JP5410653B2 - 高速炉の炉心及び高速炉の燃料取り扱い方法 - Google Patents

高速炉の炉心及び高速炉の燃料取り扱い方法 Download PDF

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Description

本発明は、高速炉の炉心及び高速炉の燃料取り扱い方法に係り、特に、軽水炉からFBR(Fast Breeder Reactor、高速増殖炉)に移行するFBR導入時期に、軽水炉の使用済燃料を再処理して得られるPuを核燃料として用いる高速炉及び高速炉の燃料取り扱い方法に関する。
高速増殖炉(FBR、Fast Breeder Reactor)の燃料集合体及び炉心は、平川直弘、岩崎智彦著「原子炉物理入門」(東北大学出版会、2003年10月30日、p279〜286)(非特許文献1)等に記載されている。一般的に、高速増殖炉の炉心に装荷される燃料集合体は、プルトニウム(Pu)を富化した劣化ウラン(U−238)を核燃料物質として用い、この核燃料物質を内部に封入した複数の燃料棒、これらの燃料棒を取り囲むラッパ管、燃料棒より上方に位置する冷却材流出部、及び燃料棒の下方に配置された中性子遮蔽体及び冷却材流入部(エントランスノズル)を有している。炉心は、上記した複数の燃料集合体を実質的に円柱状に配置することによって形成される。標準的な均質炉心は、半径方向において炉心領域及び半径方向ブランケット領域を有している。炉心領域は、Pu富化度の異なる中央領域及び周辺領域の2領域を有する。すなわち、周辺領域に装荷された燃料集合体のPu富化度を、中央領域に装荷された燃料集合体のそれよりも高くしている。これによって、炉心の半径方向における出力分布を平坦化している。核燃料の形態としては、これまで、金属、窒化物、酸化物等が検討されているが、酸化物燃料が最も実績が豊富である。この場合、燃料棒は、Puと劣化ウランの各酸化物を混合した混合酸化物を含む燃料ペレット(以下、MOX燃料ペレットという)を軸方向の中央部(80〜100cm程度の高さの領域)に充填している。この燃料棒内には、劣化ウランの酸化物を含むUO燃料ペレットが上記中央部の上方及び下方に充填された軸方向ブランケット領域が設けられる。半径方向ブランケット領域は、MOX燃料ペレットが充填された複数の燃料棒を有する燃料集合体(炉心燃料集合体という)を配置した炉心領域の周囲に配置され、上記のUO燃料ペレットのみが充填された燃料棒を有する燃料集合体(ブランケット燃料集合体という)が装荷される。それぞれのブランケット領域では、炉心領域の核分裂反応で発生した中性子のうち、炉心領域から漏れ出た中性子がUO燃料ペレットに含まれるU−238に吸収され、核分裂核種であるPu−239が生成される。ブランケット領域は、炉心全体におけるPuの増殖(増殖比>1.0)に貢献する。
FBRの起動時、その停止時及び出力変更時には制御棒が用いられる。制御棒は、炭化ホウ素(BC)ペレットを封入した複数の中性子吸収棒を束ね、これを炉心燃料集合体と同様に正六角形のラッパ管に収納して構成される。制御棒は、主炉停止系と後備炉停止系の独立2系統構成となっており、いずれか1方のみで緊急停止が可能である。燃焼に伴う反応度変化に対する燃焼補償は、非特許文献1の285頁、表6.9に示されているように、我が国の原型炉「もんじゅ」の場合、2.5〜2.6%kΔk/k程度で、運転余裕分を含めても3%Δk/k以下となっている。
一方、非特許文献2には、実用時期の大型FBR(150万kWe)において、FBRの平衡時期に想定されるFBR多重リサイクル取出しのPu燃料組成、及び軽水炉における中燃焼度及び高燃焼度の各使用済み燃料から取出されるPu組成を想定した場合の、主要核特性が評価・比較検討されている。基準のFBRでの多重リサイクルにおける取出組成(FBRから取り出された使用済燃料の組成)でFP(核分裂生成物)が存在しない燃料組成を用いる場合には燃焼反応度が2.64%Δk/kであるのに対して、軽水炉の取出組成(軽水炉から取り出された使用済燃料の組成)を用いる場合ではいずれのケースでも燃焼反応度が増大している。これは、FBRの多重リサイクルにおける使用済燃料では全Pu中のPu−241の同位体元素の割合が4.3wt%であるのに対して、軽水炉の使用済燃料ではその割合が約10wt%以上と多く、逆に、Pu−241の親核種のPu−240は、高速炉の多重リサイクルでの使用済燃料では32.1wt%であるのに対して、軽水炉の使用済燃料ではいずれのケースも30wt%より低いためと考えられる。
