JPH07304440A - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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JPH07304440A
JPH07304440A JP21451494A JP21451494A JPH07304440A JP H07304440 A JPH07304440 A JP H07304440A JP 21451494 A JP21451494 A JP 21451494A JP 21451494 A JP21451494 A JP 21451494A JP H07304440 A JPH07304440 A JP H07304440A
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JP
Japan
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brake
braking pressure
pressure
power supply
control
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Application number
JP21451494A
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English (en)
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Haruki Okazaki
晴樹 岡崎
Tomoyuki Hirao
知之 平尾
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電源電圧低下時であっても、スリップ制御装
置の作動を可能とする。 【構成】 マスタシリンダ(MCR)で発生した制動圧
を制動圧供給管を介してブレーキホイールシリンダ(R
L,RR,FL,FR)に供給するブレーキ液の一部分
を、上記制動圧発生中に、該制動圧供給管から断続的に
バイパス管路に導くことによって、ブレーキホイールシ
リンダに供給される制動圧を増減させるとともに、前記
バイパス管路に導かれたブレーキ液を電動モータ(M)
により駆動されるポンプ(P1 ,P2 ,P3 )により制
動圧供給管に戻すアンチスキッドブレーキ制御手段(E
CU)と、前記ポンプ駆動用の電源電圧を検出する電源
電圧検出手段(BS)と、前記電源電圧が第1の所定値
より低いときに、前記制動圧の増圧行程を緩やかにする
制動圧制御手段(ECU)と、を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のスリップ制御装
置に関し、更に詳しくは、電動モータで駆動されるポン
プを使用する車両のスリップ制御装置に関する。本発明
は、アンチスキッドブレーキ制御装置及びトラクション
制御装置に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】車両のスリップ制御装置として、制動時
における車輪のロック即ちスキッド状態の発生の防止を
目的としたアンチスキッドブレーキ装置が装備されるこ
とがある(例えば、特開平5−105055号公報参
照)。アンチスキッドブレーキ装置は、一般に、車輪の
回転速度を検出する車輪速センサと、マスターシリンダ
からブレーキホイールシリンダへブレーキ液圧を供給す
るブレーキ制御用液圧回路内のブレーキ液圧を調整する
液圧調整手段と、上記車輪速センサによって検出された
車輪速に基づいて上記液圧調整手段を制御するコントロ
ールユニット(ECU)とを有する。コントロールユニ
ットは、例えば、車輪速センサによって検出された車輪
速に基づいて車輪の加減速度を算出して、車輪減速度が
所定値よりも小さくなったときには上記液圧調整手段を
減圧制御することによりブレーキホイールシリンダの制
動圧を低下させる。又、制動圧の低下によって解放され
た車輪の回転速度が増大して車輪加速度が所定値に達し
たときには、上記液圧調整手段を増圧制御することによ
りブレーキホイールシリンダに供給される制動圧を増大
させる。このような一連の制動圧制御(以下、ABS制
御という)を、継続して行うことにより、制動時におけ
る車輪のロック即ちスキッド状態を防止して、当該車両
を、方向安定性を失わせることなく短い制動距離で停止
させる。
【0003】上記液圧調整手段による減圧制御を、ブレ
ーキ制御用液圧回路内にブレーキぺダルによるブレーキ
圧が発生している状態で、マスタシリンダとブレーキホ
イールシリンダを連通する制動圧供給管に満たされたブ
レーキ液の一部分をバイパス通路に断続的に導くことに
よって行い、増減する制動圧をブレーキホイールシリン
ダに与えるアンチスキッドブレーキ装置がある。この種
のアンチスキッドブレーキ装置では、減圧制御時にバイ
パス管路に導かれたブレーキ液を、一度、リザーバタン
クに収容した後、電動モータにより駆動されるポンプで
制動圧供給管に戻している。又、他のスリップ制御装置
として、トラクションコントロール装置がある。(例え
ば、特開平5−112232号公報参照)。トラクショ
ンコントロール装置は、滑り易い路面での車両の発進時
やコーナリング時などに駆動輪の路面に対するスリップ
率が過大(空転状態)になるのを防止して、発進性、加
速性や車両安定性を向上させる装置である。トラクショ
ンコントロール装置におけるスリップ制御は、駆動輪へ
の付与トルク(トラクション)を低減することにより行
なわれる。そのための一つの方法として、ブレーキペダ
ルによるブレーキ制御とは独立した制動圧を制動圧供給
管即ちブレーキ制御用液圧回路内に発生させて、駆動輪
の路面に対する実際のスリップ値が所定の目標値となる
ような所謂ブレーキトラクション制御がある。
【0004】このトラクションコントロール装置には、
ブレーキペダルの操作と独立した制動圧を発生させるブ
レーキトラクション制御用液圧発生回路が設けられてい
る。そして、ブレーキトラクション制御時には、このブ
レーキトラクション用液圧発生回路がブレーキ制御用液
圧回路内にブレーキトラクション制御用の液圧を発生さ
せた状態で、ブレーキ制御用液圧回路内即ち制動圧供給
管に満たされたブレーキ液の一部を、バイパス通路に断
続的に導くことによって、増減圧するブレーキトラクシ
ョン用制動圧をブレーキホイールシリンダに供給してい
る。この種のトラクションコントロール装置において
も、バイパス管路に導かれたブレーキ液は、一度、リザ
ーバタンクに収容された後、電動モータにより駆動され
るポンプにより制動圧供給管に戻される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ブレーキ制御液圧回路
内にブレーキ用液圧が発生した状態で、ブレーキ液の一
部をバイパス管路に断続的に導く、即ち、ブレーキ液の
一部をバイパス管路に抜き取ることによってブレーキホ
イールシリンダに供給されるスリップ制御用の制動圧を
増減させるスリップ制御装置においては、モータを駆動
する電源電圧が低下すると、ポンプが一定時間内にリザ
ーバタンクからブレーキ制御用液圧回路に戻すことがで
きるブレーキ液の量が減少することになる。この結果、
電源電圧低下時には、ブレーキ制御用液圧回路からバイ
パス管路を介してリザーバタンクに流入するブレーキ液
の量が、ポンプが一定時間内にリザーバタンクからブレ
