JPH07305101A - 金属粉末射出成形用バインダおよびそれを用いる脱脂方法 - Google Patents
金属粉末射出成形用バインダおよびそれを用いる脱脂方法Info
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- JPH07305101A JPH07305101A JP2555595A JP2555595A JPH07305101A JP H07305101 A JPH07305101 A JP H07305101A JP 2555595 A JP2555595 A JP 2555595A JP 2555595 A JP2555595 A JP 2555595A JP H07305101 A JPH07305101 A JP H07305101A
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Abstract
がら、脱脂工程に要する時間の大幅な短縮を図る。 【構成】 (a)アミド系水溶性物質および/またはア
ミン系水溶性物質40〜79重量%、および(b)アミ
ド基間に挟まれる炭素数が平均10個以上であるポリア
ミド樹脂原料から実質的になるポリアミド樹脂成分25
〜60重量%を含む金属粉末射出成形用バインダを用
い、射出成形されてなる金属射出成形体から、まず水を
主体とする溶媒により前記アミド系水溶性物質および/
またはアミン系水溶性物質を溶出させ、次に加熱により
前記ポリアミド樹脂成分を除去する構成とする。
Description
インダおよびそれを用いる脱脂方法に関し、より詳しく
は金属粉末材料の射出成形に際して加圧成形性を付与す
るために用いられるバインダの改良、更にはそのバイン
ダを用いて射出成形されてなる金属粉末材料の成形体か
らバインダを除去する脱脂方法に関するものである。
製品は、金属粉末材料に加圧成形性を付与するためにバ
インダを混合して成形体を成形する射出成形、次にその
成形体からバインダを除去する脱脂、更には脱脂された
成形体、言わゆる脱脂体の焼結を順次に行うことによっ
て製作される。この金属粉末射出成形法は、例えばプレ
ス成形による金属粉末成形法に較べてより複雑な形状で
も一度に成形でき、また後加工が少なくて済むという利
点を有している。これら利点は、特に小型の金属部品を
製作するのに際しては適しているとともに、コスト面に
おいても有利である。
末射出成形法は、通常の粉末冶金法に較べて静水圧的な
加圧成形性を付与するために用いられるバインダの量が
多いことから、特に脱脂および焼結の工程において成形
体の形崩れ、ふくれ、ひびわれの現象が生じやすい傾向
にある。しかも、これら形崩れ、ふくれ、ひびわれの防
止を図るためには脱脂工程におけるバインダの除去を緩
慢に進行させる必要があり、処理体の形状,肉厚にもよ
るが、通常脱脂工程に2〜3日が要される。このような
形崩れ、ふくれ、ひびわれ、更には脱脂工程に長時間を
要する等は、金属粉末射出成形法における解決されるべ
き課題である。
目したバインダとして、米国特許第5002988号明
細書にも開示されているような三種類のいわゆるアミド
化合物のバインダ成分より構成されるバインダが用いら
れ、これら三種類のアミド化合物のバインダ成分を加熱
により順次に除々に気化させ成形体からバインダを除去
する脱脂方法が採られている。しかしながら、このバイ
ンダを用いても脱脂工程に2日以上を要さないと形崩
れ、ふくれ、ひびわれが生じるという問題点がある。
三種類のアミド化合物の一つであるポリアミド樹脂成分
は非常に粘着性が大きく、エラストマー的な軟性体であ
ることから、成形体の金型からの離型性を充分に確保さ
せるためにそのポリアミド樹脂成分を顕著に硬くする滑
剤としてのエチレンビスラウリン酸アミドを20〜30
重量%まで添加することが不可避な必要条件となってい
る。この結果として、バインダの強度成分であるポリア
ミド樹脂成分が脆いワックス状物質に変質し、金型内で
の冷却時の大きな凝固収縮の原因となって、成形体に内
部残留応力による脱脂時の内部クラックの発生、パーテ
ィングライン部からのクラック、成形体の形状によって
はピン穴角部のシャープエッジ部の欠けまたはクラック
の発生等の製品によっては致命的な欠陥となるような問
題点が多い。
エチレンビスラウリン酸アミドは、融点(155〜16
0℃)の直上の比較的低温の170℃以上の温度域から
酸化による変色を始めるために、熱安定性を考慮して金
属粉末材料との混練時の温度,射出成形温度,その他の
射出成形条件(例えば射出圧、保圧、射出速度、ゲート
サイズ等)および金属粉末材料とバインダの量との混合
割合等のバインダ特性を劣化させないような配慮が必要
であり、かつ分解物成分は顕著な吸水性を持つようにな
ることから最終的にはバインダの加水分解を除々に引き
起こして成形を不能にさせる問題点がある。
ばカーボニル鉄粉末材料のように5μm以下の非常に細
かくて活性な金属粉末材料と、バインダとの混練物で
は、特に20〜30重量%まで添加されたエチレンビス
ラウリン酸アミドはカーボニル鉄粉末材料の触媒的な機
能も手伝って熱的分解が加速されるようであり、例え
ば、 カーボニル鉄粉末材料と、エチレンビスラウリン酸ア
ミドを多量に含むバインダとの混練時には、過度の剪断
応力が掛からないようなカーボニル鉄粉末材料とバイン
ダとの配合量,混練温度の管理等の配慮が必要となり、
条件によっては成形不可能なものとなる危険がある。 N2 ガス雰囲気で脱脂後に1200℃で真空焼結した
場合に、脱脂最終温度による焼結体にバインダから残留
する炭素濃度が大きく変動し、焼結体の固体内、固体
間、ロット間の炭素量のバラツキを大きくしており、顕
著な場合には焼結時に溶落するような危険なことに繋が
る原因になっており、極力エチレンビスラウリン酸アミ
ドの添加量を低減するか、またはエチレンビスラウリン
酸アミド以外の熱的、化学的により安定な物質に代替す
る必要がある。
種類のアミド化合物の1つであるポリアミド樹脂成分の
主要原料としての二量体酸に用いているC36二酸は、化
学構造が環状構造を主体としているために、空気中の水
分に出会うと、まず水分をそのC36二酸の分子間に取込
み易くし、更に加水分解を除々に引き起こして最終的に
は成形を不能にさせるという問題点がある。
の混練物の使用に際して、更には射出成形時に不可避的
に発生する製品部分以外のスプルー、ランナー部等の再
利用を図るに際しては、厳重に大気からの水分吸収の管
理,射出成形後のリターン混練物の特性管理等、資源の
再利用に際して大きな障害となるという問題点がある。
に劣化させるエチレンビスラウリン酸アミドを20〜3
0重量%の範囲で添加するために、成形体の強度の関係
においてポリアミド樹脂成分の添加量も多くなり、脱脂
時間の短縮と成形体の脱脂時の形崩れ防止とに効果的に
寄与する第3のアミド化合物であるN,N’−ジアセチ
ルピペラジンの添加量が少なく制限され、結果的に脱脂
時間の短縮を図ることが困難になるという問題点があ
る。
の添加量を大幅に低減させ、かつポリアミド樹脂成分の
吸水率の低減、更には加水分解性の低減を図ることによ
り、本質的なプラスチック的な強靱性を充分に発揮させ
ながら、例えばN,N’−ジアセチルピペラジンを多量
に添加できるような「バインダの選択」がなされること
が金属粉末射出成形の成否を左右する重要な要素とな
る。
公開特許公報にも開示されているように金属粉末射出成
形法と同様な技術を用いてアルミナセラミックスを製作
することが知られているが、このアルミナセラミックス
と比較しても、通常、金属粉末材料の真比重は鉄系合金
で7〜8であり、アルミナセラミックスの約2倍もあ
る。したがって、金属粉末材料の射出成形による成形体
の真比重も約2倍となり、射出成形時あるいは射出成形