尚、特許文献1は、原子番号が93以上でPuを除くマイナーアクチニド(MA)を天然ウラン、劣化ウランもしくは回収ウラン等のU−238を主成分とする母材に添加した核燃料物質を含むTRU燃料集合体を、Puを含む炉心領域に非均質に装荷して、MAを消滅させる超ウラン元素の消滅処理炉心を記述している。
特許2953844号公報 平川直弘、岩崎智彦著、原子炉物理入門:東北大学出版会(2003年10月30日) 炉心設計における燃料サイクルとの整合性検討(研究報告):核燃料サイクル開発機構大洗工学センター(2001年9月)
上述したように、軽水炉からFBRへの移行時期に想定されるPu−241の同位体割合が多いPu組成を想定すると、燃焼反応度が大きくなる傾向がある。一方、FBRの制御棒で制御すべき反応度としては、上記の燃焼反応度に対応する燃焼補償の他、出力補償(低温停止状態から高温の全出力運転状態に至る、燃料の温度変化に伴うドップラー反応度、冷却材であるNaの密度変化及び炉心構成要素の熱膨張に伴う反応度変化)、運転余裕(負荷追従に必要な微分反応度価値を確保する位置まで制御棒を挿入することに起因する反応度)及び解析による予測値と実測値のずれに対する反応度誤差吸収などがある。制御棒の設計では、上述した制御すべき反応度の合計(A)と、最大価値の制御棒1本が全引き抜きの状態で制御可能な反応度(B)との反応度収支のバランスが評価される。主炉停止系のついては、反応度(B)が反応度の合計(A)に対して1%Δk/k程度の余裕を持たせた設計が一般的である。FBRの炉心設計及び諸特性評価は、FBRの平衡期に想定される多重リサイクルでの使用済燃料のPu組成を用いて平衡炉心を対象に実施される場合が多い。一方、背景技術で述べたように、軽水炉からFBRへの導入時期に想定される軽水炉の使用済燃料のPu組成を用いた評価では、FBRの平衡期に想定される多重リサイクルでの上記のPu組成を用いた場合と比べて、燃焼反応度が大きくなる傾向がある。このため、上記の多重リサイクルでのPu組成を用いて平衡炉心を対象に設計したFBRの炉心及び制御棒の仕様では、制御棒の反応度収支のバランスが取れなくなる可能性がある。この場合には、燃料集合体の体数に対する制御棒本数の比率を増加させるか、FBRの連続運転期間を短くして燃焼反応度を低減する対策が考えられる。しかしながら、前者は炉心サイズの増大を招いてFBRの建設コスト増加の要因となり、後者はFBRの稼働率低下に伴う燃料サイクルコストの増加を招く。
本発明の目的は、Pu−241の同位体割合が多いPu組成を用いた高速炉の移行炉心における燃焼反応度の増大を抑制し、制御棒本数の増加及び1つのサイクルにおける運転期間の短縮を避けることができる高速炉の炉心及び高速炉の燃料取り扱い方法を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、軽水炉の使用済核燃料物質を再処理して得られた、プルトニウムを含む核燃料物質が充填された複数の燃料集合体が装荷されて複数の制御棒が挿入され、複数の燃料集合体は炉内に滞在する期間が異なる複数の群に分けられ、そして、第2の滞在期間よりも短い第1の滞在期間の前記群に属する第1の燃料集合体の核燃料物質へのマイナーアクチニドの添加率が、第2の滞在期間の群に属する第2の燃料集合体の核燃料物質へのその添加率よりも小さくなっており、第2の滞在期間よりも長い第3の滞在期間の群に属する第3の燃料集合体の核燃料物質へのマイナーアクチニドの添加率が、第2の燃料集合体のその添加率よりも大きくなっている高速炉の初装荷炉心を備えた高速炉の燃料取り扱い方法であって、
高速炉の第1サイクルでの運転が終了した後、炉心からこの炉心に配置されている複数の第1の燃料集合体を取り出して、第1、第2及び第3それぞれの燃料集合体よりもマイナーアクチニドの添加率が大きい複数の第の燃料集合体を炉心に装荷し、第1サイクルの次のサイクルである第2サイクルでの高速炉の運転が終了した後、炉心から複数の第2の燃料集合体を取り出して、第1、第2及び第3のそれぞれの燃料集合体よりもマイナーアクチニドの添加率が大きい複数の第5の燃料集合体を炉心に装荷し、第2サイクルの次のサイクルである第3サイクルでの前記高速炉の運転が終了した後、前記炉心から複数の第の燃料集合体を取り出して、マイナーアクチニドが含まれていない複数の第の燃料集合体を炉心に装荷することにある。
第1の燃料集合体のマイナーアクチニドの添加率が、第2の燃料集合体のその添加率よりも小さくなっているので、Pu−241の同位体割合が多いPu組成を用いた高速炉の移行炉心における燃焼反応度の増大を抑制し、制御棒本数の増加及び1つのサイクルにおける運転期間の短縮を避けることができる。