ーキ制御用液圧回路に戻すことができるブレーキ液の量
を上回り、リザーバタンクがブレーキ液で満たされるこ
とがある。リザーバタンクがブレーキ液で満たされる
と、ブレーキ液を、ブレーキ制御用液圧回路内即ち制動
圧供給管からバイパス管路内に導く(抜き取る)ことが
できなくなり、ブレーキ液の一部を抜き取ることによる
減圧ができなくなる。このため、上述したようなスリッ
プ制御装置では、電源電圧低下時、即ち、開閉弁や電動
モータの正規の性能が得られなくなった時(例えば、1
2V仕様の車両において、バッテリ電圧が10V程度に
なった時)には、スリップ制御を一律に禁止していた。
【0006】しかしながら、ABS制御等のスリップ制
御は車両の安定走行には欠かせないものであるため、電
源電圧が低下したときでも、必要最小限のスリップ制御
は行うことができる車両のスリップ制御装置が求められ
ていた。本発明は、このような観点からなされたもので
あり、電源電圧低下時には、必要最小限の性能を維持し
つつ、ポンプにかかる負荷が減少させるように、スリッ
プ制御に制御内容を変更することにより、スリップ制御
を行うことができる電源電圧の範囲を拡張した車両のス
リップ制御装置を提供することを目的としている。さら
に、本発明は、電源電圧低下時に車両安定性を確保する
ことができる車両のスリップ制御装置を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の本発明の車両のスリップ制御装置
は、マスタシリンダで発生した制動圧を制動圧供給管を
介してブレーキホイールシリンダに供給するブレーキ液
の一部分を、上記制動圧発生中に、該制動圧供給管から
断続的にバイパス管路に導くことによって、ブレーキホ
イールシリンダに供給される制動圧を増減させるととも
に、前記バイパス管路に導かれたブレーキ液を電動モー
タにより駆動されるポンプにより制動圧供給管に戻すア
ンチスキッドブレーキ制御手段と、前記ポンプ駆動用の
電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、前記電源電圧
が第1の所定値より低いときに、前記制動圧の増減の増
圧行程を緩やかにする制動圧制御手段と、を有すること
を特徴としている。請求項2記載の本発明の車両のスリ
ップ制御装置は、マスタシリンダで発生した制動圧をブ
レーキホイールシリンダに供給するブレーキ液で満たさ
れた制動圧供給管と、該制動圧供給管に設けられた第1
の開閉弁と、前記第1の開閉弁のブレーキホイールシリ
ンダ側で前記制動圧供給管に接続された一端と、前記第
1の開閉弁のマスタシリンダ側で前記制動圧供給管に接
続された他端とを有し、前記一端から他端に向けて順に
第2の開閉弁と電動モータにより駆動されるポンプとが
設けられたバイパス管路とを有し、マスタシリンダが制
動圧を発生させているときに、所定の条件下で、前記第
1の開閉弁を閉じ且つ前記第2の開閉弁を開くことによ
り前記ブレーキ液の一部を前記バイパス管路に導いてブ
レーキホイールシリンダに供給される制動圧を減圧させ
る減圧行程と、前記第1の開閉弁を開き且つ前記第2の
開閉弁を閉じることによりブレーキホイールシリンダに
供給される制動圧を増圧させる増圧行程とからなるアン
チスキッド制御サイクルを繰り返すとともに、前記バイ
パス管路に導かれたブレーキ液を前記ポンプにより前記
第1の開閉弁のマスタシリンダ側で前記制動圧供給管に
戻すアンチスキッドブレーキ制御手段と、前記ポンプを
駆動するモータの電源電圧を検出する電源電圧検出手段
と、前記電源電圧が第1の所定値より低いときに、前記
増圧行程を緩やかにする制動圧制御手段と、を有するこ
とを特徴としている。
【0008】請求項3に記載されているように、本発明
においては、前記電源電圧検出手段が、前記電動モータ
の回転数を検出することにより電源電圧を検出する電源
電圧検出手段であることが好ましい。請求項4に記載さ
れているように、本発明においては、前記開閉弁が、電
磁ソレノイド弁であり、電源電圧の変動に起因する電磁
ソレノイド弁の応答性変化を補償する補償手段を有する
ことが好ましい。請求項5に記載されているように、本
発明においては、前記電源電圧が、前記第1の所定値よ
り低い第2の所定値より小さくなったとき、アンチスキ
ッドブレーキ制御を禁止する作動禁止手段を有すること
が好ましい。請求項6に記載されているように、本発明
は、路面摩擦係数を推定するμ値推定手段と、前記μ値
の推定値に応じて前記第1の所定値を変更する設定電圧
値変更手段とを有することが好ましい。請求項7に記載
されているように、本発明においては、前記設定電圧値
変更手段が、μ値の推定値が所定値より高くなると前記
第1の所定値を大きくする設定電圧値変更手段であるこ
とが好ましい。
【0009】請求項8に記載されているように、本発明
においては、前記電源電圧検出手段が、前記開閉弁を作
動させる信号を発し、車輪加速度に変化がないときに、
電源電圧が前記第1の設定値を下回っていることを検出
する記電源電圧検出手段であることが好ましい。請求項
9に記載されているように、本発明は、悪路判定手段を
有し、この悪路判定手段が悪路であると判断したときに
は通常のアンチスキッド制御を行うブレーキ制御手段を
有することが好ましい。請求項10記載の本発明の車両
のスリップ制御装置は、マスタシリンダで発生した制動
圧を駆動輪のブレーキホイールシリンダに供給するブレ
ーキ液で満たされた制動圧供給管と、該制動圧供給管路
に設けられた第1の開閉弁と、前記第1の開閉弁のブレ
ーキホイールシリンダ側で前記制動圧供給管に接続され
た一端と、前記第1の開閉弁のマスタシリンダ側で前記
制動圧供給管に接続された他端とを有し、前記一端から
他端に向けて順に第2の開閉弁とポンプとが設けられた
バイパス管路路と、前記制動圧供給管の前記第1の開閉
弁のマスタシリンダ側に設けらたブレーキトラクション
用制動圧発生手段とを有し、所定条件下で、前記第1の
開閉弁を開き且つ前記前記第2の開閉弁を閉じた状態で
前記ブレーキトラクション制動圧発生手段を作動させブ
レーキホイールシリンダにブレーキトラクション用制動
圧を供給する増圧行程と、その後前記第1の開閉弁を閉
じ且つ前記前記第2の開閉弁を開いて前記バイパス管路
路にブレーキ液の一部を導きブレーキホイールシリンダ
に供給されるブレーキトラクション用制動圧を減圧する
減圧行程とからなるブレーキトラクション制御サイクル
を繰り返すとともに、前記バイパス管路に導かれたブレ
ーキ液を前記ポンプにより前記第1の開閉弁のマスタシ
リンダ側で前記制動圧供給管に戻すトラクション制御手
段と、前記ポンプ駆動用の電源電圧を検出する電源電圧
検出手段と、前記電源電圧が第1の所定値より低いとき
に、前記増圧行程を緩やかにする制動圧制御手段と、を
有することを特徴としている。
【0010】請求項11に記載されているように、本発
明は、前記電源電圧が、前記第1の所定値より低い第2
の所定値以下に低下したとき、トラクション制御手段の
作動を禁止する作動禁止手段を有することが好ましい。
請求項12記載の本発明の車両のスリップ制御装置は、
マスタシリンダで発生した制動圧を制動圧供給管を介し
てブレーキホイールシリンダに供給するブレーキ液の一
部分を、上記制動圧発生中に、該制動圧供給管から断続
的にバイパス管路に導くことによって、ブレーキホイー
ルシリンダに供給される制動圧を増減させるとともに、
前記バイパス管路に導かれたブレーキ液を電動モータに