後のハンドリング時に成形体を破損しやすい、あるいは
脱脂工程において成形体の型崩れを起こしやすいという
問題点がある。このように、「バインダの選択」は、金
属粉末射出成形の成否を左右する重要な要素である。
において用いられているバインダとしては、特公昭61
−48563号特許公報にも開示されているように融点
の異なるバインダ成分より構成されるバインダが用いら
れ、これら異なる融点のバインダ成分を加熱により順次
に除々に液体の状態で成形体内から流れ出させ吸収材に
吸収させて成形体からバインダを除去する脱脂方法が採
られている。しかしながら、このバインダは成形体から
除去されるに際して液状となるために、特に比重の大き
い金属粉末材料を用いる場合には、脱脂工程中において
自重に耐え切れずに成形体は形崩れが生じるという問題
点がある。
善に着眼したバインダとしては、米国特許第41971
18号明細書にも開示されているように液状オイル分の
バインダ成分等をメチレンクロライドのような有機溶媒
を用いて常温で成形体内から溶出させて成形体からバイ
ンダを除去する脱脂方法が採られている。しかしなが
ら、バインダが液状オイル分のバインダ成分から構成さ
れるために、射出成形における成形体の保形強度が非常
に低く、射出成形後の成形体の金型からの取出し時の破
損が多いという問題点がある。また、メチレンクロライ
ドのような有機溶媒の多くは、作業者の安全環境上の理
由からも好ましくはなく、より安全な溶媒抽出脱脂方法
が望まれている。
み、熱による急激な分解気化、膨張を考慮する必要がな
く脱脂時間を短縮化できる金属粉末射出成形用バインダ
およびそれを用いる脱脂方法を提供することにある。
体の保形性を確実にしながら、脱脂工程に要する時間の
大幅な短縮化が図れる金属粉末射出成形用バインダおよ
びそれを用いる脱脂法を提供することにある。
定な金属粉末射出成形用バインダおよび安全な水を溶媒
とした水溶媒抽出による脱脂方法を提供することにあ
る。
脱脂時の製品欠陥を改善するための強度および靱性に優
れた金属粉末射出成形用バインダおよびそれを用いる脱
脂方法を提供することにある。
出成形用バインダは、前述された目的を達成するため
に、(a)アミド系水溶性物質および/またはアミン系
水溶性物質40〜70重量%、および(b)アミド基間
に挟まれる炭素数が平均8個以上であるポリアミド樹脂
原料(i)に対して、アミド基間に挟まれる炭素数が平
均8個以上である相溶剤としての芳香族系ビスアミド
(ii)を略等重量%まで混合させてなるポリアミド樹
脂成分25〜60重量%を含むことを特徴とするもので
ある。
が混合されて用いられていることにより、ポリアミド樹
脂成分の融点が調整(低下)され、水膨潤性が低下され
るとともに更に離型性が向上されるため、従来のように
滑剤を多量に添加する必要がなく滑剤添加により強度が
劣化することが防止される。この相溶剤としては、融点
が相対的に低く、耐熱分解性の高い芳香族系ビスアミド
が用いられる。
挟まれる炭素数が平均10個以上である場合には、この
ポリアミド樹脂原料自体が離型性,低水膨潤性,耐熱性
を発現し、相溶剤を用いる必要がないことから、本発明
による金属粉末射出成形用バインダは、前述された目的
を達成するために、(a)アミド系水溶性物質および/
またはアミン系水溶性物質40〜70重量%、および
(b)アミド基間に挟まれる炭素数が平均10個以上で
あるポリアミド樹脂原料から実質的になるポリアミド樹
脂成分25〜60重量%を含むことをも特徴とするもの
である。
インダは離型性の向上のために、更に、滑剤を0〜15
重量%含んでも良い。
物質であり、化学構造中にベンゼン環を有しないものと
有するものに分けられる。このベンゼン環を有しないも
のとしては、例えばアセトアミド,プロピニックアミ
ド,アロキサン(一水和物),エチルウレタン,エチレ
ン尿素,グリコールアミド,ヘプタン酸アミド,メチル
アセトアミド,メチルアセチル尿素,
げられる。また、ベンゼン環を有するものとしては、例
えばニトロベンズアミド(o),ニトロベンズヒドラジ
ド(o),フェニルセミカルバジド(1)(C6 H5 N
HCO2 C6 H5 ),フェニルカルバミン酸エステル
(C7 H7 C6 H4 O2 CNH2 ),トルイルアミド
(o),トルイルアミド(p),アセトアミノフェノー
ル,アセトナフタリド,アミノベンズアミド(o)が挙
げられる。これらベンゼン環を有しないものと有するも
のを含め一種または二種以上を混合してアミド系水溶性
物質として用いられ得る。
物質であり、例えばヘキサヒドロピペラジンの約1モル
と酢酸の約2モルとを常法により脱水共重合して得られ
る第2アミン系であるN,N’−ジアセチルピペラジン
が挙げられる。また、第1アミン系のものとしてアミノ
ジメチルアニリン(p),アミノピリジン(3)
(β),アミノキノレン(2)(α)(NH2 C9 H8
N),アミノキノレン(3)(β),ジアミノヒドラゾ
ベンゼン(p)((H2 NC6 H4 NH)2 ),ヘキサ
メチレンジアミン,ヒスタミン,メンチルアミン
(1),ナフチルアミン(β),ニトロ−p−アミノフ
ェノール(3),ニトロアニリン(o),ニトロフェニ
ルヒドラジン(p),ニトロソアニリン(p),フェニ
ルアニリン(p),フェニルエチルアミン(β),フェ
ニレンジアミン(m),トルイレンジアミン,トルイレ
ンジアミン(1;2,4),トルイレンジアミン(1;
2,5),トリアミノベンゼン(1,2,3),トリア
ミノベンゼン(1,2,4),トリエチレンテトラミン
が、また第2アミン系のものとしてアセチル−p−フェ
ニレンジアミン,アミノピリジン(2)(α),ジホル
ミルヒドラジン((NHCHO) 2 ),ジピリジル
(4,4’),ジピリジル(3,3’),ホルミルフェ
ニルヒドラジン(β)(C6 H5 NHNHCHO),グ
ルコースフェニルヒドラゾン(C6 H5 NHN=C6 H
12O5 ),ヒドロキシエチルエチレンジアミン(HOC
H2 CH2 NHCH2 CH2 NH2 ),ヒドロキシピリ
ジン,メチルアミノ−p−ヒドロキシ安息香酸(3),
メチルベンズイミダゾール(2),
ヒドラジン(p),フェニルグリシン(N),トリアゾ
ールが挙げられる。これらは第1アミン系および第2ア
ミン系を含め一種または二種以上を混合してアミン系水
溶性物質として用いられ得る。また、アミド系水溶性物
質とアミン系水溶性物質とを組み合わせて用いても良
い。
基,アミノ基を有するために、バインダを構成するポリ
アミド樹脂成分と相溶性がある。これら水溶性物質は、
いずれも融点が190℃以下かつ沸点が175℃以上の
ものが好ましい。なお、融点が190℃を越えるとバイ
ンダの流動性を阻害し、ひいては射出成形性を阻害する
傾向がある。また、沸点が175℃より低くなると、金
属粉末材料とバインダとの混練時または射出成形時に、
バインダ中より選択的に揮発し、射出成形の安定性並び
にリターン材の再利用において支障をきたしやすくなる
傾向がある。これら水溶性物質は、100ccの水に1g
以上溶解すれば良いが、10g以上溶解すれば高い抽出
効率が得られる。
としては直鎖状の化学構造を主体とするものおよび環状
の化学構造を主体とするものが考えられるが、環状の化
学構造を主体にするものは、前述の環状の化学構造を主
体とするC36二酸と同様に水分の吸収による問題がある
のであまり好ましくない。したがって、本発明に用いら
れるC44二酸としては、直鎖状の化学構造を主体とする
のが好ましい。このようなC44二酸は、代表的には不飽
和脂肪酸を二分子重合して得られる重合脂肪酸であっ
て、例えば、式:
C44二酸は、市場において容易に入手可能である。具体
的には、例えばユニケマ社(オランダ国Unichem
a International)製プリポール100
4(PRIPOL 1004)が挙げられる。このプリ
