JPH07307151A - リチウム二次電池およびその製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池およびその製造方法

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JPH07307151A
JPH07307151A JP6124583A JP12458394A JPH07307151A JP H07307151 A JPH07307151 A JP H07307151A JP 6124583 A JP6124583 A JP 6124583A JP 12458394 A JP12458394 A JP 12458394A JP H07307151 A JPH07307151 A JP H07307151A
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JP
Japan
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nickel oxide
lithium
lithium nickel
oxide
ratio
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JP6124583A
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English (en)
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Hiroyuki Toshiro
博行 戸城
Kazunobu Matsumoto
和伸 松本
Akira Kawakami
章 川上
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リチウムまたはリチウム含有化合物を負極に
用い、リチウムニッケル酸化物を正極活物質として用い
るリチウム二次電池において、充放電容量を向上させ
る。 【構成】 3価以上のニッケルを含むニッケル酸化物ま
たは加熱により3価以上のニッケルを生成するニッケル
塩と、リチウム塩とを、Li/Ni(モル比)=1.0
〜1.5で仕込んで熱処理し、Xバンドを使用し温度7
7Kで測定した電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクト
ルがシングレット(一重線)で、そのピーク間の線幅
(△Hpp)が140mT以上であり、かつ粉末X線回
折像(CuKα線)においてリチウムニッケル酸化物以
外の主ピークとリチウムニッケル酸化物の主ピークとの
強度比が0.03以下で、Li/Ni比(モル比)が
0.9以上、一次粒子の平均粒径が1μm以下のリチウ
ムニッケル酸化物を合成し、それを正極活物質として用
いて、リチウム二次電池を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上に利用分野】本発明は、リチウム二次電池およ
びその製造方法に係わり、さらに詳しくはその正極活物
質の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムニッケル酸化物は、Li(リチ
ウム)とNi(ニッケル)との比が化学量論組成比どお
り1:1(モル比)であれば、LiNiO2 となり、L
iCoO2 などと同様の層状構造を有することから、リ
チウム二次電池用の正極活物質として、その有用性が期
待されている。
【0003】しかしながら、従来のリチウムニッケル酸
化物の合成法では、LiとNiとのモル比が化学量論組
成比からずれやすく、NiがLiの層にまで侵入した、
層状構造の乱れたものしか得られず、そのためリチウム
二次電池の正極活物質として用いたときに、充放電容量
がLiとNiとのモル比が1:1のLiNiO2 から推
定される値より小さい電池しか得られないという問題が
あった。
【0004】ここで、従来のリチウムニッケル酸化物の
合成法ならびにそれによって合成されたリチウムニッケ
ル酸化物のLi/Ni比(モル比)について具体的に説
明すると、従来、リチウムニッケル酸化物は、たとえば
特公昭63−59507号公報に記載のように、水酸化
リチウム水和物(LiOH・H2 O)とニッケル(N
i)粉末とを酸素(O2 )雰囲気中750℃で12時間
加熱した後、再度粉砕し、それをさらに焼成することに
よって合成されていた。
【0005】しかし、実際に得られるものは、LiとN
iとのモル比が化学量論組成比どおりの1:1(モル
比)のLiNiO2 ではなく、Li0.85Ni1.152
組成を持つものであって、そのLi/Ni比(モル比)
は0.74であり、層状構造が乱れていて、リチウム二
次電池の正極活物質として用いたときに、前記したよう
に充放電容量の小さい電池しか得られなかった。
【0006】また、Li/Ni比(モル比)が、たとえ
化学量論組成比どおりの1であったとしても、LiとN
iの結晶配置がランダム(disorder)になり、
一部のNiがLiの層にまで侵入する可能性があり、そ
れによって、充放電容量が低下しているものと考えられ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うに、従来法で合成されたリチウムニッケル酸化物を正
極活物質として用いたリチウム二次電池の充放電容量が
小さかったという問題点を解決し、充放電容量の大きい
リチウム二次電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、リチウム二次
電池の正極活物質として用いるリチウムニッケル酸化物
を、3価以上のニッケルを含むニッケル酸化物または加
熱により3価以上のニッケルを生成するニッケル塩と、
リチウム塩とを、Li/Ni(モル比)=1.0〜1.
5で仕込んで熱処理し、Xバンドを使用し温度77Kで
測定した電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルがシ
ングレット(一重線)で、かつ粉末X線回折像(CuK
α線)においてリチウムニッケル酸化物以外の主ピーク
とリチウムニッケル酸化物の主ピークとの強度比が0.
03以下であるリチウムニッケル酸化物を合成すること
によって、上記目的を達成したものである。
【0009】さらに、本発明者らは、電子スピン共鳴お
よび粉末X線回折像のピーク強度比に関して上記特性を
持ち、しかも電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトル
のピーク間の線幅(△Hpp)が140mT以上を示す
電子構造を有するリチウムニッケル酸化物が、特に充放
電容量の大きいリチウム二次電池が得られ、リチウム二
次電池の正極活物質として優れていることも見出した。
【0010】上記のように、リチウムニッケル酸化物の
電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルが低温でもシ
ングレットであるということは、該リチウムニッケル酸
化物のニッケル(Ni)が3価で、かつニッケルをとり
まく電子状態が充放電に適した状態になっていることを
示しているが、これは本発明においてはじめて明らかに
なったことである。すなわち、従来はX線回折像と充放
電容量との相関性やニッケルの価数と充放電容量との相
関性が報告されていたが、それらは必ずしも充放電容量
と一致していなかった。
【0011】本発明者らは、酸化ニッケル(Ni
2 3 )を用い、リチウムニッケル酸化物の合成法を検
討して充放電容量の大きなものを合成し、それを電子ス
ピン共鳴で解析し、それらの高容量リチウムニッケル酸
化物が電子スピン共鳴においてある種の信号を示すこと
を明らかにしたのである。このように、電子スピン共鳴
の一次微分吸収スペクトルがシングレットであるリチウ
ムニッケル酸化物は、Li/Ni比(モル比)も1に近
く、充放電容量の大きいリチウム二次電池が得られる要
因になるのである。
【0012】上記電子スピン共鳴スペクトルの測定を温
度77Kで行うのは、測定温度をできるだけ低くして、
磁気的エネルギーの格子振動の熱運動エネルギーへの交
換を低減し、吸収強度を強くするため、比較的安価でコ
スト的に容認可能な液体チッ素の沸点である77Kで測
定することにしたことによるものである。ただし、測定
そのものは、50Kから120Kの温度でも可能であ
る。
【0013】そして、上記リチウムニッケル酸化物の粉
末X線回折像においてリチウムニッケル酸化物以外の主
ピークとリチウムニッケル酸化物の主ピーク(2θ=1
8〜19°に現れる)との強度比が0.03以下である
ということは、リチウムニッケル酸化物以外のもの、つ
まり不純物が非常に少ないことを示しており、このよう
にリチウムニッケル酸化物の純度が高く、不純物が少な
いことによって、充放電容量の大きいリチウム二次電池
が得られるようになる。
【0014】また、本発明者らは、上記リチウム二次電
池の正極活物質として用いるリチウムニッケル酸化物と
しては、3価以上のニッケルを含むニッケル酸化物また
は加熱により3価以上のニッケルを生成するニッケル塩
と、リチウム塩とを熱処理することによって得られるリ
チウムニッケル酸化物であって、Li/Ni比(モル
比)が1に近く、かつ一次粒子の平均粒径が1μm以下
の微小粒子のものが、充放電容量の大きいリチウム二次
電池を得る上で、特に適していることも見出した。
【0015】上記3価以上のニッケルを含むニッケル酸
化物または加熱により3価以上のニッケルを生成するニ
ッケル塩としては、たとえば、酸化ニッケル(III)(N
23 )、NiOOH、Li2 NiO3 、Li2 Ni
3-a などが挙げられる。これらのうち、特に酸化ニッ
ケル(III)(Ni2 3 )が高容量のリチウムニッケル
酸化物が得られるという点で好ましい。
【0016】酸化ニッケル(III)は、純粋なNi2 3
の形では得られず、H2 OやOH基を若干含みやすい。
すなわち、酸化ニッケルは、完全に無水のものは得られ
ず、水化物のみ知られている。本発明者らは、この酸化
ニッケルの単位重量あたりのNi含有量を滴定で求めた
ところ、試薬1gあたり、0.698gから0.710
gのNiが含まれていて、Ni2 3 での計算値(0.
