JPH07307048A - ディスク装置のクランプ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピックアップの駆動力を利用してクランパを
動作させることにより、装置の薄型化やディスクの自動
装着に好適でディスク損傷の虞もない、ディスク装置の
クランプ構造を提供する。 【構成】 先端部に爪部５ｂを有してターンテーブル３
を貫通する複数の弾性片５ａと、ピックアップ７が接離
可能なテーパ面５ｃとを設けて、圧縮ばね６に付勢され
つつターンテーブル３に対し昇降可能に保持されたクラ
ンパ５を備え、テーパ面５ｃに当接したピックアップ７
の駆動力で該クランパ５を押し下げたときに、各弾性片
５ａが内向きに弾性変形するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ピックアップにより情
報の再生や記録を行うコンパクトディスクプレーヤ等の
ディスク装置に用いて好適なクランプ構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】ディスク装置のクランプ構造としては、
従来、例えば特開昭６３−２０９０５７号公報に記載さ
れているように、アーム等に保持されてターンテーブル
の上方で昇降可能なクランパを備え、ターンテーブル上
に搭載されたディスク状記録媒体（以下、単にディスク
と称する）の内周部を該クランパにて上から押えつける
という構成のものが一般的であった。

【０００３】また、特開平２−１２８３５６号公報に
は、ターンテーブルの中央部に、該ターンテーブルの径
方向外向きに弾性付勢される複数の鋼球を配設し、これ
らの鋼球でターンテーブル上のディスクの内周面を外向
きに付勢することにより該ディスクを所定位置にクラン
プするという構成のものが提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上方か
ら下降させたクランパでターンテーブル上のディスクを
クランプするという前者の従来技術は、該クランパを収
納したり昇降させるための広いスペースを、ターンテー
ブルの上方に確保しなければならないので、装置の薄型
化やコンパクト化が困難であるという不具合があった。

【０００５】一方、複数の鋼球でディスクの内周面を外
向きに付勢するという後者の従来技術は、ターンテーブ
ルの上方にクランパを設ける必要がないので装置の薄型
化には好適であるが、このものは、ターンテーブル上に
装着しようとするディスクに対して、上記鋼球を内向き
に押し戻せるだけの強い押圧力を加えなければならない
ので、ディスクの内周面が損傷しやすいという不具合が
あり、ディスクを自動装着させることも困難であった。

【０００６】本発明はかかる従来技術の課題に鑑みてな
されたもので、その目的は、装置の薄型化やディスクの
自動装着に好適でディスク損傷の虞もない、ディスク装
置のクランプ構造を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、クランプ状態でターンテーブルと一体的
に回転するディスクの底面に向けてピックアップから光
ビームを射出して情報の再生または／および記録を行う
ディスク装置において、先端部にディスクの内周部を係
止するための爪部を有して上記ターンテーブルを貫通
し、且つ該爪部側を自由端として弾性変形可能な複数の
弾性片と、上記ピックアップの位置に応じて該ピックア
ップに接離するテーパ面とを設けて、圧縮ばねに付勢さ
れつつ上記ターンテーブルに対し昇降可能に保持された
クランパを備え、上記テーパ面に当接した上記ピックア
ップの駆動力で該クランパを上記圧縮ばねの弾発力に抗
して移動させたときに、上記弾性片が上記ターンテーブ
ルの内周縁を支点として該ターンテーブルの径方向内向
きに弾性変形するように構成した。

【０００８】

【作用】ピックアップがクランパに接近して上記テーパ
面に当接した後、さらに同じ向きに移動すると、該クラ
ンパにはピックアップの駆動力が付与されるので、例え
ば該テーパ面がターンテーブルに向かって先窄まりな形
状であればクランパは下降し、また該テーパ面がターン
テーブルに向かって末広がりな形状であればクランパは
上昇する。そして、こうしてクランパをピックアップの
駆動力で下降もしくは上昇させたときに、上記弾性片が
ターンテーブルの内周縁を支点として内向きに弾性変形
するようにしておけば、該クランパは上記爪部を内向き
に退避させて上端部が閉じた状態になり、該上端部をデ
ィスクの中央穴に挿通させることが可能となるので、タ
ーンテーブル上へのディスクの装填やターンテーブル上
からのディスクの離脱が行える。また、こうしてクラン
パの弾性片を内向きに弾性変形させた状態で、ピックア
ップが該クランパから離れる向きに移動すると、該ピッ
クアップに付勢されていた上記圧縮ばねの弾発力によ
り、下降していたクランパは上昇し、上昇していたクラ
ンパは下降するので、この昇降動作に伴い各弾性片が起
立してクランパの上端部が開いた状態になり、よって各
弾性片の爪部でターンテーブル上のディスクの内周部を
クランプすることができる。

