JP2000162355A - 高速炉の炉心 - Google Patents

高速炉の炉心

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JP2000162355A
JP2000162355A JP10335289A JP33528998A JP2000162355A JP 2000162355 A JP2000162355 A JP 2000162355A JP 10335289 A JP10335289 A JP 10335289A JP 33528998 A JP33528998 A JP 33528998A JP 2000162355 A JP2000162355 A JP 2000162355A
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fuel
fuel assembly
core
hydride
hydrogen
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Koji Fujimura
幸治 藤村
Toshio Mita
敏男 三田
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】炉心安全性を低下させることなく、効率よくマ
イナーアクチニドを消滅することができる原子炉を提供
する。 【解決手段】水素化物燃料集合体2cの集合体流入部の
圧力損失は、流量に対する出力の比が、内側炉心燃料集
合体2aおよび外側炉心燃料集合体2bの流量に対する
出力の比よりも小さくなるように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高速炉に係り、特に
長寿命のマイナーアクチニド(MA)を消滅するのに好
適な水素化物燃料で構成した水素化物燃料集合体及びそ
れを装荷する原子炉の炉心に関する。
【0002】
【従来の技術】高速炉の燃料集合体は、例えば、安成弘
著,「高速増殖炉」(同文書院)に記載のように、核燃
料物質を被覆管に封入して束ねた燃料要素束とこれを取
り囲むラッパ管,燃料要素束の上方にあり中性子を散乱
する物質を有する中性子反射領域と冷却材流出部、及び
燃料要素束の下方にある冷却材流入部からなる。冷却材
流入部にはオリフィスが設けられており、集合体の発熱
量に応じて冷却材の流量が適切に設定される。
【0003】また、燃料要素は、上下端部に栓のある被
覆管,核分裂性物質を富化した炉心燃料ペレット、ある
いは燃料親物質を主成分とするブランケット燃料ペレッ
ト、および核分裂反応で生成された気体を収納するため
のガスプレナムからなる。
【0004】冷却材には、ナトリウム等の液体金属が使
用される。炉心は、炉心燃料ペレットを装荷した炉心燃
料集合体を複数個束ねた炉心領域と、これを取り囲む、
ブランケット燃料ペレットを装荷したブランケット燃料
集合体を複数個束ねた径方向ブランケット領域とからな
る。
【0005】近年、原子炉の使用済燃料の再処理によっ
て発生する高レベルの放射性廃棄物の管理負担軽減や、
ポテンシャルリスク低減を目的に、廃棄物中に含まれる
長寿命の放射性核種を分離し、安定核種へ核変換する方
法についての「群分離・消滅処理」研究が我が国や仏で
活発に進められている。
【0006】原子炉の使用済燃料に含まれる放射性廃棄
物のうちネプチニウム,アメリシウム,キュウリウム等
のマイナーアクチニド(MA)を原子炉を用いて消滅す
る方法が特願平9−246432 号出願(参照)に開示されて
いる(従来技術1)。この公知例では、MAを含むアク
チニド水素化物より構成されるターゲット集合体を、高
速炉の炉心領域に非均質に装荷することによって、安全
特性を向上しつつMAを効率良く消滅できることが示さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記(従来技術1)で
用いているアクチニド水素化物は一般に温度の上昇に伴
って水素の乖離が進み水素化物からガスプレナム領域に
移行する割合が増加する傾向がある。またアクチニド水
素化物を封入する被覆管を透過する水素の割合も増加す
る傾向にある。
【0008】一例として、米国GA(ゼネラル・アトミ