7098gのNi含有量)にほぼ一致していて、3価の
ニッケル塩であることを確認した。また、温度を上昇さ
せながら、重量変化を測定する熱分析からも、酸素を放
出し、NiOになる分の減量が観察されることから、3
価のニッケル塩であることを確認した。
【0017】リチウム塩としては、たとえば、酸化リチ
ウム(Li2 O)、水酸化リチウム水和物(LiOH・
2 O)などが用いられる。特に水酸化リチウム水和物
(LiOH・H2 O)は融点が低く、均一に混合しやす
いという点で、リチウムニッケル酸化物を合成するため
のLi源として特に好ましい。
【0018】本発明において、リチウムニッケル酸化物
の合成にあたり、そのNi源として3価以上のニッケル
を含むニッケル酸化物または加熱により3価以上のニッ
ケルを生成するニッケル塩を用いるのは、それらを用い
ることによって、3価のニッケルを含むリチウムニッケ
ル酸化物が生成しやすくなり、また2価のニッケルの混
入を抑制して、LiとNiとの比が化学量論組成比の
1:1(モル比)に近いリチウムニッケル酸化物が得ら
れやすくなるからである。
【0019】リチウムニッケル酸化物の合成にあたって
は、上記3価以上のニッケルを含むニッケル酸化物また
は加熱により3価以上のニッケルを生成するニッケル塩
と、リチウム塩とを混合し、その混合物を熱処理する
が、この熱処理は酸素気流中または酸素加圧下などの酸
素雰囲気中で行うのが、化学量論組成比に近いリチウム
ニッケル酸化物を得るのに適している。
【0020】すなわち、酸素雰囲気中で熱処理すると3
価のニッケルの安定性が増し、2価のニッケルの生成を
抑制するので、Li/Ni比(モル比)が1に近い理想
的なリチウムニッケル酸化物が生成しやすいからであ
る。
【0021】また、リチウムニッケル酸化物の合成にあ
たり、3価以上のニッケルを含むニッケル酸化物または
加熱により3価以上のニッケルを生成するニッケル塩
と、リチウム塩との仕込み比率は、Li/Ni比(モル
比)が1.0ないしリチウム塩を少し過剰にしたLi/
Ni比(モル比)が1.5までの範囲が好ましい。特に
Li/Ni比(モル比)が1.01〜1.3の範囲が好
ましく、とりわけLi/Ni比(モル比)が1.1付近
が最も好ましい。
【0022】上記のように、熱処理にあたって、特にL
i/Ni比(モル比)を1より少し大きい領域にするこ
とを好ましいとするのは、熱処理時にリチウム塩が蒸発
しやすく、その結果、合成されるリチウムニッケル酸化
物のLi/Ni比(モル比)が小さくなりやすいので、
それを避けるためであり、またLi/Ni比(モル比)
を1.5以下で仕込むのを好ましいとするのは、上記L
i/Ni比(モル比)が1.5より大きくなると反応し
きれなかったリチウム塩が電池系内で充放電反応を阻害
することになり、リチウム二次電池の充放電容量が小さ
くなるからである。
【0023】なお、合成後のリチウムニッケル酸化物に
おけるLi/Ni比(モル比)は、Li量を原子吸光法
により測定し、Ni量をキレート滴定法により測定する
ことによって求めることができる。
【0024】リチウムニッケル酸化物のLi/Ni比
(モル比)は0.9以上が好ましいが、これはLi/N
i(モル比)が0.9以上になると層状構造の乱れが少
なくなり、充放電容量の大きいリチウム二次電池が得ら
れやすくなるからである。そして、リチウムニッケル酸
化物のLi/Ni比(モル比)はその化学量論組成比の
1に近付けば近付くほど好ましいが、1を超えてLi/
Ni比(モル比)が1.5程度になってもかまわない。
【0025】また、本発明においては、リチウムニッケ
ル酸化物の平均粒径を1μm以下が好ましいとしている
が、これはリチウムニッケル酸化物の平均粒径が1μm
より大きくなると正極活物質として用いたときに反応表
面積が減少して、充放電容量が小さくなるからである。
リチウムニッケル酸化物の粒径は非常に小さくなっても
放電性能面からは問題ないが、あまりにも小さくなりす
ぎると取扱いにくくなるので、平均粒径で0.3μm程
度のものまでを使用するのが好ましい。本発明におい
て、リチウムニッケル酸化物の粒径はSEM(走査型電
子顕微鏡)で観察して求めたものであり、レーザー回折
式などの粒度分布計で求めた粒径とは異なる場合があ
る。
【0026】リチウムニッケル酸化物の合成時の熱処理
温度は680〜780℃が好ましい。熱処理時の温度が
680℃より低い場合は、反応が進行しにくくなり、ま
た熱処理時の温度が780℃より高くなると、リチウム
ニッケル酸化物のLi/Ni比が小さくなるとともに、
粒径が大きくなる。熱処理時間は、熱処理温度にもよる
が、5〜30時間が好ましい。
【0027】上記熱処理にあたっては、一気に680〜
780℃まで昇温することなく、400〜600℃で予
備加熱することが好ましい。これは、3価のニッケルが
熱に対して不安定であって、一気に680〜780℃ま
で昇温すると、2価のニッケルに変化しやすいためであ
る。この予備加熱の時間は、特に限定されるものではな
いが、通常1〜10時間程度が好ましい。
【0028】上記のように、熱処理は予備加熱を経る方
法で行うのが好ましく、その際の熱処理としては、40
0〜600℃程度で2〜4時間予備加熱した後、680
〜780℃で5〜20時間加熱することが特に好まし
く、後者の熱処理を予備加熱と区別するために焼成と表
現することがある。そして、上記の熱処理は、もちろん
酸素気流中または酸素加圧下などの酸素雰囲気中で行う
のが好ましい。
【0029】本発明において、リチウムニッケル酸化物
とは、LiとNiとの比が化学量論組成比どおり1:1
(モル比)に合成されればLiNiO2 と表記されるも
のを対象とし、そうなるように努めているが、実際に
は、LiとNiとの比が化学量論組成比からずれて合成
される場合が多いので、LiNiO2 とせず、リチウム
ニッケル酸化物としている。
【0030】正極は、上記リチウムニッケル酸化物に、
要すれば、たとえばりん状黒鉛、アセチレンブラックな
どのような電子伝導助剤と、たとえばポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのような結着剤
を加えて、混合し、得られた正極合剤を適宜の手段で成
形することによって作製される。
【0031】負極には、リチウムまたはリチウム含有化
合物が用いられるが、そのリチウム含有化合物としては
リチウム合金とそれ以外のものとがある。
【0032】上記リチウム合金としては、たとえばリチ
ウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−インジ
ウム、リチウム−ガリウム、リチウム−インジウム−ガ
リウムなどが挙げられる。リチウム合金以外のリチウム
含有化合物としては、たとえば乱層構造を有する炭素材
料、黒鉛、タングステン酸化物、リチウム鉄複合酸化物
などが挙げられる。
【0033】これら例示のリチウム含有化合物中には、
製造時にリチウムを含んでいないものもあるが、負極と
して作用するときにはリチウムを含んだ状態になる。こ
れらのうち、特に黒鉛が容量密度が大きい点で好まし
い。
【0034】電解液としては、たとえば1,2−ジメト
キシエタン、1,2−ジエトキシエタン、プロピレンカ
ーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクト
ン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジエ
チルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチ
ルカーボネートなどの単独または2種以上の混合溶媒
に、たとえばLiCF3 SO3 、LiC4 9 SO3
LiClO4 、LiPF6 、LiBF4 などの電解質の
1種または2種以上を溶解させた有機電解液が用いられ
る。そして、上記有機溶媒のうち、特にプロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、メチルエチルカーボ
ネートなどが、サイクル特性が良好であるという点で好
ましい。
【0035】
【実施例】つぎに、実施例をあげて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0036】実施例1 水酸化リチウム水和物(LiOH・H2 O)と酸化ニッ
ケル(III)(Ni2 3 )とを熱処理してリチウムニッ
ケル酸化物を合成した。上記合成は以下に示すように行
った。
【0037】水酸化リチウム水和物と酸化ニッケル(II
I)とをLi/Ni=1.1/1(モル比)の割合になる
ように秤量した後、ボールミルを用いて粉砕しつつ混合
した。これを酸素気流中において500℃で2時間予備
加熱した後、昇温速度50℃/時以下で700℃まで昇
温し、700℃で20時間加熱して焼成した。
【0038】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴をXバンドを使用し、温度77Kで測定した
ところ、電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルは図
2に示すようにシングレットであり、そのピーク間の線
幅(△Hpp)は166mTであった。
【0039】上記リチウムニッケル酸化物の電子スピン
共鳴の測定は、BRUKER社製の電子スピン共鳴測定
