JPH07306282A - 長寿命核種消滅処理用集合体及び原子炉の炉心 - Google Patents

長寿命核種消滅処理用集合体及び原子炉の炉心

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JPH07306282A
JPH07306282A JP6096092A JP9609294A JPH07306282A JP H07306282 A JPH07306282 A JP H07306282A JP 6096092 A JP6096092 A JP 6096092A JP 9609294 A JP9609294 A JP 9609294A JP H07306282 A JPH07306282 A JP H07306282A
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nuclide
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Koji Fujimura
幸治 藤村
Katsuyuki Kawashima
克之 川島
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ラッパ管16に隣接し、長寿命核種を含む物質
12を充填した長寿命核種棒13と、その内側にあって
中性子減速物質14を充填した中性子減速物質棒15
と、これらの間の冷却材流路17から構成される。 【効果】高速中性子場、特にFBRの炉心を用いて、経
済的な損失や、炉システム全体への影響を生じずに、効
率良く長寿命核種を消滅することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体金属高速増殖炉に係
り、特に、超長寿命の核分裂生成核種を核変換によって
消滅するのに好適な長寿命核種消滅処理用集合体及び原
子炉の炉心に関する。
【0002】
【従来の技術】ディー・ダブリュー・ウータン,ジェイ
・ブイ・ネルソン,プローシーディングス オブ イン
ターナショナル コンファレンス アンド テクノロジ
ー エキシビジョン オン フューチュアー ニューク
リアー システムズ:エマージング フューエル サイ
クルズ アンド ウエィスト デスポーザル オプショ
ンズ,第2巻,第1282頁から第1288頁(1993年)(D.W.Woo
tan,J.V.Nelson, Proceedings of International Confe
rence andTechnology Exibition on Future Nuclear Sy
stems:Emerging Fuel Cycles andDesposal Options, V
ol.2, p1282−p1288 (1993))に従来例が示されている。
【0003】従来、高速増殖炉(以下FBRと略記)の
燃料集合体は、例えば、三木良平著、「高速増殖炉」
(日刊工業新聞)に記載のように、核燃料物質を被覆管
に封入して多数束ねた燃料要素束とこれを取り囲むラッ
パ管,燃料要素束の上方にあり、中性子を散乱する物質
を有する中性子反射領域と冷却材流出部、及び燃料要素
束の下方にある冷却材流入部からなる。また、燃料要素
は、上下端部に栓のある被覆管,核分裂性物質を富化し
た炉心燃料ペレット、あるいは燃料親物質を主成分とす
るブランケット燃料ペレット、および、核分裂反応で生
成された気体を収納するためのガスプレナムからなる。
冷却材には、ナトリウムなどの液体金属が使用される。
炉心は、炉心燃料ペレットを装荷した炉心燃料集合体を
複数個束ねた炉心領域と、これを取り囲む、ブランケッ
ト燃料ペレットを装荷したブランケット燃料集合体を複
数個束ねた径方向ブランケット領域とからなる。
【0004】近年、原子炉の使用済み燃料で発生する高
レベルの放射性廃棄物の管理負担軽減や、ポテンシャル
リスク低減を目的に、廃棄物中に含まれる長寿命の核種
を分離し、安定核種へ核変換する方策についての「群分
離・消滅処理」研究が世界的に活発に進められている。
【0005】公知例では、(1)原子炉の使用済み燃料
に含まれる超長寿命の核分裂生成核種であるテクネシウ
ム−99(99Tc、半減期21万年)の金属、若しくは