【０００９】すなわち、上記クランパは、ピックアップ
の位置に応じて自動的に、ディスクの挿通が可能な状態
とクランプが可能な状態とに切り替えられるようになっ
ているので、簡単な構成でディスク自動装着機構が実現
でき、また、ターンテーブルの上方に僅かのスペースを
確保するだけでディスクのクランプが行えるので、装置
の薄型化にも好適である。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１１】図１は本発明の一実施例に係るクランパを
ディスクの挿通が可能な状態にしている様子を示す概略
断面図、図２は図１に示すクランパでディスクをクラン
プしている様子を示す概略断面図である。

【００１２】これらの図において、符号１はスピンドル
モータ、２はこのスピンドルモータ１の回転駆動軸、３
はこの回転駆動軸２の上端側に強嵌合されているターン
テーブル、３ａはこのターンテーブル３の内周部上に突
設した環状突堤部、４は回転駆動軸２の下端側に強嵌合
されているクランパ保持部材、５はこのクランパ保持部
材４に昇降可能に保持されているクランパ、６はこのク
ランパ５とクランパ保持部材４との間に介設した圧縮ば
ね、７は図示せぬ対物レンズを有してシーク方向へ移動
可能なピックアップを示しており、上記クランパ５に
は、先端部にディスクＤの内周部を係止するための爪部
５ｂを有してターンテーブル３を貫通する複数の弾性片
５ａと、ピックアップ７の位置に応じて該ピックアップ
７に接離する上窄まりのテーパ面５ｃと、ピックアップ
７がテーパ面５ｃに当接していないときにターンテーブ
ル３の底面に当接して該クランパ５の高さ位置を規定す
るストッパ部５ｄとが設けてある。

【００１３】そして、このクランパ５の各弾性片５ａ
は、それぞれ爪部５ｂ側を自由端とする弾性変形が可能
であり、具体的には図１に示すように、テーパ面５ｃに
当接したピックアップ７の駆動力で該クランパ５を下向
きに移動させたときに、各爪部５ｂが環状突堤部３ａに
付勢されることから、各弾性片５ａがターンテーブル３
の内周縁を支点として、該ターンテーブル３の径方向内
向きに弾性変形するようになっている。

【００１４】次に、上記クランパ５によるクランプ動作
とクランプ解除動作について説明する。

【００１５】ディスクＤが装填されていないときのピッ
クアップ７の待機位置は、クランパ５のごく近傍に設定
されている。そして、ディスクＤが装填されるときに
は、まずピックアップ７が上記待機位置から回転駆動軸
２に近付く向き（図１の矢印Ａ方向）へ所定量移動する
ので、この移動に伴い、ピックアップ７はすぐにクラン
パ５のテーパ面５ｃに当接し、さらに該テーパ面５ｃに
沿って摺動しながら、圧縮ばね６の弾発力に抗してクラ
ンパ５を押し下げていく。つまり、クランパ５はピック
アップ７の駆動力により強制的に下降させられるので、
前述したように該クランパ５の上端部において各爪部５
ｂが環状突堤部３ａに付勢されることになって、各弾性
片５ａがターンテーブル３の内周縁を支点として内向き
に弾性変形し、図１に示すように該クランパ５の上端部
の外径がディスクＤの中央穴Ｄ１の内径よりも小さくな
る。したがって、クランパ５はディスクＤが挿通可能な
状態になって、ターンテーブル３上へディスクＤを装填
することができる。

【００１６】こうしてディスクＤがターンテーブル３上
に搭載されると、ピックアップ７は前記対物レンズを該
ディスクＤのリードイントラックに対向させるべく、回
転駆動軸２から遠ざかる向き（図２の矢印Ｂ方向）へ移
動するので、該ピックアップ７はクランパ５のテーパ面
５ｃから離れ、そのためクランパ５は図２に示すよう
に、該ピックアップ７に付勢されていた圧縮ばね６の弾
発力を受けて、ストッパ部５ｄがターンテーブル３の底
面に当接して位置規制されるまで上昇する。そして、こ
の上昇動作に伴い、内向きに弾性変形していた各弾性片
５ａが起立状態に復帰するので、クランパ５の上端部の
外径がディスクＤの中央穴Ｄ１の内径よりも大きくなっ
て、各爪部５ｂでターンテーブル３上のディスクＤの内
周部をクランプすることができる。