より駆動されるポンプにより制動圧供給管に戻すアンチ
スキッドブレーキ制御手段と、前記ポンプ駆動用の電源
電圧を検出する電源電圧検出手段と、前記電源電圧が第
1の所定値より低いときに、後輪側の制動圧を保持する
制動圧制御手段と、を有することを特徴とする。請求項
13に記載されているように、本発明においては、前記
制動圧制御手段は、前記アンチスキッドブレーキ制御手
段の非作動中に前記電源電圧が第1の所定値より低くな
りその後に前輪側がアンチスキッドブレーキ制御に入っ
たとき、後輪側の制動圧を保持することが好ましい。
【0011】請求項14に記載されているように、本発
明においては、前記制動圧制御手段が、前輪側がアンチ
スキッドブレーキ制御に入ったとき、所定時間経過する
まで後輪側の制動圧を保持することが好ましい。請求項
15に記載されているように、本発明においては、前記
制動圧制御手段が、前記アンチスキッドブレーキ制御手
段の作動中に前記電源電圧が第1の所定値より低くなっ
た場合、後輪側の制動圧の増圧工程中に後輪側の制動圧
を保持することが好ましい。請求項16に記載されてい
るように、本発明においては、前記制動圧制御手段が、
後輪側の制動圧が減圧工程に移行するまで後輪側の制動
圧を保持することが好ましい。請求項17に記載されて
いるように、本発明は、更に、前記電源電圧が、前記第
1の所定値より低い第2の所定値より小さくなったと
き、アンチスキッドブレーキ制御を禁止する作動禁止手
段を有することが好ましい。
【0012】
【作用及び効果】上記構成を有する本発明では、電源電
圧が第1の所定値より低い状態では、ポンプにかかる負
担が減少するように、スリップ制御の内容を変更する。
より具体的には、制動圧を増減させるスリップ制御の増
圧行程を緩やかにする。尚、この第1の所定値は、開閉
弁、モータの正規の性能が得られなくなり、従来のスリ
ップ制御装置ではスリップ制御を禁止してしまう境界値
である。制動圧を増減させるスリップ制御サイクルにお
いて、増圧行程を通常のスリップ制御サイクルに比して
緩やかにすると、ブレーキホイールシリンダに対する制
動圧が、目標値を越えてしまう所謂オーバーシュートが
減り、増圧行程終了時におけるブレーキ圧の最大値が、
通常のABS制御に比して低くなる。この結果、増圧行
程に、引き続いて行われる減圧行程での減圧量も減少す
る。この減圧量の減少は、バイパス管路に導かれるブレ
ーキ液の量が減少すること、即ち、電動モータにより駆
動されるポンプが、移動ブレーキ制御用液圧回路に戻さ
なくてはならないブレーキ液の量が減少することを意味
する。従って、増圧行程を通常のスリップ制御サイクル
に比して緩やかにしたことにより、ポンプ或いはモータ
にかかる負荷が減少し、電源電圧が下がった状態でも、
アンチスキッドブレーキ制御或いはブレーキトラクショ
ン制御等のスリップ制御が可能となる。
【0013】更に、増圧行程を緩やかにすることによ
り、増圧行程の継続時間が長くなる。ポンプは、この長
くなった増圧行程中にブレーキ液をリザーバタンクか
ら、ブレーキ制御用液圧回路に戻せば良いことになる。
このため、電源電圧が低下して電動モータ或いはポンプ
の効率が落ちて、単位時間あたりにブレーキ液を戻す量
が減少していたとしても、リザーバタンク内に収容され
たブレーキ液をブレーキ制御用液圧回路に戻せることに
なる。又、増圧時間が長くなることによって、減圧時間
が減りリザーバタンクに導かれるブレーキ液の量が減少
するので、電動モータにより駆動されるポンプが、ブレ
ーキ制御用液圧回路に戻さなくてはならないブレーキ液
の絶対量も減少する。従って、増圧行程を緩やかにする
ことにより、電源電圧が下がった状態でもスリップ制御
が可能となる。以上のように、本発明では、スリップ制
御の増圧行程を緩やかにすることにより、車両のスリッ
プ制御を行うことができる電源電圧の範囲を拡張でき
る。また、本発明では、電源電圧低下時に、スリップ制
御における増圧工程を緩やかにすることに代えて、制動
圧制御手段により、後輪側の制動圧を保持するようにし
もよい。これにより、上記と同様に電源電圧低下時でも
スリップ制御を可能とするとともに、さらに、後輪側の
制動圧を保持するようにしているため、後輪がロックし
難くなり、それにより、車両の安定性が確保できる。
【0014】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。先ず、本発明の各実施例の基礎となる車両のスリ
ップ制御装置の機械的構成を図1に従って説明する。図
1は、通常のブレーキ装置、アンチスキッドブレーキ装
置(ABS)、ブレーキトラクション制御によるトラク
ションコントロール装置を組み合わせたブレーキ制御シ
ステムの全体構成を示している。図中符号100は、ア
ンチスキッドブレーキ装置とブレーキトラクション制御
によるトラクションコントロール装置を組み合わせたブ
レーキ制御システムの機械的構成部分を示す。尚、この
制御システムは、FR車用のものとして構成されてい
る。図中符号RLは左後輪用ブレーキホイールシリン
ダ、RRは右後輪用ブレーキホイールシリンダ、FLは
左前輪用ブレーキホイールシリンダ、FRは右前輪用ブ
レーキホイールシリンダ、またMCRは後輪ブレーキ用
のマスターシリンダ第1室、MCFは前輪ブレーキ用の
マスターシリンダ第2室、MBはブレーキ用マスターバ
ッグ(真空倍力装置)、BPはブレーキペダル、Bはブ
レーキスイッチ、VS1 〜VS4 は前後各車輪の車輪速
センサ、θSはステアリング操作角検出用の舵角セン
サ、BSはバッテリ電圧を検出する電源電圧検出手段、
ECUはマイクロコンピュータよりなるコントロールユ
ニットを夫々示す。上記電源電圧検出手段としては、バ
ッテリにより駆動される電動モータの回転をチェックす
ることにより電源電圧を検出する電源電圧検出手段又
は、バッテリの電圧を直接検出する電源電圧検出手段が
ある。
【0015】上記左後輪用ブレーキホイールシリンダR
Lは、液路(油圧配管)L1 、L15、L18を介して上記
駆動輪側後輪ブレーキ用のマスターシリンダ第1室MC
Rに接続されている。又、上記右後輪用ブレーキホイー
ルシリンダRRは、液路L2 、L15、L18を介して上記
後輪ブレーキ用のマスターシリンダ第1室MCRに接続
されている。又、上記左前輪用ブレーキホイールシリン
ダFLは、液路L3 、L16、L19を介して上記前輪ブレ
ーキ用のマスターシリンダ第2室MCFに接続されてい
る。又、上記右前輪用ブレーキホイールシリンダFR
は、液路L4 、L16、L19を介して上記前輪ブレーキ用
のマスターシリンダ第2室MCFに接続されている。更
に、符号RST1 は後輪側液圧系統用の第1のリザーバ
タンクを、RST2は前輪側液圧系統用の第2のリザー
バタンクを夫々示す。該第1のリザーバタンクRST1
は、第1のリリーフ弁SGV1 を設けた液路L5 を介し
て、上記液路L1 の第1の電磁開閉弁SOV1 の下流側
に接続され、又、第2のリリーフ弁SGV2 を設けた液
路L6 を介して上記液路L2 の第2の電磁開閉弁SOV
2 の下流側に接続され、更に、インレットバルブI
2 、オイルポンプP1 、アウトレットバルブOV2
バッファチャンバーDC1 、チェックバルブCV6 を設
けた液路L9 を介して上記第1、第2の電磁開閉弁SO
1 、SOV2 上流側の後輪側メイン液路L15に接続さ
れている。上記第1、第2の電磁開閉弁SOV1 、SO
2 は、開ボート側に搾り機能を有して構成されてい
