JP2022181930A - 軽水炉用燃料集合体および軽水炉炉心 - Google Patents

軽水炉用燃料集合体および軽水炉炉心 Download PDF

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Reiji Wada
礼 木村
Rei Kimura
宏司 平岩
Koji Hiraiwa
研一 吉岡
Kenichi Yoshioka
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Abstract

【課題】アメリシウム241の低減および核セキュリティ性・核拡散抵抗性の向上を図る。【解決手段】実施形態によれば軽水炉用燃料集合体は、長手方向に延びて第1の核燃料物質を内蔵し互いに並列に配された複数の軽水炉用燃料棒110と、長手方向に延びて第1の核燃料物質より核分裂性物質の濃度が低い第2の核燃料物質と可燃性毒物とを内蔵し軽水炉用燃料棒110とともに格子状に配列された複数の可燃性毒物入り燃料棒とを備える。軽水炉用燃料棒は、天然ウランまたは劣化ウランおよびこれに添加されたアメリシウム241を含むマイナアクチニドを有し長手方向に積層されて、下部および上部ブランケット領域102、103をそれぞれ形成する下部および上部ブランケットペレット110b、110cの少なくとも一方と、長手方向に積層されて炉心領域101を形成する炉心領域燃料ペレット110aを具備する。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、軽水炉用燃料集合体および軽水炉炉心に関する。
発明者を含めたグループは、環境負荷の低減を図るべく、環境負荷低減型軽水炉燃料サイクルの概念を提案している。この概念では、5%超ウラン燃料すなわち5wt%を超える濃縮度のウラン燃料を用いることによって、長期間にわたり放射性毒性を有するTRU(TRans-Uranium)元素の使用済みウラン燃料中の生成量を抑制するとともに、再処理される混合酸化物燃料(MOX燃料)用のプルトニウム(Pu)の組成について核分裂性Puの割合を高めるものである。
この環境負荷低減型軽水炉燃料サイクル概念による5%超ウラン燃料の使用済み燃料から取り出されたPuを使用したMOX燃料によれば、使用済み燃料中の長期にわたる有害度や発熱量の要因となる高次のマイナアクチニド(MA:Minor Actinide)を低減することができる。
特開2005-30817号公報
Satoshi Wada, Rei Kimura, Kenichi Yoshioka, Shungo Sakurai, Kouji Hiraiwa, and Tsukasa Sugita, "Conceptual Desingn of Fuel Cycle Based on Light-Water Reactor with surlus Enriched Urniumu for TRU-ProductionInhibition", Proc.PBNC2018,p303-307,PBNC2018,Sanfransisco,CA,September 30 October 5(2018) C.G。Batheke,et al.,"The Attractiveness of Materials in Advanced Nuclear Fuel Cycles for Various Proliferation and Theft Scenarios",Nucl.Technol.,179,pp5-30(2012).
図13に、通常のウラン燃料を使用する燃料サイクルにおける使用済み燃料の発熱量に占める核種ごとの割合を示すグラフである。また、図14は、5%超ウラン燃料を用いた環境負荷低減型軽水炉燃料サイクルにおける使用済み燃料の発熱量に占める核種ごとの割合を示すグラフである。横軸は、西暦年を示し、縦軸は、発熱量(W)の積算量を示す。
図13、14に示すように、いずれの場合においても、高レベル放射性廃棄物中の長期間の冷却を必要とするアメリシウム241(Am241)の積算量はほぼ直線的に増加しており、利用されずに蓄積されてしまうという課題があった。
また、この環境負荷低減型軽水炉燃料サイクル概念によるウラン燃料から取り出されたPu組成のうち、Pu239が通常の軽水炉燃料に比べて高くなり、その分、核セキュリティ性・核拡散抵抗性が低下することが課題であった。