ヨウ素−129(129I、半減期千六百万年)を含むヨ
ウ素化セリウム(CeI3)と中性子減速物質であるイ
ットリウム・ハイドライド(YH1.7)を封入した被覆管
を均質配置したターゲット集合体を、炉心燃料領域の外
側の反射体領域に装荷して、炉心燃料領域から洩れてく
る高速中性子を、YH1.7 で減速し、99Tc若しくは
129Iを中性子吸収反応によって安定核種へ核変換する
技術、及び(2)99Tcを炉心燃料に混合して、比較的エネ
ルギの高い中性子による中性子吸収反応によって核変換
する技術が開示されている。
【0006】(1)の技術の原理を図2を用いて説明す
る。代表的な長寿命核分裂生成核種である99Tcの中性
子吸収断面積の中性子エネルギ依存性を実線21で、ま
た炉心に劣化ウラン238U とプルトニウムPuの混合酸
化物(UO2+PuO2Mixedoxide ,MOXと略記)燃
料を装荷した大型FBRの中性子束のエネルギ依存性
(中性子束エネルギスペクトル)を破線22で示す。99
Tcの熱中性吸収断面積は約20バーンであり、全般的
には、中性子エネルギが大きくなると、吸収断面積も小
さくなる。また、ほぼ1eVから1keV の熱外エネルギ領
域に共鳴吸収断面積を有している。一方、FBRの中性
子エネルギスペクトルは、軽水(H2O)等の軽核種を用
いて高速中性子を減速する熱中性子炉と比較して、高エ
ネルギ側に大きくシフトしており(これを、スペクトル
が“ハード”であると呼ぶ)、数百keV付近にピークを
もっている。公知例では、金属99TcやCeI3と中性
子減速物質であるYH1.7 を均質に混合することにより
炉心燃料の核分裂で発生する高速中性子のエネルギを低
くして、中性子エネルギスペクトル23を低エネルギ側
にシフトさせ(これを、スペクトルが“ソフト”である
と呼ぶ)、低エネルギ領域で比較的大きな中性子吸収断
面積を利用した長寿命核分裂生成核種の消滅をはかって
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】FBRのブランケット
領域では、炉心からの漏洩中性子による238Uから239Pu
への転換が主として行われており、核分裂割合は小さ
い。またブランケット領域は原子炉表面に近く、ブラン
ケット領域からさらに外側に漏洩する中性子も多い。従
って、ブランケット領域の中性子束レベルは炉心燃料領
域と比べ一桁小さく、電気出力100万kW級のMOX燃
料装荷大型FBRの場合で1014(1/cm2・sec)のオー
ダである。
【0008】公知例(1)では、この様に中性子束レベ
ルが炉心燃料領域と比べ小さな炉心燃料領域の外側の反
射体領域に、長寿命核分裂生成核種と中性子減速物質を
均質配置したターゲット集合体を装荷している。長寿命
核分裂生成核種が中性子を吸収する割合は、中性子吸収
断面積と中性子束レベルの積に比例して大きくなるため
に、ターゲット集合体内のスペクトルを中性子減速物質
を用いてソフトにしているにも係らず、その消滅率は非
常に低い値である。
【0009】また、公知例(2)では、99Tcを、中性
子束レベルが高い炉心燃料に混合して、比較的高エネル
ギ領域での中性子吸収をはかっているが、スペクトルが
ハードなままであるので中性子吸収断面積が小さく、そ
の消滅率は(1)とほぼ同程度に留まっている。
【0010】FBRを用いて、長寿命核分裂生成核種の
消滅率をさらに増大するには、公知例(1)のターゲッ
ト集合体を、公知例(2)の様に、中性子束レベルの高
い炉心燃料領域に装荷する必要があるが、長寿命核分裂
生成核種と中性子減速物質を均質配置したターゲット集
合体を炉心燃料領域に装荷すると下記の問題が生じる。
すなわち、ターゲット集合体の表面付近に配置した中性
子減速物質の影響により、隣接する炉心燃料領域でも高
速中性子が減速され、スペクトルがソフト化される。従
って、低エネルギ領域で大きな核分裂断面積を有する
239Puや241Puの核分裂反応の増加による、局所的に
大きな出力ピーキング(power spike ,パワースパイ
ク)が発生する。このパワースパイクによる最大線出力
密度の増大を抑制するには、炉心径増大等の設計対策が
必要となり、経済的な損失や、炉システム全体への影響
を生じる。