ポール1004はナタネ油を原料としており、直鎖状の
C44二酸が約90モル%を占めていると考えられる。ま
た、C44二酸の原料としてブドウ,カラシの種子油を用
いることも可能である。なお、C36二酸であっても直鎖
状の化学構造を有するものであれば、基本的にはC44と
ほぼ同様に扱うことが出来ると考えられる。具体的に
は、例えばユニケマ社製プリポール1013(PRIP
OL 1013)は直鎖構造成分が約23モル%、プリ
ポール1008(PRIPOL 1008)は直鎖構造
成分が約37%を占めていると考えられており、前述の
C44二酸と混合して用いることも可能である。
素数6〜10個の脂肪族ジカルボン酸は、例えばアジピ
ン酸(C6 二酸),アゼライン酸(C7 二酸),フタル
酸(C8 二酸、六員環構造を含む),セバスチン酸(C
10二酸)が挙げられ、同様に市場において容易に入手可
能である。なお、これら脂肪酸族ジカルボン酸のうちか
ら一種または二種以上を混合して用いても良い。
キシリレンジアミンとに加えて、7:3〜3:7のモル
当量範囲で前述のC44二酸等とエチレンジアミンおよび
/またはヘキサメチレンジアミンとを用いて混合、脱水
共重縮合させ、ほぼ不定形で弾性に富み、吸水性が低
く、好ましくは平均分子量が20,000以上のポリア
ミド樹脂原料を得ることができる。このキシリレンジア
ミンは、化学構造にベンゼン環を有しており、ポリアミ
ド樹脂原料の吸水性、熱分解性を改善すると考えられ
る。また、C44,C36の二酸はアミド基間の平均炭素数
を顕著に高める役割を果し、特にポリアミド樹脂原料の
融点を降下させ吸水性においてナイロン6,6よりも優
れたものにする大きな役割を果していると考えられる。
なお、前記ポリアミド樹脂成分の重量的配合比は、アミ
ド基間の平均炭素数が8個以上になるように選ばれる。
なお、ポリアミド樹脂原料の平均分子量は、50000
あるいは100000以上であっても本発明に著しい影
響はない。
形用バインダにおいて、ポリアミド樹脂成分を、例えば
C36二酸,C44二酸、またはそれらC36二酸およびC
44二酸の混合物を、炭素数6〜10個の脂肪族ジカル
ボン酸と、キシリレンジアミンと、エチレンジアミ
ンおよび/またはヘキサメチレンジアミンとを共重縮合
して得られるアミド基間に挟まれる炭素数が平均8個以
上であるポリアミド樹脂原料(i)に対して、アミド基
間に挟まれる炭素数が平均8個以上である相溶剤として
の芳香族系ビスアミド(ii)を略等重量%まで混合さ
せてなるものとすることができる。
ポリアミド基間に挟まれる炭素数が平均10個以上であ
る場合には相溶剤を用いなくても良い。したがって、前
記ポリアミド樹脂成分は、例えばC36二酸,C44二
酸、またはそれらC36二酸およびC44二酸の混合物と、
炭素数6〜10個の脂肪族ジカルボン酸と、キシリ
レンジアミンと、エチレンジアミンおよび/またはヘ
キサメチレンジアミンとを共重縮合して得られるアミド
基間に挟まれる炭素数が平均10個以上であるポリアミ
ド樹脂原料から実質的になるものとすることができる。
は、20,000以上であることが好ましい。
吸水率および加水分解性を考慮し、かつバインダとして
の離型性を充分に考慮した場合に、前記ポリアミド樹脂
成分中のC36およびC44二酸(ダイマー酸)は金型との
離型性を悪くすると考えられる。本発明においては、こ
の点も考慮した有効な滑剤の添加を図っているが、滑剤
の添加は最少限に止めることが好ましいことから、ナイ
ロン6等に比べて相対的に吸水性が優れたナイロン11
またはナイロン12をベースとして、芳香族系ビスアミ
ドとの相溶化を図り、バインダとして有用な融点調整、
更に顕著な吸水性低減および耐アルコール性の改善を図
ることができ、水および/または水アルコール溶媒によ
る溶媒抽出による脱脂が可能となる。
形用バインダにおいて、ポリアミド樹脂成分を、例えば
ナイロン11,ナイロン12を主体とするアミド基間に
挟まれる炭素数が平均8個以上であるポリアミド樹脂原
料に対して、アミド基間に挟まれる炭素数が平均8個以
上である相溶剤としての芳香族系ビスアミドを略等重量
%まで混合させてなるものとすることができる。
アミド基間に挟まれる炭素数が平均10個以上である場
合には相溶剤は相溶剤を用いなくても良い。したがっ
て、前記ポリアミド樹脂成分は、例えばナイロン11,
ナイロン12を主体とするアミド基間に挟まれる炭素数
が平均10個以上であるポリアミド樹脂原料から実質的
になるものとすることができる。
は、13,000以上であることが好ましい。
はガラス転移温度は、略190℃以下に調整されている
ことが好ましい。
ばω−アミノウンデカン酸、ω−アミノラウリン酸を脱
水縮合して得られるものとすることができる。また、こ
のナイロン11,ナイロン12を主体するアミド基間に
挟まれる炭素数が平均8個以上であるポリアミド樹脂原
料は、ナイロン11,ナイロン12に他のナイロン成
分、例えばナイロン2,36,ナイロン2,44,ナイ
ロン6,ナイロン6,8,ナイロン6,10ナイロン
6,36,ナイロン6,44及びエーテル等が共重合さ
れたものであっても良い。
に広く市販されているものを支障無く用いることができ
る。例えば、ナイロン12としてはダイセル社製ダイア
ミドA1709P,L1724Kが挙げられ、ナイロン
12−エーテル共重合体としてはダイセル社製ダイアミ
ドE40S3が挙げられる。
分に耐水性向上と加水分解性の低減と、融点調整、滑剤
の添加による強度低下の防止とを目的として用いられる
相溶剤としては、化学構造的にベンゼン環(六員環)構
造をもつ低融点で、かつ熱的に安定性に非常に優れた芳
香族系ビスアミドであるm−キシレンビスステアリン酸
アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド,
N,N’−ジステアリルテレフタル酸アミドがある。こ
うして、これらのうちの一種または二種以上を混合して
用いることとして、ベースとなるポリアミド樹脂原料に
も前記相溶剤との相溶性を高め、かつポリアミド樹脂原
料そのものの吸水性改善を図り、ポリアミド樹脂原料の
化学構造のアミド基間の平均炭素数が前記相溶剤のアミ
ド基間の平均炭素数の8個以上になるように設定した。
このようにポリアミド樹脂原料の化学構造上の改善を図
ることによって、本来のポリアミド樹脂原料のプラスチ
ック的強靱性が増加され、かつ離型性の向上も同時に図
られて、エチレンビスラウリン酸アミドの添加を無くす
るかもしくは添加量を顕著に低減することができ、バイ
ンダの脆いワックス化の防止が図れた。なお、前述の相
溶化剤の添加方法は前述のような混合法もしくはポリア
ミド樹脂原料の共重縮合時に同時に共重縮合する方法も
考えられる。また、前記ベンゼン環(六員環)構造をも
つキシリレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジス
テアリルイソフタル酸成分の相溶化によって、前述のC
36,C44二酸に対する環状構造性による吸水性の問題点
は実質上解消され得る。また、エチレンビスラウリン酸
アミド等のワックス性を増長する滑剤の添加による強度
劣化が顕著に低減できることおよび熱安定性が顕著に改
善されることから、アミド系、アミン系水溶性物質の添
加量を多量に添加することが可能となる。なお、キシレ
リンンビスステアリン酸アミドは市販されており、例え
ば日本化成社製のPXSの市販品が本発明には支障なく
使用することができる。
に用いられる滑剤としては、金属粉末射出成形に通常使
用される全ての滑剤が有効であり、例えば脂肪酸並びに
エステル,アミド,金属塩等の脂肪酸の誘導体が挙げら
れる。これら脂肪酸およびその誘導体のうち、他成分と
の分離性または部分的な相溶性に起因するバインダ強度
の観点から、アミド基をその構造に有し、直鎖状構造を