機ESP300Eを用い、粉末状にした試料を石英毛細
管に入れて真空封管し、これを液体窒素デュワーに挿入
し、Xバンドを使用して、液体窒素の沸点である77K
で測定することによって行った。
【0040】そして、一次微分吸収スペクトルのピーク
間の線幅(△Hpp)は、図2から得られた線幅をMg
2+/MgO標準試料を用いて補正することにより決定し
た。
【0041】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折像を図4に概略的に示す。この粉末X線回折か
ら得られたリチウムニッケル酸化物以外の主ピークとリ
チウムニッケル酸化物の主ピークとの強度比は0.00
98であった。
【0042】すなわち、リチウムニッケル酸化物の主ピ
ークは2θ=18〜19°に現れるピークで、その強度
は99067cps(cps=count per s
ec、以下同様)であり、リチウムニッケル酸化物以外
の主ピークは2θ=31.68°に現れるピークで、そ
の強度は972cpsであって、このリチウムニッケル
酸化物以外の主ピークとリチウムニッケル酸化物の主ピ
ークとの強度比は上記のように0.0098であった。
【0043】なお、上記リチウムニッケル酸化物以外の
主ピークとリチウムニッケル酸化物の主ピークとの強度
比は、該強度比をR、リチウムニッケル酸化物以外の主
ピークの強度をP1 、リチウムニッケル酸化物の主ピー
クの強度をP0 とするとき、次の計算式によって求めら
れるものである。 R=P1 /P0
【0044】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
のLi/Ni比(モル比)は0.93であった。このL
i/Ni比は、合成されたリチウムニッケル酸化物のL
i量を原子吸光法により測定し、Ni量をキレート滴定
法により測定することによって求めたものである。そし
て、合成されたリチウムニッケル酸化物の一次粒子の平
均粒径は0.5μmであった。
【0045】上記のように熱処理することによって合成
されたリチウムニッケル酸化物を正極活物質として用
い、これに電子伝導助剤としてりん状黒鉛、結着剤とし
てポリテトラフルオロエチレンを80:15:5(重量
比)の割合で混合して正極合剤を調製した。
【0046】この正極合剤を金型に充填し、1t/cm
2 で直径10mmの円板状に加圧成形したのち、250
℃で熱処理して正極とした。この正極を用い、図1に示
す構造のボタン形リチウム二次電池を作製した。
【0047】図1において、1は上記の正極であり、2
は直径14mmの円板状のリチウムからなる負極であ
る。3は微孔性ポリプロピレンフィルムからなるセパレ
ータで、4はポリプロピレン不織布からなる電解液吸収
体である。5はステンレス鋼製の正極缶であり、6はス
テンレス鋼製網からなる正極集電体で、7はステンレス
鋼製で表面にニッケルメッキを施した負極缶である。
【0048】8はステンレス鋼製網からなる負極集電体
であり、上記負極缶7の内面にスポット溶接されてい
て、前記の負極2は、このステンレス鋼製網からなる負
極集電体8に圧着されている。9はポリプロピレン製の
環状ガスケットであり、この電池にはエチレンカーボネ
ートとメチルエチルカーボネートとの体積比1:1の混
合溶媒にLiPF6 を1mol/l溶解した有機電解液
が注入されている。
【0049】なお、この実施例1の電池の電解液とそれ
以後の電池の電解液との関係についてあらかじめ説明し
ておくと、実施例1〜4および比較例1〜2の電池につ
いては上記電解液が使用され、それ以外の電池はエチレ
ンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとの体積比
1:1の混合溶媒にLiCF3 SO3 を0.6mol/
l溶解した有機電解液が使用されている。
【0050】実施例2 水酸化リチウム水和物(LiOH・H2 O)と酸化ニッ
ケル(III)(Ni2 3 )とをLi/Ni=1/1(モ
ル比)の割合になるように秤量した後、ボールミルで粉
砕しつつ混合したものを熱処理してリチウムニッケル酸
化物を合成した。合成時の条件は、Li/Ni(モル
比)を1/1(モル比)に変えた以外は、実施例1の場
合と同じである。すなわち、熱処理は、酸素気流中にお
いて500℃で2時間予備加熱した後、昇温速度50℃
/時以下で700℃まで昇温し、700℃で20時間加
熱して焼成することにより行った。
【0051】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルは図2に
示すようにシングレットであり、そのピーク間の線幅
(△Hpp)は165mTであった。
【0052】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折像を図5に概略的に示す。この粉末X線回折か
ら得られたリチウムニッケル酸化物以外の主ピークとリ
チウムニッケル酸化物の主ピークとの強度比は0.00
99であった。
【0053】すなわち、リチウムニッケル酸化物の主ピ
ークは2θ=18〜19°に現れるピークで、その強度
は84535cpsであり、リチウムニッケル酸化物以
外の主ピークは2θ=31.62°に現れるピークで、
その強度は837cpsであって、このリチウムニッケ
ル酸化物以外の主ピークとリチウムニッケル酸化物の主
ピークとの強度比は上記のように0.0099であっ
た。
【0054】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.90であり、そ
の一次粒子の平均粒径が0.5μmであった。
【0055】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
1と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0056】実施例3 水酸化リチウム水和物(LiOH・H2 O)と酸化ニッ
ケル(III)(Ni2 3 )とをLi/Ni=1.3/1
(モル比)の割合になるように秤量した後、ボールミル
で粉砕しつつ混合したものを熱処理してリチウムニッケ
ル酸化物を合成した。合成時の条件は、Li/Ni(モ
ル比)を1.3/1(モル比)に変えた以外は、実施例
1の場合と同じである。すなわち、熱処理は、酸素気流
中において500℃で2時間予備加熱した後、昇温速度
50℃/時以下で700℃まで昇温し、700℃で20
時間加熱して焼成することにより行った。
【0057】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルは図2に
示すようにシングレットであり、そのピーク間の線幅
(△Hpp)は175mTであった。
【0058】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
の粉末X線回折像を図6に概略的に示す。この粉末X線
回折から得られたリチウムニッケル酸化物以外の主ピー
クとリチウムニッケル酸化物の主ピークとの強度比は
0.016であった。
【0059】すなわち、リチウムニッケル酸化物の主ピ
ークは2θ=18〜19°に現れるピークで、その強度
は99382cpsであり、リチウムニッケル酸化物以
外の主ピークは2θ=33.54°に現れるピークで、
その強度は1635cpsであって、このリチウムニッ
ケル酸化物以外の主ピークとリチウムニッケル酸化物の
主ピークとの強度比は上記のように0.016であっ
た。
【0060】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.94であり、そ
の一次粒子の平均粒径が0.5μmであった。
【0061】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
1と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0062】実施例4 水酸化リチウム水和物(LiOH・H2 O)と酸化ニッ
ケル(III)(Ni2 3 )とをLi/Ni=1.5/1
(モル比)の割合になるように秤量した後、ボールミル
で粉砕しつつ混合したものを熱処理してリチウムニッケ
ル酸化物を合成した。合成時の条件は、Li/Ni(モ
ル比)を1.5/1(モル比)に変えた以外は、実施例
1の場合と同じである。すなわち、熱処理は、酸素気流
中において500℃で2時間予備加熱した後、昇温速度
50℃/時以下で700℃まで昇温し、700℃で20
時間加熱して焼成することにより行った。
【0063】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルは図2に
示すようにシングレットであり、そのピーク間の線幅
(△Hpp)は177mTであった。
【0064】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
の粉末X線回折像を図7に概略的に示す。この粉末X線
回折から得られたリチウムニッケル酸化物以外の主ピー
クとリチウムニッケル酸化物の主ピークとの強度比は
0.029であった。
【0065】すなわち、リチウムニッケル酸化物の主ピ
ークは2θ=18〜19°に現れるピークで、その強度
は96332cpsであり、リチウムニッケル酸化物以
外の主ピークは2θ=33.52°に現れるピークで、
