導水部77(図11参照)が設けられている。脱臭媒体の含水率が高くなると、脱臭媒体中の余剰水分が網72を介して滴下される場合がある。こうした余剰水分は、フィルタ76を通過し、導水部77によりドレン口78(図11参照)に導かれ、排水されるようになっている。なお、特に図示しないが、ドレン水は、ドレン口78にホース等を接続して脱臭ユニット2外に導かれるようにしても良いし、受け皿のようなもので貯留されるようにしても良い。また、ドレン口78にコックを設け、用意した容器等に適宜排水させる構成としても良い。
【0052】
80は脱臭媒体に給水する給水装置(図11参照)で、この給水装置80は、脱臭槽70内に設けた複数(この例では2つ)のノズル81と、このノズル81に例えば水道等の水を導くホース82と、このホース82の途中に設けた電磁弁83(後の図12参照)とで構成されている。電磁弁83は、制御装置45からの指令信号により開閉するものである。本実施の形態においては、例として、制御装置45は、設定された時間間隔で一定時間置きに給水するよう、電磁弁54に指令信号を出力するようになっている。但し、電磁弁83の操作は、上記操作盤13による手動操作も可能な構成とすると好ましい。なお、この給水装置80による給水量も、上記流量計55(後の図12参照)の検出信号から、制御装置45により演算されるようになっている。
【0053】
また、85は脱臭媒体の温度を検出する温度センサ(図11参照)で、この温度センサ85は、脱臭槽70の側壁(図11中左側側壁)における脱臭媒体が収容される部分に設けられている。この温度センサ85の検出信号は、上記制御装置45(図4参照)に出力され、演算された脱臭媒体温度は、例えば上記操作盤13(図1参照)に設けた表示部(図示せず、例えば液晶タッチパネル等)でモニタ可能な構成となっている。
【0054】
86は排気を殺菌処理する公知の殺菌フィルタで、この殺菌フィルタ86は、フィルタ容器87内に設けられている。このフィルタ容器87と、脱臭槽70下部の上記網72及びフィルタ76間の空間とは、ダクト88により接続されている。また、フィルタ容器87の下流側(図11中上側)は、ダクト89を介して排気筒90に接続している。即ち、殺菌フィルタ86を通過して清浄化された排気は、ダクト89を介し、最終的にこの排気筒90から大気放出されるようになっている。
【0055】
本実施の形態の生ごみ処理機の構成は以上のようであるが、以上の生ごみ処理機を、例えば飲食店や食品加工業者等において、業務用のものとして用いる場合には、一度に投入される生ごみも多くその重量が比較的重くなることも想定される。この場合、生ごみの投入作業に負担が生じる可能性もある。従って、生ごみの投入性に配慮すると、後の図12に概念的に示したように、次に説明する生ごみ投入用の反転投入装置95を別途設けることが望ましい。
【0056】
反転投入装置95は、概略すれば、生ごみを受け入れたコンテナ(容器)96をグランドレベルから投入高さ迄の間を昇降させるものであり、コンテナ96を投入高さまで上昇させると、そのコンテナ96を投入蓋10上方で反転(傾倒)させ、コンテナ96内の生ごみを生ごみ処理機本体1に投入するようになっている。勿論、生ごみ投入の際には、上記投入蓋10は開かれる。こうした反転投入装置95を別途設ける場合には、上記コンテナ96の昇降及び反転動作と投入蓋10の開閉動作とが連動するようにしても良いし、コンテナ96の上昇動作、投入蓋10の開動作、コンテナ96の反転動作・・・と各動作を個別に指令するようにしても良い。
【0057】
次に、本実施の形態の生ごみ処理機の動作及び作用を以下に説明する。
図12は、本実施の形態の生ごみ処理機の全体構成を表すブロック図であり、先の各図と同様の部分に相当する部分には同符号を付してある。この図12において、生ごみ処理を行う場合には、まず操作盤13で所定の操作を行い、発酵分解処理対象となる生ごみを処理槽20内に投入する。このとき、上記反転投入装置95が設けられている場合には、使用者は、まず生ごみを入れたコンテナ96を反転投入装置95にセットする。そして、操作盤13で所定の操作を行うと、制御装置45は、反転投入装置95及び開閉蓋10の動作を連動させ、コンテナ96内の生ごみを処理槽20内に自動投入する。但し、上記のように、反転投入装置95と開閉蓋10の動作は、コンテナ96の姿勢及び位置、開閉蓋10の状態を目視しながら、操作盤13により個別に手動操作しても良い。
【0058】
生ごみが投入されると、制御装置45は、駆動装置36に指令信号を出力し、攪拌装置30を一定時間回転駆動させる。この生ごみ投入の検知は、リミットスイッチ12による開閉蓋10の開閉検知でも良いし、ロードセル50による重量検知でも良い。投入された生ごみは、処理媒体と適度攪拌されることにより、処理媒体中の微生物との接触頻度が確保され、微生物により減量化処理(分解処理)される。
【0059】
運転中、生ごみの良好な分解処理を実現するためには、微生物の生息環境を良好状態に維持し、微生物を活性化する必要がある。微生物の生息環境としては、処理媒体の通気性、温度環境、及び湿度環境等が挙げられる。そのため、生ごみ処理機では、運転中、以下のような動作が行われる。
【0060】
まず、処理媒体の通気性を確保すると共に、処理媒体中の水分の分布を均一にし、微生物に新鮮な酸素を供給すると共に、湿度環境を均一にするために、生ごみ及び処理媒体は、攪拌装置30により適宜攪拌される。この攪拌装置30の攪拌動作は、例えば、制御装置45に格納したプログラムに順じて制御される。具体的には、例として1〜3rpm程度の回転数で毎時1〜2分間程度攪拌する。また、必要な場合には、操作盤13により適宜攪拌装置30を適宜駆動する。
【0061】
また、好適な温度環境を維持するために、処理槽20は加熱ヒータ56により適宜加熱される。この加熱ヒータの作動制御は、制御装置45により行われる。例えば、温度センサ21aの検出信号を基に、処理媒体温度が適正範囲を下回ったと判断した場合、制御装置45は、加熱ヒータ56をONにする。適正範囲にある場合(又は適正範囲に復帰した場合)、制御装置45は加熱ヒータ56をOFFにする。
【0062】
また、好適な湿度環境を維持するために、給水装置51(図5参照)により処理媒体に適宜給水する。この給水装置51の動作も、制御装置45により行われる。例えば、ロードセル50の検出信号を基に、処理媒体の含水率を推定し、その推定値が適正範囲を下回ったと判断した場合、電磁弁54を開き処理媒体に給水する。給水量は流量計55の検出信号を基に制御装置45により演算される。なお、給水が行われた場合、制御装置45は、処理媒体の水分分布を均一にするために、駆動装置36に指令信号を出力し、攪拌装置30により一定時間生ごみ及び処理媒体を攪拌する。
【0063】
また、微生物に新鮮な酸素を供給するために、処理槽20内の換気を行う。
図13は、本実施の形態の生ごみ処理機の吸気及び排気経路を表す図2中XIII−XIII断面による断面図である。この図13に示すように、処理槽20に供給される吸気は、最初、脱臭ユニット本体カバー7に設けた吸気取込口57から脱臭ユニット本体カバー7内に取込まれる。このとき、脱臭ユニット本体カバー7内に取込まれた外気は、排気ファン66の放出する熱により暖められる。そして、この排気ファン66により下流側から引き込まれるように、吸気導出口58、接続ダクト59を介し、処理機本体カバー6の吸気導入口17に導かれる。なお、排気ファン66は、ロードセル50からの検出重量に応じ、制御装置45により回転数を制御される。また、吸気ダクト18に設けた風量計19aの検出信号に応じ、排気ファン66の回転速度を制御することも考えられる。
【0064】
その後、生ごみ処理機本体1内に導かれた吸気は、吸気ダクト18を介して加熱ヒータ56近傍を通過する際、加熱ヒータ56から放出される熱を受けて更に暖められ、処理槽20内に導かれる。これにより、処理槽20内の微生物に新鮮な酸素が供給されると共に、微生物の生息する処理媒体に熱を与え、微生物の活性化に好適な温度環境を作り出す。
【0065】
一方、処理槽20内において、微生物の生ごみの分解処理に伴ってガス(二酸化炭素等)や水蒸気が発生する。これらがスや水蒸気は、排気ダクト4を介して処理槽20外に排気される。この処理槽20からの排気は、脱臭ユニット2に導かれ、まずフィルタユニット61の第1及び第2フィルタ64,65により塵埃を除去される。その後、塵埃を除去された排気は、排気ファン66を介して脱臭槽70に導入される。脱臭槽70を通過する際、排気中に含まれる臭気成分が、脱臭媒体に混入された微生物により分解除去される。そして、脱臭された排気は、殺菌フィルタ86を介して殺菌された上で排気筒90から大気放出される。
【0066】
なお、脱臭媒体の脱臭性能を好適に維持するためには、脱臭媒体中の微生物の生息環境を好適に保つ必要がある。そのため、運転中、脱臭媒体の温度や湿度を管理する。具体的には、脱臭媒体の温度が温度センサ85の検出信号を基に制御装置45により演算され、使用者は必要に応じて操作盤13等によりそれをモニタする。また、脱臭媒体には、給水装置80(図11参照)により一定時間置きに給水する。この給水量は流量計55の検出信号を基に、制御装置45により演算される。