主体とする脂肪酸アミド,N−置換脂肪酸アミドが好ま
しい。また、置換尿素も滑剤として好ましく用いられ
る。
アミド,ステアリン酸アミド,オレイン酸アミド,エル
カ酸アミド,リシノール酸アミド,12−ヒドロキシス
テアリン酸アミド,特殊脂肪酸アミドが挙げられる。
と不飽和のものの両方が用いられ得る。この飽和のもの
としては、N,N’−エチレンビスラウリン酸アミド,
N,N’−メチレンビスステアリン酸アミド,N,N’
−エチレンビスステアリン酸アミド,N,N’−エチレ
ンビスオレイン酸アミド,N,N’−エチレンビスベヘ
ン酸アミド,N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキ
システアリン酸アミド,N,N’−ブチレンビスステア
リン酸アミド,N,N’−ヘキサメチレンビスステアリ
ン酸アミド,N,N’−ヘキサメチレンビスオレイン酸
アミド,N,N’−キシリレンビスステアリン酸アミド
が挙げらる。また、不飽和のものとしては、例えばN−
オレイルステアリン酸アミド,N−オレイルオレイン酸
アミド,N−ステアリルステアリン酸アミド,N−ステ
アリルオレイン酸アミド,N−オレイルバルミチン酸ア
ミド,N−ステアリルエルカ酸アミド,N,N’−ジオ
レイルアジピン酸アミド,N,N’−ジステアリルアジ
ピン酸アミド,N,N’−ジオレイルセバシン酸アミ
ド,N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド,N,
N’−ジステアリルテレフタル酸アミド,N,N’−ジ
ステアリルイソフタル酸アミドが挙げられる。
アミド,N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド
は、エチレンジアミンと飽和脂肪族モノカルボン酸であ
るラウリン酸,ステアリン酸とにより脱水縮合して得ら
れるものであるが、前記各種飽和または不飽和の脂肪酸
アミド、N−置換脂肪酸アミドの多くは市販されてお
り、これら市販品が本発明において支障なく用いること
ができる。例えばN,N’−エチレンビスステアリン酸
アミドとしては、日本化成社製スリパックスEが挙げら
れる。
ル−N’ステアリル尿素,N−フェニル−N’ステアリ
ル尿素,N−ステアリル−N’−ステアリル尿素,キシ
リレンビスステアリル尿素,トルイレンビスステアリル
尿素,ヘキサメチレンビスステアリル尿素,ジフェニル
メタンビスステアリル尿素,ジフェニルメタンビスラウ
リル尿素が挙げられる。
水溶性物質が熱分解による脱脂工程の初期においてゆる
やかに気化し抜け道を形成するために、他のバインダ成
分が抜け出し易くなり、脱脂に際しての成形体の保形性
が保たれてふくれ等の問題のない健全な脱脂が確実に行
われるとともに、脱脂工程に要する時間の大幅な短縮化
が図れる。(しかし、前記気化成分も気化するまでには
液状化するために、脱脂時の変形を完全に防止するため
には脱脂のための加熱速度には一般的には限界がある。
またこの限界を顕著に広げるためには、気化成分量をよ
り大幅に添加できることが要件となってくる。)
水で抽出する場合は、このアミド系,アミン系水溶性物
質の量が40〜70重量%と多いので水溶媒による脱脂
が脱脂工程のかなりの部分を請け負うことになり、時間
のかかる加熱脱脂の割合が少なくなり、脱脂時間の短縮
化を図ることができる。また、加熱による脱脂分が少な
いので、バインダの熱による急激な分解気化、膨張はほ
ぼ考慮する必要がない。このアミド系,アミン系水溶性
物質の使用量は全バインダに対して40〜70重量%で
ある。なお、40重量%未満であると保形性において健
全な熱分解脱脂または水溶媒抽出による脱脂を行うため
に多大の脱脂時間を要するようになる。また、70重量
%を越えると特に強度劣化の点からの成形体の取出しが
困難になる。なお、好ましいくは45〜60重量%であ
る。
44二酸を原料の一つとして用いるために、原料としてC
36二酸を用いる場合と比較して、まず高分子化効果によ
り強靱なバインダを構成することが可能となり、前述の
ように脱脂時間を大きく左右するアミド系,アミン系水
溶性物質の重量割合を相対的に増加させることが可能と
なって、脱脂時間の短縮化が図れる。また、ポリアミド
樹脂成分にキシリレンビスステアリン酸アミド,N,
N’−ジステアリルテレフタル酸アミド、N,N’−ジ
ステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド
を相溶化させることによって、ポリアミド樹脂成分の部
分結晶化による離型性の向上と吸水性の改善とを図るこ
とにより、顕著な強度劣化を引き起こす滑剤の添加量を
大幅に低減することが可能となって、前述のC36二酸の
高分子化効果不足を実質的に改善することができ、前述
の同じ理由によって大幅な脱脂時間の短縮化が図れる。
造を主体とするC44二酸を用いることによってアミド結
合の密度の抑制、前述のアミド基間に挟まれる炭素数の
平均値(以下、平均炭素数と呼ぶ)の増加、更には高分
子化効果を図ることによるポリアミド樹脂成分に取込ま
れる水分量の低減、(2)前述の芳香族系ビスアミドを
相溶化させることによる吸水性の低減、(3)熱不安定
な滑剤の大幅な低減による熱分解成分の吸水性低減およ
び(4)エチレンビスラウリン酸アミドよりも離型性を
改善するエチレンビスステアリン酸アミド等のより炭素
数の多い、熱的により安定な滑剤の採用等の改善を組合
わせることによって、バインダの水分の取込量の低減を
図り、水分の取込による分子間の親和力の低下、更には
加水分解による著しい加圧成形性の劣化等の水分の取込
によるトラブルが回避される。したがって、水分に対す
るバインダの特別な管理を必要とせず、またバインダ、
バインダと金属粉末材料との混練物、更には射出成形時
に不可避的に発生する製品部分以外のスプルー、ランナ
ー部等の再利用性を確実なものとする。
は、比較的に重い金属粉末材料を射出成形体内で担うた
めに全バインダ量に対して25重量%以上で用いられ、
25重量%未満で用いると射出成形後の成形体の金型か
らの取出し時、更には成形体のハンドリング時の破損に
おいて支障が生じる。好ましくは、全バインダ量に対し
て重量比において60重量%以下で用いられると良い。
なお、このポリアミド樹脂成分中に相溶剤として含まれ
る前記芳香族系ビスアミドの含量は重量基準で最大で7
0重量%までは可能であるが、略等重量%で既に硬くな
り成形時に成形品が破損する危険性を生じるので、略等
重量%より少ないことが好ましい。
らの成形体の離形性に機能するものであることから、全
バインダ量に対して重量比でほぼ15重量%以上からは
バインダ性状が顕著にワックス的になるために、重量比
において0〜15重量%、好ましくは約10重量%を用
いることが良い。しかしながら、相溶化剤として芳香族
系ビスアミドを全バインダ量の15重量%以上に添加す
る場合には、滑剤を特別に必要としなくても金属粉末射
出成形用バインダとしての機能が発揮できる。
酸アミドを用いることも可能である。このエチレンビス
ラウリン酸アミドは、前述のように熱安定性等の問題が
あるが、使用量が全バインダ量の15重量%以下であれ
ば、カーボニル鉄粉末材料を用いた成形体のN2 ガス雰
囲気脱脂後の焼結体中の残留炭素濃度が実質上安定に保
たれ、焼結体の品質上のトラブルは回避される。この残
留炭素濃度は、用いられる滑剤の熱安定性が高いほど安
定しており、エチレンビスラウリン酸よりも炭素数の多
いビスアミド(例えばN−置換ビスアミド化合物)がよ
り信頼性が高い。
チレンビスラウリン酸アミド等の強度劣化に繋がる滑剤
の添加を最小限に止めるか、または添加しないように改
善され、強靱性の高いプラスチックタイプのものである
ことから、射出成形時における成形体に発生する残留応
力に起因すると考えられる脱脂時の内部クラックの発生