近年、核セキュリティ性・核拡散抵抗性を評価する指標として、核物質の転用誘引度(Attractiveness)を、米国のロスアラモス国立研究所の提案による転用誘引度指数FOM(Figure of Merit)を用いて定量化することが行われている。ここで、転用誘引度指数FOMは、大きいほど転用誘引度が高い、すなわち、核セキュリティ性・核拡散抵抗性が低いことを意味する。
上述した環境負荷低減型軽水炉燃料サイクル概念における5%超ウラン燃料ばかりではなく、たとえば平均3.8%濃縮度程度のウラン燃料を用いた通常の軽水炉燃料の場合も含めて、軽水炉燃料において、核セキュリティ性・核拡散抵抗性を向上させつつ、使用済み燃料から抽出されるPuの崩壊熱を高めない手法が望まれる。
本発明の実施形態は、核燃料サイクルで蓄積されるアメリシウム241を低減し、かつ、軽水炉燃料の使用済み燃料における核セキュリティ性・核拡散抵抗性を向上させることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態に係る軽水炉用燃料集合体は、長手方向に延びて第1の核燃料物質を内蔵し、互いに並列に配された複数の軽水炉用燃料棒と、長手方向に延びて、前記第1の核燃料物質より核分裂性物質の濃度が低い第2の核燃料物質と可燃性毒物とを内蔵し、前記軽水炉用燃料棒とともに格子状に配列された複数の可燃性毒物入り燃料棒と、を備えた軽水炉用燃料集合体であって、前記複数の軽水炉用燃料棒のそれぞれは、天然ウランまたは劣化ウランおよびこれに添加されたアメリシウム241を含むマイナアクチニドを有して前記長手方向に積層されて、下部ブランケット領域を形成する下部ブランケットペレットおよび上部ブランケット領域を形成する上部ブランケットペレットの少なくとも一方と、前記長手方向に積層されて炉心領域を形成する炉心領域燃料ペレットと、を具備することを特徴とする。
第1の実施形態に係る軽水炉炉心の構成を示す平面図である。 第1の実施形態に係る軽水炉用燃料集合体の構成を示す平断面図である。 第1の実施形態に係る軽水炉用燃料集合体の軽水炉用燃料棒の構成を示す部分立断面図である。 第1の実施形態に係る軽水炉用燃料集合体100の場合および初期にAm241の添加のない場合についての、Am241量の比較を示すグラフである。 軽水炉用燃料集合体のAm241の増加分のAm241の添加量への依存性を示すグラフである。 第1の実施形態に係る軽水炉用燃料集合体の運転サイクル末期におけるPu全体の生成量およびPu238生成量を示すグラフである。 第1の実施形態に係る軽水炉用燃料集合体の運転サイクル末期におけるPu238の割合を示すグラフである。 軽水炉用燃料集合体の運転サイクル末期におけるPu238の割合のAm241の添加量への依存性を示すグラフである。 軽水炉用燃料集合体の初期の無限増倍率のAm241の添加量への依存性を示すグラフである。 軽水炉用燃料集合体の無限増倍率のAm241の添加量ごとの燃焼度に対する変化を示すグラフである。 第2の実施形態に係る軽水炉用燃料集合体の構成を示す平断面図である。 第2の実施形態に係る軽水炉用燃料棒の構成を示す部分立断面図である。 通常のウラン燃料を使用する燃料サイクルにおける使用済み燃料の発熱量に占める核種ごとの割合を示すグラフである。 5%超ウラン燃料を用いた環境負荷低減型軽水炉燃料サイクルにおける使用済み燃料の発熱量に占める核種ごとの割合を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る軽水炉用燃料集合体および軽水炉炉心について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る軽水炉炉心1の構成を示す平面図である。軽水炉炉心1は、複数の軽水炉用燃料集合体100および複数の制御棒5を有する。以下は、沸騰水型軽水炉(BWR)の場合を例にとって説明する。
軽水炉用燃料集合体100は、互いに並列に格子状に配列されており、全体としてほぼ円形の軽水炉炉心1の形状を形成している。また軽水炉用燃料集合体100は、一部、軽水炉炉心1の径方向の周辺部に配されているものを除いては、各4本ずつで1組の正方状の格子を形成し、それぞれの正方状の格子の中央には、制御棒5が挿抜可能に配されている。なお、後述するように、軽水炉用燃料集合体100の本数は、炉心の出力等の基本仕様に基づいて設定される。たとえば、改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の場合を例にとると、燃料集合体本数は872体である。