本発明によれば、Pu−241の同位体割合が多いPu組成を用いた高速炉の移行炉心における燃焼反応度の増大を抑制し、制御棒本数の増加及び1つのサイクルにおける運転期間の短縮を避けることができる。
発明者らは、MAを含む核燃料物質を用いた燃料集合体をFBRの炉心に装荷した場合において、平衡炉心に至る移行炉心でのMAの振る舞いを検討した。この検討結果を以下に説明する。
軽水炉等の原子炉で発生した使用済み燃料集合体から取り出される核燃料の組成は、原子炉の炉型、核燃料物質の形態及び取出燃焼度に依存して変わる。軽水炉、例えば加圧水型原子炉(PWR)から取り出された使用済み燃料集合体及びFBRに装荷される新燃料集合体(燃焼度ゼロ)のそれぞれに含まれる核燃料物質中の超ウラン元素(Trans-Uranium)(以下、TRUという)の組成を図7に示す。図7に示されたマイナーアクチニド(以下、MAという)はNp、Am,Cmの同位体である。図7は、使用済燃料集合体25,26及び27に含まれている核燃料物質中のTRUの組成、及びFBRの平衡炉心に装荷される燃料集合体(燃焼度ゼロの新燃料集合体)28に含まれる核燃料物質である混合酸化物(MOX:Mixed-Oxide)燃料中のTRUの組成を示している。使用済燃料集合体25,26及び27は、いずれもPWRの炉心から取り出され、取り出された後、5年間に亘って燃料貯蔵プールで冷却されたものである。使用済燃料集合体25,26は、いずれも核燃料物質としてUO燃料を用いた燃料集合体の使用済燃料集合体である。使用済燃料集合体27は、核燃料物質としてMOX燃料を用いた燃料集合体の使用済燃料集合体である。燃料集合体28は、多重リサイクルにより形成されたFBRの平衡炉心に装荷される新燃料集合体である。平衡炉心の燃料組成の核燃料物質を有する燃料集合体28に含まれるTRU中のPu−241割合が4%であるのに対し、使用済燃料集合体25,26,27のそれぞれに含まれるTRU中のPu−241割合は10〜13%程度と多い。
そこで、電気出力150万kWクラスの、冷却材として液体金属Naを用いる大型FBRを対象に、燃料組成が炉心特性に及ぼす影響を評価した。対象としたFBRの炉心は、後述する図2に示す構成を有する。この炉心の概略の構造を説明する。炉心は、内側炉心領域、外側炉心領域及び半径方向ブランケット領域を有する。内側炉心領域は炉心の中央部に配置され、外側炉心領域が内側炉心領域を取り囲んでいる。半径方向ブランケット領域は外側炉心領域の周囲を取り囲んでいる。内側炉心燃料集合体が内側炉心領域に装荷され、外側炉心燃料集合体が外側炉心領域に装荷される。内側及び外側炉心燃料集合体は、横断面が六角形をしており、核燃料物質としてMOX燃料を用いている。半径方向ブランケット領域に装荷されるブランケット集合体は、横断面が六角形をしており、燃料物質として劣化ウラン(または天然ウラン)の酸化物燃料を用いている。12体の主炉停止系制御棒及び4体の後備炉停止系制御棒が、内側炉心領域に配置されている。FBRの炉心は、内側炉心領域及び外側炉心領域の上方に上部ブランケット領域、及びそれらの炉心領域の下方に下部ブランケット領域を配置している。内側及び外側炉心燃料集合体のMOX燃料部の高さは80cmであり、内側炉心領域及び外側炉心領域の直径はそれぞれ約320cm、460cmである。
発明者らは、多重リサイクルでの平衡組成を有する燃料集合体28を装荷した上記の炉心で、1サイクルが18ヶ月運転、4バッチの燃料取替えを想定した。この想定を前提として、燃料集合体28のPu富化度を平衡サイクル末期で臨界となるPu富化度とした場合での、MAを含む燃料集合体28を初めて炉心に装荷した初装荷(図9に示す第1サイクル)から平衡サイクル(図9に示す第5サイクル)に至る炉心計算を実施した。この炉心計算で得られた中性子実効増倍率の推移を図9において燃焼特性31で示した。燃焼特性31は、FBRの多重リサイクルでの燃料組成を用いて行なった炉心燃焼特性の解析結果を示している。この燃焼特性31において、第4サイクル以降(図9においては、第4、第5サイクル)が平衡炉心36の状態になっている。この平衡炉心36のサイクル末期において、その炉心から取り出される燃料集合体のMOX燃料部の平均燃焼度、すなわち取出平均燃焼度は、約150GWd/tである。平衡サイクルの初期から末期に至る燃焼反応度は約3%Δkである。なお、前述した主炉停止系制御棒16は、最大価値の反応度1本全引き抜き時に、上記の燃焼反応度及び出力補償、運転余裕などの必要反応度が確保できるように製作されている。