【0067】
本実施の形態の生ごみ処理機は、以上のように生ごみを分解処理し、減量化又は消滅させる。
【0068】
以上説明した本実施の形態によれば、生ごみ処理機本体1と脱臭ユニット2とを分割して設けており、脱臭ユニット本体カバー7に設けた吸気導出口58から導出された吸気が、接続ダクト59及び吸気導入口17を介して(又は接続ダクト59を介さず吸気導出口58から直接吸気導入口17を介して)生ごみ処理機本体1側に導かれ、吸気ダクト18を介して処理槽20内に導入される。このとき、脱臭ユニット2内の雰囲気は、脱臭槽70において脱臭媒体に生息する微生物が臭気成分を分解する際に放出される熱により温暖になっている。こうして、脱臭ユニット2内で副次的に発生する熱をも有効活用し、脱臭ユニット2内の温暖な雰囲気を処理槽20内に導くことにより、処理槽20を加熱する加熱源(例えば加熱ヒータ56)の負担を軽減することができ、簡易な構成で効果的にエネルギー効率を向上させることができる。
【0069】
また、本実施の形態においては、排気ファン66及びその駆動装置68を脱臭ユニット2内に設けているため、この排気ファン66の駆動装置68からの放出熱により、脱臭ユニット2内の雰囲気はより温暖になり、処理槽20への吸気もそれだけ温暖なものとなる。しかも、排気ファン66は、少なくとも生ごみの減量化処理が行われている間は、常時駆動されるのが一般的であり、しかも、比較的大型の生ごみ処理機であれば、それだけ出力の大きなものが用いられる場合が多い。つまり、排気ファン66は、生ごみ処理機を構成する装置の中において、比較的放熱量の大きな設備の一つとして挙げられる。本実施の形態は、その放出熱を吸気の加熱源として利用することができるので、これによっても、簡易な構成でよりエネルギー効率を向上させることができる。
【0070】
また、本実施の形態においては、上記に加え、処理機本体カバー6内において、吸気ダクト18を加熱ヒータ56の近接領域を経由させることにより、吸気ダクト18内を流れる吸気を、加熱ヒータ56から放出される熱により更に加熱することができる。これにより、処理槽20内に導かれる吸気は、更に温暖な状態となり、処理媒体の温度環境を温暖なものとすることができ、加熱ヒータ56の負担を軽減することができるので、よりエネルギー効率を向上させることができる。
【0071】
更に、脱臭ユニット本体カバー7の各側壁に、処理機本体カバー6の吸気導入口17に対応して吸気導出口58を備えている。そして、これら吸気導出口58のうち、脱臭ユニット2の配置に応じて、処理機本体カバー6の吸気導入口17に接続するもののみを選択的に開口させ、接続ダクト59を介して吸気導入口17に接続してある。このとき、吸気導入口17に接続されない他の吸気導出口58は塞いでおく。このような構成により、脱臭ユニット2のレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0072】
なお、本発明の本質的特徴は、脱臭ユニット2内の暖かな雰囲気を処理槽20への吸気として導くことであり、この限りにおいては、吸気ダクト18を加熱ヒータ56を近接させる構成や吸気導出口58を脱臭ユニット本体カバー7の各側壁に設ける構成等は、必ずしも必要ない。同様に、必ずしも吸気ダクト18が加熱ヒータ56の近接領域を経由している必要もない。
【0073】
また、図14は、本実施の形態における吸気及び排気の経路を模式的に表した図である。この図14に示すように、本実施の形態において、排気ファン66を、脱臭ユニット本体カバー7内における脱臭装置(脱臭槽70)の上流側位置(図14中位置アとする)に設けたが、必ずしもこれに限られない。即ち、本実施の形態においては、処理槽20への吸気の加熱源として、脱臭槽70の放出熱に加えて排気ファン66の放出熱も活用する構成としたが、脱臭槽70の放出熱で足りる場合等には、排気ファン66の位置を変更して構わない。
【0074】
例えば、同じ脱臭ユニット本体カバー7内であっても、例えば吸気取込口57と吸気導出口58とを別途ダクトで接続し、このダクトの経路中のいずれかの位置(例えば図14中の位置イ)に排気ファン66を設ける構成としても良い。また、図14中の位置ウ(例えば上記排気ダクト4の経路中)や、位置エ(例えば上記接続ダクト59の経路中)等、処理機本体カバー6や脱臭ユニット本体カバー7の中ではなく、外部に露出した位置に設けても構わない。但し、この場合、生ごみ処理機の設置場所が屋外である場合等は、何らかのカバーで排気ファン66及びその駆動装置68を保護することが好ましい。更に、処理機本体カバー6内における処理槽20の下流側の位置オ、上流側の位置カに排気ファン66を設けても構わない。このように、一般的にそうあるように、本実施の形態においても、排気ファン66は必ずしも位置アに限られず、その他の吸気又は排気の経路中の任意の位置に設けて良い。
【0075】
更に、本実施の形態においては、脱臭装置として、微生物により排気中の臭気成分を分解するいわゆる生物脱臭方式の脱臭装置(脱臭槽70)を用いた例を挙げたが、例えば触媒を加熱して臭気成分を除去する加熱触媒方式の脱臭装置を用いても良い。この場合においても、触媒の加熱装置から放出される熱により脱臭ユニット内の雰囲気が温暖に加熱されるため、同様の効果が得られる。また、排気の脱臭方法は、この他にも多種のものがあり、それぞれ本発明に適用することができる。以下に、そのような他の方式の脱臭装置の例を説明する。
【0076】
図15は、いわゆる直接燃焼方式の脱臭装置の概略構成を表す概念図である。この図15に示す脱臭装置70Aは、排気経路中に設けた燃焼室としての脱臭槽97を燃焼器98により直接加熱することにより、脱臭槽97を通過する排気中の臭気成分を直接燃焼させ除去するようになっている。
【0077】
図16は、いわゆる光触媒方式の脱臭装置の概略構成を表す概念図である。この図16に示す脱臭装置70Bは、排気経路中に設けた脱臭槽99内に、光触媒100と、この光触媒100に紫外線101aを照射する紫外線ランプ101とを備えている。即ち、本方式では、光触媒100に紫外線101aを照射すると発生する活性OH102により、脱臭槽99を通過する排気中の臭気成分103を、水103a及び二酸化炭素103bに酸化分解するようになっている。
【0078】
図15の直接燃焼方式の脱臭装置70Aを上記脱臭ユニット2内に設けた場合においても、燃焼器98の余熱により脱臭ユニット本体カバー7内の雰囲気が温暖に加熱される。また、図16の光触媒方式の脱臭装置70Bを脱臭ユニット2内に設けた場合にも、紫外線ランプ101から放出される熱や臭気成分103の分解熱等により脱臭ユニット本体カバー7内の雰囲気が温暖になる。このように脱臭方式には多種のものがあるが、上記のような生物脱臭方式の脱臭装置に限らず、本発明は、多種多様な脱臭方式の脱臭装置を適用することができ、同様の効果を得ることができる。
【0079】
またなお、以上において、媒体への給水装置や媒体の攪拌装置、媒体容器の加熱ヒータ、排気ファン等は、以上説明してきた本実施の形態のものに限定されるものではない。更に、各種センサ類を多数設ける構成としたが、本発明の本質的効果を得る限りにおいては必ずしも必要なものではなく、適宜省略しても良い。更に、以上においては、微生物の分解作用により生ごみを減量化処理する生ごみ処理機を例に挙げて説明したが、本発明は、例えば加熱したり、熱風を当てたりして生ごみを乾燥させて減量化処理するいわゆる乾燥型のもの等、処理方式の異なる生ごみ処理機に対しても適用可能である。これらの場合も、同様の効果を得ることができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、脱臭ユニットの内蔵設備の放出熱により温暖な状態となった脱臭ユニット本体カバー内の雰囲気を、生ごみ処理機本体の処理槽内に吸気することにより、従来、脱臭ユニットを生ごみ処理機本体とは別に設けた場合、特に有効利用されずに排熱されていた脱臭ユニット内で副次的に発生する熱をも有効活用することができ、処理槽を加熱する加熱源の負担を軽減することができるので、簡易な構成で効果的にエネルギー効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生ごみ処理機の一実施の形態の全体構造を表す正面図である。
【図2】本発明の生ごみ処理機の一実施の形態の全体構造を表す上面図である。
【図3】本発明の生ごみ処理機の一実施の形態の全体構造を表す図1中右側から見た側面図である。
【図4】図2中IV−IV断面による断面図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態を構成する生ごみ処理機本体の内部構造を詳細に表す図である。
【図5】図4中V−V断面による断面図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態を構成する生ごみ処理機本体の内部構造を詳細に表す図である。
【図6】図4中VI−VI断面による側断面図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態を構成する生ごみ処理機本体の内部構造を詳細に表す図である。