がなくなっており、またキリ穴部コーナのカケに関する
トラブル等も解決され、製品の品質検査工程が大幅に省
略できるようになった。
性物質、ポリアミド樹脂成分,相溶剤,滑剤は、加熱溶
融、混合してシート状、ペレット状、あるいは粉末状に
して用い得る。このようにして得られるバインダは、通
常、金属粉末材料と混合して成形材料として用いられ
る。また、別法として、前述のアミド系水溶性物質およ
び/またはアミン系水溶性物質,ポリアミド成分,相溶
化剤,滑剤を金属粉末材料と直接に混合等して成形材料
として用いても良い。
は、使用する金属粉末材料の種類、粒子のサイズ、粒子
の形状等により変化するが、通常、金属粉末材料100
重量部に対してバインダの使用量は5〜15重量部であ
る。
公知の射出成形法の全てを採用し得る。
成するために、(a)アミド系水溶性物質および/また
はアミン系水溶性物質40〜70重量%、および(b)
アミド基間に挟まれる炭素数が平均8個以上であるポリ
アミド樹脂原料に対して、アミド基間に挟まれる炭素数
が平均8個以上である相溶剤としての芳香族系ビスアミ
ドを程等重量%まで混合させてなるポリアミド樹脂成分
25〜60重量%を含む金属粉末射出成形用バインダを
用いて射出成形されてなる成形体から、まず水を主体と
する溶媒により前記アミド系水溶性物質および/または
アミン系水溶性物質を溶出させ、次に加熱により前記ポ
リアミド樹脂成分および前記滑剤を除去することを特徴
とするものである。
アミド基間に挟まれる炭素数が平均10個以上である場
合には相溶剤を用いる必要がないことから、本発明によ
る金属粉末射出成形用バインダを用いる脱脂方法は、前
述された目的を達成するために、(a)アミド系水溶性
物質および/またはアミン系水溶性物質40〜70重量
%、および(b)アミド基間に挟まれる炭素数が平均1
0個以上であるポリアミド樹脂原料から実質的になるポ
リアミド樹脂成分 25〜60重量%を含む金属粉
末射出成形用バインダを用いて射出成形されてなる成形
体から、まず水を主体とする溶媒により前記アミド系水
溶性物質および/またはアミン系水溶性物質を溶出さ
せ、次に加熱により前記ポリアミド樹脂成分を除去する
ことをも特徴とするものである。
またはアミン系水溶性物質,ポリアミド樹脂成分につい
ては前述の通りであり、この金属粉末射出成形用バイン
ダは前述のように滑剤を含んでいても良い。また、水を
主体とする溶媒(水溶媒)とは、水のみならず、前述の
ように水にアルコール等の有機溶媒が混合されたもので
あっても良い。このようにアルコール等が混合させるこ
とにより抽出効率が向上するものと考えられる。
用いるときには、熱による急激な分解気化,膨張を考慮
しなくても良いとともに、アミド系水溶性物質および/
またはアミン系水溶性物質として前述の物質の一種を用
いても二種以上を混合して用いてもほぼ同等の効果が得
られる。また、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセト
アミド等の液状物質を用いることも考えられるが、これ
らジメチルホルムアミド等はバインダとしての強度劣化
をきたすために適用の製品の形状に制約が生じる。この
水溶媒抽出による脱脂方法によれば、更なる脱脂時間の
短縮化が可能となるとともに、従来の熱分解脱脂法によ
れば困難とされる脱脂時に変形しやすい形状を有する部
品、加熱分解型脱脂の加熱時に発生すると考えられる内
部欠陥の発生しやすい金属粉末材料を使用する部品、タ
ングステン系等の比重の高い金属粉末材料を使用する部
品、更には大型の部品への適用を容易に可能にさせる。
射出成形用バインダを用いて金属粉末を射出成形して得
られる成形体に関するものである。また、本発明は前記
本発明の脱脂方法により脱脂して得られる脱脂体にも関
するものである。さらに、本発明は前記本発明の脱脂方
法により脱脂した後、焼結して得られる焼結体にも関す
るものである。
およびそれを用いる脱脂方法の実施例および比較例につ
いて詳細に説明する。
と、アゼライン(C7二酸)7モルと、エチレンジアミ
ン7モルと、キシリレンジアミン13モルとを用いて混
合し、脱水共重縮合して平均分子量が約50,000の
ポリアミド樹脂成分(1)を得た。このポリアミド樹脂
成分(1)は、前述の化学構造的なアミド基間の平均炭
素数としては約17.5個となるように調整している。
1008;直鎖成分37%)13モルと、アゼライン酸
7モルと、エチレンジアミン7モルと、キシリレンジア
ミン13モルとを用いて混合し、脱水共重縮合して平均
分子量が約40,000のポリアミド樹脂成分(2)を
得た。このポリアミド樹脂成分(2)の前述の平均炭素
数は約14.9個に調整している。
1008)およびC44二酸(プリポール1004)を重
量比で7:3の比率で混合した10モルの二酸を、アゼ
ライン酸10モルと、エチレンジアミン10モルと、キ
シリレンジアミン10モルとを混合し、脱水共重縮合し
て、平均分子量が約40,000のポリアミド樹脂成分
(3)を得た。また、このポリアミド樹脂成分(3)
は、前述の平均炭素数は12.9個に調整している。
とを用いて混合し、脱水共重縮合してN,N’−ジアセ
チルピペラジンを得た。また、N,N’−エチレンビス
ラウリン酸アミド(日本化成社製:スリパックスL、融
点156〜160℃)、N,N’−エチレンビスステア
リン酸アミド(日本化成社製:スリパックスE,融点1
42〜146℃)、N,N’−キシリレンビスステアリ
ン酸アミド(日本化成社製:スリパックスPXS、融点
約123℃)はそれぞれ市販品としてあるものを原料と
した。
成分(1)、(2)、(3)、N,N’−エチレンビス
ラウリン酸アミド,N,N’−エチレンビスステアリン
酸アミド、N,N’−キシリレンビスステアリン酸アミ
ド、N,N’−ジアセチルピペラジンを、次の表1,表
2に示されている重量比の混合割合において溶融混合
し、冷却後に粉砕して各バインダA〜L,S,Uを得
た。
数を調整したポリアミド樹脂原料として、前述の平均炭
素数が11個のナイロン12(ダイセル社製A1709
P、密度;1.01、融点;178℃、吸水率;0.9
%)と、平均炭素数が11個のナイロン12と、平均炭
素数が5個のナイロン6,ナイロン6,6とを共重合
し、平均炭素数を7.7個に調整してあるナイロン12
/6/6,6の共重合体(ダイセル社製T171、密
度;1.08、融点;150℃、吸水率;2.0%)、
更に平均炭素数が11個以上を有するナイロン12/エ
ーテルエラストマー共重合体(ダイセル社製E40S
3、密度;1.01、融点;125℃、吸水率;0.3
%)等の市販品を原料とした。
脂成分A1709P、T171、E40S3、N,N’
キシリレリンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジア
セチルピペラジン、N,N’−エチレンビスステアリン
酸アミド、N,N’−エチレンビスラウリン酸アミド
を、次の表1,表2に示されている重量比の混合割合に
おいて溶融混合し、冷却後の粉砕して各バインダa〜g
を得た。
リアミド樹脂成分(1)、(3)、ナイロン12(ダイ
セルA1709P)およびN,N’−エチレンビスラウ
リン酸アミドと、更にはN,N’−ジアセチルピペラジ
ンに替えてアセトアミド,アセトアミノフェノールまた
はトルイレンジアミンとを用いて、次の表3,4に示さ
れている重量比の混合割合において同様に溶融混合し、
冷却後に粉砕して各バインダM,N,V,W,X,Y,
m,v,x,yを得た。
ル1013;直鎖状成分23モル%)7モルと、アゼラ
イン酸13モルと、エチレンジアミン13モルと、キシ
リレンジアミン7モルとを用いて混合し、脱水共重縮合
して得た平均分子量が約40,000のポリアミド樹脂
成分(5)を用いて表3,表4に示されているバインダ