図2は、第1の実施形態に係る軽水炉用燃料集合体100の構成を示す平断面図である。軽水炉用燃料集合体100は、複数の軽水炉用燃料棒110、複数の可燃性毒物入り燃料棒120、2本のウォータロッド130、およびチャンネルボックス140を有する。
白抜きで示す複数の軽水炉用燃料棒110と斜線で示す複数の可燃性毒物入り燃料棒120とは、互いに並列に格子状に配列されている。また、配列の中央には、運転時に内部に冷却材が流れる2本のウォータロッド130が配されている。格子状の配列は、断面がほぼ正方形の四角柱の形状を形成しており、径方向外側に設けられたチャンネルボックス140内に収納されている。
なお、図2には軽水炉用燃料集合体100の代表的な例として、9×9配列で円筒状のウォータロッドを有する場合を示したが、これに限定されない。これより少ない配列数でもこれより多い配列数でもよい。また、たとえば断面が四角形のウォータロッドでもよい。また、可燃性毒物入り燃料棒120の数および配置も、図2に示したものに限定されない。
図3は、第1の実施形態に係る軽水炉用燃料棒110の構成を示す部分立断面図である。軽水炉用燃料棒110は、燃料棒ペレット111およびこれを収納する被覆管112を有する。被覆管112の下端は下部端栓113により、また上端は上部端栓114により閉止され、内部が密閉されている。被覆管112の材質は、BWRの場合は、たとえばジルカロイ-2である。なお、PWRの場合は、たとえばジルカロイ-4である。ここで、被覆管112の材質は、これに限定されず、たとえばシリコンカーバイド(SiC)製でもよい。
燃料棒ペレット111は、長手方向に積層された複数の炉心燃料ペレット111a、炉心燃料ペレット111aの下方に隣接して長手方向に積層された複数の下部ブランケットペレット111b、および炉心燃料ペレット111aの上方に隣接して長手方向に積層された複数の上部ブランケットペレット111cを有する。なお、下部ブランケットペレット111bおよび上部ブランケットペレット111cのうちのいずれかのみを有する場合であってもよい。
複数の炉心燃料ペレット111a、複数の下部ブランケットペレット111b、および複数の上部ブランケットペレット111cは、それぞれ、軽水炉炉心1および軽水炉用燃料集合体100における炉心領域101、下部ブランケット領域102、および上部ブランケット領域103に対応する高さ位置に配列されている。言い換えれば、軽水炉炉心1および軽水炉用燃料集合体100における炉心領域、下部ブランケット領域102、および上部ブランケット領域103は、それぞれ、軽水炉用燃料集合体100の各軽水炉用燃料棒110において配されている複数の炉心燃料ペレット111a、複数の下部ブランケットペレット111b、および複数の上部ブランケットペレット111cと、後述する可燃性毒物入り燃料棒120においてこれらに対応する各要素の領域によって形成されている。
複数の炉心燃料ペレット111aは、それぞれが、たとえば二酸化ウランの粉末を焼結した円柱状であり、上下に積層されている。ウランの濃縮度すなわちウラン中のウラン235の割合は、たとえば、燃料集合体平均で、たとえば従来の3.8%程度でもよいし、さらに高くたとえば10%程度であってもよい。また、炉心燃料ペレット111aは、二酸化ウランに限定されず、炭化ウランあるいは窒化ウランでもよい。
複数の下部ブランケットペレット111bおよび複数の上部ブランケットペレット111cは、それぞれが、天然ウラン(以下、U)あるいは劣化ウランと、これに添加されアメリシウム241(Am241)を含むマイナアクチニドとの混合粉末を焼結した円柱状である。
ここで、マイナアクチニドは、Am241以外のAmの同位体をさらに含んでもよい。また、キュリウム(Cm)などマイナアクチニドにおける他の核種をさらに含むものであってもよい。すなわち、AmとCmの分離を必ずしも必要としない。
Am241の濃度、すなわち、マイナアクチニドとUの合計重量中のAm241の重量割合(wt%)については、後に、図5、図8、および図10を引用しながら説明するが、1wt%あるいは2wt%程度以上が好ましい。後述するようにAm241の重量割合(wt%)に上限はないが、5%程度を超えると、Am241の重量割合(wt%)の増加に対する効果の増加の程度が、5wt%程度以下の場合に比べて鈍化する。したがって、Am241の添加量の効果に対する効率の上からは、Am241の重量割合(wt%)は、1wt%ないし5wt%、あるいは2wt%ないし5wt%の範囲がさらに好ましい。