【0011】本発明の目的は、減速中性子によるパワー
スパイクの発生を抑止しつつ、効率良く長寿命核種を消
滅できる消滅処理用集合体及び原子炉の炉心を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、(1)本発明では、中性子減速物質を含む中性子減
速物質領域と、前記中性子減速物質領域を取り囲んで、
テクネシウム金属やヨウ化セリウム等の長半減期の核分
裂生成物を含む核分裂生成物質領域からなることを特徴
とする長寿命核種消滅処理用集合体を用いる。
【0013】また、(2)本発明では、(1)で用いる
長寿命核種消滅処理用集合体で、前記核分裂生成物質領
域に、テクネシウム金属やヨウ化セリウム等の長半減期
の核分裂生成物を含む物質を充填した複数の核分裂生成
物質棒を配置し、前記中性子減速物質領域に、中性子減
速物質を充填した複数の中性子減速物質棒を配置し、前
記核分裂生成物質領域と中性子減速物質領域を内包する
ラッパ管よりなることを特徴とする長寿命核種消滅処理
用集合体を用いる。
【0014】また、(3)本発明では、核分裂性物質を
有する炉心燃料領域を内蔵する高速増殖炉で、複数の
(1)で用いる長寿命核種消滅処理用集合体を装荷して
炉心を構成する。
【0015】また、(4)本発明では、核分裂性物質を
有する炉心燃料領域を内蔵する高速増殖炉で、前記炉心
燃料領域を複数の円輪状の領域に分け、隣接する前記円
輪状の領域の間に、複数の(1)で用いる長寿命核種消
滅処理用集合体を装荷して炉心を構成する。
【0016】また、(5)本発明では、(1)で用いる
長寿命核種消滅処理用集合体で、前記核分裂生成物質領
域に、罐状態のテクネシウム金属やヨウ化セリウム等の
長半減期の核分裂生成物を含む物質を配置し、前記中性
子減速物質領域に、中性子減速物質を充填した複数の中
性子減速物質棒を配置し、前記核分裂生成物質領域と中
性子減速物質領域を内包するラッパ管よりなることを特
徴とする長寿命核種消滅処理用集合体を用いる。
【0017】
【作用】本発明に基づく、長寿命核種消滅処理用集合体
は、99Tcや129I 等の長寿命の核分裂生成核種を集合
体の周辺に、また中性子減速物質を集合体の中心付近
に、それぞれ配置した構成としている。従って、本集合
体をFBRの炉心燃料領域に装荷しても、中性子減速物
質と炉心燃料物質の隣接が回避されるので、炉心燃料領
域におけるパワースパイクの発生が抑止される。しかも
炉心燃料領域に装荷しているために、中性子束レベルが
高く、大きな消滅率が得られる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の第一の実施例を図面を参照し
ながら説明する。
【0019】図1は、本発明による長寿命核種消滅処理
用集合体の構成を表す水平断面図である。図1で、長寿
命核種消滅処理用集合体11は、ラッパ管16に隣接
し、長寿命核種を含む物質12を充填した16本の長寿
命核種棒13と、その内側にあって中性子減速物質14
を充填した7本の中性子減速物質棒15と、これらの間
の冷却材流路17などから構成される。本集合体で、ラ
ッパ管の外側の対面幅は15.6cm、肉厚は0.4cmであ
り、長寿命核種棒及び中性子減速物質棒の被覆管外径は
2.9cm、被覆管内径は2.6cmである。本集合体を集合
体ピッチ16.2cmで、炉内に配置する場合の、各構成
要素の体積割合は下表1の様になる。
【0020】
【表1】
【0021】本実施例では長寿命核種は、原子炉の使用
済み燃料に含まれる超長寿命の核分裂生成核種であるテ
クネシウム−99(99Tc、半減期21万年)の金属、
若しくはヨウ素−129(129I、半減期千六百万年)を
含むヨウ素化セリウム(CeI3)を想定している。また中性
子減速物質は、水素化カルシウム(CaH2)が充填され
ている。CaH2 は高温状態でも化学的に安定な物質で
あり、水素の解離温度は大気圧下では990℃である
が、圧力の上昇に伴って解離温度は上昇する。
【0022】CaH2の巨視的吸収断面積Σaは0.02
68〔1/cm〕、減速能ξΣsは0.974〔1/cm 〕
である。従って、中性子減速能力に対する核特性上の指
標となる減速比ξΣs/Σaは36.3 であり、比較的