発明者らは、軽水炉の平均的な使用済燃料集合体の燃料組成を用いた場合の移行炉心の特性を評価した。この評価は、図7に示す燃料集合体25,26,27のを含み、FBRの実用化時期と想定される西暦2050年頃迄に想定されるBWR、PWR及びやプルサーマル炉から取り出された使用済燃料集合体の燃料組成も考慮して行なった。図9に示す第1サイクル用としてFBRの炉心に初めて装荷される、再処理で得られた核燃料物質(MAを含む)を用いた燃料集合体(初装荷燃料集合体)、及び第2サイクル以降のために炉心に装荷される取替え燃料集合体のそれぞれのPu富化度は、上述した主炉停止系制御棒で燃焼反応度が制御可能となるように、サイクル初期の実効増倍率が約1.03となるように設定した。この約1.03の実効増倍率は、図9に示す実効増倍率制限の目安値34である。図9において、燃焼特性32は、軽水炉(PWR)から取り出された使用済燃料集合体に含まれていた核燃料物質を再処理して得られた核燃料物質を用いて製造された燃料集合体が装荷されたFBRの移行炉心における燃焼特性である。この燃料集合体の燃料組成はMAを含んでいない。燃焼特性33は、軽水炉から取り出された使用済燃料集合体に含まれていた核燃料物質を再処理して得られた核燃料物質を用いて製造された燃料集合体が装荷されたFBRの移行炉心における燃焼特性である。この燃料集合体の燃料組成はMAを含んでいる。燃焼特性32は、燃焼に伴う反応度劣化が、FBRの多重リサイクル組成を有する核燃料物質を含む燃料集合体を装荷した平衡サイクル36のそれよりも大きくなるため、1サイクルで高速炉の運転が可能な運転期間38が、多重リサイクル組成の場合の18ヶ月よりも短縮されることが新たに判明した。
一方、使用済燃料集合体に含まれているMA(Np、Am、Cmの同位体で一般に長半減期の放射性核種である)をFBRの炉心に装荷される燃料集合体で用いられる核燃料物質に添加した場合には、MAは、U−238と比べて中性子捕獲断面積が大きいため、燃焼初期の反応度を抑制する。さらに、MAは、中性子を吸収することによって核分裂性核種に変わるので、燃料集合体の寿命期間の末期(以下、燃焼末期という)の反応度を増加できる可能性がある。発明者らは、図7に示すTRU組成を有する、使用済燃料集合体25に含まれている核燃料物質(Pu富化度は18wt%)におけるTRU中のMAの割合を変化させた場合における中性子無限増倍率の燃焼度依存性の解析を行った。この解析の結果を、図8に示す。核燃料物質におけるMAの混合割合の増加に伴い、燃料集合体の寿命期間の初期(以下、燃焼初期という)の反応度が減少し(図8の矢印A)、燃焼末期の反応度が増大する(図8の矢印B)。図8に示す知見に基づいてMAの混合割合を例えば20wt%にすると、燃焼度150GWd/t程度迄、ほとんど中性子無限増倍率が変化せずに、燃焼に伴う反応度変化をほぼ零にすることができる可能性がある。しかしながら、図7に示す使用済燃料集合体25〜27におけるそれぞれのTRUの組成のように、必要なPuに対して利用可能なMAには制限がある。そこで、発明者らは、軽水炉から取り出された使用済燃料集合体の再処理で得られるPuとバランス可能な範囲のMAを添加するFBRの移行炉心(初装荷炉心、及び初装荷炉心から平衡炉心に至る途中段階の炉心)の概念を新たに考え出した。
この移行炉心を対象にした実施例を、図面を用いて以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である高速炉の炉心を、図1〜図6を用いて以下に説明する。この高速炉はFBRである。本実施例の高速炉の炉心1は、図2に示すように、半径方向において、内側炉心領域(第1炉心領域)6が中央部に配置され、外側炉心領域(第2炉心領域)8が内側炉心領域6を取り囲み、半径方向ブランケット領域10が外側炉心領域8の周囲を取り囲んでいる。炉心1は、内側炉心領域6及び外側炉心領域8の上方に上部ブランケット領域44を配置し、内側炉心領域6及び外側炉心領域8の下方に下部ブランケット領域45を配置している(図3参照)。上部ブランケット領域44及び下部ブランケット領域45の直径は、外側炉心領域8の外径と同じである。半径方向ブランケット領域10は、上部ブランケット領域44及び下部ブランケット領域45の周囲も取り囲んでいる。さらに、炉心1は、第1遮へい体領域12及び第2遮へい体領域14を有する(図2参照)。第1遮へい体領域12は、半径方向において、半径方向ブランケット領域10の周囲を取り囲んでいる。第2遮へい体領域14は第1遮へい体流域12の周囲を取り囲んでいる。第1遮へい体領域12及び第2遮へい体領域14は、図3では省略されている。内側炉心領域6及び外側炉心領域8の各高さは80cm、内側炉心領域6の直径は約320cm、外側炉心領域32の直径は約460cmである。第2遮へい体領域14の外面の等価直径は約6mである。