る。また、第1、第2のリリーフ弁SGV1 、SGV2
は、そのリリーフ量によってABS制御時およびブレー
キトラクション制御時のブレーキ液圧をコントロールす
る。
【0016】また第2のリザーバタンクRST2 は、先
ず第3のリリーフ弁SGV3 を設けた液路L7 を介して
上記液路L3 の第3の電磁開閉弁SOV3 の下流側に、
次に第4のリリーフ弁SGV4 を設けた液路L3 を介し
て上記液路L4 の第4の電磁開閉弁SOV4 の下流側
に、さらにインレッドバルブIV3 、オイルポンプ
2、アウトレッドバルブVO3 、バッファチャンバー
DC2 、チェックバルブCV 7 を設けた液路L10を介し
て前輪側メイン液路L16に各々接続されている。該第
1、第2のリザーバタンクRST1 、RST2 は、各々
リザーバ液圧設定用のスプリングを備えて構成されてい
る。そして、上記第1〜第4の各電磁開閉弁SOV1
SOV4 をバイパスするように、各々チェック弁CV2
〜CV5 を設けた第1〜第4のバイパス液路L11〜L14
が設けられている。また、上記オイルポンプP1 、P2
は、オイルポンプ駆動モータMによって共通に駆動され
るようになっている。一方、上記後輪側メイン液路L18
の途中には、液圧系統切換弁(電磁開閉弁)TCV1
設けられているとともに、さらに、その下流側には増圧
ピストンTCPを介して2本の液路L20およびL21の一
端が共通に接続されている。該液路L 20およびL21の他
端は、各々第3リザーバタンクRST3 および第3のオ
イルポンプP3 のアウトレット側に接続されている。ま
た、該第3のオイルポンプP3は、そのインレット側を
インレットバルブIV1 を介設した液路L22を介して上
記第3のオイルリザーバタンクRST3 と接続されてい
る一方、そのアウトレット側をアウトレットバルブOV
1 を介して上記液路L21の他端と接続されている。
【0017】また液路L20には、上記増圧ピストンTC
Pに併用する第3のオイルポンプP 3 からの吐出圧をO
N/OFF制御するための増減圧制御弁である電磁開閉
弁TCV2 が介設されている。さらに、液路L20とL21
とは、液路L20側から液路L 21側へのチェック弁機能と
液路L21側から液圧L20側への圧力リリーフ機能を有し
たパイロットバルブ(圧力リリーフ弁)PLVを設けた
液路L23を介して接続されている。このパイロットバル
ブPLVは、上記増圧ピストンTCPに対するオイルポ
ンプ吐出圧が所定値になった時に当該吐出圧を第3のリ
ザーバタンクRST3 に逃がし、一定圧に維持する。上
記油圧系統切換弁TCV1 は、その開弁状態では上記後
輪側マスタシリンダMCRとブレーキホイールシリンダ
RL、RRとを連通させ、通常ブレーキ操作およびAB
S作動を可能とする一方、閉弁状態になると少なくとも
メイン液路L 15の上流側を閉じて増圧ピストンTCPに
よる増圧力がチェック弁CV1 のチェック作用によって
ブレーキホイールシリンダRL、RRに作用するように
し、ブレーキトラクション制御が可能となるようにす
る。チェック弁CV1 は、該液圧系統切換弁TCV1
バイパスする液路L17に設けられており、ブレーキトラ
クション制御時のブレーキベダルBPによるブレーキン
グを可能とする。
【0018】以上のように、本実施例におけるブレーキ
制御システムは、先ず上記第1バルブユニットSO
1 、SGV1 の作動によって左後輪におけるブレーキ
装置の制動圧を可変制御する第1チャンネルと、第2バ
ルブユニットSOV2 、SGV2の作動によって右後輪
におけるブレーキ装置の制動圧を可変制御する第2チャ
ンネルと、第3バルブユニットSOV3 、SGV3 の作
動によって左前輪におけるブレーキ装置の制動圧を可変
制御する第3チャンネルと、第4バルブユニットSOV
4 、SGV4 の作動によって右前輪におけるブレーキ装
置の制動圧を可変する第4チャンネルとが設けられてい
て、これら第1〜第4チャンネルが互いに独立してAB
S制御できるようになっている。又、上記第1〜第4の
各電磁開閉弁SOV1 〜SOV4 及び第1〜第4のリリ
ーフ弁SGV1 〜SGV4 は、電磁ソレノイド弁であ
る。又、上記ブレーキ制御システムには上記液圧系統切
換弁TCV1 と、上記電磁開閉弁TCV2 と、上記第1
〜第4チャンネルの各バルブSOV1 、SGV1 、SO
2 、SGV2 、SOV3 、SGV3 、SOV4 、SG
4 と、オイルポンプ駆動モータM等を制御するコント
ロールユニットECUが備えられている。このコントロ
ールユニットECUは、上記ブレーキベダルBPのON
/OFFを検出するブレーキスイッチBからのブレーキ
ベダル作動信号と、当該車両のハンドル操作角を検出す
る舵角センサθSからの舵角信号θと、各車輪の回転速
度をそれぞれ検出する車輪速センサVS1 〜VS4 から
の車輪速検出信号とを各々入力し、これらの信号に応じ
た制動圧制御信号を上記第1〜第4のバルブユニットの
各バルブおよび液液圧系統切換弁TCV1 、電磁開閉弁
TCV2 にそれぞれ出力することにより、左右の各後輪
および各前輪のスリップに対する制動力制御と左右の後
輪(駆動輪)に対する独立した制動力制御、すなわちA
BS制御とブレーキトラクション制御とを適切に行うよ
うになっている。
【0019】具体的には、上記コントロールユニットE
CUは、上記各車輪速センサVS1〜VS4 からの車輪
速信号が示す車輪速に基づいて上記第1〜第4バルブユ
ニット(SOV1 、SGV1 )、(SOV2 、SG
2 )、(SOV3 、SGV3 )、(SOV4 、SGV
4 )における電磁開閉弁SOV1 、SOV2 、SO
3 、SOV4 とリリーフ弁SGV1 、SGV2 、SG
3 、SGV4 とをそれぞれデューティ制御によって開
閉制御することにより、スリップの状態に応じた制動圧
で後輪および前輪に最適な制動力を付与するABS制御
を行う。このABS制御は、ブレーキホイールシリンダ
に供給されるブレーキ圧の保持、減圧、減圧後の保持、
増圧からなる公知のABS制御サイクルを繰り返すこと
によって行われる。又、この増圧工程を、初期の急増圧
とその後の緩増圧とに分けて行ってもよい。上記コント
ロールユニットECUは、公知の方法による悪路判定を
行っている。この悪路判定は、上記車輪速センサVS1
〜VS4 からの信号に基づく車輪の加減速度が、所定期
間内に、所定の悪路判定しきい値以上となる回数をカウ
ントすることによって行われ、悪路判定しきい値以上と
なる回数が、所定値より多いときに悪路であると判定
し、悪路判定フラグを1とする。
【0020】更に、コントロールユニットECUは、上
記車輪速センサVS1 〜VS4 からの信号等に基づい
て、公知の方法で路面摩擦係数μの推定処理も併せて行
っている。尚、減圧時第1〜第4バルブユニットにおけ
る各リリーフ弁SGV1 〜SGV 4 から、バイパス管路
であるドレンライン液路L5 〜L8 に導かれたブレーキ
液は、上記各々リザーバタンクRST1 、RST2 に一
時的に収容される。このリザーバタンクRST1 、RS
2 に収容されたブレーキ液は、電動モータMによって
駆動されるポンプP1 、P2 によって加圧され、第1、
第2の電磁開閉弁SOV1 、SOV2 又は第3、第4の
電磁開閉弁SOV3 、SOV4 の上流側(マスタシリン
ダ側)で、メイン液路L15、又はL16に戻される。この
時、ポンプP 1 、P2 は、リザーバタンクRST1 、R