ック)社のトリガー炉で用いられているU−ZrHx
(X:水素の組成比)をステンレス被覆管に封入したト
リガー燃料において、燃料温度が仮に500℃から10
00℃に上昇すると想定すると、水素分圧は0.1気圧
(kg/cm2)から16気圧に上昇する。
【0009】その結果、水素の組成比1.6が約0.2%
減少する。高速炉では中性子のスペクトルが硬くなる
(高エネルギー側へシフトする)程、主要な核分裂性核
種であるプルトニウム−239(239Pu)やプルトニ
ウム−241(241Pu)の核分裂当たりの中性子発生
数が増加し反応度が大きくなる。従って、水素の組成比
が減少すると反応度が増加する。
【0010】図2は(従来技術1)において炉中心に配
置したターゲット集合体を構成するアクチニド水素化物
の水素の密度と反応度の関係を示した図である。横軸の
水素の密度は定格運転時の値を100%とした相対値で
あり、縦軸の反応度は定格時を基準とした変化分であ
る。水素の組成比が0.2% 減少すると、約2φの反応
度増加がもたらされる。実際には炉心の温度が上昇して
燃料の温度が増加すると原子炉固有の負のドップラー反
応度効果により出力の上昇は抑制される。
【0011】他方、トリガー燃料において、500℃の
温度条件下で1年間に約1%の水素が被覆管を透過し冷
却材(軽水)中に流出すること及び温度上昇と共にその
透過量が増大することが、エム・シマンド著,ニューク
リアー・エンジニアリング・アンド・デザイン,64巻
(1981年)の第403頁から422頁(M. T. SIMN
AD,Nuclear and Design 64(1981)p403−4
22)に示されている。(従来技術1)において水素が
冷却材中に流出するとターゲット燃料の中性子減速能が
減少しMAの消滅効率が低下する。
【0012】本発明の目的は、アクチニド水素化物を用
いる高速炉において、事故時の水素の乖離を抑止し、通
常運転時の被覆管からの水素の透過・流出を抑止するこ
とにより、安全裕度を保ちつつ効率よくMAを消滅する
技術を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、 1.本発明では、アクチニドを含む水素化物燃料を充填
した水素化物燃料棒の束、それを取り囲むラッパ管、お
よびそれらの間の冷却材流路から構成される水素化物燃
料集合体と、核分裂性物質を装荷した炉心燃料集合体よ
り構成される炉心領域、および該水素化物燃料集合体と
炉心燃料領域を取り囲むブランケット燃料領域から構成
される高速炉の炉心において、該水素化物燃料集合体の
流量に対する出力の比を、該炉心燃料集合体の流量に対
する出力の比よりも小さく設定する。
【0014】これによって、定格運転時及び事故時に水
素化物燃料棒の除熱に必要な流量が確保され、水素化物
燃料棒の温度上昇が抑制される。その結果、事故時の水
素の乖離が抑えられ、反応度上昇が防止でき安全裕度が
保たれる。また、定格運転時の被覆管からの水素の透過
・流出が抑えられ、水素の減速効果を用いたマイナーア
クチニドの高い消滅効率が保たれる。
【0015】2.1に記載の水素化物燃料集合体を、ネ
プチニウム,アメリシウム,キュウリウム等のマイナー
アクチニドとウラン,ジルコニウムを含む水素化物燃料
を充填した水素化物燃料棒で構成する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。
【0017】本発明の実施形態を図1,図3〜図7によ
り説明する。
【0018】本実施形態による水素化物燃料を備えた水
素化物燃料集合体を装荷した高速炉の炉心の構造を表す
横断面図を図1に示す。
【0019】図1において、炉心1は、電気出力100
万kW級の高速炉に適用されるものであり、中心部側に
配置された複数の炉心燃料集合体2と、これら炉心燃料
集合体2を取り囲み、劣化ウラン(U−238)を主成
分とする複数の径方向ブランケット燃料集合体3と、こ
れら径方向ブランケット燃料集合体3の更に外側を取り
囲む中性子反射体4と、主炉停止系制御棒5及び後備炉
停止系制御棒6と、以上すべてを内包するように外周側
に設けられる炉心槽8とを備えており、連続運転期間は
1年でかつ毎年3分の1の炉心燃料集合体2及びブラン