その強度は2795cpsであって、このリチウムニッ
ケル酸化物以外の主ピークとリチウムニッケル酸化物の
主ピークとの強度比は上記のように0.029であっ
た。
【0066】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.94であり、そ
の一次粒子の平均粒径が0.5μmであった。
【0067】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
1と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0068】比較例1 水酸化リチウム水和物(LiOH・H2 O)と酸化ニッ
ケル(III)(Ni2 3 )とをLi/Ni=0.75/
1(モル比)の割合になるように秤量した後、ボールミ
ルで粉砕しつつ混合したものを熱処理してリチウムニッ
ケル酸化物を合成した。合成時の条件は、Li/Ni
(モル比)を0.75/1(モル比)に変えた以外は、
実施例1の場合と同じである。すなわち、熱処理は、酸
素気流中において500℃で2時間予備加熱した後、昇
温速度50℃/時以下で700℃まで昇温し、700℃
で20時間加熱して焼成することにより行った。
【0069】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴をXバンドを使用し、温度77Kで測定した
ところ、電子スピン共鳴スペクトルは、実施例のような
シングレットの一次微分吸収スペクトルにならず、図3
に示すように、超ブロードな線形となり、その線幅(△
Hpp)は検出不可能であった。
【0070】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
の粉末X線回折像を図8に概略的に示す。この粉末X線
回折から得られたリチウムニッケル酸化物以外の主ピー
クとリチウムニッケル酸化物の主ピークとの強度比は
0.015であった。
【0071】すなわち、リチウムニッケル酸化物の主ピ
ークは2θ=18〜19°に現れるピークで、その強度
は62656cpsであり、リチウムニッケル酸化物以
外の主ピークは2θ=19.72°に現れるピークで、
その強度は934cpsであって、このリチウムニッケ
ル酸化物以外の主ピークとリチウムニッケル酸化物の主
ピークとの強度比は上記のように0.015である。
【0072】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.72であり、そ
の一次粒子の平均粒径が0.5μmであった。
【0073】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
1と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0074】比較例2 水酸化リチウム水和物(LiOH・H2 O)と酸化ニッ
ケル(III)(Ni2 3 )とをLi/Ni=2.0/1
(モル比)の割合になるように秤量した後、ボールミル
で粉砕しつつ混合したものを熱処理してリチウムニッケ
ル酸化物を合成した。合成時の条件は、Li/Ni(モ
ル比)を2.0/1(モル比)に変えた以外は、実施例
1の場合と同じである。すなわち、熱処理は、酸素気流
中において500℃で2時間予備加熱した後、昇温速度
50℃/時以下で700℃まで昇温し、700℃で20
時間加熱して焼成することにより行った。
【0075】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルは図2に
示すようにシングレットであり、そのピーク間の線幅
(△Hpp)は178mTであった。
【0076】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
の粉末X線回折像を図9に概略的に示す。この粉末X線
回折から得られたリチウムニッケル酸化物以外の主ピー
クとリチウムニッケル酸化物の主ピークとの強度比は
0.073と大きく、リチウムニッケル酸化物以外のも
の、つまり不純物を多く含んでいた。
【0077】すなわち、リチウムニッケル酸化物の主ピ
ークは2θ=18〜19°に現れるピークで、その強度
は90601cpsであり、リチウムニッケル酸化物以
外の主ピークは2θ=33.52°に現れるピークで、
その強度は6601cpsであって、このリチウムニッ
ケル酸化物以外の主ピークとリチウムニッケル酸化物の
主ピークとの強度比は上記のように0.073と大きか
った。
【0078】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.93であり、そ
の一次粒子の平均粒径が0.5μmであった。
【0079】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
1と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0080】上記実施例1〜4の電池および比較例1〜
2の電池を充電電流0.393mA、放電電流0.39
3mA(正極の単位面積当り:0.5mA/cm2
で、4.3〜2.5Vの電圧間で充放電した。
【0081】これらの電池では、リチウムニッケル酸化
物を正極活物質として用いている関係上、まず、充電し
て、リチウムニッケル酸化物からLiを抜き、リチウム
ニッケル酸化物はLi1-X NiO2 (x>0)として用
いた。
【0082】表1に、上記実施例1〜4および比較例1
〜2の原料の仕込みLi/Ni比、合成されたリチウム
ニッケル酸化物のLi/Ni比、電子スピン共鳴スペク
トルのピーク間の線幅(△Hpp)、リチウムニッケル
酸化物以外の主ピークとリチウムニッケル酸化物の主ピ
ークとの強度比、合成されたリチウムニッケル酸化物の
一次粒子の平均粒径および充放電容量を示す。
【0083】上記実施例1〜4や比較例1〜2は、出発
原料がいずれも水酸化リチウム水和物(LiOH・H2
O)と酸化ニッケル(III)(Ni2 3 )であるので、
表1は、原料の仕込みLi/Ni(モル比)の相違によ
り、合成されたリチウムニッケル酸化物のLi/Ni
比、電子スピン共鳴スペクトルのピーク間の線幅(△H
pp)、リチウムニッケル酸化物以外の主ピークとリチ
ウムニッケル酸化物の主ピークとの強度比、充放電容量
などがどのように変わるかを示している。
【0084】
【表1】
【0085】表1に示すように、実施例1〜4は、充放
電容量がそれぞれ209mAh/g、200mAh/
g、187mAh/g、177mAh/gと、大きかっ
た。そして、これら実施例1〜4の△Hpp(電子スピ
ン共鳴スペクトルのピーク間の線幅)は、それぞれ16
6mT、165mT、175mT、177mTであり、
いずれも140mT以上であった。
【0086】これに対し、比較例1は、充放電容量が2
5mAh/gと小さかった。また、比較例1のリチウム
ニッケル酸化物は電子スピン共鳴スペクトルが実施例の
ような一次微分吸収スペクトルにならず、△Hppが検
出できなかった。△Hppはリチウムニッケル酸化物中
のニッケルの電子状態を反映するものであり、比較例1
のリチウムニッケル酸化物の△Hppが検出できないと
いうことは、比較例1のリチウムニッケル酸化物が実施
例1〜4のリチウムニッケル酸化物とは異種の電子状態
であって、充放電には適さないものであることを示して
いるものと考えられる。
【0087】また、比較例1のリチウムニッケル酸化物
の電子状態が実施例1〜4のリチウムニッケル酸化物の
電子状態と異なることは、粉末X線回折像でリチウムニ
ッケル酸化物を六方晶として指数付けしたときの比較例
1の(003)ピークと(104)ピーク、すなわち2
θ=18〜19°の第1ピークと2θ=44〜45°の
第2ピークとの強度が逆転していて、比較例1のリチウ
ムニッケル酸化物の結晶構造が実施例1〜4のリチウム
ニッケル酸化物の結晶構造と異なっていると推定される
こととも矛盾しない。
【0088】どのような電子状態かは明らかではない
が、少なくとも不対電子を持ったニッケル3価の状態
で、かつ、それを取り巻く状況が充放電に適したLiN
iO2 の構造のときには、温度77Kにおいても、△H
ppが検出されることが本発明で初めて明らかになっ
た。
【0089】また、比較例2も充放電容量が60mAh
/gと小さかった。この比較例2のリチウムニッケル酸
化物は、電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルがシ
ングレットで△Hppが178mTであることから、実
施例1〜4のリチウムニッケル酸化物と同じ電子構造を
有するものを含んでいると考えられるが、不純物、つま
りリチウムニッケル酸化物以外のピークが実施例1〜4
のリチウムニッケル酸化物の場合より大きく、過剰に入
れたリチウム成分がリチウムニッケル酸化物以外の化合
物となり、それらが電池内において充放電反応を阻害し
て比較例2の充放電容量を小さくさせたものと考えられ
る。
【0090】つぎに、実施例5〜7および比較例3〜5
により、リチウムニッケル酸化物の合成時の焼成温度が
リチウムニッケル酸化物のLi/Ni比やリチウム二次
電池の充放電容量などに及ぼす影響を明らかにする。
【0091】実施例5 酸化リチウム(Li2 O)と酸化ニッケル(III)(Ni