内側炉心領域6に装荷される内側炉心燃料集合体7は、横断面が六角形であり、図示されていないが、六角形のラッパ管(ステンレス製)内に271本の燃料棒を配置して構成される。これらの燃料棒は、劣化ウラン(または天然ウラン)の酸化物(UO)及びプルトニウムの酸化物(PuO)を混合し、得られた混合酸化物燃料(MOX燃料)を焼結して製造された複数の第1燃料ペレットを内部に充填している。これらの内側炉心燃料集合体7は、約20cmピッチで配置される。混合酸化物燃料には、核分裂性物質であるPu−239及びPu−241を含むPuが富化されている。外側炉心領域8に装荷される外側炉心燃料集合体9は、内側炉心燃料集合体7と同じ構成を有する。ただし、外側炉心燃料集合体9に用いられる核燃料物質のPuの富化度は、内側炉心燃料集合体7に用いられる核燃料物質のそれよりも大きくなっている。内側炉心燃料集合体7は、軸方向において、内側炉心領域6に位置する中央領域に上記した第1燃料ペレットを配置し、上部ブランケット領域44及び下部ブランケット領域45に位置する上部領域及び下部領域に、劣化ウラン(または天然ウラン)の酸化物(UO)を焼結して製造された複数の第2燃料ペレットを配置している。外側炉心燃料集合体9は、軸方向において、外側炉心領域8に位置する中央領域に上記した第1燃料ペレットを配置し、上部ブランケット領域44及び下部ブランケット領域45に位置する上部領域及び下部領域に第2燃料ペレットを配置している。
複数のブランケット集合体11が半径方向ブランケット領域10に配置される。ブランケット集合体11は、横断面が六角形をしており、ラッパ管内に複数の第2燃料ペレとが内部に充填された127本の燃料棒を配置して構成される。半径方向ブランケット領域10は、半径方向において、1層のブランケット集合体11を配置している。
第1遮へい体領域12は、ステンレスで製作された複数のSUS遮へい体13を配置している。この第1遮へい体領域12は、半径方向において、1層のSUS遮へい体13が配置される。第1遮へい体領域12の外側に位置する第2遮へい体領域14には、炭化ホウ素を封入した複数のBC遮へい体15が配置されている。第2遮へい体領域14は、半径方向において、2層のBC遮へい体15を配置している。SUS遮へい体13及びBC遮へい体15は、内側炉心燃料集合体7及び外側炉心燃料集合体9で発生した中性子及びガンマ線等の放射線を遮へいする。
12体の主炉停止系制御棒16及び4体の後備炉停止系制御棒17が、内側炉心領域6内に挿入可能に配置されている。これらの制御棒は、濃縮ホウ素を用いた炭化ホウ素(BC)のペレットを封入した複数の中性子吸収棒を束ねて構成されている。主炉停止系制御棒16は、核燃料物質の燃焼変化、及び原子炉出力の変化に伴う、反応度の制御に用いられる。後備炉停止系制御棒17は、通常の高速炉の運転時には、中性子吸収領域の挿入端が内側炉心領域6の上端位置まで引き抜かれている。このような後備炉停止系制御棒17は、緊急時及び通常運転時における炉停止時の際に、内側炉心領域6内に全挿入される。これらの制御棒の設計では、主炉停止系制御棒16及び後備炉停止系制御棒17のそれぞれに対して、制御すべき反応度の合計(A)と、最大価値の制御棒1本が全引き抜きの状態で制御可能な反応度(B)との反応度収支のバランスが評価される。主炉停止系制御棒16については、反応度(B)が反応度の合計(A)に対して1%Δk/k程度の余裕を持たせた設計が一般的である。
上記した軽水炉から取り出された使用済燃料集合体の再処理で得られるPuとバランス可能な範囲のMAを利用した高速炉の移行炉心、例えば、初装荷炉心である炉心1の概念を、図1を用いて説明する。図1に示す炉心1は、図2及び図3に示した炉心1を模式的に表したものである。炉心1は、燃料取替えバッチ数4に対応して、MAの添加割合が異なる4種類の初装荷燃料集合体である燃料集合体2,3,4,5を装荷している。燃料集合体2のMA添加率は0wt%(添加せず)、燃料集合体3のMA添加率は2wt%、燃料集合体4のMA添加率は4wt%、及び燃料集合体5のMA添加率は6wt%である。炉心1に装荷された全燃料集合体2〜5のMAの平均値は3wt%になる。図1は、各燃料集合体2,3,4,5が炉心1の4分の1ずつの領域ごとにまとまって配置されているように記載している。しかしながら、実際には、各燃料集合体2,3,4,5は、図2に示す内側炉心領域6及び外側炉心領域8に分散して装荷されている。