ケット燃料集合体3を交換する3バッチ取替炉心となっ
ている。
【0020】炉心燃料集合体2は、例えばピッチ約16
センチで炉心1に装荷されており、核分裂性物質として
プルトニウムを備えた多数の内側炉心燃料集合体2a
と、これら内側炉心燃料集合体2aより外側に配置さ
れ、内側炉心燃料集合体2aよりやや富化度が高いプル
トニウムを備えた多数の外側炉心燃料集合体2bと、こ
れら内側炉心燃料集合体2a及び外側燃料集合体2bの
中に、分散装荷(非均質装荷)された36体の水素化物
燃料集合体2cとから構成されている。
【0021】水素化物燃料集合体2cの構造を表す側面
図を図3に、図3中III−III断面による横断面図を図4
に示す。
【0022】これら図3及び図4において、水素化物燃
料集合体2cは、六角格子状に配列されマイナーアクチ
ニド,ウラン,ジルコニウム、及び水素を含有する(詳
細は後述)271本の水素化物燃料棒10と、これら複
数の水素化物燃料棒10の束を取り囲むステンレス製の
ラッパ管11と、水素化物燃料棒10の上方及び下方に
それぞれ設けられ、中性子を散乱する物質を備えた上部
遮蔽体12及び下部遮蔽体13と、上部遮蔽体12のさ
らに上方にある冷却材流出部14と、下部遮蔽体13の
さらに下方にありオリフィスを設置した冷却材流入部1
5と、隣接する集合体との間隔を保持するためにラッパ
管11の側面に設けた上部スペーサパッド101,中間
スペーサパッド102、及び下部スペーサパッド103
とから構成されている。
【0023】このとき、水素化物燃料棒10とラッパ管
11との間には冷却材ナトリウムの流路17が形成され
ており、この結果、図4に示す水平断面において、水素
化物,構造材(ステンレス),ナトリウムが占める割合
はそれぞれ約42%,約22%,約36%となってい
る。なお、この水素化物燃料集合体2cの取り替え周期
は、他の炉心燃料集合体2a,2bよりも短い2サイク
ルとなっている。
【0024】一般に高速炉においては集合体の発熱量に
応じて冷却材の流量を設定するため上記冷却材流入部1
5の圧力損失が適切に設定されている。本実施形態にお
いては、更に水素化物燃料集合体2cの流量に対する出
力(発熱量)の比率を内側炉心燃料集合体2a及び外側
炉心燃料集合体2bにおける流量に対する出力の比率よ
りも小さく設定する。
【0025】水素化物燃料棒10の詳細構造を表す縦断
面図を図5に示す。この図5において、水素化物燃料棒
10は、例えば外径8.5mmでかつ長さが約2.7mであ
り、上下端部に上部端栓111と下部端栓112がある
被覆管16と、この被覆管16のほぼ軸方向中央部に封
入され、ネプチニウム,アメリシウム,キュウリウム等
のうち少なくとも1つを含むマイナーアクチニド,ウラ
ン,ジルコニウム、及び水素を含有する棒状の水素化物
(U−MA−Zr−H)からなる燃料物質としての燃料
ペレット18と、この燃料ペレット18の上方及び下方
の所定の長さにそれぞれ配置され、滅損ウラン酸化物ペ
レットからなる軸方向ブランケット19,20と、上部
側の軸方向ブランケット19の上方に押えばね21を介
して設けられ、核分裂反応で生成した気体を収納するた
めのガスプレナム22とを備えており、その軸方向の長
さは炉心燃料集合体2cとほぼ同じで例えば100セン
チとなっている。なお、特に図示しないが、この燃料ペ
レット18と被覆管16との間には、ボンド材として金
属ナトリウムが充填されている。
【0026】燃料ペレット18の水素化物U−MA−Z
r−Hは、アルゴンガス雰囲気内において、ウラン,マ
イナーアクチニド,ジルコニウムの金属片をアーク溶融
させた後に、高温・高圧の状態で水素を吸着させること
により製作する。各金属片の重量割合や温度,圧力等の
条件の違いに応じて、ウラン:マイナーアクチニド:ジ
ルコニウム:水素の原子数比(以下単にU:MA:Z
r:Hで表す)を変えることは可能であるが、本実施形
態では、この水素化物に関する公知技術(ティー・ヤマ
モト、エッチ・スワリノ,エッチ・カヤノ,エム・ヤマ
ワキ,ジャーナル・オブ・ニュークリヤー・サイエンス
・アンド・テクノロジー,第32巻,第260頁から2
62頁(Journal of Nuclear Science and Technology,