T1,T2を得た。なお、このポリアミド樹脂成分
(5)の前述の平均炭素数は約9.6個に調整してい
る。
脂成分(1),ナイロン12(ダイセル社製1709
P),N,N’−キシリレンビスステアリン酸アミド,
N,N’−エチレンビスラウリン酸アミドおよびN,
N’−ジアセチルピペラジンの組合せであっても、次の
表5,表6,表7に示されているように混合割合が相違
する各バインダO〜Rおよびo〜rを得た。
ているような従来公知の各バインダSS,TT,XX,
YYとYYを本発明の趣旨に即し、吸水性の改善効果を
図ったバインダZZ,yyを得た。
(ユニケマ社製プリポール1013;直鎖成分約25
%)とアゼライン酸とエチレンジアミンとキシリレンジ
アミンとを等モル量を用いて混合し、脱水共重縮合して
平均分子量が約40,000のポリアミド樹脂成分
(4)を得て、表8に示した重量比の混合割合において
溶融混合して得た。このポリアミド樹脂成分の前述した
アミド基間の平均炭素数は約12.2個である。
(ユニケマ社製プリポール1018)とC44二酸(プリ
ポール1004)とを重量比で7:3の比率で混合した
10モルの二酸を、アゼライン酸10モルと、エチレン
ジアミン10モルと、キシリレンジアミン10モルとを
混合し、脱水共重縮合して得た平均分子量が約40,0
00のポリアミド樹脂成分(3)を用いている。このポ
リアミド樹脂成分(3)は前述の平均炭素数が12.9
個、化学構造上の直鎖状成分のモル比率をほぼ50モル
%以上に高めている。
(I)(II) (I)まず、ガスアトマイズ製法でもって作られた球状
ステンレス微粉末材料(SUS316L,平均粒径;1
0ミクロン)に対して各バインダA〜L,O〜R,SS
〜YYおよびa〜g,o〜rを用いて140℃で加熱混
練し、冷却して粉砕した。次に、圧力660kg/cm
2 という条件において、図1に示されているようなコマ
形の成形体を射出成形により得た。続いて、この成形体
を風速1〜1.5m/secの大気雰囲気の熱循環炉に
おいて24時間を要して20℃から320℃に昇温する
ことにより、脱脂し、残バインダ量が脱脂前の8%以下
になっていることを確認した後に、1350℃において
1時間真空焼結した。
ス微粉末材料に対するバインダの使用量(粉末材料10
0重量部に対するバインダ重量部)、射出成形温度、成
形体の良否、形状、密度および炭素含有量は、次の表9
に示されている通りであった。
れなかったために測定されなかったことを示し、また比
較例のバインダSS〜YYは本来脱脂時にはアルミナの
支持粉体中に埋めて形崩れを防がなくてはならないが本
発明によるバインダA〜Lとの差異を明瞭にするために
支持粉体を使用せず、全て同じ条件で実験を行った。
ASF社製CS鉄微粉、平均粒径;5ミクロン)に対し
て各バインダC,D,F,I,U,YY,c,e,gを
用いて140℃で加熱混練し、冷却して粉砕した。次
に、圧力660kg/cm2 という条件において、図2
に示されるような形状の成形体を射出成形によって得
た。続いて、この成形体を風速1.0m/secのN2
ガス雰囲気の熱循環炉において室温から最終温度350
〜450℃まで50〜65時間をかけて脱脂した後、1
200℃において1時間真空焼結した。なお、脱脂処理
時間を長時間にしたのは、YY水準の成形体の変形をで
きるだけ防ぎ、内部欠陥状況を把握するためである。
鉄微粉末材料に対するバインダの使用量(前記と同
じ)、射出成形温度、最終脱脂温度、成形体の内部欠陥
の良否、形状、密度、炭素含有量は、表10に示されて
いる通りである。
線検査によって脱脂体内部のクラックの発生確率%を示
したもので、バインダF,YY,cを用いた脱脂体の内
部クラックの様子を図3に示した。ただし、これら成形
体をN2 ガス雰囲気中で110℃×4Hのアニーリング
処理を施せば、内部クラックの発生率を大幅に低減する
ことができることから、内部クラックの発生原因が脆弱
で、凝固収縮の大きなワックス状バインダを用いたこと
による射出成形時の残留応力によるものと推測された。
(しかし、内部クラックの完全な防止を図る保証は困難
である。)
法 まず、ガスアトマイズ製法でもって作られた同様の球状
ステンレス微粉末材料(SUS316L,平均粒径;1
0ミクロン)に対して各バインダA,F,G,H,J,
L,S,M,N,V,W,X,Y,YY,yy,ZZ,
T1 ,T2 およびa〜c,e〜g,m,v,w,yを用
いて140℃で加熱混練し、冷却して粉砕した。次に、
同様に、圧力が660kg/cm2 という条件において
図1に示されているようなコマ形の成分体を射出成形に
より得た。続いて、この成形体を25℃の水中に1、
2、4時間の各時間浸漬した後に、100℃にて1H乾
燥処理を施した。そして、乾燥後の成形体の重量を測定
することによって残バインダ量を算出した代表結果を図
4に示した。
4時間の水溶媒抽出により脱脂された成形体を用いて風
速1〜1.5m/secの大気雰囲気の熱風循環炉にお
いて6時間を要して20℃から320℃に昇温すること
によって更に脱脂し、残バインダ量が脱脂前の8%以下
になっているのを確認した後に、1350℃において1
時間真空焼結した。なお、100℃の乾燥処理後におい
て更に加熱により連続して脱脂することには何等問題は
なかった。
1、2、更には4時間による焼結体の球状ステンレス微
粉末材料に対するバインダの使用量(粉末100重量部
に対するバインダ重量部)、射出成形温度、成形体の良
否、形状、密度および炭素含有量は、次の表11に示さ
れている通りである。なお、成形体の良否は100個中
において全てがクラックを生じることなく良好であっ
た。
ラウリン酸アミドを多く含むことから、硬くて脆いワッ
クス性状を示すために、結晶形状によっては成形後の金
型内での折損およびカケ、脱脂時の内部欠陥等に問題点
があった。また、焼結体の炭素含有量の制御の面でも充
分な管理の必要が認められた。さらに、成形体の強度靱
性の点からはバインダG,I,Jが特に秀でているが、
脱脂時の成形体の保形性、焼結密度等はA〜L間におい
てほとんど差がなく、良好な結果が得られた。なお、滑
剤を含まない各バインダJ,K,Lにおいては、成形時
の金型からの成形体の離型性によるトラブルはなかっ
た。
クス状に変質しており、ほぼバインダFと同様の問題点
があった。また、バインダdはキシリレンビスステアリ
ン酸が充分に相溶しないため成形時に液相成分の分離が
認められ、成形性の顕著な劣化により充分な成形体が得
られなかったために、以後の脱脂、焼結テストが実施で
きなかった。なお、バインダdを除けば、他のバインダ
による脱脂時の保形性、焼結密度の差はなかった。そし
て、成形体の離型性についてもバインダdを除けば問題
がなかった。
くれ部分の発生と脱脂時に変形とが認められた。また、
バインダPは脱脂時に変形したとともに、バインダQは
離型性が悪く金型から成形体を取り出しにくかったし、
バインダRも金型からの成形体の取出し時にエッジ部分
がカケ易くなっていた。
もほぼバインダO,P,Q,Rと同じ傾向を示した。た
だし、バインダqはバインダQに較べて離型性が改善さ
れているが、この原因はバインダQがC44二酸を原料に
したポリアミド樹脂成分を用いているのに対してバイン
ダqが結晶性の高いナイロン12を使用していることに
より、粘着性が改善されているためである。
末材料として用いた場合において、各バインダC,D,
F,I,U,YY,c,e,gを用いてN2 ガス雰囲気
中で脱脂した結果、バインダF,YYは内部クラック,
カケの発生率が高く、かつ最終脱脂温度の違いによって
焼結体の炭素含有量が顕著に変化した。しかし、バイン
ダUは内部クラックの発生と、焼結体炭素量に関するト
ラブルもなく、滑剤としての機能もバインダFよりも優
れていた。
のアミド基間の平均炭素数がそれぞれ12.2個と9.