ST2 に収容されたブレーキ液を、マスタシリンダから
供給されているブレーキ圧より高い圧力に加圧してメイ
ン液路L15、又はL16に戻すことになる。一方、ABS
非制御状態においては、上記コントロールユニットEC
Uからは制動圧制御信号が出力されず、したがって第1
〜第4バルブユニットにおける各リリーフバルブSGV
1 〜SGV4 がそれぞれ閉弁状態に保持され、かつ各バ
ルブユニットの電磁開閉弁SOV1 〜SOV4 がそれぞ
れ開弁状態に保持されることになる。この結果、ブレー
キペダルBPの踏込力に応じてマスターシリンダMC
R、MCFで発生した制動液圧が、後輪用制動圧供給ラ
インL18、L15、L1、L2 および前輪用制動圧供給ラ
インL19、L16、L3 、L4 を介して左右の後輪および
前輪におけるブレーキホイールシリンダRL・RR、F
L・FRに対して供給され、これらの制動液圧に応じた
制動力が後輪および前輪の各ブレーキディスクに対して
ダイレクトに付与される、通常のブレーキ制御が行われ
る。
【0021】更に、上記コントロールユニットECU
は、上記ABS制御に加えて、ブレーキ制御によるトラ
クションコントロールを行う。このため、上記コントロ
ールユニットECUのROMにはブレーキ制御によるト
ラクションコントロールに必要な制御プログラム、及び
各種マップ又はテーブルが、更に、ECUのRAMには
該制御を実行するのに必要な各種メモリが設けられてい
る。そして、その中央制御部には、後に述べたようなス
リップ判定用しきい値の設定手段、スリップ量の演算手
段及びエンジンのトルク調整用コントロール手段等が設
けられている。本実施例の装置によって行われる、ブレ
ーキ制御によるトラクションコントロール(ブレーキト
ラクション制御)を概略的に説明する。このブレーキト
ラクション制御は、先ず、コントロールユニットECU
が、駆動輪側の車輪速センサVS1 、VS2 が検出した
車輪速等に基づいて、駆動輪の路面に対するスリップ率
を算出する。ついで、このスリップ率に対応した制動圧
を駆動輪側のブレーキ装置に供給するために、コントロ
ールユニットは、上記液圧系統切換弁TCV1 および電
磁開閉弁TCV2 を閉弁させた後、増圧ピストンTCP
によりブレーキトラクション用制動圧を発生させ、上記
第1、第2のリリーフ弁SGV1 、SGV 2 及び電磁開
閉弁SOV1 、SOV2 を開閉制御することによって駆
動輪である後輪用の制動圧供給ラインL1 、L2 内に供
給されるブレーキトラクション制御用制動圧を周期的に
増減させ、所望のトラクションを得るようにする。
【0022】即ち、電磁開閉弁SOV1 又は電磁開閉弁
SOV2 を開き、上記第1のリリーフ弁SGV1 又は第
2のリリーフ弁SGV2 を閉じることにより、後輪のブ
レーキホイールシリンダLR又はRRにブレーキトラク
ション用制動圧を供給する増圧行程と、電磁開閉弁SO
1 又は電磁開閉弁SOV2 を閉じ、上記第1のリリー
フ弁SGV1 又は第2のリリーフ弁SGV2 を開くこと
により、後輪のブレーキホイールシリンダRL又はRR
に供給されるブレーキトラクション用制動圧を減圧する
減圧行程とを、周期的に繰り返す。この減圧行程では、
第1のリリーフ弁SGV1 又は第2のリリーフ弁SGV
2 が開かれるので、ブレーキ液の一部が、バイパス管路
であるドレンライン液路L5 又はL6 に導かれる。ドレ
ンライン液路L5 又はL6 に導かれたブレーキ液は、一
度、リザーバタンクRST1 又はRST2 に収容された
のち、ポンプP1 又はP2 によって加圧され、電磁開閉
弁SOV1 又は電磁開閉弁SOV2 のマスタシリンダ側
で、後輪用制動圧供給ラインL1 又はL2 に戻されるこ
とになる。次に、図2のフローチャートに沿って、本発
明の第1実施例のコントロールユニットEUCが行うブ
レーキの制御の内容について説明する。
【0023】コントロールユニットECUには、通常の
ABS制御を行うか、制御内容を変更したABS制御を
行うかの判断基準とする第1の所定電圧値VT1' と、制
御内容を変更したABS制御を行うかABS制御を禁止
するかの判断基準とする第2の所定電圧値VT2' とが予
めインプットされている。尚、この第1の所定電圧値V
T1' は、モータ及び電磁ソレノイド弁の正規の性能が得
られる電圧値であり、例えば、12V仕様の車両では1
1V程度である。又、この第2の所定電圧値V T2' は、
電磁ソレノイド弁の保障値以下であり、モータの吐出が
確保できない電圧値であり、例えば、12V仕様の車両
では9V程度である。このため、第1の所定電圧値V
T1' は、第2の所定電圧値VT2' より大きい。先ず、コ
ントロールユニットECUは、S1で、車輪速センサV
1 〜VS4からの信号等に基づいて公知の方法で推定
された路面摩擦係数μが、所定値より低いか否かを判定
する。S1で、μが所定値より低いと判定された場合に
は、S2に進み、このS2で、上述の第1及び第2の所
定電圧値VT1' 及びVT2' に夫々0.9を掛けたもの
を、本実施例のブレーキ制御に使用する第1及び第2の
所定電圧値VT1、VT1とした後、S4に進む。
【0024】一方、S2で、μが所定値より低くないと
判定された場合には、S3に進み、上述の第1及び第2
の所定電圧値VT1' 及びVT2' を、そのまま、本実施例
のブレーキ制御に使用する第1及び第2の所定電圧値V
T1、VT1とした後、S4に進む。このように、路面摩擦
係数μに応じて、所定電圧値の変更を行うのは以下の理
由による。路面摩擦係数μが低い場合には、ブレーキペ
ダルが強く踏まれていない状態、即ち、制動圧供給ライ
ン内の圧力が比較的低い状態でも車輪がロックして、A
BS制御にはいること多い。従って、マスタシリンダ圧
力(制動圧供給ライン内の圧力)が小さいため、減圧に
よりリザーバタンクRST1 又はRST2に収容された
ブレーキ液を、制動圧供給ラインに戻すための、ポンプ
にかかる負荷も小さい。この結果、低μの場合には、電
源電圧が多少低下していても、リザーバに収容されたブ
レーキ液を必要量だけ制動圧供給ラインに戻して、通常
のABS制御が行えることになる。このため、低μ時に
は、ABSの制御内容を変更する基準電圧を、高μ時に
比して低く設定し、より広い範囲で通常のABS制御が
可能となるようにしている。
【0025】次に、S4で、電源電圧検出手段BSによ
り検出される電源電圧Vが、上記第1の所定電圧値VT1
より小さいか否かが判定される。S4で、NO、即ち、
電源電圧Vが、上記第1の所定電圧値VT1と等しい又そ
れより大きいと判定されたときは、S8に進み、通常の
ABS制御が行われる。一方、S4で、YESと判定さ
れたときは、S5に進み、上記電源電圧Vが、上記第2
の所定電圧値VT2より小さいか否かが判定される。S5
で、YES、即ち、電源電圧Vが上記第2の所定電圧値
T2より小さいと判定されたときは、S7に進み、AB
S制御が禁止される。電源電圧Vが、上記第2の所定電
圧値VT2より小さければ、制御内容を変更したABS制
御すら行えないからである。S5で、NO、即ち、電源
電圧Vが、上記第2の所定電圧値VT2と等しい又それよ
り大きいと判定されたときは、S6に進み、制御内容を
変更したABS制御が行われる。具体的には、ABS制
御サイクルの中の増圧行程を緩やかにしたABS制御が
行われる。増圧行程を緩やかにすることは、電磁開閉弁
SOV1 〜SOV4 のデューティ比を変更することによ
って行われる。より具体的には、例えば、通常のABS