良好である。理論密度は1.90〔g/cm3〕であり、対
応する水素密度は5.4×1022〔個/cm3〕である。上
述した様に、集合体ピッチを16.2cm とすると中性子
減速物質の体積割合は16.5%となるので、セル平均
の水素密度は8.9×1021〔個/cm3 〕となる。
【0023】図3で、高速増殖炉の炉心31は、複数個
の内側炉心燃料集合体32とその周りの複数個の外側炉
心燃料集合体33、さらにその周りを囲む複数個の径方
向ブランケット燃料集合体35,制御棒集合体34、お
よび炉心燃料領域に装荷された本発明に基づく18体の
長寿命核種消滅処理用集合体11からなる。内側炉心燃
料集合体32と外側炉心燃料集合体33の炉心燃料のプ
ルトニウム富化度の比は約1.3 である。また径方向ブ
ランケット燃料集合体35の燃料要素には、燃料親物質
である238U を主成分とするブランケット燃料を充填す
る。炉心の電気出力は100万kW、炉心燃料領域の等
価直径は3.3m 、図中には示していないが、炉心燃料
領域の高さは1m、炉心燃料領域の上下に設ける軸方向
ブランケットの高さはそれぞれ35cmであり、長寿命核
種消滅処理用集合体の長寿命核種領域の高さは170cm
である。なお、連続運転期間は12ケ月、装荷燃料取出
し時の燃料集合体平均の燃焼度は90GWd/tであ
り、炉心燃料の炉内滞在期間は3年である。
【0024】本実施例で、長寿命核分裂生成核種金属テ
クネシウム(99Tc)を用いた場合を想定し、99Tcの
中性子吸収断面積と炉心のスペクトルを図2を用いて説
明する。99Tcの中性子吸収断面積を実線21で、また
炉心燃料のスペクトルを破線22で示す。99Tcの熱中
性吸収断面積は約20バーンであり、全般的には、中性
子エネルギが大きくなると、吸収断面積も小さくなる。
また、ほぼ1eVから1keV の熱外エネルギ領域に共鳴吸
収断面積を有している。炉心燃料のスペクトル22は熱
中性子炉と比較して、高エネルギ側に大きくシフトして
おり、数百keV付近にピークをもっている。他方、本発
明の99TcとCaH2 を装荷した長寿命核種消滅処理用
集合体のスペクトルは図中の実線23に示されている様
に、CaH2の減速効果によって大きく低エネルギ側にシフ
トされている。
【0025】本発明の集合体を装荷した場合と、公知例
(1)の様に、長寿命核種と中性子減速物質を均質配置
した集合体を装荷した場合の炉心の径方向出力分布の違
いを図4を用いて説明する。(a)は、長寿命核種消滅
処理用集合体を装荷したFBRの炉心垂直断面図である。
図中の42は炉心燃料領域を、43はブランケット燃料
領域を、44は長寿命核種と中性子減速物質を混合した
消滅処理用集合体を示す。(b)に示すように、長寿命
核種と中性子減速物質を均質配置した集合体を装荷した
場合、径方向出力分布46を見ると、隣接する炉心領域
にパワースパイクが発生している。他方、(c)に示す
ように、本発明の集合体47を装荷した場合、長寿命核
種領域48の介在により、炉心燃料領域42と中性子減
速物質領域49の隣接が回避され、パワースパイクの発
生は抑止されている。
【0026】また、本発明の集合体を装荷した場合の、
炉心の径方向中性子束分布を、長寿命核種と中性子減速
物質を均質配置した集合体を装荷した場合と比較して図
5に示す。径方向中性子束の分布は、いずれも同様で、
消滅処理用集合体の中央で大きく凹んでいる。しかし、
(b)に示した本発明の集合体を装荷した場合、長寿命
核種領域48は炉心燃料領域42に隣接しているので、
平均の中性子束レベルが、(a)に示した均質配置した
集合体を装荷した場合と比べて、約2倍大きくなってい
る。
【0027】次に、金属99Tcの理論密度は11.5
〔g/cm3〕であるので、本集合体1体に装荷される99
Tcの重量は125kgとなる。構造材の耐照射性の観点
より、消滅処理用集合体の炉内滞在期間を炉心燃料と同
じ3年と想定した場合、中性子輸送理論に基づく炉心の
解析結果によると、装荷した99Tcの約7%が毎年下記
の核変換過程を経て比較的安定な100Ru に変換され、
消滅したと見做すことができる。
【0028】
【化1】
【0029】すなわち、毎年125kg×18体×7%=
158kgの99Tcが消滅される。他方、炉心燃料領域で