6個とにポリアミド樹脂成分が調整してあるために水溶
媒で抽出している間に膨張しており、その後の熱分解に
よる脱脂の際にC36二酸の分子中に取込まれた水分が急
激にガス化するためにふくれ、ひびわれが発生した。特
に、この欠陥はT1 が顕著に発生した。しかし、例えば
バインダYYの場合には、C36二酸とC44二酸との混合
体を原料にし、前述のように二酸の直鎖状成分を50%
以上にして、かつ結果としてアミド基間の平均炭素数が
12.9個に調整したポリアミド樹脂成分を使用したバ
インダZZは前述のようなふくれ、ひびわれの発生がほ
ぼ防止できた。また、バインダyyでは顕著なふくれ、
ひびわれの発生が認められず、滑剤として添加したエチ
レンビスステアリン酸アミドの影響で改善できていた。
ここで、バインダYYとバインダyyとの比較から、前
述の平均炭素数が12.2個でも水溶媒抽出脱脂が可能
であり、かつ平均炭素数が9.6個のバインダT1 が水
溶媒抽出脱脂が不可能であることから、水溶媒抽出脱脂
用としては平均炭素数が10個以上のポリアミド樹脂成
分の使用が好ましいと考えられる。
N,V,W,X,Yは、特に4時間の水溶媒による抽出
処理を実施したものについても、その後の熱分解脱脂後
に変形も認められず、またふくれ、ひびわれ、内部クラ
ック等の欠陥も発生していないことが確認された。
m,v,w,yのうちのバインダcとバインダeとはバ
インダYYと同様にふくれ、ひびわれが発生しており、
この原因は前述のようにポリアミド樹脂成分の吸水率が
大きいことと熱的に不安定なエチレンビスラウリン酸ア
ミドを多量に含有するために、吸水した水分が急激にガ
ス化するためとである。こののようにバインダにキシリ
レンビスステアリン酸アミドが共存した場合には、ポリ
アミド樹脂成分の吸水性が顕著に改善され水溶媒抽出に
よる脱脂方法が容易に適用できることがわかる。また、
キシリレンビスステアリン酸アミドが添加されない場合
には、ポリアミド樹脂成分が充分な耐水性を兼備する必
要があるが、前述の結果からはアミド基間の平均炭素数
は最低でも10個以上が必要と考えられる。この点から
すれば、C44,C36二酸を原料とし、キシリレンジアミ
ン,ヘキサメチレンジアミンを積極的に用いた本発明に
よるポリアミド樹脂成分であるナイロン12にエーテル
を共重合させたポリアミド樹脂成分等は好ましい。
体の製造法において、同じ粉末材料に対してバインダA
〜L,YY,ZZ,T1 ,T2 およびバインダa〜c,
e〜gを用いて140℃で加熱混練し、冷却して粉砕
し、大気からの水分の吸収による影響を確認するために
その粉砕物をステンレスの容器に入れ、このステンレス
の容器に蓋をすることなく温度が約25℃、湿度が80
%以上の室内に2日間放置した。次に、この2日間に亘
って放置した粉砕物を、同じ条件で図1に示されている
コマ形の成形体を射出成形した。
f,gを用いたものは、何等の支障も無く成形ができた
が、バインダYY,T1 ,eを用いたものは、水分の吸
収による極端な強度劣化のために、成形体を金型より取
り出す際に、既に成形体の図1におけるa部ならびにパ
ーティングライン部にクラックが発生しており、数個に
分裂した状態でしか金型より取出せず、健全な成形体を
得ることができなかった。
として第2アミン系であるN,N’−ジアセチルピペラ
ジン、第1アミン系であるトルイレンジアミン、アミド
系水溶性物質としてベンゼン環を有さないアセトアミ
ド、ベンゼン環を有するアセトアミノフェノール、C44
二酸としてユニケマ社製プリポール1004、C36二酸
としてユニケマ社製プリポール1008,1013、脂
肪族ジカルボン酸としてアゼライン酸、ジアミンとして
はエチレンジアミンおよびキシリレンジアミン、相溶剤
としての芳香族径ビスアミドとしてN,N’−キシリレ
ンビスステアリン酸アミド(日本化成社製スリパックス
PXS),滑剤としてN,N’−エチレンビスラウリン
酸アミド(日本化成社製スリパックスL)とN,N’−
エチレンビスステアリン酸アミド(日本化成社製スルパ
ックスE)とを用いたがそれぞれ前述した他の物質を用
いても同様の結果が得られる。
変更可能なことは明らかである。このような変更は本発
明の精神および範囲に反することなく、また当事者にと
って明瞭な全てのそのような変形、変更は、請求の範囲
に含まれるものである。
成形品を示す側面図である。
側面図である。
側面図である。
形体の抽出時間に対する残留バインダ量の関係を示すグ
ラフである。
Claims (35)
- 【請求項1】 (a)アミド系水溶性物質および/また
はアミン系水溶性物質40〜70重量%、および(b)
アミド基間に挟まれる炭素数が平均8個以上であるポリ
アミド樹脂原料(i)に対して、アミド基間に挟まれる
炭素数が平均8個以上である相溶剤としての芳香族系ビ
スアミド(ii)を略等重量%まで混合させてなるポリ
アミド樹脂成分25〜60重量%を含むことを特徴とす
る金属粉末射出成形用バインダ。 - 【請求項2】 前記ポリアミド樹脂原料が、 C36二酸,C44二酸、またはそれらC36二酸およびC
44二酸の混合物と、炭素数6〜10個の脂肪族ジカル
ボン酸と、キシリレンジアミンと、エチレンジアミ
ンおよび/またはヘキサメチレンジアミンとを共重縮合
して得られるものであることを特徴とする請求項1に記
載の金属粉末射出成形用バインダ。 - 【請求項3】 前記ポリアミド樹脂原料の平均分子量
が、20,000以上であることを特徴とする請求項2
に記載の金属粉末射出成形用バインダ。 - 【請求項4】 前記ポリアミド樹脂成分が、 ナイロン11,ナイロン12を主体とするアミド基間に
挟まれる炭素数が平均8個以上であるポリアミド樹脂原
料(i)に対して、アミド基間に挟まれる炭素数が平均
8以上である相溶剤としての芳香族系ビスアミド(i
i)を略等重量%まで混合させてなるものであることを
特徴とする請求項1に記載の金属粉末射出成形用バイン
ダ。 - 【請求項5】 前記ポリアミド樹脂原料の平均分子量
が、13,000以上であることを特徴とする請求項4
に記載の金属粉末射出成形用バインダ。 - 【請求項6】 前記芳香族系ビスアミドは、キシリレン
ビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソ
フタル酸アミドおよびN,N’−ジステアリルテレフタ
ル酸アミドのうちの一種または二種以上を混合させてな
るものであることを特徴とする請求項1乃至5のうちの
いずれかに記載の金属粉末射出成形用バインダ。 - 【請求項7】 前記アミド系水溶性物質はアミド基を有
する物質であり、前記アミン系水溶性物質はアミノ基を
有する物質であるとともに、これらアミド系水溶性物質
およびアミン系水溶性物質における融点が190℃以下
かつ沸点が175℃以上のもののうちから一種または二
種以上を混合させてなるものであることを特徴とする請
求項1乃至5のうちのいずれかに記載の金属粉末射出成
形用バインダ。 - 【請求項8】 さらに、0〜15重量%の滑剤を含むこ
とを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれかに記載
の金属粉末射出成形用バインダ。 - 【請求項9】 前記滑剤は、脂肪酸アミドを主体とする
ことを特徴とする請求項8に記載の金属粉末射出成形用
バインダ。 - 【請求項10】 前記C36二酸およびC44二酸は、不飽
和脂肪酸を二分子重合して得られる重合脂肪酸であるこ
とを特徴とする請求項2または3に記載の金属粉末射出
成形用バインダ。 - 【請求項11】 前記ポリアミド樹脂成分は、融点また
はガラス転移温度が略190℃以下に調整されているも
のであることを特徴とする請求項4または5に記載の金