1wt%未満では、下部ブランケット領域102および上部ブランケット領域103に生成されるPu238による後述するFOMの値の低減効果が十分ではない。また、5wt%を超えると、Amによる中性子吸収効果が顕著となり炉心反応度を低下させ好ましくない。
燃料棒ペレット111の領域の高さLTを、均等に、複数領域、たとえば24ノードに分割した場合、下部ブランケット領域102および上部ブランケット領域103は、1または2ノード分の高さである。すなわち、下部ブランケット領域102の高さLLBおよび上部ブランケット領域103の高さLUBは、24ノードの場合はLTの1/24~2/24である。なお、下部ブランケット領域102または上部ブランケット領域103のいずれかが存在しない場合であってもよい。燃料棒ペレット111の領域のうち、下部ブランケット領域102および上部ブランケット領域103を除く領域が炉心領域101である。
可燃性毒物入り燃料棒120は、軽水炉用燃料棒110の下部ブランケット領域102および上部ブランケット領域103に対応する高さ領域に、軽水炉用燃料棒110と同様に、下部ブランケット領域102および上部ブランケット領域103が形成され、それぞれが、天然ウラン、および天然ウランに添加されてAm241を含むマイナアクチニドを有するブランケットペレットを有する。また、軽水炉用燃料棒110の炉心領域101に対応する高さ領域に、可燃性毒物領域を有する。
可燃性毒物領域は、ウランおよびこれに添加された可燃性毒物を有する。ウランは、軽水炉用燃料棒110の炉心領域101のウラン濃縮度よりも低い濃縮度である。また、可燃性毒物として、たとえばガドリニアすなわち酸化ガドリニウムを含む。可燃性毒物の可燃性毒物領域における濃度は、たとえば4.0wt%程度である。
以上のように、軽水炉用燃料棒110および可燃性毒物入り燃料棒120の同じ高さ領域に、下部ブランケット領域102および上部ブランケット領域103が形成されている。
ここで、燃料棒ペレット111についての上述のノードは、軽水炉用燃料集合体100についてのノードに対応するものとする。したがって、炉心領域101、下部ブランケット領域102、および上部ブランケット領域103のノードは、軽水炉用燃料集合体100および軽水炉炉心1の炉心領域、下部ブランケット領域、および上部ブランケット領域のノードに対応する。
燃料棒ペレット111の上方には、上部プレナム115が形成され核分裂生成物のガスの貯留空間を形成している。また、上部プレナム115内には、燃料棒ペレット111を下方に抑えるバネ116が設けられている。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態に係る軽水炉用燃料集合体の効果を示す際に用いた条件は、以下のとおりである。
炉心領域は、ウラン(U)濃縮度が10%としている。
ブランケット領域は、天然ウランに所定の濃度のAm241が添加されているとしている。
炉心領域およびブランケット領域の高さについては、24ノードに分割し、下部ブランケット領域は最下部の第1ノードであるNODE01、上部ブランケット領域は最上部の第24ノードであるNODE24、炉心領域は、これ以外のNODE02~NODE23としている。
図4は、第1の実施形態に係る軽水炉用燃料集合体100の場合および初期にAm241の添加のない場合についての、Am241量の比較を示すグラフである。ここで、軽水炉用燃料集合体100の場合の初期のAm241の添加量を1wt%としている。
図4の縦軸は、燃料集合体の1体あたりのAm241量であり、Am241量は、燃料集合体内の重金属重量に対する割合(wt%)で表示している。
図4において、本実施形態に係る軽水炉用燃料集合体100の場合を斜線で表示しており、ブランケット領域にAmを添加しない通常型ウラン燃料集合体の場合を、薄く塗って表示している。
横軸は、左から順に、初期のAm241添加量、Am241取り出し量すなわち炉内で燃焼後の燃料集合体中のAm241の量、および、燃料集合体の燃焼によるAm241の増加量すなわち燃料集合体のAm241の燃焼後の量から燃焼前の量を差し引いた値である。