【図7】図5中のVII部拡大図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態に備えられた処理槽の受入用開口近傍部分の詳細図である。
【図8】図4中VIII−VIII断面による断面図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態に備えられた処理槽の排気開口近傍部分の詳細図である。
【図9】図1中IX−IX断面による水平断面図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態を構成する脱臭ユニットの内部構造を詳細に表す図である。
【図10】図9中X−X断面による断面図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態を構成する脱臭ユニットの内部構造を詳細に表す図である。
【図11】図9中XI−XI断面による断面図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態を構成する脱臭ユニットの内部構造を詳細に表す図である。
【図12】本実施の形態の生ごみ処理機の一実施の形態の全体構成を表すブロック図である。
【図13】本発明の生ごみ処理機の一実施の形態における吸気及び排気経路を表す図2中XIII−XIII断面による断面図である。
【図14】本発明の生ごみ処理機の一実施の形態における吸気及び排気の経路を模式的に表した図である。
【図15】本発明の生ごみ処理機の一実施の形態に備える脱臭装置の変形例としての直接燃焼方式の脱臭装置の概略構成を表す概念図である。
【図16】本発明の生ごみ処理機の一実施の形態に備える脱臭装置の変形例としての光触媒方式の脱臭装置の概略構成を表す概念図である。
【符号の説明】
1 生ごみ処理機本体
2 脱臭ユニット
4 排気ダクト
6 処理機本体カバー
7 脱臭ユニット本体カバー
17 吸気導入口
18 吸気ダクト
20 処理槽
56 加熱ヒータ
57 吸気取込口
58 吸気導出口
59 接続管路
66 排気ファン
70 脱臭槽(脱臭装置)
70A 脱臭装置
70B 脱臭装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、投入された生ごみを減量化する生ごみ処理機に係り、特に生ごみ処理機本体とは別にユニット化された脱臭装置にて生じる熱をも有効活用し、エネルギー効率をより向上させることができる生ごみ処理機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生ごみ処理機は、通常、内部に処理槽を備えており、この処理槽にて、投入された生ごみを分解処理したり乾燥処理したりすることで減量化処理するようになっている。前者の生ごみを分解処理するものでは、処理槽内に微生物の生息する媒体を収容しており、この媒体と生ごみとを適宜混合することにより、微生物の分解作用により生ごみを分解し減量化する。従って、十分な機能を発揮させるためには、処理槽内の換気を行って、微生物に新鮮な空気を供給すると共に、分解作用により生じた分解ガス等を処理槽外に排気し、微生物の活性化を促す必要がある。
【0003】
このとき、一般的に、微生物の活性化に好適な温度環境を作り出すために、処理槽の加熱手段を設けているものも多いが、何らかの熱を利用して処理槽に導く吸気の温度を上昇させることができれば、吸気による媒体の加熱効果も加わり、加熱手段の負担軽減を図ることができるので、エネルギー効率の面で有利な点となる。またこのことは、上記の生ごみを乾燥処理する生ごみ処理機であっても、処理槽内に導く吸気の温度が高ければ、それだけ生ごみの乾燥に用いる加熱手段の負担を軽減することができ、同様のことが言える。
【0004】
上記のように、吸気を加熱して処理槽に送り込むものとしては、例えば特開2000−70905号公報に記載の生ごみ処理機(有機物処理装置)等、既に様々なものが提唱されている。この特開2000−70905号公報に記載の生ごみ処理機は、微生物により生ごみを分解処理するものであり、処理槽への吸気管路と、処理槽からの排気管路と、この排気管路中に設けた脱臭装置とを有している。この脱臭装置は、加熱手段と触媒を用いて排気を加熱脱臭するものであるため、この脱臭装置を通過した後の排気は比較的高温となる。そこで、上記従来技術においては、吸気管路と排気管路とを処理槽の下部空間を経由させることにより、排気管路を処理槽の加熱手段として用いると共に、排気管路と吸気管路との間で熱交換させることで吸気を暖め、エネルギー効率を図るようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、2001年5月、いわゆる食品リサイクル法が施行され、食品関連事業者(例えば、製造、流通、外食産業等)のうち、食料品の廃棄量が年間百トン以上の事業者には、数値目標を課し、取り組みが著しく不十分である場合、勧告・公表・命令を行うことができるとされた。こうした背景の下、近年、飲食店や食品加工業者、又各種施設の食堂等で発生する大量の生ごみを処理対象とするような、業務用の生ごみ処理機へのニーズが高まりつつある。
【0006】
こうした業務用の生ごみ処理機においては、大量の生ごみを処理する必要があるため、必然的に、例えば処理槽等といった内蔵の各設備が大型化し、これに伴って生ごみ処理機自体が大型化する傾向にある。従って、設置スペース等を考えた場合、例えば、処理槽からの排気を脱臭する脱臭装置等は、ユニット化して生ごみ処理機本体とは別装置の脱臭ユニットとして設置する必要性が生じる場合もある。
【0007】
しかしながら、生ごみ処理機本体とは別に脱臭ユニットを設けた場合、従来、例えば排気ファンや脱臭装置そのもの等、脱臭ユニット側の内蔵設備の放出熱は有効に利用されることなく、回収されずに大気放出されるのが一般的であった。
【0008】
本発明は、上記の事柄に鑑みてなされたものであり、その目的は、生ごみ処理機本体と分割して設けられた脱臭ユニット内で生じる熱を有効活用し、エネルギー効率をより向上させることができる生ごみ処理機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、投入された生ごみを処理槽に受け入れ、この処理槽にて前記生ごみを減量化処理する生ごみ処理機本体と、この生ごみ処理機本体と分割して設けられ、前記処理槽からの排気を脱臭する脱臭装置を内蔵した脱臭ユニットと、この脱臭ユニットの脱臭ユニット本体カバーに設けられ、前記脱臭ユニット内に吸気を取入れる吸気取込口と、前記脱臭ユニット本体カバーに設けられ、前記吸気取込口から取入れた吸気を前記脱臭ユニット外に導出する吸気導出口と、前記生ごみ処理機本体の処理機本体カバーに設けられ、前記吸気導出口に接続される吸気導入口と、前記生ごみ処理機本体内に設けられ、前記吸気導入口から取り入れた吸気を、前記処理槽内に導く吸気ダクトと、前記生ごみ処理機本体及び前記脱臭ユニットを接続し、前記処理槽からの排気を前記脱臭装置内に導く排気ダクトとを備える。
【0010】
本発明においては、生ごみ処理機本体と脱臭ユニットとを分割して設けており、脱臭ユニット本体カバーに設けた吸気導出口から導出された吸気が、処理機本体カバーに設けた吸気導入口を介して生ごみ処理機本体側に導かれ、吸気ダクトを介して処理槽内に導入される。このとき、脱臭ユニット内の雰囲気は、脱臭装置等の内蔵設備からの放出熱により温暖になっている。
【0011】
つまり、本発明は、脱臭ユニット内の温暖な雰囲気を処理槽内に導くことにより、脱臭ユニットを生ごみ処理機本体とは別に設けた場合、従来、特に有効利用されずに排熱されていた脱臭ユニット内で副次的に発生する熱をも有効活用することができる。これにより、処理槽を加熱する加熱源の負担を軽減することができ、簡易な構成で効果的にエネルギー効率を向上させることができる。
【0012】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記脱臭ユニット本体カバー内の排気経路中に設けられ、前記処理槽内の換気を促進する排気ファンを備える。
【0013】
これにより、脱臭ユニット内の雰囲気は、排気ファンの放出熱により更に温暖になり、その結果、処理槽内に導かれる吸気を更に温暖なものとすることができる。
【0014】
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記吸気導出口と前記吸気導入口とを接続する接続管路を備える。
【0015】
(4)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記吸気導出口と前記吸気導入口とが対向し接続するよう、前記生ごみ処理機本体と前記脱臭ユニットとを隣接配置する。
【0016】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれか1つにおいて、また好ましくは、前記処理槽を加熱する加熱ヒータを設け、前記吸気ダクトは、前記加熱ヒータの近接領域を経由する。
【0017】