燃料集合体2,3,4,5は、炉心1内の滞在期間が異なっている。複数の燃料集合体2は1サイクルだけ炉心1内に滞在する。複数の燃料集合体3は、2サイクルの間、炉心1内に滞在し、複数の燃料集合体4は、3サイクルの間、炉心1内に滞在する。複数の燃料集合体5は、最も長い4サイクルの間、炉心1内に滞在する。炉内滞在期間が短い燃料集合体ほどMAの添加率が小さくなっている。炉心1内には、炉内滞在期間が異なる4つの群に分けられる燃料集合体が存在する。
燃料集合体2,3,4,5のうち、内側炉心燃料集合体7である燃料集合体2A,3A,4A,5A(図4(A)参照)が、内側炉心領域6に配置されている。燃料集合体2,3,4,5のうち、外側炉心燃料集合体9である燃料集合体2B,3B,4B,5B(図4(B)参照)が、外側炉心領域8に配置されている。
これらの燃料集合体に含まれている核燃料物質の組成を、図4を用いて説明する。図4(A)及び図4(B)において、18はウラン、19はMA及び20はプルトニウムを示している。燃料集合体2A,3A,4A,5Aのそれぞれのプルトニウム富化度は20wt%である(図4(A)参照)。燃料集合体2B,3B,4B,5Bのそれぞれのプルトニウム富化度は22wt%である(図4(B)参照)。半径方向ブランケット領域10に近くて中性子の漏洩によって出力密度が減少する外側炉心領域8に装荷される各燃料集合体のPu富化度を、内側炉心領域6に装荷される各燃料集合体よりも高くすることによって、内側炉心領域6及び外側炉心領域8を含む炉心領域の半径方向の出力分布が平坦化される。
それぞれの燃料集合体について、プルトニウム以外の燃料組成について説明する。燃料集合体2Aは、MAを含有していなく(MAが0wt%)、残りの80wt%がウランである。燃料集合体3Aは、2wt%のMA、及び78wt%のウランを含んでいる。燃料集合体4Aは、4wt%のMA、及び76wt%のウランを含んでいる。燃料集合体5Aは、6wt%のMA、及び74wt%のウランを含んでいる。燃料集合体2Bは、MAが0wt%で、78wt%のウランを含んでいる。燃料集合体3Bは、2wt%のMA、及び76wt%のウランを含んでいる。燃料集合体4Bは、4wt%のMA、及び74wt%のウランを含んでいる。燃料集合体5Bは、6wt%のMA、及び72wt%のウランを含んでいる。
炉心1における燃料交換を、図5、図6(A)及び図6(B)を用いて以下に説明する。第1サイクル#1である初装荷炉心以降における燃料交換では、各サイクルでの高速炉の運転が終了した後、炉心1内の燃料集合体は、使用済燃料集合体として、燃料集合体2A〜5A及び2B〜5Bのうち初装荷炉心に装荷した時点でMAの含有量が少ない燃料集合体から順番に炉心1から取り出され、新燃料集合体である取替え燃料集合体が炉心1に装荷される。すなわち、第1サイクル#1の運転が終了し、高速炉が停止した後、燃料集合体2A,2Bが炉心1から取り出される。第1回目の取替え燃料集合体21A,21Bが替りに炉心1に装荷される。その後、第2サイクル#2の運転が終了した後、燃料集合体3A,3Bが炉心1から取り出され、第2回目の取替え燃料集合体22A,22Bが炉心1に装荷される。第3サイクル#3の運転終了後では、燃料集合体4A,4Bが炉心1から取り出され、第3回目の取替え燃料集合体23A,23Bが炉心1に装荷される。第4サイクル#4の運転終了後では、燃料集合体5A,5Bが炉心1から取り出され、第4回目の取替え燃料集合体23A,23Bが炉心1に装荷される。第nサイクル及び第(n+1)サイクル終了後では、該当する燃料集合体が炉心1から取り出され、第n回目及び第(n+1)回目のそれぞれの取替え燃料集合体23A,23Bが炉心1に装荷される。
取替え燃料集合体21A,22A,23Aは内側炉心領域6に装荷され、取替え燃料集合体21B,22B,23Bは外側炉心領域8に装荷される。これらの取替え燃料集合体の燃料組成を、図6(A),図6(B)を用いて具体的に説明する。取替え燃料集合体21Aは、MAを5wt%及びウランを71.7wt%を含んでおり、プルトニウム富化度が22.4wt%である。プルトニウム富化度が24.7wt%である取替え燃料集合体21Bは、MAを5wt%及びウランを70.3wt%を含んでいる。プルトニウム富化度が22.9wt%である取替え燃料集合体22Aは、MAを5wt%及びウランを72.1wt%を含んでいる。プルトニウム富化度が25.2wt%である取替え燃料集合体22Bは、MAを5wt%及びウランを69.8wt%を含んでいる。プルトニウム富化度が20.7wt%である取替え燃料集合体23Aは、MAが0wt%であり、ウランが79.3wt%である。プルトニウム富化度が22.8wt%である取替え燃料集合体23Bは、MAが0wt%であり、ウランが77.2wt%である。