制御では増圧継続時間40ms中、上記開閉弁が開き、
増圧される増圧時間が8msであったのを、6msにす
ることによって達成される。又、増圧行程が、初期急増
圧とその後の緩増圧とからなっているときは、この何れ
か一方或いは両方において増圧を緩めることが行われ
る。この場合は、急増圧行程を短縮したり、或いは、緩
増圧行程において弁の開時間を4msから3msに短縮
したりすることによって、増圧行程が緩やかにされる。
【0026】この結果、ブレーキホイールシリンダにか
かる制動圧が限界値を越える所謂オーバーシュートが減
少し、次回のABS制御サイクルの減圧行程での減圧量
が小さくなる。即ち、次回の減圧行程で、バイパス管路
であるドレインライン液路L 5 〜L8 に導かれるブレー
キ液の量が減少する。従って、ポンプP1 又はP2 がリ
ザーバタンクから制動圧供給ラインに戻さなければなら
ないブレーキ液の絶対量が減少し、ポンプP1 又はP2
或いはこれを駆動する電動モータMにかかる負荷が減少
する。次に、図3のフローチャートに沿って、本発明の
第2実施例のコントロールユニットEUCが行うブレー
キの制御の内容について説明する。先ず、コントロール
ユニットECUは、S21で、悪路であるか否かを判定
する。この判定は、コントロールユニットECU内の悪
路判定フラグを参照することにより行われる。S21で
悪路でないと判定されたときは、S22に進む。一方、
S21で悪路であると判定されたときは、車軸の加減速
度が頻繁に出るため、弁を開状態にした結果、車軸に加
減速度が生じたのか否かが判定できないので、S22及
びS23におけるバッテリ電源電圧の判定が困難にな
る。従って、S26に進み、通常のABS制御を行う。
尚、この場合の通常のABS制御とは、電源が正常だと
仮定して制御を行うものである。
【0027】S22で、コントロールユニットECU
は、電磁ソレノイド弁である電磁開閉弁SOV1 〜SO
4 を閉じ、電磁ソレノイド弁であるリリーフ弁SGV
1 〜SGV4 を開かせるような、例えば、2msのパル
ス信号を、電磁開閉弁SOV1〜SOV4 及びリリーフ
弁SGV1 〜SGV4 に向ってを出す。これらの各弁も
モータ同様、バッテリにより駆動されるので、もし、バ
ッテリ電圧が下っていれば、各弁は2msのパルスに対
し十分反応できず、その結果、各ブレーキホイールシリ
ンダに対する制動圧が変化しないことになる。このた
め、上記のような、パルスを試験的に電磁開閉弁SOV
1 〜SOV4 及びリリーフ弁SGV1 〜SGV4 に向っ
て送り、車輪の加速度変化をチェックし、電源であるバ
ッテリの電圧を検出することができる。次いで、S23
で、コントロールユニットECUは、各車輪の車輪速セ
ンサS 1 〜VS4 からの信号に基づいて、車輪の加速度
に変化があったか否かを判定する。S23で、YES、
即ち、変化があったと判定されたときは、各弁が上記2
msのパルスに各弁が反応した、即ち、バッテリ電圧が
ABS制御を行うために十分であると認められ、S26
に進み、通常のABS制御が許可され、行われる。
【0028】S23で、NO、即ち、電源であるバッテ
リの電圧が不十分であると判定された場合は、S24に
進む。S24で、コントロールユニットECUが、各弁
のON時間に、例えば、1msの補償時間を加算した
後、S25に進む。この加算は、電源電圧の低下に起因
する電磁ソレノイド弁の応答の遅れを補償するためであ
る。次に、S25で、制御内容を変更したABS制御が
行われる。具体的には、ABS制御サイクルの中の増圧
行程を緩やかにした、即ち、増圧量を減少させたABS
制御が行われる。増圧行程を緩やかにすることは、上
記、第1実施例同様に、電磁開閉弁SOV 1 〜SOV4
のデューティ比を変更することによって行われる。より
具体的には、例えば、通常のABS制御では8msであ
った開時間を、6msにすることによって達成される。
又、増圧行程が、初期急増圧とその後の緩増圧とからな
っているときは、この何れか一方或いは両方において増
圧を緩めることが行われる。この結果、ブレーキホイー
ルシリンダにかかる制動圧が、限界値を越える所謂オー
バーシュートが減少し、次回のABS制御サイクルの減
圧行程での減圧量が小さくなる。即ち、減圧行程で、バ
イパス管路である液路L5 〜L8 に導かれるブレーキ液
の量が減少する。従って、ポンプP1 又はP2 が、リザ
ーバタンクから制動圧供給ラインに戻さなければならな
いブレーキ液の絶対量が減少し、ポンプP1 又はP2
いはこれを駆動する電動モータMにかかる負荷が減少す
る。
【0029】次に、図4のフローチャートに沿って、本
発明の第3実施例のコントロールユニットEUCが行う
トラクションコントロールの内容について説明する。コ
ントロールユニットECUには、通常のブレーキトラク
ション制御を行うか、制御内容を変更したブレーキトラ
クション制御を行うかの判断基準となる第1の所定電圧
値VT3と、制御内容を変更したブレーキトラクション制
御を行うかブレーキトラクション制御を禁止するかの判
断基準となる第2の所定電圧値VT4とが予めインプット
されている。尚、第1の所定電圧値VT3は、第2の所定
電圧値VT4より大きい。先ず、コントロールユニットE
CUは、S31で、電源電圧検出手段BSにより検出さ
れる電源電圧Vが、上記第1の所定電圧値VT3より小さ
いか否かを判定する。S4で、NO、即ち、電源電圧V
が、上記第1の所定電圧値VT3と等しい又それより大き
いと判定されたときは、S35に進み、上述したような
通常のブレーキトラクション制御が行われる。一方、S
31で、YESと判定されたときは、S32に進み、上
記電源電圧Vが、上記第2の所定電圧値VT4より小さい
か否かが判定される。S31で、YES、即ち、電源電
圧Vが、上記第2の所定電圧値VT4より小さいと判定さ
れたときは、S34に進み、ブレーキトラクション制御
を禁止する。電源電圧Vが、上記第2の所定電圧値VT4
より小さければ、制御内容を変更したブレーキトラクシ
ョン制御すら行えないからである。
【0030】S32で、NO、即ち、電源電圧Vが、上
記第2の所定電圧値VT4と等しい又それより大きいと判
定されたときは、S33に進み、制御内容を変更したブ
レーキトラクション制御が行われる。具体的には、ブレ
ーキトラクション制御サイクルの中の増圧行程を緩やか
にした、即ち、増圧量を減少させたブレーキトラクショ
ン制御が行われる。増圧行程を緩やかにすることは、電
磁開閉弁SOV1 〜SOV2 のデューティ比を変更する
ことによって行われる。この結果、ブレーキホイールシ
リンダにかかる制動圧が、限界値を越える所謂オーバー
シュートが減少し、次回の減圧行程での減圧量が小さく
なる。即ち、減圧行程で、バイパス管路である液路L5
〜L 8 に導かれるブレーキ液の量が減少する。従って、
ポンプP1 がリザーバタンクから制動圧供給ラインに戻
さなければならないブレーキ液の絶対量が減少し、ポン
プP1 或いはこれを駆動する電動モータMにかかる負荷
が減少する。次に、図5に示すフローチャートを参照し
て、本発明の第4実施例によるアンチスキッドブレーキ
制御(ABS制御)の内容を説明する。図5のフローチ
ャートにおけるTは、各ステップを示す。
【0031】先ず、T1において、電源電圧Vが上述し
た第2の所定電圧値VT2より小さいか否かを判定する。
小さくない場合には、T2に進み、電源電圧Vが上述し
た第1の所定電圧値VT1より小さいか否かを判定する。