これにより、吸気ダクト内を流れる吸気を、加熱ヒータから放出される熱により更に加熱することができ、よりエネルギー効率を向上させることができる。
【0018】
(6)上記(1)乃至(5)のいずれか1つにおいて、また好ましくは、前記脱臭ユニットは、前記脱臭ユニット本体カバーの各側壁に前記吸気導出口を備え、これら吸気導出口のうち、前記脱臭ユニットの配置に応じて前記吸気導入口に接続するもののみを選択的に開口させ、他のものを閉塞させる。
【0019】
(7)上記(1)乃至(6)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記処理槽は、前記生ごみを分解する微生物が混入されている処理媒体を収容する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の生ごみ処理機の一実施の形態の全体構造を表す正面図、図2はその上面図、図3は図1中右側から見た側面図である。これら図1乃至図3において、1は投入された生ごみの減量化処理を行う生ごみ処理機本体、2はこの生ごみ処理機本体1からの排気に含まれる臭気を除去する脱臭ユニットである。これら生ごみ処理機本体1及び脱臭ユニット2は、排気管路3(図2参照)により接続されている。この排気管路3は、例えばフレキシブルホース等で構成した排気ダクト4(図2参照)と、この排気ダクト4の両端に接続した継ぎ手5a,5b(図2参照)とで構成されている。また、継ぎ手5a,5bは、それぞれ生ごみ処理機本体1及び脱臭ユニット2の各本体カバー6,7の上面に設けられている。8は排気ダクト4を保護するホースカバーである。
【0021】
上記継ぎ手5a,5bは、それぞれ生ごみ処理機本体1及び脱臭ユニット2の本体カバー6,7上面に回転可能に支持されている。これにより、図1及び図2では、脱臭ユニット2を生ごみ処理機本体1の正面に向かって左側(図2中左側)にレイアウトした例を図示したが、排気ダクト4の方向を変え、例えば脱臭ユニット2を生ごみ処理機本体1の背面側(図2中上側)に配置変更することも可能な構成となっている。また、図1及び図2では、生ごみ処理機本体1と脱臭ユニット2とを間隙を介して配置した例を図示したが、排気ダクト4を短くし、互いがほぼ当接するようにレイアウトしても構わない。このとき、生ごみ処理機本体1及び脱臭ユニット2のそれぞれの本体カバー6,7の上面には、それぞれ複数個づつ(この例では4つづつ)の吊り管9が設けられており、生ごみ処理機のレイアウト変更、或いは設置・撤去等の際、生ごみ処理機本体1及び脱臭ユニット2をそれぞれワイヤ等で容易に吊り上げられるように配慮されている。
【0022】
また、処理機本体カバー6の片側側面(本例では図1中右側の側面)のほぼ全体及び正面(図1中紙面直交方向手前側の面)のほぼ中央部分には、開閉扉6a,6bが設けられており、内蔵設備のメンテナンスや処理媒体(後述)の交換作業への配慮がなされている。具体的には、開閉扉6aは、両開きの扉であって主に後述の制御装置45や駆動装置36等のメンテナンス時に用いられるものであり、開閉扉6bは、片開きの扉であって主に処理媒体交換時に用いられるものである。
【0023】
また、脱臭ユニット本体カバー7の図2中左側及び上側の側面にも、開閉扉7a,7bが設けられており、内蔵設備のメンテナンスや脱臭媒体(後述)の交換作業への配慮がなされている。これら開閉扉7a,7bは共に両開きの扉であって、特に開閉扉7aは主に後述の排気ファン66のメンテナンスや脱臭媒体の交換時に用いられるものであり、開閉扉7bは主にフィルタ(後述の第1及び第2フィルタ64,65、後の図10参照)交換時に用いられるものである。
【0024】
10は生ごみの投入口27(後の図5参照)を開閉する投入蓋で、この投入蓋10は、処理機本体カバー6の正面側(図2中下側)上部に設けられている。11は投入蓋10を開閉駆動する電動の駆動装置で、この駆動装置11は、処理機本体カバー6の上面に固定され、かつ生ごみ処理機本体1の開閉蓋10の支軸に直結している。また、図1及び図2には図示していないが、生ごみ処理機本体1には、投入蓋10の開閉状態を検出するリミットスイッチ12(後の図12参照)が設けられている。なお、13は運転に関わる操作や設定、記録、表示等を行う操作盤である。操作盤13の位置に関しては特に限定されるものではないが、本例では、生ごみ投入時、投入蓋10の開閉と生ごみ投入の様子を目視確認できるよう、図1に示すように生ごみ処理機本体1の正面向かって右側の部分に配置している。
【0025】
図4乃至図6は、生ごみ処理機本体1の内部構造を詳細に表す図で、図4は図2中IV−IV断面による断面図、図5及び図6はそれぞれ図4中V−V断面、VI−VI断面による側断面図である。これら図4乃至図6において、15は生ごみ処理機本体1のベースフレームで、このベースフレーム15は、下部に複数(この例では5本)設けた脚16を介して接地すると共に、上記処理機本体カバー6を支持している。17は脱臭ユニット2内の雰囲気を生ごみ処理機本体1内に取り入れる吸気導入口で、この吸気導入口17は、処理機本体カバー6の長手方向一方側側面(図4中左側側面)の下方位置に穿設されている。18はこの吸気導入口17に接続する吸気ダクトで、この吸気ダクト18は、例えばフレキシブルホース等で構成され、処理機本体カバー6内において、後述の処理槽20と接続している。なお、図4乃至図6では図示していないが、吸気ダクト18の途中には、後の図12に示すように、吸気流量を検出する風量計19aと、吸気温度を検出する温度センサ19bとが設けられている。
【0026】
20は生ごみの減量化処理が行われる略箱型の処理槽で、この処理槽20は、処理機本体カバー6内において、処理機本体カバー6の長手方向一方側(図4中左側)の側壁に近接するよう、片側にやや寄せて配置されている。また、この処理槽20には、生ごみを分解処理する微生物が混入されている処理媒体(例えばおがくず等)が収容されている。なお、処理槽20の下部側は、後述の攪拌装置30の回転軌跡に沿うように略円弧状に形成されており、また、処理槽20自体は、ほぼ全体的に断熱材(例えばウレタン等、図示せず)で覆われている。
【0027】
21aは処理媒体の温度を検出する温度センサ(図5参照)で、この温度センサ21aは、処理槽20の長手方向一方側側面(図4中左側側面)における下方位置に設けられている。なお、図4乃至図6では図示していないが、処理槽20には、後の図12に示すように、この温度センサ21aの他にも、処理槽20自体の温度を検出する温度センサ21b、処理槽20内の雰囲気温度を検出する温度センサ21cが設けられている。
【0028】
また、処理槽20には、複数(この例では4つ)の開口が設けられている。1つは生ごみ投入用の受入用開口22(図5参照)、1つは処理媒体交換用の媒体出口23(図4参照)、1つは処理槽20への吸気開口24(図5参照)、1つは処理槽20からの排気開口25(図4参照)である。受入用開口22は、処理槽20上部の正面側(図4中紙面直交方向手前側)における長手方向(図4中左右方向)ほぼ中央に穿設されている。また、吸気開口24は、処理槽20の長手方向他方側側壁(図4中右側側壁)における上方位置に穿設されている。上記の吸気ダクト18の先端は、この吸気開口24に接続している。上記排気開口25は、処理槽20上面における長手方向一方側(図4中左側、即ち吸気開口24と反対側)位置に穿設されている。
【0029】
媒体出口23は、処理槽20下部側における長手方向(図4中左右方向)ほぼ中央位置に設けられている。26は媒体出口23の開閉扉(図5参照)で、この開閉扉26は、処理槽20の外壁に取付けられており、処理媒体交換時には、処理機本体カバー6に設けた前述の開閉扉6bと、この開閉蓋26を開け、媒体出口23を介して使用済み処理媒体を取出すようになっている。
【0030】
ここで、図7は、図5中のVII部拡大図であり、受入用開口22近傍部分の詳細図である。この図7において、27は処理機本体カバー6に設けた生ごみの投入口である。この投入口27は、処理機本体カバー6上部における処理槽20の受入用開口22に対応した位置に取付けられた筒体で、その先端が受入用開口22と間隙を保ちつつ、受入用開口22を介して処理槽20内に臨んでる。28は可撓性又は伸縮性を有する部材で構成された封止体で、この封止体28は、受入用開口22及び投入口27の周囲を取り囲むようにして、その両端が、投入口27の外周側において互いに対向する処理槽20の外壁面と処理機本体カバー6内壁面とに接続されている。本例では、例として、この封止体28に伸縮可能な蛇腹状の筒状部材を用いている。
【0031】
また、図8は、図4中VIII−VIII断面による断面図で、排気開口25近傍部分の詳細図である。この図8に示すように、排気開口25は、上記した継ぎ手5aの先端部分を取り囲むような形で処理槽20に設けられている。言い換えれば、継ぎ手5aは、処理機本体カバー6上面における排気開口25に対応した位置に設けられており、その先端が排気開口25と間隙を保ちつつ、排気開口25を介して処理槽20内に臨むんでいる。29は可撓性又は伸縮性を有する部材で構成された封止体で、この封止体29は、排気開口25及び排気管路3の継ぎ手5aの周囲を取り囲むようにして、その両端が、投入口27の外周側において互いに対向する処理槽20の外壁面及び処理機本体カバー6の内壁面に接続されている。本例では、例として、この封止体29に伸縮可能な蛇腹状の筒状部材を用いている。