32 [3],pp.260〜262,March 199
5)に開示された実績に基づき、水素の含有量が最も多
い、U:MA:Zr:H=1:4:10:27,密度
7.2g/ccの水素化物を用いている。なおこの結果、
燃料ペレット18の水素化物燃料の水素の原子数密度は
5.44×1022(個/cc)となり、常温の水に含まれる
水素の原子数密度の約1.6倍となっている。
【0027】以上のように構成した本実施形態の作用を
以下順次説明する。
【0028】(1)炉心の安全裕度の確保 水素化物燃料集合体2cの流量に対する出力の比を、内
側炉心燃料集合体2a,2bの流量に対する出力の比よ
りも小さく設定したことによって、事故時に水素化物燃
料棒の除熱に必要な流量が確保され、温度上昇が抑制さ
れるので、前述した事故時の水素化物からの水素の乖
離,ガスプレナムへの移行が抑えられる。従って、事故
時の水素乖離に起因する反応度上昇が防止でき安全裕度
が保たれる。
【0029】(2)マイナーアクチニドの高い消滅効率
の維持 図6は、代表的なマイナーアクチニドであるネプチニウ
ム−237(237Np)の中性子捕獲断面積のエネルギー
依存性を、ウラン−238(238U)と比較して示したも
のである。横軸には中性子のもつエネルギー(eV)を
とって表している。図6(a)の曲線がネプチニウムの
捕獲断面積特性を示し、図6(b)における曲線がウラ
ン−238の捕獲断面積特性を示している。これらを比
較してわかるように、100eV 以下の低エネルギー領
域においては、237Np の中性子捕獲断面積はウラン−
238よりも2桁(×102)ほど大きくなっている。す
なわち、マイナーアクチニドは比較的低エネルギー領域
のほうが高エネルギー領域よりも中性子捕獲断面積が大
きい。
【0030】そこで、本実施形態においては、水素化物
燃料集合体2cの水素化物燃料棒10の水素で炉心燃料
集合体2a,2bからの高速中性子を減速することによ
り、マイナーアクチニドが中性子と核反応(特に、吸収
反応)を起こす確率が大きくなって中性子の捕獲を促進
することができ、さらに径方向ブランケット燃料集合体
3よりも中性子束レベルが高い炉心1中心部側の水素化
物燃料集合体2cにマイナーアクチニドを配置すること
により、消滅率を高くすることができる。
【0031】本実施形態においては、水素化物燃料集合
体2cの流量に対する出力の比を、炉心燃料集合体の流
量に対する出力の比よりも小さく設定している。これに
よって、定格運転時に水素化物燃料棒の除熱に必要な流
量が確保され、温度上昇が抑制されるので、前述した被
覆管からの水素の透過・流出が抑えられる。従って、運
転期間を通じて水素化物による中性子減速効果を保持で
き、マイナーアクチニドの高い消滅効率を保つことがで
きる。
【0032】本実施例における水素化物燃料棒10にお
けるウラン,ジルコニウム,マイナーアクチニドに対す
る水素原子数の割合がマイナーアクチニド消滅に与える
影響の検討結果を図7に示す。これは、図1に示した炉
心の中心位置に配置した水素化物燃料集合体の水素化物
燃料棒10における水素原子数の割合を変化させたとき
の燃料集合体1体あたりのマイナーアクチニドの消滅量
(kg/年)及び消滅率(%/年)を解析した結果であ
る。
【0033】横軸は水素原子数密度をとり、図7は本実
施形態の水素化物燃料棒10におけるU:MA:Zr:
H=1:4:10:27のときの水素原子数を100%
としたときの相対値で表しており、0%は水素が含まれ
ずウラン,マイナーアクチニド、及びジルコニウムの化
合物(U−MA−Zr)の場合に相当している。また縦
軸のマイナーアクチニドの消滅率及び消滅量は、いずれ
も水素化物燃料集合体2cが炉内に3サイクル(3年)
滞在したと仮想し、その取り出し時点の値を滞在年数3
年で割った1年当たりの値としており、さらに消滅量に
ついてはMAを最初に1050kg装荷した場合における
量で表している。
【0034】なお、通常の取扱いでは、マイナーアクチ
ニドのうち、Cmの同位体(242Cm,243Cm,244
m,245Cm )については他のマイナーアクチニド核種
と比べて、半減期が概して短く( 242Cm:163日,