【００１７】しかる後、クランプ状態のディスクＤを搭
載したターンテーブル３をスピンドルモータ１により回
転駆動し、回転中のディスクＤの底面のプログラム領域
に向けてピックアップ７の対物レンズから光ビームを射
出しながら、該ピックアップ７をシーク方向へ移動させ
ることにより、情報の再生（あるいは記録）が行えるよ
うになっている。

【００１８】再生動作や記録動作が終了した後、ディス
クＤをターンテーブル３上から離脱させる際には、再び
ピックアップ７をテーパ面５ｃに当接させてクランパ５
を押し下げれば、該クランパ５の上端部が閉じてクラン
プが解除されるので、ディスクＤを容易に他所へ移送す
ることができる。

【００１９】なお、ピックアップ７の待機位置を、クラ
ンパ５のテーパ面５ｃに当接して該クランパ５を押し下
げる位置に設定しておけば、ディスクＤのクランプ時に
一旦ピックアップ７を矢印Ａ方向に移動させる必要がな
くなるため、クランプ動作スピードを上げることが可能
になる。

【００２０】このように本実施例に係るクランパ５は、
ピックアップ７がテーパ面５ｃに当接して駆動力が付与
されると複数の弾性片５ａが内向きに弾性変形するため
上端部が閉じ、ピックアップ７が離れると各弾性片５ａ
が起立するため上端部が開いて各爪部５ｂによるディス
クＤのクランプが行えるというものであり、ピックアッ
プ７の位置に応じて自動的に、該クランパ５をディスク
Ｄの挿通が可能な状態とクランプが可能な状態とに切り
替えることができるので、ディスクＤのクランプ動作の
ための駆動源を別途設けることなく極めて簡単な構成の
ディスク自動装着機構を実現することができる。また、
このクランパ５を用いれば、クランプ時にディスクＤを
圧入する必要がないので、ディスクＤの内周部の損傷が
回避できる。そして、かかるクランプ構造は、ターンテ
ーブル３の上方に僅かのスペースを確保するだけでディ
スクＤのクランプが行えるので、装置の薄型化にも好適
である。

【００２１】図３は本発明の他の実施例に係るクランパ
をディスクの挿通が可能な状態にしている様子を示す概
略断面図、図４は図３に示すクランパでディスクをクラ
ンプしている様子を示す概略断面図であり、図１，２と
対応する部分には同一符号が付してある。

【００２２】図３，４に示すクランパ５には、ターンテ
ーブル３に向かって末広がり（下窄まり）な形状のテー
パ面５ｅが設けてあり、このテーパ面５ｅに当接したピ
ックアップ７が矢印Ａ方向へ移動すると、その駆動力に
より該クランパ５がターンテーブル３に対し上昇するよ
うになっている。また、圧縮ばね６がクランパ５とター
ンテーブル３との間に介設してあるので、ピックアップ
７は該圧縮ばね６の弾発力に抗してクランパ５を押し上
げることとなり、この上昇動作に伴って各弾性片５ａが
ターンテーブル３の内周縁を支点として内向きに弾性変
形し、その後、ピックアップ７がクランパ５のテーパ面
５ｅから離れると、付勢されていた圧縮ばね６の弾発力
により、該クランパ５はクランパ保持部材４に当接して
位置規制されるまで下降するようになっている。

【００２３】すなわち、ディスクＤが装填されるときに
は、ピックアップ７が待機位置から矢印Ａ方向へ所定量
移動するので、この移動に伴い、ピックアップ７はまず
クランパ５のテーパ面５ｅに当接し、さらに該テーパ面
５ｅに沿って摺動しながら、圧縮ばね６の弾発力に抗し
てクランパ５を押し上げていく。こうしてクランパ５が
ピックアップ７の駆動力により強制的に上昇させられる
と、図３に示すように各弾性片５ａがターンテーブル３
の内周縁を支点として内向きに弾性変形し、該クランパ
５の上端部が閉じていくので、該クランパ５はディスク
Ｄが挿通可能な状態になって、ターンテーブル３上へデ
ィスクＤを装填することができる。