【0032】
図4乃至図6に戻り、30は処理槽20内に設けた攪拌装置で、この攪拌装置30は、処理槽20内に投入された生ごみと、処理槽20内の処理媒体とを適宜攪拌するものである。この攪拌装置30は、処理槽20の長手方向(図4中左右方向)と略平行となるよう略水平に配設した回転軸31と、この回転軸31に取付けた板状の取付部材32と、この取付部材32に固定した攪拌翼33とで構成されている。攪拌翼33は、取付部材32に対し、回転軸31の径方向に延在するよう、ボルト34(図5参照)により締結されている。また、この攪拌翼33は、その先端部の回転軌跡が処理槽20下部の内壁面に近接する程度の長さに成形されている。
【0033】
また、繁雑防止のために、図4においては取付部材32及び攪拌翼33を1つづつ図示したが、実際には、回転軸31に対し、軸方向にほぼ一定の間隔で、複数組の取付部材32及び攪拌翼33が設けられる。また、特に限定されるものではないが、各攪拌翼33を、それぞれの取付角度が回転軸31周方向にずれるように設け、回転軸31軸方向から見て(つまり図5で見て)、攪拌翼33が回転軸31に対して放射状に設けらるようにすると好ましい。なお、35は回転軸31の軸受で、この軸受35は、処理槽20の長手方向(図4中左右方向)両側面の外壁部分に設けられている。
【0034】
36は攪拌装置30を回転駆動させる軸直交型の駆動装置で、この駆動装置36は、処理機本体カバー6内における処理槽20の長手方向他方側(図4中右側)のスペースに設けられ、処理機本体カバー6の長手方向他方側(図4中右側)の側壁に近接するよう配設されている。この駆動装置36は、内部に駆動軸(図示せず)を有する駆動部37と、ギア部38と、出力軸39とを備えている。出力軸39は、駆動部36内の駆動軸とほぼ直交するようになっており、これら駆動軸及び出力軸39間の動力伝達は、ギア部38内の、例えばベベルギア(図示せず)等によりなされるようになっている。そして、図4に示すように、駆動装置36は、駆動部37内の駆動軸の軸線が上記回転軸31の軸方向(処理槽20の長手方向、図4中左右方向)と略直交し、出力軸39の軸線が上記回転軸31の軸方向(処理槽20の長手方向、図4中左右方向)と略平行となるよう配置されている。
【0035】
40は駆動装置36の出力軸39先端部に設けたスプロケット、41は攪拌装置30の回転軸31の長手方向一方側(図4中右側)端部に設けたスプロケットである。42はこれらスプロケット40,41に巻回した駆動伝達チェーンで、上記出力軸39からの駆動力は、これらスプロケット40、駆動伝達チェーン42、スプロケット41を介し、攪拌装置30の回転軸31に伝達されるようになっている。なお、この駆動伝達構造に関しては、例えばスプロケット40,41をプーリに置き換え、これらをベルトで連結する構造としても良い。
【0036】
45は各機構の動作を制御する制御装置で、この制御装置45も処理機本体カバー6内における処理槽20の長手方向他方側(図4中右側)のスペースに設けられ、処理機本体カバー6の長手方向他方側(図4中右側)の側壁に近接するよう配設されている。このように、制御装置45及び駆動装置36は、共に処理機本体カバー6内の長手方向一方側(図4中右側)に設けられており、上記開閉扉6a(図3参照)が開かれた場合に、共に外部に臨むように配置されている。この制御装置45は、生ごみ処理機に備えられた各駆動(作動)装置、各検出器(センサ)、上記操作盤13等と電気的に接続されている。
【0037】
46は上記処理槽20、駆動装置36、制御装置45を支持する支持板で、この支持板46は、上記ベースフレーム15上方に独立して設けてある。この支持板46上における処理槽20、駆動装置36、制御装置45の各位置を詳述すると、まず処理槽20は、支持板46の長手方向一方側(図4中左側)に寄せてレイアウトされている。そして、駆動装置36及び制御装置45は、処理槽20の他方側(図4中右側)に創出された支持板46上のスペースに配置される。但し、この例においては、図6に示すように、駆動装置36を背面側(図6中右側)に、制御装置45を正面側(図6中左側)に配置している。なお、このレイアウトにおいては、処理槽20、駆動装置36、制御装置45の各設定重量を基に、トータルの重量バランスがほぼ支持板46の中央に位置するよう予め考慮しておくことが望ましい。
【0038】
50は生ごみ減量分を求めるためのロードセルで、このロードセル50は、ベースフレーム15及び支持板46の4隅近辺に介設されている。ロードセル50の検出重量は、処理槽20及びその内容物(生ごみ及び処理媒体)、駆動装置36、制御装置45、及びこれらを支持する支持板46の合計重量となるが、処理槽20の重量は、日々の生ごみの投入量及び減量により変動するものである。ロードセル50は、この時々刻々と変動する検出重量(検出信号)を制御装置45に出力するものであり、制御装置45が、この検出信号を基に処理槽20の内容物の重量変化を随時演算するようになっている。
【0039】
51は処理媒体に給水する給水装置(図5にのみ図示)で、この給水装置51は、処理槽20内に設けたノズル52と、このノズル52に例えば水道等の水を導くホース53(後の図12参照)と、このホース53の途中に設けた電磁弁54(後の図12参照)とで構成されている。電磁弁54は、制御装置45からの指令信号により開閉するものである。即ち、制御装置45は、ロードセル50の検出重量を基に、処理媒体の含水率が適正範囲を下回ったと判断した場合には給水、含水率が適正範囲にある(又は復帰した)と判断した場合には断水するよう、電磁弁54に指令信号を出力するようになっている。なお、電磁弁54の操作は、上記操作盤13による手動操作も可能な構成となっている。なお、ホース53の途中には、後の図12に示すように、流量計55が設けられており、その検出信号を基に、制御装置45により給水量が演算されるようになっている。
【0040】
56は加熱ヒータ(図5参照)で、この加熱ヒータ56は、例えばプレート状の電熱ヒータ等により構成され、処理槽20の外周下部側外壁面に複数貼設されている。この加熱ヒータ56も、制御装置45によりON/OFF制御されるものである。即ち、制御装置45は、上記温度センサ21aの検出信号を基に、処理槽20の内容物の温度が適正範囲を下回ったと判断した場合には加熱ヒータ56をONの状態に、適正範囲にある(又は適正範囲に復帰した)と判断した場合には加熱ヒータ56をOFFの状態にするようになっている。また、制御装置45により、ロードセル50の検出信号から内容物の過度な含水率上昇を検知した場合等に、水分を蒸発させ含水率を適正範囲に復帰させるよう、加熱ヒータ56を作動させるようにしても良い。言うまでもないが、含水率が適正範囲に復帰したと判断した場合には加熱ヒータ56を停止させるようにする。なお、図4に示すように、前述の吸気ダクト18は、これら加熱ヒータ56の近接領域を経由して処理槽20に接続している。
【0041】
図9乃至図11は、脱臭ユニット2の内部構造を詳細に表す図で、図9は図1中IX−IX断面による水平断面図、図10及び図11は、それぞれ図9中X−X断面、XI−XI断面による断面図である。これら図9乃至図11において、60は脱臭ユニット2のベースフレームで、このベースフレーム60は、接地すると共に、上記脱臭ユニット本体カバー7を支持している。なお、特に図示しないが脱臭ユニット本体カバー7の内面側には、断熱材(例えばウレタン等)が貼り付けてある。
【0042】
57は吸気取込口、57aはこの吸気取込口に取付けた吸気ガラリ、58は吸気導出口である。吸気取込口57は、脱臭ユニット本体カバー7の一端側(図10中右側側壁)の上部に設けられており、処理槽20内に供給される吸気は、この吸気取込口57から最初に取込まれる。吸気導出口58は、脱臭ユニット本体カバー7における、処理機本体カバー6の吸気導入口17(図4参照)に対応する位置に設けられており、図1に示すように、接続ダクト59を介して吸気導入口17に接続している。この接続ダクト59の両端は、特に限定されるものではないが、例えばボルト(図示せず)等により、処理機本体カバー6及び脱臭ユニット本体カバー7に固定されている。
【0043】
なお、特に図示していないが、吸気導出口58は、脱臭ユニット本体カバー7の4つの各側壁において、吸気導入口17と対応する位置関係となるよう設けられており、脱臭ユニット2の配置により、吸気導入口17に対応するもの(生ごみ処理機本体1との対向する側壁に設けられもの)のみが、接続ダクト59を介して吸気導入口17に選択的に接続し、他のものは通常閉塞されている。これにより、脱臭ユニット2のレイアウトに応じ、吸気経路を選択的に形成することができるよう、配慮されている。
【0044】