は毎年約20kg生成されており、正味の消滅量は138
kg/年となる。従って、本実施例によると自己生成され
る量に加えて、同出力規模のFBR7基分の使用済み燃
料に含まれる量に相当する99Tcを消滅できる。
【0030】以下、本発明の第二の実施例を図面を参照
しながら説明する。
【0031】図6は、本発明によるFBRの炉心の断面
図である。図6で、高速増殖炉の炉心61は、核分裂性
物質を富化した炉心燃料集合体を装荷した三つの円輪状
の領域と、中心及び三つの円輪状の領域の間に実施例一
の長寿命核種消滅処理用集合体11を装荷した領域、さ
らにこれらを取り囲んで径方向ブランケット燃料集合体
35を装荷する領域から構成された、いわゆる径方向非
均質炉心構成である。炉心の電気出力は100万kW、
炉心燃料集合体数は、内側の円輪領域から順番に48,
108,156体で合計312体であり、長寿命核種消
滅処理用集合体数は内側の領域から順番に37,60,
108体で合計205体である。
【0032】ここでは、長寿命核種99Tcを想定した場
合の消滅特性や他の炉心特性を中性子輸送理論に基づき
評価した。
【0033】本実施例の炉心に、実施例一の長寿命核種
消滅処理用集合体を装荷した場合、毎年装荷した99Tc
の約3%が消滅できる。消滅率が実施例一と比べて小さ
くなっている理由は、本実施例では長寿命核種消滅処理
用集合体を互いに隣接配置しているために、中性子の遮
蔽効果によって集合体内の中性子束レベルが低下したた
めである。長寿命核種消滅処理用集合体の炉内滞在期間
を実施例一と同じ3年と考えると、毎年125kg×20
5体×3%=769kgの99Tcが消滅される。他方、炉
心燃料領域では毎年約20kg生成されており、正味の消
滅量は749kg/年となる。従って、本実施例によると
自己生成される量に加えて、同出力規模のFBR37基
分の使用済み燃料に含まれる量に相当する99Tcを消滅
できる。また、本実施例の炉心では、i)円輪状の炉心
燃料領域が、領域間に設置した長寿命核種消滅処理用集
合体で核的に分離されており、ii)炉心燃料集合体の冷
却材温度昇温時に、炉心燃料集合体からこの長寿命核種
消滅処理用集合体に流れ込んだ漏洩中性子が、中性子吸
収物質である99Tcに吸収されて、再び炉心燃料領域に
戻るのが抑止される。このため、長寿命核種消滅処理用
集合体を装荷しない従来のFBR炉心と比べて、冷却材
昇温時の温度反応度効果を負側に増大でき、安全特性が
向上する。
【0034】他方、本実施例では、炉心内に多量の中性
子吸収物質である99Tcを装荷しているために中性子経
済が悪化し、所要のPu富化度が大幅に増大し、従来の
FBR炉心と比べて、燃焼反応度が大幅に増大するが、制
御棒集合体34の本数を増加しているので問題は無い。
【0035】以下、本発明の第三の実施例を図面を参照
しながら説明する。
【0036】図7は、本発明による長寿命核種消滅処理
用集合体の断面図である。図7で、長寿命核種消滅処理
用集合体71は、中央に中性子減速物質14を充填した
7本の中性子減速物質棒15とその間の冷却材流路1
7、これらとその外側の長寿命核種を含む物質12を充
填した領域の間を分離する仕切り板72、これらすべて
を内包するラッパ管16などから構成される。本集合体
で、ラッパ管の外側の対面幅は15.6cm、肉厚は0.4
cmであり、仕切り板72の外側の対面幅は9.3cm、肉
厚は0.4cmであり、中性子減速物質棒の被覆管外径は
2.9cm、被覆管内径は2.6cmである。本集合体を集合
体ピッチ16.2cmで、炉内に配置する場合の、各構成
要素の体積割合は表2の様になる。
【0037】
【表2】
【0038】本実施例では、実施例一の場合と比べ、長
寿命核種の重量を1.8 倍多く装荷できる。従ってより
多くの長寿命核種を消滅できる利点を有する。
【0039】以上の実施例では、長寿命核種は主に99
cや129I 等の超長寿命の核分裂生成核種を想定してい
たが、これ以外にも一般に、中性子エネルギが低い程中
性子吸収断面積が大きくなる、例えば、ネプチニウム
(Np),アメリシウム(Am),キュウリウム(Cm)
等のマイナーアクチナイド核種及びUやPu等のアクチ
ナイド核種を消滅する場合にも本発明は有効である。ま