2 3 )とを熱処理してリチウムニッケル酸化物を合成
した。上記の合成は以下に示すように行った。
【0092】酸化リチウムと酸化ニッケル(III)とをL
i/Ni=1.02/1(モル比)の割合になるように
秤量した後、メノウ製の乳鉢で粉砕しつつ混合した。こ
れを酸素(O2 )気流中において500℃で2時間予備
加熱した後、昇温速度50℃/時以下で700℃まで昇
温し、700℃で10時間加熱して焼成した。
【0093】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルは図10
に示すようにシングレットであり、そのピーク間の線幅
(△Hpp)は152mTであった。
【0094】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折像を図12に概略的に示す。この粉末X線回折
によれば、リチウムニッケル酸化物以外のピーク値、す
なわち不純物のピーク値は検出限界以下であり、もとよ
り、そのリチウムニッケル酸化物以外の主ピークとリチ
ウムニッケル酸化物の主ピークとの強度比は0.03以
下であった。
【0095】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.90であり、そ
の一次粒子の平均粒径が0.5μmであった。
【0096】上記のように熱処理することによって合成
されたリチウムニッケル酸化物を正極活物質として用
い、それ以外は実施例1と同様にして、ボタン形のリチ
ウム二次電池を作製した。
【0097】ただし、この実施例5を含め、以後の電池
では、実施例1の電池とは異なり、電解液としてエチレ
ンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとの体積比
1:1の混合溶媒にLiCF3 SO3 を0.6mol/
l溶解した有機電解液を使用した。
【0098】実施例6 水酸化リチウム水和物(LiOH・H2 O)と酸化ニッ
ケル(III)(Ni2 3 )とを700℃で熱処理してリ
チウムニッケル酸化物を合成した。合成時の条件は、酸
化リチウムに代えて水酸化リチウム水和物を用いた以外
は、実施例5の場合と同じである。すなわち、熱処理
は、酸素気流中において500℃で2時間予備加熱した
後、昇温速度50℃/時以下で700℃まで昇温し、7
00℃で10時間加熱して焼成することによって行っ
た。
【0099】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルは図10
に示すようにシングレットであり、そのピーク間の線幅
(△Hpp)は164mTであった。
【0100】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折像を図13に概略的に示す。この粉末X線回折
によれば、リチウムニッケル酸化物以外の主ピークは2
θ=31.7°に認められるが、そのピーク値は小さ
く、そのリチウムニッケル酸化物以外の主ピークとリチ
ウムニッケル酸化物の主ピークとの強度比は0.007
1と小さかった。
【0101】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.93であり、そ
の一次粒子の平均粒径が0.5μmであった。
【0102】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
5と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0103】実施例7 酸化リチウム(Li2 O)と酸化ニッケル(III)(Ni
2 3 )とを780℃で熱処理してリチウムニッケル酸
化物を合成した。合成時の条件は焼成温度を700℃か
ら780℃に変えたほかは、実施例5の場合と同じであ
る。すなわち、熱処理は、酸素気流中において500℃
で2時間予備加熱した後、昇温速度50℃/時以下で7
80℃まで昇温し、780℃で10時間加熱して焼成す
ることによって行った。
【0104】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルは図10
に示すようにシングレットであり、そのピーク間の線幅
(△Hpp)は146mTであった。
【0105】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折像を図14に概略的に示す。この粉末X線回折
によれば、リチウムニッケル酸化物以外のピーク値は検
出限界以下であり、もとより、リチウムニッケル酸化物
以外の主ピークとリチウムニッケル酸化物の主ピークと
の強度比は0.03以下であった。
【0106】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.93であり、そ
の一次粒子の平均粒径が1μmであった。
【0107】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
5と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0108】比較例3 酸化リチウム(Li2 O)と酸化ニッケル(III)(Ni
2 3 )とを900℃で熱処理してリチウムニッケル酸
化物を合成した。合成時の条件は焼成温度を700℃か
ら900℃に変えたほかは、実施例5の場合と同じであ
る。すなわち、熱処理は、酸素気流中において500℃
で2時間予備加熱した後、昇温速度50℃/時以下で9
00℃まで昇温し、900℃で10時間加熱して焼成す
ることによって行った。
【0109】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴スペクトルは、実施例のようなシン
グレットの一次微分吸収スペクトルにならず、図11に
示すように、超ブロードな線形となり、その線幅(△H
pp)は検出不可能であった。
【0110】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折像を図15に概略的に示す。この粉末X線回折
によれば、リチウムニッケル酸化物以外の主ピークは2
θ=33.6°のところに現れ、そのリチウムニッケル
酸化物以外の主ピークとリチウムニッケル酸化物の主ピ
ークとの強度比は0.014であった。
【0111】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.82で、一次粒
子の平均粒径が10μmであった。
【0112】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
5と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0113】比較例4 酸化リチウム(Li2 O)と酸化ニッケル(III)(Ni
2 3 )とを1100℃で熱処理してリチウムニッケル
酸化物を合成した。合成時の条件は焼成温度を700℃
から1100℃に変えたほかは、実施例5の場合と同じ
である。すなわち、熱処理は、酸素気流中において50
0℃で2時間予備加熱した後、昇温速度50℃/時以下
で1100℃まで昇温し、1100℃で10時間加熱し
て焼成することによって行った。
【0114】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴スペクトルは、実施例のようなシン
グレットの一次微分吸収スペクトルにならず、超ブロー
ドな線形となり、その線幅(△Hpp)は検出不可能で
あった。
【0115】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折像を図16に概略的に示す。この比較例4のリ
チウムニッケル酸化物は、実施例のリチウムニッケル酸
化物とは結晶形が異なるため、リチウムニッケル酸化物
以外の主ピークも見当たらなかった。
【0116】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.41で、その一
次粒子の平均粒径が50μmであった。
【0117】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
5と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0118】比較例5 酸化リチウム(Li2 O)と酸化ニッケル(III)(Ni
2 3 )とを500℃で熱処理してリチウムニッケル酸
化物を合成した。合成時の条件は焼成温度を700℃か
ら500℃に変えたほかは、実施例5の場合と同じであ
る。すなわち、熱処理は、酸素気流中において500℃
で2時間予備加熱した後、さらに500℃で10時間加
熱して焼成することによって行った。
【0119】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴スペクトルは、図10に示すよう
に、実施例のようなシングレットの一次微分吸収スペク
トルにならず、ブロードで、微弱な信号であり、線幅
(△Hpp)は観察不能であった。
【0120】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折像を図17に概略的に示す。この粉末X線回折
像によれば、リチウムニッケル酸化物以外の主ピークは