また、本実施の形態では、図1に、生ごみ処理機1及び脱臭ユニット2を離間して配置させ、互いの吸気導入口17及び吸気導出口58を、接続ダクト59を介して接続した状態を図示したが、このように接続ダクト59を介さずとも、生ごみ処理機本体1及び脱臭ユニット2を当接配置することにより、互いの吸気導入口17及び吸気導出口58が対向接続する構成としても良い。
【0045】
図9乃至図11において、61は排気中の塵埃を除去するフィルタユニットで、生ごみ処理機本体1から脱臭ユニット2に導入された排気は、まずダクト62を介し、このフィルタユニット61に流入するようになっている。ダクト62は、ほぼ鉛直方向に延設され、上流側端部(図10中上側端部)が上記継ぎ手5bに、下流側端部(図10中下側端部)はフィルタユニット61(厳密には後述の導入部63a)に接続している。
【0046】
フィルタユニット61は、排気の流路をなすダクト部63と、第1フィルタ64(図10参照)と、第2フィルタ65(図10参照)とで構成されている。ダクト部63は、ダクト62からの排気を略鉛直下向きに導入する導入部63aと、導入した排気を略鉛直上向きに導出する導出部63bとを有し、排気を折り返すような内部形状を有するものである。また、上記第1フィルタ64は導入部63aに、第2フィルタ65は導出部63bにそれぞれ抜き差し可能に設けられている。そして、フィルタユニット61自体は、第1及び第2フィルタ64,65の交換がし易いよう、脱臭ユニット2内において、ベースフレーム60に近接する下方位置に配設されている。但し、第1及び第2フィルタ64,65の交換を容易にする限りにおいては、例えば使用者が背伸びをしたり、かがんだりすることなく、自然な姿勢で手が届くような高さ(及び位置)にフィルタユニット61を設ければ良い。
【0047】
66はフィルタユニット61下流側に設けた排気ファンで、この排気ファン66とフィルタユニット61の導出部63bとの間は、ダクト67により接続されている。この排気ファン66は、フィルタユニット61を介して塵埃を除去された排気を、強制的に下流側へ送り込むものである。これにより、生ごみ処理機本体1の吸気導入口17(図4参照)からの吸気も促進され、生ごみ処理機全体の給排気(換気)を促進する役割を果たすようになっている。68はこの排気ファン66の駆動装置で、この駆動装置68は、例えば電動モータ等により構成されている。
【0048】
70は排気を脱臭する脱臭槽(脱臭装置)で、この脱臭槽70は、ベースフレーム60上に支持された概略箱型の脱臭媒体(脱臭槽70中にハッチングを施して示した)の容器である。また、脱臭槽70と排気ファン66との間は、ダクト71により接続されている。また、脱臭槽70の内部は、その下方位置に設けた網72(図11参照)により区画されている。この網72は、例えば、比較的目の細かい網状部材(例えばエキスパンドメタル等)を用いたもので、上記脱臭媒体を載置するものである。従って、脱臭槽70内の網72の上方空間が、脱臭媒体の収容部となる。脱臭媒体には、処理媒体と同様、微生物が混入されており、脱臭槽70に導入された排気は、脱臭媒体通過する際、含有する臭気成分を微生物により分解除去された後、網72の下方空間を介して脱臭槽70外に導出されるようになっている。なお、使用済みの脱臭媒体は、取出した後、処理槽20内に補填すれば、処理媒体として再利用可能である。
【0049】
74は脱臭媒体投入口(図11参照)、75は脱臭媒体排出口(図11参照)である。脱臭媒体投入口74は、脱臭槽70側壁(図11中紙面直交方向手前側の側壁)の上端近傍位置に開閉可能に設けられている。一方、脱臭媒体排出口75は、脱臭槽70側壁(図11中紙面直交方向手前側の側壁)の網72近傍位置(網72の上部側)に開閉可能に設けられている。
【0050】
76はフィルタ(図11参照)で、このフィルタ76は、脱臭槽70内の網72下方空間に抜き差し可能に設けられ、網72の下方空間を更に上下に区画している。このフィルタ76は、網72の網目から落下する一部の脱臭媒体を受け止めるもので、受け止めた脱臭媒体をフィルタ76ごと抜き取り可能としたものである。
【0051】
フィルタ76の下方空間は、脱臭槽70の底部空間であり、脱臭槽70の底面部分には、一方向(図11中左方向)に向かって下り傾斜となる導水部77(図11参照)が設けられている。脱臭媒体の含水率が高くなると、脱臭媒体中の余剰水分が網72を介して滴下される場合がある。こうした余剰水分は、フィルタ76を通過し、導水部77によりドレン口78(図11参照)に導かれ、排水されるようになっている。なお、特に図示しないが、ドレン水は、ドレン口78にホース等を接続して脱臭ユニット2外に導かれるようにしても良いし、受け皿のようなもので貯留されるようにしても良い。また、ドレン口78にコックを設け、用意した容器等に適宜排水させる構成としても良い。
【0052】
80は脱臭媒体に給水する給水装置(図11参照)で、この給水装置80は、脱臭槽70内に設けた複数(この例では2つ)のノズル81と、このノズル81に例えば水道等の水を導くホース82と、このホース82の途中に設けた電磁弁83(後の図12参照)とで構成されている。電磁弁83は、制御装置45からの指令信号により開閉するものである。本実施の形態においては、例として、制御装置45は、設定された時間間隔で一定時間置きに給水するよう、電磁弁54に指令信号を出力するようになっている。但し、電磁弁83の操作は、上記操作盤13による手動操作も可能な構成とすると好ましい。なお、この給水装置80による給水量も、上記流量計55(後の図12参照)の検出信号から、制御装置45により演算されるようになっている。
【0053】
また、85は脱臭媒体の温度を検出する温度センサ(図11参照)で、この温度センサ85は、脱臭槽70の側壁(図11中左側側壁)における脱臭媒体が収容される部分に設けられている。この温度センサ85の検出信号は、上記制御装置45(図4参照)に出力され、演算された脱臭媒体温度は、例えば上記操作盤13(図1参照)に設けた表示部(図示せず、例えば液晶タッチパネル等)でモニタ可能な構成となっている。
【0054】
86は排気を殺菌処理する公知の殺菌フィルタで、この殺菌フィルタ86は、フィルタ容器87内に設けられている。このフィルタ容器87と、脱臭槽70下部の上記網72及びフィルタ76間の空間とは、ダクト88により接続されている。また、フィルタ容器87の下流側(図11中上側)は、ダクト89を介して排気筒90に接続している。即ち、殺菌フィルタ86を通過して清浄化された排気は、ダクト89を介し、最終的にこの排気筒90から大気放出されるようになっている。
【0055】
本実施の形態の生ごみ処理機の構成は以上のようであるが、以上の生ごみ処理機を、例えば飲食店や食品加工業者等において、業務用のものとして用いる場合には、一度に投入される生ごみも多くその重量が比較的重くなることも想定される。この場合、生ごみの投入作業に負担が生じる可能性もある。従って、生ごみの投入性に配慮すると、後の図12に概念的に示したように、次に説明する生ごみ投入用の反転投入装置95を別途設けることが望ましい。
【0056】
反転投入装置95は、概略すれば、生ごみを受け入れたコンテナ(容器)96をグランドレベルから投入高さ迄の間を昇降させるものであり、コンテナ96を投入高さまで上昇させると、そのコンテナ96を投入蓋10上方で反転(傾倒)させ、コンテナ96内の生ごみを生ごみ処理機本体1に投入するようになっている。勿論、生ごみ投入の際には、上記投入蓋10は開かれる。こうした反転投入装置95を別途設ける場合には、上記コンテナ96の昇降及び反転動作と投入蓋10の開閉動作とが連動するようにしても良いし、コンテナ96の上昇動作、投入蓋10の開動作、コンテナ96の反転動作・・・と各動作を個別に指令するようにしても良い。
【0057】
次に、本実施の形態の生ごみ処理機の動作及び作用を以下に説明する。
図12は、本実施の形態の生ごみ処理機の全体構成を表すブロック図であり、先の各図と同様の部分に相当する部分には同符号を付してある。この図12において、生ごみ処理を行う場合には、まず操作盤13で所定の操作を行い、発酵分解処理対象となる生ごみを処理槽20内に投入する。このとき、上記反転投入装置95が設けられている場合には、使用者は、まず生ごみを入れたコンテナ96を反転投入装置95にセットする。そして、操作盤13で所定の操作を行うと、制御装置45は、反転投入装置95及び開閉蓋10の動作を連動させ、コンテナ96内の生ごみを処理槽20内に自動投入する。但し、上記のように、反転投入装置95と開閉蓋10の動作は、コンテナ96の姿勢及び位置、開閉蓋10の状態を目視しながら、操作盤13により個別に手動操作しても良い。
【0058】
生ごみが投入されると、制御装置45は、駆動装置36に指令信号を出力し、攪拌装置30を一定時間回転駆動させる。この生ごみ投入の検知は、リミットスイッチ12による開閉蓋10の開閉検知でも良いし、ロードセル50による重量検知でも良い。投入された生ごみは、処理媒体と適度攪拌されることにより、処理媒体中の微生物との接触頻度が確保され、微生物により減量化処理(分解処理)される。
【0059】
運転中、生ごみの良好な分解処理を実現するためには、微生物の生息環境を良好状態に維持し、微生物を活性化する必要がある。微生物の生息環境としては、処理媒体の通気性、温度環境、及び湿度環境等が挙げられる。そのため、生ごみ処理機では、運転中、以下のような動作が行われる。