なお、初期のAm241添加量は、上下の1ノード、すなわちNODE01およびNODE24に1wt%ずつであることから、2wt%/24ノードで0.083wt%となっている。
Amを添加することによって取出し量も一見多くなるが、増加量は、図4に示すように、本実施形態では、初期にAm241を添加しない場合に対して約1/6に低減しており、ブランケット領域にAm241を添加することによるAm241の低減効果が顕著に表れている。
図5は、軽水炉用燃料集合体100のAm241の増加分のAm241の添加量への依存性を示すグラフである。横軸は、ブランケット領域における天然ウランへのAm241の添加割合(wt%)を示す。なお、100%とは、天然ウランに代えて全量がAm241であることを意味する。縦軸は、燃料集合体の燃焼によるAm241の増加分すなわち燃料集合体のAm241の燃焼後の量から燃焼前の量を差し引いた値である。また、添加量が0wt%の場合は、比較として表示している。
図4で示したケースであるAm添加割合が1wt%の場合は、図5に示すように、添加しない場合と比べて、Am241割合の増加分は急激に減少している。また、Am添加割合が2wt%の場合は、Am241割合の増加分は負に転じており、燃焼後のAm241は、燃焼前に添加した量より減少している。したがって、Am添加割合は、1wt%あるいは2wt%程度以上が好ましい。
Am添加割合が約5wt%以上では、Am添加割合の増加に応じて、Am241割合の減少分は直線的に増加する。すなわち、5%程度を超えると、Am241の初期の添加割合(wt%)の増加に対しての、燃焼後のAm241の減少の程度が、5wt%程度以下の場合に比べて鈍化する。したがって、Am241の添加量の効果に対する効率の上からは、Am241の重量割合(wt%)は、1wt%ないし5wt%、あるいは2wt%ないし5wt%の範囲がさらに好ましい。
図6は、第1の実施形態に係る軽水炉用燃料集合体の運転サイクル末期におけるPu全体の生成量およびPu238生成量を示すグラフである。
図6の縦軸は、各ノードにおけるPu238量および全Pu量であり、それぞれ、燃料集合体内の重金属総重量に対する割合(wt%)を示す。
図6において、Pu238量を斜線で表示しており、全Pu量を、薄く塗って表示している。本実施形態は、軽水炉用燃料棒110の炉心燃料ペレット111aとして濃縮ウランを用いた軽水炉用燃料集合体100であり、炉心に装荷時、すなわち燃焼前においては、すべてのノードでPu量はゼロである。
図6に示すように、全ノードにおいてPuは生成されるが、炉心領域101に対応するNODE02~NODE23では、Pu238の生成量は小さい。一方、下部ブランケット領域102に対応するNODE01および上部ブランケット領域103に対応するNODE24においては、Pu238が炉心領域101に比べて多く生成されている。
図7は、第1の実施形態に係る軽水炉用燃料集合体の運転サイクル末期におけるPu238の割合を示すグラフである。全体が100wt%になるように規格化している。図7に示すように、全体の約85wt%が、Am241が添加された下部ブランケット領域102に対応するNODE01および上部ブランケット領域103に対応するNODE24において生成されている。
ここで、Pu238は、U235の中性子捕獲によりNp237を経由して生じたNp238のβ崩壊によりPu238が生成されるパスがある。
また、Am241の中性子捕獲およびガンマ崩壊により生じたAm242のβ崩壊によりCm242が生成され、Cm242のα崩壊によりPu238が生成されるパスがある。
下部ブランケット領域102および上部ブランケット領域103においては、後者のパスによる生成が主体である。
図8は、軽水炉用燃料集合体100の運転サイクル末期におけるPu238の割合のAm241の添加量への依存性を示すグラフである。横軸は、ブランケット領域における天然ウランへのAm241の添加割合(wt%)を示す。縦軸は、全Pu中のPu238の割合(wt%)を示す。前述のように、この全Pu中のPu238の割合(wt%)は、ブラケット領域に生成されたPu238が主体である。