2θ=31.43のところに現れ、そのリチウムニッケ
ル酸化物以外の主ピークとリチウムニッケル酸化物の主
ピークとの強度比は0.056であり、不純物が多かっ
た。
【0121】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.43であり、そ
の一次粒子の平均粒径が0.45μmであった。
【0122】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
5と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0123】上記実施例5〜7の電池および比較例3〜
5の電池を充電電流0.393mA、放電電流0.39
3mA(正極の単位面積当り:0.5mA/cm2
で、4.3〜2.5Vの電圧間で充放電した。これらの
電池では、リチウムニッケル酸化物を正極活物質として
用いている関係上、まず、充電して、リチウムニッケル
酸化物からLiを抜き、リチウムニッケル酸化物はLi
1-X NiO2 (x>0)として用いた。
【0124】表2に、上記実施例5〜7および比較例3
〜5のリチウムニッケル酸化物の合成時の焼成温度と、
合成されたリチウムニッケル酸化物のLi/Ni比、電
子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルのピーク間の線
幅(△Hpp)、リチウムニッケル酸化物以外の主ピー
クとリチウムニッケル酸化物の主ピークとの強度比、合
成されたリチウムニッケル酸化物の一次粒子の平均粒
径、および充放電容量との関係を示す。これらのうち、
実施例5と実施例7と比較例3〜5は、出発原料がいず
れも酸化リチウム(Li2 O)と酸化ニッケル(III)
(Ni2 3 )であり、表2では、焼成温度の相違によ
り、電子スピン共鳴の線幅(△Hpp)や、平均粒径、
充放電容量などがどのように変わるかを示している。
【0125】
【表2】
【0126】表2に示すように、実施例5〜7は、充放
電容量がそれぞれ189mAh/g、221mAh/
g、153mAh/gと大きかった。そして、これら充
放電容量の大きい実施例5〜7のリチウムニッケル酸化
物では、△Hppがそれぞれ152mT、164mT、
146mTと、140mT以上の値を示した。
【0127】これに対し、比較例3〜5は、充放電容量
がそれぞれ69mAh/g、5mAh/g、37mAh
/gと小さかった。これら充放電容量が小さい比較例3
〜5のリチウムニッケル酸化物は、電子スピン共鳴スペ
クトルの線形が実施例のそれとは異なり、△Hppが検
出できなかった。
【0128】△Hppはリチウムニッケル酸化物中にニ
ッケルの電子状態を反映するものであり、比較例3〜4
のリチウムニッケル酸化物の△Hppが検出できなかっ
たということは、比較例3〜4のリチウムニッケル酸化
物が実施例5〜7のリチウムニッケル酸化物とは異種の
電子状態にあって、充放電には適さないものであること
を示しているものと考えられる。
【0129】比較例3〜4のリチウムニッケル酸化物の
電子状態が実施例5〜7のリチウムニッケル酸化物の電
子状態と異なることは、粉末X線回折で比較例3〜4の
リチウムニッケル酸化物の結晶構造が実施例5〜7のリ
チウムニッケル酸化物の結晶構造と異なっていると推定
されることとも矛盾しない。
【0130】どのような電子状態かは明らかではない
が、少なくとも不対電子を持ったニッケル3価の状態
で、かつ、それを取り巻く状況が充放電に適したLiN
iO2 の構造のときには、温度77Kにおいても、△H
ppが検出され、かつ△Hppが140mT以上になる
ことが本発明で初めて明らかになった。
【0131】また、比較例5のリチウムニッケル酸化物
は、500℃で焼成されたものであって、その電子スピ
ン共鳴の信号が実施例5の1/4程度の微弱信号であ
り、この焼成温度では反応が充分に進行しておらず、充
放電に適したLiNiO2 の構造は部分的にしか存在し
ていないと考えられる。粉末X線回折の結果も同じこと
を示唆している。
【0132】以上より、この△Hppの値が140mT
以上となるニッケルの電子状態をもつリチウムニッケル
酸化物を用いれば充放電容量の大きなリチウム二次電池
が作製できることが明らかになった。
【0133】つぎに、実施例8〜9と比較例6〜12に
より、リチウムニッケル酸化物のLi/Ni比や一次粒
子の平均粒径などが電池の充放電容量に与える影響につ
いて説明する。
【0134】実施例8 酸化リチウム(Li2 O)と酸化ニッケル(III)(Ni
2 3 )とを熱処理してリチウムニッケル酸化物を合成
した。上記の合成は以下のように行った。
【0135】酸化リチウムと酸化ニッケルとをLi/N
i=1/1(モル比)の割合になるように秤量した後、
メノウ製の乳鉢で粉砕しつつ混合した。これを酸素気流
中において500℃で2時間予備加熱した後、昇温速度
50℃/時以下で700℃まで昇温し、700℃で20
時間加熱して焼成した。
【0136】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルはシング
レットであり、そのピーク間の線幅(△Hpp)は15
0mTであった。
【0137】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折を行ったところ、リチウムニッケル酸化物以外
のピーク値、つまり不純物のピーク値は検出限界以下で
あって、もとより、リチウムニッケル酸化物以外の主ピ
ークとリチウムニッケル酸化物の主ピークとの強度比は
0.03以下であった。
【0138】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.90であり、そ
の一次粒子の平均粒径が0.5μmであった。
【0139】上記のように熱処理することによって合成
されたリチウムニッケル酸化物を正極活物質として用
い、それ以外は実施例5と同様にして、ボタン形リチウ
ム二次電池を作製した。
【0140】実施例9 水酸化リチウム水和物(LiOH・H2 O)と酸化ニッ
ケル(III)(Ni2 3 )とを700℃で熱処理してリ
チウムニッケル酸化物を合成した。合成時の条件は、酸
化リチウムに代えて水酸化リチウム水和物を用いた以外
は、実施例8と同じである。すなわち、熱処理は、酸素
気流中において500℃で2時間予備加熱した後、昇温
速度50℃/時以下で700℃まで昇温し、700℃で
20時間加熱して焼成することにより行った。
【0141】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルはシング
レットであり、そのピーク間の線幅(△Hpp)は16
5mTであった。
【0142】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折を行ったところ、リチウムニッケル酸化物以外
の主ピークは2θ=21.36°のところに現れたが、
そのピーク値は小さく、そのリチウムニッケル酸化物以
外の主ピークとリチウムニッケル酸化物の主ピークとの
強度比は0.0090であって、0.03以下の範囲内
に入っていた。
【0143】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、Li/Ni比(モル比)が0.90であり、一次粒
子の平均粒径が0.5μmであった。
【0144】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
8と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0145】比較例6 酸化リチウム(Li2 O)と酸化ニッケル(III)(Ni
2 3 )とを800℃で熱処理してリチウムニッケル酸
化物を合成した。合成時の条件は焼成温度を700℃か
ら800℃に変えたほかは、実施例8の場合と同じであ
る。すなわち、熱処理は、酸素気流中において500℃
で2時間予備加熱した後、昇温速度50℃/時以下で8
00℃まで昇温し、800℃で20時間加熱して焼成す
ることにより行った。
【0146】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルはシング
レットであったが、そのピーク間の線幅(△Hpp)は
135mTと小さかった。
【0147】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折を行ったところ、リチウムニッケル酸化物以外
のピークは小さく、検出限界以下であった。
【0148】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.94であり、そ
の一次粒子の平均粒径が3μmであった。
【0149】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
8と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0150】比較例7 酸化リチウム(Li2 O)と酸化ニッケル(III)(Ni
2 3 )とを900℃で熱処理してリチウムニッケル酸
化物を合成した。合成時の条件は焼成温度を700℃か
ら900℃に変えたほかは、実施例8の場合と同じであ
る。すなわち、熱処理は、酸素気流中において500℃