【0060】
まず、処理媒体の通気性を確保すると共に、処理媒体中の水分の分布を均一にし、微生物に新鮮な酸素を供給すると共に、湿度環境を均一にするために、生ごみ及び処理媒体は、攪拌装置30により適宜攪拌される。この攪拌装置30の攪拌動作は、例えば、制御装置45に格納したプログラムに順じて制御される。具体的には、例として1〜3rpm程度の回転数で毎時1〜2分間程度攪拌する。また、必要な場合には、操作盤13により適宜攪拌装置30を適宜駆動する。
【0061】
また、好適な温度環境を維持するために、処理槽20は加熱ヒータ56により適宜加熱される。この加熱ヒータの作動制御は、制御装置45により行われる。例えば、温度センサ21aの検出信号を基に、処理媒体温度が適正範囲を下回ったと判断した場合、制御装置45は、加熱ヒータ56をONにする。適正範囲にある場合(又は適正範囲に復帰した場合)、制御装置45は加熱ヒータ56をOFFにする。
【0062】
また、好適な湿度環境を維持するために、給水装置51(図5参照)により処理媒体に適宜給水する。この給水装置51の動作も、制御装置45により行われる。例えば、ロードセル50の検出信号を基に、処理媒体の含水率を推定し、その推定値が適正範囲を下回ったと判断した場合、電磁弁54を開き処理媒体に給水する。給水量は流量計55の検出信号を基に制御装置45により演算される。なお、給水が行われた場合、制御装置45は、処理媒体の水分分布を均一にするために、駆動装置36に指令信号を出力し、攪拌装置30により一定時間生ごみ及び処理媒体を攪拌する。
【0063】
また、微生物に新鮮な酸素を供給するために、処理槽20内の換気を行う。
図13は、本実施の形態の生ごみ処理機の吸気及び排気経路を表す図2中XIII−XIII断面による断面図である。この図13に示すように、処理槽20に供給される吸気は、最初、脱臭ユニット本体カバー7に設けた吸気取込口57から脱臭ユニット本体カバー7内に取込まれる。このとき、脱臭ユニット本体カバー7内に取込まれた外気は、排気ファン66の放出する熱により暖められる。そして、この排気ファン66により下流側から引き込まれるように、吸気導出口58、接続ダクト59を介し、処理機本体カバー6の吸気導入口17に導かれる。なお、排気ファン66は、ロードセル50からの検出重量に応じ、制御装置45により回転数を制御される。また、吸気ダクト18に設けた風量計19aの検出信号に応じ、排気ファン66の回転速度を制御することも考えられる。
【0064】
その後、生ごみ処理機本体1内に導かれた吸気は、吸気ダクト18を介して加熱ヒータ56近傍を通過する際、加熱ヒータ56から放出される熱を受けて更に暖められ、処理槽20内に導かれる。これにより、処理槽20内の微生物に新鮮な酸素が供給されると共に、微生物の生息する処理媒体に熱を与え、微生物の活性化に好適な温度環境を作り出す。
【0065】
一方、処理槽20内において、微生物の生ごみの分解処理に伴ってガス(二酸化炭素等)や水蒸気が発生する。これらがスや水蒸気は、排気ダクト4を介して処理槽20外に排気される。この処理槽20からの排気は、脱臭ユニット2に導かれ、まずフィルタユニット61の第1及び第2フィルタ64,65により塵埃を除去される。その後、塵埃を除去された排気は、排気ファン66を介して脱臭槽70に導入される。脱臭槽70を通過する際、排気中に含まれる臭気成分が、脱臭媒体に混入された微生物により分解除去される。そして、脱臭された排気は、殺菌フィルタ86を介して殺菌された上で排気筒90から大気放出される。
【0066】
なお、脱臭媒体の脱臭性能を好適に維持するためには、脱臭媒体中の微生物の生息環境を好適に保つ必要がある。そのため、運転中、脱臭媒体の温度や湿度を管理する。具体的には、脱臭媒体の温度が温度センサ85の検出信号を基に制御装置45により演算され、使用者は必要に応じて操作盤13等によりそれをモニタする。また、脱臭媒体には、給水装置80(図11参照)により一定時間置きに給水する。この給水量は流量計55の検出信号を基に、制御装置45により演算される。
【0067】
本実施の形態の生ごみ処理機は、以上のように生ごみを分解処理し、減量化又は消滅させる。
【0068】
以上説明した本実施の形態によれば、生ごみ処理機本体1と脱臭ユニット2とを分割して設けており、脱臭ユニット本体カバー7に設けた吸気導出口58から導出された吸気が、接続ダクト59及び吸気導入口17を介して(又は接続ダクト59を介さず吸気導出口58から直接吸気導入口17を介して)生ごみ処理機本体1側に導かれ、吸気ダクト18を介して処理槽20内に導入される。このとき、脱臭ユニット2内の雰囲気は、脱臭槽70において脱臭媒体に生息する微生物が臭気成分を分解する際に放出される熱により温暖になっている。こうして、脱臭ユニット2内で副次的に発生する熱をも有効活用し、脱臭ユニット2内の温暖な雰囲気を処理槽20内に導くことにより、処理槽20を加熱する加熱源(例えば加熱ヒータ56)の負担を軽減することができ、簡易な構成で効果的にエネルギー効率を向上させることができる。
【0069】
また、本実施の形態においては、排気ファン66及びその駆動装置68を脱臭ユニット2内に設けているため、この排気ファン66の駆動装置68からの放出熱により、脱臭ユニット2内の雰囲気はより温暖になり、処理槽20への吸気もそれだけ温暖なものとなる。しかも、排気ファン66は、少なくとも生ごみの減量化処理が行われている間は、常時駆動されるのが一般的であり、しかも、比較的大型の生ごみ処理機であれば、それだけ出力の大きなものが用いられる場合が多い。つまり、排気ファン66は、生ごみ処理機を構成する装置の中において、比較的放熱量の大きな設備の一つとして挙げられる。本実施の形態は、その放出熱を吸気の加熱源として利用することができるので、これによっても、簡易な構成でよりエネルギー効率を向上させることができる。
【0070】
また、本実施の形態においては、上記に加え、処理機本体カバー6内において、吸気ダクト18を加熱ヒータ56の近接領域を経由させることにより、吸気ダクト18内を流れる吸気を、加熱ヒータ56から放出される熱により更に加熱することができる。これにより、処理槽20内に導かれる吸気は、更に温暖な状態となり、処理媒体の温度環境を温暖なものとすることができ、加熱ヒータ56の負担を軽減することができるので、よりエネルギー効率を向上させることができる。
【0071】
更に、脱臭ユニット本体カバー7の各側壁に、処理機本体カバー6の吸気導入口17に対応して吸気導出口58を備えている。そして、これら吸気導出口58のうち、脱臭ユニット2の配置に応じて、処理機本体カバー6の吸気導入口17に接続するもののみを選択的に開口させ、接続ダクト59を介して吸気導入口17に接続してある。このとき、吸気導入口17に接続されない他の吸気導出口58は塞いでおく。このような構成により、脱臭ユニット2のレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0072】
なお、本発明の本質的特徴は、脱臭ユニット2内の暖かな雰囲気を処理槽20への吸気として導くことであり、この限りにおいては、吸気ダクト18を加熱ヒータ56を近接させる構成や吸気導出口58を脱臭ユニット本体カバー7の各側壁に設ける構成等は、必ずしも必要ない。同様に、必ずしも吸気ダクト18が加熱ヒータ56の近接領域を経由している必要もない。
【0073】
また、図14は、本実施の形態における吸気及び排気の経路を模式的に表した図である。この図14に示すように、本実施の形態において、排気ファン66を、脱臭ユニット本体カバー7内における脱臭装置(脱臭槽70)の上流側位置(図14中位置アとする)に設けたが、必ずしもこれに限られない。即ち、本実施の形態においては、処理槽20への吸気の加熱源として、脱臭槽70の放出熱に加えて排気ファン66の放出熱も活用する構成としたが、脱臭槽70の放出熱で足りる場合等には、排気ファン66の位置を変更して構わない。
【0074】
例えば、同じ脱臭ユニット本体カバー7内であっても、例えば吸気取込口57と吸気導出口58とを別途ダクトで接続し、このダクトの経路中のいずれかの位置(例えば図14中の位置イ)に排気ファン66を設ける構成としても良い。また、図14中の位置ウ(例えば上記排気ダクト4の経路中)や、位置エ(例えば上記接続ダクト59の経路中)等、処理機本体カバー6や脱臭ユニット本体カバー7の中ではなく、外部に露出した位置に設けても構わない。但し、この場合、生ごみ処理機の設置場所が屋外である場合等は、何らかのカバーで排気ファン66及びその駆動装置68を保護することが好ましい。更に、処理機本体カバー6内における処理槽20の下流側の位置オ、上流側の位置カに排気ファン66を設けても構わない。このように、一般的にそうあるように、本実施の形態においても、排気ファン66は必ずしも位置アに限られず、その他の吸気又は排気の経路中の任意の位置に設けて良い。
【0075】