図8に示すように、Am添加割合が1wt%あるいは2wt%の場合は、添加しない場合と比べて、全Pu中のPu238の割合(wt%)は急激に増加している。また、Am添加割合が約5wt%以上では、Am添加割合の増加に応じて、ブラケット領域に生成されたPu238を主体とする全Pu中のPu238の割合(wt%)は直線的に増加する。すなわち、5%程度を超えると、Am241の初期の添加割合(wt%)の増加に対しての、燃焼後のPu238の割合(wt%)の増加の程度が、5wt%程度以下の場合に比べて鈍化する。したがって、Am241の添加割合に対してのPu238生成の効率の上からは、Am241の重量割合(wt%)は、1wt%ないし5wt%、あるいは2wt%ないし5wt%の範囲がさらに好ましい。
このような、Pu238の生成による転用誘引度指数FOMへの効果を以下に説明する。
転用誘引度指数FOMは、以下の式(1)により与えられる。
Figure 2022181930000002

(1)
ここで、Mは裸球の臨界質量(kg)、hは単位体積当たりの発熱量(W/kg)、Sは自発核分裂による中性子発生率(n/s/kg)、Dは0.2Mの質量から1mの位置での被ばく線量の評価値である。
式(1)に示されるように、転用誘引度指数FOMは、臨界質量、崩壊熱、自発核分裂中性子発生数、被ばく線量によって構成される。ここで臨界質量は主にPu239とPu241の組成比が、崩壊熱はPu238の組成比が、自発核分裂はPu241の組成比が、また、被ばく線量はPu238の組成比が支配的なパラメータとなる。
FOMが2以上の場合は核物質の転用誘引度(Attractiveness)が高い、FOMが1以上かつ2未満の場合は核物質の転用誘引度が中程度、FOMが0以上かつ1未満の場合は核物質の転用誘引度が低い、FOMが0未満の場合は核物質の転用誘引度が極めて低い、とそれぞれ判定される。
図6に示されるように、Amが添加された上下天然ウランブランケット領域で燃焼終了時にPu238の割合が高くなることによって、再処理後のプルトニウムの核拡散抵抗性が向上する。
Am241は、熱中性子エネルギー領域での中性子吸収断面積が大きいことから、炉心中心から離れたブランケット領域であっても、軽水炉炉心1の性能への影響が懸念されることから、この影響を確認する。
図9は、軽水炉用燃料集合体100の初期の無限増倍率のAm241の添加量への依存性を示すグラフである。横軸は、Am241の添加割合(wt%)の各ケースであり、ケースの名称の数値はwt%を意味する。縦軸は、軽水炉用燃料集合体100の無限増倍率である。
図9に示すように、Am241の添加割合(wt%)の増加に対して無限増倍率が、極端に減少するようなことはない。
図10は、軽水炉用燃料集合体100の無限増倍率のAm241の添加量ごとの燃焼度に対する変化を示すグラフである。横軸は、軽水炉炉心1内での軽水炉用燃料集合体100の燃焼度(Mwd/t)である。縦軸は、軽水炉用燃料集合体100の無限増倍率である。
図10に示すように、Am241の添加割合(wt%)の増加の無限増倍率への影響はほとんどないことが示されている。すなわち、Am241の添加割合(wt%)に上限を設ける必要はない。
以上のように、本実施形態による軽水炉用燃料集合体100では、上部ブランケット領域102、下部ブランケット領域103の少なくともいずれかにAm241を添加することによって、核燃料サイクルで蓄積されるAm241を低減し、かつ、軽水炉燃料の使用済み燃料における核セキュリティ性・核拡散抵抗性を向上させることができる。
[第2の実施形態]
図11は、第2の実施形態に係る軽水炉用燃料集合体200の構成を示す平断面図である。
本実施形態は、第1の実施形態の変形であり、軽水炉用燃料集合体200は、第1の実施形態における軽水炉用燃料棒としての軽水炉用燃料棒110に代えて、軽水炉用燃料棒としての軽水炉用燃料棒210を有する。
図12は、第2の実施形態に係る軽水炉用燃料棒210の構成を示す部分立断面図である。
軽水炉用燃料棒210は、第1の実施形態における軽水炉用燃料棒110と、炉心領域101における組成が異なる。すなわち、第1の実施形態における燃料棒ペレット111に代えて、燃料棒ペレット211を有する。燃料棒ペレット211は、ウランとプルトニウムの混合酸化物からなる炉心燃料ペレット211aと、第1の実施形態と同様の下部ブランケットペレット111bおよび上部ブランケットペレット111cを有する。なお、第1の実施形態と同様に、下部ブランケットペレット111bおよび上部ブランケットペレット111cのうちのいずれかのみを有する場合であってもよい。
これらの点以外においては、第1の実施形態と同様である。