第1サイクル#1の運転終了後に装荷される取替え燃料集合体21A,21Bは5wt%のMAを含み、第2サイクル#2の運転終了後に装荷される取替え燃料集合体22A,22Bも5wt%のMAを含んでいる。第3サイクル#3の運転終了後に装荷される取替え燃料集合体23A,23Bに含まれるMAは0wt%である。第4サイクル#4以降の各サイクルの運転終了後にそれぞれ装荷される燃料集合体23A,23Bも、MAが含まれていない。
内側炉心領域6に装荷される燃料集合体21A,22A,23A、及び外側炉心領域8に装荷される燃料集合体21B,22B,23Bのプルトニウム富化度をまとめると、以下のようになる。
内側炉心領域 外側炉心領域
第1回目の取替燃料集合体 22.4wt% 24.7wt%
第2回目の取替燃料集合体 22.9wt% 25.2wt%
第3回目の取替燃料集合体 20.7wt% 22.8wt%
発明者らは、本実施例における初装荷炉心である炉心1、及びこの炉心1を基点にしたそれぞれのサイクルでの運転終了後の各取替え燃料集合体の装荷により形成されるサイクルごとの各移行炉心を対象に、それぞれの燃焼特性を評価した。この評価の結果、図9に示す燃焼特性33が得られた。この燃焼特性33から明らかであるように、本実施例における各移行炉心に対応する各サイクルでの運転期間39は、FBRの多重リサイクルでの燃料組成を有する核燃料物質を用いた燃焼特性における1つの平衡サイクルでの運転期間37と同じにすることができる。すなわち、1つのサイクルでの運転期間39は18ヶ月になる。本実施例における各移行炉心(炉心1を含む)は、制御棒反応度の制限値以下になっている(中性子実効増倍率≦1.03)。本実施例の炉心1では、主炉停止系制御棒16で制御可能な燃焼反応度の幅35が増大する(図9参照)。このため、主炉停止系制御棒16の本数の増加を避けることができる。
本実施例の炉心1(初装荷炉心)に装荷する燃料集合体をバッチ数に対応してMAの添加率を替えた4種類として、初装荷炉心に装荷された各燃料集合体を、装荷した時点でのMAの添加率が少ない順でその添加率別に、初装荷炉心以降の各サイクルの運転終了後に取り替える炉心運用の利点を、以下に説明する。本実施例におけるこの利点を、MAの添加率が同じである複数の初装荷燃料集合体を装荷した高速炉の初装荷炉心(以下、比較炉心という)と比較して説明する。比較炉心に装荷される前述の初装荷燃料集合体の体数は、本実施例の炉心1に装荷された燃料集合体2,3,4,5の合計体数と同じである。比較炉心に装荷される各初装荷燃料集合体におけるMAの添加率は、本実施例の炉心におけるMAの平均添加率である3wt%である。これによって、比較炉心では、MAが炉心内に均一に添加されることになる。
以下、初装荷炉心全体のMOX燃料部の重金属重量をHM(トン)とし、1サイクル当りのMAの消滅率を仮に10%と想定する。第4サイクル末期で移行炉心内に残存するMAの重量を、初装荷炉心が本実施の炉心1である場合(以下、ケースAという)と、初装荷炉心が比較炉心である場合(以下、ケースBという)とで比較する。
ケースAでは、第3サイクル#3の運転終了後までに、MA添加率が0、2、4wt%である燃料集合体2,3,4は全て新しい取替え燃料集合体と交換されている。初装荷炉心に装荷された燃料集合体のうち、第4サイクル#4で炉心内に残存する燃料集合体は、初装荷炉心に装荷された時点でのMAの添加率が6wt%である燃料集合体のみである。この燃料集合体5は、第4サイクル#4では4サイクル目の運転を経験することになる。第4サイクル#4で炉心内に残存する全ての燃料集合体5に含まれているMAの重量は(1)式で表される。
6/100×(1−10/100×4)×HM/4
=9/1000×HM …(1)
ケースBでは、第3サイクル#3の運転終了後までに初装荷炉心に装荷された初装荷燃料集合体のうち3/4の初装荷燃料集合体が取り出され、残りの1/4の初装荷燃料集合体のみが第4サイクル#4で4サイクル目の運転を経験する。第4サイクル#4で炉心に残存する全ての初装荷燃料集合体に含まれているMAの重量は(2)式で表される。
3/100×(1−10/100×4)×HM/4
=4.5/1000×HM …(2)
図8に示すように、MAの添加割合による反応度増大効果は、核分裂性物質の燃焼が進むにつれて増大するため、炉心内でのMA残存量がより多いケースA、すなわち、本実施例の炉心は、比較炉心(ケースB)よりも燃焼末期での反応度増大効果が大きくなる。本実施例の炉心は、燃焼反応度の低減効果が大きくなるので、軽水炉から取り出された使用済燃料集合体に含まれる核燃料物質を再処理して再使用する場合でも、FBRの多重リサイクル組成の核燃料物質を用いる場合と同程度の運転期間を確保することができる。