更に、本実施の形態においては、脱臭装置として、微生物により排気中の臭気成分を分解するいわゆる生物脱臭方式の脱臭装置(脱臭槽70)を用いた例を挙げたが、例えば触媒を加熱して臭気成分を除去する加熱触媒方式の脱臭装置を用いても良い。この場合においても、触媒の加熱装置から放出される熱により脱臭ユニット内の雰囲気が温暖に加熱されるため、同様の効果が得られる。また、排気の脱臭方法は、この他にも多種のものがあり、それぞれ本発明に適用することができる。以下に、そのような他の方式の脱臭装置の例を説明する。
【0076】
図15は、いわゆる直接燃焼方式の脱臭装置の概略構成を表す概念図である。この図15に示す脱臭装置70Aは、排気経路中に設けた燃焼室としての脱臭槽97を燃焼器98により直接加熱することにより、脱臭槽97を通過する排気中の臭気成分を直接燃焼させ除去するようになっている。
【0077】
図16は、いわゆる光触媒方式の脱臭装置の概略構成を表す概念図である。この図16に示す脱臭装置70Bは、排気経路中に設けた脱臭槽99内に、光触媒100と、この光触媒100に紫外線101aを照射する紫外線ランプ101とを備えている。即ち、本方式では、光触媒100に紫外線101aを照射すると発生する活性OH102により、脱臭槽99を通過する排気中の臭気成分103を、水103a及び二酸化炭素103bに酸化分解するようになっている。
【0078】
図15の直接燃焼方式の脱臭装置70Aを上記脱臭ユニット2内に設けた場合においても、燃焼器98の余熱により脱臭ユニット本体カバー7内の雰囲気が温暖に加熱される。また、図16の光触媒方式の脱臭装置70Bを脱臭ユニット2内に設けた場合にも、紫外線ランプ101から放出される熱や臭気成分103の分解熱等により脱臭ユニット本体カバー7内の雰囲気が温暖になる。このように脱臭方式には多種のものがあるが、上記のような生物脱臭方式の脱臭装置に限らず、本発明は、多種多様な脱臭方式の脱臭装置を適用することができ、同様の効果を得ることができる。
【0079】
またなお、以上において、媒体への給水装置や媒体の攪拌装置、媒体容器の加熱ヒータ、排気ファン等は、以上説明してきた本実施の形態のものに限定されるものではない。更に、各種センサ類を多数設ける構成としたが、本発明の本質的効果を得る限りにおいては必ずしも必要なものではなく、適宜省略しても良い。更に、以上においては、微生物の分解作用により生ごみを減量化処理する生ごみ処理機を例に挙げて説明したが、本発明は、例えば加熱したり、熱風を当てたりして生ごみを乾燥させて減量化処理するいわゆる乾燥型のもの等、処理方式の異なる生ごみ処理機に対しても適用可能である。これらの場合も、同様の効果を得ることができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、脱臭ユニットの内蔵設備の放出熱により温暖な状態となった脱臭ユニット本体カバー内の雰囲気を、生ごみ処理機本体の処理槽内に吸気することにより、従来、脱臭ユニットを生ごみ処理機本体とは別に設けた場合、特に有効利用されずに排熱されていた脱臭ユニット内で副次的に発生する熱をも有効活用することができ、処理槽を加熱する加熱源の負担を軽減することができるので、簡易な構成で効果的にエネルギー効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生ごみ処理機の一実施の形態の全体構造を表す正面図である。
【図2】本発明の生ごみ処理機の一実施の形態の全体構造を表す上面図である。
【図3】本発明の生ごみ処理機の一実施の形態の全体構造を表す図1中右側から見た側面図である。
【図4】図2中IV−IV断面による断面図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態を構成する生ごみ処理機本体の内部構造を詳細に表す図である。
【図5】図4中V−V断面による断面図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態を構成する生ごみ処理機本体の内部構造を詳細に表す図である。
【図6】図4中VI−VI断面による側断面図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態を構成する生ごみ処理機本体の内部構造を詳細に表す図である。
【図7】図5中のVII部拡大図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態に備えられた処理槽の受入用開口近傍部分の詳細図である。
【図8】図4中VIII−VIII断面による断面図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態に備えられた処理槽の排気開口近傍部分の詳細図である。
【図9】図1中IX−IX断面による水平断面図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態を構成する脱臭ユニットの内部構造を詳細に表す図である。
【図10】図9中X−X断面による断面図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態を構成する脱臭ユニットの内部構造を詳細に表す図である。
【図11】図9中XI−XI断面による断面図であって、本発明の生ごみ処理機の一実施の形態を構成する脱臭ユニットの内部構造を詳細に表す図である。
【図12】本実施の形態の生ごみ処理機の一実施の形態の全体構成を表すブロック図である。
【図13】本発明の生ごみ処理機の一実施の形態における吸気及び排気経路を表す図2中XIII−XIII断面による断面図である。
【図14】本発明の生ごみ処理機の一実施の形態における吸気及び排気の経路を模式的に表した図である。
【図15】本発明の生ごみ処理機の一実施の形態に備える脱臭装置の変形例としての直接燃焼方式の脱臭装置の概略構成を表す概念図である。
【図16】本発明の生ごみ処理機の一実施の形態に備える脱臭装置の変形例としての光触媒方式の脱臭装置の概略構成を表す概念図である。
【符号の説明】
1 生ごみ処理機本体
2 脱臭ユニット
4 排気ダクト
6 処理機本体カバー
7 脱臭ユニット本体カバー
17 吸気導入口
18 吸気ダクト
20 処理槽
56 加熱ヒータ
57 吸気取込口
58 吸気導出口
59 接続管路
66 排気ファン
70 脱臭槽(脱臭装置)
70A 脱臭装置
70B 脱臭装置
Claims (7)
- 投入された生ごみを処理槽に受け入れ、この処理槽にて前記生ごみを減量化処理する生ごみ処理機本体と、
この生ごみ処理機本体と分割して設けられ、前記処理槽からの排気を脱臭する脱臭装置を内蔵した脱臭ユニットと、
この脱臭ユニットの脱臭ユニット本体カバーに設けられ、前記脱臭ユニット内に吸気を取入れる吸気取込口と、
前記脱臭ユニット本体カバーに設けられ、前記吸気取込口から取入れた吸気を前記脱臭ユニット外に導出する吸気導出口と、
前記生ごみ処理機本体の処理機本体カバーに設けられ、前記吸気導出口に接続される吸気導入口と、
前記生ごみ処理機本体内に設けられ、前記吸気導入口から取り入れた吸気を、前記処理槽内に導く吸気ダクトと、
前記生ごみ処理機本体及び前記脱臭ユニットを接続し、前記処理槽からの排気を前記脱臭装置内に導く排気ダクトと
を備えたことを特徴とする生ごみ処理機。 - 請求項1記載の生ごみ処理機において、前記脱臭ユニット本体カバー内の排気経路中に設けられ、前記処理槽内の換気を促進する排気ファンを備えたことを特徴とする生ごみ処理機。
- 請求項1又は2記載の生ごみ処理機において、前記吸気導出口と前記吸気導入口とを接続する接続管路を備えたことを特徴とする生ごみ処理機。
- 請求項1又は2記載の生ごみ処理機において、前記吸気導出口と前記吸気導入口とが対向し接続するよう、前記生ごみ処理機本体と前記脱臭ユニットとを隣接配置したことを特徴とする生ごみ処理機。
- 請求項1乃至4のいずれか1項記載の生ごみ処理機において、前記処理槽を加熱する加熱ヒータを設け、前記吸気ダクトは、前記加熱ヒータの近接領域を経由することを特徴とする生ごみ処理機。
- 請求項1乃至5のいずれか1項記載の生ごみ処理機において、前記脱臭ユニットは、前記脱臭ユニット本体カバーの各側壁に前記吸気導出口を備え、これら吸気導出口のうち、前記脱臭ユニットの配置に応じて前記吸気導入口に接続するもののみを選択的に開口させ、他のものを閉塞させることを特徴とする生ごみ処理機。
- 請求項1乃至6のいずれか1項記載の生ごみ処理機において、前記処理槽は、前記生ごみを分解する微生物が混入されている処理媒体を収容することを特徴とする生ごみ処理機。
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JP2017170350A (ja) * | 2016-03-24 | 2017-09-28 | クボタ環境サ−ビス株式会社 | 発酵脱臭システム及び発酵脱臭方法 |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002188377A patent/JP2004025117A/ja active Pending
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