小さい場合には、T3に進み、ABS制御中か否かを判
定する。ABS制御中でなければ、T4に進み、前輪側
がABS制御に入ったか否かを判定する。前輪側がAB
S制御に入った場合には、T5に進み、前輪側のブレー
キ圧を保持する。その後、T6において、前輪側のブレ
ーキ圧が保持状態となってから所定時間が経過したか否
かを判定する。なお、T6においては、所定時間が経過
したか否かを判定する代わりに、減圧工程及びその後の
増圧工程を1サイクルとした場合、ブレーキ圧がこの1
サイクルを経過したか否かを判定するようにしてもよ
い。次に、T6で所定時間が経過したと判定された場合
には、T7に進み、後輪側のブレーキ圧の保持を解除し
て、通常の状態に戻す。一方、T3において、ABS制
御中であると判定された場合には、T8に進み、後輪側
がABS制御中であるか否かを判定する。後輪側がAB
S制御中であれば、T9に進み、更に、後輪側のブレー
キ圧が増圧中(増圧工程)であるか否かを判定する。後
輪側のブレーキ圧が増圧中(増圧工程)であれば、T1
0に進み、後輪側のブレーキ圧を保持する。その後、T
11において、後輪側のブレーキ圧が減圧工程に移行し
たか否かを判定し、減圧工程に移行した場合には、T1
2において、後輪側のブレーキ圧の保持を解除する。
【0032】また、T1において、電源電圧Vが上述し
た第2の所定電圧値VT2より小さいと判定された場合に
は、T13に進み、ABS制御を禁止する。この本発明
の第4実施例による作用を説明する。一般的に、車両に
おいて、車両の安定性を確保するため、ブレーキが操作
された際、後輪が前輪より早くロックすることがないよ
うに設定されている。この第4実施例においては、この
点を考慮して、第1実施例における増圧工程を緩やかす
ることに代えて、後輪側のブレーキ圧を保持するように
している。具体的に説明すると、この第4実施例では、
電源電圧Vが低下して、制御内容を変更したABS制御
を行う必要がある第1の所定電圧値VT1と第2の所定電
圧値VT2の間にあるときは、ABS制御を行う際に、後
輪側のブレーキ圧を保持するようにしている。この後輪
側のブレーキ圧の保持は、第1及び第2の電磁開閉弁S
OV1 ,SOV2 を閉じると共に第1及び第2のリリー
フ弁SGV1 ,SGV2 を閉じることにより行う。この
結果、制動圧が大きくならないため、この後に続く減圧
工程での減圧量も低下する。これにより、ポンプP1
リザーバタンクから制動圧供給ラインに戻さなければな
らないブレーキ液の絶対量が減少し、ポンプP1 或いは
これを駆動する電動モータMにかかる負荷が減少する。
また、ABS制御中に後輪側のブレーキ圧が保持されて
いるため、後輪がロックし難くなり、これにより、電源
電圧Vが低下したABS制御中においても車両の安定性
を確保することができる。
【0033】また、ABS非制御中に電源電圧Vが低下
して、第1の所定電圧値VT1と第2の所定電圧値VT2
間になったとき、前輪側がABS制御に入った場合に
は、後輪側のブレーキ圧を所定時間又は上述した1サイ
クルの間保持するようにしている。これにより、ABS
制御初期は減圧量が多くそのためオイルポンプに大きな
負荷がかかるが、この負荷を低減することができる。さ
らに、ABS制御中に電源電圧Vが低下して、第1の所
定電圧値VT1と第2の所定電圧値VT2の間になったとき
には、後輪側のブレーキ圧が増圧中にこのブレーキ圧を
保持し、その後、減圧工程に移動した際、この後輪側の
ブレーキ圧の保持を解除して、通常の制御に戻すように
している。これにより、上述したように、制動圧が大き
くならないため、減圧工程での減圧量も低下する。この
結果、ポンプP1 がリザーバタンクから制動圧供給ライ
ンに戻さなければならないブレーキ液の絶対量が減少
し、ポンプP1 或いはこれを駆動する電動モータMにか
かる負荷が減少する。また、電源電圧Vが第2の所定電
圧値VT2より低下した場合には、ABS制御を禁止する
ようにしている。
【0034】次に、図6に示すフローチャートを参照し
て、本発明の第5実施例によるアンチスキッドブレーキ
制御(ABS制御)の内容を説明する。図6のフローチ
ャートにおけるTは、各ステップを示す。先ず、T21
において、電源電圧Vが上述した第1の所定電圧値VT1
より小さいか否かを判定する。小さい場合には、T21
に進み、4輪のうち1輪でもABS制御に入ったか否か
を判定する。1輪でもABS制御に入っていれば、T2
3に進み、後輪側のブレーキ圧を保持する。その後、T
24において、ABS制御が終了したか否かを判定し、
終了していれば、T25に進み、後輪側のブレーキ圧の
保持を解除する。この第5実施例においては、電源電圧
Vが第1の所定電圧値VT1より低下した場合、4輪のう
ち1輪でもABS制御に入ったらABS制御終了まで後
輪側のブレーキ圧を保持するようにしている。この結
果、ポンプP1 がリザーバタンクから制動圧供給ライン
に戻さなければならないブレーキ液の絶対量が減少し、
ポンプP1 或いはこれを駆動する電動モータMにかかる
負荷が減少する。また、ABS制御中に後輪側のブレー
キ圧が保持されているため、後輪がロックし難くなり、
これにより、電源電圧Vが低下したABS制御中におい
ても車両の安定性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両のスリップ制御装置が装備される
車両の全体概略図
【図2】本発明の第1実施例の制御内容を示すフローチ
ャート
【図3】本発明の第2実施例の制御内容を示すフローチ
ャート
【図4】本発明の第3実施例の制御内容を示すフローチ
ャート
【図5】本発明の第4実施例の制御内容を示すフローチ
ャート
【図6】本発明の第5実施例の制御内容を示すフローチ
ャート
【符号の説明】
M 電動モータ P1 ポンプ P2 ポンプ SOV1 電磁開閉弁 SOV2 電磁開閉弁 SOV3 電磁開閉弁 SOV4 電磁開閉弁 ECU コントロールユニット RR 後輪ブレーキホイールシリンダ LR 後輪ブレーキホイールシリンダ FL 前輪ブレーキホイールシリンダ FR 前輪ブレーキホイールシリンダ RST1 リザーバ RST2 リザーバ

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスタシリンダで発生した制動圧を制動
    圧供給管を介してブレーキホイールシリンダに供給する
    ブレーキ液の一部分を、上記制動圧発生中に、該制動圧
    供給管から断続的にバイパス管路に導くことによって、
    ブレーキホイールシリンダに供給される制動圧を増減さ
    せるとともに、前記バイパス管路に導かれたブレーキ液
    を電動モータにより駆動されるポンプにより制動圧供給
    管に戻すアンチスキッドブレーキ制御手段と、 前記ポンプ駆動用の電源電圧を検出する電源電圧検出手
    段と、 前記電源電圧が第1の所定値より低いときに、前記制動
    圧の増圧行程を緩やかにする制動圧制御手段と、 を有することを特徴とする車両のスリップ制御装置。
  2. 【請求項2】 マスタシリンダで発生した制動圧をブレ
    ーキホイールシリンダに供給するブレーキ液で満たされ
    た制動圧供給管と、この制動圧供給管に設けられた第1
    の開閉弁と、この第1の開閉弁のブレーキホイールシリ
    ンダ側で前記制動圧供給管に接続された一端と、前記第
    1の開閉弁のマスタシリンダ側で前記制動圧供給管に接