【００２４】また、こうしてディスクＤがターンテーブ
ル３上に搭載された後、ピックアップ７が矢印Ｂ方向へ
移動してテーパ面５ｅから離れると、クランパ５は図４
に示すように、圧縮ばね６の弾発力を受けてクランパ保
持部材４に当接する位置まで下降し、この下降動作に伴
い、内向きに弾性変形していた各弾性片５ａが起立状態
に復帰するので、該クランパ５の上端部が開いて、各爪
部５ｂによりターンテーブル３上のディスクＤの内周部
をクランプすることができる。

【００２５】したがって本実施例も前記実施例と同様
に、ピックアップ７の位置に応じて自動的にクランパ５
をディスクＤの挿通が可能な状態とクランプが可能な状
態とに切り替えることができて、構成の簡単なディスク
自動装着機構を実現することができるとともに、クラン
プ時に懸念されるディスクＤの損傷が回避でき、また、
ターンテーブル３の上方に僅かのスペースを確保するだ
けでディスクＤのクランプが行えるので、装置の薄型化
に好適である。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によるディ
スク装置のクランプ構造は、ピックアップの駆動力を利
用してクランパの各弾性片を内向きに弾性変形させるこ
とにより、該クランパをディスクの挿通が可能な状態と
し、ピックアップが離れれば該クランパにてディスクの
クランプが行えるようになっているので、簡単な構成で
ディスク自動装着機構が実現できるという効果を奏し、
また、ターンテーブルの上方に僅かのスペースを確保す
るだけでディスクのクランプが行えるので、装置の薄型
化に好適であるという効果を奏し、また、クランプ時に
ディスクの内周部を損傷する心配がないという効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るクランパをディスクの
挿通が可能な状態にしている様子を示す概略断面図であ
る。

【図２】図１に示すクランパでディスクをクランプして
いる様子を示す概略断面図である。

【図３】本発明の他の実施例に係るクランパをディスク
の挿通が可能な状態にしている様子を示す概略断面図で
ある。

【図４】図３に示すクランパでディスクをクランプして
いる様子を示す概略断面図である。

【符号の説明】

１ スピンドルモータ ２ 回転駆動軸 ３ ターンテーブル ３ａ 環状突堤部 ４ クランパ保持部材 ５ クランパ ５ａ 弾性片 ５ｂ 爪部 ５ｃ，５ｅ テーパ面 ６ 圧縮ばね ７ ピックアップ Ｄ ディスク

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スピンドルモータに回転駆動されるター
   ンテーブルと、このターンテーブル上に搭載されたディ
   スク状記録媒体の内周部をクランプするためのクランプ
   手段と、シーク方向へ移動可能なピックアップとを備
   え、クランプ状態で上記ターンテーブルと一体的に回転
   するディスク状記録媒体の底面に向けて上記ピックアッ
   プから光ビームを射出して情報の再生または／および記
   録を行うディスク装置において、 先端部にディスク状記録媒体の内周部を係止するための
   爪部を有して上記ターンテーブルを貫通し、且つ該爪部
   側を自由端として弾性変形可能な複数の弾性片と、上記
   ピックアップの位置に応じて該ピックアップに接離する
   テーパ面とを設けて、圧縮ばねに付勢されつつ上記ター
   ンテーブルに対し昇降可能に保持されたクランパを備
   え、上記テーパ面に当接した上記ピックアップの駆動力
   で該クランパを上記圧縮ばねの弾発力に抗して移動させ
   たときに、上記弾性片が上記ターンテーブルの内周縁を
   支点として該ターンテーブルの径方向内向きに弾性変形
   するように構成したことを特徴とするディスク装置のク
   ランプ構造。
2. 【請求項２】 請求項１の記載において、上記テーパ面
   を上記ターンテーブルに向かって先窄まりな形状とする
   ことで、該テーパ面に当接した上記ピックアップの駆動
   力により上記クランパが上記ターンテーブルに対し下降
   するように設定したことを特徴とするディスク装置のク
   ランプ構造。
3. 【請求項３】 請求項１の記載において、上記テーパ面
   を上記ターンテーブルに向かって末広がりな形状とする
   ことで、該テーパ面に当接した上記ピックアップの駆動
   力により上記クランパが上記ターンテーブルに対し上昇
   するように設定したことを特徴とするディスク装置のク
   ランプ構造。