で2時間予備加熱した後、昇温速度50℃/時以下で9
00℃まで昇温し、900℃で20時間加熱して焼成す
ることにより行った。
【0151】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴スペクトルは実施例のようなシング
レットの一次微分吸収スペクトルにならず、超ブロード
な線形となり、その線幅(△Hpp)は検出不可能であ
った。
【0152】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折を行ったところ、リチウムニッケル酸化物以外
の主ピークは2θ=33.66°のところに現れ、その
リチウムニッケル酸化物以外の主ピークとリチウムニッ
ケル酸化物の主ピークとの強度比は0.0084であっ
た。
【0153】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.82であり、そ
の一次粒子の平均粒径が10μmであった。
【0154】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
8と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0155】比較例8 酸化リチウム(Li2 O)と酸化ニッケル(III)(Ni
2 3 )とを1100℃で熱処理してリチウムニッケル
酸化物を合成した。合成時の条件は焼成温度を700℃
から1100℃に変えたほかは、実施例8の場合と同じ
である。すなわち、熱処理は、酸素気流中において50
0℃で2時間予備加熱した後、昇温速度50℃/時以下
で1100℃まで昇温し、1100℃で20時間加熱し
て焼成することにより行った。
【0156】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴スペクトルは実施例のようなシング
レットの一次微分吸収スペクトルにならず、超ブロード
な線形となり、その線幅(△Hpp)は検出不可能であ
った。
【0157】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折を行ったところ、この比較例8のリチウムニッ
ケル酸化物は、実施例のリチウムニッケル酸化物とは結
晶構造が異なるため、リチウムニッケル酸化物以外の主
ピークも見当たらなかった。
【0158】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.41であり、そ
の一次粒子の平均粒径が50μmであった。
【0159】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
8と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0160】比較例9 酸化リチウム(Li2 O)と酸化ニッケル(III)(Ni
2 3 )とを500℃で熱処理してリチウムニッケル酸
化物を合成した。合成時の条件は焼成温度を700℃か
ら500℃に変えたほかは、実施例8の場合と同じであ
る。すなわち、熱処理は、酸素気流中において500℃
で2時間予備加熱した後、さらに500℃で20時間加
熱して焼成することにより行った。
【0161】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴スペクトルは、ブロードで、微弱な
信号であり、線幅(△Hpp)は観察不能であった。
【0162】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折を行ったところ、リチウムニッケル酸化物以外
の主ピークは2θ=31.48のところに現れ、そのリ
チウムニッケル酸化物以外の主ピークとリチウムニッケ
ル酸化物の主ピークとの強度比は0.055であって、
不純物が多かった。
【0163】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.45であり、そ
の一次粒子の平均粒径が0.5μmであった。
【0164】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
8と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0165】比較例10 炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸ニッケル(NiC
3 )とを700℃で熱処理してリチウムニッケル酸化
物を合成した。合成時の条件は、酸化リチウムに代えて
炭酸リチウムを用い、酸化ニッケル(III)に代えて炭酸
ニッケルを用いた以外は、実施例8の場合と同じであ
る。すなわち、熱処理は、酸素気流中において500℃
で2時間予備加熱した後、昇温速度50℃/時以下で7
00℃まで昇温し、700℃で20時間加熱して焼成す
ることにより行った。
【0166】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルはシング
レットであったが、そのピーク間の線幅(△Hpp)は
117mTと小さかった。
【0167】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折を行ったところ、リチウムニッケル酸化物以外
の主ピークは2θ=31.78°のところに現れ、その
リチウムニッケル酸化物以外の主ピークとリチウムニッ
ケル酸化物の主ピークとの強度比が0.0085であっ
た。
【0168】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.86であり、そ
の一次粒子の平均粒径が0.5μmであった。
【0169】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
8と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0170】比較例11 炭酸リチウム(Li2 CO3 )と硝酸ニッケル六水和物
〔Ni(NO3 2 ・6H2 O〕とを700℃で熱処理
してリチウムニッケル酸化物を合成した。合成時の条件
は、酸化リチウムに代えて炭酸リチウムを用い、酸化ニ
ッケル(III)に代えて硝酸ニッケル六水和物を用いた以
外は、実施例8の場合と同じである。すなわち、熱処理
は、酸素気流中において500℃で2時間予備加熱した
後、昇温速度50℃/時以下で700℃まで昇温し、7
00℃で20時間加熱して焼成することにより行った。
【0171】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルはシング
レットであったが、そのピーク間の線幅(△Hpp)は
106mTと小さかった。
【0172】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折を行ったところ、リチウムニッケル酸化物以外
の主ピークは2θ=33.54°のところに現れ、この
リチウムニッケル酸化物以外の主ピークとリチウムニッ
ケル酸化物の主ピークとの強度比は0.0060であっ
た。
【0173】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.88であり、そ
の一次粒子の平均粒径が0.5μmであった。
【0174】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
8と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0175】比較例12 硝酸リチウム(LiNO3 )と炭酸ニッケル(NiCO
3 )とを700℃で熱処理してリチウムニッケル酸化物
を合成した。合成時の条件は、酸化リチウムに代えて硝
酸リチウムを用い、酸化ニッケル(III)に代えて炭酸ニ
ッケルを用いた以外は、実施例8の場合と同じである。
すなわち、熱処理は、酸素気流中において500℃で2
時間予備加熱した後、昇温速度50℃/時以下で700
℃まで昇温し、700℃で20時間加熱して焼成するこ
とにより行った。
【0176】合成されたリチウムニッケル酸化物の電子
スピン共鳴を実施例1と同じ測定条件下で測定したとこ
ろ、電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルはシング
レットであったが、その線幅(△Hpp)は104mT
と小さかった。
【0177】合成されたリチウムニッケル酸化物の粉末
X線回折を行ったところ、リチウムニッケル酸化物以外
の主ピークは2θ=21.32°のところに現れ、その
リチウムニッケル酸化物以外の主ピークとリチウムニッ
ケル酸化物の主ピークとの強度比は0.0072であっ
た。
【0178】また、合成されたリチウムニッケル酸化物
は、そのLi/Ni比(モル比)が0.88であり、そ
の一次粒子の平均粒径は0.5μmであった。
【0179】上記のようにして合成されたリチウムニッ
ケル酸化物を正極活物質として用い、それ以外は実施例
8と同様にして、ボタン形のリチウム二次電池を作製し
た。
【0180】上記実施例8〜9の電池および比較例6〜
12の電池を充電電流0.393mA、放電電流1.5
7mA(正極の単位面積当り:2mA/cm2 )で、