243Cm:32年,244Cm:17.6年,245Cm:93
00年)いずれもα崩壊によりプルトニウムに自然崩壊
すること、及び半減期が長い 245Cmは核分裂性核種で
あることから、使用済燃料からマイナーアクチニドを取
り出す際に分離し炉外保管するものとしている。
【0035】図7において、曲線アがマイナーアクチニ
ドの消滅量を示し、曲線イがマイナーアクチニドの消滅
率を示している。図示のように、曲線ア,イともに右上
がりの特性となっている。つまり、曲線イのように水素
の原子数密度が大きいほど消滅率が大きくなり、右端の
原子数密度=100%において消滅率が約24%となっ
ている。その結果、マイナーアクチニドの消滅量も水素
の原子数密度が大きいほど大きくなり、消滅量が大きく
なっている。
【0036】炉心1に装荷した36体の水素化物燃料集
合体2cにマイナーアクチニド(NpとAm)を105
0kg装荷した場合には、水素化物燃料集合体2cを2サ
イクルで取り出すとすると、その約24%に相当する約
250kgを毎年消滅させることができる(但し、核分裂
によって消滅したものはその約29%に相当する約70
kg)。このとき一方、炉心燃料集合体2及び径方向ブラ
ンケット集合体3で毎年約27kg生成されるため、差し
引けば毎年正味223kg消滅できることになる。これ
は、同出力規模の軽水炉約10基で毎年生成されるマイ
ナーアクチニドの量に相当する。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、水素化物燃料集合体の
流量に対する出力の比率を炉心燃料集合体の流量に対す
る出力の比率よりも小さくすることにより事故時の水素
の乖離及び定格運転時における水素の被覆管の透過・流
出が抑制できるので、安全性の裕度を保ちつつ、マイナ
ーアクチニドを効率よく消滅することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による水素化物燃料集
合体を装荷した高速炉の炉心の構造を表す横断面図であ
る。
【図2】水素化物燃料の水素原子数の割合と反応度の関
係を表す特性図である。
【図3】水素化物燃料集合体の構造を表す側面図であ
る。
【図4】図3中III−III断面による横断面図である。
【図5】水素化物燃料棒の詳細構造を表す縦断面図であ
る。
【図6】(a)及び(b)はネプチニウム−237の中
性子捕獲断面積のエネルギー依存性を、ウラン−238
と比較して示した特性図である。
【図7】水素化物燃料棒における水素原子数の割合を変
化させたときのマイナーアクチニドの消滅量及び消滅率
の解析結果を示す特性図である。
【符号の説明】
1…炉心、2…炉心燃料集合体、2a…内側炉心燃料集
合体、2b…外側炉心燃料集合体、2c…水素化物燃料
集合体(一部の炉心燃料集合体)、3…ブランケット燃
料集合体、10…水素化物燃料棒(第1の燃料棒,燃料
要素)、11…ラッパ管、16…被覆管、18…燃料ペ
レット(燃料物質)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクチニドを含む水素化物燃料を充填した
    水素化物燃料棒の束、それを取り囲むラッパ管、および
    それらの間の冷却材流路から構成される水素化物燃料集
    合体と、核分裂性物質を装荷した炉心燃料集合体より構
    成される炉心領域、および該水素化物燃料集合体と炉心
    燃料領域を取り囲むブランケット燃料領域から構成され
    る高速炉の炉心において、該水素化物燃料集合体の流量
    に対する出力の比を、該炉心燃料集合体の流量に対する
    出力の比よりも小さく設定したことを特徴とする高速炉
    の炉心。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の高速炉の炉心において、
    該水素化物燃料集合体を構成する水素化物燃料棒に充填
    する水素化物燃料がネプチニウム,アメリシウム,キュ
    ウリウム等のマイナーアクチニドとウラン,ジルコニウ
    ムを含むことを特徴とする高速炉の炉心。
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