た、中性子減速物質はCaH2を例に挙げたが、これを
例えば水素化ジルコニウム(ZrH1.7)や酸化ベリリ
ウム(BeO),重水(D2O)と置き換えても同様の
効果が得られる。さらに、本発明の長寿命核種消滅処理
用集合体を装荷する場所は、FBRの炉心燃料領域を想
定していたが、これ以外にも、一般に、臨界実験装置
や、加速器を使って作られる高速中性子場を想定しても
同様の効果が得られる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、集合体の外側領域に長
寿命核種を、内側に中性子減速物質を配置することによ
り、減速中性子による隣接炉心領域のパワースパイクの
発生を抑止しつつ長寿命核種消滅処理用集合体を炉心燃
料領域に装荷できる。従って、経済的な損失や、炉シス
テム全体への影響を生じずに、効率良く長寿命核種を消
滅することができる。
【0041】また、本発明になる長寿命核種消滅処理用
集合体を炉心燃料領域に装荷すると、冷却材昇温時の温
度反応度効果が負側に増大でき、安全特性を向上するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】長寿命核種消滅処理用集合体の説明図。
【図2】長半減期の核分裂生成物核種の中性子吸収断面
積と、FBRの炉心燃料領域及び本発明の長寿命核種消
滅処理用集合体の中性子エネルギスペクトル特性図。
【図3】FBR炉心の断面図。
【図4】長寿命核種消滅処理用集合体を装荷したFBR
の炉心垂直断面図と従来例及び本発明の集合体を装荷し
た場合の径方向の出力分布図。
【図5】従来例及び本発明の集合体を装荷した場合の径
方向の中性子束分布図。
【図6】第二実施例のFBR炉心の断面図。
【図7】第三実施例の長寿命核種消滅処理用集合体の断
面図。
【符号の説明】
11…長寿命核種消滅処理用集合体、12…長寿命核種
を含む物質、13…長寿命核種棒、14…中性子減速物
質、15…中性子減速物質棒、16…ラッパ管、17…
冷却材流路。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中性子減速物質を含む中性子減速物質領域
    と、前記中性子減速物質領域を取り囲んで、テクネシウ
    ム金属またはヨウ化セリウムの長半減期の核分裂生成物
    を含む核分裂生成物質領域からなることを特徴とする長
    寿命核種消滅処理用集合体。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記核分裂生成物質領
    域に、テクネシウム金属またはヨウ化セリウムの長半減
    期の核分裂生成物を含む物質を充填した複数の核分裂生
    成物質棒を配置し、前記中性子減速物質領域に、中性子
    減速物質を充填した複数の中性子減速物質棒を配置し、
    前記核分裂生成物質領域と中性子減速物質領域を内包す
    るラッパ管よりなる長寿命核種消滅処理用集合体。
  3. 【請求項3】請求項1において、核分裂性物質を有する
    炉心燃料領域を内蔵する高速増殖炉に前記長寿命核種消
    滅処理用集合体を装荷した高速増殖炉の炉心。
  4. 【請求項4】請求項1において、核分裂性物質を有する
    炉心燃料領域を内蔵する高速増殖炉に、前記炉心燃料領
    域を複数の円輪状の領域に分け、隣接する前記円輪状の
    領域の間に、複数の長寿命核種消滅処理用集合体を装荷
    した高速増殖炉の炉心。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記核分裂生成物質領
    域に、罐状態のテクネシウム金属やヨウ化セリウム等の
    長半減期の核分裂生成物を含む物質を配置し、前記中性
    子減速物質領域に、中性子減速物質を充填した複数の中
    性子減速物質棒を配置し、前記核分裂生成物質領域と中
    性子減速物質領域を内包するラッパ管よりなる長寿命核
    種消滅処理用集合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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