    続された他端とを有し、前記一端から他端に向けて順に
    第2の開閉弁と電動モータにより駆動されるポンプとが
    設けられたバイパス管路とを有し、マスタシリンダが制
    動圧を発生させているときに、所定の条件下で、前記第
    1の開閉弁を閉じ且つ前記第2の開閉弁を開くことによ
    り前記ブレーキ液の一部を前記バイパス管路に導いてブ
    レーキホイールシリンダに供給される制動圧を減圧させ
    る減圧行程と、前記第1の開閉弁を開き且つ前記第2の
    開閉弁を閉じることによりブレーキホイールシリンダに
    供給される制動圧を増圧させる増圧行程とからなるアン
    チスキッド制御サイクルを繰り返すとともに、前記バイ
    パス管路に導かれたブレーキ液を前記ポンプにより前記
    第1の開閉弁のマスタシリンダ側で前記制動圧供給管に
    戻すアンチスキッドブレーキ制御手段と、 前記ポンプを駆動するモータの電源電圧を検出する電源
    電圧検出手段と、 前記電源電圧が第1の所定値より低いときに、前記増圧
    行程を緩やかにする制動圧制御手段と、 を有することを特徴とする車両のスリップ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記電源電圧検出手段が、前記電動モー
    タの回転数を検出することにより電源電圧を検出する電
    源電圧検出手段である請求項1又は2に記載の車両のス
    リップ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記開閉弁が、電磁ソレノイド弁であ
    り、更に、電源電圧の変動に起因する電磁ソレノイド弁
    の応答性変化を補償する補償手段を有する請求項2に記
    載の車両のスリップ制御装置。
  5. 【請求項5】 更に、前記電源電圧が、前記第1の所定
    値より低い第2の所定値より小さくなったとき、アンチ
    スキッドブレーキ制御を禁止する作動禁止手段を有する
    請求項1又は2に記載の車両のスリップ制御装置。
  6. 【請求項6】 更に、路面摩擦係数を推定するμ値推定
    手段と、 前記μ値の推定値に応じて前記第1の所定値を変更する
    設定電圧値変更手段と、 を有する請求項1、2又は5のいずれか1項に記載の車
    両のスリップ制御装置。
  7. 【請求項7】 前記設定電圧値変更手段が、μ値の推定
    値が所定値より高くなると前記第1の所定値を大きくす
    る設定電圧値変更手段である請求項6に記載の車両のス
    リップ制御装置。
  8. 【請求項8】 前記電源電圧検出手段が、前記開閉弁を
    作動させる信号を発し、車輪加速度に変化がないとき
    に、電源電圧が前記第1の設定値を下回っていることを
    検出する記電源電圧検出手段である請求項2に記載の車
    両のスリップ制御装置。
  9. 【請求項9】 更に、悪路判定手段と、 この悪路判定手段が悪路であると判断したときには通常
    のアンチスキッド制御を行うブレーキ制御手段と、 を有する請求項8に記載に車両のスリップ制御装置。
  10. 【請求項10】 マスタシリンダで発生した制動圧を駆
    動輪のブレーキホイールシリンダに供給するブレーキ液
    で満たされた制動圧供給管と、この制動圧供給管路に設
    けられた第1の開閉弁と、この第1の開閉弁のブレーキ
    ホイールシリンダ側で前記制動圧供給管に接続された一
    端と、前記第1の開閉弁のマスタシリンダ側で前記制動
    圧供給管に接続された他端とを有し、前記一端から他端
    に向けて順に第2の開閉弁とポンプとが設けられたバイ
    パス管路路と、前記制動圧供給管の前記第1の開閉弁の
    マスタシリンダ側に設けらたブレーキトラクション用制
    動圧発生手段とを有し、所定条件下で、前記第1の開閉
    弁を開き且つ前記前記第2の開閉弁を閉じた状態で前記
    ブレーキトラクション制動圧発生手段を作動させブレー
    キホイールシリンダにブレーキトラクション用制動圧を
    供給する増圧行程と、その後前記第1の開閉弁を閉じ且
    つ前記前記第2の開閉弁を開いて前記バイパス管路路に
    ブレーキ液の一部を導きブレーキホイールシリンダに供
    給されるブレーキトラクション用制動圧を減圧する減圧
    行程とからなるブレーキトラクション制御サイクルを繰
    り返すとともに、前記バイパス管路に導かれたブレーキ
    液を前記ポンプにより前記第1の開閉弁のマスタシリン
    ダ側で前記制動圧供給管に戻すトラクション制御手段
    と、 前記ポンプ駆動用の電源電圧を検出する電源電圧検出手
    段と、 前記電源電圧が第1の所定値より低いときに、前記増圧
    行程を緩やかにする制動圧制御手段と、 を有することを特徴とする車両のスリップ制御装置。
  11. 【請求項11】 更に、前記電源電圧が、前記第1の所
    定値より低い第2の所定値以下に低下したとき、トラク
    ションコントロール装置の作動を禁止する作動禁止手段
    を有する請求項10に記載の車両のスリップ制御装置。
  12. 【請求項12】 マスタシリンダで発生した制動圧を制
    動圧供給管を介してブレーキホイールシリンダに供給す
    るブレーキ液の一部分を、上記制動圧発生中に、該制動
    圧供給管から断続的にバイパス管路に導くことによっ
    て、ブレーキホイールシリンダに供給される制動圧を増
    減させるとともに、前記バイパス管路に導かれたブレー
    キ液を電動モータにより駆動されるポンプにより制動圧
    供給管に戻すアンチスキッドブレーキ制御手段と、 前記ポンプ駆動用の電源電圧を検出する電源電圧検出手
    段と、 前記電源電圧が第1の所定値より低いときに、後輪側の
    制動圧を保持する制動圧制御手段と、 を有することを特徴とする車両のスリップ制御装置。
  13. 【請求項13】 前記制動圧制御手段は、前記アンチス
    キッドブレーキ制御手段の非作動中に前記電源電圧が第
    1の所定値より低くなりその後に前輪側がアンチスキッ
    ドブレーキ制御に入ったとき、後輪側の制動圧を保持す
    る請求項12記載の車両のスリップ制御装置。
  14. 【請求項14】 前記制動圧制御手段は、前輪側がアン
    チスキッドブレーキ制御に入ったとき、所定時間経過す
    るまで後輪側の制動圧を保持する請求項13記載の車両
    のスリップ制御装置。
  15. 【請求項15】 前記制動圧制御手段は、前記アンチス
    キッドブレーキ制御手段の作動中に前記電源電圧が第1
    の所定値より低くなった場合、後輪側の制動圧の増圧工
    程中に後輪側の制動圧を保持する請求項12記載の車両
    のスリップ制御装置。
  16. 【請求項16】 前記制動圧制御手段は、後輪側の制動
    圧が減圧工程に移行するまで後輪側の制動圧を保持する
    請求項15記載の車両のスリップ制御装置。
  17. 【請求項17】 更に、前記電源電圧が、前記第1の所
    定値より低い第2の所定値より小さくなったとき、アン
    チスキッドブレーキ制御を禁止する作動禁止手段を有す
    る請求項12記載の車両のスリップ制御装置。
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