また、本実施例は、長半減期のMA核種を核変換によって短半減期核種に変換できる利点も有し、長期に渡る高レベル放射性廃棄物の放射能の減衰が早められる。したがって、本実施例の炉心1は、環境負荷を軽減することができる。
本実施例の炉心1は、軽水炉からFBRへの移行期に想定されるPu−241の同位体割合が多い、軽水炉から取り出された使用済み燃料集合体から回収された核燃料物質の再処理によって得られるPu組成を有する核燃料物質を用いた場合でも、軽水炉の使用済み燃料集合体から回収したMAをその核燃料物質に添加することによってFBRの移行炉心の燃焼反応度の増加を抑制することができる。このため、本実施例の炉心1は、FBRの多重リサイクルでの燃料組成を有する核燃料物質を用いる平衡炉心を対象に設計された制御棒(主炉停止系制御棒16及び後備炉停止系制御棒17)の本数を増加することなく、所要の連続運転期間を確保することができる。
本発明の好適な一実施例である実施例1の高速炉の炉心の概略構成を模式的に示す説明図である。 図1に示す炉心の詳細構成を示す横断面である。 図2に示す炉心の縦断面における各領域の配置を示す構成図である。 図2に示す炉心である初装荷炉心に配置される各燃料集合体の燃料組成の割合を示し、(A)は内側炉心領域に配置された各燃料集合体の燃料組成の割合を示す説明図、(B)は外側炉心領域に配置された各燃料集合体の燃料組成の割合を示す説明図である。 図2に示す炉心における平衡炉心への移行期間における燃料交換を示す説明図である。 図1に示す炉心に装荷される取替え燃料集合体の燃料組成を示し、(A)は内側炉心領域に装荷される各取替え燃料集合体の燃料組成の割合を示す説明図、(B)は外側炉心領域に装荷される各取替え燃料集合体の燃料組成の割合を示す説明図である。 軽水炉から取り出された使用済燃料集合体に含まれた核燃料物質及びFBRの平衡サイクルで用いられる新燃料集合体に含まれた核燃料物質におけるTRU組成を示す説明図である。 FBR用の燃料集合体にMAを添加した場合における、中性子無限増倍率のMA混合割合及び燃焼度への依存性を示す特性図である。 図1に示すMAの添加率を有する炉心の移行炉心、及びFBRの多重リサイクルでの燃料組成を有する核燃料物質を有する炉心の各移行炉心での中性子実効増倍率の燃焼特性を示す説明図である。
符号の説明
1,1A…炉心、2,2A,2B,3,3A,3B,4,4A,4B,5,5A,5B…燃料集合体、6…内側炉心領域、7…内側炉心燃料集合体、8…外側炉心領域、9…外側炉心燃料集合体、10…半径方向ブランケット領域、11…ブランケット燃料集合体、16…主炉停止系制御棒、17…後備炉停止系制御棒、21A、21B,22A,22B,23A,23B…取替え燃料集合体、44…上部ブランケット領域、45…下部ブランケット領域。

Claims (1)

  1. 軽水炉の使用済核燃料物質を再処理して得られた、プルトニウムを含む核燃料物質が充填された複数の燃料集合体が装荷されて複数の制御棒が挿入され、前記複数の燃料集合体は炉内に滞在する期間が異なる複数の群に分けられ、そして、第2の前記滞在期間よりも短い第1の前記滞在期間の前記群に属する第1の前記燃料集合体の前記核燃料物質へのマイナーアクチニドの添加率が、前記第2の滞在期間の前記群に属する第2の前記燃料集合体の前記核燃料物質へのその添加率よりも小さくなっており、前記第2の滞在期間よりも長い第3の前記滞在期間の前記群に属する第3の前記燃料集合体の前記核燃料物質へのマイナーアクチニドの添加率が、前記第2の燃料集合体のその添加率よりも大きくなっている高速炉の初装荷炉心を備えた高速炉の燃料取り扱い方法であって、
    前記高速炉の第1サイクルでの運転が終了した後、前記炉心からこの炉心に配置されている複数の前記第1の燃料集合体を取り出して、前記第1、第2及び第3それぞれの燃料集合体よりも前記マイナーアクチニドの添加率が大きい複数の第4の燃料集合体を前記炉心に装荷し、前記第1サイクルの次のサイクルである第2サイクルでの前記高速炉の運転が終了した後、前記炉心から複数の前記第2の燃料集合体を取り出して、前記第1、第2及び第3のそれぞれの燃料集合体よりも前記マイナーアクチニドの添加率が大きい複数の第5の燃料集合体を前記炉心に装荷し、前記第2サイクルの次のサイクルである第3サイクルでの前記高速炉の運転が終了した後、前記炉心から複数の前記第の燃料集合体を取り出して、前記マイナーアクチニドが含まれていない複数の第6の燃料集合体を前記炉心に装荷することを特徴とする高速炉の燃料取り扱い方法。
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