このように、炉心領域101について、濃縮ウランに代えてMOXを用いた場合であっても、下部ブランケット領域102および上部ブランケット領域103において、天然ウランにAm241が含有されていることにより、第1の実施形態と同様に、核燃料サイクルで蓄積されるAm241を低減し、かつ、軽水炉燃料の使用済み燃料における核セキュリティ性・核拡散抵抗性を向上させる効果を得ることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、実施形態では、BWRの場合を例にとって示したが、これに限定されず、軽水炉はPWRの場合であってもよい。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…軽水炉炉心、5…制御棒、100…軽水炉用燃料集合体、101…炉心領域、102…下部ブランケット領域、103…上部ブランケット領域、110…軽水炉用燃料棒、111…燃料棒ペレット、111a…炉心燃料ペレット、111b…下部ブランケットペレット、111c…上部ブランケットペレット、112…被覆管、113…下部端栓、114…上部端栓、115…上部プレナム、116…バネ、120…可燃性毒物入り燃料棒、130…ウォータロッド、140…チャンネルボックス、200…軽水炉用燃料集合体、210…軽水炉用燃料棒、211…燃料棒ペレット、211a…炉心燃料ペレット

Claims (7)

  1. 第1の核燃料物質を内蔵する複数の軽水炉用燃料棒と、
    前記第1の核燃料物質より核分裂性物質の濃度が低い第2の核燃料物質と可燃性毒物とを内蔵する複数の可燃性毒物入り燃料棒と、
    を備えた軽水炉用燃料集合体であって、
    前記複数の軽水炉用燃料棒および前記複数の可燃性毒物入り燃料棒は、当該軽水炉用燃料集合体の長手方向に延びて互いに並列に格子状に配されて、
    前記複数の軽水炉用燃料棒のそれぞれは、
    天然ウランまたは劣化ウランおよびこれに添加されたアメリシウム241を含むマイナアクチニドを有して前記長手方向に積層されて、下部ブランケット領域を形成する下部ブランケットペレットおよび上部ブランケット領域を形成する上部ブランケットペレットの少なくとも一方と、
    前記長手方向に積層されて炉心領域を形成する炉心領域燃料ペレットと、
    を具備することを特徴とする軽水炉用燃料集合体。
  2. 前記複数の可燃性毒物入り燃料棒のそれぞれは、前記軽水炉用燃料棒に対応する前記下部ブランケット領域および前記上部ブランケット領域の少なくとも一方において、天然ウランまたは劣化ウランおよびこれに添加されたアメリシウム241を含むマイナアクチニドを有することを特徴とする請求項1に記載の軽水炉用燃料集合体。
  3. 前記下部ブランケット領域、前記上部ブランケット領域、および前記炉心領域の全体の前記長手方向の長さを複数ノードに分割した場合に、
    前記下部ブランケット領域は、最下部の1または2ノードに配され、
    前記上部ブランケット領域は、最上部の1または2ノードに配されている、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軽水炉用燃料集合体。
  4. 前記アメリシウム241は、母材である天然ウランまたは劣化ウランに対し、1wt%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軽水炉用燃料集合体。
  5. 前記アメリシウム241は、母材である天然ウランまたは劣化ウランに対し、5wt%以下であることを特徴とする請求項4に記載の軽水炉用燃料集合体。
  6. 前記マイナアクチニドは、アメリシウム241以外のアメリシウムの同位体、およびキュリウムを含むマイナアクチニドの他の核種の少なくともいずれかも含むことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の軽水炉用燃料集合体。
  7. 互いに並列に格子状に配列された請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の軽水炉用燃料集合体と、
    前記複数の軽水炉用燃料集合体の配列内にそれぞれ配された複数の制御棒と、
    を備えることを特徴とする軽水炉炉心。
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