4.3〜2.5Vの電圧間で充放電した。これらの電池
では、リチウムニッケル酸化物を正極活物質として用い
ている関係上、まず、充電して、リチウムニッケル酸化
物からLiを抜き、リチウムニッケル酸化物はLi1-x
NiO2 (x>0)として用いた。
【0181】表3に、上記実施例8〜9および比較例6
〜9のリチウムニッケル酸化物の合成時の焼成温度と、
合成されたリチウムニッケル酸化物のLi/Ni比、電
子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルのピーク間の線
幅(△Hpp)、リチウムニッケル酸化物以外の主ピー
クとリチウムニッケル酸化物の主ピークの強度比、合成
されたリチウムニッケル酸化物の一次粒子の平均粒径お
よび充放電容量との関係を示す。これらのうち、実施例
8と比較例6〜9は、出発原料がいずれも酸化リチウム
(Li2 O)と酸化ニッケル(III)(Ni2 3 )であ
り、表3では、焼成温度の相違により、合成されたリチ
ウムニッケル酸化物のLi/Ni比、平均粒径、充放電
容量などがどのように変わるかを示している。
【0182】また、表4に、上記実施例8〜9および比
較例10〜12の出発原料、合成されたリチウムニッケ
ル酸化物のLi/Ni比、電子スピン共鳴の一次微分吸
収スペクトルのピーク間の線幅(△Hpp)、充放電容
量との関係を示す。これらの実施例8〜9や比較例10
〜12では、出発原料は異なるが、焼成温度はいずれも
700℃であり、また生成物質の平均粒径はいずれも
0.5μmであり、表4は出発原料の相違により、合成
されるリチウムニッケル酸化物のLi/Ni比や充放電
容量などがどのように変わるかを示している。
【0183】
【表3】
【0184】表3に示すように、実施例8〜9は、充放
電容量がそれぞれ160mAh/g、200mAh/g
と、比較例6〜8に比べて、充放電容量が大きかった。
この結果は、焼成温度は比較的低温の700℃がよく、
また粒径は小さいものほど特性がよいことを示してい
る。
【0185】また、比較例9も充放電容量が33mAh
/gと小さかったが、これは焼成温度が500℃と低い
ために、反応が充分に進行せず、したがってリチウムニ
ッケル酸化物が充分に生成しなかったためであると考え
られる。また、比較例6はリチウムニッケル酸化物のL
i/Ni比(モル比)が0.94と1に近かったが、粒
径が大きかったために充放電容量が小さくなったものと
考えられる。また、この比較例6のリチウムニッケル酸
化物の電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルのピー
ク間の線幅(△Hpp)は表3に示すように140mT
未満であり、この△Hppが小さいことも充放電容量が
小さくなったことと関連しているものと考えられる。
【0186】
【表4】
【0187】表4に示すように、実施例8〜9は、両者
ともリチウムニッケル酸化物のLi/Ni比(モル比)
が0.90であり、比較例10〜12に比べて充放電容
量が大きかった。
【0188】すなわち、出発原料として、3価のニッケ
ルを含むニッケル酸化物である酸化ニッケル(III)(N
2 3 )を用いた実施例8〜9は、充放電容量がそれ
ぞれ160mAh/g、200mAh/gと大きく、他
のものを出発原料とした比較例10〜12に比べて充放
電容量が大きかった。
【0189】上記の実施例では、酸素気流中で焼成を行
ったが、酸素加圧下で焼成を行ってもよい。また、出発
原料として酸化リチウム(Li2 O)と酸化ニッケル
(III)(Ni2 3 )とを用い、酸素気流中で酸素濃度
を変化させてリチウムニッケル酸化物を合成したとこ
ろ、酸素濃度が高いほどLi/Ni比(モル比)は1に
近付いた。
【0190】また、本発明では、リチウムニッケル酸化
物のLi/Ni比(モル比)を0.9以上としたが、実
施例で示したものはいずれもはLi/Ni比(モル比)
が1を超えていない。しかし、本発明の結果から、この
値が1を超えた材料、たとえばLi1+x Ni1-x 2
(x>0のLiが過剰なリチウムニッケル酸化物 )や
Li2 NiO2 、Li2 NiO3-a も、電圧や容量など
の特性こそ異なるものの、正極活物質として期待でき
る。
【0191】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、正極
活物質として、Xバンドを使用し温度77Kで測定した
電子スピン共鳴の一次微分吸収スペクトルがシングレッ
トであって、かつ粉末X線回折像(CuKα線)におい
てリチウムニッケル酸化物以外の主ピークとリチウムニ
ッケル酸化物の主ピークとの強度比が0.03以下であ
るリチウムニッケル酸化物を用いることによって、充放
電容量の大きいリチウム二次電池を提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリチウム二次電池の一例を示す断
面図である。
【図2】実施例1〜4および比較例2で正極活物質とし
て用いるリチウムニッケル酸化物の電子スピン共鳴スペ
クトルを概略的に示す図である。
【図3】比較例1で正極活物質として用いるリチウムニ
ッケル酸化物の電子スピン共鳴スペクトルを概略的に示
す図である。
【図4】実施例1で正極活物質として用いるリチウムニ
ッケル酸化物のX線回折像を概略的に示す図である。
【図5】実施例2で正極活物質として用いるリチウムニ
ッケル酸化物のX線回折像を概略的に示す図である。
【図6】実施例3で正極活物質として用いるリチウムニ
ッケル酸化物のX線回折像を概略的に示す図である。
【図7】実施例4で正極活物質として用いるリチウムニ
ッケル酸化物のX線回折像を概略的に示す図である。
【図8】比較例1で正極活物質として用いるリチウムニ
ッケル酸化物のX線回折像を概略的に示す図である。
【図9】比較例2で正極活物質として用いるリチウムニ
ッケル酸化物のX線回折像を概略的に示す図である。
【図10】実施例5〜7および比較例5で正極活物質と
して用いるリチウムニッケル酸化物の電子スピン共鳴ス
ペクトルを概略的に示す図である。
【図11】比較例3で正極活物質としてリチウムニッケ
ル酸化物の電子スピン共鳴スペクトルを概略的に示す図
である。
【図12】実施例5で正極活物質として用いるリチウム
ニッケル酸化物のX線回折像を概略的に示す図である。
【図13】実施例6で正極活物質として用いるリチウム
ニッケル酸化物のX線回折像を概略的に示す図である。
【図14】実施例7で正極活物質として用いるリチウム
ニッケル酸化物のX線回折像を概略的に示す図である。
【図15】比較例3で正極活物質として用いるリチウム
ニッケル酸化物のX線回折像を概略的に示す図である。
【図16】比較例4で正極活物質として用いるリチウム
ニッケル酸化物のX線回折像を概略的に示す図である。
【図17】比較例5で正極活物質として用いるリチウム
ニッケル酸化物のX線回折像を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムまたはリチウム含有化合物を負
    極に用いるリチウム二次電池において、正極活物質とし
    て、Xバンドを使用し温度77Kで測定した電子スピン
    共鳴の一次微分吸収スペクトルがシングレットであり、
    かつ粉末X線回折像(CuKα線)においてリチウムニ
    ッケル酸化物以外の主ピークとリチウムニッケル酸化物
    の主ピークとの強度比が0.03以下であるリチウムニ
    ッケル酸化物を用いたことを特徴とするリチウム二次電
    池。
  2. 【請求項2】 リチウムニッケル酸化物が、Xバンドを
    使用し温度77Kで測定した電子スピン共鳴の一次微分
    吸収スペクトルのピーク間の線幅(△Hpp)が140
    mT以上を示す電子構造を有するものである請求項1記
    載のリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 リチウムニッケル酸化物が、Li/Ni
    比(モル比)が0.9以上で、かつ一次粒子の平均粒径
    が1μm以下のものである請求項1または2記載のリチ
    ウム二次電池。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載のリチウムニ
    ッケル酸化物を、3価以上のニッケルを含むニッケル酸
    化物または加熱により3価以上のニッケルを生成するニ
    ッケル塩と、リチウム塩とを、Li/Ni比(モル比)
    =1.0〜1.5で仕込んで680〜780℃で熱処理
    することによって合成することを特徴とするリチウム二
    次電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 3価以上のニッケルを含むニッケル酸化
    物が、Ni2 3 である請求項4記載のリチウム二次電
    池の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱処理時の雰囲気が、酸素気流中または
    酸素加圧下である請求項4記載のリチウム二次電池の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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