属粉末射出成形用バインダ。 - 【請求項12】 (a)アミド系水溶性物質および/ま
たはアミン系水溶性物質40〜70重量%、および
(b)アミド基間に挟まれる炭素数が平均10個以上で
あるポリアミド樹脂原料から実質的になるポリアミド樹
脂成分25〜60重量%を含むことを特徴とする金属粉
末射出成形用バインダ。 - 【請求項13】 前記ポリアミド樹脂原料が、 C36二酸,C44二酸、またはそれらC36二酸およびC
44二酸の混合物と、炭素数6〜10個の脂肪族ジカル
ボン酸と、キシリレンジアミンと、エチレンジアミ
ンおよび/またはヘキサメチレンジアミンとを共重縮合
して得られるものであることを特徴とする請求項12に
記載の金属粉末射出成形用バインダ。 - 【請求項14】 前記ポリアミド樹脂原料の平均分子量
が、20,000以上であることを特徴とする請求項1
3に記載の金属粉末射出成形用バインダ。 - 【請求項15】 前記ポリアミド樹脂成分が、 ナイロン11,ナイロン12を主体とするアミド基間に
挟まれる炭素数が平均10個以上であるポリアミド樹脂
原料から実質的になるものであることを特徴とする請求
項12に記載の金属粉末射出成形用バインダ。 - 【請求項16】 前記ポリアミド樹脂原料の平均分子量
が、13,000以上であることを特徴とする請求項1
5に記載の金属粉末射出成形用バインダ。 - 【請求項17】 前記アミド系水溶性物質はアミド基を
有する物質であり、前記アミン系水溶性物質はアミノ基
を有する物質であるとともに、これらアミド系水溶性物
質およびアミン系水溶性物質における融点が190℃以
下かつ沸点が175℃以上のもののうちから一種または
二種以上を混合させてなるものであることを特徴とする
請求項12乃至16のうちのいずれかに記載の金属粉末
射出成形用バインダ。 - 【請求項18】 さらに、0〜15重量%の滑剤を含む
ことを特徴とする請求項12乃至16のうちのいずれか
に記載の金属粉末射出成形用バインダ。 - 【請求項19】 前記滑剤は、脂肪酸アミドを主体とす
ることを特徴とする請求項18に記載の金属粉末射出成
形用バインダ。 - 【請求項20】 前記C36酸およびC44二酸は、不飽和
脂肪酸を二分子重合して得られる重合脂肪酸であること
を特徴とする請求項13または14に記載の金属粉末射
出成形用バインダ。 - 【請求項21】 前記ポリアミド樹脂成分は、融点また
はガラス転移温度が略190℃以下に調整されているも
のであることを特徴とする請求項15または16に記載
の金属粉末射出成形用バインダ。 - 【請求項22】 (a)アミド系水溶性物質および/ま
たはアミン系水溶性物質40〜70重量%、および
(b)アミド基間に挟まれる炭素数が平均8個以上であ
るポリアミド樹脂原料(i)に対して、アミド基間に挟
まれる炭素数が平均8個以上である相溶剤としての芳香
族系ビスアミド(ii)を略等重量%まで混合させてな
るポリアミド樹脂成分25〜60重量%を含む金属粉末
射出成形用バインダを用いて射出成形されてなる成形体
から、まず水を主体とする溶媒により前記アミド系水溶
性物質および/またはアミン系水溶性物質を溶出させ、
次に加熱により前記ポリアミド樹脂成分を除去すること
を特徴とする脱脂方法。 - 【請求項23】 前記ポリアミド樹脂原料が、 C36二酸,C44二酸、またはそれらC36二酸およびC
44二酸の混合物と、炭素数6〜10個の脂肪族ジカル
ボン酸と、キシリレンジアミンと、エチレンジアミ
ンおよび/またはヘキサメチレンジアミンとを共重縮合
して得られるものであることを特徴とする請求項22に
記載の脱脂方法。 - 【請求項24】 前記ポリアミド樹脂成分が、 ナイロン11,ナイロン12を主体とするアミド基間に
挟まれる炭素数が平均8個以上であるポリアミド樹脂原
料(i)に対して、アミド基間に挟まれる炭素数が平均
8個以上である相溶剤としての芳香族系ビスアミド(i
i)を略等重量%まで混合させてなるものであることを
特徴とする請求項22に記載の脱脂方法。 - 【請求項25】 前記芳香族系ビスアミドは、キシリレ
ンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイ
ソフタル酸アミドおよびN,N’−ジステアリルテレフ
タル酸アミドのうちの一種または二種以上を混合させて
なるものであることを特徴とする請求項22乃至24の
うちのいずれかに記載の脱脂方法。 - 【請求項26】 前記アミド系水溶性物質はアミド基を
有する物質であり、前記アミン系水溶性物質はアミノ基
を有する物質であるとともに、これらアミド系水溶性物
質およびアミン系水溶性物質における融点が190℃以
下かつ沸点が175℃以上のもののうちから一種または
二種以上を混合させてなるものであることを特徴とする
請求項22乃至24のうちのいずれかに記載の脱脂方
法。 - 【請求項27】 さらに、0〜15重量%の滑剤を含む
ことを特徴とする請求項22乃至24のうちのいずれか
に記載の脱脂方法。 - 【請求項28】 (a)アミド系水溶性物質および/ま
たはアミン系水溶性物質40〜70重量%、および
(b)アミド基間に挟まれる炭素数が平均10個以上で
あるポリアミド樹脂原料から実質的になるポリアミド樹
脂成分25〜60重量%を含む金属粉末射出成形用バイ
ンダを用いて射出成形されてなる成形体から、まず水を
主体とする溶媒により前記アミド系水溶性物質および/
またはアミン系水溶性物質を溶出させ、次に加熱により
前記ポリアミド樹脂成分を除去することを特徴とする脱
脂方法。 - 【請求項29】 前記ポリアミド樹脂原料が、 C36二酸,C44二酸、またはそれらC36二酸およびC
44二酸の混合物と、炭素数6〜10個の脂肪族ジカル
ボン酸と、キシリレンジアミンと、エチレンジアミ
ンおよび/またはヘキサメチレンジアミンとを共重縮合
して得られるものであることを特徴とする請求項28に
記載の脱脂方法。 - 【請求項30】 前記ポリアミド樹脂成分が、 ナイロン11,ナイロン12を主体とするアミド基間に
挟まれる炭素数が平均10個以上であるポリアミド樹脂
原料から実質的になるものであることを特徴とする請求
項28に記載の脱脂方法。 - 【請求項31】 前記アミド系水溶性物質はアミド基を
有する物質であり、前記アミン系水溶性物質はアミノ基
を有する物質であるとともに、これらアミド系水溶性物
質およびアミン系水溶性物質における融点が190℃以
下かつ沸点が175℃以上のもののうちから一種または
二種以上を混合させてなるものであることを特徴とする
請求項28乃至30のうちのいずれかに記載の脱脂方
法。 - 【請求項32】 さらに、0〜15重量%の滑剤を含む
ことを特徴とする請求項28乃至30のうちのいずれか
に記載の脱脂方法。 - 【請求項33】 請求項1または12に記載の金属粉末
射出成形用バインダを用いて金属粉末材料を射出成形し
て得られることを特徴とする金属粉末射出成形体。 - 【請求項34】 請求項22または28に記載の脱脂方
法により脱脂して得られることを特徴とする脱脂体。 - 【請求項35】 請求項22または28に記載の脱脂方
法により脱脂した後、焼結して得られることを特徴とす
る焼結体。
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-
1995
- 1995-02-14 JP JP02555595A patent/JP3342780B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1995-11-20 TW TW84112325A patent/TW323301B/zh active
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